役割語

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&font(#6495ED){登録日}:2010/08/05(木) 04:45:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 役割語とは、発話者の人物像(階層・時代・職業・性格・年齢・風貌・容姿など)を強調したり識別しやすくしたりするための作劇上の手法。 「キャラクター言語」とも呼ばれる。 *【概要】 例えば「儂は知っとるんじゃ」や「私は存じておりますわ」のような言葉遣いを見聞きするだけで、 前者は「老人」、後者は「貴婦人」のイメージを自然に思い浮かべることができる。 これが「役割語」と呼ばれるものである。 主に[[漫画]]や[[ライトノベル]]などにおいて、社会的に浸透している固定観念に依存した仮想的な表現をする際に使用されることが多いが、 一般向け小説や映画字幕などヲタと無関係な世界でも見受けられる。 ただし差別的なステレオタイプに鈍感であるため、時として表現者の意図した(あるいは意図しない)偏見を与えてしまう場合もある。 安易な使用は控えた方がいいだろう。 *【用例】 特徴づける要素は多種多様であるが、主に[[語尾]]や[[一人称>一人称(日本語)]]や方言などで役目を果たしている。 **〔[[語尾]]〕 女性であることを示す「よ、わよ」や老人などを意味する「じゃ」など。 いわゆる[[敬語キャラ>敬語キャラ(属性)]]や[[中華キャラ]]、[[のじゃロリ]]なども該当するだろう。 種類や使い分け方は単独項目に詳しいので、そちらを参照。 >&bold(){「説明書を読んだのよ!」} >#right(){&u(){映画『[[コマンドー>コマンドー(映画)]]』より}} >&bold(){「それでもいいわ 近頃少し 地球の男に 飽きたところよ」} >#right(){&u(){ピンク・レディー「UFO」より}} >&bold(){「いやならやめてもいいんじゃぞ」} >#right(){&u(){RPG『[[FINAL FANTASY ⅩⅠ]]』より}} のように[[オタク]]と関係のない一般メディアの、近年でもない作品にも見受けられるし、例に挙げていない[[ゲーム]]などの媒体にも使われている。 作品によっては、あえてジェンダー観をずらした言葉が使用されることがある。 たとえば『[[千と千尋の神隠し]]』で、リンは「メシだよ」「~かよ」などの男性語を使っている。 これは男勝りの性格を際立たせるために、あえて女性語を用いていないのである。 語尾の示す役割は、年齢性別だけに限らない[[にょ>でじこ]]。 [[犬]]系などの動物キャラが使う事もあるワン。[[「バウ」な例もあるバウ>テツワン探偵ロボタック]] 人間がその動物の要素を示したくて使う例もある[[にゃ>前川みく]] つまりキャラ立てにおいて語尾は偉大ということ[[ザウルス!>ティラノ剣山]] **〔[[一人称>一人称(日本語)]]〕 「余」とか「我」とか「拙者」とか。 いわゆる[[ボクっ娘]]や[[オレっ娘]]なども該当するだろう。 こちらも種類や使い分け方は単独項目に詳しいので、そちらを参照。 キャラクターの性質と分類について記述すれば、例えば「拙者」などは武士・[[忍者]]系キャラが用いる。 このため作品の描かれている時代そのものが古かったり、文明レベルが近代的ではないという事もある。 >&color(red){「拙者はただの流浪人でござる」} >#right(){&u(){漫画『[[るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-]]』より}} 武士という身分階級が実在した時代、実際に生きていた最後の部類の主人公。 このような武士・忍者キャラは「ござる」語尾の語尾キャラにも分類されるだろう。 >&bold(){[[「これで拙者は今日からブロッケンJrだ!」>ザ・ニンジャ]]} >#right(){&u(){漫画『[[キン肉マン>キン肉マン(漫画)]]』より}} 忍法顔写しを使った時の台詞。「Jrでござる」と言っていないように、彼は語尾的にはござるキャラではない。 作品の舞台も現代なので、特殊な環境から蘇った超人でなければ普通に現代文明の言葉で生きている面もあるのだろう。 ただし近年の出演では「安心申した」とか「よく覚えておる」などの言葉を使っている。 「〜し申した」や「〜しておる」といった用法は古い日本語のものであり、特定の語尾ではないが現代の一般的日本語でもない。 これもまた前述した語尾ではない言葉遣いによるキャラ立てであり、役割語的な運用と言える。 **〔特殊な用法〕 語の用法などが特殊なことをキャラクターの識別性に使うケースもある。 『[[とあるシリーズ>とある魔術の禁書目録]]』には[[「○○力」を多用するキャラがいる>食蜂操祈]]。 『[[極上生徒会]]』の「角元れいん」は「ホの字でライクでラブ」のように同じ意味の語を連ねる。(一部での通称:三連語) 『[[ONE PIECE]]』では[[グララララ!>エドワード・ニューゲート]]や[[ゼハハハハ!>マーシャル・D・ティーチ]]など、固有の(そして一般的ではない)笑い方をするキャラが複数見受けられる。 *【現実との差異】 「よ、わよ」を中年くらいの一般人女性が用いるのはTV等で見受けられる事はあるし、実在の方言話者であれば広島弁などで「じゃ」と言う人もいる。 しかし現代には芸能人のように「キャラ立て」を意識する職業ではなく、一人称が自然と「拙者」である人物などは少ないと思われる。 方言における一人称の「[[わい>Wii プロゴルファー猿]]」などと違い、周辺環境からの影響度が低いからだ。 いくら近年は低下傾向があると言っても、方言話者の集団は拙者を常用する集団よりは当然はるかに多い。 このため、一人称が拙者のキャラクターの出現率は戦国や幕末漫画など特定の時代を除くと大きく減ると思われる。 ザ・ニンジャのように「作品の中でこのキャラだけ、この集団だけ」にすることでアクセントにする用途が一般的だからである。 逆に方言に関しては、現代文明での特定地方をモデルにした漫画などで[[モブ>モブキャラ]]やメイン含め方言話者の方が多数という例も見受けられる。 代表的なのは『ナニワ金融道』や『カバチタレ』系列の漫画などだろうか。 『カバチタレ』や『[[極悪がんぼ]]』では、殆どの人間が[[広島>広島県]]近辺の方言で話し、標準語話者は元[[東京>東京都]]のキャリア警察官僚だったなど明確に出身が違う描写がある。 金水敏さんに、敬意をこめて。  追修願 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - よみにくい -- 名無しさん (2014-09-14 00:52:56) - 読みにくいことはないけど、解説に具体性がなくて曖昧。「習うまでもなく、刷り込まれてること」だから活字化するのが難しかったのかもしれんが --   (2016-08-22 13:18:26) - んんwwwwwわかりにくいですぞwwwww -- 名無しさん (2016-08-22 15:53:01) - ↑ぺゃっwww自分もてっきりそっちの方かとおもいましたぞwww -- 名無しさん (2016-11-04 04:05:43) #comment #areaedit(end) }
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