赤木しげる(アカギ〜闇に降り立った天才〜)

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&font(#6495ED){登録日}:2011/10/10(月) 05:36:17 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){面白い…} &bold(){狂気の沙汰ほど面白い…!}} 「&ruby(あかぎ){赤木}しげる」とは福本伸行のマンガ『[[天~天和通りの快男児~]]』の登場人物、およびそのスピンオフ『[[アカギ~闇に降り立った天才~]]』の主人公である。 声優は[[カイジ>伊藤開司]]と同じ俳優の萩原聖人。 劇中では13〜53歳まで描かれているが、常に冷静で死にたがりにすら見える死生観や、狂気の沙汰としか思えない打ち筋から根本的なキャラはブレていない様子。 また一貫して白髪であり、先天的なものか後天的なものによるかはまだ描かれていない。 本人曰く「生きている実感が薄い」らしく、常に冷静かつ達観した態度でギャンブルで負けることによる破滅や死のリスクに対する恐怖心も薄い(というか、ない?)。 度胸・洞察力共に一流で、顔色一つ変えず命がけのブラフや相手の心理を計算した罠を仕掛けることから「狂人」「悪魔」と言われたりもする。 しかし実際の所、アカギが求めているのは熱い勝負そのもの。 大金や腕一本、時には命さえかけるのもそのための手段でしかない。 アカギが対戦相手から見て異常に思えるのは、勝負が「手段」ではなく「目的」という価値観を理解しがたいためという面もあるのかもしれない。 また非情というわけではなく、凡人でも覚悟を決めて勝負に臨む者や自分の責任において行動できる者には情けをかけ、助け舟を出してやることもある。 ここでは『アカギ』における赤木しげるを、年齢の若い順に説明していこう。 神域の男は[[こっち>赤木しげる(天〜天和通りの快男児〜)]]。 *【アカギの遍歴】 **《13歳》 とある雨の日の夜。雀荘「みどり」にて。 莫大な借金を背負った男・南郷は貸主のヤクザ・竜崎と借金棒引きを賭けた麻雀対決に臨んでいた。 ここで負けたら借金は竜崎の娼婦を受取人とする生命保険料で精算、つまり奴らに殺されることになる。 そんな最後の勝負でも連敗し、この半荘でラスを食ったら死ぬという瀕死の状態に追い込まれた南郷。 そこに現れたのが、白い髪をした全身ずぶ濡れの少年……当時13歳の「アカギ」こと赤木しげるであった。 南郷は勝負の流れを変えるべく、ヤクザに追い出されようとするアカギを自分の使いだと偽り、中に招き入れた。 一方麻雀の方はオーラスにしてついに逆転のチャンスが訪れた。チャンタ・[[三色同順>三色同刻/三色同順(麻雀)]]・中・ドラ1のハネ満をテンパイしたのである。 しかしそのために切らなければならない5筒がリーチに対して通せそうにない。 ここで負けたら一巻の終わり、ここは中のみになってしまうが現物2筒を切って凌ごうとしていたが、そんな南郷の弱気を見透かしたようにアカギは呟く。 #center(){ &bold(){死ねば助かるのに…} } 要所でのアカギの指摘に「お前は麻雀が分かるのか」とアカギに問うが、彼は麻雀を全く知らない。 ただ、南郷の雰囲気が死んでいたという。 勝とうとしていない。ただ助かろうとしているだけで、負けが込んだ人間が陥る思考の典型的パターンだとアカギは語った。 アカギの言葉で思い直した南郷は5筒を強打し、結果5筒は通ってハネ満を上がりきり逆転。南郷の首は繋がった。 アカギのただならぬ胆力、そして雨だけでなく塩水と砂にまみれたその姿に直面した南郷は、この少年が今まさに死線を越えてきた人物、 そして自分に迫る死線を越えられる男だと確信。彼に自分の代打ちを委ねることにした。 これが後に裏の麻雀界を震撼せしめる伝説の存在・アカギの、初めの麻雀であった。 アカギの有名な台詞「死ねば助かるのに」の流れは以上の通りである。 巷では「もうダメなんだから死んでしまえば楽になる」と言ったような意味合いで用いられている事が多々あるが、[[実際は全く異なり、>実は言ってない台詞(架空人物)]]「死ぬつもりで開き直ってこそ開ける活路がある」というもの。 上記の状況でも、現物切りの安手でテンパイしたとしてもただ「その時助かるだけ」で勝ちに繋がる保証が全くない。 それどころか、結果的に実行しなかったので南郷は知る由もなかったが、現物切りをしていたら他家のダマテンに振り込んでおり逆に負けが確定していた。 振り込んでそこで死ぬ事も覚悟の上で危険牌の5筒を押したからこそ逆転手を上がって「勝ち」を手にする事ができたのである。 #openclose(show=■vs竜崎・矢木){ 対戦前に南郷から基本的な麻雀の役をいくつか教わって卓につくが、この時点ではまだ才覚は見えず、振らずアガらずの3着で東場を終える。 そこに警官および刑事の安岡が雀荘を訪れる。何でも昨晩不良グループ同士が「チキンラン」と呼ばれる車を断崖めがけて走らせる抗争を行い、その片割れが車ごと海に落ちてから脱出し、この近くに逃げ込んだという情報があったので聞き込みに回っているという。 その「片割れ」が今しがた海水まみれでこの雀荘に迷い込んできた少年・アカギなのは誰が見ても明らかである。 この事態にアカギは南郷に口裏を合わせてアリバイと身元を保証することを迫る。その代償として差し出したのは、ただの[[七対子>七対子(麻雀)]]からいつの間にか化けた大三元四暗刻単騎という超大物手だった。 警察が来たことによりその場の全員の注意が逸れているタイミングを見計らってアカギは露骨に河から牌を拾い、手牌をすり替えていたのだ。 そうこうしている内に安岡達が突入してくるが、口裏を合わせる約束をした南郷、そしてアカギを警察に突き出す事に何のメリットもないどころか、下手に言う事が食い違って刑事らに不審に思われてもデメリットしかない竜崎らが口裏を合わせた事でその場は難を逃れる。 そしてこのドサクサに紛れて勝負を続行させたアカギは、皆がまだ混乱している隙を突いてこのイカサマ[[役満>役満(麻雀)]]をアガってしまった。 素人相手ならいざ知らず、ヤクザ相手のこの対局、こんな露骨な手は証拠が無くても暴力でイカサマだと台をひっくり返されるのが関の山だったのが、警察がいるせいでそれができない。「やられた方がアホ」として竜崎も渋々アカギの役満を認めざるを得なかった。 このアカギのイカサマ役満を目の当たりにした安岡は、彼こそがチキンランの生き残りと確信。雀荘に居座ることにした。 その後もアカギの圧勝は止まらない。 ここからは「最初の方に捨てられた牌と後の方まで引っ張ってから捨てた牌の意味の違い」や「リーチ時にちらりと手牌を確認する癖の発見」など、熟練の玄人並みの洞察力を見せ、南郷や安岡も舌を巻く。 最初はメンツを重視して手下からの「代打ちの矢木を呼ぼう」と言う進言を一蹴して殴り飛ばした竜崎だったが、いよいよ南郷の借金チャラが目前に迫ってメンツを捨て、矢木を呼ぶ。 到着した矢木は、入り口に背を向ける=入口側から手牌が見える席に座っていたアカギの手牌が見えてしまったという理由で卓に座るのを一局伸ばすが、その間にアカギの打ち筋を観察。アカギの事は竜崎が助けを呼ぶほどの男だとは分かっていたので舐めていた訳ではないが、アカギが「リーチ後にカンできるというルールを知らない((テンパイ時のアカギは445666という形から4を切ってリーチしたが、この時のアカギの手牌は4切りでもピンフが付く訳ではない形。であるならば5切りで6をツモった時にカンできるようにするのがセオリー))」と言う初心者ゆえの付け入る隙を発見する。 ちなみに有名な「矢木に電流走る――!」はこの時。 矢木はアカギを初心者として舐めてはいないと自分では思っていたが、それでも心のどこかで舐めていたからか、はたまた上述の隙を見つけたからなのか、自分が仕掛けた罠をことごとく一蹴されて次第に認識を改めていく。 卓に座る時に「俺達は負けたら失うものがあるが、お前は何も失わないのは不公平。お前は負けたら指一本落とせ」と脅しをかけるも、「あんたも同じようにするならいいよ」と平然と返してくるアカギには通じない。 リーチをかけておいて、アカギがロン牌を出しても上がらないことでアカギの読みを狂わせる作戦も使うが、これも見抜かれてアカギも上がり牌をツモっても上がらずに流局させ、矢木の見逃しを暴く((矢木は勢いから言って自分が見逃せば間違いなくアカギが上がり流局しないと踏んでいての策だった))。 とうとう矢木はイカサマに走り(と言ってもこの卓で最初にイカサマをしたのはアカギだが)、八索が4枚固まって自分の配牌にきた局をチャンスと見、牌山の上の段に片側から牌を1枚押し込んで反対側から抜くキャタピラという技でドラ表示牌とカンドラ表示牌に七索を仕込み、アカギがリーチをした後にこれをカンし、一気にドラ8の怪物手を作る。さらには手下との連携プレイでアカギのツモ牌に矢木の当たり牌を送り込んで放銃させ、アカギから倍満直取りを実現する。 これを見たアカギは「そういう事するんだ」と矢木を一瞥。 オーラス、アカギは矢木から3900を直取りするか、満貫をツモ上がれば逆転と言う状況。露骨に萬子を立て続けに鳴くアカギの手は萬子の清一色((清一色は鳴いても5飜=満貫))と思われたが、ドラ絡みのタンヤオの可能性もまだ残る状況。 アカギが3副露してテンパイ確実となった後に矢木はドラの四索を掴んでしまたっために一旦手を回す。 その後、アカギは残る4枚の手牌にツモって来た牌を加え、4枚を暗槓し、裸単騎になる。暗槓した牌は四萬。 いよいよ萬子の清一色か、タンヤオであればドラ単騎確実となったその時、アカギは残った待ち牌を手を引っかけて前に倒してしまうという、らしからぬ凡ミスを犯す。 倒れた牌はアカギが咄嗟に指で押さえたが、萬子の萬の字だけは矢木もはっきりと見えた。つまり、少なくともアカギは今この瞬間だけは萬子待ちであり、タンヤオで別の色で待っている事はあり得ない。なのでタンヤオだったなら超危険牌であるドラの四索も、次にアカギのツモ巡が来るまでは確実に通る。 そう考えた矢木は、ドラの四索を打ち出した。 アカギの後ろで見ていた南郷と安岡は何が起こっているのかすぐには理解できなかった。 アカギはたった今四萬をカンしたが、残った裸単騎の牌の正体は四萬。これでは四萬が5枚あることになる。何故!? からくりは簡単だった。アカギは四萬4枚の他にドラの四索を持っており、カンした時は四萬3枚と四索でカンをしたのだ((カンの動作としてはカンする4枚のうち端の2枚を相手側に向けて見せ、そのまま伏せて副露する。つまり4枚中2枚は相手から見えないまま。今ではこの手のイカサマを防止するために異なるカンの動作をルールにしている雀荘が多い))。 そして&bold(){わざと}ミスを装って手牌を倒して見せる事で、矢木に萬子待ちである事を印象付けた上で、矢木の切り番までにカンの中にある四索とすり替えて四索を戻したのだ。 そうして打ち出された矢木の四索にロン。タンヤオ・ドラドラの3900直撃で逆転。 &color(#F54738){&bold(){束の間見えたマンズはカンに溶け天に昇った…アカギ無法のドラ単騎!}} イカサマを使った倍満で一時優位に立つも、それを上回る簡単かつ露骨なイカサマで逆に手玉に取られ、完全に上を行かれて敗北した矢木は放心状態に陥る。 この時点で南郷の借金はチャラになり、南郷はここで勝負を終わって帰ろうとするも、八木が完全に心が折れてカモり放題の状態であると踏んだアカギは、勝ち分を南郷の借金をチャラにするのではなくさらに賭け、「稼業の人間は負けると分かっていても挑まれたら逃げる事ができない」と煽りも入れつつ勝負の倍プッシュを申し入れる。 矢木はアカギの煽り通りに勝負を続行するがこの状態でアカギに勝てるはずもなく連敗。 } こうして矢木を徹底的にカモるアカギだが、負け額が手に負えなくなると察した竜崎が理由を付けて勝負を断ろうとする。 アカギはさらに煽りを入れて勝負を止めさせまいと企むが、勝負を見学していた安岡の「このまま勝っても約束を守る保証がない、やるならきちんとした場で立会人を付けてやれ」((安岡自身は曲がりなりにも刑事なので、目の前の暴力行為を取り締まる事はできるが、賭博の証人になる事はできない))という忠告により、日を改めて再戦するという約束を取り付けてその場は終わる。 竜崎・矢木との対決から2日後。安岡はアカギを場末のバーへ呼び出し、再戦の決定、およびその日時等を告げると「再会を祝して乾杯」とうそぶく。 そんな安岡にアカギは「調子いいことばっかり言ってないでもう一つの条件を言え」と切り出す。 それは&bold(){3人}の取り分の話。アカギは安岡がこの勝負に便乗して「セッティング料」という名の大金をノーリスクでせしめようという腹積もりを見抜いていたのだ。 自分だけ何も背負わず漁夫の利を得ようとする安岡の魂胆が気に入らないアカギは、先の勝ち金300万に新たな借入300万を足した600万に、さらに200万を追加した800万を賭け金とし、 不足の200万を安岡が負担することを要求。安岡をも後に退けない立場へと追い込んだ。 そして南郷はその安岡以上に震え上がっていた。最初の勝ち金300だけ賭ければいいじゃないかと。 だがアカギは「奴らが恐れているのはオレたちの狂気、ブレーキを踏まない心。あの夜もブレーキを踏まないから助かった」と退かず、先のチキンランの話をし始める。 恐らく車も何もかも不良グループ側が用意したものだったのか、車のブレーキに細工をされ、さらにはアカギが左側でお互いにぴったり並走=アカギだけ運転席ドアを開けて飛び降りる事ができない形、つまりは不良側に圧倒的有利な勝負。 そのままでは死は免れない勝負だったが、アカギはわざと「ブレーキを全くかけないで崖から飛び出す」と言う手で生き残る。 アカギは勝負場所となる崖はある程度沖に行くと水深が急激に深くなっており、なまじブレーキを踏むより助かる公算が高い事を知っていたからだ。 一方、不良グループの対戦相手はアカギのそんな常軌を逸した行動に惑わされ、負けを覚悟で落下前に止まる事もできず、それでいて半端にブレーキを踏んだため、がけ下に落下した。 アカギは自分のチキンランと同じようにブレーキの壊れた生き方をしてみろ、あの夜チャンタ三色を突っ張った南郷さんならできる、 あと一晩だけ狂気に魂を預ければ、あと30年働いても手にできない大金が手に入る……そう南郷を説き伏せて、800万、現在の8,000万以上の巨額を賭けた再戦に臨む。 そして再戦の日。 アカギは事前に対戦相手の川田組(竜崎の属している組)から呼び出しを受けており、店内にいる人間全てが川田組の若い者という敵地の真っただ中に一人で訪れる。 #openclose(show=■勝負当日のイザコザ){ 若頭の黒崎に人数の暴力を背景に「寝返れ」と脅されるが、逆に「お前らの組が崩壊する限界の金額の半分を差し出せばそうしてやってもいい」と煽り返す度胸を見せつけた。 当然ながらこんな要求は呑まれる訳もないことはアカギも承知しており、事実上の拒否である。 そして席を立った後、近くの席に座っていた老人を「今度の対戦相手の代打ち」だと一目で見抜き、拳銃でロシアンルーレットを吹っ掛ける。 周囲の組員が慌てふためく中、市川本人は顔色一つ変えず冷静だったが、ともかく自分に対して引き金を引いたという事実を根拠にアカギもロシアンルーレットをやる事を要求。 アカギの名言のようになっている「&bold(){狂気の沙汰ほど面白い}」はこの時市川が初めて言った言葉である。 制止の間も無く勝手に引き金を引いたアカギはまだしも、市川がアカギに対して引き金を引こうとするのは黒崎に止められる(この場で殺人が起こればどちらが逮捕されるにせよ勝負が成り立たなくなる)も、市川は「(弾は)出ねえよ!」と一喝して引き金を引く。 結果としてどちらも弾は出ず生き残った訳だが、狂気の沙汰と言いながらその実、市川は拳銃のシリンダーの回転する音から込めた弾の位置を割り出して弾が出ない事を知っていただけ、アカギもそれを聞いて次に弾が出るのが何発後かを知っていただけ。 これをもってアカギは「市川も自分の能力だけを信じる俺と同じ無頼」と評価する。 なおこのロシアンルーレットに使った拳銃は、川田組の呼び出しに応じる事の対価として川田組からアカギが譲り受けた物。 川田組からは「そんなもの何に使うんだ」と問われたが、アカギはそこでは答えなかった。 アカギが手に入れた拳銃は、その日の夜使われる事になる。 アカギは再び別の者からの呼び出しを受け、埠頭に訪れる。そこには、竜崎・矢木との勝負の日にやっていたチキンランの相手の不良グループのうち、アカギとの勝負をした本人を除いた3人。 不良3人はアカギに不利になるような細工をいくつもしていた事を棚に上げ、勝負を行った不良が生死の境をさまよう重症を負ったとしてアカギに復讐を企て、角材や鉄パイプを持っていた。 そして手に持った武器でアカギを袋叩きにするが、アカギは黙ってされるがままになる。 不良の1人がヒートアップし、他の2人が流石に不味いと止めに入る中「こんなやつ死んでも構わねえ殺しちまえ」とアカギを本当に殺す勢いで更なる暴行を加えようとしたその時… #center(){&bold(){パァニ}((「パァン」の事だが、原作漫画の描き文字では「パァニ」に見える))} アカギが持っていた拳銃の引き金が引かれ、不良の膝を撃ち抜く。 何が起こったか分からない不良を尻目にもう1発、両膝を撃ち抜かれてヒートアップしていた不良は立っていられなくなり尻もちをつく。 #center(){&bold(){「こんなヤロー殺しちまえってことは 自分も殺されてもかまわないってことだ」}} 不良の口に銃口を突っ込んで引き金を引く…が、弾丸は予め両膝を撃ち抜く分しか装填しておらず((原作漫画では残る2人にも1発ずつの計4発発砲しているが、アニメでは一人に2発撃ったのみ))、既に弾切れである事を分かっていて引き金を引いたのだ。 殺される恐怖に限界を超えた不良はその場で失神。完全におびえ切った残りの2人をアカギは一喝し、両膝を撃ち抜いた主犯格を引きずって行かせる。 アカギはこういった輩とのもめ事を手っ取り早く解決するために拳銃を調達したが、流石に自分が無傷ではただの殺人未遂になってしまう。 そのために、正当防衛が成り立つ所まで暴行による怪我を負ってから反撃に出るという計算ずくの袋叩きであった。((袋叩きだろうとなんだろうと拳銃使って膝撃ち抜いたら意味ないような気もするが…)) もっとも本人にとってはつまらないこと以外の何物でもなかったが。 } 一方そのころ、麻雀勝負の場では既に勝負が始まっていた。 アカギが来ないため止むを得ず南郷が卓につくが、市川相手では全く歯が立たない。 あれこれ工夫を凝らしても市川に歯が立つ訳が無いと分かっている南郷・安岡は市川からの直撃など狙わずに両面テンパイしたら即リー・ツモ狙いという戦法で挑むが、雀力で劣るものが自分に勝つにはそうするしかないと分かっていた市川はそれを見越して余り牌を討ち取る戦法で難なく捌いていく。 そして次に振り込んだら負け確定…という瀬戸際になってようやくアカギ到着。 場況を一瞥したアカギは迷わず超危険牌の「白」を摘まんで場に打つ…と見せかけて、捨て牌の別の牌に打ち付けてズラし、既に捨てられている無関係の別の牌をたった今捨てたように見せるというイカサマで凌ぐ。 #openclose(show=■vs市川){ そこからアカギの反撃…と行きたい所であったが流石に市川の壁は高く、脇から点棒を仕入れて安全圏に戻る事こそできたものの、肝心の市川の点棒を削る事ができない。 その夜の取り決めは「市川かアカギのどちらかの点棒が0になるまでエンドレスで続ける」と言うルールであったため、お互いに振り込まず点棒を減らさない場合、いつまでたっても決着がつかないのだ。 アカギは絶一門((萬子・筒子・索子のうち一色を全て捨てて残りの2色だけで手牌を作ること))で振り込みやすい状況を作ろうと市川に暗に誘いかけ、市川もそれに乗るが、奇抜な待ちで市川から直撃を取るがあまり役が絡まず安い手になるアカギに対し、アカギからの直撃に拘らず王道の役をいくつも絡めて高い手をツモ上がる市川では徐々に点棒に差がついていく。 このままでは市川を倒せないと踏んだアカギは市川に「お互いの点棒を1/10」にしようという提案を持ちかけるが、市川は拒否。 それもそのはず、現時点でリードしている上にこのまま続けていてもいずれ勝てるのだ。乗る理由がない。 この要求を通さない事には勝つ目が見えないアカギはイカサマを仕掛ける。場に3枚切れの「西」を拾って待ちにしたのだ。 市川は盲目であり、河に捨てられる牌は各々が発声しなければ何が捨てられたか分からない。つまり河から拾う類のイカサマをどうする事もできない。 アカギが「西」を拾った事に気づかない市川は、自身の記憶では既に3枚切れであり完全安牌の「西」を打ってアカギに放銃し、イカサマをされたことに気づく。 ここに至り、市川は「お互いの点棒を1/10にしよう」という、一度は断ったアカギのルール変更の申し出を呑む。 このままでも勝てない訳ではないが自分の勝ちも遠のく。非常に長い勝負になる事が予想され、盲人であり記憶力を酷使する自分の方が体力勝負で不利になるのが見えている。 であれば点棒を削って早期決着をする他無い。 こうして市川の点棒を0にできる可能性をこじ開けたアカギだったが、「相手が先にイカサマをしてきた」と言う口実を得た市川は、それまでアカギが格下だとして自重していたイカサマを解禁。 内容を全て記憶している自分の山とすり替えて自由自在に自分の望みの牌をツモるイカサマを使い、驚異的な速度でツモ上がりしていく。 分かっていた事とは言え、市川にイカサマする口実を与えてしまい、不利な状況に陥ってしまう。 そして最後の局。 「市川の前に山が残るサイの目だったら市川はまず4巡でツモ上がる。そうしたら俺たちの負けだ」と覚悟して臨んだ局は…市川の前には山が残らなかった。 アカギが箱寸前であり安手でもツモあがれば勝ちな市川に対し、満貫以上の直撃が必要なアカギ。 徹底的にアカギへの放銃を警戒する市川から直撃を取るのは容易ではなく、アカギはそれまでの局で市川が見せた「大明槓の責任払い」で直撃を狙う。 市川もそれは分かっていたが、ドラは市川からは全て見えていたため、アカギの手は見えている限りどんなに高くなっても鳴き三色同順・嶺上開花の2000点止まり、とうてい逆転には届かない。 責任払いによって満貫直撃が実現するには「今から自分が切る「北」をアカギが暗刻で持っていて大明槓できる」「嶺上牌でツモ上がる」「大明槓した「北」にカンドラがそっくり乗る」という3つの狭き門を潜り抜けなければならない。 アカギは萬子と筒子で234と鳴いており待ちは索子の234のいずれかである可能性が高く、嶺上牌は三索であるため、第二の関門「嶺上牌で三色同順をツモ上がる」はクリアされる可能性があるが、他2つの確率は非常に低い。その上市川には後述の『保険』があったため、満貫直撃は無いとして北を切る。 北が捨てられたのに対し、「カン」の宣言がされる。アカギは「北」を持っていた。第一の門クリア。 ここで市川は第一の保険『アカギが大明槓した場合、嶺上牌を「中」にすり替えて嶺上牌でのツモあがりを阻止する』を実行しようとするが、アカギはそれを見抜いており、嶺上牌に伸ばした手で市川の邪魔をする。 止むを得ず第二の保険『カンドラ表示牌を「中」にすり替え、カンドラもろ乗りを阻止する』を実行。アカギは中盤に「白」を捨てており、「満貫が絶対条件で1飜でも欲しいこの状況で、もし役牌が暗刻になっているのならそれをわざわざ捨てるはずがない=アカギは1枚しか持っていない白を捨てた=手牌には1枚も白が無い」と市川は読んでいたのだ。 こちらはアカギには邪魔されなかった。 無事嶺上牌をツモったアカギは、まずは待ち牌の部分の手牌を倒す。第二の門もクリアである。 市川はすり替えてきた「本来のカンドラ表示牌」を見て、アカギの強運に肝をつぶしていた。それは「西」であり、何もしなければ大明槓した「北」がそっくりドラになり、満貫直撃が実現していたのだ。 しかし、アカギの催促によりカンドラとして表示牌の「中」がめくられ「今の流れならてっきり北が新ドラになるかと思った…&bold(){しかし、どの道同じこと}」と言いながら倒された手牌の残りの部分は…「白」であった。 三色同順・嶺上開花・ドラドラで満貫到達。責任払いにより、市川の放銃扱いで逆転、決着。 上記の通り市川はアカギが「白」を捨てている事から「あと2枚白を持っているはずがない」と読んでいたが、アカギは市川がそう読む事も読み切っていた。 1飜でも欲しい状況であえて白の暗刻を崩して1枚捨てるという合理性を無視した打ち方に加え、市川が保険で嶺上牌を、それができなかった場合はカンドラ表示牌をすり替えるであろうことまで読み切って「嶺上牌をすり替えるのは阻止してカンドラ表示牌をすり替えるのは邪魔しない」という、市川の全てを手玉に取っての逆転勝利。 アカギは例によって倍プッシュを申し出るが、川田組は恥を捨ててそれを拒否。 ここまで完全に手玉に取られて敗北した以上、市川とアカギの間では完全に格付けが完了しており、市川を囲っている川田組自ら&bold(){市川は今後一切アカギには及ばない}と断言する。 そして川田組関係者の中で最強の打ち手であった市川がそうなった以上、もう川田組に勝つ目は残っていない。 だが勝った時には勝利の喜びすらなく、アカギは子供が興味を失った玩具を見るような目で報酬の金を見ていた。 } 麻雀覚えたての素人のはずのアカギが裏プロの市川を打ち倒したこの戦いは伝説として語り継がれていく事になるが、アカギは6年間、一時的に姿をくらますことになる。 なお、上記にも書いたがこの時のアカギは&bold(){13歳}である。 &font(#ff0000){&bold(){13歳である。}} 大事なことなので(ry とても1年前にはランドセルを背負っていたとは考えられないほどの肝の据わり様である。 上記のように初登場時から白髪であり、それまでの短い人生を嫌が応にも人に想像することを強いると描写されている。 まあ、矢木戦で山から見えてしまった牌を戻すときに違う牌を戻しているのを言い出せなかったり、 指一本(約100万)賭けろと言われそれなりに動揺するあたり子供らしさは感じるが。 悪いお友達とチキンレース等の命懸けのギャンブルをしてしまうのも恐らくはやんちゃをこじらせたからだろう。 人の口に銃を突っ込んで遊んでたら遅刻することだってあるのだ。 そしてヤクザから銃を貰ってチンピラを&font(#ff0000){パァニ}と潰してたり小さい頃から虫をひり潰して遊ぶあたり厨二病の気がある。 それでいてこれだけのことをしでかしながら満足できないあたりタチが悪い。 **《19歳》 裏プロ市川を倒した伝説の夜からアカギはぷっつりと姿を消してしまう。 そして6年後、安岡がとある青年を連れて川田組に売り込みをかける。これがあの「アカギ」だ、と。 しかしその打ち筋を見た、6年前の伝説の夜にその場にいた当時の平組員――今の若頭・石川は疑問を抱く。 凄いには凄いが、神ががってはいない。我々凡人でも努力すれば追いつける所にいる程度の天才ではないか。 そんなモヤモヤを抱いたまま街を歩いていると、喧嘩でヤンキーグループを&font(#ff0000){フワ……}と倒している青年を目撃する。 一瞬だけ見たその風体は、安岡が連れてきた青年よりは遥かに、当時のアカギを想起させる外見だった。 思わず追いかけるがすぐに見失ったため、組員を使って近辺を張らせ、その青年の正体を突き止める。 素人、筋者関係なく喧嘩をふっかけ、相手が多人数だろうと構わずボコボコに叩きのめす凶悪な「辻斬り」として名を馳せていた人物であった。 &font(#ff0000){沼田玩具という工場で[[ボナンザ>ボナンザ(マサルさん)]]によく似たおもちゃを作っている}ことまで突き止めた石川は、 当時のアカギを自分よりもよく知るであろう南郷に接触、アカギと思われる人物を見極めて欲しいと依頼。 南郷と共にアカギの勤め先に訪れ、それがアカギ本人である事を確認した。 #openclose(show=■ニセアカギとの邂逅){ 本物アカギを連れて川田組を訪れ、当時安岡と組んでいた[[ニセアカギ]]こと平山幸雄と邂逅。 その時点では「リスクを冒さず安定してアベレージで勝つ男」として平山を絶賛していた川田組長は、平山に「アレ」をやってみせてやれと指示。 何をするかと思えば…伏せた状態で混ぜて無作為に抽出した13牌を一瞬だけ見て、それが何シャンテンの状態であるかを言うという芸当。 複数回繰り返すも全て正解しており、その場のアカギ以外の全員が感心する中、最後の1組を開けようとした時に、&bold(){開ける前に}アカギが「3」とつぶやく。 果たして開けられたその13牌は3シャンテンの状態であり、アカギに注目が集まる。 一瞬は場の雰囲気に呑まれた平山だったがすぐに反論。 今のアカギの芸当は13牌を開ける前に言い当てて神がかり的な直感を見せたかのように振る舞っているが、それまでに13牌×9組が開けられており、残るは19牌((麻雀牌は136枚))。 既に開けられた牌を数えていれば残る19牌が何であるかは小学生でも分かる事で、残っている牌の内容はどう組み合わせても2シャンテン以上にはならず、6シャンテンにも絶対にならない。つまり3~5シャンテンのいずれかが確定している上、牌の内容からして6~7割以上の確率で3シャンテンであると予想される内容。 神がかり的でも何でもないと反論する。 当のアカギはそんな平山の反論を「二流だ」と一蹴して立ち去ろうとするが、平山はさらに引き止める。 「本当に直感によるものなら、この10牌に3牌を加えて4シャンテンを作って見ろ、ただし3牌を選ぶのはこの9牌の中からで、伏せた状態で選べ」という無理難題を吹っ掛けた。 ちなみに「この10牌」は四・六・八萬、一・三・五・九・九筒、七・八索。選択肢となる9牌の内容は一・三・九・九萬、七筒、一・一・三・四索。 この条件で4シャンテンを作るには、選ばれる3牌が「一萬・一索・四索」と言う組み合わせでなければならず、その確率は3%以下(約2.38%)。 この細い綱渡りにアカギは乗ってくるが、「腕一本」と言う対価をアカギは要求する。 平山は「バカな、そんな取り返しのつかないものを賭けられる訳が無い」「そうやって煙に巻こうっていう算段だな」と反論するも、面白がった川田組長が平山の腕の代わりに200万という金を出して勝負を成立させてしまう。 この時平山は川田組長の介入に舌打ちをしているが、安岡は恐らくは平山と逆の意味で舌打ちしていた。「あの男は別なんだよ…」と。 そしてアカギは牌の選別に入る。 伏せ牌なので見ていても分かるはずがないのだが、アカギはしばらく牌を見つめ続ける。 「何をやっている、牌が透けてくるとでもいうのか」 &bold(){「そうさ…それくらいの感覚が無ければこの六年間、とても生き残れなかった」} そうして伏せたまま選んだ牌は…指定の3牌「一萬・一索・四索」であった。 驚愕する平山、平然と200万を懐にしまいその場を後にしようとするアカギ。 しかしここでも平山はさらに食い下がる。 シャンテン数当てで既に開けられている牌、この勝負に使わなかった残りの牌に若干触った形跡があると主張。 そっちから正答となる3牌を抜いてすり替えたと言い出した。 果たしてその主張は当たっており、アカギはすり替えた3牌を手の内に握っていたが… 「原始的な細工だが…こういう実戦では結構効果的なんだよな、少なくともおたくのしちめんどくさい確率の計算よりはさ」 とすり替えによる不正を認めるかのような発言をし、握っていた牌を南郷に渡してアカギはそのまま部屋を出た。 そしてアカギから渡された牌を確認した南郷はさらに驚愕する。 アカギが渡していった3牌は「一萬・一索・四索」だった。 アカギはイカサマをするまでもなく指定の3牌を選ぶ事に成功しており、その上で平山をからかうためだけに同じ牌をわざわざ抜いていたのだ。 平山も選択肢にした9牌のうち、選ばれなかった6牌を開けて確認するが、確かに「一萬・一索・四索」が抜かれている。 安岡「関わり合うな…あの男には。そっとしておくんだ」 } こうして200万を手に入れたアカギは、その夜に同じ工場の先輩・川島とその取り巻きに誘われていた麻雀の場に現れる。 (というか寮の自室なので帰ってきただけだが) 南郷がおもちゃ工場に会いに来たとき、アカギが誘いをかけられていたアレである。 アカギが工場に入って最初の給料日であったため、それまでは治を誘って麻雀を打っていたのをアカギを代わりに誘ったのだが、アカギは南郷が訪ねてきた事を口実にして断られたため、代わりに引き続き治を誘っていたのだ。 #openclose(show=■vs玩具工場の先輩3人組){ 一見まっとうな勝負に見せかけて実は3対1のカツアゲであり、通しやぶっこ抜きなどのイカサマを乱用して勝ち役の2人があがり続け、治は給料のほとんどをさらわれてしまっていた。 一応、2人負けの2人勝ちの状態になっているが、これは治一人を負けさせて「組んでいる」と言う印象を与えないための細工で、組んでいる3人は後で儲けを折半する前提で予め負け役を決めていただけのこと。 治は川島らの目論見どおり3対1でカモられているという印象を持たないまま負けていたが、アカギからすれば素人レベルのイカサマ行為であり、治の後ろに腰を下ろしていくらか見ていただけで通しもぶっこ抜きも、2人負けだが3人で組んで負け役を決めているだけだという事もアカギはすぐに見透かしている。 しかし自分が参加者ではない勝負であるため、イカサマに気づいていても口を出さずに静観。 勝負が終わってから治に「悪かったな、代わってやれなくて」と声をかけるが、「打ったのは自分なんだから仕方ない」とアカギを責めない治の態度を見て、アカギは川島らに勝負を吹っ掛ける。 川島らはもう遅いからという理由で一旦断るも、アカギが先ほどの200万という大金を見せたために目の色が変わる。 アカギが提案した勝負は、「終了時の治の手牌(カン五萬待ち)を使い、王牌からあと2回ツモってあがれたらアカギの勝ち」というもの。 アカギは200万を賭け、川島らは3人分の全財産(手持ち+預金通帳)を賭ける。 賭ける金額の大きさに田原(取り巻きの一人)が怖気づくも、川島は治の手牌の待ちである五萬が河に1枚、ドラ表示牌に1枚、川島の手牌に2枚あって王牌には残っていない事を知っていたため、自信満々で勝負を受ける。 いざ預金通帳とハンコを全て揃えて勝負開始。 アカギの王牌からの1回目のツモだが…なんといきなりドラ表示牌をツモってしまう。 流石に「見えてる牌を引いてあがりなんて認められる訳ねえだろ」とクレームが付き、流石のアカギも「冗談ですよ」と素直に牌を戻す。 改めてツモったのは嶺上牌の1枚目、ツモってきた牌は六萬。ここでアカギは四萬を切り、カン五萬待ちを六萬と西のシャボ待ちへと切り替える。 川島から「誰が牌をチェンジしていいって言った!」と再度クレームが入るが、今度はアカギは引き下がらない。 アカギは五萬の残り2枚を川島が握っている事も見抜いており、「ツモっていうのは当然切り返しも含まれている。リスクゼロで大金せしめようなんてずうずうしいですよ」と主張。 川島は西は王牌に残っている事を知っていたが、確率的に1/12であり断然有利である事には変わらないとして渋々受け入れる。 そして次にアカギが手を伸ばしたのは嶺上牌の2枚目…&bold(){ではなく、2枚目のカンドラ表示牌の位置の牌=川島の前にあった山の左端の牌}。 アカギは西をツモあがり、見事に賭けに勝利した。 何故いきなりそんな真ん中の牌をツモったのか?当然、そこに西がある事を知っていたからである。 アカギは川島がぶっこ抜き(手牌からいらない牌を山に戻し、代わりに山から牌を抜いてくるイカサマ)を繰り返していたのを見ていた。 そして川島は山に戻す不要牌を自分の左手側に寄せる癖、中でもより要らない牌を外側=2段に積んだ時に上に来る側に持ってくる癖があった。 そして最後の局、場の字牌の数を見れば川島が山に戻した字牌は東と西である事はほぼ明らかで、ラス親であった川島にとって一番要らないのは西。 そこまで見抜いていたため、王牌のあの位置、川島の山の左端の上の段が西であると見当がついていたのだ。 翌朝、アカギは追いかけてきた治に対して、治が巻き上げられていた給料分の金を「お前の取り分だ」として渡す。 曰く、治が残した手牌と場の状況を利用して勝ったのだから、と。 しかし実際は、負けても他人のせいにしない治の性格をアカギなりに認めて「治に対する助け舟」として川島らに勝負を吹っ掛けたという意味合いもあったはずである。 なお「よく六萬と西をツモれましたね」という治の疑問には「いくらなんでも偶然てこたあねえだろ」と、意図して引いたものだと答える。 西は上記の通りだが、六萬も真っ当に運任せでツモったのではなく、わざと引いてきたものであった。 その出どころは単純。&bold(){河から拾ってきただけ}である。 ただその実行タイミングが上手く、実際に拾ったのは「&bold(){文句を言われてドラ表示牌を戻した時}」。 人は相手が牌をツモろうとする時にはイカサマを警戒して注目するが、牌を戻す時には注意が緩んでしまう。 しかもその時は河から何を拾おうとアガリには結びつかない事が分かっていた(河にある1枚の五萬は王牌とは反対側にあった)ため、尚更注意が緩んでいる。 だから、アカギがその時「河にあった牌」と「次にツモる予定の嶺上牌の1枚目」をすり替えたところで誰も気にしていなかったのだ。 こうして解説を終えた所で川島たち3人が再登場。 昨晩の負けおよび全財産を巻き上げられるという結果に納得がいかない川島らは、暴力で金を巻き上げようと企んだのだ。 しかしそれまで、ただのチンピラから筋モン問わず喧嘩を吹っ掛けまくり、「5人未満なら逃げろ」とまで言われた辻斬りをやっていたアカギに喧嘩で敵うはずもなく瞬殺。 } 麻雀にまつわる実力、川島らを一蹴した腕っぷしにほれ込んだ治は、工場を辞めるアカギについていくと言い出す。 川田組の迎えの車の前で「俺と来るととばっちりで火の粉が来ることもあるんだぜ」と言うが、それでもついてくる治を一緒に乗せて[[ニセアカギ]]こと平山幸雄との対戦のために料亭・広瀬へと向かう。 どうでもいいがアニメで川島と喧嘩するときのアカギは格好いい。 アカギが料亭に到着した時はアカギと相手方の代打ち・浦部の対局がまだ続いていた。 全4回戦の取り決めのうち2回戦まで平山がトップを取っており、続く3回戦目も平山のトップ目でのオーラスという場面で背後にアカギが来たのに気づいた平山は、「待っていろ、小一時間でこのザコを蹴散らす」と自信満々に吹く。 アカギはそれを聞いて控室に下がるが、平山の自信の通りに平山の圧勝だと思っていた川田組関係者および治とは異なり、アカギは「浦部の方が1枚も2枚も格上」と見抜いていた。 初見で見抜いたアカギの予言通り、浦部が負けている事を理由にレートアップを申し出、組長がそれを承諾してしまった事ところからは完全に浦部のペース。 ともすれば強引な屁理屈とも言えるような紛らわしい言い回しで「倍にするだけ」ではなく「際限のない倍々ゲーム」に持ち込み、 徹底的な延長狙いの戦略により掛け金は当初の50万から1600万という未曽有の大金に膨れ上がってしまう。 ここに至り、勝ち切れない平山を見限ってアカギに助け舟を求めるのだが…。 #openclose(show=■vs浦部){ 控室でごろ寝してたアカギは「気分じゃないんで」とだけ言って川田組の助っ人要求を断る。 食い下がる若頭・石川に対してそれならば治を代わりに打たせてやってください、そうでなければ俺は打たないと一蹴。 仕方なく治を連れていく石川だが、最初は治は案外しっかり打てており順調にあがっていくも、 途中で3200万というレートを聞いた途端に委縮しセオリー外れの暴牌を繰り返すようになってしまう。 治が進退窮まった所でアカギが肩を叩き、交代する。 こうして始まったアカギと浦部の対決だが、アカギは最初は見ている者全てが理解不可能なめちゃくちゃな打ち回しをする。 棒テン即リーは当たり前、全ツッパで簡単に振り込む。 途中、この余りに凡庸な打ち回しを疑問に思った浦部が、流局させアカギの手牌を覗いてやろうとわざと自分のツモあがりを放棄するが、 それを察知したのかアカギはリーチをかけているのに流局時にノーテン宣言をし、罰符を払う始末。 見ていた石川は流石に慌てて何の意味もない(ように見える)8000点の支出を咎めるが、 アカギは「後の3巡を買うために必要な布石」とだけ言って罰符を払う。 起死回生の一手・四暗刻単騎のテンパイが入った時も謎の行動を見せる。 確定四暗刻になる4萬切りの5索待ちではなく、5索切りで高目の場合のみ四暗刻になる多面張を選択し、しかもオープンリーチ。 これについて川田組長は 「萬子のホンイツをやっている浦部の待ちが1-4-7萬待ちだと読んだのだろうから、確定しなくなっても5索子切りは当たり前。  当然脇から出る訳もなくツモるしかないのだからオープンリーチも不思議ではない。  むしろオープンする事で『役満をツモられるくらいならば』と浦部からの差し込み((この対局では『オープンリーチに放銃したら役満払い』という取り決めを採用していない。浦部も振り込む前にそれを確認している))を期待する事もできる非常に合理的な打ち回し」 と読み、実際に浦部からの安目(と言っても満貫ある)差し込みが入るが、アカギは無視。 自分でも安目をツモるがそれも無視、あくまで四暗刻に固執し、結果浦部の当たり牌を引いて満貫放銃という結果に終わる。 この暴挙に浦部は苛立ち、「どんな代打ちが出てくるのかと思えば泥酔者か」と心の中で罵倒する。 訳が分からぬまま局面は進み、大差での南3局。 配牌を取る時に山を割った脇の男が割る位置を間違えてしまい、1個ズレた位置の牌をドラとしてめくってしまう。 しかしアカギは大差を付けられて敗北寸前なのに冷静で、山を割る位置を間違えていると指摘、戻させる。間違えてめくられたドラ表示牌は戻され、その隣が改めてめくられた。 そうして変な雰囲気で始まった南3局はかなりのトイツ場((345等と続き数字の形になるのではなく、333とか777と言った同じ牌が重なる事の方が多い局。オカルトではなく「相手にある牌がたまたま集中したら自分のとこにはそれ以外が集中する」という実際にある普通の現象))で、アカギの手には4索が4枚、6索が3枚来ていた。 ただのノミ手だったものが4索暗槓でめくれた新ドラ表示牌は3索、つまりは一気にドラ4の大物手に変貌し、そのままリーチをするが、その待ちは6667索の形での5-8-7索の多面待ちではなく、7索を切っての北単騎。 確かに出あがりを狙うなら字牌単騎はある手だが、守備に徹した浦部は地獄単騎でも振り込む事は無い。ツモあがりにかけるしかないのだから多面待ちを選択すべきでは? と訝しむ石川は、そこまで考えたところでそれ以前の問題に気づいてしまう。 アカギが待ち牌にした北は既に場に2枚切れており、残る1枚は嶺上牌の中。最初に間違えてめくれたドラ表示牌が「北」だったのだ。 つまりアカギのリーチの後から誰かが2回カンをして嶺上牌を2枚掘り返さない限りそもそも場に出てこない牌なのだ。 アカギらしからぬ凡ミスを…と心の中で嘆く石川だったが、流局が近づくにつれ場の雰囲気は怪しくなってくる。 アカギの手を見ている石川は待ち牌が無いことを心配しているが浦部はその逆で、ひたすら不気味なアカギのリーチに対して必死に安牌を探している。 そんな浦部の手には、アカギの手に4・6索が集中しているのとは対照的に、5・8索が固まってくる。 ついに5・8索が両方とも4枚ずつ来てしまった時、浦部はある作戦を思いつく。 最後の1巡に限り、5索と8索で2回カンを入れてしまえばアカギのラスヅモを消せる上、局開始前に見えてしまった「北」を掘り出す事ができる。 ここに北がある事はアカギも見えていたはずで、カンが無ければそもそも出てこない北を待ち牌にするはずがない。 浦部はそう考えて5・8索を立て続けに暗槓した上で、引いてきた北を打ったのだ。 当然ながらアカギはこれにロン。 併せて3回のカンが入っているドラは大量であり、裏も含めてリーチ・ドラ10の3倍満、24000点の直撃と相成った。 #center(){『浦部は今堅固な金庫のようなもの 生半可なことではその金庫から点棒はむしれない} #center(){とりあえず理ではダメだ 理ではその金庫のカギ穴の入口でひっかかる } #center(){そのカギ穴を満たそうとしたら 別のものの力を借りるしかない} #center(){例えるなら 偶然ってやつの力だ 偶然そうなるってことに無防備…} #center(){奴の金庫のカギ穴は 偶によって満ちる…!』} #center(){&bold(){人は、理は避けられても偶然までは避けられない。}} #center(){&bold(){常人の想像を遥かに超える戦略…別領域からの刃…!}} #center(){&bold(){アカギ、リーチ偶機待ち…!!}} 魔法のような常軌を逸したリーチに放銃し、大幅に点差が詰まってのオーラス。 後ろで心配する藤沢組組長に対し浦部は強がるが、得体が知れなさすぎるアカギに対して明らかに焦っている。 22500点差でアカギがラス親、満貫直撃か跳満ツモでひっくり返る点差。 アカギへの放銃は絶対に許されないが、アカギが跳満をツモってしまっても逆転する以上、最初から野放しベタオリと言う訳にもいかない。 そんな中浦部は先に理想的なタンピンをテンパイするが、アカギが7索を暗槓し、それがまたそっくりドラが乗ってしまうのを見て 「どうしてこうも続く ヤツの強運…!!」と心の中で愚痴りながら回し打ちする。 アカギは何待ちなのかを探っていくが、7索暗槓、234萬チーときてアカギの役はタンヤオと予想され、浦部の手牌にある一九字牌が全て安牌となる。 しかしアカギがさらに7筒をポン。ここにきて「三色同刻」という役の可能性が見え、もしそうであるならば一九字牌であろうとも安牌とは言えない。 一気に困窮する浦部のツモは…7萬。浦部の手牌には既に7萬が1枚あり、2枚目を引いたのだ。 これによりアカギが三色同刻であるならば、浦部がこの7萬を切らない限り役が成立する事は絶対に無い。 三色同刻の可能性を握りつぶした事で浦部は安心して「タンヤオに対しては安全な牌」である北を切るが…アカギがここにきて北までもポン。 完全な役無しになってしまうポンを見て浦部は素っ頓狂な声を上げるが、直後にそのポンによって浦部に海底が回ってきている事に気づく。 タンヤオも三色同刻もただのブラフであり、全てはこの海底牌に対する河底ロンだけを狙っていたのだ。 余りにも常識外れの狙いに浦部は憤慨するが、ともかく海底を回されてしまい、ここを凌がなければ放銃逆転という状況なのは事実。 そして浦部の海底ツモは、アカギに通っていない「西」。 浦部の表情を見て浦部が現物を引けなかった事を察したアカギは、浦部の打牌を待たずに席を立つ。 #center(){&bold(){あの裸単騎には魔法をかけてある 浦部は手中の14牌から必ずこの牌を選び 振り込む…!}} 余りにも荒唐無稽な宣言に、浦部は振り込むものかと必死にアカギに通る牌を探すが、どれもが危険と言えば危険に見える牌。 そんな中「これは絶対に無い」と浦部が選んで打ち出した牌は「2筒」。 後ろで見ていた石川は信じられないと言った表情でアカギの代わりに待ち牌の裸単騎を倒しロンを宣言。 アカギが待ち牌にしたのは2筒。浦部は本当に14牌の中からアカギの待つ牌を選んで打ち放銃してしまったのだ。 親満12000点の直撃で逆転、アカギのトップによりこの勝負は決着した。 勝負が終わり、帰り支度をするアカギのいる控室を川田組長が尋ねる。 どういう戦略であの2pを引き出したのか、説明して貰わなければ眠れなくなると言って解説を求める。 アカギは「5分で済む」&bold(){と言いつつ控室にあった麻雀牌を使って1から詳しく説明してくれた}。 アカギの戦略は治をぶつけた所から始まっていたという。 浦部クラスの打ち手ならば治と相対した時におおよその実力の程はすぐに検討がついていたはずなのに、しばらく治を好きに打たせていた。 自分が卓に座った後に棒テン即リーを繰り返したりノーテン宣言したりと、めちゃくちゃな打ち方をしていた時も、 浦部は慎重に打ち回して放銃を避けアガリを拾っていた。 人は分からないものにぶつかった時、「立ち向かう」か「逃げる」か「その場に立ち止まる」かの3つに分かれる。 傷を負って戦うでもなく、損切りをして下がるでもなく、「その場に立ち止まる」保留の麻雀が浦部の本質であるとアカギは語る。 そうして迎えたオーラス、最初はアカギのハネツモという逆転もあったために渋々自らもあがりに向かっていたが、 それが無いと分かると途端におり始める。ここで決着をつけるのではなく、保留して次局に先延ばしするのだ。 浦部はアカギがカンドラモロ乗りを見せた時点で打2筒で様子見を始め、234萬のチーをしてドラの6萬を切りドラの所在が全て明らかになって跳満ツモが無くなったらもうベタオリ。 アカギがリーチをしておいてノーテン宣言し罰符を払った時に言った「この8000で後の3巡を買う」、 これは浦部が様子見で打2筒としてから完全に降りて中抜き4筒を打つまでの3巡を意味していた。 「ここでまだ浦部に勝負っ気があったなら勝負はどう転ぶか分からなかった。」 そうして浦部は立ち止まり、アカギは実はテンパイも何もしていないのに立ち止まるためだけに早くも安牌を消費し始める。 そのせいでラスヅモの時には手牌は安牌とは言えない牌だらけ。 6索や8索はカンされた7索の近牌。通常なら持っていてもまず使えない牌なのでさっさと切られているはずだが、アカギならこっそり1牌持っているかも知れない。 7萬はもっての他。三色同刻をギリギリまで狙っていたのなら1枚くらい持っていてもおかしくない。 字牌は散々意識させられてきたタンヤオの安牌。狙うにはあまりにも手頃。 浦部は追い詰められたらもう頼るものは自らの中にある「理」しか無いが、「理」によると全てが危険牌に見えてしまう。 唯一安牌に見えたのが…様子見で打2筒した時の残り、もう1枚の2筒だった。 アカギは1・3・4筒と周辺を満遍なく切っており、その全てがツモ切り。つまり2筒は持っていないと読める。 そう考えて浦部は2筒を打ち出したのだが…それはそっくりアカギが罠を張った道だった。 アカギは浦部の様子見の打2筒の時点で浦部がもう1枚2筒を持っている事を見抜いていた。 何故なら浦部は「困った時のとりあえずの様子見」は雀頭落としをする癖があったからだ。 そのためアカギは2筒の近牌をツモ切りし2筒だけ残し、最後の単騎待ちに据えたのだ。 説明を終え、感心しか無い川田組長をよそにアカギはさっさと帰り支度をする。 料亭を出る途中通りかかった部屋の中には、3200万という分不相応な大金まで勝負を釣り上げた結果失敗した報復として両手をズタズタに潰された浦部がいた。 浦部はアカギに「お前をいつか殺してやる」と吠え付くが、アカギは意にも介さず浦部の目の前まで来て &bold(){「半荘1回の勝負をしてやる。お前が勝ったら3200万の負債をすべて引き受ける。俺が勝ったらお前の両手を手首から先貰う」} と持ちかける。浦部は「両手首から先を貰う」と言う言葉に臆したのか、それ以上アカギに吠える事は無かった。 帰路の途中、治がアカギに詰め寄る。あんな無意味な勝負を何故持ちかけたのか。浦部が乗ってきたらどうするのか。 アカギは答える。奴は怒りにも損得勘定を絡めるタイプ。いくら怒っているように見えても勘定が釣り合わないなら引っ込める。 奴は一生「本当の怒り」を持てない人間だ、と。 }   ちなみに原作ではこの後に仲井戦があるのだが、アニメではカットされているので、作中唯一の女性キャラであるタバコ屋のおばあちゃんの出番も無くなってしまった。 #center(){仲井・おばあちゃん} #center(){「解せぬ」} 金に興味が無いのも相変わらずで200万や400万を2、3日で使ってしまうとか。 仲井戦が終わった後、アカギは再び1年間姿を消すことになる。 そしてまさかの丁半博打で再登場。 ここでもその類い稀なギャンブルの才能を発揮し、次々と目を当てていく。 それに腹が立った壺振りは出た目が丁にもかかわらず半とし、他の客にもドスを見せつけ組員が続々と凶器を持ち、目を半だと言わせる。 だが丁だと言い張るアカギは、とうとう組員に右肩を切られてしまう。 それでも頑としてアカギは言う。   #center(){&bold(){捩じ曲げられねえんだっ……!}} #center(){&bold(){死ぬことと……バクチの出た目はよ……!}} ある意味でアカギの本質が見える言葉だろう。 #center(){&bold(){どいつもこいつも……}} #center(){&bold(){地獄に落ちやがれっ……!}} 彼が怒りを顕にしたのは、現在のところ後にも先にもこの時だけである。 アカギを探しにきた安岡によって救出、病院に運ばれる。 病院で数々の若者を闇麻雀で殺した狂人・[[鷲巣>鷲巣巌(アカギ〜闇に降り立った天才〜)]]と、殺された平山幸雄の事を安岡から知らされるが、アカギは平山幸雄の事を覚えておらず、「誰だ…そいつ…」と言っていた。 ただこれは名前を知らなかっただけのようで、写真を見て[[ニセアカギ]]であることを理解し、驚きの表情を浮かべていた。 刑事の安岡、ヤクザの仰木と鷲巣邸に向かう途中、アカギは大量に栄養ドリンクを買い、出されたものは茶であろうと口にしないと相手に対する警戒を見せた。 茶を出されるどころか牌を投げられたけどね! 鷲巣麻雀になってからは鷲巣の豪運もあり、一時は窮地に追いやられもしたが、一進一退の攻防を繰り広げる。 余談だが作中では1年たっているので20歳のはずだが、アカギ曰く19歳らしい。なので秋〜冬生まれという説も。 以前姿を消した時から相変わらずの様だが、鷲巣麻雀で血を抜かれ意識が朦朧とするなか、アカギは今までの鷲巣麻雀によって殺された人達の夢を見る。 死の世界、深海。何もない世界で虚ろにアカギを取り囲む若者の中にはニセアカギもいた。 そしてアカギはこの時初めて思ったのだ。 「まだ、あっちの方が面白そうだ」「生きたい」と。 これもまたアカギの人生における転機なのではないだろうか。 ちなみにこの時に目覚めた際に鷲巣に&font(#ff0000){ビンタされた上に首を絞められ(>□<)となっている。}まさかアカギがこの表情をすることを想像出来た者がいただろうか。 そうして彼は鷲巣麻雀を再開し、始めてから約2時間&font(#ff0000){(現在の時間に換算して約十数年)}に及ぶ死闘の末、鷲巣はもはや自らと切り離すことのできぬ存在となったアカギを殺したくない…いや殺せないという深層心理による葛藤を越えた極限の心理状態となり、もはや動きも封じられた鷲巣の体は限界を迎える。鷲巣は意識を失い部下達が蘇生に入った事でルール違反によりアカギは鷲巣麻雀に勝利した。 だが、鷲巣からの勝利が、純粋な闘牌による結果とならなかった為か未練の表情を浮かべていた。 *【アカギに関する商品について】 ・CD [[マキシマム ザ ホルモン]]のシングル「ざわ…ざわ…ざ…ざわ…ざわ…」の2曲目に収録された「アカギ」という曲。 アニメ『闘牌伝説アカギ〜闇に舞い降りた天才』のEDを飾る、まさにアカギのために作られた曲である。   ・アカギアンソロジーざわ……ざわ…… &font(#ff0000){(公式です)} 色んなアカギが見れます。 鷲巣様もでるよ! 何気に裏設定が語られている。(安岡はバツイチ、その後治は居酒屋を開いてる等) ・&font(#ff0000){&bold(){赤木しげる抱きまくら}} 誰得とか言わない。実際売り切れる程の人気があった様子。ちなみに恥じらった顔ではないので注意が必要。残念。 大きさは原寸大ではなく、一般的な抱きまくらと同じ150㎝程なので悪しからず。(アカギは175㎝程)残念。 とりあえず靴を脱げ。 そして鷲巣様はまだですか。 ・戦国大戦 SS真田幸村カード CV:[[杉田智和]] こちらは戦国大戦 1600~関ヶ原 序の布石、葵打つ~で竹書房の麻雀漫画複数とコラボしたときに追加されたカード。 ゲーム中ポリゴンモデルの再現度が異常に高い。&bold(){槍を持ってポーズを決めるアカギはある意味必見。} 2.5コスト武力8統率5の槍足軽として真田幸村名義で登場。コストに対してスペックがやや物足りないが攻城・魅力・寡烈と豊富な特技を持つ。 計略の「異端の策略」はアニメ版3話のサブタイトル。 虎口攻め(負けているときに1試合に一回だけ出来る行える城門攻撃)での攻撃力が最大値に固定される。 しかもこの計略中は相手の城に与えたダメージ分の何割かを自分の城ゲージに変換してしまうため、 見た目以上の損害を与えることになる。要するに親マンの直撃と思えばいい。 「敢えて負けておいて虎口攻めで逆転して勝つ」という戦略が一番このカードを生かしやすく、アカギ幸村の虎口責めは「あいこが出なきゃ負けのジャンケン」に等しく、 それによって勝敗を決することを相手に押し付けるというアカギらしいデザイン。 士気7も使う割に戦力は並み程度、しかもアカギを採用すると他の強力な真田幸村のカードは使用できなくなる、という制限のために このカード・計略を軸として採用すると普通にリードを保って勝つ、という戦い方はよほどの実力差がないと出来ない。 基本的に安全策は捨てることになる、まさしく狂気の沙汰。 *【名言】 「死ねば助かるのに………」 「倍プッシュだ……!」 「おれには聞こえる…捨て牌三種の声…」 「まだまだ終らせない…!地獄の淵が見えるまで」 「限度いっぱいまでいく…!どちらかが完全に倒れるまで……勝負の後は骨も残さない………!」 「面白い…狂気の沙汰ほど面白い…!」 「……きたぜぬるりと…」 「合理性はあくまであんたの世界でのルール 「大抵の人間にはそれが通用したんだろうが…残念ながら その縄じゃオレは縛れねえよ……」   「不合理こそ博打…それが博打の本質 不合理に身をゆだねてこそギャンブル…」 「なんでもっとスカッと生きねぇのかな…」 「なるほど………凡夫だ…」 「面白い………渡ってみせよう。その綱………」 「奴の金庫のカギ穴は、偶によって満ちる…!」 「みてな……凍りつかせてやる…!」 「あのハダカ単騎には魔法がかけてある……」 「あの男には死ぬまで純粋な怒りなんて持てない…ゆえに本当の勝負も生涯できない。奴は、死ぬまで保留する…」 「どいつもこいつも…地獄へ落ちやがれっ………!」 「………仮に……この国…いや…そんなスケールでなく……ユーラシアからヨーロッパ北米・南米…それこそ…………この世界中の全ての国々を支配するような、 …………そんな怪物……権力者が現れたとしてもねじ曲げられねえんだっ………! 自分が死ぬことと………博打の出た目はよ……!」 「あそこで降りるくらいなら焼け死ぬ……! それで本望…!」 「死ぬ時が来たなら…ただ死ねばいい………」 面白い……! 狂気の追記・修正ほど面白い……! #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,34) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 現在の価値にして数十年で吹いた -- 名無しさん (2014-02-28 13:33:06) - このままいけば20年くらいで鷲巣編終了かね(遠い目) -- 名無しさん (2014-03-26 12:55:33) - 勝負はもう終わったと思った俺が馬鹿だったw -- 名無しさん (2014-03-26 18:23:18) - オーラスには入ったからあと数年で終了かな(虚ろな目) -- 名無しさん (2014-04-13 00:21:58) - まだ続いてるのか!?あの狂気は…! -- 名無しさん (2014-06-25 08:51:56) - まだまだ終わらない・・・!限度いっぱいまでいく・・・! -- 名無しさん (2014-06-25 09:18:32) - 約2時間 (現在の価値に換算して約十数年) に草 -- 名無しさん (2014-06-25 10:32:03) - 全盛期編マダー? -- 名無しさん (2014-11-09 21:39:02) - おい抱き枕買ったの誰だよ!! …オレも欲しかった(本音) -- 名無しさん (2014-12-07 15:22:59) - 頭脳や勘が優れているだけじゃなくて、ギャンブルには付き物の恐怖やプレッシャーを殆ど感じてなさそうなのがチートすぎる -- 名無しさん (2015-05-11 22:49:27) - 因みに公式越境伝では両年齢とも南郷さんに餌付けされている模様 -- 名無しさん (2015-06-19 15:51:28) - 小学生の頃読んだ鷲巣麻雀がまだ続いているとはね… -- 名無しさん (2015-07-23 23:35:46) - 29巻なんて全く麻雀してないからな・・・ -- 名無しさん (2015-07-28 05:24:43) - でもようやく終わりは見えてきたろ、ここからが長そうではあるが -- 名無しさん (2015-10-31 01:46:05) - 32巻爆笑したわ 5分で読めるぞ展開無さすぎて -- 名無しさん (2016-07-31 17:54:00) - 雑誌表紙で鷲巣戦があと3話で終わるって書いてあって、めっちゃ周りがざわざわしてる -- 名無しさん (2017-02-12 00:22:49) - 色々言われてるけど、ラストが天で死ぬときとシンクロしてるのが素晴らしい出来。麻雀よりも人情物を書く方が相変わらずうまい -- 名無しさん (2020-04-28 02:12:57) - 描き文字の「ン」が、本当に「ニ」に見えるんだよなぁ。天の方でも「ザニ」って刃物で斬られて足を滑らせ「ゴニ」って後頭部強打してたのは笑っちまった -- 名無しさん (2021-02-17 19:43:05) - 矢木がやったイカサマは「エレベーター」ではなく「キャタピラ」。南郷の助太刀で来た時に切ったのは中をイカサマで西に代えて切って白ツモで和了のはずよ -- 名無し (2022-05-04 03:10:06) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2011/10/10(月) 05:36:17 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){面白い…} &bold(){狂気の沙汰ほど面白い…!}} 「&ruby(あかぎ){赤木}しげる」とは福本伸行のマンガ『[[天~天和通りの快男児~]]』の登場人物、およびそのスピンオフ『[[アカギ~闇に降り立った天才~]]』の主人公である。 声優は[[カイジ>伊藤開司]]と同じ俳優の萩原聖人。 劇中では13〜53歳まで描かれているが、常に冷静で死にたがりにすら見える死生観や、狂気の沙汰としか思えない打ち筋から根本的なキャラはブレていない様子。 また一貫して白髪であり、先天的なものか後天的なものによるかはまだ描かれていない。 本人曰く「生きている実感が薄い」らしく、常に冷静かつ達観した態度でギャンブルで負けることによる破滅や死のリスクに対する恐怖心も薄い(というか、ない?)。 度胸・洞察力共に一流で、顔色一つ変えず命がけのブラフや相手の心理を計算した罠を仕掛けることから「狂人」「悪魔」と言われたりもする。 しかし実際の所、アカギが求めているのは熱い勝負そのもの。 大金や腕一本、時には命さえかけるのもそのための手段でしかない。 アカギが対戦相手から見て異常に思えるのは、勝負が「手段」ではなく「目的」という価値観を理解しがたいためという面もあるのかもしれない。 また非情というわけではなく、凡人でも覚悟を決めて勝負に臨む者や自分の責任において行動できる者には情けをかけ、助け舟を出してやることもある。 ここでは『アカギ』における赤木しげるを、年齢の若い順に説明していこう。 神域の男は[[こっち>赤木しげる(天〜天和通りの快男児〜)]]。 *【アカギの遍歴】 **《13歳》 とある雨の日の夜。雀荘「みどり」にて。 莫大な借金を背負った男・南郷は貸主のヤクザ・竜崎と借金棒引きを賭けた麻雀対決に臨んでいた。 ここで負けたら借金は竜崎の娼婦を受取人とする生命保険料で精算、つまり奴らに殺されることになる。 そんな最後の勝負でも連敗し、この半荘でラスを食ったら死ぬという瀕死の状態に追い込まれた南郷。 そこに現れたのが、白い髪をした全身ずぶ濡れの少年……当時13歳の「アカギ」こと赤木しげるであった。 南郷は勝負の流れを変えるべく、ヤクザに追い出されようとするアカギを自分の使いだと偽り、中に招き入れた。 一方麻雀の方はオーラスにしてついに逆転のチャンスが訪れた。チャンタ・[[三色同順>三色同刻/三色同順(麻雀)]]・中・ドラ1のハネ満をテンパイしたのである。 しかしそのために切らなければならない5筒がリーチに対して通せそうにない。 ここで負けたら一巻の終わり、ここは中のみになってしまうが現物2筒を切って凌ごうとしていたが、そんな南郷の弱気を見透かしたようにアカギは呟く。 #center(){ &bold(){死ねば助かるのに…} } 要所でのアカギの指摘に「お前は麻雀が分かるのか」とアカギに問うが、彼は麻雀を全く知らない。 ただ、南郷の雰囲気が死んでいたという。 勝とうとしていない。ただ助かろうとしているだけで、負けが込んだ人間が陥る思考の典型的パターンだとアカギは語った。 アカギの言葉で思い直した南郷は5筒を強打し、結果5筒は通ってハネ満を上がりきり逆転。南郷の首は繋がった。 アカギのただならぬ胆力、そして雨だけでなく塩水と砂にまみれたその姿に直面した南郷は、この少年が今まさに死線を越えてきた人物、 そして自分に迫る死線を越えられる男だと確信。彼に自分の代打ちを委ねることにした。 これが後に裏の麻雀界を震撼せしめる伝説の存在・アカギの、初めの麻雀であった。 アカギの有名な台詞「死ねば助かるのに」の流れは以上の通りである。 巷では「もうダメなんだから死んでしまえば楽になる」と言ったような意味合いで用いられている事が多々あるが、[[実際は全く異なり、>実は言ってない台詞(架空人物)]]「死ぬつもりで開き直ってこそ開ける活路がある」というもの。 上記の状況でも、現物切りの安手でテンパイしたとしてもただ「その時助かるだけ」で勝ちに繋がる保証が全くない。 それどころか、結果的に実行しなかったので南郷は知る由もなかったが、現物切りをしていたら他家のダマテンに振り込んでおり逆に負けが確定していた。 振り込んでそこで死ぬ事も覚悟の上で危険牌の5筒を押したからこそ逆転手を上がって「勝ち」を手にする事ができたのである。 #openclose(show=■vs竜崎・矢木){ 対戦前に南郷から基本的な麻雀の役をいくつか教わって卓につくが、この時点ではまだ才覚は見えず、振らずアガらずの3着で東場を終える。 そこに警官および刑事の安岡が雀荘を訪れる。何でも昨晩不良グループ同士が「チキンラン」と呼ばれる車を断崖めがけて走らせる抗争を行い、その片割れが車ごと海に落ちてから脱出し、この近くに逃げ込んだという情報があったので聞き込みに回っているという。 その「片割れ」が今しがた海水まみれでこの雀荘に迷い込んできた少年・アカギなのは誰が見ても明らかである。 この事態にアカギは南郷に口裏を合わせてアリバイと身元を保証することを迫る。その代償として差し出したのは、ただの[[七対子>七対子(麻雀)]]からいつの間にか化けた大三元四暗刻単騎という超大物手だった。 警察が来たことによりその場の全員の注意が逸れているタイミングを見計らってアカギは露骨に河から牌を拾い、手牌をすり替えていたのだ。 そうこうしている内に安岡達が突入してくるが、口裏を合わせる約束をした南郷、そしてアカギを警察に突き出す事に何のメリットもないどころか、下手に言う事が食い違って刑事らに不審に思われてもデメリットしかない竜崎らが口裏を合わせた事でその場は難を逃れる。 そしてこのドサクサに紛れて勝負を続行させたアカギは、皆がまだ混乱している隙を突いてこのイカサマ[[役満>役満(麻雀)]]をアガってしまった。 素人相手ならいざ知らず、ヤクザ相手のこの対局、こんな露骨な手は証拠が無くても暴力でイカサマだと台をひっくり返されるのが関の山だったのが、警察がいるせいでそれができない。「やられた方がアホ」として竜崎も渋々アカギの役満を認めざるを得なかった。 このアカギのイカサマ役満を目の当たりにした安岡は、彼こそがチキンランの生き残りと確信。雀荘に居座ることにした。 その後もアカギの圧勝は止まらない。 ここからは「最初の方に捨てられた牌と後の方まで引っ張ってから捨てた牌の意味の違い」や「リーチ時にちらりと手牌を確認する癖の発見」など、熟練の玄人並みの洞察力を見せ、南郷や安岡も舌を巻く。 最初はメンツを重視して手下からの「代打ちの矢木を呼ぼう」と言う進言を一蹴して殴り飛ばした竜崎だったが、いよいよ南郷の借金チャラが目前に迫ってメンツを捨て、矢木を呼ぶ。 到着した矢木は、入り口に背を向ける=入口側から手牌が見える席に座っていたアカギの手牌が見えてしまったという理由で卓に座るのを一局伸ばすが、その間にアカギの打ち筋を観察。アカギの事は竜崎が助けを呼ぶほどの男だとは分かっていたので舐めていた訳ではないが、アカギが「リーチ後にカンできるというルールを知らない((テンパイ時のアカギは445666という形から4を切ってリーチしたが、この時のアカギの手牌は4切りでもピンフが付く訳ではない形。であるならば5切りで6をツモった時にカンできるようにするのがセオリー))」と言う初心者ゆえの付け入る隙を発見する。 ちなみに有名な「矢木に電流走る――!」はこの時。 矢木はアカギを初心者として舐めてはいないと自分では思っていたが、それでも心のどこかで舐めていたからか、はたまた上述の隙を見つけたからなのか、自分が仕掛けた罠をことごとく一蹴されて次第に認識を改めていく。 卓に座る時に「俺達は負けたら失うものがあるが、お前は何も失わないのは不公平。お前は負けたら指一本落とせ」と脅しをかけるも、「あんたも同じようにするならいいよ」と平然と返してくるアカギには通じない。 リーチをかけておいて、アカギがロン牌を出しても上がらないことでアカギの読みを狂わせる作戦も使うが、これも見抜かれてアカギも上がり牌をツモっても上がらずに流局させ、矢木の見逃しを暴く((矢木は勢いから言って自分が見逃せば間違いなくアカギが上がり流局しないと踏んでいての策だった))。 とうとう矢木はイカサマに走り(と言ってもこの卓で最初にイカサマをしたのはアカギだが)、八索が4枚固まって自分の配牌にきた局をチャンスと見、牌山の上の段に片側から牌を1枚押し込んで反対側から抜くキャタピラという技でドラ表示牌とカンドラ表示牌に七索を仕込み、アカギがリーチをした後にこれをカンし、一気にドラ8の怪物手を作る。さらには手下との連携プレイでアカギのツモ牌に矢木の当たり牌を送り込んで放銃させ、アカギから倍満直取りを実現する。 これを見たアカギは「そういう事するんだ」と矢木を一瞥。 オーラス、アカギは矢木から3900を直取りするか、満貫をツモ上がれば逆転と言う状況。露骨に萬子を立て続けに鳴くアカギの手は萬子の清一色((清一色は鳴いても5飜=満貫))と思われたが、ドラ絡みのタンヤオの可能性もまだ残る状況。 アカギが3副露してテンパイ確実となった後に矢木はドラの四索を掴んでしまたっために一旦手を回す。 その後、アカギは残る4枚の手牌にツモって来た牌を加え、4枚を暗槓し、裸単騎になる。暗槓した牌は四萬。 いよいよ萬子の清一色か、タンヤオであればドラ単騎確実となったその時、アカギは残った待ち牌を手を引っかけて前に倒してしまうという、らしからぬ凡ミスを犯す。 倒れた牌はアカギが咄嗟に指で押さえたが、萬子の萬の字だけは矢木もはっきりと見えた。つまり、少なくともアカギは今この瞬間だけは萬子待ちであり、タンヤオで別の色で待っている事はあり得ない。なのでタンヤオだったなら超危険牌であるドラの四索も、次にアカギのツモ巡が来るまでは確実に通る。 そう考えた矢木は、ドラの四索を打ち出した。 アカギの後ろで見ていた南郷と安岡は何が起こっているのかすぐには理解できなかった。 アカギはたった今四萬をカンしたが、残った裸単騎の牌の正体は四萬。これでは四萬が5枚あることになる。何故!? からくりは簡単だった。アカギは四萬4枚の他にドラの四索を持っており、カンした時は四萬3枚と四索でカンをしたのだ((カンの動作としてはカンする4枚のうち端の2枚を相手側に向けて見せ、そのまま伏せて副露する。つまり4枚中2枚は相手から見えないまま。今ではこの手のイカサマを防止するために異なるカンの動作をルールにしている雀荘が多い))。 そして&bold(){わざと}ミスを装って手牌を倒して見せる事で、矢木に萬子待ちである事を印象付けた上で、矢木の切り番までにカンの中にある四索とすり替えて四索を戻したのだ。 そうして打ち出された矢木の四索にロン。タンヤオ・ドラドラの3900直撃で逆転。 &color(#F54738){&bold(){束の間見えたマンズはカンに溶け天に昇った…アカギ無法のドラ単騎!}} イカサマを使った倍満で一時優位に立つも、それを上回る簡単かつ露骨なイカサマで逆に手玉に取られ、完全に上を行かれて敗北した矢木は放心状態に陥る。 この時点で南郷の借金はチャラになり、南郷はここで勝負を終わって帰ろうとするも、八木が完全に心が折れてカモり放題の状態であると踏んだアカギは、勝ち分を南郷の借金をチャラにするのではなくさらに賭け、「稼業の人間は負けると分かっていても挑まれたら逃げる事ができない」と煽りも入れつつ勝負の倍プッシュを申し入れる。 矢木はアカギの煽り通りに勝負を続行するがこの状態でアカギに勝てるはずもなく連敗。 } こうして矢木を徹底的にカモるアカギだが、負け額が手に負えなくなると察した竜崎が理由を付けて勝負を断ろうとする。 アカギはさらに煽りを入れて勝負を止めさせまいと企むが、勝負を見学していた安岡の「このまま勝っても約束を守る保証がない、やるならきちんとした場で立会人を付けてやれ」((安岡自身は曲がりなりにも刑事なので、目の前の暴力行為を取り締まる事はできるが、賭博の証人になる事はできない))という忠告により、日を改めて再戦するという約束を取り付けてその場は終わる。 竜崎・矢木との対決から2日後。安岡はアカギを場末のバーへ呼び出し、再戦の決定、およびその日時等を告げると「再会を祝して乾杯」とうそぶく。 そんな安岡にアカギは「調子いいことばっかり言ってないでもう一つの条件を言え」と切り出す。 それは&bold(){3人}の取り分の話。アカギは安岡がこの勝負に便乗して「セッティング料」という名の大金をノーリスクでせしめようという腹積もりを見抜いていたのだ。 自分だけ何も背負わず漁夫の利を得ようとする安岡の魂胆が気に入らないアカギは、先の勝ち金300万に新たな借入300万を足した600万に、さらに200万を追加した800万を賭け金とし、 不足の200万を安岡が負担することを要求。安岡をも後に退けない立場へと追い込んだ。 そして南郷はその安岡以上に震え上がっていた。最初の勝ち金300だけ賭ければいいじゃないかと。 だがアカギは「奴らが恐れているのはオレたちの狂気、ブレーキを踏まない心。あの夜もブレーキを踏まないから助かった」と退かず、先のチキンランの話をし始める。 恐らく車も何もかも不良グループ側が用意したものだったのか、車のブレーキに細工をされ、さらにはアカギが左側でお互いにぴったり並走=アカギだけ運転席ドアを開けて飛び降りる事ができない形、つまりは不良側に圧倒的有利な勝負。 そのままでは死は免れない勝負だったが、アカギはわざと「ブレーキを全くかけないで崖から飛び出す」と言う手で生き残る。 アカギは勝負場所となる崖はある程度沖に行くと水深が急激に深くなっており、なまじブレーキを踏むより助かる公算が高い事を知っていたからだ。 一方、不良グループの対戦相手はアカギのそんな常軌を逸した行動に惑わされ、負けを覚悟で落下前に止まる事もできず、それでいて半端にブレーキを踏んだため、がけ下に落下した。 アカギは自分のチキンランと同じようにブレーキの壊れた生き方をしてみろ、あの夜チャンタ三色を突っ張った南郷さんならできる、 あと一晩だけ狂気に魂を預ければ、あと30年働いても手にできない大金が手に入る……そう南郷を説き伏せて、800万、現在の8,000万以上の巨額を賭けた再戦に臨む。 そして再戦の日。 アカギは事前に対戦相手の川田組(竜崎の属している組)から呼び出しを受けており、店内にいる人間全てが川田組の若い者という敵地の真っただ中に一人で訪れる。 #openclose(show=■勝負当日のイザコザ){ 若頭の黒崎に人数の暴力を背景に「寝返れ」と脅されるが、逆に「お前らの組が崩壊する限界の金額の半分を差し出せばそうしてやってもいい」と煽り返す度胸を見せつけた。 当然ながらこんな要求は呑まれる訳もないことはアカギも承知しており、事実上の拒否である。 そして席を立った後、近くの席に座っていた老人を「今度の対戦相手の代打ち」だと一目で見抜き、拳銃でロシアンルーレットを吹っ掛ける。 周囲の組員が慌てふためく中、市川本人は顔色一つ変えず冷静だったが、ともかく自分に対して引き金を引いたという事実を根拠にアカギもロシアンルーレットをやる事を要求。 アカギの名言のようになっている「&bold(){狂気の沙汰ほど面白い}」はこの時市川が初めて言った言葉である。 制止の間も無く勝手に引き金を引いたアカギはまだしも、市川がアカギに対して引き金を引こうとするのは黒崎に止められる(この場で殺人が起こればどちらが逮捕されるにせよ勝負が成り立たなくなる)も、市川は「(弾は)出ねえよ!」と一喝して引き金を引く。 結果としてどちらも弾は出ず生き残った訳だが、狂気の沙汰と言いながらその実、市川は拳銃のシリンダーの回転する音から込めた弾の位置を割り出して弾が出ない事を知っていただけ、アカギもそれを聞いて次に弾が出るのが何発後かを知っていただけ。 これをもってアカギは「市川も自分の能力だけを信じる俺と同じ無頼」と評価する。 なおこのロシアンルーレットに使った拳銃は、川田組の呼び出しに応じる事の対価として川田組からアカギが譲り受けた物。 川田組からは「そんなもの何に使うんだ」と問われたが、アカギはそこでは答えなかった。 アカギが手に入れた拳銃は、その日の夜使われる事になる。 アカギは再び別の者からの呼び出しを受け、埠頭に訪れる。そこには、竜崎・矢木との勝負の日にやっていたチキンランの相手の不良グループのうち、アカギとの勝負をした本人を除いた3人。 不良3人はアカギに不利になるような細工をいくつもしていた事を棚に上げ、勝負を行った不良が生死の境をさまよう重症を負ったとしてアカギに復讐を企て、角材や鉄パイプを持っていた。 そして手に持った武器でアカギを袋叩きにするが、アカギは黙ってされるがままになる。 不良の1人がヒートアップし、他の2人が流石に不味いと止めに入る中「こんなやつ死んでも構わねえ殺しちまえ」とアカギを本当に殺す勢いで更なる暴行を加えようとしたその時… #center(){&bold(){パァニ}((「パァン」の事だが、原作漫画の描き文字では「パァニ」に見える))} アカギが持っていた拳銃の引き金が引かれ、不良の膝を撃ち抜く。 何が起こったか分からない不良を尻目にもう1発、両膝を撃ち抜かれてヒートアップしていた不良は立っていられなくなり尻もちをつく。 #center(){&bold(){「こんなヤロー殺しちまえってことは 自分も殺されてもかまわないってことだ」}} 不良の口に銃口を突っ込んで引き金を引く…が、弾丸は予め両膝を撃ち抜く分しか装填しておらず((原作漫画では残る2人にも1発ずつの計4発発砲しているが、アニメでは一人に2発撃ったのみ))、既に弾切れである事を分かっていて引き金を引いたのだ。 殺される恐怖に限界を超えた不良はその場で失神。完全におびえ切った残りの2人をアカギは一喝し、両膝を撃ち抜いた主犯格を引きずって行かせる。 アカギはこういった輩とのもめ事を手っ取り早く解決するために拳銃を調達したが、流石に自分が無傷ではただの殺人未遂になってしまう。 そのために、正当防衛が成り立つ所まで暴行による怪我を負ってから反撃に出るという計算ずくの袋叩きであった。((袋叩きだろうとなんだろうと拳銃使って膝撃ち抜いたら意味ないような気もするが…)) もっとも本人にとってはつまらないこと以外の何物でもなかったが。 } 一方そのころ、麻雀勝負の場では既に勝負が始まっていた。 アカギが来ないため止むを得ず南郷が卓につくが、市川相手では全く歯が立たない。 あれこれ工夫を凝らしても市川に歯が立つ訳が無いと分かっている南郷・安岡は市川からの直撃など狙わずに両面テンパイしたら即リー・ツモ狙いという戦法で挑むが、雀力で劣るものが自分に勝つにはそうするしかないと分かっていた市川はそれを見越して余り牌を討ち取る戦法で難なく捌いていく。 そして次に振り込んだら負け確定…という瀬戸際になってようやくアカギ到着。 場況を一瞥したアカギは迷わず超危険牌の「白」を摘まんで場に打つ…と見せかけて、捨て牌の別の牌に打ち付けてズラし、既に捨てられている無関係の別の牌をたった今捨てたように見せるというイカサマで凌ぐ。 #openclose(show=■vs市川){ そこからアカギの反撃…と行きたい所であったが流石に市川の壁は高く、脇から点棒を仕入れて安全圏に戻る事こそできたものの、肝心の市川の点棒を削る事ができない。 その夜の取り決めは「市川かアカギのどちらかの点棒が0になるまでエンドレスで続ける」と言うルールであったため、お互いに振り込まず点棒を減らさない場合、いつまでたっても決着がつかないのだ。 アカギは絶一門((萬子・筒子・索子のうち一色を全て捨てて残りの2色だけで手牌を作ること))で振り込みやすい状況を作ろうと市川に暗に誘いかけ、市川もそれに乗るが、奇抜な待ちで市川から直撃を取るがあまり役が絡まず安い手になるアカギに対し、アカギからの直撃に拘らず王道の役をいくつも絡めて高い手をツモ上がる市川では徐々に点棒に差がついていく。 このままでは市川を倒せないと踏んだアカギは市川に「お互いの点棒を1/10」にしようという提案を持ちかけるが、市川は拒否。 それもそのはず、現時点でリードしている上にこのまま続けていてもいずれ勝てるのだ。乗る理由がない。 この要求を通さない事には勝つ目が見えないアカギはイカサマを仕掛ける。場に3枚切れの「西」を拾って待ちにしたのだ。 市川は盲目であり、河に捨てられる牌は各々が発声しなければ何が捨てられたか分からない。つまり河から拾う類のイカサマをどうする事もできない。 アカギが「西」を拾った事に気づかない市川は、自身の記憶では既に3枚切れであり完全安牌の「西」を打ってアカギに放銃し、イカサマをされたことに気づく。 ここに至り、市川は「お互いの点棒を1/10にしよう」という、一度は断ったアカギのルール変更の申し出を呑む。 このままでも勝てない訳ではないが自分の勝ちも遠のく。非常に長い勝負になる事が予想され、盲人であり記憶力を酷使する自分の方が体力勝負で不利になるのが見えている。 であれば点棒を削って早期決着をする他無い。 こうして市川の点棒を0にできる可能性をこじ開けたアカギだったが、「相手が先にイカサマをしてきた」と言う口実を得た市川は、それまでアカギが格下だとして自重していたイカサマを解禁。 内容を全て記憶している自分の山とすり替えて自由自在に自分の望みの牌をツモるイカサマを使い、驚異的な速度でツモ上がりしていく。 分かっていた事とは言え、市川にイカサマする口実を与えてしまい、不利な状況に陥ってしまう。 そして最後の局。 「市川の前に山が残るサイの目だったら市川はまず4巡でツモ上がる。そうしたら俺たちの負けだ」と覚悟して臨んだ局は…市川の前には山が残らなかった。 アカギが箱寸前であり安手でもツモあがれば勝ちな市川に対し、満貫以上の直撃が必要なアカギ。 徹底的にアカギへの放銃を警戒する市川から直撃を取るのは容易ではなく、アカギはそれまでの局で市川が見せた「大明槓の責任払い」で直撃を狙う。 市川もそれは分かっていたが、ドラは市川からは全て見えていたため、アカギの手は見えている限りどんなに高くなっても鳴き三色同順・嶺上開花の2000点止まり、とうてい逆転には届かない。 責任払いによって満貫直撃が実現するには「今から自分が切る「北」をアカギが暗刻で持っていて大明槓できる」「嶺上牌でツモ上がる」「大明槓した「北」にカンドラがそっくり乗る」という3つの狭き門を潜り抜けなければならない。 アカギは萬子と筒子で234と鳴いており待ちは索子の234のいずれかである可能性が高く、嶺上牌は三索であるため、第二の関門「嶺上牌で三色同順をツモ上がる」はクリアされる可能性があるが、他2つの確率は非常に低い。その上市川には後述の『保険』があったため、満貫直撃は無いとして北を切る。 北が捨てられたのに対し、「カン」の宣言がされる。アカギは「北」を持っていた。第一の門クリア。 ここで市川は第一の保険『アカギが大明槓した場合、嶺上牌を「中」にすり替えて嶺上牌でのツモあがりを阻止する』を実行しようとするが、アカギはそれを見抜いており、嶺上牌に伸ばした手で市川の邪魔をする。 止むを得ず第二の保険『カンドラ表示牌を「中」にすり替え、カンドラもろ乗りを阻止する』を実行。アカギは中盤に「白」を捨てており、「満貫が絶対条件で1飜でも欲しいこの状況で、もし役牌が暗刻になっているのならそれをわざわざ捨てるはずがない=アカギは1枚しか持っていない白を捨てた=手牌には1枚も白が無い」と市川は読んでいたのだ。 こちらはアカギには邪魔されなかった。 無事嶺上牌をツモったアカギは、まずは待ち牌の部分の手牌を倒す。第二の門もクリアである。 市川はすり替えてきた「本来のカンドラ表示牌」を見て、アカギの強運に肝をつぶしていた。それは「西」であり、何もしなければ大明槓した「北」がそっくりドラになり、満貫直撃が実現していたのだ。 しかし、アカギの催促によりカンドラとして表示牌の「中」がめくられ「今の流れならてっきり北が新ドラになるかと思った…&bold(){しかし、どの道同じこと}」と言いながら倒された手牌の残りの部分は…「白」であった。 三色同順・嶺上開花・ドラドラで満貫到達。責任払いにより、市川の放銃扱いで逆転、決着。 上記の通り市川はアカギが「白」を捨てている事から「あと2枚白を持っているはずがない」と読んでいたが、アカギは市川がそう読む事も読み切っていた。 1飜でも欲しい状況であえて白の暗刻を崩して1枚捨てるという合理性を無視した打ち方に加え、市川が保険で嶺上牌を、それができなかった場合はカンドラ表示牌をすり替えるであろうことまで読み切って「嶺上牌をすり替えるのは阻止してカンドラ表示牌をすり替えるのは邪魔しない」という、市川の全てを手玉に取っての逆転勝利。 アカギは例によって倍プッシュを申し出るが、川田組は恥を捨ててそれを拒否。 ここまで完全に手玉に取られて敗北した以上、市川とアカギの間では完全に格付けが完了しており、市川を囲っている川田組自ら&bold(){市川は今後一切アカギには及ばない}と断言する。 そして川田組関係者の中で最強の打ち手であった市川がそうなった以上、もう川田組に勝つ目は残っていない。 だが勝った時には勝利の喜びすらなく、アカギは子供が興味を失った玩具を見るような目で報酬の金を見ていた。 } 麻雀覚えたての素人のはずのアカギが裏プロの市川を打ち倒したこの戦いは伝説として語り継がれていく事になるが、アカギは6年間、一時的に姿をくらますことになる。 なお、上記にも書いたがこの時のアカギは&bold(){13歳}である。 &font(#ff0000){&bold(){13歳である。}} 大事なことなので(ry とても1年前にはランドセルを背負っていたとは考えられないほどの肝の据わり様である。 上記のように初登場時から白髪であり、それまでの短い人生を嫌が応にも人に想像することを強いると描写されている。 まあ、矢木戦で山から見えてしまった牌を戻すときに違う牌を戻しているのを言い出せなかったり、 指一本(約100万)賭けろと言われそれなりに動揺するあたり子供らしさは感じるが。 悪いお友達とチキンレース等の命懸けのギャンブルをしてしまうのも恐らくはやんちゃをこじらせたからだろう。 人の口に銃を突っ込んで遊んでたら遅刻することだってあるのだ。 そしてヤクザから銃を貰ってチンピラを&font(#ff0000){パァニ}と潰してたり小さい頃から虫をひり潰して遊ぶあたり厨二病の気がある。 それでいてこれだけのことをしでかしながら満足できないあたりタチが悪い。 **《19歳》 裏プロ市川を倒した伝説の夜からアカギはぷっつりと姿を消してしまう。 そして6年後、安岡がとある青年を連れて川田組に売り込みをかける。これがあの「アカギ」だ、と。 しかしその打ち筋を見た、6年前の伝説の夜にその場にいた当時の平組員――今の若頭・石川は疑問を抱く。 凄いには凄いが、神ががってはいない。我々凡人でも努力すれば追いつける所にいる程度の天才ではないか。 そんなモヤモヤを抱いたまま街を歩いていると、喧嘩でヤンキーグループを&font(#ff0000){フワ……}と倒している青年を目撃する。 一瞬だけ見たその風体は、安岡が連れてきた青年よりは遥かに、当時のアカギを想起させる外見だった。 思わず追いかけるがすぐに見失ったため、組員を使って近辺を張らせ、その青年の正体を突き止める。 素人、筋者関係なく喧嘩をふっかけ、相手が多人数だろうと構わずボコボコに叩きのめす凶悪な「辻斬り」として名を馳せていた人物であった。 &font(#ff0000){沼田玩具という工場で[[ボナンザ>ボナンザ(マサルさん)]]によく似たおもちゃを作っている}ことまで突き止めた石川は、 当時のアカギを自分よりもよく知るであろう南郷に接触、アカギと思われる人物を見極めて欲しいと依頼。 南郷と共にアカギの勤め先に訪れ、それがアカギ本人である事を確認した。 #openclose(show=■ニセアカギとの邂逅){ 本物アカギを連れて川田組を訪れ、当時安岡と組んでいた[[ニセアカギ]]こと平山幸雄と邂逅。 その時点では「リスクを冒さず安定してアベレージで勝つ男」として平山を絶賛していた川田組長は、平山に「アレ」をやってみせてやれと指示。 何をするかと思えば…伏せた状態で混ぜて無作為に抽出した13牌を一瞬だけ見て、それが何シャンテンの状態であるかを言うという芸当。 複数回繰り返すも全て正解しており、その場のアカギ以外の全員が感心する中、最後の1組を開けようとした時に、&bold(){開ける前に}アカギが「3」とつぶやく。 果たして開けられたその13牌は3シャンテンの状態であり、アカギに注目が集まる。 一瞬は場の雰囲気に呑まれた平山だったがすぐに反論。 今のアカギの芸当は13牌を開ける前に言い当てて神がかり的な直感を見せたかのように振る舞っているが、それまでに13牌×9組が開けられており、残るは19牌((麻雀牌は136枚))。 既に開けられた牌を数えていれば残る19牌が何であるかは小学生でも分かる事で、残っている牌の内容はどう組み合わせても2シャンテン以上にはならず、6シャンテンにも絶対にならない。つまり3~5シャンテンのいずれかが確定している上、牌の内容からして6~7割以上の確率で3シャンテンであると予想される内容。 神がかり的でも何でもないと反論する。 当のアカギはそんな平山の反論を「二流だ」と一蹴して立ち去ろうとするが、平山はさらに引き止める。 「本当に直感によるものなら、この10牌に3牌を加えて4シャンテンを作って見ろ、ただし3牌を選ぶのはこの9牌の中からで、伏せた状態で選べ」という無理難題を吹っ掛けた。 ちなみに「この10牌」は四・六・八萬、一・三・五・九・九筒、七・八索。選択肢となる9牌の内容は一・三・九・九萬、七筒、一・一・三・四索。 この条件で4シャンテンを作るには、選ばれる3牌が「一萬・一索・四索」と言う組み合わせでなければならず、その確率は3%以下(約2.38%)。 この細い綱渡りにアカギは乗ってくるが、「腕一本」と言う対価をアカギは要求する。 平山は「バカな、そんな取り返しのつかないものを賭けられる訳が無い」「そうやって煙に巻こうっていう算段だな」と反論するも、面白がった川田組長が平山の腕の代わりに200万という金を出して勝負を成立させてしまう。 この時平山は川田組長の介入に舌打ちをしているが、安岡は恐らくは平山と逆の意味で舌打ちしていた。「あの男は別なんだよ…」と。 そしてアカギは牌の選別に入る。 伏せ牌なので見ていても分かるはずがないのだが、アカギはしばらく牌を見つめ続ける。 「何をやっている、牌が透けてくるとでもいうのか」 &bold(){「そうさ…それくらいの感覚が無ければこの六年間、とても生き残れなかった」} そうして伏せたまま選んだ牌は…指定の3牌「一萬・一索・四索」であった。 驚愕する平山、平然と200万を懐にしまいその場を後にしようとするアカギ。 しかしここでも平山はさらに食い下がる。 シャンテン数当てで既に開けられている牌、この勝負に使わなかった残りの牌に若干触った形跡があると主張。 そっちから正答となる3牌を抜いてすり替えたと言い出した。 果たしてその主張は当たっており、アカギはすり替えた3牌を手の内に握っていたが… 「原始的な細工だが…こういう実戦では結構効果的なんだよな、少なくともおたくのしちめんどくさい確率の計算よりはさ」 とすり替えによる不正を認めるかのような発言をし、握っていた牌を南郷に渡してアカギはそのまま部屋を出た。 そしてアカギから渡された牌を確認した南郷はさらに驚愕する。 アカギが渡していった3牌は「一萬・一索・四索」だった。 アカギはイカサマをするまでもなく指定の3牌を選ぶ事に成功しており、その上で平山をからかうためだけに同じ牌をわざわざ抜いていたのだ。 平山も選択肢にした9牌のうち、選ばれなかった6牌を開けて確認するが、確かに「一萬・一索・四索」が抜かれている。 安岡「関わり合うな…あの男には。そっとしておくんだ」 } こうして200万を手に入れたアカギは、その夜に同じ工場の先輩・川島とその取り巻きに誘われていた麻雀の場に現れる。 (というか寮の自室なので帰ってきただけだが) 南郷がおもちゃ工場に会いに来たとき、アカギが誘いをかけられていたアレである。 アカギが工場に入って最初の給料日であったため、それまでは治を誘って麻雀を打っていたのをアカギを代わりに誘ったのだが、アカギは南郷が訪ねてきた事を口実にして断られたため、代わりに引き続き治を誘っていたのだ。 #openclose(show=■vs玩具工場の先輩3人組){ 一見まっとうな勝負に見せかけて実は3対1のカツアゲであり、通しやぶっこ抜きなどのイカサマを乱用して勝ち役の2人があがり続け、治は給料のほとんどをさらわれてしまっていた。 一応、2人負けの2人勝ちの状態になっているが、これは治一人を負けさせて「組んでいる」と言う印象を与えないための細工で、組んでいる3人は後で儲けを折半する前提で予め負け役を決めていただけのこと。 治は川島らの目論見どおり3対1でカモられているという印象を持たないまま負けていたが、アカギからすれば素人レベルのイカサマ行為であり、治の後ろに腰を下ろしていくらか見ていただけで通しもぶっこ抜きも、2人負けだが3人で組んで負け役を決めているだけだという事もアカギはすぐに見透かしている。 しかし自分が参加者ではない勝負であるため、イカサマに気づいていても口を出さずに静観。 勝負が終わってから治に「悪かったな、代わってやれなくて」と声をかけるが、「打ったのは自分なんだから仕方ない」とアカギを責めない治の態度を見て、アカギは川島らに勝負を吹っ掛ける。 川島らはもう遅いからという理由で一旦断るも、アカギが先ほどの200万という大金を見せたために目の色が変わる。 アカギが提案した勝負は、「終了時の治の手牌(カン五萬待ち)を使い、王牌からあと2回ツモってあがれたらアカギの勝ち」というもの。 アカギは200万を賭け、川島らは3人分の全財産(手持ち+預金通帳)を賭ける。 賭ける金額の大きさに田原(取り巻きの一人)が怖気づくも、川島は治の手牌の待ちである五萬が河に1枚、ドラ表示牌に1枚、川島の手牌に2枚あって王牌には残っていない事を知っていたため、自信満々で勝負を受ける。 いざ預金通帳とハンコを全て揃えて勝負開始。 アカギの王牌からの1回目のツモだが…なんといきなりドラ表示牌をツモってしまう。 流石に「見えてる牌を引いてあがりなんて認められる訳ねえだろ」とクレームが付き、流石のアカギも「冗談ですよ」と素直に牌を戻す。 改めてツモったのは嶺上牌の1枚目、ツモってきた牌は六萬。ここでアカギは四萬を切り、カン五萬待ちを六萬と西のシャボ待ちへと切り替える。 川島から「誰が牌をチェンジしていいって言った!」と再度クレームが入るが、今度はアカギは引き下がらない。 アカギは五萬の残り2枚を川島が握っている事も見抜いており、「ツモっていうのは当然切り返しも含まれている。リスクゼロで大金せしめようなんてずうずうしいですよ」と主張。 川島は西は王牌に残っている事を知っていたが、確率的に1/12であり断然有利である事には変わらないとして渋々受け入れる。 そして次にアカギが手を伸ばしたのは嶺上牌の2枚目…&bold(){ではなく、2枚目のカンドラ表示牌の位置の牌=川島の前にあった山の左端の牌}。 アカギは西をツモあがり、見事に賭けに勝利した。 何故いきなりそんな真ん中の牌をツモったのか?当然、そこに西がある事を知っていたからである。 アカギは川島がぶっこ抜き(手牌からいらない牌を山に戻し、代わりに山から牌を抜いてくるイカサマ)を繰り返していたのを見ていた。 そして川島は山に戻す不要牌を自分の左手側に寄せる癖、中でもより要らない牌を外側=2段に積んだ時に上に来る側に持ってくる癖があった。 そして最後の局、場の字牌の数を見れば川島が山に戻した字牌は東と西である事はほぼ明らかで、ラス親であった川島にとって一番要らないのは西。 そこまで見抜いていたため、王牌のあの位置、川島の山の左端の上の段が西であると見当がついていたのだ。 翌朝、アカギは追いかけてきた治に対して、治が巻き上げられていた給料分の金を「お前の取り分だ」として渡す。 曰く、治が残した手牌と場の状況を利用して勝ったのだから、と。 しかし実際は、負けても他人のせいにしない治の性格をアカギなりに認めて「治に対する助け舟」として川島らに勝負を吹っ掛けたという意味合いもあったはずである。 なお「よく六萬と西をツモれましたね」という治の疑問には「いくらなんでも偶然てこたあねえだろ」と、意図して引いたものだと答える。 西は上記の通りだが、六萬も真っ当に運任せでツモったのではなく、わざと引いてきたものであった。 その出どころは単純。&bold(){河から拾ってきただけ}である。 ただその実行タイミングが上手く、実際に拾ったのは「&bold(){文句を言われてドラ表示牌を戻した時}」。 人は相手が牌をツモろうとする時にはイカサマを警戒して注目するが、牌を戻す時には注意が緩んでしまう。 しかもその時は河から何を拾おうとアガリには結びつかない事が分かっていた(河にある1枚の五萬は王牌とは反対側にあった)ため、尚更注意が緩んでいる。 だから、アカギがその時「河にあった牌」と「次にツモる予定の嶺上牌の1枚目」をすり替えたところで誰も気にしていなかったのだ。 こうして解説を終えた所で川島たち3人が再登場。 昨晩の負けおよび全財産を巻き上げられるという結果に納得がいかない川島らは、暴力で金を巻き上げようと企んだのだ。 しかしそれまで、ただのチンピラから筋モン問わず喧嘩を吹っ掛けまくり、「5人未満なら逃げろ」とまで言われた辻斬りをやっていたアカギに喧嘩で敵うはずもなく瞬殺。 } 麻雀にまつわる実力、川島らを一蹴した腕っぷしにほれ込んだ治は、工場を辞めるアカギについていくと言い出す。 川田組の迎えの車の前で「俺と来るととばっちりで火の粉が来ることもあるんだぜ」と言うが、それでもついてくる治を一緒に乗せて[[ニセアカギ]]こと平山幸雄との対戦のために料亭・広瀬へと向かう。 どうでもいいがアニメで川島と喧嘩するときのアカギは格好いい。 アカギが料亭に到着した時はアカギと相手方の代打ち・浦部の対局がまだ続いていた。 全4回戦の取り決めのうち2回戦まで平山がトップを取っており、続く3回戦目も平山のトップ目でのオーラスという場面で背後にアカギが来たのに気づいた平山は、「待っていろ、小一時間でこのザコを蹴散らす」と自信満々に吹く。 アカギはそれを聞いて控室に下がるが、平山の自信の通りに平山の圧勝だと思っていた川田組関係者および治とは異なり、アカギは「浦部の方が1枚も2枚も格上」と見抜いていた。 初見で見抜いたアカギの予言通り、浦部が負けている事を理由にレートアップを申し出、組長がそれを承諾してしまった事ところからは完全に浦部のペース。 ともすれば強引な屁理屈とも言えるような紛らわしい言い回しで「倍にするだけ」ではなく「際限のない倍々ゲーム」に持ち込み、 徹底的な延長狙いの戦略により掛け金は当初の50万から1600万という未曽有の大金に膨れ上がってしまう。 ここに至り、勝ち切れない平山を見限ってアカギに助け舟を求めるのだが…。 #openclose(show=■vs浦部){ 控室でごろ寝してたアカギは「気分じゃないんで」とだけ言って川田組の助っ人要求を断る。 食い下がる若頭・石川に対してそれならば治を代わりに打たせてやってください、そうでなければ俺は打たないと一蹴。 仕方なく治を連れていく石川だが、最初は治は案外しっかり打てており順調にあがっていくも、 途中で3200万というレートを聞いた途端に委縮しセオリー外れの暴牌を繰り返すようになってしまう。 治が進退窮まった所でアカギが肩を叩き、交代する。 こうして始まったアカギと浦部の対決だが、アカギは最初は見ている者全てが理解不可能なめちゃくちゃな打ち回しをする。 棒テン即リーは当たり前、全ツッパで簡単に振り込む。 途中、この余りに凡庸な打ち回しを疑問に思った浦部が、流局させアカギの手牌を覗いてやろうとわざと自分のツモあがりを放棄するが、 それを察知したのかアカギはリーチをかけているのに流局時にノーテン宣言をし、罰符を払う始末。 見ていた石川は流石に慌てて何の意味もない(ように見える)8000点の支出を咎めるが、 アカギは「後の3巡を買うために必要な布石」とだけ言って罰符を払う。 起死回生の一手・四暗刻単騎のテンパイが入った時も謎の行動を見せる。 確定四暗刻になる4萬切りの5索待ちではなく、5索切りで高目の場合のみ四暗刻になる多面張を選択し、しかもオープンリーチ。 これについて川田組長は 「萬子のホンイツをやっている浦部の待ちが1-4-7萬待ちだと読んだのだろうから、確定しなくなっても5索子切りは当たり前。  当然脇から出る訳もなくツモるしかないのだからオープンリーチも不思議ではない。  むしろオープンする事で『役満をツモられるくらいならば』と浦部からの差し込み((この対局では『オープンリーチに放銃したら役満払い』という取り決めを採用していない。浦部も振り込む前にそれを確認している))を期待する事もできる非常に合理的な打ち回し」 と読み、実際に浦部からの安目(と言っても満貫ある)差し込みが入るが、アカギは無視。 自分でも安目をツモるがそれも無視、あくまで四暗刻に固執し、結果浦部の当たり牌を引いて満貫放銃という結果に終わる。 この暴挙に浦部は苛立ち、「どんな代打ちが出てくるのかと思えば泥酔者か」と心の中で罵倒する。 訳が分からぬまま局面は進み、大差での南3局。 配牌を取る時に山を割った脇の男が割る位置を間違えてしまい、1個ズレた位置の牌をドラとしてめくってしまう。 しかしアカギは大差を付けられて敗北寸前なのに冷静で、山を割る位置を間違えていると指摘、戻させる。間違えてめくられたドラ表示牌は戻され、その隣が改めてめくられた。 そうして変な雰囲気で始まった南3局はかなりのトイツ場((345等と続き数字の形になるのではなく、333とか777と言った同じ牌が重なる事の方が多い局。オカルトではなく「相手にある牌がたまたま集中したら自分のとこにはそれ以外が集中する」という実際にある普通の現象))で、アカギの手には4索が4枚、6索が3枚来ていた。 ただのノミ手だったものが4索暗槓でめくれた新ドラ表示牌は3索、つまりは一気にドラ4の大物手に変貌し、そのままリーチをするが、その待ちは6667索の形での5-8-7索の多面待ちではなく、7索を切っての北単騎。 確かに出あがりを狙うなら字牌単騎はある手だが、守備に徹した浦部は地獄単騎でも振り込む事は無い。ツモあがりにかけるしかないのだから多面待ちを選択すべきでは? と訝しむ石川は、そこまで考えたところでそれ以前の問題に気づいてしまう。 アカギが待ち牌にした北は既に場に2枚切れており、残る1枚は嶺上牌の中。最初に間違えてめくれたドラ表示牌が「北」だったのだ。 つまりアカギのリーチの後から誰かが2回カンをして嶺上牌を2枚掘り返さない限りそもそも場に出てこない牌なのだ。 アカギらしからぬ凡ミスを…と心の中で嘆く石川だったが、流局が近づくにつれ場の雰囲気は怪しくなってくる。 アカギの手を見ている石川は待ち牌が無いことを心配しているが浦部はその逆で、ひたすら不気味なアカギのリーチに対して必死に安牌を探している。 そんな浦部の手には、アカギの手に4・6索が集中しているのとは対照的に、5・8索が固まってくる。 ついに5・8索が両方とも4枚ずつ来てしまった時、浦部はある作戦を思いつく。 最後の1巡に限り、5索と8索で2回カンを入れてしまえばアカギのラスヅモを消せる上、局開始前に見えてしまった「北」を掘り出す事ができる。 ここに北がある事はアカギも見えていたはずで、カンが無ければそもそも出てこない北を待ち牌にするはずがない。 浦部はそう考えて5・8索を立て続けに暗槓した上で、引いてきた北を打ったのだ。 当然ながらアカギはこれにロン。 併せて3回のカンが入っているドラは大量であり、裏も含めてリーチ・ドラ10の3倍満、24000点の直撃と相成った。 #center(){『浦部は今堅固な金庫のようなもの 生半可なことではその金庫から点棒はむしれない} #center(){とりあえず理ではダメだ 理ではその金庫のカギ穴の入口でひっかかる } #center(){そのカギ穴を満たそうとしたら 別のものの力を借りるしかない} #center(){例えるなら 偶然ってやつの力だ 偶然そうなるってことに無防備…} #center(){奴の金庫のカギ穴は 偶によって満ちる…!』} #center(){&bold(){人は、理は避けられても偶然までは避けられない。}} #center(){&bold(){常人の想像を遥かに超える戦略…別領域からの刃…!}} #center(){&bold(){アカギ、リーチ偶機待ち…!!}} 魔法のような常軌を逸したリーチに放銃し、大幅に点差が詰まってのオーラス。 後ろで心配する藤沢組組長に対し浦部は強がるが、得体が知れなさすぎるアカギに対して明らかに焦っている。 22500点差でアカギがラス親、満貫直撃か跳満ツモでひっくり返る点差。 アカギへの放銃は絶対に許されないが、アカギが跳満をツモってしまっても逆転する以上、最初から野放しベタオリと言う訳にもいかない。 そんな中浦部は先に理想的なタンピンをテンパイするが、アカギが7索を暗槓し、それがまたそっくりドラが乗ってしまうのを見て 「どうしてこうも続く ヤツの強運…!!」と心の中で愚痴りながら回し打ちする。 アカギは何待ちなのかを探っていくが、7索暗槓、234萬チーときてアカギの役はタンヤオと予想され、浦部の手牌にある一九字牌が全て安牌となる。 しかしアカギがさらに7筒をポン。ここにきて「三色同刻」という役の可能性が見え、もしそうであるならば一九字牌であろうとも安牌とは言えない。 一気に困窮する浦部のツモは…7萬。浦部の手牌には既に7萬が1枚あり、2枚目を引いたのだ。 これによりアカギが三色同刻であるならば、浦部がこの7萬を切らない限り役が成立する事は絶対に無い。 三色同刻の可能性を握りつぶした事で浦部は安心して「タンヤオに対しては安全な牌」である北を切るが…アカギがここにきて北までもポン。 完全な役無しになってしまうポンを見て浦部は素っ頓狂な声を上げるが、直後にそのポンによって浦部に海底が回ってきている事に気づく。 タンヤオも三色同刻もただのブラフであり、全てはこの海底牌に対する河底ロンだけを狙っていたのだ。 余りにも常識外れの狙いに浦部は憤慨するが、ともかく海底を回されてしまい、ここを凌がなければ放銃逆転という状況なのは事実。 そして浦部の海底ツモは、アカギに通っていない「西」。 浦部の表情を見て浦部が現物を引けなかった事を察したアカギは、浦部の打牌を待たずに席を立つ。 #center(){&bold(){あの裸単騎には魔法をかけてある 浦部は手中の14牌から必ずこの牌を選び 振り込む…!}} 余りにも荒唐無稽な宣言に、浦部は振り込むものかと必死にアカギに通る牌を探すが、どれもが危険と言えば危険に見える牌。 そんな中「これは絶対に無い」と浦部が選んで打ち出した牌は「2筒」。 後ろで見ていた石川は信じられないと言った表情でアカギの代わりに待ち牌の裸単騎を倒しロンを宣言。 アカギが待ち牌にしたのは2筒。浦部は本当に14牌の中からアカギの待つ牌を選んで打ち放銃してしまったのだ。 親満12000点の直撃で逆転、アカギのトップによりこの勝負は決着した。 勝負が終わり、帰り支度をするアカギのいる控室を川田組長が尋ねる。 どういう戦略であの2pを引き出したのか、説明して貰わなければ眠れなくなると言って解説を求める。 アカギは「5分で済む」&bold(){と言いつつ控室にあった麻雀牌を使って1から詳しく説明してくれた}。 アカギの戦略は治をぶつけた所から始まっていたという。 浦部クラスの打ち手ならば治と相対した時におおよその実力の程はすぐに検討がついていたはずなのに、しばらく治を好きに打たせていた。 自分が卓に座った後に棒テン即リーを繰り返したりノーテン宣言したりと、めちゃくちゃな打ち方をしていた時も、 浦部は慎重に打ち回して放銃を避けアガリを拾っていた。 人は分からないものにぶつかった時、「立ち向かう」か「逃げる」か「その場に立ち止まる」かの3つに分かれる。 傷を負って戦うでもなく、損切りをして下がるでもなく、「その場に立ち止まる」保留の麻雀が浦部の本質であるとアカギは語る。 そうして迎えたオーラス、最初はアカギのハネツモという逆転もあったために渋々自らもあがりに向かっていたが、 それが無いと分かると途端におり始める。ここで決着をつけるのではなく、保留して次局に先延ばしするのだ。 浦部はアカギがカンドラモロ乗りを見せた時点で打2筒で様子見を始め、234萬のチーをしてドラの6萬を切りドラの所在が全て明らかになって跳満ツモが無くなったらもうベタオリ。 アカギがリーチをしておいてノーテン宣言し罰符を払った時に言った「この8000で後の3巡を買う」、 これは浦部が様子見で打2筒としてから完全に降りて中抜き4筒を打つまでの3巡を意味していた。 「ここでまだ浦部に勝負っ気があったなら勝負はどう転ぶか分からなかった。」 そうして浦部は立ち止まり、アカギは実はテンパイも何もしていないのに立ち止まるためだけに早くも安牌を消費し始める。 そのせいでラスヅモの時には手牌は安牌とは言えない牌だらけ。 6索や8索はカンされた7索の近牌。通常なら持っていてもまず使えない牌なのでさっさと切られているはずだが、アカギならこっそり1牌持っているかも知れない。 7萬はもってのほか。三色同刻をギリギリまで狙っていたのなら1枚くらい持っていてもおかしくない。 字牌は散々意識させられてきたタンヤオの安牌。狙うにはあまりにも手頃。 浦部は追い詰められたらもう頼るものは自らの中にある「理」しか無いが、「理」によると全てが危険牌に見えてしまう。 唯一安牌に見えたのが…様子見で打2筒した時の残り、もう1枚の2筒だった。 アカギは1・3・4筒と周辺を満遍なく切っており、その全てがツモ切り。つまり2筒は持っていないと読める。 そう考えて浦部は2筒を打ち出したのだが…それはそっくりアカギが罠を張った道だった。 アカギは浦部の様子見の打2筒の時点で浦部がもう1枚2筒を持っている事を見抜いていた。 何故なら浦部は「困った時のとりあえずの様子見」は雀頭落としをする癖があったからだ。 そのためアカギは2筒の近牌をツモ切りし2筒だけ残し、最後の単騎待ちに据えたのだ。 説明を終え、感心しか無い川田組長をよそにアカギはさっさと帰り支度をする。 料亭を出る途中通りかかった部屋の中には、3200万という分不相応な大金まで勝負を釣り上げた結果失敗した報復として両手をズタズタに潰された浦部がいた。 浦部はアカギに「お前をいつか殺してやる」と吠え付くが、アカギは意にも介さず浦部の目の前まで来て &bold(){「半荘1回の勝負をしてやる。お前が勝ったら3200万の負債をすべて引き受ける。俺が勝ったらお前の両手を手首から先貰う」} と持ちかける。浦部は「両手首から先を貰う」と言う言葉に臆したのか、それ以上アカギに吠える事は無かった。 帰路の途中、治がアカギに詰め寄る。あんな無意味な勝負を何故持ちかけたのか。浦部が乗ってきたらどうするのか。 アカギは答える。奴は怒りにも損得勘定を絡めるタイプ。いくら怒っているように見えても勘定が釣り合わないなら引っ込める。 奴は一生「本当の怒り」を持てない人間だ、と。 }   ちなみに原作ではこの後に仲井戦があるのだが、アニメではカットされているので、作中唯一の女性キャラであるタバコ屋のおばあちゃんの出番も無くなってしまった。 #center(){仲井・おばあちゃん} #center(){「解せぬ」} 金に興味が無いのも相変わらずで200万や400万を2、3日で使ってしまうとか。 仲井戦が終わった後、アカギは再び1年間姿を消すことになる。 そしてまさかの丁半博打で再登場。 ここでもその類い稀なギャンブルの才能を発揮し、次々と目を当てていく。 それに腹が立った壺振りは出た目が丁にもかかわらず半とし、他の客にもドスを見せつけ組員が続々と凶器を持ち、目を半だと言わせる。 だが丁だと言い張るアカギは、とうとう組員に右肩を切られてしまう。 それでも頑としてアカギは言う。   #center(){&bold(){捩じ曲げられねえんだっ……!}} #center(){&bold(){死ぬことと……バクチの出た目はよ……!}} ある意味でアカギの本質が見える言葉だろう。 #center(){&bold(){どいつもこいつも……}} #center(){&bold(){地獄に落ちやがれっ……!}} 彼が怒りを顕にしたのは、現在のところ後にも先にもこの時だけである。 アカギを探しにきた安岡によって救出、病院に運ばれる。 病院で数々の若者を闇麻雀で殺した狂人・[[鷲巣>鷲巣巌(アカギ〜闇に降り立った天才〜)]]と、殺された平山幸雄の事を安岡から知らされるが、アカギは平山幸雄の事を覚えておらず、「誰だ…そいつ…」と言っていた。 ただこれは名前を知らなかっただけのようで、写真を見て[[ニセアカギ]]であることを理解し、驚きの表情を浮かべていた。 刑事の安岡、ヤクザの仰木と鷲巣邸に向かう途中、アカギは大量に栄養ドリンクを買い、出されたものは茶であろうと口にしないと相手に対する警戒を見せた。 茶を出されるどころか牌を投げられたけどね! 鷲巣麻雀になってからは鷲巣の豪運もあり、一時は窮地に追いやられもしたが、一進一退の攻防を繰り広げる。 余談だが作中では1年たっているので20歳のはずだが、アカギ曰く19歳らしい。なので秋〜冬生まれという説も。 以前姿を消した時から相変わらずの様だが、鷲巣麻雀で血を抜かれ意識が朦朧とするなか、アカギは今までの鷲巣麻雀によって殺された人達の夢を見る。 死の世界、深海。何もない世界で虚ろにアカギを取り囲む若者の中にはニセアカギもいた。 そしてアカギはこの時初めて思ったのだ。 「まだ、あっちの方が面白そうだ」「生きたい」と。 これもまたアカギの人生における転機なのではないだろうか。 ちなみにこの時に目覚めた際に鷲巣に&font(#ff0000){ビンタされた上に首を絞められ(>□<)となっている。}まさかアカギがこの表情をすることを想像出来た者がいただろうか。 そうして彼は鷲巣麻雀を再開し、始めてから約2時間&font(#ff0000){(現在の時間に換算して約十数年)}に及ぶ死闘の末、鷲巣はもはや自らと切り離すことのできぬ存在となったアカギを殺したくない…いや殺せないという深層心理による葛藤を越えた極限の心理状態となり、もはや動きも封じられた鷲巣の体は限界を迎える。鷲巣は意識を失い部下達が蘇生に入った事でルール違反によりアカギは鷲巣麻雀に勝利した。 だが、鷲巣からの勝利が、純粋な闘牌による結果とならなかった為か未練の表情を浮かべていた。 *【アカギに関する商品について】 ・CD [[マキシマム ザ ホルモン]]のシングル「ざわ…ざわ…ざ…ざわ…ざわ…」の2曲目に収録された「アカギ」という曲。 アニメ『闘牌伝説アカギ〜闇に舞い降りた天才』のEDを飾る、まさにアカギのために作られた曲である。   ・アカギアンソロジーざわ……ざわ…… &font(#ff0000){(公式です)} 色んなアカギが見れます。 鷲巣様もでるよ! 何気に裏設定が語られている。(安岡はバツイチ、その後治は居酒屋を開いてる等) ・&font(#ff0000){&bold(){赤木しげる抱きまくら}} 誰得とか言わない。実際売り切れる程の人気があった様子。ちなみに恥じらった顔ではないので注意が必要。残念。 大きさは原寸大ではなく、一般的な抱きまくらと同じ150㎝程なので悪しからず。(アカギは175㎝程)残念。 とりあえず靴を脱げ。 そして鷲巣様はまだですか。 ・戦国大戦 SS真田幸村カード CV:[[杉田智和]] こちらは戦国大戦 1600~関ヶ原 序の布石、葵打つ~で竹書房の麻雀漫画複数とコラボしたときに追加されたカード。 ゲーム中ポリゴンモデルの再現度が異常に高い。&bold(){槍を持ってポーズを決めるアカギはある意味必見。} 2.5コスト武力8統率5の槍足軽として真田幸村名義で登場。コストに対してスペックがやや物足りないが攻城・魅力・寡烈と豊富な特技を持つ。 計略の「異端の策略」はアニメ版3話のサブタイトル。 虎口攻め(負けているときに1試合に一回だけ出来る行える城門攻撃)での攻撃力が最大値に固定される。 しかもこの計略中は相手の城に与えたダメージ分の何割かを自分の城ゲージに変換してしまうため、 見た目以上の損害を与えることになる。要するに親マンの直撃と思えばいい。 「敢えて負けておいて虎口攻めで逆転して勝つ」という戦略が一番このカードを生かしやすく、アカギ幸村の虎口責めは「あいこが出なきゃ負けのジャンケン」に等しく、 それによって勝敗を決することを相手に押し付けるというアカギらしいデザイン。 士気7も使う割に戦力は並み程度、しかもアカギを採用すると他の強力な真田幸村のカードは使用できなくなる、という制限のために このカード・計略を軸として採用すると普通にリードを保って勝つ、という戦い方はよほどの実力差がないと出来ない。 基本的に安全策は捨てることになる、まさしく狂気の沙汰。 *【名言】 「死ねば助かるのに………」 「倍プッシュだ……!」 「おれには聞こえる…捨て牌三種の声…」 「まだまだ終らせない…!地獄の淵が見えるまで」 「限度いっぱいまでいく…!どちらかが完全に倒れるまで……勝負の後は骨も残さない………!」 「面白い…狂気の沙汰ほど面白い…!」 「……きたぜぬるりと…」 「合理性はあくまであんたの世界でのルール 「大抵の人間にはそれが通用したんだろうが…残念ながら その縄じゃオレは縛れねえよ……」   「不合理こそ博打…それが博打の本質 不合理に身をゆだねてこそギャンブル…」 「なんでもっとスカッと生きねぇのかな…」 「なるほど………凡夫だ…」 「面白い………渡ってみせよう。その綱………」 「奴の金庫のカギ穴は、偶によって満ちる…!」 「みてな……凍りつかせてやる…!」 「あのハダカ単騎には魔法がかけてある……」 「あの男には死ぬまで純粋な怒りなんて持てない…ゆえに本当の勝負も生涯できない。奴は、死ぬまで保留する…」 「どいつもこいつも…地獄へ落ちやがれっ………!」 「………仮に……この国…いや…そんなスケールでなく……ユーラシアからヨーロッパ北米・南米…それこそ…………この世界中の全ての国々を支配するような、 …………そんな怪物……権力者が現れたとしてもねじ曲げられねえんだっ………! 自分が死ぬことと………博打の出た目はよ……!」 「あそこで降りるくらいなら焼け死ぬ……! それで本望…!」 「死ぬ時が来たなら…ただ死ねばいい………」 面白い……! 狂気の追記・修正ほど面白い……! #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,34) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 現在の価値にして数十年で吹いた -- 名無しさん (2014-02-28 13:33:06) - このままいけば20年くらいで鷲巣編終了かね(遠い目) -- 名無しさん (2014-03-26 12:55:33) - 勝負はもう終わったと思った俺が馬鹿だったw -- 名無しさん (2014-03-26 18:23:18) - オーラスには入ったからあと数年で終了かな(虚ろな目) -- 名無しさん (2014-04-13 00:21:58) - まだ続いてるのか!?あの狂気は…! -- 名無しさん (2014-06-25 08:51:56) - まだまだ終わらない・・・!限度いっぱいまでいく・・・! -- 名無しさん (2014-06-25 09:18:32) - 約2時間 (現在の価値に換算して約十数年) に草 -- 名無しさん (2014-06-25 10:32:03) - 全盛期編マダー? -- 名無しさん (2014-11-09 21:39:02) - おい抱き枕買ったの誰だよ!! …オレも欲しかった(本音) -- 名無しさん (2014-12-07 15:22:59) - 頭脳や勘が優れているだけじゃなくて、ギャンブルには付き物の恐怖やプレッシャーを殆ど感じてなさそうなのがチートすぎる -- 名無しさん (2015-05-11 22:49:27) - 因みに公式越境伝では両年齢とも南郷さんに餌付けされている模様 -- 名無しさん (2015-06-19 15:51:28) - 小学生の頃読んだ鷲巣麻雀がまだ続いているとはね… -- 名無しさん (2015-07-23 23:35:46) - 29巻なんて全く麻雀してないからな・・・ -- 名無しさん (2015-07-28 05:24:43) - でもようやく終わりは見えてきたろ、ここからが長そうではあるが -- 名無しさん (2015-10-31 01:46:05) - 32巻爆笑したわ 5分で読めるぞ展開無さすぎて -- 名無しさん (2016-07-31 17:54:00) - 雑誌表紙で鷲巣戦があと3話で終わるって書いてあって、めっちゃ周りがざわざわしてる -- 名無しさん (2017-02-12 00:22:49) - 色々言われてるけど、ラストが天で死ぬときとシンクロしてるのが素晴らしい出来。麻雀よりも人情物を書く方が相変わらずうまい -- 名無しさん (2020-04-28 02:12:57) - 描き文字の「ン」が、本当に「ニ」に見えるんだよなぁ。天の方でも「ザニ」って刃物で斬られて足を滑らせ「ゴニ」って後頭部強打してたのは笑っちまった -- 名無しさん (2021-02-17 19:43:05) - 矢木がやったイカサマは「エレベーター」ではなく「キャタピラ」。南郷の助太刀で来た時に切ったのは中をイカサマで西に代えて切って白ツモで和了のはずよ -- 名無し (2022-05-04 03:10:06) #comment #areaedit(end) }

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