信長の野望 烈風伝

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&font(#6495ED){登録日}:2012/03/06 (火) 16:18:52 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 1999年3月にコーエーが発売した信長の野望シリーズ第八作。 同年8月に発売されたパワーアップキット版の内容と合わせて記述する。 *◆概要 前作「将星録」と同様、日本列島を斜めから見たようなマップ上でターン制(1ヶ月)により時間経過する。 織田信長をはじめとする戦国大名に成り代わり、日ノ本64ヶ国を全て支配下に収めるか、征夷大将軍に就任し残存している大名全てと同盟するかして天下統一を目指す。 将星録で好評だった箱庭内政は将星録のコンシュマー版をベースに改良されて初心者にも分かりやすくなり、逆に不評だった戦闘シーンに関しては野戦・攻城戦に応じて広いフィールド内で行われるようになり、戦術性がアップした将星録の改良化、または簡略化とも言われる内容。 *◆システム **内政 前作では大名の支配拠点は城単位であったが、今作では国の概念が復活し国境と支配の中心となる&bold(){本城}が各国に一つずつ置かれた。 大名として存続するには最低限本城を一つ支配している事が必要。 また前作では城を改修し規模を拡大する事で開発可能な支配範囲を増やしていったが、本作ではすべての本城の支配範囲は&bold(){本城を中心とした5×5のマスに統一}された。 支配範囲が統一されたことで(地形や武将面はともかく)格差がなくなり、弱小大名でも比較的戦力を整えやすくなった。 また前作では一つの施設を開発するのに武将を一人ずつ任命して都度指示を出さなければならなかったが、本作では奉行を任命して&bold(){複数の武将を一度に作業に動員できる}ほか、&bold(){複数の開発を一度に指示できるようになった}(当然指示が多いほど時間はかかるが)ため、ストレスが大幅に軽減された。 動員された武将の数が多いほど作業効率は上がるが、&color(#F54738){政治が極端に低い武将や奉行と相性が悪い武将を動員すると逆に作業の邪魔をして効率が落ちる}場合があり数を揃えばいいと言うわけではない辺りが妙にリアル(奉行から「〇〇を外してくれ」と文句を言われる)。 前作同様の水田(兵糧収入)、町(金銭収入)に加え村(兵力確保)も三段階まで発展させる事ができるが、今作では奉行がそれぞれに対応する内政特技を持っていないと最高レベルまで発展させる事ができなくなり特技の比重が増した。 施設の開発が可能な地形は平地と丘陵に分かれており、平地は全ての施設が建てられる事は前作と同じだが、畑(兵糧を得られるが水田に劣る)しか作れなかった前作と違い、丘陵にも村が作れるようになり平野と山間部の格差が縮まった。 ほか新たな要素として山城(京都)や駿河(静岡)であればお茶、越後(新潟)や丹後(京都北部)であれば絹織物(ちりめん)などの国ごとの&bold(){特産品}が開発できるようになった。 それぞれ一年のうち決まった月に兵糧または金銭の収入があり、凶作の影響を受けにくく、平地丘陵問わず作れるため、飛騨のような山がちな地形で町の代わりに丘陵で木材を開発して金銭収入を得るといった使い方ができる他、単純に見た目も賑やかになるため嬉しい新要素であった。特に&color(#F54738){兵糧系の特産物は畑よりも収入が多い場合があり}、薩摩の内城や相模の小田原城などでは近くに河川が無いため水田が作れないが、特産の大根や蜜柑は畑より収入が多いため、&bold(){&color(#3B4EF0){城下町が大根or蜜柑だらけになるというシュールな光景も現出した}}&s(){神奈川県民はミカンせいじんだった?} **建設 建設も内政同様に複数の武将を一度に動員でき、河川の治水なども範囲を指定して作業させられるようになった。 前述の通り本城の支配範囲が拡がらなくなった代わりに、前作では行軍時の中継地点と言った役割だった&bold(){支城}が、&bold(){本城同様に武将や兵士を駐屯させ周辺を開発する事が可能になった}(ただし支配範囲は支城を中心に3×3マスと狭い)。 支城は一つの国に対して最大四つまで築城する事が可能で、本城に水田が作れない国で河川の近くに築城し兵糧を得る、金山や港などの重要資源を支配下に置く、東北などの&s(){過疎地域}城同士の距離が長い地域で中継拠点とする、敵の前線近くに築城し作業を妨害しに来た敵を野戦で叩くなどの使い方が一般的。逆に既存の支城や不要になった支城は廃城する事もできる。 また前作ではあらかじめ敷かれているだけだった道路や橋も自分で建設できるようになり、行軍速度を早めたり、別経路から攻め込むと言ったことも可能になった。 本作ならではの特徴として支城や道路は平地と丘陵さえあれば&bold(){&color(#F54738){どんな山奥でも離島でも好きな所に開発できる圧倒的自由度}}にある。 PC版では築城後に自分で名前も決められたため、地元のマイナーな城を立てたり、&color(#F54738){本城の支配範囲に碁盤の目状に道路を敷く}、&color(#F54738){築城と廃城を繰り返して関東平野を数十年かけ施設で埋め尽くす}、&color(#F54738){紀伊半島や三陸地方沿岸に道路網を敷く}といった&bold(){&color(#F54738){戦略的に価値の低い開発行為に天下統一そっちのけで熱中、悦に浸るプレイヤーが続出}}し、本作の楽しみ方として大きなウェイトを占める事になった。関連書籍ではシリーズで唯一「城郭ファイル」が発売された事がそれを物語っている。 人気の物件としては&color(#3B4EF0){最高レベルの金山と港を擁し下手な本城以上の金銭収入がある佐渡の河原田城(吉岡城)}、&color(#3B4EF0){レベル2の金山を擁するがそれ以外の開発可能地形が1マスしかなく立地もドン詰まりという潔さ}と&color(#3B4EF0){地震が原因の山崩れで城主一族ごと滅亡という強烈なエピソードを持つ飛騨の帰雲城}などが挙げられる。 近年の作品でも支城の築城や道普請の要素を取り入れている作品は多々あるがあらかじめ決められた地点にしか築城・敷設ができなかったり、既に敷かれている道を発展させていく場合が多く、自由度という点では本作以上の作品は未だ現れていない。 **合戦 戦争面においても一軍団一武将だった前作と異なり、複数の武将を編成して軍団を編成する方式に変わった。 地図上で敵部隊と交戦すると野戦に、敵の城に攻撃をしかけると攻城戦に発展するが、&bold(){野戦はお互いの戦力に応じて小、中、大規模合戦に変化し攻城戦の規模も変化する}システムになっている。 中規模以上の合戦になると新たに&bold(){陣形}の概念が登場し、8種類の陣形のうち一つを選んで陣形を組み、敵の組んだ陣形との集団戦闘に移行する。陣形は武将によって覚えている種類と数が異なり、総大将及び中規模合戦以上の際に任命する軍師の陣形が使え、それぞれ有利不利が存在するため基本的に多くの陣形を覚えている武将を参戦させると有利になる。特に本願寺系の武将は最初から全ての陣形を仕える者が多く今作でもその厄介さが再現されている。大規模野戦となると大将の他に二名の副将と兵糧部隊を任命して最大三つの陣形同士の争いとなり、ここでしか使えない計略も多数登場した。 攻城戦は天翔記以前の部隊を操作して門を破壊し守備部隊と交戦しながら敵大将あるいは本丸を目指す方式に回帰した。本城にはすべて専用の攻城戦用マップが用意されているほか、支城にも小規模ながら平城タイプと山城タイプのそれぞれ複数のマップが用意された。特に山城は既存の城は2種類のマップしか用意されていないが、新たに築城した際にそれらとは違う種類のマップを持つ城が生まれる場合があり&color(#3B4EF0){隠れ支城}と呼ばれ前述の築城熱に拍車をかけた。前作であった水攻めや抜け穴はオミットされたが、城の四方を囲んで物資供給を絶つ兵糧攻めは今作でも健在。 これら合戦面での新たな試みは成功したとは言い難く、中規模以上の合戦は最初に陣形を変更できる回数ギリギリまで有利な陣形に変更しあう&color(#F54738){壮絶な後出しじゃんけん合戦}が展開され、陣形同士の合戦も正面からの殴り合いに終始してしまう事が多く、爽快感に欠くものとなってしまっている。 さらに&color(#F54738){合戦規模は先制攻撃を仕掛けた軍団の規模で決定される}ため、&bold(){&color(#3B4EF0){少数精鋭の軍団ユニットで小規模合戦に持ち込んで蹂躙したほうが効率が良い}}(弱小勢力で巨大勢力に対抗するにはこの戦術が命綱となる)ので、必ずしも大軍を率いる方が有利でもなくなりますます中規模と大規模合戦が空気化しやすい。 攻城戦も本丸や総大将を倒す以外に櫓の占拠や敵部隊を混乱、壊滅させて籠城側の士気をゼロにしても勝てるため前作のように籠城側が理不尽に強いという事はなくなり、逆に籠城戦でも鉄砲適正の高い武将による射撃や隘路に誘い込んでの一斉攻撃の繰り返しで比較的容易に防衛できるため全体的に難易度は低い。もっともそれが&s(){道造りに集中できる}気軽にプレイできるという利点にもなっているのだが…。 **威信 本作で新たに取り入れられた概念として&bold(){威信}が挙げられる。これは大名が他の大名に与えるプレッシャーであり、合戦に勝利したり官位を手に入れる、大勢力と縁戚関係になるなどすると上がっていく。威信が高くなると武将の忠誠度が上がるほか登用や引き抜きに武将が応じやすくなったり、外交や独立勢力(支城しか持たない大名として選べない勢力で大宝寺義氏や一条兼定など最初から配置されている者のほかに、滅亡した大名の遺臣が支城に逃げ込んで新たに誕生する場合もある)取り込みの成功率にも影響を与える。また&color(#F54738){威信が高い勢力から先にターンが回ってくる}ので、他の勢力に先んじて動くことができる。 さらに余りに威信に差があると&color(#F54738){軍団が城に隣接した途端降伏する}、&color(#F54738){大勢力と同じ国にいる小勢力の城主が勝手に寝返る}といった事も起こる。それは自勢力も同じで後半のシナリオで巨大化した織田家や豊臣家に城を一つ落とされた途端、配下がドミノ倒しのように寝返っていく現象が起こり物量の差以上に大勢力の恐ろしさを思い知らされる事になる。威信による影響の受けやすさは武将の性格により異なるが、あまり影響を受けないとされる義理堅い武将も高すぎる威信には抗えないようである。 また上述の通り朝廷は官位や勅許の授与で威信を上げてくれるが、逆に&color(#F54738){朝敵指定や討伐令で威信をガタ落ちさせてくる}事があり、自勢力も油断すると指定されるため今まで以上に存在感を発揮している。 この威信システムは概ね好評で、名声などと名前や細部の仕様を変えつつ、後の作品でも引き続き採用された。 *◆武将 武将の数は前作から150名増えて850人。増加分は織田信秀や六角定頼といった後述する信長元服シナリオに登場する武将や鬼小島弥太郎、佐伯惟教と言った天翔記以前の作品からの再登板組が中心だが、シリーズ初登場の武将も複数いる(「命は軽く名は重い」の名言で知られる尼子家臣・多胡辰敬や本願寺12代法主の准如など逆に前作からリストラされた武将もいる)。 初登場組の中でも特筆すべきは肥後の国人&bold(){隈部親永}で、史実での事跡とは無関係にまるでムンクの叫びのような特徴的な顔をしており&bold(){&color(#F54738){顔芸武将の元祖}}として名高い。 能力面では覇王伝以来となる&bold(){軍事系のパラメータが「戦闘」と「采配」に分割された}事が特徴として挙げられる。「戦闘」は武将の武勇を表し主に部隊の攻撃力、「采配」は武将の指揮能力を表し主に部隊の防御力(正確には近接攻撃を受けた際の反撃能力)に影響を与えており、[[織田信長>織田信長(戦国武将)]]や[[豊臣秀吉>豊臣秀吉(戦国武将)]]などの有力大名は采配は高いが戦闘は低めに設定されている場合が多く、剣豪や豪傑型の武将は逆に戦闘は高いが采配は低いなど武将の個性付けに一役買っている。 一方で同じ有力大名でも[[武田信玄>武田信玄(戦国武将)]]や[[上杉謙信>上杉謙信(戦国武将)]]は&bold(){&color(#F54738){例外的に戦闘も采配も高く設定されており}}、トップクラスの騎馬適正に加えそれぞれ内部で強さに補正がかかっており&bold(){&color(#F54738){騎馬隊を率いた際は単騎で無双できる化け物地味た強さを誇る}}。 ただし信長についても鉄砲隊を率いた時の適正が6段階評価中最高の「&color(#F54738){&bold(){S}}」である事に加え、通常は鉄砲攻撃が二連射となる特技「三段」がその名と通り&color(#F54738){&bold(){三連射}}になるという特殊能力が与えられており、並の武将の率いる部隊であれば1ターンで全滅させてしまい、籠城戦では城門に取り付いた敵に銃弾の雨霰を浴びせ、&color(#F54738){&bold(){数倍の敵軍を無傷で撃退する事すら可能}}。同様の特殊能力を持つ武将は他に[[明智光秀>明智光秀(戦国武将)]]、[[島津義弘>島津義弘(戦国武将)]]、鈴木重秀(雑賀孫市に比定される人物の一人)の3名がいるが、&color(#3B4EF0){初期状態ではその中でも最強の鉄砲使いであり}((光秀、義弘は鉄砲適正が「B」と信長に劣り、重秀は信長と同じ鉄砲適正「S」で戦闘は大きく上回るも初期状態では「三段」を習得していない。なお、重秀はレア特技「騎鉄(騎馬鉄砲隊を編成加納)」を所持している上、&color(#F54738){騎馬突撃の前に鉄砲を射撃する}という特殊能力持ち(他に[[伊達政宗>伊達政宗(戦国武将)]]も所持)で、「三段」を習得した場合、謙信並みの化け物と化す。))、主人公の面目躍如といった所である。 また、3DS版以降はオリジナルでは登場していなかった島津忠良((島津四兄弟の祖父。ゲーム内では日新斎表記))や水野勝成((徳川家康の従兄弟。猛将でありながら名君でもあったためかゲーム内では政治のステータスが最も高く内政系の特技を全て所持している))、徳川家光といった武将が追加されたり、姫扱いではない女性武将(厳密に言えば立花ギン千代・井伊直虎・成田甲斐の三名)が追加された。 *◆BGM 前作に引き続き山下康介氏が担当。内政画面のBGMが地方によって異なるがどれもそれぞれの地方やそこに割拠した大名のイメージがよく表現され、どれも&color(#F54738){&bold(){名曲揃い}}で歴代でも屈指の人気を誇る。特に信長の勇躍と天下に風雲をもたらしていく様が想起される&color(#3B4EF0){東海地方のBGM「あさき夢の通い路」}と四万十川の流れを思わせる笛の独奏から始まる寂しげながらも落ち着いた雰囲気の&color(#3B4EF0){四国地方のBGM「清流の路」}は根強い人気を誇り、後年の作品『信長の野望 創造 with パワーアップキット』では過去の名曲の一つとして差し替え用BGMに採用され、前者は民放のバラエティ番組などでもよく流用されていた。合戦時のBGMも規模や野戦、攻城戦の等でそれぞれ異なるものが流れるが緊迫感溢れる曲が多く、著名な歴史イベントでも流され臨場感を駆り立てる。 *◆パワーアップキット版 前述の通り覇王伝以来おなじみとなった追加ROM、パワーアップキット(以下PK)が本作でも発売、恒例のエディタ機能、追加シナリオ&武将といった要素に加え、新たな切り口からゲームを楽しむための要素が多く追加された。後発のPSやDS等のコンシュマー移植やスマホアプリ版等では無印版でPKの要素を一部搭載している。 ***新シナリオの追加 &color(#F54738){無印版から6本のシナリオが追加}され、隠しシナリオだったシナリオ0「信長元服」が最初から遊べるようになった。特に手取川合戦の時期のシナリオが追加されたのは本作が初。 ***武将の追加 無印から50名の武将が新たに追加され、総勢850名となった。 人材が不足しがちな地方大名への救済措置といった側面が強く織豊政権や江戸幕府ゆかりの武将は一人もいない。結城四天王・水谷正村、伊勢北畠家の忠臣・鳥屋尾満栄といった過去作レギュラーの復活組もいれば大浦三家老・兼平綱則、『一休さん』で御馴染み新右衛門さん((実は本人も一休さん共々、後述するCSPKのおまけシナリオ「諸王の争い」に古武将として登場する))の子孫である幕臣・蜷川親長など本作PKを初出演としてレギュラーに定着した武将も多い。前述の帰雲城主で&color(#F54738){&bold(){大地震で御家滅亡}}というある意味&color(#3B4EF0){戦国一の悲運な武将}・&color(#3B4EF0){&bold(){内ヶ島氏理}}も、本作における居城の人気を背景に(?)追加され、以後レギュラー化した。 全体的に中堅かそれ以下の武将が多いが、頭数がモノを言う本作ではたとえ凡将でもいるだけでありがたいし、丹波国人の雄・荒木氏綱((戦闘70、采配80に加え足軽、騎兵の適正が「B」と強力な武闘派。今作では純粋な軍事能力だけで言えば丹波の赤鬼青鬼こと赤井直正、籾井教業よりも強い))、種子島氏16代当主・種子島久時((能力値こそ二線級の文官だが、本人含めて7人しかいない鉄砲適正「S」。鉄砲攻撃の威力もさることながら強力な攻(守)城兵器でありながら鉄砲適正「A」以上の武将でなければまともに扱えない大砲を安定的に運用できるのが大きな強み))といった一線級の武将も中には存在する。 ***新武将・新家宝の作成 新武将を50人作成し、ゲームに登場させられるようになった。過去作の『覇王伝』、『天翔記』でも新武将作成の要素はあったが、プレイ中に作成する方式でそのセーブデータにしか反映できず、人数にも限りがあったが、本作ではじめて同社のもう一つの看板タイトル『三國志』シリーズに遜色ない内容となった。またシリーズではじめてオリジナルの家宝も50個まで作成可能となり、持ち主を設定できるほか、既存の家宝ではありえない&color(#F54738){&bold(){持つだけで戦闘が99上がる妖刀}}など&color(#F54738){&bold(){ゲームバランス崩壊待ったなしのブッ壊れ性能の家宝も作る事ができる}}のが後発の作品には無い独自の特徴である。 ***ショートプレイモード 「特定の大名家を1年以内に滅ぼす」、「一定以上の官位を手に入れる」、「優れた人材を2名以上新たに雇う」といった目標をプレイ開始時に設定し、制限時間までに達成するモード。なおプレイ中、エディタは使用禁止となるが新武将、新家宝は登場させることが可能。&color(#F54738){これまでもユーザー間で行われていた目標達成型のプレイスタイルをゲームシステムとして取り入れた内容で、歴史シミュレーションゲームの宿痾とも言うべき中だるみを解消する試みとして本作の追加要素でも特に評判が良い}。後年の作品でも当モードの発展形といえるシステムが多々見られる。目標達成時には家臣たちが大名を祝ってくれるミニエンディングが流れ、そのまま次の目標を選ぶ事も、そこでゲームを終わる事も、通常の天下統一を目指すモードに切り替える事も可能。 ***新大名プレイモード 通常のシナリオではありえない状況や武将でプレイする事ができるモード。 ****仮想スタート シナリオ開始時の状況をプレイヤーが操作して勢力や武将配置を移動したり、新たな勢力を作る事ができるモード。「上洛寸前の武田信玄」、「信長存命時から有力武将が独立して家臣が分裂」、「尼子勝久を推戴した山中鹿之助が月山富田城で決起」といった仮想の状況をお好みで作れる(ただし既存の勢力を減らす事はできない)。また作成した新武将を好きな城に配置したり、新武将が大名の新勢力を作る事も可能。 ****謀叛スタート・後継スタート プレイするシナリオで既に元服している武将か新武将を任意の城で謀叛を起こさせる、或いは任意の大名の家督を継承するかして大名としてプレイを開始できるモード。謀叛スタートの場合は同じ城にいる武将及び新武将を謀叛に同調するかしないかの選択をする事が可能。また大名の居城で謀叛した場合、謀叛された大名や参加しなかった武将は別の城へ逃げるか、他に城がなければ浪人になる。&color(#F54738){なお謀叛を起こす城や家督を継ぐ大名は自由に選べるため}、「&bold(){&color(#F54738){津軽為信が薩摩の内城で謀叛}}」、「&color(#F54738){&bold(){毛利輝元が北条氏康から家督を継承}}」といった史実とは縁もゆかりもない組み合わせも可能。 *◆シナリオ 史実10本、仮想1本 ・信長元服 1546年春 信長が元服した13歳の頃から開始。 武将の数は少ないが皆若い。無印版では隠しシナリオだった。 ・信長家督継承(PKのみ) 1551年春 織田信長の父親織田信秀が逝った時期。 シナリオ選択時には織田家の大名は信秀が表示されるが、イベントですぐ逝くので特に意味はない。 ・桶狭間合戦 1560年春 ほとんどの人が知るであろう桶狭間の戦いの時期。 開始早々に今川義元が退場する…が今川家がプレイヤー担当時は発生しないので、今川家が織田家を攻め滅ぼして上洛すると言うIF展開も可能。 ・信長包囲網 1570年秋 浅井長政の裏切り、足利義昭の陰謀で織田信長に包囲網が敷かれる。武田信玄に要注意。 ・手取川合戦(PKのみ) 1577年秋 織田信長と上杉謙信が戦った手取川の戦いの時期。 謙信は寿命が近いが御館の乱イベントは本作では発生しない(景虎、景勝の後継者に選ばれなかった方が独立する可能性はあるが)。武田家は当主が勝頼に交替、長篠合戦の後なので名臣が多く落命し昔日の勢いは無いが、高坂昌信はまだ存命、真田昌幸も独立前で北条との同盟が生きており、次シナリオよりはまだマシな状況。また、松永久秀が大名として独立しているのは本作ではこのシナリオだけ。織田家に囲まれているが、畿内の台風の目になれるか。 ・本能寺の変 1582年冬 織田信長が畿内を制覇しており、もはや近隣諸国の崩壊は時間の問題だが……。 鈴木佐大夫でプレイすれば際限なく攻め込んでくる織田軍を鉄砲で蜂の巣にするという快感が味わえ、ドMにもドSにもおススメ。 ・賤ヶ岳合戦(PKのみ) 1583年春 豊臣秀吉と柴田勝家が戦った時期。 かつての織田信長の領地を7:3ほどの割合で秀吉と勝家が所有している。 勝家は領地、武将の質的にも数的にも不利で寿命も近いが、お市の方と三姉妹を擁している。 ・小牧長久手(PC版はPKのみ、CS版は無印にも標準装備) 1584年春 豊臣秀吉と徳川家康が戦った小牧長久手合戦の時期。 勢力図的には徳川家康〉北条氏政。勝家亡き後、戦国のアルピニスト・佐々成政が富山で秀吉に抵抗を続ける。 織田家は愚息・信雄が当主となり、支配国は尾張・伊勢の二ヶ国にまで減少、能力70超えの武将が一人もいないなど往時の姿は見る影も無いほど弱体化しており、状況も危機的だが信長の遺志を継ぎ巻き返す事も不可能ではない。織徳同盟の活用と、近在の強力な浪人が上手く流れて来るかがカギ。 ・九州征伐(PC版はPKのみ、CS版は無印にも標準装備) 1586年冬 南九州を制覇した島津と衰える大友。 九州を平定するため豊臣秀吉が征伐軍を動かす時期。 四国、中国、畿内は完全に秀吉の領域、ほか龍造寺家の当主が鍋島直茂に交替している。 ・小田原征伐(PKのみ) 1589年11月 いよいよ天下統一が目前に迫る。 西日本と甲信越、東海は豊臣家の領域で天下統一に最も近いシナリオ。 東北、関東の残存勢力は圧倒的豊臣家に対し、いかにして立ち回るか迫られる。 ・諸王の戦い(CSPKのみ) 1570年秋、仮想シナリオ 16世紀後半、戦乱の只中にある日本に古の時代より蘇りし英雄達が降り立った。 三國志の英雄、モンゴル帝国の猛者、かつて自らの幕府を開いた武士、 それから&bold(){後に吸血鬼扱いされた君主、チョッピリおつむ弱いオルレアンの乙女、イギリスの民主主義の発展に貢献した欠地王とか}、 歴史に名を残した綺羅星のごとき英雄達は、今ひとたび勇名を轟かせんと乱世の覇者に名乗りを挙げた。 諸大名と古の英雄達、天下を制するのは果たして誰か? 戦国の世はかつてない緊張に包まれていた…… ・群雄集結(3DS版以降のみ) 1569年秋、仮想シナリオ 近年の信長の野望シリーズではお馴染みの全武将が一同に集うお祭りシナリオ。 旧作である烈風伝も度重なるリメイクによりこのシナリオが新規に実装されている。 加藤清正が肥後で独立している。集結系シナリオで加藤清正を大名として使えるのはこのゲームか最新作である新生みなので熊本県民はプレイしてはいかがかな?ただし、島津や大友といった質も量も一流の大名に囲まれており、難易度も相応に高い。 追記修正は小田原征伐の北条家で、豊臣秀吉を死亡させた人にお願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 小規模合戦に持ち込んで……というのは、やはり奇襲を再現してるのかな? -- 名無しさん (2020-03-15 09:57:11) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/03/06 (火) 16:18:52 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 1999年3月にコーエーが発売した信長の野望シリーズ第八作。 同年8月に発売されたパワーアップキット版の内容と合わせて記述する。 *◆概要 前作「将星録」と同様、日本列島を斜めから見たようなマップ上でターン制(1ヶ月)により時間経過する。 織田信長をはじめとする戦国大名に成り代わり、日ノ本64ヶ国を全て支配下に収めるか、征夷大将軍に就任し残存している大名全てと同盟するかして天下統一を目指す。 将星録で好評だった箱庭内政は将星録のコンシュマー版をベースに改良されて初心者にも分かりやすくなり、逆に不評だった戦闘シーンに関しては野戦・攻城戦に応じて広いフィールド内で行われるようになり、戦術性がアップした将星録の改良化、または簡略化とも言われる内容。 *◆システム **内政 前作では大名の支配拠点は城単位であったが、今作では国の概念が復活し国境と支配の中心となる&bold(){本城}が各国に一つずつ置かれた。 大名として存続するには最低限本城を一つ支配している事が必要。 また前作では城を改修し規模を拡大する事で開発可能な支配範囲を増やしていったが、本作ではすべての本城の支配範囲は&bold(){本城を中心とした5×5のマスに統一}された。 支配範囲が統一されたことで(地形や武将面はともかく)格差がなくなり、弱小大名でも比較的戦力を整えやすくなった。 また前作では一つの施設を開発するのに武将を一人ずつ任命して都度指示を出さなければならなかったが、本作では奉行を任命して&bold(){複数の武将を一度に作業に動員できる}ほか、&bold(){複数の開発を一度に指示できるようになった}(当然指示が多いほど時間はかかるが)ため、ストレスが大幅に軽減された。 動員された武将の数が多いほど作業効率は上がるが、&color(#F54738){政治が極端に低い武将や奉行と相性が悪い武将を動員すると逆に作業の邪魔をして効率が落ちる}場合があり数を揃えばいいと言うわけではない辺りが妙にリアル(奉行から「〇〇を外してくれ」と文句を言われる)。 前作同様の水田(兵糧収入)、町(金銭収入)に加え村(兵力確保)も三段階まで発展させる事ができるが、今作では奉行がそれぞれに対応する内政特技を持っていないと最高レベルまで発展させる事ができなくなり特技の比重が増した。 施設の開発が可能な地形は平地と丘陵に分かれており、平地は全ての施設が建てられる事は前作と同じだが、畑(兵糧を得られるが水田に劣る)しか作れなかった前作と違い、丘陵にも村が作れるようになり平野と山間部の格差が縮まった。 ほか新たな要素として山城(京都)や駿河(静岡)であればお茶、越後(新潟)や丹後(京都北部)であれば絹織物(ちりめん)などの国ごとの&bold(){特産品}が開発できるようになった。 それぞれ一年のうち決まった月に兵糧または金銭の収入があり、凶作の影響を受けにくく、平地丘陵問わず作れるため、飛騨のような山がちな地形で町の代わりに丘陵で木材を開発して金銭収入を得るといった使い方ができる他、単純に見た目も賑やかになるため嬉しい新要素であった。特に&color(#F54738){兵糧系の特産物は畑よりも収入が多い場合があり}、薩摩の内城や相模の小田原城などでは近くに河川が無いため水田が作れないが、特産の大根や蜜柑は畑より収入が多いため、&bold(){&color(#3B4EF0){城下町が大根or蜜柑だらけになるというシュールな光景も現出した}}&s(){神奈川県民はミカンせいじんだった?} **建設 建設も内政同様に複数の武将を一度に動員でき、河川の治水なども範囲を指定して作業させられるようになった。 前述の通り本城の支配範囲が拡がらなくなった代わりに、前作では行軍時の中継地点と言った役割だった&bold(){支城}が、&bold(){本城同様に武将や兵士を駐屯させ周辺を開発する事が可能になった}(ただし支配範囲は支城を中心に3×3マスと狭い)。 支城は一つの国に対して最大四つまで築城する事が可能で、本城に水田が作れない国で河川の近くに築城し兵糧を得る、金山や港などの重要資源を支配下に置く、東北などの&s(){過疎地域}城同士の距離が長い地域で中継拠点とする、敵の前線近くに築城し作業を妨害しに来た敵を野戦で叩くなどの使い方が一般的。逆に既存の支城や不要になった支城は廃城する事もできる。 また前作ではあらかじめ敷かれているだけだった道路や橋も自分で建設できるようになり、行軍速度を早めたり、別経路から攻め込むと言ったことも可能になった。 本作ならではの特徴として支城や道路は平地と丘陵さえあれば&bold(){&color(#F54738){どんな山奥でも離島でも好きな所に開発できる圧倒的自由度}}にある。 PC版では築城後に自分で名前も決められたため、地元のマイナーな城を立てたり、&color(#F54738){本城の支配範囲に碁盤の目状に道路を敷く}、&color(#F54738){築城と廃城を繰り返して関東平野を数十年かけ施設で埋め尽くす}、&color(#F54738){紀伊半島や三陸地方沿岸に道路網を敷く}といった&bold(){&color(#F54738){戦略的に価値の低い開発行為に天下統一そっちのけで熱中、悦に浸るプレイヤーが続出}}し、本作の楽しみ方として大きなウェイトを占める事になった。関連書籍ではシリーズで唯一「城郭ファイル」が発売された事がそれを物語っている。 人気の物件としては&color(#3B4EF0){最高レベルの金山と港を擁し下手な本城以上の金銭収入がある佐渡の河原田城(吉岡城)}、&color(#3B4EF0){レベル2の金山を擁するがそれ以外の開発可能地形が1マスしかなく立地もドン詰まりという潔さ}と&color(#3B4EF0){地震が原因の山崩れで城主一族ごと滅亡という強烈なエピソードを持つ飛騨の帰雲城}などが挙げられる。 近年の作品でも支城の築城や道普請の要素を取り入れている作品は多々あるがあらかじめ決められた地点にしか築城・敷設ができなかったり、既に敷かれている道を発展させていく場合が多く、自由度という点では本作以上の作品は未だ現れていない。 **合戦 戦争面においても一軍団一武将だった前作と異なり、複数の武将を編成して軍団を編成する方式に変わった。 地図上で敵部隊と交戦すると野戦に、敵の城に攻撃をしかけると攻城戦に発展するが、&bold(){野戦はお互いの戦力に応じて小、中、大規模合戦に変化し攻城戦の規模も変化する}システムになっている。 中規模以上の合戦になると新たに&bold(){陣形}の概念が登場し、8種類の陣形のうち一つを選んで陣形を組み、敵の組んだ陣形との集団戦闘に移行する。陣形は武将によって覚えている種類と数が異なり、総大将及び中規模合戦以上の際に任命する軍師の陣形が使え、それぞれ有利不利が存在するため基本的に多くの陣形を覚えている武将を参戦させると有利になる。特に本願寺系の武将は最初から全ての陣形を仕える者が多く今作でもその厄介さが再現されている。大規模野戦となると大将の他に二名の副将と兵糧部隊を任命して最大三つの陣形同士の争いとなり、ここでしか使えない計略も多数登場した。 攻城戦は天翔記以前の部隊を操作して門を破壊し守備部隊と交戦しながら敵大将あるいは本丸を目指す方式に回帰した。本城にはすべて専用の攻城戦用マップが用意されているほか、支城にも小規模ながら平城タイプと山城タイプのそれぞれ複数のマップが用意された。特に山城は既存の城は2種類のマップしか用意されていないが、新たに築城した際にそれらとは違う種類のマップを持つ城が生まれる場合があり&color(#3B4EF0){隠れ支城}と呼ばれ前述の築城熱に拍車をかけた。前作であった水攻めや抜け穴はオミットされたが、城の四方を囲んで物資供給を絶つ兵糧攻めは今作でも健在。 これら合戦面での新たな試みは成功したとは言い難く、中規模以上の合戦は最初に陣形を変更できる回数ギリギリまで有利な陣形に変更しあう&color(#F54738){壮絶な後出しじゃんけん合戦}が展開され、陣形同士の合戦も正面からの殴り合いに終始してしまう事が多く、爽快感に欠くものとなってしまっている。 さらに&color(#F54738){合戦規模は先制攻撃を仕掛けた軍団の規模で決定される}ため、&bold(){&color(#3B4EF0){少数精鋭の軍団ユニットで小規模合戦に持ち込んで蹂躙したほうが効率が良い}}(弱小勢力で巨大勢力に対抗するにはこの戦術が命綱となる)ので、必ずしも大軍を率いる方が有利でもなくなりますます中規模と大規模合戦が空気化しやすい。 攻城戦も本丸や総大将を倒す以外に櫓の占拠や敵部隊を混乱、壊滅させて籠城側の士気をゼロにしても勝てるため前作のように籠城側が理不尽に強いという事はなくなり、逆に籠城戦でも鉄砲適正の高い武将による射撃や隘路に誘い込んでの一斉攻撃の繰り返しで比較的容易に防衛できるため全体的に難易度は低い。もっともそれが&s(){道造りに集中できる}気軽にプレイできるという利点にもなっているのだが…。 **威信 本作で新たに取り入れられた概念として&bold(){威信}が挙げられる。これは大名が他の大名に与えるプレッシャーであり、合戦に勝利したり官位を手に入れる、大勢力と縁戚関係になるなどすると上がっていく。威信が高くなると武将の忠誠度が上がるほか登用や引き抜きに武将が応じやすくなったり、外交や独立勢力(支城しか持たない大名として選べない勢力で大宝寺義氏や一条兼定など最初から配置されている者のほかに、滅亡した大名の遺臣が支城に逃げ込んで新たに誕生する場合もある)取り込みの成功率にも影響を与える。また&color(#F54738){威信が高い勢力から先にターンが回ってくる}ので、他の勢力に先んじて動くことができる。 さらに余りに威信に差があると&color(#F54738){軍団が城に隣接した途端降伏する}、&color(#F54738){大勢力と同じ国にいる小勢力の城主が勝手に寝返る}といった事も起こる。それは自勢力も同じで後半のシナリオで巨大化した織田家や豊臣家に城を一つ落とされた途端、配下がドミノ倒しのように寝返っていく現象が起こり物量の差以上に大勢力の恐ろしさを思い知らされる事になる。威信による影響の受けやすさは武将の性格により異なるが、あまり影響を受けないとされる義理堅い武将も高すぎる威信には抗えないようである。 また上述の通り朝廷は官位や勅許の授与で威信を上げてくれるが、逆に&color(#F54738){朝敵指定や討伐令で威信をガタ落ちさせてくる}事があり、自勢力も油断すると指定されるため今まで以上に存在感を発揮している。 この威信システムは概ね好評で、名声などと名前や細部の仕様を変えつつ、後の作品でも引き続き採用された。 *◆武将 武将の数は前作から150名増えて850人。増加分は織田信秀や六角定頼といった後述する信長元服シナリオに登場する武将や鬼小島弥太郎、佐伯惟教と言った天翔記以前の作品からの再登板組が中心だが、シリーズ初登場の武将も複数いる(「命は軽く名は重い」の名言で知られる尼子家臣・多胡辰敬や本願寺12代法主の准如など逆に前作からリストラされた武将もいる)。 初登場組の中でも特筆すべきは肥後の国人&bold(){隈部親永}で、史実での事跡とは無関係にまるでムンクの叫びのような特徴的な顔をしており&bold(){&color(#F54738){顔芸武将の元祖}}として名高い。 能力面では覇王伝以来となる&bold(){軍事系のパラメータが「戦闘」と「采配」に分割された}事が特徴として挙げられる。「戦闘」は武将の武勇を表し主に部隊の攻撃力、「采配」は武将の指揮能力を表し主に部隊の防御力(正確には近接攻撃を受けた際の反撃能力)に影響を与えており、[[織田信長>織田信長(戦国武将)]]や[[豊臣秀吉>豊臣秀吉(戦国武将)]]などの有力大名は采配は高いが戦闘は低めに設定されている場合が多く、剣豪や豪傑型の武将は逆に戦闘は高いが采配は低いなど武将の個性付けに一役買っている。 一方で同じ有力大名でも[[武田信玄>武田信玄(戦国武将)]]や[[上杉謙信>上杉謙信(戦国武将)]]は&bold(){&color(#F54738){例外的に戦闘も采配も高く設定されており}}、トップクラスの騎馬適正に加えそれぞれ内部で強さに補正がかかっており&bold(){&color(#F54738){騎馬隊を率いた際は単騎で無双できる化け物地味た強さを誇る}}。 ただし信長についても鉄砲隊を率いた時の適正が6段階評価中最高の「&color(#F54738){&bold(){S}}」である事に加え、通常は鉄砲攻撃が二連射となる特技「三段」がその名と通り&color(#F54738){&bold(){三連射}}になるという特殊能力が与えられており、並の武将の率いる部隊であれば1ターンで全滅させてしまい、籠城戦では城門に取り付いた敵に銃弾の雨霰を浴びせ、&color(#F54738){&bold(){数倍の敵軍を無傷で撃退する事すら可能}}。同様の特殊能力を持つ武将は他に[[明智光秀>明智光秀(戦国武将)]]、[[島津義弘>島津義弘(戦国武将)]]、鈴木重秀(雑賀孫市に比定される人物の一人)の3名がいるが、&color(#3B4EF0){初期状態ではその中でも最強の鉄砲使いであり}((光秀、義弘は鉄砲適正が「B」と信長に劣り、重秀は信長と同じ鉄砲適正「S」で戦闘は大きく上回るも初期状態では「三段」を習得していない。なお、重秀はレア特技「騎鉄(騎馬鉄砲隊を編成加納)」を所持している上、&color(#F54738){騎馬突撃の前に鉄砲を射撃する}という特殊能力持ち(他に[[伊達政宗>伊達政宗(戦国武将)]]も所持)で、「三段」を習得した場合、謙信並みの化け物と化す。))、主人公の面目躍如といった所である。 また、3DS版以降はオリジナルでは登場していなかった島津忠良((島津四兄弟の祖父。ゲーム内では日新斎表記))や水野勝成((徳川家康の従兄弟。猛将でありながら名君でもあったためかゲーム内では政治のステータスが最も高く内政系の特技を全て所持している))、徳川家光といった武将が追加されたり、姫扱いではない女性武将(厳密に言えば立花ギン千代・井伊直虎・成田甲斐の三名)が追加された。 *◆BGM 前作に引き続き山下康介氏が担当。内政画面のBGMが地方によって異なるがどれもそれぞれの地方やそこに割拠した大名のイメージがよく表現され、どれも&color(#F54738){&bold(){名曲揃い}}で歴代でも屈指の人気を誇る。特に信長の勇躍と天下に風雲をもたらしていく様が想起される&color(#3B4EF0){東海地方のBGM「あさき夢の通い路」}と四万十川の流れを思わせる笛の独奏から始まる寂しげながらも落ち着いた雰囲気の&color(#3B4EF0){四国地方のBGM「清流の路」}は根強い人気を誇り、後年の作品『信長の野望 創造 with パワーアップキット』では過去の名曲の一つとして差し替え用BGMに採用され、前者は民放のバラエティ番組などでもよく流用されていた。合戦時のBGMも規模や野戦、攻城戦の等でそれぞれ異なるものが流れるが緊迫感溢れる曲が多く、著名な歴史イベントでも流され臨場感を駆り立てる。 *◆パワーアップキット版 前述の通り覇王伝以来おなじみとなった追加ROM、パワーアップキット(以下PK)が本作でも発売、恒例のエディタ機能、追加シナリオ&武将といった要素に加え、新たな切り口からゲームを楽しむための要素が多く追加された。後発のPSやDS等のコンシュマー移植やスマホアプリ版等では無印版でPKの要素を一部搭載している。 ***新シナリオの追加 &color(#F54738){無印版から6本のシナリオが追加}され、隠しシナリオだったシナリオ0「信長元服」が最初から遊べるようになった。特に手取川合戦の時期のシナリオが追加されたのは本作が初。 ***武将の追加 無印から50名の武将が新たに追加され、総勢900名となった。 人材が不足しがちな地方大名への救済措置といった側面が強く織豊政権や江戸幕府ゆかりの武将は一人もいない。結城四天王・水谷正村、伊勢北畠家の忠臣・鳥屋尾満栄といった過去作レギュラーの復活組もいれば大浦三家老・兼平綱則、『一休さん』で御馴染み新右衛門さん((実は本人も一休さん共々、後述するCSPKのおまけシナリオ「諸王の争い」に古武将として登場する))の子孫である幕臣・蜷川親長など本作PKを初出演としてレギュラーに定着した武将も多い。前述の帰雲城主で&color(#F54738){&bold(){大地震で御家滅亡}}というある意味&color(#3B4EF0){戦国一の悲運な武将}・&color(#3B4EF0){&bold(){内ヶ島氏理}}も、本作における居城の人気を背景に(?)追加され、以後レギュラー化した。 全体的に中堅かそれ以下の武将が多いが、頭数がモノを言う本作ではたとえ凡将でもいるだけでありがたいし、丹波国人の雄・荒木氏綱((戦闘70、采配80に加え足軽、騎兵の適正が「B」と強力な武闘派。今作では純粋な軍事能力だけで言えば丹波の赤鬼青鬼こと赤井直正、籾井教業よりも強い))、種子島氏16代当主・種子島久時((能力値こそ二線級の文官だが、本人含めて7人しかいない鉄砲適正「S」。鉄砲攻撃の威力もさることながら強力な攻(守)城兵器でありながら鉄砲適正「A」以上の武将でなければまともに扱えない大砲を安定的に運用できるのが大きな強み))といった一線級の武将も中には存在する。 ***新武将・新家宝の作成 新武将を50人作成し、ゲームに登場させられるようになった。過去作の『覇王伝』、『天翔記』でも新武将作成の要素はあったが、プレイ中に作成する方式でそのセーブデータにしか反映できず、人数にも限りがあったが、本作ではじめて同社のもう一つの看板タイトル『三國志』シリーズに遜色ない内容となった。またシリーズではじめてオリジナルの家宝も50個まで作成可能となり、持ち主を設定できるほか、既存の家宝ではありえない&color(#F54738){&bold(){持つだけで戦闘が99上がる妖刀}}など&color(#F54738){&bold(){ゲームバランス崩壊待ったなしのブッ壊れ性能の家宝も作る事ができる}}のが後発の作品には無い独自の特徴である。 ***ショートプレイモード 「特定の大名家を1年以内に滅ぼす」、「一定以上の官位を手に入れる」、「優れた人材を2名以上新たに雇う」といった目標をプレイ開始時に設定し、制限時間までに達成するモード。なおプレイ中、エディタは使用禁止となるが新武将、新家宝は登場させることが可能。&color(#F54738){これまでもユーザー間で行われていた目標達成型のプレイスタイルをゲームシステムとして取り入れた内容で、歴史シミュレーションゲームの宿痾とも言うべき中だるみを解消する試みとして本作の追加要素でも特に評判が良い}。後年の作品でも当モードの発展形といえるシステムが多々見られる。目標達成時には家臣たちが大名を祝ってくれるミニエンディングが流れ、そのまま次の目標を選ぶ事も、そこでゲームを終わる事も、通常の天下統一を目指すモードに切り替える事も可能。 ***新大名プレイモード 通常のシナリオではありえない状況や武将でプレイする事ができるモード。 ****仮想スタート シナリオ開始時の状況をプレイヤーが操作して勢力や武将配置を移動したり、新たな勢力を作る事ができるモード。「上洛寸前の武田信玄」、「信長存命時から有力武将が独立して家臣が分裂」、「尼子勝久を推戴した山中鹿之助が月山富田城で決起」といった仮想の状況をお好みで作れる(ただし既存の勢力を減らす事はできない)。また作成した新武将を好きな城に配置したり、新武将が大名の新勢力を作る事も可能。 ****謀叛スタート・後継スタート プレイするシナリオで既に元服している武将か新武将を任意の城で謀叛を起こさせる、或いは任意の大名の家督を継承するかして大名としてプレイを開始できるモード。謀叛スタートの場合は同じ城にいる武将及び新武将を謀叛に同調するかしないかの選択をする事が可能。また大名の居城で謀叛した場合、謀叛された大名や参加しなかった武将は別の城へ逃げるか、他に城がなければ浪人になる。&color(#F54738){なお謀叛を起こす城や家督を継ぐ大名は自由に選べるため}、「&bold(){&color(#F54738){津軽為信が薩摩の内城で謀叛}}」、「&color(#F54738){&bold(){毛利輝元が北条氏康から家督を継承}}」といった史実とは縁もゆかりもない組み合わせも可能。 *◆シナリオ 史実10本、仮想1本 ・信長元服 1546年春 信長が元服した13歳の頃から開始。 武将の数は少ないが皆若い。無印版では隠しシナリオだった。 ・信長家督継承(PKのみ) 1551年春 織田信長の父親織田信秀が逝った時期。 シナリオ選択時には織田家の大名は信秀が表示されるが、イベントですぐ逝くので特に意味はない。 ・桶狭間合戦 1560年春 ほとんどの人が知るであろう桶狭間の戦いの時期。 開始早々に今川義元が退場する…が今川家がプレイヤー担当時は発生しないので、今川家が織田家を攻め滅ぼして上洛すると言うIF展開も可能。 ・信長包囲網 1570年秋 浅井長政の裏切り、足利義昭の陰謀で織田信長に包囲網が敷かれる。武田信玄に要注意。 ・手取川合戦(PKのみ) 1577年秋 織田信長と上杉謙信が戦った手取川の戦いの時期。 謙信は寿命が近いが御館の乱イベントは本作では発生しない(景虎、景勝の後継者に選ばれなかった方が独立する可能性はあるが)。武田家は当主が勝頼に交替、長篠合戦の後なので名臣が多く落命し昔日の勢いは無いが、高坂昌信はまだ存命、真田昌幸も独立前で北条との同盟が生きており、次シナリオよりはまだマシな状況。また、松永久秀が大名として独立しているのは本作ではこのシナリオだけ。織田家に囲まれているが、畿内の台風の目になれるか。 ・本能寺の変 1582年冬 織田信長が畿内を制覇しており、もはや近隣諸国の崩壊は時間の問題だが……。 鈴木佐大夫でプレイすれば際限なく攻め込んでくる織田軍を鉄砲で蜂の巣にするという快感が味わえ、ドMにもドSにもおススメ。 ・賤ヶ岳合戦(PKのみ) 1583年春 豊臣秀吉と柴田勝家が戦った時期。 かつての織田信長の領地を7:3ほどの割合で秀吉と勝家が所有している。 勝家は領地、武将の質的にも数的にも不利で寿命も近いが、お市の方と三姉妹を擁している。 ・小牧長久手(PC版はPKのみ、CS版は無印にも標準装備) 1584年春 豊臣秀吉と徳川家康が戦った小牧長久手合戦の時期。 勢力図的には徳川家康〉北条氏政。勝家亡き後、戦国のアルピニスト・佐々成政が富山で秀吉に抵抗を続ける。 織田家は愚息・信雄が当主となり、支配国は尾張・伊勢の二ヶ国にまで減少、能力70超えの武将が一人もいないなど往時の姿は見る影も無いほど弱体化しており、状況も危機的だが信長の遺志を継ぎ巻き返す事も不可能ではない。織徳同盟の活用と、近在の強力な浪人が上手く流れて来るかがカギ。 ・九州征伐(PC版はPKのみ、CS版は無印にも標準装備) 1586年冬 南九州を制覇した島津と衰える大友。 九州を平定するため豊臣秀吉が征伐軍を動かす時期。 四国、中国、畿内は完全に秀吉の領域、ほか龍造寺家の当主が鍋島直茂に交替している。 ・小田原征伐(PKのみ) 1589年11月 いよいよ天下統一が目前に迫る。 西日本と甲信越、東海は豊臣家の領域で天下統一に最も近いシナリオ。 東北、関東の残存勢力は圧倒的豊臣家に対し、いかにして立ち回るか迫られる。 ・諸王の戦い(CSPKのみ) 1570年秋、仮想シナリオ 16世紀後半、戦乱の只中にある日本に古の時代より蘇りし英雄達が降り立った。 三國志の英雄、モンゴル帝国の猛者、かつて自らの幕府を開いた武士、 それから&bold(){後に吸血鬼扱いされた君主、チョッピリおつむ弱いオルレアンの乙女、イギリスの民主主義の発展に貢献した欠地王とか}、 歴史に名を残した綺羅星のごとき英雄達は、今ひとたび勇名を轟かせんと乱世の覇者に名乗りを挙げた。 諸大名と古の英雄達、天下を制するのは果たして誰か? 戦国の世はかつてない緊張に包まれていた…… ・群雄集結(3DS版以降のみ) 1569年秋、仮想シナリオ 近年の信長の野望シリーズではお馴染みの全武将が一同に集うお祭りシナリオ。 旧作である烈風伝も度重なるリメイクによりこのシナリオが新規に実装されている。 加藤清正が肥後で独立している。集結系シナリオで加藤清正を大名として使えるのはこのゲームか最新作である新生みなので熊本県民はプレイしてはいかがかな?ただし、島津や大友といった質も量も一流の大名に囲まれており、難易度も相応に高い。 追記修正は小田原征伐の北条家で、豊臣秀吉を死亡させた人にお願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 小規模合戦に持ち込んで……というのは、やはり奇襲を再現してるのかな? -- 名無しさん (2020-03-15 09:57:11) #comment #areaedit(end) }

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