風の谷のナウシカ(漫画)

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&font(#6495ED){登録日}:2012/05/22 Fri 22:11:26 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s)&new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 13 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 映画『[[風の谷のナウシカ>風の谷のナウシカ(映画)]]』の原作漫画。 作者は宮崎駿。アニメージュで連載されていた。全七巻。 【目次】 #Contents() *【概要】 [[スタジオジブリ]]を代表するアニメ映画の原作にあたるが、商業的なダイジェストである映画はそのうち2巻の途中くらいまでの映像化に留められており、該当部分の展開もかなり異なる。 当時の慣習では原作無しのオリジナルアニメの企画を通すのが困難だったことから、 「じゃあ原作を作ればいい」とパヤオが自分で描いたという経緯がある。 このようなやや不純な動機で描かれたものの、当時のパヤオの集大成といえる壮大な大傑作になっている。 しかし、映画に比べるとシリアスで残酷な場面が多く、映画では生き残る登場人物も死んでしまう。 間違っても[[トトロ>となりのトトロ]]や[[ポニョ>崖の上のポニョ]]、 あるいは映画版ナウシカの気分で読むのはオススメしない。 映画版と同じく序盤は自然破壊をテーマにしているが、中盤は民族紛争、後半は生命倫理的な話になってくる。 スタジオジブリ設立からラピュタ・トトロ等の製作に時間を割かれてかなりの中断期間を経ている。 その間に起きた[[湾岸戦争]]はパヤオの価値観にかなりの衝撃を与えたらしく、本作終盤に相当な影響があったと後に述べている。 ※似たような話は他にもあって、福田己津央も現実の戦争がお茶の間で流れる光景に受けた衝撃が[[ガンダムSEED]]に繋がったと話している。 あの戦争、何気に本邦の創作文化にすげー足跡を残しているのだ。 *【あらすじ】 巨大産業文明が「火の7日間」と呼ばれる戦争によって滅び、大地が荒廃した世界。 瘴気と呼ばれる毒によって汚染された大地は腐海と呼ばれる巨大な菌類の森に呑まれようとしていた。 「火の7日間」から1000年、小国風の谷の族長の娘ナウシカは、古き同盟を果たすためトルメキア王国の戦に招集されていた。 そんなある日、墜落するペジテの船を発見し、残骸から発見したペジテ市の姫ラステルからいまわの際に秘石を託される。 しかしクシャナ率いるトルメキアの親衛隊が秘石を追って風の谷に現れる。 ナウシカは秘石を守るために戦っていく。それが世界の真実を巡る戦いになるとは知らずに…   *【主な登場人物】 ◆ナウシカ ご存知主人公兼ヒロイン。 映画版ラストの王蟲の来襲を退けた後も、終わらぬ戦争に自ら身を投じていき、やがて世界の真実にたどり着くことになる。 念話など超常の力を無意識にだが持っている。 また多くの人を引き付けるカリスマ性の持ち主で、クシャナの部隊の兵士や蟲使いたちですらコロッと落としてしまったほど。 性格などは映画版と差異はほぼないが、躊躇なく殺人を行う場面もある。 しかし、漫画版は映画版とは比べものにならない程シビアな世界なため、あれぐらいでないと生きていけないのだろう。 映画版のナウシカが聖母的美しさなら、漫画版は戦乙女といったところか。 折り込みイラストではわりとほのぼのとした姿や落ち着いた表情のイラストも描かれているが、パヤオ的には宣伝のために描かされたものでかなり不満だったらしい。 ◆クシャナ トルメキア帝国第四皇女。通称・殿下。 手段を選ばず世界を変えようとする、ナウシカとはベクトルの違うもう一人の主人公。事実、ナウシカ以外で唯一表紙を飾っている。 映画と違い五体満足。 基本的なキャラクターは同じだが若干道化くさかった映画に対し、本作ではナウシカのifのような位置付けであり、 戦略家としても優秀で彼女の為なら命を投げ出す部下が大勢いるなどカリスマ溢れる人物として描かれている。 それ故に父王や兄たちには自らを脅かす脅威とみなされ、クシャナの連隊は不向きな戦場送りにされるなど冷遇を受けており、彼女自身も何度か死にかけている。 確かな戦績でそれらを跳ね返す気丈な人物だが、少女時代には悲しい過去が… 終盤に近づくにつれ、人間味を失うナウシカに反比例するように人間らしさを取り戻していくため、 「漫画版のヒロインはクシャナ様」と語る親衛隊員は多い。   ◆クロトワ 本国からクシャナのサポートに送られた軍参謀で、貧乏な地方出身の平民軍人。 映画同様冴えない野心家なおっさんだが、 実は凄腕のコルベット操縦士だったり、クシャナの謀殺をかわす狡猾な一面を見せたりする。 本国の命でクシャナをスパイしていたが、 どうせ最終的には殺されるだけだと本国を裏切りクシャナ側についた。 殿下に膝枕してもらったうらやましい奴。 「実質的なヒロイン」という声も。 ◆ユパ 腐海一の剣士で風の谷の族長ジルの親友。 やっぱりかっこいい。恐らく白兵戦では作中最強。 30人以上を相手に無双したり離陸直前の船に飛び移るというとんでもない芸当をやらかすスーパーおじいちゃん…と見せて実はまだ45歳。 16歳のナウシカの父が老衰死しているので、全般に老いの進み方が早いのかもしれない。 すごい博識。 七巻では土鬼とトルメキアの戦いを止めるために・・・ ◆ジル 風の谷の族長でナウシカの父。 かつては一流のガンシップ乗りと称えられたほどの男だが、現在は寝たきりとなっている。 ナウシカに族長としての心得を叩き込むなど指導者としてはまだ現役。 ナウシカがトルメキア戦役に出発した後、老衰により死亡。 ◆ミト 老いて病気になったために畑仕事から離れ、城の管理や族長の助言者を任された城ジイの筆頭。 ナウシカが若者をつれて戦役に行くことを望まなかったため、彼女の付き人として付き従う。 当初はナウシカの生き様は身を滅ぼすと心配していたが、この戦いで精神的に大きく成長した彼女を認め、最後まで従うと決めた。 ガンシップと共に散々な苦労をするミスター過労死。 最後まで生き残ってはいるが、寿命が近いことが示唆されている。 ◆アスベル 工房都市ペジテの王族の息子でラステルの双子の兄。 映画同様ガンシップで暴れまわりクロトワに撃墜されて腐海に落ちたところをナウシカに助けられる。 その後ひょんなことで出会ったユパと共に旅に出るが… 工房都市の息子ということもあって作中では修理要員も担当。 ◆王蟲 腐海に住む蟲たちのトップに位置する存在。 非常に堅い甲殻を持ち、念話で会話するなど高い知性を持つ。 しかしなぜか土鬼はこの王蟲すら培養する技術を持っている。 ◆[[巨神兵(オーマ)>>巨神兵(風の谷のナウシカ)]] ペジテの地下より発見された古代の生体兵器。 最初は骨組みだけの状態だったが皇兄によって再生され、秘石を持つナウシカに呼応するかのように目覚め、母のように慕う。 当初は生まれたての赤ん坊レベルの知性しか持たなかったが、ナウシカからオーマの名を与えられたことで知性が急速に進化する。 高い火力と空を自在に飛ぶという作中屈指のチート能力を持つが、肉体からは毒の光が発せられており、長時間ともにいると死に至る危険がある。 映画ほどではないが覚醒が早すぎたため、その身は生まれながらに腐っており、最後はナウシカの呼びかけに応じて死力を尽くして力を使い息絶えた。 **[[アニメ未登場キャラクター]] ◆僧正 土鬼(ドルク)に属するマニ族の族長。 すでに盲目であり卓越した念話(テレパシーのようなもの)の使い手。 原作での映画の大ババ様ポジ。 敵を滅ぼすために王蟲を使い、味方諸共滅ぼす生命を弄ぶような作戦に反対している。 最後はナウシカに希望を見いだし、本国からやってきた皇弟に逆らって命を落とす。   ◆皇弟ミラルパ 土鬼の支配者。念話や読心、幽体離脱などの異能の力を持つ。 若い頃は慈悲深い名君で今でも本人なりに国民の事を考えているが内容は完全な恐怖政治。一方で部下からは結構慕われている。 すでに悠久の年月を生きているが、クローン技術を恐れて(安全な技術ではなく彼の父は目の前で血を噴き出しながら死亡した)延命医療のみで生きながらえている。 土着の教えである「青き衣の者」を恐れ、彼女がその者に違いないとナウシカを危険視し、その命を付け狙う哀しき宿業の男。 死してなお彼女をストーカーする元祖カオナシ。 ◆皇兄ナムリス 皇弟の兄。異能の力が無いために実権を握れずにいたが、クーデターを起こして弟を謀殺し実権を奪い取る。 異能の力こそないがクローン技術などを用いて永遠に近い年月を生きられる不死身の身体を手に入れている。 人を信頼しておらず、部下としてヒドラと呼ばれる人造生命体を連れている。 ◆チヤルカ 土鬼の叩き上げ僧兵の将軍。「チャルカ」と表記されることもあるが正しくは「チ&bold(){ヤ}ルカ」。 ミラルパには心からの忠誠を誓うが、一方でミラルパに諫言したり、問題発言に見て見ぬふりをするなど人々や国土第一の姿勢を貫く良識派。 ナウシカと知り合うにつれて彼女の言葉に心を動かされ、土鬼の人々と接点を持たないナウシカを助けるようになる。 ◆チクク ナウシカが砂漠のオアシスにあった、僧会に弾圧されて時代の影に潜った古代密教の僧院で出会った少年僧。 まだ幼い子供でありながら念話や読心を得意とする。武器は吹き矢。 人との交流がさほどなかったためかしばしば爆弾発言をしてしまいチヤルカを慌てさせる。 終盤にてかつて土鬼によって滅ばされた土着の国家クワバルカ王家の末裔を名乗っている。 ◆ケチャ 土鬼に属するビダ族の娘。かなり気の強い性格。 僧正の部隊に所属していたが、騒ぎに巻き込まれてユパやアスベルと行動を共にする。 家族を奪ったトルメキアを憎んでいる。 ◆セルム 腐海に住み、蟲や粘菌生物と共存して生きる森の人の代表者。セライネという妹がいる。 腐海の真実を知る者であり、腐海に取り込まれて自我を失ったナウシカを救うべく尽力する。 ◆蟲使い 腐海に入り、蟲を捕まえて使役する者達。 不衛生な生活習慣や、死人の身体を漁って金品を奪う行為から、この世界の人々からは最低辺扱いで嫌われている。 ◆ヴ王 トルメキアの王でクシャナの父。 肉の塊と見紛う肥満体のジジイだが、冷酷で強情で豪胆で王としての器は確かな人物。一人称「朕」。 ある巡り合わせでナウシカと共に世界の真実にふれることになる。 そっくりなピザな息子が三人いるが、彼やクシャナほどの王者としての器はない。 道化として醜い小男を連れている。 ◆庭の主 旧世界の芸術や動植物が保存されている「庭」の主。ケストというヤギのような動物を従者にしている。 1000年以上を生きてきた人工生命体で、あらゆる言語を話し、強力な超常の力を操る。 腐海による世界の浄化が終わった時、「庭」を解放する役目を持っている。 またシュワの墓所に至る道の番人も兼ねており、シュワを目指して迷い込んできた者の心を探って深層心理で求めているものを提供し、 安らぎを与え庭に閉じ込めてしまう役目も持っている(ヴ王の息子たちも父に抑圧されず旧世界の音楽を楽しむ環境を与えられたことで庭に取り込まれてしまった)。 庭を出ようとするナウシカを止めることはせず、ナウシカを見送り荷物をケストに送らせた。 ◆墓所の主 ラスボス。 世界の復興を目的に、旧世界の人間により創造された浄化の神。 土鬼の聖都・シュワに存在する旧世界の墓所、その最深部に配置されている肉塊。 腐海や庭の主、旧世界の超技術を欲する人々を利用する事で、世界を司ってきた。 *【メカニック】 ・メーヴェ おなじみナウシカのトレードマークとも言えるグライダー。 ナウシカ曰く乗り物としては特に珍しくはないものらしいが、 風の谷では風を読みメーヴェを使いこなす者を「風の和子」と呼び、大変喜ばしいこととしている。 ・風の谷のガンシップ 銃口みたいな機首が特徴の戦闘機。 建造されてから100年になるが、エンジンを作る技術が失われたこの世界では貴重な航空戦力であり、 辺境の小さな村にすぎない風の谷が独立国家としての体裁を保てたのも有事の際にガンシップを戦力として貸し出すことを約束していたため。 度々ズタボロにされるが王蟲の皮を装甲材として用いているため致命傷を受けることはなく、修理して使われてはズタボロになるこの作品屈指の過労死。 ついには最終決戦でシュワの墓所に墜落、墓の崩壊に巻き込まれる形で大破した。 ・バージ 風の谷のガンシップに曳航される輸送用グライダーで動力を持たない ・コルベット トルメキアの戦闘艇。 ガンシップより大型だが、卓越した操縦士が使えばガンシップに匹敵する高機動戦闘も可能。 反面、装甲は大したものではないらしく、機銃で蜂の巣になったりしている(それでも飛び続けられるくらいの信頼性はあるが)。 王族用に大型化した重コルベットも存在する。 ・ケッチ トルメキアの戦闘艇。コルベットを小型スリム化したような機体 将軍級の連絡艇などに使われているようである。クシャナ達が奪取し一時的に使用した ・バムケッチ トルメキアの戦闘艇。先尾翼機という他とは違う特異な見た目 対地攻撃用の機体と思われるが登場が僅かなので詳細不明 ・バカガラス トルメキアの大型飛行艇。 やはり映画同様、図体がでかいばかりのデクの棒であり漫画でもいいところがなく蟲に襲われては墜落したり大破したり。 ・浮砲台 土鬼の空中戦艦 機動力こそトルメキアの各機体に劣るものの多数の砲門を備えており火力は圧倒的。一方で船体は木製と思われ防御力はバカガラスにも劣る。輸送艦も兼ねており部族ごと移動する用途にも用いられる。一般艦の他に大型の旗艦が存在し、こちらは専用の連絡艇を搭載している ・飛行ガメ 土鬼の3,4人乗りの小型艦載艇。映画版ではペジテが使用 瓶のような見た目だが性能はなかなかで様々な用途に使われる *【専門用語】 ・辺境国家 腐海に隣接する小国のこと。 大海嘯を免れた土地にエフタルの民が建てた国々の総称。 辺境諸民とくくられるが、多くがトルメキア王国と同盟を結び帰従している。 ・風の谷 塩の海の近くに位置する小さな辺境国家。 風のおかげで腐海の毒から守られている。 ・トルメキア王国 武力で世界を支配する国家。 後にトルメキア戦役と呼ばれる戦争を起こし、土鬼へ侵略する。 土鬼と二分する勢力を誇る大国で風の谷を含む辺境諸国と同盟を結んでいる。 土鬼側が厳しい規則で旧世界の技術を自制していたため、事実上最大の戦力を誇る国となっている。 ・土鬼(ドルク)諸侯国 トルメキアと世界を二分する宗教国家。 諸侯国とあるように近隣の部族の集合体であり、諸侯連合と呼ばれているシーンもある。 僧会と呼ばれる宗教団体が政治や軍事の実権を握っており、その頂点に超常の力を持つ神聖皇帝が君臨している。 ただ広大すぎるがゆえに国土全てを完全に掌握できているとは言い難く、国民は従順な一方で土着の信仰を払拭できていなかったり、言語のなまりが酷かったり、サジュ・サパタのようにトルメキア戦役前は地方同士で争っていた事もある。 戦力として見た場合、墓所を擁する聖都シュワでは火の七日間以前の技術が保存されており、それら全てを注ぎ込めればトルメキアをもはるかに凌ぐ打撃力を持つ。 だが強大すぎるが故に自身の身を滅ぼしかねんと禁忌もされており、ヒドラなど幾つかの旧世界の技術を自主規制している。 このため前線では旧世代装備を兵士の士気と数で補っているフシがあり、トルメキアの侵攻に対してまともな阻止線も張れずに蹂躙された。((方面軍の壊滅的被害はそのほとんどが蟲やトルメキア本国の身内争いによるものである。)) 最終的にはなりふり構わず旧世界の技術を乱用したが、皮肉にも危惧した通りその力で逆に自国を壊滅させてしまった。 ・ペジテ市 地下から旧世界のエンジンなどを発掘する工房都市。 トルメキアに帰順しているが、民族としては土鬼に近い。 アニメと同じく同盟国であるはずのトルメキアから侵攻を受けて壊滅。 ・大海嘯 火の7日間の後に3回あったと伝えられる、腐海が突如に沸き津波のように押し寄せてくる大災害。 すでに300年間起きていなかったが、ナウシカは王蟲の大移動が大海嘯の前触れではないかと思っている。 ・古エフタル王国 かつて300年前に存在した国家。 火の七日間で失われたエンジンを製造する技術が残っており、科学的にかなり発達した文明都市だった。 しかしその技術競争の結果、王蟲の殻を求めて生きた個体すら乱獲するようになり、激怒した蟲たちが起こした大海嘯によって滅亡した。 彼らの都市は腐海の一部となって残るほか、トルメキア圏の言語として残っていたり、森の人や蟲使いたちが彼らの末裔であると言い伝えられたりしている。 風の谷やペジテなどの辺境国家はいずれもエフタルの流れを汲む国である。 ・シュワの墓所 土鬼の首都シュワの中心部にある黒くて四角いピラミッドのような建造物。 そこには旧世界の秘密が眠ると言われている。 その扉は墓所の主が許可した者にしか開かず、武力で開こうとするとビームで反撃し、傷は自己修復してしまう。 ・超常の力 いわゆる[[超能力]]。ごく一部の人間が持つ先天的な能力であり、墓所の技でも身につけられない。 声を使わずに直接相手の心に語りかける「念話」や人の心を読んだり入りこんだりする能力などがある。  ・[[ヒドラ>ヒュドラ(ギリシャ神話)]] 人造生物。作中では皇兄主導のもと開発された不死身の戦士として登場するが、技術的には墓所を解析して作られたと考えられる。 このため旧人類の純技術と思しき「庭」に存在するヒドラと比べると暴力以外に取り得がない様子が見て取れる。 特に知性は非常に低く、専門の飼い主が音で制御するがそれがなくなると見境なく暴れまわる。 暴力に関しては優秀で、卓越した剣技の持ち主でも簡単にひねり倒すほどの強い腕力と、戦艦の砲弾を受けても生きているほどの生命力はまさに戦士にうってつけ。 頭部にある中枢が弱点であり、ここを破壊しない限り止まることはない。 皇兄も自らを同じ技術で改造しており、首だけになっても死ねない体となっている。 以下ネタバレ 世界を滅ぼす神罰と見られていた腐海や大海嘯は実は旧世界の人類が作り出した環境再生のためのプログラムであり、王蟲を始めとする虫達や粘菌も彼らによって作り出された存在である。 腐海は大地の毒を取り込んで数千年できれいな砂と化し、やがて清浄な環境を取り戻すようになっている。 現在の人類は旧世界の人類によって過酷な環境に適応できるように作り替えられた存在であり、彼らは瘴気の中をマスクだけで生きられる程度に耐性を得た一方で完全に浄化された世界には適応できず、その空気を吸っただけで血を吐いて死んでしまうようになっている。 さらに体が石のようになってしまう奇病や子供が幼くして死んでしまうなど生存率はかなり低くなっており、滅亡へ向かいつつある。 墓所の主は自らに従う人間に旧世界の技術を提供し、清浄な世界を取り戻した際には完全な肉体を取り戻すことを約束して使役していた。 ナウシカとヴ王は滅んでしまった神聖皇帝に代わる者として選ばれる予定だった。 しかしナウシカは例え作られた生命でも生命には尊厳があり、やがて変わっていくことができると語り生命を弄ぶ墓所の主を否定(ヴ王も便乗する形で否定)、オーマの力をもって墓所の主を破壊する。 そして世界の真実を誰にも告げることなく、民衆と共に生きていくのであった。 ちなみにワイド版でありながら全巻セットが2780円とリーズナブル価格である。 古い作品のため最近は置いてない本屋も多いが、 コンビニやヴィレッジバンガードのジブリコーナーなど意外なところにあるので興味ある人は探してみよう。 追記・修正はメーヴェに乗りながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,33) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
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「火の7日間」から1000年、小国風の谷の族長の娘ナウシカは、古き同盟を果たすためトルメキア王国の戦に招集されていた。 そんなある日、墜落するペジテの船を発見し、残骸から発見したペジテ市の姫ラステルからいまわの際に秘石を託される。 しかしクシャナ率いるトルメキアの親衛隊が秘石を追って風の谷に現れる。 ナウシカは秘石を守るために戦っていく。それが世界の真実を巡る戦いになるとは知らずに…   *【主な登場人物】 ◆ナウシカ ご存知主人公兼ヒロイン。 映画版ラストの王蟲の来襲を退けた後も、終わらぬ戦争に自ら身を投じていき、やがて世界の真実にたどり着くことになる。 念話など超常の力を無意識にだが持っている。 また多くの人を引き付けるカリスマ性の持ち主で、クシャナの部隊の兵士や蟲使いたちですらコロッと落としてしまったほど。 性格などは映画版と差異はほぼないが、躊躇なく殺人を行う場面もある。 しかし、漫画版は映画版とは比べものにならない程シビアな世界なため、あれぐらいでないと生きていけないのだろう。 映画版のナウシカが聖母的美しさなら、漫画版は戦乙女といったところか。 折り込みイラストではわりとほのぼのとした姿や落ち着いた表情のイラストも描かれているが、パヤオ的には宣伝のために描かされたものでかなり不満だったらしい。 ◆クシャナ トルメキア帝国第四皇女。通称・殿下。 手段を選ばず世界を変えようとする、ナウシカとはベクトルの違うもう一人の主人公。事実、ナウシカ以外で唯一表紙を飾っている。 映画と違い五体満足。 基本的なキャラクターは同じだが若干道化くさかった映画に対し、本作ではナウシカのifのような位置付けであり、 戦略家としても優秀で彼女の為なら命を投げ出す部下が大勢いるなどカリスマ溢れる人物として描かれている。 それ故に父王や兄たちには自らを脅かす脅威とみなされ、クシャナの連隊は不向きな戦場送りにされるなど冷遇を受けており、彼女自身も何度か死にかけている。 確かな戦績でそれらを跳ね返す気丈な人物だが、少女時代には悲しい過去が… 終盤に近づくにつれ、人間味を失うナウシカに反比例するように人間らしさを取り戻していくため、 「漫画版のヒロインはクシャナ様」と語る親衛隊員は多い。   ◆クロトワ 本国からクシャナのサポートに送られた軍参謀で、貧乏な地方出身の平民軍人。 映画同様冴えない野心家なおっさんだが、 実は凄腕のコルベット操縦士だったり、クシャナの謀殺をかわす狡猾な一面を見せたりする。 本国の命でクシャナをスパイしていたが、 どうせ最終的には殺されるだけだと本国を裏切りクシャナ側についた。 殿下に膝枕してもらったうらやましい奴。 「実質的なヒロイン」という声も。 ◆ユパ 腐海一の剣士で風の谷の族長ジルの親友。 やっぱりかっこいい。恐らく白兵戦では作中最強。 30人以上を相手に無双したり離陸直前の船に飛び移るというとんでもない芸当をやらかすスーパーおじいちゃん…と見せて実はまだ45歳。 16歳のナウシカの父が老衰死しているので、全般に老いの進み方が早いのかもしれない。 すごい博識。 七巻では土鬼とトルメキアの戦いを止めるために・・・ ◆ジル 風の谷の族長でナウシカの父。 かつては一流のガンシップ乗りと称えられたほどの男だが、現在は寝たきりとなっている。 ナウシカに族長としての心得を叩き込むなど指導者としてはまだ現役。 ナウシカがトルメキア戦役に出発した後、老衰により死亡。 ◆ミト 老いて病気になったために畑仕事から離れ、城の管理や族長の助言者を任された城ジイの筆頭。 ナウシカが若者をつれて戦役に行くことを望まなかったため、彼女の付き人として付き従う。 当初はナウシカの生き様は身を滅ぼすと心配していたが、この戦いで精神的に大きく成長した彼女を認め、最後まで従うと決めた。 ガンシップと共に散々な苦労をするミスター過労死。 最後まで生き残ってはいるが、寿命が近いことが示唆されている。 ◆アスベル 工房都市ペジテの王族の息子でラステルの双子の兄。 映画同様ガンシップで暴れまわりクロトワに撃墜されて腐海に落ちたところをナウシカに助けられる。 その後ひょんなことで出会ったユパと共に旅に出るが… 工房都市の息子ということもあって作中では修理要員も担当。 ◆王蟲 腐海に住む蟲たちのトップに位置する存在。 非常に堅い甲殻を持ち、念話で会話するなど高い知性を持つ。 しかしなぜか土鬼はこの王蟲すら培養する技術を持っている。 ◆[[巨神兵(オーマ)>>巨神兵(風の谷のナウシカ)]] ペジテの地下より発見された古代の生体兵器。 最初は骨組みだけの状態だったが皇兄によって再生され、秘石を持つナウシカに呼応するかのように目覚め、母のように慕う。 当初は生まれたての赤ん坊レベルの知性しか持たなかったが、ナウシカからオーマの名を与えられたことで知性が急速に進化する。 高い火力と空を自在に飛ぶという作中屈指のチート能力を持つが、肉体からは毒の光が発せられており、長時間ともにいると死に至る危険がある。 映画ほどではないが覚醒が早すぎたため、その身は生まれながらに腐っており、最後はナウシカの呼びかけに応じて死力を尽くして力を使い息絶えた。 **[[アニメ未登場キャラクター]] ◆僧正 土鬼(ドルク)に属するマニ族の族長。 すでに盲目であり卓越した念話(テレパシーのようなもの)の使い手。 原作での映画の大ババ様ポジ。 敵を滅ぼすために王蟲を使い、味方諸共滅ぼす生命を弄ぶような作戦に反対している。 最後はナウシカに希望を見いだし、本国からやってきた皇弟に逆らって命を落とす。   ◆皇弟ミラルパ 土鬼の支配者。念話や読心、幽体離脱などの異能の力を持つ。 若い頃は慈悲深い名君で今でも本人なりに国民の事を考えているが内容は完全な恐怖政治。一方で部下からは結構慕われている。 すでに悠久の年月を生きているが、クローン技術を恐れて(安全な技術ではなく彼の父は目の前で血を噴き出しながら死亡した)延命医療のみで生きながらえている。 土着の教えである「青き衣の者」を恐れ、彼女がその者に違いないとナウシカを危険視し、その命を付け狙う哀しき宿業の男。 死してなお彼女をストーカーする元祖カオナシ。 ◆皇兄ナムリス 皇弟の兄。異能の力が無いために実権を握れずにいたが、クーデターを起こして弟を謀殺し実権を奪い取る。 異能の力こそないがクローン技術などを用いて永遠に近い年月を生きられる不死身の身体を手に入れている。 人を信頼しておらず、部下としてヒドラと呼ばれる人造生命体を連れている。 ◆チヤルカ 土鬼の叩き上げ僧兵の将軍。「チャルカ」と表記されることもあるが正しくは「チ&bold(){ヤ}ルカ」。 ミラルパには心からの忠誠を誓うが、一方でミラルパに諫言したり、公に知られれば吊るし上げられかねない、弾圧された古い宗教にまつわる逸話を口走った老人を言い咎めるだけで済ませたりするなど人々や国土第一の姿勢を貫く良識派。 ナウシカと知り合うにつれて彼女の言葉に心を動かされ、土鬼の人々と接点を持たないナウシカを助けるようになる。 ◆チクク ナウシカが砂漠のオアシスにあった、僧会に弾圧されて時代の影に潜った古代密教の僧院で出会った少年僧。 まだ幼い子供でありながら念話や読心を得意とする。武器は吹き矢。 人との交流がさほどなかったためかしばしば爆弾発言をしてしまいチヤルカを慌てさせる。 終盤にてかつて土鬼によって滅ばされた土着の国家クワバルカ王家の末裔を名乗っている。 ◆ケチャ 土鬼に属するビダ族の娘。かなり気の強い性格。 僧正の部隊に所属していたが、騒ぎに巻き込まれてユパやアスベルと行動を共にする。 家族を奪ったトルメキアを憎んでいる。 ◆セルム 腐海に住み、蟲や粘菌生物と共存して生きる森の人の代表者。セライネという妹がいる。 腐海の真実を知る者であり、腐海に取り込まれて自我を失ったナウシカを救うべく尽力する。 ◆蟲使い 腐海に入り、蟲を捕まえて使役する者達。 不衛生な生活習慣や、死人の身体を漁って金品を奪う行為から、この世界の人々からは最低辺扱いで嫌われている。 ◆ヴ王 トルメキアの王でクシャナの父。 肉の塊と見紛う肥満体のジジイだが、冷酷で強情で豪胆で王としての器は確かな人物。一人称「朕」。 ある巡り合わせでナウシカと共に世界の真実にふれることになる。 そっくりなピザな息子が三人いるが、彼やクシャナほどの王者としての器はない。 道化として醜い小男を連れている。 ◆庭の主 旧世界の芸術や動植物が保存されている「庭」の主。ケストというヤギのような動物を従者にしている。 1000年以上を生きてきた人工生命体で、あらゆる言語を話し、強力な超常の力を操る。 腐海による世界の浄化が終わった時、「庭」を解放する役目を持っている。 またシュワの墓所に至る道の番人も兼ねており、シュワを目指して迷い込んできた者の心を探って深層心理で求めているものを提供し、 安らぎを与え庭に閉じ込めてしまう役目も持っている(ヴ王の息子たちも父に抑圧されず旧世界の音楽を楽しむ環境を与えられたことで庭に取り込まれてしまった)。 庭を出ようとするナウシカを止めることはせず、ナウシカを見送り荷物をケストに送らせた。 ◆墓所の主 ラスボス。 世界の復興を目的に、旧世界の人間により創造された浄化の神。 土鬼の聖都・シュワに存在する旧世界の墓所、その最深部に配置されている肉塊。 腐海や庭の主、旧世界の超技術を欲する人々を利用する事で、世界を司ってきた。 *【メカニック】 ・メーヴェ おなじみナウシカのトレードマークとも言えるグライダー。 ナウシカ曰く乗り物としては特に珍しくはないものらしいが、 風の谷では風を読みメーヴェを使いこなす者を「風の和子」と呼び、大変喜ばしいこととしている。 ・風の谷のガンシップ 銃口みたいな機首が特徴の戦闘機。 建造されてから100年になるが、エンジンを作る技術が失われたこの世界では貴重な航空戦力であり、 辺境の小さな村にすぎない風の谷が独立国家としての体裁を保てたのも有事の際にガンシップを戦力として貸し出すことを約束していたため。 度々ズタボロにされるが王蟲の皮を装甲材として用いているため致命傷を受けることはなく、修理して使われてはズタボロになるこの作品屈指の過労死。 ついには最終決戦でシュワの墓所に墜落、墓の崩壊に巻き込まれる形で大破した。 ・バージ 風の谷のガンシップに曳航される輸送用グライダーで動力を持たない ・コルベット トルメキアの戦闘艇。 ガンシップより大型だが、卓越した操縦士が使えばガンシップに匹敵する高機動戦闘も可能。 反面、装甲は大したものではないらしく、機銃で蜂の巣になったりしている(それでも飛び続けられるくらいの信頼性はあるが)。 王族用に大型化した重コルベットも存在する。 ・ケッチ トルメキアの戦闘艇。コルベットを小型スリム化したような機体 将軍級の連絡艇などに使われているようである。クシャナ達が奪取し一時的に使用した ・バムケッチ トルメキアの戦闘艇。先尾翼機という他とは違う特異な見た目 対地攻撃用の機体と思われるが登場が僅かなので詳細不明 ・バカガラス トルメキアの大型飛行艇。 やはり映画同様、図体がでかいばかりのデクの棒であり漫画でもいいところがなく蟲に襲われては墜落したり大破したり。 ・浮砲台 土鬼の空中戦艦 機動力こそトルメキアの各機体に劣るものの多数の砲門を備えており火力は圧倒的。一方で船体は木製と思われ防御力はバカガラスにも劣る。輸送艦も兼ねており部族ごと移動する用途にも用いられる。一般艦の他に大型の旗艦が存在し、こちらは専用の連絡艇を搭載している ・飛行ガメ 土鬼の3,4人乗りの小型艦載艇。映画版ではペジテが使用 瓶のような見た目だが性能はなかなかで様々な用途に使われる *【専門用語】 ・辺境国家 腐海に隣接する小国のこと。 大海嘯を免れた土地にエフタルの民が建てた国々の総称。 辺境諸民とくくられるが、多くがトルメキア王国と同盟を結び帰従している。 ・風の谷 塩の海の近くに位置する小さな辺境国家。 風のおかげで腐海の毒から守られている。 ・トルメキア王国 武力で世界を支配する国家。 後にトルメキア戦役と呼ばれる戦争を起こし、土鬼へ侵略する。 土鬼と二分する勢力を誇る大国で風の谷を含む辺境諸国と同盟を結んでいる。 土鬼側が厳しい規則で旧世界の技術を自制していたため、事実上最大の戦力を誇る国となっている。 ・土鬼(ドルク)諸侯国 トルメキアと世界を二分する宗教国家。 諸侯国とあるように近隣の部族の集合体であり、諸侯連合と呼ばれているシーンもある。 僧会と呼ばれる宗教団体が政治や軍事の実権を握っており、その頂点に超常の力を持つ神聖皇帝が君臨している。 ただ広大すぎるがゆえに国土全てを完全に掌握できているとは言い難く、国民は従順な一方で土着の信仰を払拭できていなかったり、言語のなまりが酷かったり、サジュ・サパタのようにトルメキア戦役前は地方同士で争っていた事もある。 戦力として見た場合、墓所を擁する聖都シュワでは火の七日間以前の技術が保存されており、それら全てを注ぎ込めればトルメキアをもはるかに凌ぐ打撃力を持つ。 だが強大すぎるが故に自身の身を滅ぼしかねんと禁忌もされており、ヒドラなど幾つかの旧世界の技術を自主規制している。 このため前線では旧世代装備を兵士の士気と数で補っているフシがあり、トルメキアの侵攻に対してまともな阻止線も張れずに蹂躙された。((方面軍の壊滅的被害はそのほとんどが蟲やトルメキア本国の身内争いによるものである。)) 最終的にはなりふり構わず旧世界の技術を乱用したが、皮肉にも危惧した通りその力で逆に自国を壊滅させてしまった。 ・ペジテ市 地下から旧世界のエンジンなどを発掘する工房都市。 トルメキアに帰順しているが、民族としては土鬼に近い。 アニメと同じく同盟国であるはずのトルメキアから侵攻を受けて壊滅。 ・大海嘯 火の7日間の後に3回あったと伝えられる、腐海が突如に沸き津波のように押し寄せてくる大災害。 すでに300年間起きていなかったが、ナウシカは王蟲の大移動が大海嘯の前触れではないかと思っている。 ・古エフタル王国 かつて300年前に存在した国家。 火の七日間で失われたエンジンを製造する技術が残っており、科学的にかなり発達した文明都市だった。 しかしその技術競争の結果、王蟲の殻を求めて生きた個体すら乱獲するようになり、激怒した蟲たちが起こした大海嘯によって滅亡した。 彼らの都市は腐海の一部となって残るほか、トルメキア圏の言語として残っていたり、森の人や蟲使いたちが彼らの末裔であると言い伝えられたりしている。 風の谷やペジテなどの辺境国家はいずれもエフタルの流れを汲む国である。 ・シュワの墓所 土鬼の首都シュワの中心部にある黒くて四角いピラミッドのような建造物。 そこには旧世界の秘密が眠ると言われている。 その扉は墓所の主が許可した者にしか開かず、武力で開こうとするとビームで反撃し、傷は自己修復してしまう。 ・超常の力 いわゆる[[超能力]]。ごく一部の人間が持つ先天的な能力であり、墓所の技でも身につけられない。 声を使わずに直接相手の心に語りかける「念話」や人の心を読んだり入りこんだりする能力などがある。  ・[[ヒドラ>ヒュドラ(ギリシャ神話)]] 人造生物。作中では皇兄主導のもと開発された不死身の戦士として登場するが、技術的には墓所を解析して作られたと考えられる。 このため旧人類の純技術と思しき「庭」に存在するヒドラと比べると暴力以外に取り得がない様子が見て取れる。 特に知性は非常に低く、専門の飼い主が音で制御するがそれがなくなると見境なく暴れまわる。 暴力に関しては優秀で、卓越した剣技の持ち主でも簡単にひねり倒すほどの強い腕力と、戦艦の砲弾を受けても生きているほどの生命力はまさに戦士にうってつけ。 頭部にある中枢が弱点であり、ここを破壊しない限り止まることはない。 皇兄も自らを同じ技術で改造しており、首だけになっても死ねない体となっている。 以下ネタバレ 世界を滅ぼす神罰と見られていた腐海や大海嘯は実は旧世界の人類が作り出した環境再生のためのプログラムであり、王蟲を始めとする虫達や粘菌も彼らによって作り出された存在である。 腐海は大地の毒を取り込んで数千年できれいな砂と化し、やがて清浄な環境を取り戻すようになっている。 現在の人類は旧世界の人類によって過酷な環境に適応できるように作り替えられた存在であり、彼らは瘴気の中をマスクだけで生きられる程度に耐性を得た一方で完全に浄化された世界には適応できず、その空気を吸っただけで血を吐いて死んでしまうようになっている。 さらに体が石のようになってしまう奇病や子供が幼くして死んでしまうなど生存率はかなり低くなっており、滅亡へ向かいつつある。 墓所の主は自らに従う人間に旧世界の技術を提供し、清浄な世界を取り戻した際には完全な肉体を取り戻すことを約束して使役していた。 ナウシカとヴ王は滅んでしまった神聖皇帝に代わる者として選ばれる予定だった。 しかしナウシカは例え作られた生命でも生命には尊厳があり、やがて変わっていくことができると語り生命を弄ぶ墓所の主を否定(ヴ王も便乗する形で否定)、オーマの力をもって墓所の主を破壊する。 そして世界の真実を誰にも告げることなく、民衆と共に生きていくのであった。 ちなみにワイド版でありながら全巻セットが2780円とリーズナブル価格である。 古い作品のため最近は置いてない本屋も多いが、 コンビニやヴィレッジバンガードのジブリコーナーなど意外なところにあるので興味ある人は探してみよう。 追記・修正はメーヴェに乗りながらお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,33) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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