87式自走高射機関砲

「87式自走高射機関砲」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

87式自走高射機関砲」(2022/04/24 (日) 11:54:15) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2012/09/08 (土) 14:02:09 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){もしかして:[[ガンタンク]]} ではない。 &bold(){87式自走高射機関砲} ▼カタログスペック 全長 7.99 m 全幅 3.18 m 全高 4.40 m 重量 38.0 t 乗員数 3 名 装甲・武装 主武装90口径35mm対空機関砲KDA×2 機動力 速度 53 km/h エンジン 三菱10ZF22WT 空冷2ストロークV型10気筒 ターボチャージド・ディーゼル 720hp/2,200rpm 行動距離 300 km 87式自走高射機関砲は、陸上自衛隊が運用する自走対空砲である。 主に高射特科部隊が運用している(詳細は後述)。 防衛省では87AW、もしくは単にAWと呼ばれ、愛称はスカイシューターやら現場ではガンタンクやらハエ叩きやら色々。 ◆概要 それまで[[アメリカ>アメリカ合衆国]]から供与されていた40mm自走高射機関砲M42及び、M15A1対空自走砲の後継として、1978年に部分試作が開始。 ドイツのゲパルト自走対空砲を参考に、74式戦車の車体を流用((当初は61式戦車の車体を用いる予定だったが、性能不足や陳腐化が進んだため中止))した新造車体を用いて1982年に全体試作を開始、 試作車両は1983年に完成し各種テストの後に1987年に制式化された。 現在、試作車は陸上自衛隊広報センターに展示されている。 ◆性能 レーダー配置が理想とされるゲパルトを参考に設計されたが、ゲパルトのレーダー配置デザインには特許があるため、それを侵害しないよう工夫された。 砲塔左右にスイスのエリコン社製35mm対空機関砲KDAを計2門装備し、砲塔上部の後方にパルス・ドップラー方式の索敵レーダーと、追尾レーダーが配置されている。 自走装軌車両らしく機甲部隊に随伴して行動するが、車体が74式戦車の車体を利用しているため、後に開発された90式戦車に比べ機動力に劣る。 また、他国の同様の兵器と同じく地上目標(軽装甲車両や対人)に対する水平射撃も可能。これは戦車以外なら殆どの目標に有効な火力となる。 「ミートチョッパー(挽き肉製造機)」と渾名されたアメリカのM16対空自走砲や、アフガン侵攻でムジャヒディンを恐怖のズンドコに叩き落としたソビエトのシルカちゃんのように… ◆配備状況 射撃統制装置、各種レーダーも搭載した高性能な自走高射砲となったが、なにせお値段が15億円超と高額(参考までに90式戦車は約10~8億円)になってしまう。 結局ご多分に漏れず年に数両しか導入ができないまま、2002年度契約で調達終了。 たったの52両で生産を終了した… 生産された車両の大部分が機甲師団たる第7師団隷下の高射特科連隊及び、第2師団隷下の高射特科大隊1個中隊でのみ運用されている。 87式ェ… 流石に旧式化しているのもあり後継車についての話題も時々出ているが、防衛省は特に触れておらず、今のところ後継を作る予定があるのかも含めて不明である。 なお新自走高射機関砲として新たな対空戦闘車両の開発が以前から検討されているものの([[出典>https://ssl.bsk-z.or.jp/info/pdf/24.7.10kouennsiryou.pdf]])、こちらは93式近距離地対空誘導弾の後継とされている。   ◆高射機関砲の有用性 富士総合火力演習に参加する87AWとAH-64D そんな不遇な扱いを受けている87AWだが、不遇なのは生産台数だけではない。 航空機や[[ミサイル]]の性能が急速に進歩した現代、高射機関砲という兵器は果たして役に立つのか?という疑問は事あるごとに指摘される。 高射機関砲の主目標である航空機は音速の壁を越え、ミサイルはより長射程から撃ち込め、おまけに歩兵が携行できる対空ミサイルランチャーも普及してきている。 …あれ、高射砲いらねんじゃね? ということにはならなかった。 高性能な対空ミサイルは値段も高い。さらに誘導妨害を受けて無効化される恐れもある。 機関砲・砲弾はミサイルに比べ安価で、照準レーダーが妨害されても光学照準が使える。 そして敵航空機や[[ヘリコプター>ヘリコプター(航空機)]]は対空ミサイルに補足されるのを避けるため、より低空低速で侵入してくる場合もあるため、高射機関砲は未だに有効であったのだ。 また、周到に擬装された場合、航空機によって発見することはほぼ不可能となる。 事実、第4次中東戦争では対空ミサイルを避けて低空から侵入したイスラエル軍機は対空高射砲によって大損害を被り、イラク戦争でも米軍のAH-64D部隊が撃退された等の実例もある。 高価なので大量配備できる軍隊は少ないものの、改修を施して使い続けている国や自前で開発を続ける国も案外多かったりする。 現在、高射砲は対空ミサイルとの「防空コンプレックス」を成し、二段構えの防空システム最後の砦として運用されている。 追記・修正よろしくお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 値段は大事だ(遠い目) -- 名無しさん (2014-04-06 19:34:35) - 3~40年前の特殊な環境下での戦訓がそのまま現代に通用すると思うのか…ゲパルトすらこないだ退役したし -- 名無しさん (2014-09-04 03:55:41) - A-10すら叩き落とす -- 名無しさん (2014-09-04 07:47:58) - (デストロイド)ディフェンダーという愛称は出なかったのかな・・・ちょっとマイナーか; -- 名無しさん (2014-09-04 10:38:29) - 設計思想が古い兵器だからってうっかり捨てちまうと実は役に立ってましたってこともあるからなぁ、アメリカが何度もそれを繰り返してるし -- 名無しさん (2014-09-04 11:11:59) - ↑航空機関砲のことかー(棒) -- 名無しさん (2014-09-04 13:51:47) - ↑M14バトルライフル忘れないであげて -- 名無しさん (2015-01-06 17:10:32) - 次世代機はレーザー装備かな -- 名無しさん (2015-01-06 17:15:39) - レーザーは天候にやたら弱いんでな 今はミサイルと組み合わせたハイブリッド車両が登場してる -- 名無しさん (2015-10-10 22:24:37) - そのミサイルと対空砲のハイブリッドも、ガンモードとミサイルモードの切り替えに難があってパッとしないらしい… -- 名無しさん (2017-05-10 09:17:40) - ↑パーンツィリは既にミサイルと機関砲の同時使用が可能だぞ。 -- 名無しさん (2017-06-19 16:35:21) - 噂されてるってMAVすら採用されてないのに何処の話なんだろう -- 名無しさん (2018-05-27 13:30:48) - 検索すると掲示板だので色々ヒットするんだが、「噂されていた」のほうが良かったかな? -- 名無しさん (2018-05-27 13:33:31) - とりあえず該当の文言は削っておいた。 -- 名無しさん (2018-05-27 16:35:17) - 小型レギオンを迎撃したのってこれ? -- 名無しさん (2022-04-24 02:03:18) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/09/08 (土) 14:02:09 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){もしかして:[[ガンタンク]]} ではない。 &bold(){87式自走高射機関砲} ▼カタログスペック 全長 7.99 m 全幅 3.18 m 全高 4.40 m 重量 38.0 t 乗員数 3 名 装甲・武装 主武装90口径35mm対空機関砲KDA×2 機動力 速度 53 km/h エンジン 三菱10ZF22WT 空冷2ストロークV型10気筒 ターボチャージド・ディーゼル 720hp/2,200rpm 行動距離 300 km 87式自走高射機関砲は、陸上自衛隊が運用する自走対空砲である。 主に高射特科部隊が運用している(詳細は後述)。 防衛省では87AW、もしくは単にAWと呼ばれ、愛称はスカイシューターやら現場ではガンタンクやらハエ叩きやら色々。 ◆概要 それまで[[アメリカ>アメリカ合衆国]]から供与されていた40mm自走高射機関砲M42及び、M15A1対空自走砲の後継として、1978年に部分試作が開始。 ドイツのゲパルト自走対空砲を参考に、74式戦車の車体を流用((当初は61式戦車の車体を用いる予定だったが、性能不足や陳腐化が進んだため中止))した新造車体を用いて1982年に全体試作を開始、 試作車両は1983年に完成し各種テストの後に1987年に制式化された。 現在、試作車は陸上自衛隊広報センターに展示されている。 ◆性能 レーダー配置が理想とされるゲパルトを参考に設計されたが、ゲパルトのレーダー配置デザインには特許があるため、それを侵害しないよう工夫された。 砲塔左右にスイスのエリコン社製35mm対空機関砲KDAを計2門装備し、砲塔上部の後方にパルス・ドップラー方式の索敵レーダーと、追尾レーダーが配置されている。 自走装軌車両らしく機甲部隊に随伴して行動するが、車体が74式戦車の車体を利用しているため、後に開発された90式戦車に比べ機動力に劣る。 また、他国の同様の兵器と同じく地上目標(軽装甲車両や対人)に対する水平射撃も可能。 主力戦車も最新世代でなければ戦闘不能に追い込めるが、対戦車ミサイルよりも近距離から撃つ必要があるため、ハイリスクと言える。 「ミートチョッパー(挽き肉製造機)」と渾名されたアメリカのM16対空自走砲や、アフガン侵攻でムジャヒディンを恐怖のズンドコに叩き落としたソビエトのシルカちゃんのように… ◆配備状況 射撃統制装置、各種レーダーも搭載した高性能な自走高射砲となったが、なにせお値段が15億円超と高額(参考までに90式戦車は約10~8億円)になってしまう。 結局ご多分に漏れず年に数両しか導入ができないまま、2002年度契約で調達終了。 たったの52両で生産を終了した… 生産された車両の大部分が機甲師団たる第7師団隷下の高射特科連隊及び、第2師団隷下の高射特科大隊1個中隊でのみ運用されている。 87式ェ… 流石に旧式化しているのもあり後継車についての話題も時々出ているが、防衛省は特に触れておらず、今のところ後継を作る予定があるのかも含めて不明である。 なお新自走高射機関砲として新たな対空戦闘車両の開発が以前から検討されているものの([[出典>https://ssl.bsk-z.or.jp/info/pdf/24.7.10kouennsiryou.pdf]])、こちらは93式近距離地対空誘導弾の後継とされている。   ◆高射機関砲の有用性 富士総合火力演習に参加する87AWとAH-64D そんな不遇な扱いを受けている87AWだが、不遇なのは生産台数だけではない。 航空機や[[ミサイル]]の性能が急速に進歩した現代、高射機関砲という兵器は果たして役に立つのか?という疑問は事あるごとに指摘される。 高射機関砲の主目標である航空機は音速の壁を越え、ミサイルはより長射程から撃ち込め、おまけに歩兵が携行できる対空ミサイルランチャーも普及してきている。 …あれ、高射砲いらねんじゃね? ということにはならなかった。 高性能な対空ミサイルは値段も高い。さらに誘導妨害を受けて無効化される恐れもある。 機関砲・砲弾はミサイルに比べ安価で、照準レーダーが妨害されても光学照準が使える。 そして敵航空機や[[ヘリコプター>ヘリコプター(航空機)]]は対空ミサイルに補足されるのを避けるため、より低空低速で侵入してくる場合もあるため、高射機関砲は未だに有効であったのだ。 また、周到に擬装された場合、航空機によって発見することはほぼ不可能となる。 事実、第4次中東戦争では対空ミサイルを避けて低空から侵入したイスラエル軍機は対空高射砲によって大損害を被り、イラク戦争でも米軍のAH-64D部隊が撃退された等の実例もある。 高価なので大量配備できる軍隊は少ないものの、改修を施して使い続けている国や自前で開発を続ける国も案外多かったりする。 21世紀に入ると、ローエンドなUAVの迎撃にも活用されている。 現在、高射砲は対空ミサイルとの「防空コンプレックス」を成し、二段構えの防空システム最後の砦として運用されている。 追記・修正よろしくお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 値段は大事だ(遠い目) -- 名無しさん (2014-04-06 19:34:35) - 3~40年前の特殊な環境下での戦訓がそのまま現代に通用すると思うのか…ゲパルトすらこないだ退役したし -- 名無しさん (2014-09-04 03:55:41) - A-10すら叩き落とす -- 名無しさん (2014-09-04 07:47:58) - (デストロイド)ディフェンダーという愛称は出なかったのかな・・・ちょっとマイナーか; -- 名無しさん (2014-09-04 10:38:29) - 設計思想が古い兵器だからってうっかり捨てちまうと実は役に立ってましたってこともあるからなぁ、アメリカが何度もそれを繰り返してるし -- 名無しさん (2014-09-04 11:11:59) - ↑航空機関砲のことかー(棒) -- 名無しさん (2014-09-04 13:51:47) - ↑M14バトルライフル忘れないであげて -- 名無しさん (2015-01-06 17:10:32) - 次世代機はレーザー装備かな -- 名無しさん (2015-01-06 17:15:39) - レーザーは天候にやたら弱いんでな 今はミサイルと組み合わせたハイブリッド車両が登場してる -- 名無しさん (2015-10-10 22:24:37) - そのミサイルと対空砲のハイブリッドも、ガンモードとミサイルモードの切り替えに難があってパッとしないらしい… -- 名無しさん (2017-05-10 09:17:40) - ↑パーンツィリは既にミサイルと機関砲の同時使用が可能だぞ。 -- 名無しさん (2017-06-19 16:35:21) - 噂されてるってMAVすら採用されてないのに何処の話なんだろう -- 名無しさん (2018-05-27 13:30:48) - 検索すると掲示板だので色々ヒットするんだが、「噂されていた」のほうが良かったかな? -- 名無しさん (2018-05-27 13:33:31) - とりあえず該当の文言は削っておいた。 -- 名無しさん (2018-05-27 16:35:17) - 小型レギオンを迎撃したのってこれ? -- 名無しさん (2022-04-24 02:03:18) #comment #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: