後藤さんのこと(小説)

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&font(#6495ED){登録日}:2011/06/07(火) 03:49:24 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ 【00:README】 あなたたちはこれから 帰還者とよばれることになります だからまず、おかえりなさい ───────────────} #center(){&font(#808080){途中で気分が悪くなったり}} #center(){&font(#808080){自分が何をしていたのかが}} #center(){&font(#808080){わからなくなったり}} #center(){&font(#808080){することがあれば}} #center(){&font(#808080){なるべく早目に}} #center(){&font(#808080){この注意書きまで}} #center(){&font(#808080){戻ってきて下さい}} #center(){&font(#808080){楽な姿勢をとって目を瞑り}} #center(){&font(#808080){何度か深呼吸を繰り返しても}} #center(){&font(#808080){症状が治まらない場合には}} #center(){&font(#808080){ひとまずブラウザを終了させ}} #center(){&font(#808080){この項目の存在を忘れる程度の}} #center(){&font(#808080){時間を挟むのが良いでしょう}} #center(){───────────────} 『後藤さんのこと』とは[[円城塔]]の小説、及びその表題作です。   早川書房より2010年1月に叢書<想像力の文学>として単行本が、2012年3月にその文庫版が刊行されています。 冒頭の長いエピグラフと意味不明な注意書きを不承不承ながらも読み、「さあようやく本文が来るぞ」と思った方はいらっしゃるでしょうか。 その方には大変申し訳ないのですが、本書の説明はそこそこに、変な文章が始まってしまいました。 今、こうして、このように。 そして、ここまで読み進めたあなたは次のように考えるかもしれません。 この能書きはひょっとするとまだ続くのではないか、と。 おめでとうございます。 あなたの予想は美事に正鵠と図星とブルズ・アイを射抜きました。 どうぞそのまま画面をスクロールして下さい。 さて、以上の状況を踏まえ、この文章を目にしているあなたの今この瞬間の感想を次の中から選んで下さい。   1:早く説明を始めろ   2:また[[円城塔]]か   3:その他(       ) 1を選んだ方は&link_anchor(【01:概要】){【01:概要】}の項へ進んで下さい。 そこから順に読み進めれば、本書の雰囲気が多少なりともわからないこともないとも申し上げません。   2を選んだ方は&link_anchor(【10:目次】){【10:目次】}の項へ進んで下さい。 作者の名前を知っているあなたのことですから、幾分か読み飛ばしても何ら問題ないでしょう。 3を選んだ方は括弧内に所感をサインペン等で記入し、そのあとは好きにして頂いて構いません。 [[アニヲタWiki]]内にある他の項目を読んだり、一足伸ばして[[アニヲタの集い]]の掲示板群をご利用されては如何でしょうか。 最高に無駄な時間があなたを待ち構えています。 &aname(【01:概要】,option=nolink){【01:概要】} &font(#ff0000){『後藤さんのこと』は}6篇+おまけ1篇で構成されている短・中篇小説集です。 作者の小説はよくわからない調子でよくわからないことをいうのが常ですが、本書は&font(#ff0000){果たしてよくわからない小説たちで埋め尽くされています。} 与太話、幾何学的な話、幻想的な話など各種揃っていまして、&font(#ff0000){有り体に言えば}数理と文学の間に出来た子に悪戯をまぶした感じ、とでもいうのでしょうか。&font(#ff0000){よくわかりません。}   これまでのところ、平気でしょうか。 気分が悪くなってきた場合には、冒頭の注意書きにお戻り下さい。 ところで、本書には馴染みの薄い[[数学]]や[[物理学]]などの用語が登場します。 不明な箇所は自分で調べるなり、詳しい人に訊くなり、&font(#ff0000){「よくわからない話なんだから」}と幾分開き直って読み進めるのが良いでしょう。 &font(#ff0000){そもそも気に留めず、解かる所だけつまんでいくのも吉です。} &font(#ff0000){最後になりましたが、}本項目が読解の手助けになる確率はゼロを割っています。 &font(#ff0000){当項目はあなたが全面的に干渉する日を切実にお待ち申し上げております。} &aname(【10:目次】,option=nolink){【10:目次】} &font(#0000ff){■}「後藤さんのこと」 全6章のお話で、表題作です。 後藤さんが持つ様々な性質についてあれこれ考えていきます。 向こうの曲がり角からひょっくり&font(#ff0000){後藤さん}が顔を出していて、それを僕と一緒に見ている後藤さん。   お互いを出し抜こうとする[[後藤さん>後藤麻衣]]と[[後藤さん>後藤沙緒里]]と[[後藤さん>後藤邑子]]。 後藤&font(#ff0000){さん}と&font(#ff0000){後藤}&font(#008000){さん}と&font(#0000ff){後藤}&font(#ff0000){さん}は、勿論それぞれが後藤さん本人です。 &font(#0000ff){後藤}&font(#ff0000){さん}の起源を知るため、&font(#0000ff){後藤さん}と&font(#ff0000){後藤さん}を掛け合わせたら[[後藤さん>後藤慎太郎]]になったのは有名な話です。 #center(){ 独り歩く夜道も    顔を上げれば ほら  ぽっかりとそこにいて そっとあなたに    語りかけているのです 「お世話になっております。後藤です」 } &font(#0000ff){■}「さかしま」 このお話を読むであろうあなたたちは帰還者とよばれることになります。 だからまず、おかえりなさい。 よくぞお戻りになりました。この日をどんなに待ち侘びたことでしょう。   お話の詳細な内容に関しては実際に本篇をお読み頂くか、お近くの文部科学国土交通通商産業労働省に問い合わせればわかるかもしれないと、一体誰に保証することが出来るでしょうか。 &font(#0000ff){■}「考速」 声は声で、文字は文字で、言葉は言葉であるわけですが、声と文字と言葉の位相はどうなっているのでしょうか。 #center(){「他のものによって考えられないものは } #center(){それ自身によって考えられねばならない」} そんな佐倉の声に従って、試しに文字や言葉を閉じたり、開いたり、並べ替えたりしてみましょう。 ひょっとしたら何かわかるかもしれません。 &font(#0000ff){■}「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」 かの銀河帝国が辿った衰退と没落の軌跡──これを全10章にわたり懇切丁寧に説明しないお話です。 いくつか例を挙げてみましょう。 01:銀河帝国の誇る人気メニューは揚げパンである。これを以て銀河帝国三年四組は銀河帝国一年二組を制圧した。 #right(){──<怪奇の章>より}   20:今年の銀河帝国は発売後十五分で売り切れた。 #right(){──<巷間の章>より} 48:この世に銀河帝国なんていうものはありはしないのだよ、銀河帝国君。 #right(){──<怪盗の章>より} 71:わたしたち、お別れしてもずっと銀河帝国同士でいようね。十年後も素敵な銀河帝国同士でいようね。きっとだよ。 #right(){──<卒業の章>より} &font(#0000ff){■}「ガベージコレクション」 その遺書には、はじまりがなく、終わりがありません。 それを遺書と呼ぶ是非は一先ず置いておくとして、書いた主の名を羽山亨といいます。 これは彼の研究──チェス・プロブレムと逆問題とその周辺についてあれこれ語るお話です。 &font(#808080){……本書の“文系殺し”として知られる2強の、その1篇です。} &font(#808080){繰り返します。} &font(#808080){当項目はあなたが全面的に干渉する日を切実にお待ち申し上げております。}   &font(#0000ff){■}「墓標天球」 少年は生まれ、 少女は育ち、 少年は年上の少女と別れ、 少年は大人となって私を見送り、 少女は私の誕生を見り、 少女は生まれ、年老いた少年と出会い、 年老いた私は── そう、私は溝を掘っている。 この天球の上で、ずっと、ずっと。 &font(#0000ff){■}「INDEX」 単行本の帯に書かれた、あるいは文庫版の末尾に付された短篇です。 上手に組み立てると小さな本になります。 本書を読むのに図書館を利用される場合、このお話を組み立てられない可能性が十二分に考えられます。ご注意下さい。 【&font(#008000){11:余談・備考など}】 &font(#008000){■}中篇「後藤さんのこと」に出てくる後藤さんのモデルになったのは、なんと作者の元上司である後藤さんです。 &font(#008000){■}第1章「後藤さん&font(#ff0000){一般の性質}について」ですが、黒だけを読む、&font(#ff0000){赤}だけを読む、黒と&font(#ff0000){赤}を同時に読む、と少なくとも3通りの読み方が可能です。 追記・修正等宜しくお願い致します。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 意味わかんねえよ。。。 -- 名無しさん (2017-11-30 00:23:39) - 銀河帝国のあるフレーズでなぜか爆笑してしまった記憶がある。 -- 名無しさん (2018-03-12 21:49:40) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2011/06/07(火) 03:49:24 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ 【00:README】 あなたたちはこれから 帰還者とよばれることになります だからまず、おかえりなさい ───────────────} #center(){&font(#808080){途中で気分が悪くなったり}} #center(){&font(#808080){自分が何をしていたのかが}} #center(){&font(#808080){わからなくなったり}} #center(){&font(#808080){することがあれば}} #center(){&font(#808080){なるべく早目に}} #center(){&font(#808080){この注意書きまで}} #center(){&font(#808080){戻ってきて下さい}} #center(){&font(#808080){楽な姿勢をとって目を瞑り}} #center(){&font(#808080){何度か深呼吸を繰り返しても}} #center(){&font(#808080){症状が治まらない場合には}} #center(){&font(#808080){ひとまずブラウザを終了させ}} #center(){&font(#808080){この項目の存在を忘れる程度の}} #center(){&font(#808080){時間を挟むのが良いでしょう}} #center(){───────────────} 『後藤さんのこと』とは[[円城塔]]の小説、及びその表題作です。   早川書房より2010年1月に叢書<想像力の文学>として単行本が、2012年3月にその文庫版が刊行されています。 冒頭の長いエピグラフと意味不明な注意書きを不承不承ながらも読み、「さあようやく本文が来るぞ」と思った方はいらっしゃるでしょうか。 その方には大変申し訳ないのですが、本書の説明はそこそこに、変な文章が始まってしまいました。 今、こうして、このように。 そして、ここまで読み進めたあなたは次のように考えるかもしれません。 この能書きはひょっとするとまだ続くのではないか、と。 おめでとうございます。 あなたの予想は美事に正鵠と図星とブルズ・アイを射抜きました。 どうぞそのまま画面をスクロールして下さい。 さて、以上の状況を踏まえ、この文章を目にしているあなたの今この瞬間の感想を次の中から選んで下さい。   1:早く説明を始めろ   2:また[[円城塔]]か   3:その他(       ) 1を選んだ方は&link_anchor(【01:概要】){【01:概要】}の項へ進んで下さい。 そこから順に読み進めれば、本書の雰囲気が多少なりともわからないこともないとも申し上げません。   2を選んだ方は&link_anchor(【10:目次】){【10:目次】}の項へ進んで下さい。 作者の名前を知っているあなたのことですから、幾分か読み飛ばしても何ら問題ないでしょう。 3を選んだ方は括弧内に所感をサインペン等で記入し、そのあとは好きにして頂いて構いません。 [[アニヲタWiki]]内にある他の項目を読んだり、一足伸ばして[[アニヲタの集い]]の掲示板群をご利用されては如何でしょうか。 最高に無駄な時間があなたを待ち構えています。 &aname(【01:概要】,option=nolink){【01:概要】} &font(#ff0000){『後藤さんのこと』は}6篇+おまけ1篇で構成されている短・中篇小説集です。 作者の小説はよくわからない調子でよくわからないことをいうのが常ですが、本書は&font(#ff0000){果たしてよくわからない小説たちで埋め尽くされています。} 与太話、幾何学的な話、幻想的な話など各種揃っていまして、&font(#ff0000){有り体に言えば}数理と文学の間に出来た子に悪戯をまぶした感じ、とでもいうのでしょうか。&font(#ff0000){よくわかりません。}   これまでのところ、平気でしょうか。 気分が悪くなってきた場合には、冒頭の注意書きにお戻り下さい。 ところで、本書には馴染みの薄い[[数学]]や[[物理学]]などの用語が登場します。 不明な箇所は自分で調べるなり、詳しい人に訊くなり、&font(#ff0000){「よくわからない話なんだから」}と幾分開き直って読み進めるのが良いでしょう。 &font(#ff0000){そもそも気に留めず、解かる所だけつまんでいくのも吉です。} &font(#ff0000){最後になりましたが、}本項目が読解の手助けになる確率はゼロを割っています。 &font(#ff0000){当項目はあなたが全面的に干渉する日を切実にお待ち申し上げております。} &aname(【10:目次】,option=nolink){【10:目次】} &font(#0000ff){■}「後藤さんのこと」 全6章のお話で、表題作です。 後藤さんが持つ様々な性質についてあれこれ考えていきます。 向こうの曲がり角からひょっくり&font(#ff0000){後藤さん}が顔を出していて、それを僕と一緒に見ている後藤さん。   お互いを出し抜こうとする[[後藤さん>後藤麻衣]]と[[後藤さん>後藤沙緒里]]と[[後藤さん>後藤邑子]]。 後藤&font(#ff0000){さん}と&font(#ff0000){後藤}&font(#008000){さん}と&font(#0000ff){後藤}&font(#ff0000){さん}は、勿論それぞれが後藤さん本人です。 &font(#0000ff){後藤}&font(#ff0000){さん}の起源を知るため、&font(#0000ff){後藤さん}と&font(#ff0000){後藤さん}を掛け合わせたら[[後藤さん>後藤慎太郎]]になったのは有名な話です。 #center(){ 独り歩く夜道も    顔を上げれば ほら  ぽっかりとそこにいて そっとあなたに    語りかけているのです 「お世話になっております。後藤です」 } &font(#0000ff){■}「さかしま」 このお話を読むであろうあなたたちは帰還者とよばれることになります。 だからまず、おかえりなさい。 よくぞお戻りになりました。この日をどんなに待ち侘びたことでしょう。   お話の詳細な内容に関しては実際に本篇をお読み頂くか、お近くの文部科学国土交通通商産業労働省に問い合わせればわかるかもしれないと、一体誰に保証することが出来るでしょうか。 &font(#0000ff){■}「考速」 声は声で、文字は文字で、言葉は言葉であるわけですが、声と文字と言葉の位相はどうなっているのでしょうか。 #center(){「他のものによって考えられないものは } #center(){それ自身によって考えられねばならない」} そんな佐倉の声に従って、試しに文字や言葉を閉じたり、開いたり、並べ替えたりしてみましょう。 ひょっとしたら何かわかるかもしれません。 &font(#0000ff){■}「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」 かの銀河帝国が辿った衰退と没落の軌跡──これを全10章にわたり懇切丁寧に説明しないお話です。 いくつか例を挙げてみましょう。 01:銀河帝国の誇る人気メニューは揚げパンである。これを以て銀河帝国三年四組は銀河帝国一年二組を制圧した。 #right(){──<怪奇の章>より}   20:今年の銀河帝国は発売後十五分で売り切れた。 #right(){──<巷間の章>より} 48:この世に銀河帝国なんていうものはありはしないのだよ、銀河帝国君。 #right(){──<怪盗の章>より} 71:わたしたち、お別れしてもずっと銀河帝国同士でいようね。十年後も素敵な銀河帝国同士でいようね。きっとだよ。 #right(){──<卒業の章>より} &font(#0000ff){■}「ガベージコレクション」 その遺書には、はじまりがなく、終わりがありません。 それを遺書と呼ぶ是非は一先ず置いておくとして、書いた主の名を羽山亨といいます。 これは彼の研究──チェス・プロブレムと逆問題とその周辺についてあれこれ語るお話です。 &font(#808080){……本書の“文系殺し”として知られる2強の、その1篇です。} &font(#808080){繰り返します。} &font(#808080){当項目はあなたが全面的に干渉する日を切実にお待ち申し上げております。}   &font(#0000ff){■}「墓標天球」 少年は生まれ、 少女は育ち、 少年は年上の少女と別れ、 少年は大人となって私を見送り、 少女は私の誕生を見り、 少女は生まれ、年老いた少年と出会い、 年老いた私は── そう、私は溝を掘っている。 この天球の上で、ずっと、ずっと。 &font(#0000ff){■}「INDEX」 単行本の帯に書かれた、あるいは文庫版の末尾に付された短篇です。 上手に組み立てると小さな本になります。 本書を読むのに図書館を利用される場合、このお話を組み立てられない可能性が十二分に考えられます。ご注意下さい。 【&font(#008000){11:余談・備考など}】 &font(#008000){■}中篇「後藤さんのこと」に出てくる後藤さんのモデルになったのは、なんと作者の元上司である後藤さんです。 &font(#008000){■}第1章「後藤さん&font(#ff0000){一般の性質}について」ですが、黒だけを読む、&font(#ff0000){赤}だけを読む、黒と&font(#ff0000){赤}を同時に読む、と少なくとも3通りの読み方が可能です。 追記・修正等宜しくお願い致します。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 意味わかんねえよ。。。 -- 名無しさん (2017-11-30 00:23:39) - 銀河帝国のあるフレーズでなぜか爆笑してしまった記憶がある。 -- 名無しさん (2018-03-12 21:49:40) #comment #areaedit(end) }

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