ガラムマサラ(香辛料)

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&font(#6495ED){登録日}:2010/01/26 (火) 17:45:20 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #openclose(show=※読み飛ばしOK※){ #areaedit() 男は今夜の取引にいつもより緊張していた。 なんてことない取引、いつもの相手、いつもの商品、いつもの量、ただ珍しく取引場所を指定された。 10年以上の付き合いがある取引相手の珍しい我儘、受け入れるのも商売と今回は男が折れた。 場所は中立地帯の繁華街、違和感は消えないが、俺ならいつも通り大丈夫だと自分に言い聞かせる。 ガチャ ドアの開く音が聞こえる、続く足音、約束通り一人のようだ。 「ダンナ、待たせちまった様で悪いね」 相手はいつもの笑顔で男の正面に立つ。 「約束の2分前だ、待っちゃいない」 「今回はコッチの我儘を受けてもらっ……」 「御託はいい、仕事をはじめようぜ」 相手の感謝の言葉を無視して取引を促す。 「へへ、分かってますよ」 相手がアタッシェケースを開けると、中から小分けされた茶色の粉袋が顔を出す。 「確認するぞ。」 「どうぞどうぞ。」 右下の袋に穴を開け、中指の腹で触る、右下と中指、男のラッキージンクスだ。 「どれ」 香りを確かめ、味をみる。 「確かにエスビーの上物だ。」 「へへ、取引成立ですかね?」 説明出来ない違和感、この世界で長く生きた男の嗅覚が反応する。 「待て、……もう一ついいか?」 「えっ」 「何か不都合でもあるのか?」 「いっいえ、どうぞどうぞ」 相手の一瞬の動揺、見逃すほどお人好しではない、一つ隣の袋を同じ手順で確認する。 「おいおい、ブツはブツだがコイツは百均の安物だぞ」 「そっそうですかい? ダンナの思い違いじゃないですか?」 相手の動揺が伝わってくる。 「俺が間違えると思うか?」 「へへ、流石ですね」 一時の沈黙…… カチャ 微かな物音、男の経験と本能がレッドシグナルを告げる。 「ダ、ダンナ逃げてくださ……」 ズキュン、ズキュン 2発の銃声、腹をおさえ倒れる取引相手、そして響く嫌な笑い声。 「ハッハッハッ、久しぶりですね」 「この筋書きを考えたのは貴様か? ゲス野郎。」 笑い声の主とその部下、登場人物がいっきに6人も増えた。 出来れば一生会いたくない最低野郎だ。 しかし男はそれ以上相手にせず凶弾に倒れた取引相手を見る。 「ダンナ、すっすまねぇ、脅されたとはいえアンタを裏切っちまった」 助からないな、男には分かる。 「よくある事だ、気にするな」 相手もプロだ、自分が助からないことは理解出来ているだろう。それでも血を吐きながら途切れ途切れの謝罪を繰り返した、すぐにそれも消えた。 「まったく、役に立たないドブネズミですね」 死者に鞭打つゲスの言葉。 「ちょっと娘さんの話をしたら、お前のことをベラベラと話してくれましたよ。ハッハッハッ」 嫌な笑い。 「ドブネズミの娘はどうしました?」 ゲスのクエスチョンに部下が答える。 「俺達の暇つぶしに付き合ってもらいました、そして今頃アッチで感動のさいか……」 パスッ セリフをいい終える前に、サービスで頭の風通しを良くしてやった。 パスッ ついでにもう1人強制退場、冴えないサイレンサーの音は嫌いだが、コレもラッキージンクスなので仕方ない。 「こっ殺せぇ! 蜂の巣にしちまえ!!」 ゲスの言葉使いが雑になる。 『三流三下のゲス野郎が』 逆に男は冷静になり、銃撃をくぐり抜け柱の影に移動する。 「クソックソックソッ」 ゲスが取引相手の死体に八つ当たりの無駄な発砲を繰り返す、本物のゲス野郎だ。 「出てこいよ!チキン野郎」 『1日で取引相手と親友、2つも無くしちまった、ついてないな』 男はプロだ、落とし前はつけるが、復讐はしない、だが。 『熱いスパイスみたいな夜だな……。仕方ない、あの世を賑やかにしてやるか!』 柱の影から男が飛び出す、敵の照準よりも速く。 パスッ、パスッ、パスッ、パスッ サイレンサーの冴えない銃声。 #areaedit(end) } ※ココから本文※   ガラムマサラとは、[[カレー>カレーライス]]等のインド料理によく使われる「ミックススパイス」の一種で、その中でも比較的ポピュラーな一品。 ヒンディー語でガラムは「熱い」等の意味があり、マサラは「ミックススパイス」の意味がある、二つ合わせて「熱いミックススパイス」 よくガラムの「熱い」は辛さからくる「熱い」だと勘違いされるが、実際はガラムマサラを作る際に、香辛料を炒める工程があるから。 インドでは家庭ごとにオリジナルの調合があり、インド人のおふくろの味的なモノらしい。 香辛料を炒めてすり潰せば完成なので、自主制作するのも面白いかもしれない、しかし[[日本>日本国]]は香辛料が結構高いのでオススメはできない。 イギリスがカレーを作る際にもとにしたスパイスの調合はこのガラムマサラ。 それを日本人がアレンジし、昨今のカレーライスが誕生した。 #region(主な香辛料) 上述の通り各家庭毎にレシピが異なり「絶対」という物は無いが、大抵の場合は使用されている基本的なスパイスがある。 例えばエスビー食品から発売されているガラムマサラには黒胡椒・コリアンダー・赤唐辛子・カルダモン・クミン・クローブ・シナモンが入っている。 -シナモン --肉桂、桂皮、ニッキ等の名前でも呼ばれる。カレー以外の食べ物(特に洋菓子類)にも使われていることがあるため、知っている人も多いだろう。&br()クスノキ科の常緑樹の一種で、我々がよく知るシナモンはこの木の樹皮を剥いで乾燥させたものである。&br()独特の甘い香りを放ち、ガラムマサラではクローブ・ナツメグと並ぶ基本のスパイスとして用いられる。 -クローブ --丁子、丁字とも。フトモモ科の植物、チョウジノキの未開花の蕾を乾燥したもの。&br()丸い蕾の部分と軸の部分が釘に似ていることからフランス語で釘を意味するClouから派生してクローブと呼ばれるようになった。&br()ガラムマサラの基本スパイス三種の一つであり、主に臭みのある獣肉(特に羊肉や[[豚肉]])に対して使われることが多い。香りが強いため鶏肉や白身魚等の淡白な肉質の肉には合わない。&br()香りの主成分であるオイゲノールには鎮痛作用があり歯痛の薬とされた他、精油は[[日本刀]]の錆止め剤として使われていたんだとか。 -ナツメグ --ニクヅクとも。一般に知られるものはナツメグの種の仁を乾燥させたもの。種を包んでいる仮種皮は「メース」という別のスパイスになる。ガラムマサラの三大基本スパイスの一つ。&br()ハンバーグに練り込むスパイスとして聞いたこともあるかもしれない。&br()健胃作用があり、生薬としても用いられる。&br()なお、生のナツメグには毒性があるとされている。 -カルダモン --ショウズクとも。ショウガ科の多年草で、一般にスパイスとして使われるのは種子を乾燥させたもの。爽やかで上品な香りから「スパイスの女王」と呼ばれる。&br()かなり昔から知られたスパイスであったらしく、古くは古代ローマ帝国時代の文献にカルダモンの名が現れ、紀元前二世紀頃のインドでは既に輸出作物としてヨーロッパへと輸出されていた。&br()クローブ・シナモンと共にチャイ(インド名物のスパイス入りミルクティー)の香り付けにも用いられる。 -クミン --セリ科の植物。種子を乾燥させたものをスパイスとして用いる。&br()&bold(){カレーの香りの正体。}砕く前のホールの状態で既にそれと分かる強烈な芳香を発し、インド料理の大半に使用されるまさにインド料理の象徴とも言うべきスパイス。&br()擂り潰したパウダーと擂り潰す前のホールとで用途が異なり、粉は料理の仕上げに、ホールは油に加えて香りを移すのに使うんだとか。 -アニス --セリ科の一年草。アネトールと呼ばれる成分を含んでおり、甘い香りがする。フェンネルや八角など他にもアネトールを含むスパイスがあり、若干高価で手に入りにくいアニスの代用として使われることも。&br()あっさりした香りのため、クローブとは逆に魚肉や鶏肉等に使う。 -ローレル --月桂樹の葉。カレーだけでなく肉類を用いる煮込み料理には広く使われている。 -黒胡椒 --言わずと知れた辛味スパイス。辛味と刺激的な香りで料理の味を引き締めてくれる。 -コリアンダーシード --まんまコリアンダーの種。…コリアンダーとは何かだって?要するに&bold(){パクチー}の事だ。&br()成長したパクチー(シャンツァイ)は非常に好みの別れる香りだが、発芽前の種は柑橘類にも例えられる爽やかな甘い香りを持つ。&br()あまり主張しない穏やかな香りのため汎用性が高く、単独でも様々な料理に合う。 これ以外にもキャラウェイ、フェンネル等を加えたり、各スパイスの配分を変えたりすることで各家庭独自の「お袋の味」が出来上がって行くのである。 #endregion 使用法 カレー作る際の、肉を炒める時や、ルーを入れる時、完成時等に適当にパッパッとふりかけよう。 皿に持って食べる前にふりかけてもOK。 またカレー味の物なら大体相性が良いので、[[カレーうどん]]、カレー焼きそばやカレーピラフ、[[タンドリー風チキン>タンドリーチキン]]の隠し味等も面白い。   注意点 香辛料は風味が大切なので、できるだけ早い消費を心がけよう。 ガラムマサラは入れただけでカレーが美味しくなる[[魔法]]の粉ではなく、カレーに風味をプラスするモノと覚えておこう。 普通のカレーに飽きた方はぜひ食べてみて下さい。 因みにマサラの調合に使われるスパイスの大半は、漢方として使われたりする。 #openclose(show=※読み飛ばしOK※){ #areaedit() 「おじさん、大丈夫?」 俺に金を恵んで貰おうと声をかけてきた少女が、心配した様子で顔をのぞき込む、黒いコートには赤黒いシミが滲んでいる。 「お嬢ちゃん、ヤッカイ事にかかわるなって教わらなかったのかい?」 「でも……」 幸い弾丸は掠っただけで致命傷ではない。困惑する少女の頭を撫でまた歩み始める。 数歩歩いて立ち止まりコートのポケットから思い出した様に小袋を取り出し、振り返って少女に向けて放り投げる。 「コレで美味いカレーでも食ってきな」 「スゴイ本物のガラムマサラだ!」 「あぁ、百均の安物だが本物だ、香りが無くなる前に食えよ」 背を向け手を振りながら応える。 形見のつもりで持ってきたが、俺やアイツにそんな物は似合わない。 「おじさん、ガラムマサラをありがとう。」   ~終~ #areaedit(end) } 追記、修正は感情的に音読してからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,28) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - この厨二臭さ‥嫌いじゃないw -- 名無しさん (2013-10-10 12:11:58) - ハードボイルド・オブ・ガラムマサラ 近々上映! -- 名無しさん (2013-10-10 14:30:29) - シエル先輩は携行してるという風潮 -- 名無しさん (2014-03-26 12:11:45) - モンハンみたいな名前だな -- 名無しさん (2014-03-26 12:27:30) - 香辛竜かな? -- 名無しさん (2015-01-30 07:18:14) - この項目すき -- 名無しさん (2016-10-31 17:38:47) - 「ケーキのない誕生日なんて、ガラムマサラの入ってないカレーみたいなもんや!」「そんなのカレーじゃない」 -- 名無しさん (2017-06-26 16:50:10) - 「X」(ぺけ)3巻ではこれをてにいれるために奥さんがホームセンターでさまよったり高校生をカツ上げしたりする。 -- 名無しさん (2018-05-15 10:25:28) - お城の地下にいる強いモンスターみたいな名前ね! -- 名無しさん (2021-01-13 08:07:56) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2010/01/26 (火) 17:45:20 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #openclose(show=※読み飛ばしOK※){ #areaedit() 男は今夜の取引にいつもより緊張していた。 なんてことない取引、いつもの相手、いつもの商品、いつもの量、ただ珍しく取引場所を指定された。 10年以上の付き合いがある取引相手の珍しい我儘、受け入れるのも商売と今回は男が折れた。 場所は中立地帯の繁華街、違和感は消えないが、俺ならいつも通り大丈夫だと自分に言い聞かせる。 ガチャ ドアの開く音が聞こえる、続く足音、約束通り一人のようだ。 「ダンナ、待たせちまった様で悪いね」 相手はいつもの笑顔で男の正面に立つ。 「約束の2分前だ、待っちゃいない」 「今回はコッチの我儘を受けてもらっ……」 「御託はいい、仕事をはじめようぜ」 相手の感謝の言葉を無視して取引を促す。 「へへ、分かってますよ」 相手がアタッシェケースを開けると、中から小分けされた茶色の粉袋が顔を出す。 「確認するぞ。」 「どうぞどうぞ。」 右下の袋に穴を開け、中指の腹で触る、右下と中指、男のラッキージンクスだ。 「どれ」 香りを確かめ、味をみる。 「確かにエスビーの上物だ。」 「へへ、取引成立ですかね?」 説明出来ない違和感、この世界で長く生きた男の嗅覚が反応する。 「待て、……もう一ついいか?」 「えっ」 「何か不都合でもあるのか?」 「いっいえ、どうぞどうぞ」 相手の一瞬の動揺、見逃すほどお人好しではない、一つ隣の袋を同じ手順で確認する。 「おいおい、ブツはブツだがコイツは百均の安物だぞ」 「そっそうですかい? ダンナの思い違いじゃないですか?」 相手の動揺が伝わってくる。 「俺が間違えると思うか?」 「へへ、流石ですね」 一時の沈黙…… カチャ 微かな物音、男の経験と本能がレッドシグナルを告げる。 「ダ、ダンナ逃げてくださ……」 ズキュン、ズキュン 2発の銃声、腹をおさえ倒れる取引相手、そして響く嫌な笑い声。 「ハッハッハッ、久しぶりですね」 「この筋書きを考えたのは貴様か? 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-- 名無しさん (2015-01-30 07:18:14) - この項目すき -- 名無しさん (2016-10-31 17:38:47) - 「ケーキのない誕生日なんて、ガラムマサラの入ってないカレーみたいなもんや!」「そんなのカレーじゃない」 -- 名無しさん (2017-06-26 16:50:10) - 「X」(ぺけ)3巻ではこれをてにいれるために奥さんがホームセンターでさまよったり高校生をカツ上げしたりする。 -- 名無しさん (2018-05-15 10:25:28) - お城の地下にいる強いモンスターみたいな名前ね! -- 名無しさん (2021-01-13 08:07:56) #comment #areaedit(end) }

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