鵜堂刃衛

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&font(#6495ED){登録日}:2010/08/05 Thu 19:43:31 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ 河原わらワラ}}} &bold(){&ruby(うどう){鵜堂}&ruby(じんえ){刃衛}}とは、[[漫画]]『[[るろうに剣心>るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-]]』の登場人物。 ●目次 #contents *【[[プロフィール]]】 生年月日:天保14年((1843年))7月((PSPゲーム公式サイトでは1847年1月となっている)) 年齢:36歳((PSP版の設定では数え32歳)) [[身長]]:182cm 体重:78kg [[血液型]]:A型((『剣心秘伝』ではA型。『剣心皆伝』ではAB型。)) 出身地:不明 [[CV>声優(職業)]]:[[大塚明夫]](TVアニメ版)、[[石塚運昇]](ドラマCD版)、[[杉田智和]](2023年アニメ版) 演:吉川晃司(実写映画版) *【概要】 人を斬るという己の[[欲望]]に忠実に殺戮を繰り返す狂人。[[緋村剣心]]と二度に渡り剣を交えた。 口癖は&bold(){&color(ghostwhite,black){「うふふ」}}。黒の全身タイツを身に着け、目の白黒が反転している。 かつて[[新撰組>新選組]]の一員として剣を振るい、多くの志士の命を奪ってきたが、不要な殺人を繰り返したために粛清されかける。 だが、逆に追手を返り討ちにして新撰組を抜けると、今度はそれまで敵だった維新志士の側の人斬りとして現れ、幕府方を斬り続けた。 節操のない転身だが、そもそも彼に政治思想というものはなく、ただ人を斬り殺したいという欲求に従っているだけ。 強い殺人欲のみで動く危険人物ではあるが、ただの狂人ではなく独自の殺しの美学を持つなど知的な一面も覗かせている。 明治維新後は維新政府の上層部の依頼を受け、その手先として((本来お尋ね者の身のはずが、当時高価な品だった紙巻き煙草や懐中時計を持ち歩いていたのもこの辺りの人物背景の伏線と考えられる。))十年に渡り兇刃凶賊&bold(){&color(ghostwhite,black){『黒笠』}}として邪魔者を殺していたが、その際に剣心と遭遇。 剣心の力を目の当たりにし、本気の戦いを望む。 *【戦闘能力】 &bold(){二階堂平法}と呼ばれる剣術の使い手で、その奥義である&bold(){「&ruby(しん){心}の&ruby(いっぽう){一方}」}を使いこなす達人。 これまで数十回にも及ぶ凶行で一度も仕損じることが無かった。 実力は不殺の流浪人となった剣心を劇中で初めて[[人斬り抜刀斎]]に覚醒させるまでに追い詰めたほどであり、作中全体で見ても十指には入るであろう実力者。 憑鬼の術を用いてもなお抜刀斎には及ばなかったことから京都編以降の強豪(斎藤、志々雄、宗次郎、宇水など)や修行後の剣心には劣ると思われるが、剣心を追い詰めた闘いの印象ゆえか読者から上位認定をされやすい。   **◆技 ・&bold(){背車刀} 刀の持ち手を背中で替えることで、彼の利き腕である右腕に意識を集中している相手の虚を突く技。 それまで彼の動きの先読みに頼っていた剣心はまんまとこれに嵌って肩口に深手を負わされてしまった。 ・&bold(){二階堂平方『“心の一方”』(&ruby(いすくみ){居縮}の術)} 剣気を放ち、相手を居縮ませて金縛りにする技。 刃衛と同等の剣気(平たく言えば気合い)を持っていない者には防げず、刃衛は戦意を無くした相手にもこれを用いて逃亡を封じ、斬り殺す。 術者が任意に解く事も可能で、またある程度の実力を持つ者には効果が弱まる。 強くかければ相手の呼吸をすら封じることができるが、この場合は彼が任意で解くことはできず、かけられた側が自力で解くか術者を殺して剣気を途絶えさせるしかない。 ・&bold(){心の一方“&ruby(かげわざ){影技}”“&ruby(ひょうき){憑鬼}の術”} #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){我! 不敗! 也!}} &bold(){&color(ghostwhite,black){我! 無敵! 也!}} &bold(){&color(ghostwhite,black){我…最強なり!}}} 自身に強力な暗示をかけ、全ての潜在能力を引き出す技。 剣心との戦いで、新撰組を抜ける時以来15年振りに使用した。 筋肉がムキムキになり、眼が普通になっている。 正直、かなりカッコいい。 なお、この技は岡田芽武の漫画『影技 -SHADOW SKILL-』に登場する大技「武技言語」の[[オマージュ]]。 効果はほぼそのまんま、おまけに口上も共通している。「我は 無敵なり」。   *【来歴】 **◆過去 元は新撰組隊士であったが、任務に関係のない殺人を繰り返したことで隊を追われ、粛清のために差し向けられた追手を返り討ちにして一時姿をくらます。 旧アニメ版ではこの時のものと思われる回想シーンが追加されている。 また、令和版では遊撃剣士時代の抜刀斎との邂逅が描かれ、この時は実力差を悟り挑まず見逃されたものの、これを機に人斬りの性に目覚めたことが語られた((のちの対決時に言葉遣いで抜刀斎に戻っているか図るシーンの補完の意味合いもある。))((なお、抜刀斎からは全く顔を覚えられていなかったようで、刃衛を前にした剣心の対応は原作と同じである。))。 そして再び幕末の京都に現れた時は、いかなる藩閥、組織にも属さず金によって暗殺を請け負う&bold(){「&ruby(はぐれひときり){浮浪人斬り}」}となって暗躍した。 維新後も刃衛は一度落ちた修羅道から抜けられず、また抜けるつもりもなく、かたや政治家も廃刀令が公布された明治になっても自分にとって邪魔な存在を抹殺する闇の人斬りを必要としたために双方の利害が一致、兇賊「黒傘」が誕生した。 **◆剣心との死闘 陸軍省の要人である谷十三郎の暗殺の際に警護していた剣心と鉢合わせ、かつて京を騒がせた「最強の人斬り」としての剣心の強さに興味を覚えて一戦を交え、標的を剣心に変更。 「流浪人」としての剣心の強さでは到底物足りず、逆刃刀を捨てて真剣を用意しかつての「抜刀斎」として臨めと告げて撤退。 [[人斬り抜刀斎]]と本気で殺し合いたいがために、剣心の目の前で[[神谷薫]]を誘拐して剣心の怒りを誘った((のちに人誅編で語られる剣心の回想をみればわかるが、この時の刃衛のやり口はまさに[[剣心の地雷>雪代巴(緋村巴)]]を踏みぬく行為だったといえる。))。 そして鎮守の森の稲荷社で剣心と対決。 が、自分に圧倒される剣心の姿にまだ抜刀斎の復活には不十分だと判断し、心の一方を薫にかけることで彼女の呼吸を封じ、剣心を[[挑発]]。完全に抜刀斎へと覚醒させる。 自身も“影技”“憑鬼の術”を使用して抜刀斎に挑むが、剣と鞘を用いた二段抜刀術『双龍閃』を見切れず、敗北。 右腕の肘を砕かれ筋を絶たれ、剣客生命を失ってトドメを刺される寸前、薫の叫びで剣心が我を取り戻し、命を拾う。 が、[[自ら脇差で胸を突いて死を選んだ。>自殺]] それまでの殺人は政府の人間の依頼であり、逮捕されて依頼者の情報を漏らすわけにはいかないこと、 右腕が潰れて剣術が使えなくなっては生きていてもつまらないから、と刃衛は困惑する剣心に語り、果てた。 剣心の本性は人斬りであり、&bold(){人斬りは所詮死ぬまで人斬り}でしかない、と言い残して。 #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){そんな目は止せ抜刀斎}} &bold(){&color(ghostwhite,black){俺を殺すと言った時のお前は}} &bold(){&color(ghostwhite,black){もっといい目をしていたぞ}}} 作中における立ち位置としては、[[打ち切り>打ち切り(漫画)]]対策の「序盤の大ボス」であり、剣心の流浪人としてのアイデンティティを揺さぶる役割を担っている。 剣心の対極であり、ある意味で彼に打ち勝った男であり、「人斬りは所詮死ぬまで人斬り」という言葉は後々まで剣心を悩ませる事になる。 CDブック版では死に際に彼に剣心の抹殺を依頼した人物について少しだけ語っている。 また、令和版では彼の死に弔意を示してかその亡骸の顔に黒笠を被せられている。 なお、刃衛と抜刀斎との殺し合いが行われた神社では後にうふふと笑う幽霊が出るようになり、人が寄り付かなくなった。 そしてとある人物が、後の時代に[[“言禁の首魁”>志々雄真実]]と謂われた逆賊の残した愛刀をそこに隠すことになるが、それはまた[[別のお話>るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-]]。 ちなみに彼に殺人を依頼した人物の名は本編では明かされていないが、一説には長州藩出身の閣僚・井上馨ともされる(作者もその説を否定してはいない)。 *【本編以外での活躍】 **◆[[実写映画版>るろうに剣心(実写映画)]] #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){血を浴びてこそ刀は生きるもの。}} &bold(){&color(ghostwhite,black){……あの世で悟れ。}}} [[外印>外印(るろうに剣心)]]や[[戌亥番神]]と同じく、[[武田観柳]]に雇われた剣客の1人にして、第1作目における[[ラスボス]]として登場。 新撰組として参加した鳥羽・伏見の戦いの折に人斬り抜刀斎が棄てた刀を偶然手にし、以降人斬りを続けていた。 #center(){&bold(){&italic(){&color(ghostwhite,black){血が足りない……。まだまだ血が足りない……!}}} &bold(){&italic(){&color(ghostwhite,black){これが俺のやり方だ…。}}} &bold(){&italic(){&color(ghostwhite,black){俺こそが“人斬り抜刀斎”だ……!!}}}} 現在も観柳の下で人斬り抜刀斎の名を騙って殺人を続けていたが、偶然本物である剣心と出会い、&bold(){&color(ghostwhite,black){「つまらぬ世を生きてきた甲斐があった」}}と、彼の中に眠る最強の人斬り抜刀斎を目覚めさせようとする。 原作同様『心の一方』を使い、剣の腕も剣心を圧倒するほどだったが、最終的に原作同様、一時的に抜刀斎に立ち戻った剣心が放った双龍閃を受け敗北。 やはり剣心の不殺をあざ笑うかのようにその場で自決した。 あまり笑みを浮かべることも無く原作程の奇妙な言動は見られないが、吉川氏の渋みのある演技により、原作とは一味違った独特な雰囲気を纏う強敵然とした魅力あるキャラクターに仕上がっている。 アクション面でも、&bold(){NG無しの一発OKした}という背車刀の再現度は必見。 #center(){ &bold(){&color(ghostwhite,black){お前の本性は人斬りよ…。同じ人斬りが言ってんだから間違いねェ……。}} &bold(){&color(ghostwhite,black){所詮人斬りは人斬り。お前がいつまで}&color(red){“&ruby(るろうに){流浪人}”}&color(ghostwhite,black){などとほざいていられるか、}} &bold(){&color(ghostwhite,black){地獄の淵で見ててやろう……。}} } **◆[[キネマ版>るろうに剣心-キネマ版-]] 実写映画版の公開に合わせてジャンプSQ.で連載されたキネマ版ではラスボスとして剣心の前に立ちはだかる。   新選組時代から剣客としては組長各並に腕は立つが、同時に&bold(){&color(ghostwhite,black){“人斬り刃衛”}}という仇名がつけられてるほどの兇人でもあった。 幕末期京都で人斬り抜刀斎と一戦を交えた際に両掌を刀で貫かれるものの、本人は #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ}} &bold(){&color(ghostwhite,black){いいねえ この感触}}} とご満悦。 幕末の殺すか殺されるかの時代を愉しんでいたが、時代が泰平の明治になっていくと自分が愉しんでいた殺し合いの時代ではなくなってしまった。 ならばせめてもう一度幕末同様の生と死を決する命の殺り取りを愉しみたいがために流浪人となった剣心の前に立ちはだかる。   &font(#ff0000){抜刀斎に開けられた両掌に刀身を直接ぶっ刺して((再筆版からの輸入。ちなみに作者としては実写映画版もそれでやって欲しいと提案したらしいが、「痛々し過ぎる」と却下されたとの事。そりゃそうだ。))}闘ったり、 剣心の猛攻で両腕の骨が折れても&bold(){&color(ghostwhite,black){「まるで腕の関節が一つ増えたようだ!」}}と喜ぶなど狂気が増す一方、原作以上に人斬りとしての美学や信念を持ち合わせている。   原作同様に神谷薫を“人質”として剣心をおびき寄せ再び一戦を交える。 剣心の『龍昇閃』『龍環閃』『旋・凩・嵐』、そして『龍墜閃』の猛攻も精神が肉体を超越しているため効かない上、 逆刃刀故本領が発揮できなかったとはいえ飛天御剣流最速抜刀術『&ruby(てんしょうりゅうせん){天翔龍閃}』をも打ち破る。 “人質”程度では人斬り抜刀斎を呼び戻せないとして、“贄”として薫の体を刀で突き刺し、剣心を激昂させ、人斬り抜刀斎を呼び戻す。 また自分も狂気に満ちた目から一人の剣客としての目になる。&font(l){あとどう見ても両腕が回復している} 自身の渾身の一撃を以て抜刀斎と勝負を決しようとするものの、飛天御剣流&font(#ff0000){奥義}である&font(#ff0000)&color(RED){&ruby(ここのつがしらのりゅうのひらめき){『九頭龍閃』}}の前に完敗。 最初から勝ち目など無かったと悟り抜刀斎に殺される直前だったが、生きていた薫の静止によって抜刀斎から剣心に戻ったため殺されなかった((薫を突き刺した刃衞の刃であったが、天翔龍閃によって刀身の定まりが緩み、急所を外したために薫を殺し損ねるという、結果的に逆刃刀に“不殺”を強いられる形となった。))。 が、自分自身の生も死も不殺の男にくれてやらんとして自ら命を絶つ。   刃衞が流した血は剣心の足に届き、それは嘗て抜刀斎がいた幕末の「血溜まり」を連想させるものであった。 なお、作者としてはキネマ版の刃衞は色んな意味で計算ミスが目立つ結果になったと評しており、 &bold(){「やはり刃衞は原作版が完璧で究極なんだと思い知らされました」}と締めくくっている。 *余談 彼のテーマソングは「最強なり」。狂ったまでに強さを追い求めた様がまざまざと表現されている。 モチーフは幕末の人斬り、岡田以蔵。皮肉にも実写版の剣心役の佐藤健も『龍馬伝』にて以蔵を演じている。 また、デザインモチーフはX-MENシリーズの『[[ガンビット>ガンビット(X-MEN)]]』より。 #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){人斬りは所詮 死ぬまで人斬り}} &bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ}}} #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){Wiki篭りは所詮 死ぬまでWiki篭り}} &bold(){&color(ghostwhite,black){他のものには決してなれはしない}} &bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ}}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,21) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2010/08/05 Thu 19:43:31 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ 河原わらワラ}}} &bold(){&ruby(うどう){鵜堂}&ruby(じんえ){刃衛}}とは、[[漫画]]『[[るろうに剣心>るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-]]』の登場人物。 ●目次 #contents *【[[プロフィール]]】 生年月日:天保14年((1843年))7月((PSPゲーム公式サイトでは1847年1月となっている)) 年齢:36歳((PSP版の設定では数え32歳)) [[身長]]:182cm 体重:78kg [[血液型]]:A型((『剣心秘伝』ではA型。『剣心皆伝』ではAB型。)) 出身地:不明 [[CV>声優(職業)]]:[[大塚明夫]](TVアニメ版)、[[石塚運昇]](ドラマCD版)、[[杉田智和]](2023年アニメ版) 演:吉川晃司(実写映画版) *【概要】 人を斬るという己の[[欲望]]に忠実に殺戮を繰り返す狂人。[[緋村剣心]]と二度に渡り剣を交えた。 口癖は&bold(){&color(ghostwhite,black){「うふふ」}}。黒の全身タイツを身に着け、目の白黒が反転している。 かつて[[新撰組>新選組]]の一員として剣を振るい、多くの志士の命を奪ってきたが、不要な殺人を繰り返したために粛清されかける。 だが、逆に追手を返り討ちにして新撰組を抜けると、今度はそれまで敵だった維新志士の側の人斬りとして現れ、幕府方を斬り続けた。 節操のない転身だが、そもそも彼に政治思想というものはなく、ただ人を斬り殺したいという欲求に従っているだけ。 強い殺人欲のみで動く危険人物ではあるが、ただの狂人ではなく独自の殺しの美学を持つなど知的な一面も覗かせている。 明治維新後は維新政府の上層部の依頼を受け、その手先として((本来お尋ね者の身のはずが、当時高価な品だった紙巻き煙草や懐中時計を持ち歩いていたのもこの辺りの人物背景の伏線と考えられる。))十年に渡り兇刃凶賊&bold(){&color(ghostwhite,black){『黒笠』}}として邪魔者を殺していたが、その際に剣心と遭遇。 剣心の力を目の当たりにし、本気の戦いを望む。 *【戦闘能力】 &bold(){二階堂平法}と呼ばれる剣術の使い手で、その奥義である&bold(){「&ruby(しん){心}の&ruby(いっぽう){一方}」}を使いこなす達人。 これまで数十回にも及ぶ凶行で一度も仕損じることが無かった。 実力は不殺の流浪人となった剣心を劇中で初めて[[人斬り抜刀斎]]に覚醒させるまでに追い詰めたほどであり、作中全体で見ても十指には入るであろう実力者。 憑鬼の術を用いてもなお抜刀斎には及ばなかったことから京都編以降の強豪(斎藤、志々雄、宗次郎、宇水など)や修行後の剣心には劣ると思われるが、剣心を追い詰めた闘いの印象ゆえか読者から上位認定をされやすい。   なお、二階堂平法とは江戸時代初期の剣客・松山主水を開祖とする&bold(){&color(red){実在する剣法である。}} 「平法」の平の字は初伝「一文字(一文字斬り)」、中伝「八文字(袈裟斬り)」、奥伝「十文字(十文字斬り)」とし、これらの「一」「八」「十」の各文字を組み合わせたものである。 **◆技 ・&bold(){背車刀} 刀の持ち手を背中で替えることで、彼の利き腕である右腕に意識を集中している相手の虚を突く技。 それまで彼の動きの先読みに頼っていた剣心はまんまとこれに嵌って肩口に深手を負わされてしまった。 ・&bold(){二階堂平方『“心の一方”』(&ruby(いすくみ){居縮}の術)} 剣気を放ち、相手を居縮ませて金縛りにする、瞬間催眠術に近い技。 刃衛と同等の剣気(平たく言えば気合い)を持っていない者には防げず、刃衛は戦意を無くした相手にもこれを用いて逃亡を封じ、斬り殺す。 術者が任意に解く事も可能で、またある程度の実力を持つ者には効果が弱まる。 強くかければ相手の呼吸をすら封じることができるが、この場合は彼が任意で解くことはできず、かけられた側が自力で解くか術者を殺して剣気を途絶えさせるしかない。 なお、&bold(){&color(red){これも実在したとされる技である。}} どんだけバケモンなのよ松山主水。 ・&bold(){心の一方“&ruby(かげわざ){影技}”“&ruby(ひょうき){憑鬼}の術”} #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){我! 不敗! 也!}} &bold(){&color(ghostwhite,black){我! 無敵! 也!}} &bold(){&color(ghostwhite,black){我…最強なり!}}} 自身に強力な暗示をかけ、全ての潜在能力を引き出す技。 言わば強制[[火事場のクソ力>火事場の馬鹿力]]発動状態。 剣心との戦いで、新撰組を抜ける時以来15年振りに使用した。 ガリガリだった筋肉がムキムキになり、眼が普通になっている。 正直、かなりカッコいい。 なお、この技は岡田芽武の漫画『影技 -SHADOW SKILL-』に登場する大技「武技言語」の[[オマージュ]]。 効果はほぼそのまんま、おまけに口上も共通している。「我は 無敵なり」。   *【来歴】 **◆過去 元は新撰組隊士であったが、任務に関係のない殺人を繰り返したことで隊を追われ、粛清のために差し向けられた追手を返り討ちにして一時姿をくらます。 旧アニメ版ではこの時のものと思われる回想シーンが追加されている。 また、令和版では遊撃剣士時代の抜刀斎との邂逅が描かれ、この時は実力差を悟り挑まず見逃されたものの、これを機に人斬りの性に目覚めたことが語られた((のちの対決時に言葉遣いで抜刀斎に戻っているか図るシーンの補完の意味合いもある。))((なお、抜刀斎からは全く顔を覚えられていなかったようで、刃衛を前にした剣心の対応は原作と同じである。))。 そして再び幕末の京都に現れた時は、いかなる藩閥、組織にも属さず金によって暗殺を請け負う&bold(){「&ruby(はぐれひときり){浮浪人斬り}」}となって暗躍した。 維新後も刃衛は一度落ちた修羅道から抜けられず、また抜けるつもりもなく、かたや政治家も廃刀令が公布された明治になっても自分にとって邪魔な存在を抹殺する闇の人斬りを必要としたために双方の利害が一致、兇賊「黒傘」が誕生した。 **◆剣心との死闘 陸軍省の要人である谷十三郎の暗殺の際に警護していた剣心と鉢合わせ、かつて京を騒がせた「最強の人斬り」としての剣心の強さに興味を覚えて一戦を交え、標的を剣心に変更。 「流浪人」としての剣心の強さでは到底物足りず、逆刃刀を捨てて真剣を用意しかつての「抜刀斎」として臨めと告げて撤退。 [[人斬り抜刀斎]]と本気で殺し合いたいがために、剣心の目の前で[[神谷薫]]を誘拐して剣心の怒りを誘った((のちに人誅編で語られる剣心の回想をみればわかるが、この時の刃衛のやり口はまさに[[剣心の地雷>雪代巴(緋村巴)]]を踏みぬく行為だったといえる。))。 そして鎮守の森の稲荷社で剣心と対決。 が、自分に圧倒される剣心の姿にまだ抜刀斎の復活には不十分だと判断し、強力な心の一方を薫にかけることで彼女の呼吸を封じ、剣心を[[挑発]]。完全に抜刀斎へと覚醒させる。 自身も“影技”“憑鬼の術”を使用して抜刀斎に挑むが、剣と鞘を用いた二段抜刀術『双龍閃』を見切れず、敗北。 右腕の肘を砕かれ筋を絶たれ、剣客生命を失ってトドメを刺される寸前、心の一方を自力で解いた薫の叫びで剣心が我を取り戻し、命を拾う。 が、[[自ら脇差で胸を突いて死を選んだ。>自殺]] それまでの殺人は政府の人間の依頼であり、逮捕されて依頼者の情報を漏らすわけにはいかないこと、 右腕が潰れて剣術が使えなくなっては生きていてもつまらないから、と刃衛は困惑する剣心に語り、果てた。 剣心の本性は人斬りであり、&bold(){人斬りは所詮死ぬまで人斬り}でしかない、と言い残して。 #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){そんな目は止せ抜刀斎}} &bold(){&color(ghostwhite,black){俺を殺すと言った時のお前は}} &bold(){&color(ghostwhite,black){もっといい目をしていたぞ}}} 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&bold(){&italic(){&color(ghostwhite,black){俺こそが“人斬り抜刀斎”だ……!!}}}} 現在も観柳の下で人斬り抜刀斎の名を騙って殺人を続けていたが、偶然本物である剣心と出会い、&bold(){&color(ghostwhite,black){「つまらぬ世を生きてきた甲斐があった」}}と、彼の中に眠る最強の人斬り抜刀斎を目覚めさせようとする。 原作同様『心の一方』を使い、剣の腕も剣心を圧倒するほどだったが、最終的に原作同様、一時的に抜刀斎に立ち戻った剣心が放った双龍閃を受け敗北。 やはり剣心の不殺をあざ笑うかのようにその場で自決した。 あまり笑みを浮かべることも無く原作程の奇妙な言動は見られないが、吉川氏の渋みのある演技により、原作とは一味違った独特な雰囲気を纏う強敵然とした魅力あるキャラクターに仕上がっている。 アクション面でも、&bold(){NG無しの一発OKした}という背車刀の再現度は必見。 #center(){ &bold(){&color(ghostwhite,black){お前の本性は人斬りよ…。同じ人斬りが言ってんだから間違いねェ……。}} &bold(){&color(ghostwhite,black){所詮人斬りは人斬り。お前がいつまで}&color(red){“&ruby(るろうに){流浪人}”}&color(ghostwhite,black){などとほざいていられるか、}} &bold(){&color(ghostwhite,black){地獄の淵で見ててやろう……。}} } **◆[[キネマ版>るろうに剣心-キネマ版-]] 実写映画版の公開に合わせてジャンプSQ.で連載されたキネマ版ではラスボスとして剣心の前に立ちはだかる。   新選組時代から剣客としては組長各並に腕は立つが、同時に&bold(){&color(ghostwhite,black){“人斬り刃衛”}}という仇名がつけられてるほどの兇人でもあった。 幕末期京都で人斬り抜刀斎と一戦を交えた際に両掌を刀で貫かれるものの、本人は #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ}} &bold(){&color(ghostwhite,black){いいねえ この感触}}} とご満悦。 幕末の殺すか殺されるかの時代を愉しんでいたが、時代が泰平の明治になっていくと自分が愉しんでいた殺し合いの時代ではなくなってしまった。 ならばせめてもう一度幕末同様の生と死を決する命の殺り取りを愉しみたいがために流浪人となった剣心の前に立ちはだかる。   &font(#ff0000){抜刀斎に開けられた両掌に刀身を直接ぶっ刺して((再筆版からの輸入。ちなみに作者としては実写映画版もそれでやって欲しいと提案したらしいが、「痛々し過ぎる」と却下されたとの事。そりゃそうだ。))}闘ったり、 剣心の猛攻で両腕の骨が折れても&bold(){&color(ghostwhite,black){「まるで腕の関節が一つ増えたようだ!」}}と喜ぶなど狂気が増す一方、原作以上に人斬りとしての美学や信念を持ち合わせている。   原作同様に神谷薫を“人質”として剣心をおびき寄せ再び一戦を交える。 剣心の『龍昇閃』『龍環閃』『旋・凩・嵐』、そして『龍墜閃』の猛攻も精神が肉体を超越しているため効かない上、 逆刃刀故本領が発揮できなかったとはいえ飛天御剣流最速抜刀術『&ruby(てんしょうりゅうせん){天翔龍閃}』をも打ち破る。 “人質”程度では人斬り抜刀斎を呼び戻せないとして、“贄”として薫の体を刀で突き刺し、剣心を激昂させ、人斬り抜刀斎を呼び戻す。 また自分も狂気に満ちた目から一人の剣客としての目になる。&font(l){あとどう見ても両腕が回復している} 自身の渾身の一撃を以て抜刀斎と勝負を決しようとするものの、飛天御剣流&font(#ff0000){奥義}である&font(#ff0000)&color(RED){&ruby(ここのつがしらのりゅうのひらめき){『九頭龍閃』}}の前に完敗。 最初から勝ち目など無かったと悟り抜刀斎に殺される直前だったが、生きていた薫の静止によって抜刀斎から剣心に戻ったため殺されなかった((薫を突き刺した刃衞の刃であったが、天翔龍閃によって刀身の定まりが緩み、急所を外したために薫を殺し損ねるという、結果的に逆刃刀に“不殺”を強いられる形となった。))。 が、自分自身の生も死も不殺の男にくれてやらんとして自ら命を絶つ。   刃衞が流した血は剣心の足に届き、それは嘗て抜刀斎がいた幕末の「血溜まり」を連想させるものであった。 なお、作者としてはキネマ版の刃衞は色んな意味で計算ミスが目立つ結果になったと評しており、 &bold(){「やはり刃衞は原作版が完璧で究極なんだと思い知らされました」}と締めくくっている。 *余談 彼のテーマソングは「最強なり」。狂ったまでに強さを追い求めた様がまざまざと表現されている。 モチーフは幕末の人斬り、岡田以蔵。皮肉にも実写版の剣心役の佐藤健も『龍馬伝』にて以蔵を演じている。 また、デザインモチーフはX-MENシリーズの『[[ガンビット>ガンビット(X-MEN)]]』より。 #center(){&bold(){&color(ghostwhite,black){Wiki篭りは所詮 死ぬまでWiki篭り}} &bold(){&color(ghostwhite,black){他のものには決してなれはしない}} &bold(){&color(ghostwhite,black){うふふ}}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,21) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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