大震後第一春の歌

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&font(#6495ED){登録日}:2012/01/01 Sun 02:15:53 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 2 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 1923年(大正12年)9月1日11時58分32秒関東は未曾有の震災に見舞われた。 推定での被災者は190万人。10万5千人余が死亡あるいは行方不明になったとされる。 当時麹町区富士見町に居を構えていた戦前を代表する女流歌人、与謝野晶子も例外ではない。 彼女は源氏物語研究として現代語訳本の製作作業を行っていたが、震災により原稿を紛失、研究を断念せざるを得ない状況となった。 「大震後第一春の歌」は晶子が被災翌年の元日に発表した詩である。 震災を挑発し、捩じ伏せようとすら感じられる晶子の苛烈な気性と、当時の人の力を信じた強い意志が見て取れる詩であり、今でも多くの人の共感を呼んでいる。   以下、全文 「大震後第一春の歌」  与謝野晶子 おお大地震と猛火、その急激な襲来にも我々は堪えた。 一難また一難、何でも来よ、 それを踏み越えて行く用意がしかと何時でもある。 大自然のあきめくら、見くびってくれるな、 人間には備わっている刹那に永遠を見通す目、 それから、上下左右へ即座に方向転移の出来る飛躍自在の魂。 おおこの魂である、 鋼の質を持った種子、火の中からでも芽をふくものは。 おおこの魂である、 天の日、大洋の浪、それと共に若やかに燃え上がり躍り上がるのは、 我々は「無用」を破壊して進む。 見よ、大自然の暴威も時に我々の助手を勤める。 我々は「必要」を創造して進む。   見よ、溌剌たる素朴と未曾有の喜びの精神と様式とが前に現れる。 誰も昨日に囚われるな、 我々の生活のみずみずしい絵を塗りの剥げた額縁に入れるな。 手は断えず一から図を引け、 トタンと荒木の柱との間に、汗と破格の歌とをもって かんかんと槌の音を響かせよ。 法外な幻想に、愛と、真実と、労働と、科学とを織り交ぜよ。 古臭い優美と泣き虫とを捨てよ。 歴史的哲学と、資本主義と、性別と、階級別とを超えたところに、 我々は皆自己を試そう。 新しく生きる者に日は常に元日、時は常に春。 百のわざわいも何ぞ、千の戦いで勝とう。 おお窓毎に裸の太陽、軒毎に雪の解けるしずく。 『晶子詩篇全集』より #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 誰この精神的イケメン。精神的イケメンでメンタル強いのね。嫌いじゃないわ! -- 名無しさん (2015-01-16 19:55:08) #comment #areaedit(end) }
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