相棒(ドラマ)

「相棒(ドラマ)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

相棒(ドラマ)」(2024/03/21 (木) 18:54:06) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2011/01/11 Tue 00:29:05 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 50 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&sizex(6){&font(#ff0000){&bold(){窓際の二人が、また勝手に動きだす。}}}}((シーズン15のキャッチコピー。)) 『&bold(){&ruby(あいぼう){相棒}}』とは、[[テレビ朝日]]と東映が制作している刑事ドラマシリーズである。 以下、本項目ではPreシーズンを「PS.1」、各シーズンを「S.1-1」「S.2-1」のように表記する。 ---- #openclose(show=●目次){ #contents() } ---- *【概要】 元々は『&bold(){相棒 警視庁ふたりだけの特命係}』のタイトルで、2000年6月から2001年11月にかけて『土曜ワイド劇場』の枠で3本が製作された単発ドラマだったが、従来の2時間ドラマの枠にはまらないストーリー展開と重厚な内容から高視聴率を獲得し、2002年から水曜21時の刑事ドラマ枠で毎年放送されるようになった。S.2からは『&bold(){相棒}』と現行のタイトルになる。 同枠の先輩『[[はぐれ刑事純情派]]』に代わる新たな水曜21時枠2クールドラマとして定着し、かつて『はみだし刑事情熱系』を放送していた10月~翌年3月枠((最初は同作の半分の枠を分け持っていた。))に放送されており、『特捜9』『刑事7人』と並ぶテレビ朝日の水曜21時枠を担う人気刑事ドラマシリーズである。 長らく&bold(){亀山薫}(演 - 寺脇康文)が相棒を務めたが、本来は警視庁にとって不要な人材を辞めさせるはずの特命係に8年も在籍しているという矛盾が生じており、組織の理論と薫の人生をあいまいにしてはならないという思いから、S.7-9をもって番組をいったん卒業した。 その後は相棒不在期間を経て、最終話に2代目相棒・&bold(){神戸尊}(演 - 及川光博)が初登場し、S.10-最終話まで出演。 S.11からは、3代目相棒・&bold(){甲斐享}(演 - 成宮寛貴)が登場。当初は2年の約束だったが、水谷氏やスタッフからの申し出もあって1年延長され、S.13-最終話まで出演。 S.14からは、4代目相棒・&bold(){冠城亘}(演 - 反町隆史)が登場。歴代相棒では初めて警察官ではない人物で、当初は法務省から出向中のキャリア官僚という異色の設定だった。最終的にS.20-最終話まで出演し、出演回数という点では薫をも上回る歴代最長の相棒になった。 S.21からは、薫が5代目相棒として14年ぶりに復帰している。 非常にキャラの立ったキャラクターが描かれ、脚本では政治問題・コメディ・オカルト・人情モノなど多彩なストーリーを展開し、順調に視聴率を伸ばす。S.9は平均視聴率&bold(){20.4%}という快挙を達成し、中でも第16話「監察対象 杉下右京」は歴代最高の&bold(){&font(#ff0000){23.7%}}を記録。 現在も世帯平均15%程度と高水準の数値を維持しており、名実ともに国民的ドラマの地位を確立している。 S.4以降は『はぐれ刑事純情派』に代わり、曜日を問わず毎年元日に2時間以上のスペシャルが放送され、前番組の『[[芸能人格付けチェック]]』とともに正月の名物としても定着。&font(l){正月らしからぬ容赦のないストーリーも多く、新年早々から視聴者を戦慄させることも一度や二度ではない。} また、番組の人気に伴いテレ朝は[[プロ野球日本シリーズ]]の水曜中継を取りやめるなど、編成に大きな影響も与えている。 基本的には1話完結が原則だが、2週(最長で3週)連続で展開されるストーリーもほぼ毎シーズンのように設定されており、過去に登場した人物や事件が後のシーズンにおいて続編や回想という形で登場することも多い。 長期放送されている宿命か、過去に登場したゲスト出演者が別の役で再登場することが非常に多い。特に最多出演者の前沢保美氏は同役の遠山ちず役を含めて、これまでに&bold(){計8回}出演している。 また、以前に別役としてゲスト出演した俳優がメインキャラとしてレギュラー登場することもあるほか、月本幸子や青木年男のようにゲスト出演を経てレギュラー入りする人物もいる。 再放送も頻繁に実施されており、地上波・BS朝日・CSテレ朝チャンネルと電波を問わなければ毎日再放送されているといっても過言ではない。&font(l){回によって放送の頻度に差はあるが。} 過去にはメインキャストの不祥事や引退などでお蔵入りの危機もあったが、現在では動画配信プラットフォーム「テラサ」も含めれば公式に欠番扱いとしているS.3-7以外は全話視聴可能。 2023年現在、Preシーズン+22シリーズが制作される長寿作になっており、21世紀を代表する刑事ドラマとして高い人気と知名度を誇る。 劇場版もスピンオフを含めて6作制作されており、それ以外にも[[宝塚歌劇>宝塚歌劇団]]・書籍・ゲームなどメディア展開も多数。 劇伴担当は池頼広氏。S.3で登場したオープニングテーマはシーズンごとにアレンジを加えつつ現在も使用され続けており、最も有名なアレンジはS.4で登場したもので、S.6まで使われたほか、次回予告や提供読みのBGMで今なお使われているためおなじみの方が多いだろう。 それ以外の楽曲の評価も高く、楽曲と名場面集&font(l){と出演者によるミニコント}で構成されるコンサートもたびたび実施されている。 車両提供は日産自動車。同枠開始当初の作品『特別機動捜査隊』からのスポンサーで、劇中ではティアナ・[[GT-R>日産・GT-R]]・[[スカイラインセダン>日産・スカイライン]]・フーガなど放送時点で発売中の日産車が登場するが、右京のフィガロなど風変わりな車種が出てくることもある。 近年ではドラマとタイアップしたオリジナルCMが放送されることも多い。 芸能界にもファンが多く存在し、公式プレゼンターを務める赤ペン瀧川氏をはじめ((俳優としては「瀧川英次」名義で活動しており、S.13-最終話とS.22-9にゲスト出演している(後者では「赤ペン瀧川」名義)。))、坂本龍一氏や[[早見沙織]]氏など多数存在する。 また、『[[名探偵コナン]]』の作者である[[青山剛昌]]氏は巻末の名探偵図鑑に右京を紹介しており、自身もS.9-10でカメオ出演している((主人公のポリシーや女心に鈍感という点などが共通しているが、『コナン』の場合は作風上、本作とは違って扱えない展開や動機も多く、逮捕後の展開が描かれることもあまりない。))。 和泉聖治監督と交流があるということで、映画監督の三池崇史氏もS.10-16に特別出演した。 作風はシーズンごとに少しずつ異なっており、さらに脚本家によっても各話のストーリーの味つけにややバラつきがある。 初代相棒の亀山薫時代は、警察の不正問題・人情モノ・後味の悪い話など回によってストーリーは色々だが、コミカルなシーンやどんでん返しを含みながらも原則として1話で綺麗に完結する、比較的シンプルな構成の話が基本形だった。 2代目相棒の神戸尊時代は、当初は薫時代のカラーをある程度継承していたが、S.9以降は社会問題やシリアスな人間の感情を取り上げ、コミカルなシーンの少ない終始落ち着いた雰囲気で進行する回が増えた。 そして、3代目相棒の甲斐享が参加したS.11あたりからはさらにカラーが変更され、政財界の不祥事から国家規模の巨大な陰謀まで、さまざまな権力の闇に特命係が切り込んだり阻止したりするサスペンス路線の色が強まり、どこか幻想的な雰囲気のある非日常的な話も増えた。 さらに、4代目相棒の冠城亘が参加するS.14前後からは、1話で終わらずに次週に続く長編作や、[[伏線]]を一挙にバラ撒いては後のシーズンで徐々に回収していくといった『コナン』の原作のごとくゆっくりとしたストーリー展開が目立つようになり、数か月から時に数シーズンまたぐことも多くなった。 一部のシーズンを除き、基本的には初回・元日・最終回はスペシャルで放送されていたが、現在のスペシャル放送は元日のみであり、初回と最終回に関しては前後編の拡大スペシャルの形で放送している。 特に美彌子や衣笠、峯秋は近年ではほぼスペシャル回のみの登場になっており、ストーリーが大きく動くのはこれらの回または輿水脚本のみとなっている。 ちなみに、他のテレビ朝日の刑事ドラマでは登場人物が同局の他作品に同一人物として特別出演することが多く、同一の世界線と見られることも多々あるが、本作ではそのようなケースは非常に少なく、唯一『警視庁捜査一課9係』に米沢が出演した程度である((ただし、『[[科捜研の女]]』では本作にも登場した架空の国家「エルドビア共和国」「ルベルタ共和国」がたびたび登場している。))。 *【あらすじ】 「&bold(){&font(#0000ff){警視庁の陸の孤島}}」と呼ばれる窓際部署「&bold(){特命係}」。ここは、文字通り&bold(){特}別に&bold(){命}令がなければ仕事がない閑職であり、捜査権も逮捕権も認められておらず、どこの部署にも属していない浮遊部署でもある。 メンバーには、抜群の知識と推理力を持ちながらもそのユニークな人柄と強すぎる正義感が災いして周囲からは変人扱いされ、ある事件でここに追いやられたキャリア警部・杉下右京が係長としてただ1人いるのみだった。 やがて、ここは上層部が不要と判断した人材を送り込み、右京の個性的な性格も含めて自然に辞めさせる役割を持っていき、いつしか「&bold(){&font(#ffffff,#000000){人材の墓場}}」と呼ばれるようになっていった。 しかし、失態によって捜査一課から左遷された亀山薫(退職後、後に嘱託職員として復帰)、元々は右京と特命係の必要性を判断する[[スパイ]]の任を受けて警察庁から表向き左遷された神戸尊、右京直々の指名によって所轄署からスカウトされた甲斐享、法務省からの出向を経て自ら特命係を志願した冠城亘の4人だけは、最低でも3年以上と長期に渡って在籍した。 これは、そんな&bold(){相棒}たちが右京とともに難事件に挑む物語である。 *【主な登場人物】 演者に「/」のある役者は、テレビドラマ / 宝塚歌劇の順で記す。 **[[警視庁特命係>特命係]] 警視庁組織犯罪対策部薬物銃器対策課の片隅に押し込められた、特にこれといった仕事のない庁内一の窓際部署。「陸の孤島」「人材の墓場」とも揶揄されており、失態を犯した人材を送り込んで自主退職させる追い出し部屋である。薫が来るまでにも6人が左遷され、&bold(){全員1週間以内(&font(#ff0000){&u(){最短1日}})で退職していった過去がある。} S.16-2以降、組織図上では警察庁長官官房付の直属部署になっている。 ・&bold(){[[杉下右京]](すぎした うきょう)} 演 - [[水谷豊]](小学生時代:新井真悟) / 真飛聖 このドラマの主人公で、細かいことが気になる特命係の係長。階級は警部補→警部。生年月日は不明だが、S.1開始時45歳である。全話に登場。 [[東京大学]]法学部を首席で卒業後渡英し、帰国後にキャリアとして警察庁に入庁。3年間のスコットランドヤード研修を経て警視庁刑事部捜査二課に出向し、大物フィクサーの摘発に関わるなど辣腕をふるう。 1987年に外務省公邸で人質籠城事件が発生すると、その頭脳を見込んで、当時公安部参事官だった小野田が結成した非公式部隊「&bold(){緊急対策特命係}」に招集され、作戦参謀として犯人と交渉し、粘り強く人質を解放していった。 しかし、アメリカ国務長官来日による配慮から早期解決を主張する小野田と対立して作戦参謀を解任されてしまい、事件は隊員と人質にも死者が出る大惨事で終わった上に、彼はその責任を全て押しつけられる形で警視庁の片隅に押し込まれてしまう(S.1-11)。 [[紅茶]]と[[チェス]]をたしなむ紳士な名探偵で、一部で「&bold(){和製[[シャーロック・ホームズ]]}」と称されるほどの優秀な頭脳と豊富な知識を有するがとんでもない変人でもあり、よくも悪くも全く空気を読まず、犯罪を決して許さず厳格なまでに法遵守を求めるなど((ただし、事件の真相を明らかにして犯人に罪を償わせるために必要とあらば、自ら違法行為に及ぶことも辞さない。))、人格面では問題人物としか言えないことから周囲から煙たがられている。 本領は頭脳労働なのに格闘術も習得していて、性格以外は完璧超人。 相手に関係なく常に慇懃無礼な敬語で話すが、罪の重さを自覚しない悪質な犯人に対してはプルプル震えながら強い口調で叱責することもある。 一部の回を除き、長らく車の運転は相棒に任せていたが、S.11~S.19では愛車のフィガロ((ボディカラーは黒で、純正には設定のないカラーである。))が登場し、享や亘を乗せて自ら運転する場面もあった(S.20以降は登場していない)。 ・&bold(){[[亀山薫]](かめやま かおる)} 演 - 寺脇康文(少年時代:黒須貴之) PS.1~S.7-9、S.21-2以降で在籍。前の6人と同じように失態を犯して左遷された右京の初代相棒で、通算7人目。階級は巡査長→巡査部長→嘱託職員→巡査部長。1966年7月23日生まれ。[[新潟県]]出身。血液型はB型。 城東大学法学部を卒業後、警視庁に入庁。所轄署勤務を経て捜査一課に配属されるが、遭遇した指名手配犯を逮捕しようとして逆に人質になる失態を犯し、特命係に左遷される(PS.1)。 まず体が先に動く熱血系体力バカで、頭を使うことが苦手。人情に厚いが右京に巻き込まれてよく不幸な目に遭う。 当初は露骨に右京のことを敬遠しており、特命係の一員であることを否定する場面も見られたが、最終的には彼の不確かな推理にも命を預けられるほどに信頼するようになった(S.7-9)。 食べた料理の食材段階で起きたことから来る違和感を察知し、プロのワイン評論家も大絶賛するほどの優れた舌を持つ。 遭遇した時に伊丹がものすごく独特の口調で言う「&bold(){特命係の亀山ぁ~!}」はお約束のセリフだった。 NGOのスタッフだった高校時代の友人・兼高が殺害されたことを機に、彼が生前活動していた政情不安定な南アジアのサルウィンへ渡航(S.7-2)。そこでの惨状を目の当たりにした薫は、彼の遺志を継いで現地の子供たちに正義の心を教えることを決意し、警視庁を退職。右京たちに別れを告げ、美和子とともにサルウィンへ移住した(S.7-9)。 その後は過去の回想シーンや右京たちの会話の中で定期的に存在が語られた程度だったが、S.21で約14年ぶりに登場。教え子たちが腐敗政権を打倒したことで、その恩師である彼も親善使節団の一員として国賓待遇で一時帰国し、右京と再会。その直後に起こった事件によって美和子ともどもサルウィン政府からペルソナ・ノン・グラータ(国外追放)の指定を受けて帰国を余儀なくされてしまうも、伊丹の峯秋への&bold(){土下座}もあって嘱託職員として警視庁に復帰し、5代目相棒として特命係に戻ってきた(S.21-1~2)。 その後、ある事件で関わった元与党政調会長・袴田茂昭の根回しもあり、正規の警察官として特例で警視庁に再採用された(S.21-11)。 ・&bold(){[[神戸尊]](かんべ たける)} 演 - 及川光博 / 壮一帆 S.7-最終話~S.10-最終話まで在籍。上層部からの特命でスパイとして配属された右京の2代目相棒で、通算9人目。階級は警視→警部補→警視。1970年2月1日生まれ。[[東京都]]大田区田園調布出身。血液型はO型。 [[中央大学]]法学部を卒業後、警視庁に入庁。警備部警備第一課警備情報第4係への配属を経て推薦組として警察庁警備局警備企画課に採用され、課長補佐時代には全国の防犯カメラによる大規模な顔認識システムの開発を主導していた。 しかし、小野田をはじめとする警察庁上層部からの特命を受け、「特命係が今後警察にとって有益な存在として発展できるかどうか、杉下右京にその可能性があるかどうか」を見極めるために二階級降格による左遷の体で特命係に差し向けられたが(S.7-最終話)、その裏には彼も知らない警察庁の陰謀が隠されており、その任を終えた後も本庁復帰の辞令を無視して自らの意思で特命係に残留した(S.8-最終話)。 薫とは正反対なインテリ系のおぼっちゃまで頭の回転が速く、的確な発言や推理をすることも多い。女性の扱いにも手馴れたプレイボーイでもある一方、警備畑出身なので遺体や白骨を見ただけで気分が悪くなる一面もある。 歳の割に中途半端に甘さと青さが抜け切っておらず、時々熱くなって右京の正義感に異を唱えることもあった。 トリオ・ザ・捜一や陣川からは、名前を音読みにした「&bold(){ソン}」と呼ばれていじられていた。大河内とは旧知の仲で、2人で会うこともしばしば。 [[ナポリタン>ナポリタンスパゲティ]]とゲロルシュタイナーを好み、黒のGT-Rを愛車とするが非常に運転が荒く、右京からも苦言を呈されている。 警備部時代には友人だった女性が殺害され、憎しみのあまり裁判で偽証を行ったが、被告が実は冤罪だったことが判明し、贖罪の念を抱くようになる(S.10-1)。 そして、クローン人間が絡む事件で右京を屈服させた手腕を元副総監・長谷川宗男に評価されつつも、S.8-最終話で一度本庁復帰の辞令を無視したことを引き合いに「次断れば懲戒免職」と脅迫されたため、やむなく警察庁長官官房付に異動した(S.10-最終話)。 その後も右京との交流は途絶えておらず、定期的に再登場しては彼を手助けしている。さらに、劇場版III・IVでは後輩の相棒である享や亘とも共演を果たすと、S.21-20~最終話では「会ってみたい」と思っていた前任の薫とも共演することになり、歴代相棒の全員と交流したことになった。 ・&bold(){[[甲斐享]](かい とおる)} 演 - 成宮寛貴(小学生時代:橋爪龍、中学生時代:上田晟人) S.11-1~S.13-最終話まで在籍。所轄の新米刑事だったところを特命係にスカウトされた右京の3代目相棒で、通算10人目。階級は巡査部長。警察庁次長・甲斐峯秋の次男で、愛称は「&bold(){カイト}」。1983年7月7日生まれ。東京都港区芝出身。血液型はAB型。 早慶大学政治経済学部を卒業後、警視庁に入庁。交番勤務を経て署長推薦の選抜試験に合格し、中根署刑事課捜査一係に配属されたが、香港を旅行中に出会った右京と一緒に事件を解決したことで、彼から引き抜かれる形で特命係に配属された(S.11-1)。 年上のCA・笛吹悦子と交際中。 歴代相棒に比べて若いこともあり、薫のように感情的になりやすく、S.12までは犯人や関係者に対して暴力的な行為におよぶこともあった。頭脳面では尊のように的確な発言や推理をすることも多い。 一方で、親子仲は非常に冷え切っており、父からは秀才な長男とは違って「息子としても警察官としても出来が悪い」と酷評され、一日でも早く辞めてほしいと思われている。彼自身も一切の力を借りずにやってきたため、「親のコネ」や「七光り」という言葉には過敏に反応し、互いにいがみ合う関係である。 とはいえ、父の侮辱に関しては怒りを見せることもあり(S.12-1)、心から嫌っているわけでもない模様。 飲み物はコーラ派。歴代相棒では珍しく愛車は保有しておらず、普段は右京や悦子に任せている。 S.13では悦子から父との和解を条件に結婚すると告げられ、さらに彼女の妊娠も判明したが、最終話では警察が手を出せない犯罪者たちに私的制裁を下す連続暴行犯「ダークナイト」の正体だったことが判明し、&bold(){懲戒免職になった。} 悦子が再登場したS.22-10においても服役中であり、息子の結平の立場を考えて婚姻届にサインしていないことが語られている。 ・&bold(){[[冠城亘]](かぶらぎ わたる)} 演 - 反町隆史(少年時代:榎本司) S.14-1から登場し、S.15-1~S.20-最終話まで在籍。元法務省という異色の経歴を持つ右京の4代目相棒で、通算11人目。階級は巡査。1975年2月9日生まれ。東京都港区北麻布在住。血液型はAB型。 早慶大学法学部を卒業後、法務省に入省。刑事局総務課企画調査室長を務めていた時、人事交流に際して「現場に興味がある」という理由で、警察庁ではなく警視庁に警務部付として出向してきており、特命係の部屋に住み着いて暇を持て余していた(S.14-1)。 そのため、シリーズ初となる「&bold(){警察官ではなかった相棒}」。 薫と同じコーヒー派だが、コーヒーミルから豆を挽く本格派である。愛車はV37型スカイラインセダン((モデルはシーズンによって多少異なり、当初は前期型だったがS.17以降はマイナーチェンジ後の改良型に変わっている。))だが、初期は右京の運転する車中で気分を悪くする場面があった。 飄々で掴みどころのない性格や、右京に匹敵するほどの真実究明の強さと目的のためなら手段を選ばない大胆さを持ち、異色の経歴も含めてこれまでの相棒とは一線を画す人物である。 実際に、彼に事件を解決してほしいという極めて個人的な理由から、裁判官に直談判して令状の発行を阻止し、殺人事件の早期解決を妨害したことすらある([[S.14-15>警察嫌い(相棒)]])。 しかし、その行き過ぎた妨害が祟ってついに左遷の危機に陥るが、彼がすでに警視庁で生きがいを覚えていたことを見抜いていた日下部の計らいもあり、法務省を退職して警視庁に入庁した(S.14-最終話)。 だが、捜査妨害による報復人事で特命係配属は叶わず、総務部広報課で美彌子の部下になっていた。実は日下部から彼女の身辺調査を依頼されており、美彌子にそのことを示唆して「離れたほうがお互いのためになる」と半ば強請りな交渉を持ちかけることで特命係に戻ってきた(S.15-1)。 そして、公安調査庁の改革を画策する日下部からのスカウトを承諾して警視庁を退職し、契約職員として移籍した(S.20-最終話)。出演回数は138回にのぼり、同話時点では薫の124回をも上回って歴代最多だった。 **[[トリオ・ザ・捜一]] [[伊丹憲一]]・[[三浦信輔]]→出雲麗音((三浦とは違ってクレジットは伊丹・芹沢と別々になっているが、ここでは便宜上トリオの一員として記す。))・[[芹沢慶二]]からなる、警視庁刑事部捜査第一課7係の刑事3人組。レギュラーキャラクターであり、ほぼ毎回登場する。 この手のドラマにありがちな[[かませ犬]]かと思いきや、やたらキャラが立っている上に時に意外な一面も見せるため、コアなファンが多い。 麗音を除く3人は捜査権もないのに勝手に捜査に加わってくる特命係を疎ましく思っており、事件現場や取調室に入ってくるたびに露骨に嫌そうな表情をし、厄介事を押しつけることもある。 もっとも、能力は認めているので何かと協力することも多い。 初期は伊丹と三浦のコンビで、芹沢の登場後も3人で行動することは少なく、三浦と芹沢が交代しながら登場していたが、やがてトリオとして定着していった。 しかし、S.12-1で三浦が引退したことで伊丹と芹沢のコンビになっているが、S.13-4では三浦の後任として人事交流で警察庁刑事局に出向していた若き女性警部補の&bold(){浅木真彩}(演 - 原田夏希)が一時的に配属され、1年ぶりにトリオが復活した。 そして、S.19-1では銃撃事件を受けて交通機動隊から異動してきた出雲麗音が加わり、久々の3人体制になった。 ちなみに、「トリオ・ザ・捜一」の名称は公式が命名した愛称ではあるが、劇中で言及された場面はない。 ・&bold(){[[伊丹憲一]](いたみ けんいち)} 演 - 川原和久 / 真野すがた PS.1から登場。トリオのリーダー格で階級は巡査部長。 特命係を目の敵にしており、出くわすたびに嫌そうな表情をするのが定番。中でも薫とは犬猿の仲で、彼の姿を見つけるたびに「特命係の亀山ぁ~!」という罵声を浴びせ、互いに憎まれ口を叩き合うのがお約束の展開だった。&font(l){無駄にバリエーションも豊富((尊以降の歴代相棒に対しても、同様に「特命係の○○」という言い回しを使うことも多い。))。} 一方、上司からの理不尽な命令には啖呵を切って見せるほか、不正や圧力など筋の通らないことを嫌う熱血漢の一面も見せる。 プライベートはあまり充実しているとはいえないようで、恋愛下手からかトリオでは唯一パートナーがいない。フルーツサンドが好物で、芹沢によれば腹を下すという理由で牛乳が苦手(S.19-16)。 スピンオフ2作目『相棒シリーズ X DAY』ではサイバー捜査官・&bold(){岩月彬}(演 - 田中圭)とともに主人公を務める。 ・&bold(){[[三浦信輔]](みうら しんすけ)} 演 - 大谷亮介 / 眉月凰 PS.2~S.12-1までレギュラー登場。トリオの最年長でなだめ役。7係の主任を務める。階級は巡査部長→警部補。トリオ唯一の既婚者。 疎ましく思ってはいるが、特命係に対しては比較的慇懃な態度で接しており、感情的になりやすい伊丹をなだめるなど、トリオのブレーキ役を担う。 S.12-1では警部補への昇任試験に合格し、7係の係長に就任するが((実際の警視庁係長の階級は警部。警部補は主任を務める。))、甲斐次長誘拐事件の捜査中に太ももを刺される重傷を負ってしまう。命に別状はなかったものの、一生杖が手放せないほどの後遺症が残り、内勤の慰留も固辞して退職することになった。 S.14-10で久々に登場。全国を放浪する旅人のような生活を送っており、花の里で右京と再会し、杯を交わしつつ本多篤人の情報を提供している。 大谷氏はPS.1では特殊犯捜査一係の&bold(){室谷警部補}役で出演。 また、かつて大谷氏と事実婚の関係にあった高畑淳子氏もS.3-17に出演している。 ・&bold(){[[芹沢慶二]](せりざわ けいじ)} 演 - 山中崇史((S.5-5までは「山中たかシ」名義。)) / 夕霧らい S.2-4から登場。トリオの最年少(現在は中堅)でお調子者。階級は巡査→巡査部長。交際中の彼女がいる。 伊丹や三浦とは違って特命係に対する反感は少なく、うっかり捜査情報を漏らしては2人に頭を叩かれるのがお約束だった。 初登場のS.2では準レギュラー的扱いだったことから登場しない回も多く、クレジットも単に「芹沢刑事」名義だったが、S.3以降は名前が明らかになるとともにレギュラーキャラクターになった。 長らくトリオの下っ端的存在だったが、特命係に配属された後輩刑事の享に対しては先輩風を吹かして何かとかわいがっていた。しかし、その後にやってきた亘や麗音に対しては一転して上から目線で接し、特に後者に対しては先輩として徹底的にいびっており、特命係に捜査情報を漏らす役割も彼女に受け継がれている。 山中氏はS.1-1では薫を人質に[[警視総監]]室に立てこもった犯人を狙撃しようとする狙撃手役で出演していたほか、弟の山中聡氏も[[S.2-18>ピルイーター(相棒)]]やS.16-17に出演している。 また、[[同姓同名]]の俳優である&bold(){山中崇}氏ともS.17-7で共演している。 ・&bold(){出雲麗音(いずも れおん)} 演 - 篠原ゆき子 S.19-1から登場。初のレギュラー女性刑事で階級は巡査部長。 元々は交通機動隊の白バイ隊員だったが、北上馬の交差点をパトロール中に何者かに銃撃されて重傷を負い、一命は取り止めたものの右肘の複雑骨折に後遺症が残って復帰を断念。美彌子からの依頼を受けた衣笠の鶴の一声で捜査一課7係に転属するという異例の人事になった(S.19-1)。 当初は周囲の男たちから「捜査一課は男の職場」「白バイ上がり」と快く思われていなかったが、彼女自身は特に意に介していない。同時に初期の亘のように時に大胆な行為に出ることもあり、根はかなりの激情家。 S.20以降は伊丹や芹沢も&font(l){諦めたのか}認めたのか、トリオとして行動する場面が多い。 伊丹や芹沢とは違って特命係とは友好的な関係になっており、初期は彼らの姿を見ると喜んでいた場面もあったほか、2人に内緒で協力するというこれまでの芹沢の役割を担っている。 [[裏設定]]として、家に帰ったらバイク雑誌を眺めながら一人晩酌するのが日課で、捜査一課配属直後の髪型がオールバックだったのは「なめられないように(したつもり)」という理由で、好きな音楽はエレファントカシマシであるという。 **特命係行きつけの小料理屋 事件の状況を整理したり、解決後は女将とその内容について語り合ったりするのが本作のお約束である。&font(l){座席の奥には番組スポンサーである黄桜の樽が置いてあるのもお約束。} ***花の里 レギュラーや準レギュラーをはじめ、各回ゲストが訪れることもある。一般客の姿はあまり見られないが、一部回で訪れる場面がある。 席はカウンターのみで10席程度。S.4までは外観・内装と周辺の風景がシーズンごとに異なっていた。初期は代々木に店を構えていたようで、他の従業員やテレビの存在が確認できた。名前は右京の遠縁の杉下花(演 - 原沙知絵)が由来。 PS.では「&bold(){新ふくとみ}」という別の店だった。渋谷にあった実在の店がモデルになっており、クレジットにも記載されたが、店主の死去によって「花の里」に変更された。 ・&bold(){宮部たまき(みやべ たまき)} 演 - 益戸育江((劇場版までは旧芸名の「高樹沙耶」名義。)) / 桜一花 PS.1~S.10-1まで登場。右京の元妻で「花の里」の初代女将。着物の似合う和風美人。生年月日は不明だが、S.1開始時38歳。 右京と離婚したのは事実だが、信頼関係は変わっていないようで、夫婦以上の絆で結ばれている。 S.10-1にて突然店を畳み、世界放浪の旅に出た。 その後、益戸氏が2016年10月25日に大麻取締法違反容疑で逮捕されたため、当面の間は彼女の出演回の再放送が自粛され、[[劇場版II>相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜]]の再放送では出演シーンがカットされていたこともあった。 ・&bold(){月本幸子(つきもと さちこ)} 演 - 鈴木杏樹 S.4-19で初登場。この世のツキというツキに見放され、夫を殺したヤクザの愛人にまで落ちぶれた、名前に反してツキのなかった女性。 復讐を果たして海外逃亡しようとした時に車がエンストし、あろうことか&bold(){特命係と遭遇してしまったことで}逮捕される。服役中にも脱獄や警察内の陰謀に巻き込まれたりしてしまっており、やっぱりついていない女(S.6-11~12)。 出所後、一度は豪邸の家政婦の職を得たが、&bold(){つきすぎている}境遇を疑り過ぎて右京たちに相談する。トリオ・ザ・捜一なども巻き込んだ末単なる早とちりだと判明し、右京の薦めで「花の里」2代目女将になり、レギュラー入りを果たした(S.10-12)。 これまで波瀾万丈の人生を送っていたこともあってさまざまな幸不幸を経験したためか、発言に重みがあり、その言葉が幾人かの支えや導きになることもある。 しかし、ある事件をきっかけに社会的に恵まれない子どもたちの力になろうと一念発起し、女将を引退して右京と亘に別れを告げた(S.17-19)。 ***こてまり 花の里とは違って「警察官立ち寄り所」の札を掲げており、カウンターに加えて座敷席もある。 ・&bold(){小出茉梨(こいで まり)} 演 - 森口瑤子(高校生時代:早川りこ) S.18-最終話から登場。「花の里」に代わる特命係の新たな行きつけの店になった小料理屋「こてまり」の女将。第八西高校出身。 元々は内閣官房長官や各界著名人からひいきにされていた赤坂の芸者だったが、引退して「こてまり」を開業。古くからの付き合いである峯秋の紹介で特命係と知り合い、彼らの新たな行きつけの店になった((客足はさっぱりだが、店は趣味でやっているとのこと。))。現在も当時の芸名である「&bold(){小手鞠}」の名前で呼ばれている。 右京とは対照的に細かいことは気にしない主義だが、自身の深い話題を話したがらない点では似ている。 **相棒の恋人 ・&bold(){奥寺美和子(おくでら みわこ)} 演 - 鈴木砂羽 薫の恋人で当初は帝都新聞社会部の記者だったが、S.5以降はフリージャーナリストに転身。「~したまえ」が口癖。1970年11月12日生まれ。 自身の浮気によりS.3-3で破局したものの、S.4-最終話でめでたくゴールイン。S.5以降は「亀山美和子」名義になり、インド転勤後は[[美和子スペシャル]]((当該項目も参照。初期は見た目が悪いながらも味自体は悪くなかったようだが、S.22-1では逆に良質な見た目に反して味は悪化しまっていた。登場するたびに旧Twitter(X)のトレンドにも入るほどの人気っぷりである。))やラブラブTシャツを製造するなどキャラ崩壊。 S.7-9にて退職した薫と共にサルウィンへ旅立ったが、S.21で帰国した。 ・&bold(){笛吹悦子(うすい えつこ)} 演 - 真飛聖 S.11-1~S.13-最終話までレギュラー登場。日本国際航空のCAで享の年上の恋人。東京都大田区元森町2丁目5-6にあるmonparte 305号室在住。身長167cm、体重53㎏。実家は[[福島県]]。 渋谷での合コンで享に家まで送ってもらったことから交際をスタートし、現在は半同棲中。特命係の捜査に協力することもある。ボールルームダンスが得意。 一方で甲斐親子の確執には苦慮しており、和解を結婚の条件にするなど、何とか2人の仲を取り持とうと苦心している。 S.13-14~15では享との子どもを授かったことが判明したが、同時に白血病の発症も発覚し、入院を余儀なくされる。幸い治療は順調に進んでおり、うまく行けば出産も可能であることが語られた。 その後、S.22-10で9年ぶりに登場。現在は亡き父親からの骨髄移植によって病気は寛解し、シングルマザーとして息子の結平を育てながら仕事を両立させている。享が逮捕された後も右京との交流は続いており、息子の晴れ舞台に招くなど良好な関係を維持しているようである。 真飛氏は元宝塚歌劇団のトップスターで、宝塚版『相棒』で右京を演じており、この縁でドラマ本編への出演が叶ったと思われる。 **レギュラーキャラクター ***警視庁 ****刑事部 ・&bold(){[[内村完爾]](うちむら かんじ)} 演 - 片桐竜次 / 星原美沙緒 PS.1から登場。警視庁刑事部長で階級は警視長((実際の警視庁刑事部長の階級は警視監。))。名前が明かされたのはS.5からで、それまでは「内村警視長」表記だが、実はS.2-16で一瞬映っている。東京都江戸川区新葛西在住。血液型はB型。左利き。 勝手な捜査をする特命係を部長室に呼び出しては「お前たちは首を突っ込むな!」などと一喝するが、大抵無視されるのがお約束。悪人面。所詮小物で自身の出世や保身以外に興味がなく、上層部の命令によって捜査方針や態度が二転三転することも多い。たまにミスを犯したトリオ・ザ・捜一を説教することもある。初登場時は部下に対しても敬語で話していた。 特命係を心底疎んでいたが、近年では活用法を見出した模様で、私用で動かしたり、重大事件において万が一の際の責任を右京や中園に押しつけつつも右京の提案を聞き入れたりすることもある。こちらも時々萌キャラになる。 S.16-最終話では裏社会との癒着が言及されており、S.19-10では昵懇の間柄である広域指定暴力団「扶桑武蔵桜」が絡む事件で頭部に重傷を負い、一度は死亡宣告されるも奇跡的に蘇生した。 しかし、「出世のために蔑ろにしてきた正義を取り戻したい」と宣言し、以後は&bold(){人が変わったように}正義感に目覚めるようになり、扶桑武蔵桜も容赦なく摘発したり、長年遺恨があった特命係とも固く握手を交わして寛容な態度を示すようになったりするなど、臨死体験を機に文字通り[[生まれ変わったようだ>きれいなジャイアン]]。 だが、不注意で階段から転落した際にまたしても頭を打ち、生死の境をさまよった末に再び元の官僚主義的な人格に戻ってしまった(S.22-9)。 ・&bold(){[[中園照生]](なかぞの てるお)} 演 - 小野了 PS.1から登場。警視庁刑事部参事官で階級は警視正。生え際が気になる内村の腰巾着。内村ともども名前が出たのはS.5からで、それまでは「中園警視正」表記。東京都港区白金台在住。血液型はA型。左利き。 内村と同じように特命係を疎んでおり、彼とセットで登場しては、2人を説教するのがお決まりのパターン。しかし彼ほど嫌ってはおらず、たまに右京を評価しているような発言をしたり、捜査に参加させたりすることもあるほか、消息を絶っていた右京が生きていたことを知った際には満面の笑みで喜んでいた。 近年では横暴な内村の言動を腹に据え兼ねて反発することも多く、彼の失脚後は自分が刑事部長の椅子に座るという野望を持っており、さらに彼が転生して衣笠にも食ってかかるようになったことで板挟みになった際は思わず「何で生き返ったりなんかしたんだ」と吐露するなど、心底彼に同意しているというわけではない様子も見せる。 家族構成は娘と霊感の強い妻。本人は大切に思っているようだが、当の2人からは軽んじられている様子。 *****刑事部捜査第二課 ・&bold(){[[陣川公平]](じんかわ こうへい)} 演 - 原田龍二 S.3-6で初登場。捜査一課一係の経理担当で階級は警部補。通算8人目の相棒。美奈子(演 - 水崎綾女)という妹がいる。[[大阪府]]寝屋川市出身。 経理担当だが刑事になる夢が捨て切れず、二度も誤認逮捕を起こして特命係に左遷される(S.3-6)。欠員が生じたことですぐに復帰するものの、S.6で再登場して以降はたびたび特命係に厄介事を持ち込んでおり、一部を除いて各シーズンに1回は登場している。 真面目かつ実直で人柄もいいが、直情径行で思い込みが激しく、人の話を全く聞かない性格。美人に弱く、毎回のように事件で関わった女性に惚れるが、毎回のように撃沈して「花の里」で酔いつぶれるのがお約束。酒癖も悪く、酔うと「(お)杉さん」などの馴れ馴れしい呼称になってしまう。 右京に対して尊敬の念を抱いており、「敬愛する刑事」と公言している。自分より後に特命係にやってきた尊や享に対しては先輩という立場で接していたが、亘に対しては一転、コーヒー通や法務省からの出向ということで「先輩」と呼んで慕っており、彼が巡査として警視庁に入庁してからも変わっていない。 また、青木には刑事の先輩という立場で接している。 しかし、[[S.14-12>陣川という名の犬(相棒)]]では思いを寄せていたコーヒー店店主・矢島さゆみが殺害されたことか犯人への[[復讐]]を決意。右京と亘の追跡を振り切って自力で犯人を特定するという普段の彼らしからぬ非凡な捜査能力を発揮した。 その後、犯人に対して過剰に暴行を加えた上で奪った相手のナイフでとどめを刺そうとするが、すんでのところで駆け付けた右京と亘に阻止され、監察官聴取で取り乱して暴れたところを右京に嗜められた。 その後はスコットランドヤードへ研修に行き、S.16-11で帰国。ロンドンで知り合った女性に関する相談を持ちかけ、事件解決後は捜査二課への配属が決まり、念願の刑事になって「捜査二課のエース」を自称している(S.18-16)。 しかし、有給を取ってまで殺人事件の捜査をしていることから、あくまで一課への配属は諦めていない模様。 原田氏の弟である本宮泰風氏も劇場版II, S.11-11, S.17-10, S.20-19~最終話に出演している。 *****刑事部鑑識課 ・&bold(){益子桑栄(ましこ そうえい)} 演 - 田中隆三 S.15-1から登場。米沢の後任として登場した新たな鑑識で階級は巡査部長。 現場検証中は刑事すら立ち入らせようとしないなど、米沢とは違うベクトルで職人気質な人物。常に無愛想で右京に対してもぶっきらぼうに接するがその腕は確かで、上層部からの圧力を嫌うなど正義感の強い面も見せる。 同期の伊丹と親しく、彼の個人的な依頼で鑑識を動員することもある。米沢とは違って当初は特命係に対して邪険に接していたが、シーズンが進むにつれて態度は徐々に軟化してきている。 一方、いかつい言動とは裏腹に[[猫]]好きというギャップがあるほか、釣りが趣味のようで亘が手に入れた猫のレア物写真集や釣りの穴場といった買収に負け、特命係に協力することもある。 ****組織犯罪対策部 特命係の隣に位置しており((正確には薬物銃器対策課の部屋の中に特命係が設けられていると言った方が正しい。))、S.4までは生活安全部薬物対策課だったが、現実の警視庁の組織改革に合わせ、劇中でもS.5から組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課(通称「組対5課」)に改称された。 さらに、2022年4月には現実の警視庁で組織再編が行われたため、これに合わせてS.21以降でも薬物銃器対策課に改称されている。 ・&bold(){[[角田六郎]](かくた ろくろう)} 演 - 山西惇(中学生時代:吉田晴登) / 未涼亜希 PS.2から登場。警視庁組織犯罪対策部薬物銃器対策課長で階級は警視。 「&bold(){ヒマか?}」と言いながらコーヒーを淹れに特命係の部屋に入ってきて、会話に首を突っ込んでくるのがお約束。&font(l){忙しいはずだがこの人の方がよっぽど暇に見える。} 米沢と並んで特命係の能力を高く評価する数少ない人物で、捜査への協力も割と快く応じてくれる一方、組対各課の摘発の際には協力させているため、お互いに持ちつ持たれつやっている。 気さくな性格で飄々としているが、叩き上げで警視に出世しただけあってなかなかの切れ者で、暴力団や薬物・拳銃の捜査については一流の腕を持っており、「角田課長がよろしく言っていた」の一言だけでたいていのヤクザが顔を引きつらせているあたり、その道ではかなりのプロである模様。 そして、組織犯罪対策部は仕事柄劇中でも有数の戦力部隊で、たまに暴力団と格闘しているほか、普段の温厚な印象から一転、怒鳴りつけたり暴行を加えたりすることがある。その戦闘力は圧倒的で、部下ともども出撃したら大体のヤクザ半グレは確保されている。 ・&bold(){大木長次郎(おおき ちょうじゅうろう)} ・&bold(){小松真琴(こまつ まこと)} 演 - 志水正義(大木)、久保田龍吉(小松) PS.1~S.17まで登場。角田の部下で、ほぼ毎回特命係を窓から覗いている2人組。階級は巡査部長。 会話をすることもあるが、セリフがなければ役名は表示されないことも多い。名前が明かされたのはS.6からで、それ以前は「大木刑事」「小松刑事」、PS.では単に「刑事」表記。 薫や伊丹とは同期の間柄。ヤクザ絡みの事件やガサ入れが必要な時は、特命係に捜査協力することもある。 もちろん本人たちも優秀な刑事であり、昔彼らの世話になったヤクザは大体ビビって接している。 ちなみに、名前に反して&bold(){大きい方が小松、小さい方が大木}であり、特命係に来たばかりの享が間違えたことがある。 なお、大木役の志水氏は2018年9月27日に逝去。撮影順の関係で第1話~第3話と第8話に出演しており、病気の影響からか痩せているようにも見える。第1話の最後には写真とともに追悼テロップが表示された。彼のその後の行方については不明。 また、S.18以降は小松の姿も確認されておらず、彼のその後の動向についても不明。ただし、2人とも公式サイトの相関図には引き続き掲載されている。 ****警務部 ・&bold(){[[大河内春樹]](おおこうち はるき)} 演 - 神保悟志 S.2-1から登場。警視庁警務部人事第一課主任監察官で、S.8以降は首席監察官である監察担当理事官。階級は警視→警視正。警察庁キャリアとして警視庁に出向中((実際の警務部首席監察官はノンキャリアのポスト。))。 初登場時は勝手な捜査をした特命係に対し、査問会の席で懲戒免職を言い渡すなど高圧的な人物のように描かれていたが、内心では彼らに期待していた節もあり、腹心の部下が遺体で発見された事件を機に、捜査に協力したり処分を引き延ばしたりするなど比較的良好な関係を築くようになった。 しかし、職務には忠実かつ厳格な人物であるため、監察官としての立場から対立することも多い。 常時携帯している錠剤(&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は&bold(){ラムネ菓子}}})をかじっている姿から「&bold(){ピルイーター}」の異名を持つ。&font(l){尊も分けてもらう場面がある。} 錠剤の中身は周囲に隠しているが、右京と薫には自ら告白し、亘からは得意の嗅覚で見抜かれている。 プライベート関連でとある秘密を持っている。 ****サイバーセキュリティ対策本部 『X DAY』やS.11-17などに登場した、岩月彬らが所属する生活安全部のサイバー犯罪対策課とは異なる部署である。創設には副総監の衣笠も関わっている。 ・&bold(){土師太(はじ ふとし)} 演 - 松嶋亮太 S.16-最終話から登場。サイバーセキュリティ対策本部第5課の特別捜査官で青木の同僚。サングラスを愛用しており、パソコンの名札は落語風のフォントになっている。 彼とはライバル関係らしく、互いに張り合ったり煽り合ったりするのが日常茶飯事。特命係から戻ってきた彼を「出戻り」と呼び、彼が拉致された事件で救出に貢献した際は嬉々として恩を着せるなど犬猿の仲(S.18-12)。 当初はスペシャルを中心に登場するサブキャラだったが、青木がS.20-最終話で内閣情報調査室に異動したことから、S.21以降は彼の役割&font(l){がそのまま降りかかった}を引き継いだようになっており、特命係や捜査一課への捜査協力や捜査本部への参加など出番が増加している。 薫からは「はじっち」というあだ名をつけられ、右京からもメールにおいて「青木くんなら5分はかかったでしょうが、あなたなら3分で可能でしょう」と言われて「見くびらないでください。2分で」と俄然やる気になるなどいいように扱われており、本人も「このままじゃ青木年男の二の舞」と嘆いていた(S.21-1)。 実質的に青木の後任のような立ち位置になっているが、果たして彼のような愛されキャラになることはできるだろうか。 松嶋氏はS.5-2にも出演している。 ****幹部 ・&bold(){衣笠藤治(きぬがさ とうじ)} 演 - 大杉漣→杉本哲太 S.15-1から登場。警視庁副総監で階級は警視監。権力に固執する典型的官僚ではあるが、サイバーセキュリティ対策本部の設立にも関わるなど、警察組織の改革にも意欲的に取り組む野心家の一面も見せる((現実においては副総監が本部長を兼任するが、彼自身はあくまで「設立のキーマン」としか言及されていない。))。1959年10月2日生まれ(中園役の小野了氏と全く同じ)。東京都文京区鈴森在住。血液型はB型。左利き。 明慶大学法学部を卒業後、キャリアとして警察庁に入庁。神奈川県警本部長や長官官房総括審議官などを歴任((経歴のモデルは第88代警視総監や初代原子力規制庁長官などを歴任し、現在テレビ朝日取締役を務める池田克彦氏。警視総監を副総監に変えた以外全く同じで、S.15-11での彼のデータでは当該時期がそれぞれ埼玉県警本部長と警察庁警備局長になっているが、S.16-12のエピソードに伴ってなかったことになっている。))。 法務省を事実上クビになって警視庁に入庁した亘に対し、一度は捜査妨害による報復として非捜査部門の総務部に追いやったものの、美彌子からの依頼を受けた峯秋の頼みで特命係へ異動させた(S.15-1)。 愛娘の里奈が唯一の目撃者になった事件以降(S.15-11)、初期は特命係だけでなく政敵の峯秋をも明確に敵視し、両者まとめて葬り去ろうと画策していた場面も見られた。 しかし、特命係が事件を未然に防いだ際は内々に感謝状と金一封を贈呈しており、峯秋とあんみつを食べながら「出来の悪い子」について語るなど、両者とも決して本心から嫌っているわけではない様子も見せる。 青木の父とは幼なじみの間柄で、彼が警視庁に配属されたのは衣笠のコネによるものである。青木が楓子を突き落した事件では、動機が『週刊フォトス』嫌いの自身を慮っての行動であると察し、峯秋に頭を下げてまで処分を特命係への左遷にとどめた(S.16-最終話)。 そして、自らの危機を救った彼の行動を評価し、幹部への根回しで古巣へと復帰させたが(S.17-10)、相変わらず問題ばかり引き起こす彼に愛想を尽かし、ついに決別した(S.20-最終話)。 大杉氏は2018年2月21日に逝去。後任には杉本哲太氏が起用された。大杉氏は撮影に参加していたものの全ての撮影は終えていなかったため、改めて杉本氏で撮影し直すことになったという((本作のレギュラーキャストの逝去は大杉氏が初で、かつ後任が置かれたのは衣笠が唯一である。))。S.16-18の最後には2018年2月21日には追悼テロップが表記された。 なお、大杉氏はS.2-6、杉本氏はS.5-11にもそれぞれ出演している。 ***警察学校 ・&bold(){[[米沢守]](よねざわ まもる)} 演 - 六角精児 / 華形ひかる PS.2~S.14-最終話までレギュラー登場。警視庁刑事部鑑識課で階級は巡査部長→警部補。血液型はB型。所轄署の鑑識係にいたところを本庁に引き抜かれた経緯がある。 まさかのスピンオフ映画が作られた鑑識。嫁に逃げられ、未だに探している。&font(l){その嫁が美人なのが非常に苛立たしい。} 右京とは落語仲間。鉄道・ゲーム・ギター・昆虫・漫画喫茶と、右京に負けず劣らず多趣味で存在感が強い人物。 回を増すごとに登場頻度や特命係との交流が増え、右京のもう1人の相棒と呼んでも差し支えないくらいになっているが、自身の都合に構わず働かせたり、早朝に呼びつけた挙句水臭い態度をとったりする右京の態度に反発することもある。 長年特命係を支えていたが、S.14-最終話で突如警察学校教官への異動辞令が下され、右京と亘に別れを告げた。前触れもなく突然卒業になってしまったため、その理由は後付けという形でS.15-13で補完されている((実際の警察学校教官の階級は警部か警部補で、巡査部長は助教を務める。S.21-20では階級章が警部補になっている描写がある(公式サイトの相関図では巡査部長のまま)。))((六角氏は後年、番組を降板した理由について「撮影に7か月間も拘束されて他の仕事が入れられなかったから」と述べている。))。 劇場版IVでは教官として登場するが、上層部の命令や早く現場に復帰したい思いから、特命係と関わりたくない態度を露骨に出すようになっていたが、そんなことを気にする右京ではないので効果は薄く、結局は渋々ながら力を貸している。 時間の経過か、S.16-5以降で登場した際は協力的になっている。 帰国した薫と再会した際の回想シーンでは薫と同じく人に教える立場であることを語っており、今では教官としての仕事にやりがいを感じている節もある(S.21-20)。 六角氏はPS.1では&bold(){米沢}という同名の監察医役で登場していたが、米沢守とは別人である。 ***警察庁 ・&bold(){[[小野田公顕]](おのだ こうけん / きみあき)}((従兄弟の雁屋耕大によれば本当の読み方は「きみあき」であるという(S.12-最終話)。S.1の公式サイトでは「きみあき」と表記されていた。)) 演 - 岸部一徳 / 夏美よう S.1-1~劇場版IIまで登場。警察庁長官官房室長で階級は警視監。通称「&bold(){官房長}」((オフィシャルガイドブックによれば「官房長」は官房室長の略称であるとされており、実際に警察葬時の看板には「官房室長」と表記されている。一方、現実の警察庁に実在するのは警察庁長官官房で、その長は「官房長」である。官房長官(内閣官房長官)とは別物なので注意。))。1947年6月4日生まれ。 [[群馬県]]出身の次男坊で、東京大学進学を機に上京。当時は学生運動に参加していたらしく、赤いカナリアの幹部である本多篤人とは友人にして同志だった((もっとも、彼ほどの真剣さや度胸はなかったことから早々に転向したようで、彼が革命戦士として名を馳せた頃にはせっせと公務員試験の勉強に励んでいたという(S.8-1)。))。卒業後はキャリアとして警察庁に入庁。1987年の公安部参事官時代には外務省公邸籠城事件を解決するため、非公式に「&bold(){緊急対策特命係}」を結成。作戦参謀に当時捜査二課のエースだった右京を招集し、[[SAT>SAT(日本警察)]]から精鋭5名を選抜した。 しかし、アメリカ国務長官来日の知らせを受けたことで強行突入の構えを見せ、拒否する右京を解任。結果、事件は多くの死者を出す大参事で終わってしまい、上層部の判断で右京は特命係に押し込められてしまう(S.1-11)。対照的に、彼自身はその後も出世コースを歩み、「[[チヨダ>公安警察]]」の管理官や公安部長などを歴任して現在に至るが、内閣官房長官の朱雀武比古の怒りを買って一時期長官官房教養課長に降格されたこともある(S.3-2~3)。 特命係に対しては自ら後ろ盾になって処分の先延ばしや復活に寄与する一方、各方面に多大なつながりを持っており、右京とは違って大局的な目で犯罪を見逃すことも許容しているため、特に警察や政府の不祥事・陰謀が絡んだ事件では体裁や国益を守る立場からしばしば対立している。よくも悪くも特命係の存亡は彼の裁量次第であり、その点では&bold(){最大の味方で、最大の敵。} とはいえ、彼の行動原理は威信や大義を守ることに一貫しており、私利私欲で動いた場面はなく、決して人命を軽視しているわけでもない。同時に警察官僚としての彼なりの正義感も強く持っており、権威を利用して犯罪を隠蔽しようとした人物に対して制裁を下したこともある。 右京とは上記の事件から因縁の関係といってもいいが、今では一緒に食事に行くなど不思議な縁で結ばれており、相容れないながらも互いの信条自体は理解し合っている。 S.6-最終話で彼が発言した「&bold(){杉下の正義は時に暴走するよ}」という言葉は右京の性格を端的に表現しており、実際にその言葉通りの事態になることもしばしば。 だが、自らを殺していい人間に右京を含めるなど、本心では罪悪感も抱いている(S.1-11)。 劇場版IIではかねてから予定していた警察庁の&bold(){警察省}への格上げを実現すべく、長官の金子文郎とともに警視庁籠城事件を利用し、反対する幹部たちを警視庁から追い出そうとするが、2010年7月20日、組織改革の煽りで見せしめのごとく1人だけ懲戒免職にした生活安全部長の三宅貞夫に刃物で刺され、右京に看取られながら「おかしいね……殺されるならお前にだと思ってたのに……」との言葉を残して殉職。 その後もさまざまな裏取引や裏工作の際に名前が挙がったり、時の権力者からも信奉されたり、果てには自身の遺骨が盗まれたりするなど、死後もなお各所に影響を残し続けている。 ・&bold(){甲斐峯秋(かい みねあき)} 演 - 石坂浩二 S.11-1から登場。警察庁次長で享の父。階級は警視監。血液型はA型。東京都世田谷区成城本町在住。 オーストリア大使館やエルドビア大使館に赴任した経験があり、県警本部長などのポストを歴任後2012年夏に帰任し、次長に就任した((警察庁次長は基本的に官房長や局長からの昇格が多いが、彼は地方から帰任した上での就任であるため、前職は大阪府警本部長の可能性が高いが詳細は不明(道府県警本部長では最上位で本庁局長級の待遇)。実際に鈴木良一氏と佐藤英彦氏が該当するので全くあり得ない話でもない。))。 劇場版IIで殉職した小野田の立ち位置を引き継いだ人物であり((小野田の警察庁長官官房「室」長というポストはあくまでも架空の役職だが(警察庁長官官房長は実在)、警察庁次長は実在する文字通りの「警察庁No.2」で、基本的に次期長官にあてがわれる超重要ポストになっており、指揮系統の面では警視総監すらも上回る「警視監第1位」。))、次長時代は自身や組織の利益のためなら非合法的な手段も辞さない場面もあった。 しかし、小野田ほど特命係と対立してはおらず、下記の降格後も含めて全体的には支援する役回りの方が多い。同時に警察官僚として強い信念を持つ漢という一面も明かされている。 大学の後輩でもある右京や美彌子のことは高く評価しており、さまざまな面で協力を惜しまない。東京大学卒ではないが元法務省キャリアである亘のことも買っており、彼の特命係配属に貢献している(S.15-1)。 他方で、次男である享との仲は険悪そのもので、「東京大学、それも法学部以外認めない」というエリート意識から、早慶大学卒の彼を当然に認めておらず、「息子としても警察官としても出来が悪い」と酷評し、初期は何かにつけて警察を辞めさせたがっている場面も見られた((他方で、期待通り東京大学を卒業した長男の秋徳との関係は悪くなく、服役中の享に代わって結平の父親代わりを務めている。))。 しかし、彼が警視庁に入庁するまでの経緯を右京から聞いた際には笑顔を見せており、衣笠との会食の際には享を思い浮かべるなど、本心ではそれなりに愛情を抱いている。 S.14以降は享が起こした事件の責任を取る形で長官官房付の閑職へと降格になったものの((「長官官房付」はあくまで不祥事や引責辞任などで更迭された警察官が懲戒処分や次の異動先が見つかるまでの一時的な措置に過ぎないが、S.22現在もこの措置が解除される様子は見られない。一応、S.11-10では政敵がいることが示唆されてはいる。))、中園がS.14-1で「緊急避難的措置」と語っていたように形式的な処分に過ぎないようで、特命係の人事や処分に便宜をはかるなどその影響力は全く衰えていない。 その後、衣笠から打診された「特命係の指揮統括役」への就任を熟慮の末に承諾し、組織図上では特命係を配下に置く上司の立場になっている(S.16-2)。 ***法務省 ・&bold(){日下部彌彦(くさかべ やひこ)} 演 - 榎木孝明 S.14-1から登場。法務事務次官。検事の資格は持たないが、前任者の急逝を受けて次へのつなぎとして例外的に起用された経緯があり、そのためにこれ以上の出世は見込めないが((事務次官は他省では官僚トップの役職になっているが、法務省においては検察庁が本省を呑み込むような人事体系になっており、法務事務次官は検事総長への出世コースの通過点に過ぎない。よって、事務次官をはじめとする省内外の管理職はほぼ検事の資格を持つ人で占められている。))、その分どんな圧力にも屈することなく思い通りの行動を取っている。 法務省時代の亘の上司で理解者。非常に親しい仲であり、彼の要請にも臨機応変に対応する度量を見せるほか、脅すような言葉の裏で発破をかけたり、警視庁で生きがいを見つけた彼の背中を押したりもした(トドメ的な意味も含めて)。 逆に日下部も、法曹関係やその他あらゆる方面に顔が広く、かつ自由度の高い亘をよく使う。彼が警視庁に移籍してからも引き続き信頼しており、ヤロポロクとの関係が噂されている美彌子に対して探りを入れるために身辺調査を依頼したこともある(S.15-1)。 右京にはかねてより着目していたが、注目していた女性検事の些細な不正を彼が明らかにして辞職に追い込んだことに激怒。「私は君を許さない」と敵対宣言し、亘が巻き添えになってでも特命係を潰そうと考えるようになった(S.15-8)。 S.17-10を最後に登場しなかったが、S.20-19~最終話で久々に登場。少なくとも特命係を敵視しているような描写はなく、相変わらず美彌子に関心があり、亘を通じて近況を引き出そうとするほか、「霞ケ関の盲腸」とも揶揄される公安調査庁の地位向上を画策しており、その一環で彼を特命係からスカウトし、改革を託した(S.20-最終話)。 ***内閣情報調査室 ・&bold(){社美彌子(やしろ みやこ)} 演 - 仲間由紀恵 S.13-1から登場。ロシア人スパイ、&bold(){ヤロポロク・アレンスキー}の亡命に絡む連続殺人事件で特命係と関わったキャリアウーマンで階級は警視→警視正。1974年5月3日生まれ。東京都世田谷区西代沢在住。血液型はO型。 東京大学法学部出身で[[将棋]]部に所属しており、右京と同じ恩師に学んでいた。卒業後はキャリアとして警察庁に入庁し、組対2課や長官官房国際課への配属を経て、内閣情報調査室に総務部主幹として出向していたが、上記の事件を受け、警視庁総務部広報課長に就任した(S.13-1)。 S.14では出番がなかったが、S.15から再び登場。厄介払いで広報課に配属された亘の上司になったが、彼から自身の身辺調査を行っていることを明かされると、亘を特命係に異動させるよう峯秋に依頼した(S.15-1)。 世間からは「美人広報課長」として知名度も高い。持論としては「公安調査庁不要論」を掲げており((ただし、亘によればこれは美彌子に限った話ではなく、警察キャリアの共通認識である模様。))、鑓鞍とは違って格下げどころか完全に不必要と考えている模様(S.16-13, S.20-19)。 特命係の能力は認めており、全幅の信頼を置いているがうまく口車に乗せて巧みに利用することもある。峯秋からの信頼も厚く、秘密裏な調査を請け負ったり相談事をしたりしている。 スパイの協力者を「国賊」と言い切って断罪する一方、ヤロポロクとは男女の関係になっており、彼との子どもと思われる娘・マリアがいる。そのため、彼との関係について追及や脅迫を受けたりするなど、不幸な出来事には事欠かない。 S.17では仲間氏の産休明けで第10話より復帰し、S.19-1では女性の立場向上を狙うべく、「警視庁ガールズボム(KGB)」のメンバーでもある麗音の捜査一課配属を衣笠に働きかけた。 そして、S.20-3では内閣官房長官の鶴田翁助の策略により、内閣情報調査室トップの&bold(){内閣情報官}に抜擢されるという異例の人事になり((内閣情報官は事務次官や警察庁長官級の要職で、基本的に局長級の警察キャリア(警視監)にあてがわれる。そのため、優秀なキャリアとはいえあくまで一介の警視正でしかない美彌子が登用されることはまずない。))、鑓鞍への事前の根回しもあってか鶴田の失脚後もそのまま留まっているが、内閣情報官という要職になってもなお変わらず気軽に頼み事をしてくる右京に対して内心辟易している節がある。 一方で、彼女にとっては内閣情報官という立場もあくまで通過点でしかないようで、自らへの銃撃事件を利用してまで警察の勢力図を刷新しようとするなど、ゆくゆくは警察官のトップにのし上がろうとするというキャリアゆえの野心ものぞかせている(S.22-1~2)。 仲間氏の夫である田中哲司氏もS.8-14に出演している。 ・&bold(){青木年男(あおき としお)} 演 - 浅利陽介 [[S.14-15>警察嫌い(相棒)]]で初登場し、S.15-1~S.20-最終話までレギュラー登場。サイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官で階級は巡査部長。1987年11月1日生まれ。東京都渋谷区恵比寿本町在住。血液型はAB型。文教館大学経済学部卒で[[情報処理安全確保支援士(登録情報セキュリティスペシャリスト)>情報処理技術者試験]]の資格を持つ。 元々は大田区に住む区役所勤務の公務員。自宅の向かいで起きた女子大生殺人事件の唯一の目撃者で、[[その光景をビデオで撮影していた>覗き]]にもかかわらず、「捜査に協力しなければならない義務はないし、協力を断ったところで罰せられるわけでもない」と捜査協力を一切拒否するほどの異常な警察嫌い。 最終的に右京の策に陥って面通しさせられ、ビデオも提出する憂き目を見たが(S.14-15)、この一件で屈辱を味わわされた右京と亘に復讐すべく、父親と竹馬の友である衣笠副総監のコネで警視庁に入庁し、新設されたサイバーセキュリティ対策本部第5課の特別捜査官になった(S.15-1)。 以来、特命係とは友好的に接しており、米沢に代わる新たな協力者になっているが、初期は2人への恨みを晴らすために裏で暗躍する場面も見られた。 シーズンが進むにつれて復讐心は皆無になっているが、2人への嫌味や変な噂を流すなどの嫌がらせは変わらない。 かなりの偏屈で日頃から嫌味な言動が多く、その性格から本人も友だちが少ないと公言しており、同期でもある亘が数少ない友人である。 しかし、実際には年齢や身長差もあってか、同期とはいえ階級上は格下の彼からは常にため口で((ノンキャリアで採用された警察官は亘のように巡査を初任とするが、財務・科学・コンピュータといった専門性を必要とされる「専門 / 特別捜査官」については経験者や有資格者を採用しているため、巡査部長以上の階級を初任とする場合がある。))、頭や顔を撫でられたり右京ともどもいいように利用されたりと、扱いは若干雑だが。 警察の不祥事をたびたび記事にする楓子のことは目障りと思っていたらしく、ついには彼女をエスカレーターから突き落とす事件を起こしたが、特命係によって暴かれる。ひたすら過失傷害を主張し続けた末、彼の真意を察した衣笠の配慮で特命係に左遷されることになり、内村のツテでケジメもつけられた(S.16-最終話)。 その後は部屋の一角を仕切りで区切って引きこもり、2人とは極力関わらない姿勢を取っており、伊丹から「特命係の青木年男~!」と呼ばれた際には、初期の薫のように特命係の一員であることを否定する場面もあった。 しかし、衣笠の危機を救った功績が評価され、ようやく古巣に復帰したが(S.17-10)、その後も特命係との関わりは続いている。 亘に対しては偉そうに接しつつも、いざ彼が目の前で刺された際は大声で名前を叫び救急車を慌てて手配するなど(S.20-18)彼なりに友情を持っていたようで、それだけに彼が飲みに行く約束を2度もすっぽかしてマリアと密会していたことは無性に腹立たしかったらしく、「&bold(){警視庁現役警察官がパパ活!?}」なる怪文書を作成して警察庁と警視庁内に拡散するも、これには衣笠にすら愛想を尽かされてしまい、庁内でも微妙な立場になってしまったところを責任を感じた亘の美彌子への推薦によって内閣情報調査室に移籍した((劇中では言及されていないが、公式サイトの相関図によれば亘と同じく警視庁を退職した上での転籍である模様。))(S.20-19~最終話)。 その後も右京からは&font(l){いいように利用されているようで}頼りにされているようで、S.21-11では内調に保管されていた袴田の殺人教唆の音声データを右京に提供し、事件解決に貢献している。 浅利氏はS.6-10にも出演しているほか、S.20-最終話では衣笠の持っていた写真の中ではあるが、父の網一郎としても兼役で登場した(ノンクレジット)。 ***政治家 ・&bold(){瀬戸内米蔵(せとうち よねぞう)} 演 - 津川雅彦 S.2-最終話~S.16-13まで登場。衆議院議員にして徹正院の住職「照妙」でもある。初登場時は法務大臣で、その出自から一度も死刑執行命令書にサインしなかったことが語られている。 常に江戸言葉の一本筋の通った性格で、非常に強い正義感の持ち主。特命係を高く評価する数少ない人物の1人で、捜査への協力も惜しまない。一方で、その経験から右京の慧眼には恐れも抱いている。 交友関係は広く、雛子とは外務大臣の父と盟友だったことから親交があり、「雛ちゃん」と呼ぶこともある。小野田とも古くからの友人で、[[閣下>北条晴臣(相棒)]]の保釈や彼による「証人保護プログラム」にも関わっていた。 人命尊重の信念から紛争地帯で働くNGOの活動を支援しており、資金集めのためのパーティで得た収入を全額寄付していた。しかし、現地政府の腐敗から支援物資が子どもたちに満足に届いていない現状に義憤を持ち、送った支援物資を買い戻し、それで得た利益をNGOに寄付するといった不正に手を染めてしまう。しかし、それがNGOのスタッフだった薫の友人が殺害される事件へと繋がってしまい、真相が発覚して特命係に逮捕された((やむを得ない動機ゆえに世間からは同情論も多かったが、亘は「法務大臣なのに死刑を執行しない」という矛盾する言動について批判的な意見をのぞかせている(S.16-13)。彼は元法務省だったことから当時の部下にあたるが、もちろんいくら法務大臣と言えども全ての職員を知っているわけではないため(本省5万7000人、非常勤職員5万5000人いる)、口ぶりからして瀬戸内自身は彼のことを知らなかった模様。))。(S.7-1~2)。 その後、懲役10年の刑が下されたもの、本多篤人が釈放された際には特命係を呼んでそのことを伝えたり(S.9-最終話)、闇社会の大物が絡む立てこもり事件が発生した際は自ら人質になったりするなど(S.12-最終話)、服役中も特命係とたびたび関わってきた。 さらに4年後、仮出所を果たして実家を再興しようとするも、雛子による得度や白骨死体の出現など、またもや事件に巻き込まれることになった(S.16-13~14)。 上記の通り、各相棒の期間中に1回は登場しており、全相棒と面識がある。S.4-1では津川氏の実の兄で閣下役の長門裕之氏と兄弟で共演を果たした。 津川氏は2018年8月4日に逝去。衣笠とは違って後任は置かれなかったものの、S.17以降は鑓鞍兵衛が事実上の彼の後釜として新たに登場している。 ・&bold(){片山雛子(かたやま ひなこ)} 演 - 木村佳乃(高校生時代:安田愛里) S.3-1で初登場。長年外務大臣を務めた片山擁一を父に持つ女性衆議院議員で、外務大臣政務官・首相補佐官・内閣官房副長官などを歴任した。生年月日は不明だが、初登場時28歳。若くして父親の地盤を引き継ぎ、S.20-最終話時点で当選5回の負けなし。 「身の回りで事件が起きるたびにそれを逆手に取り、まるで糧にするかのように大きくなっていく人間」と右京に評されるように、トラブルの都度、巧みな話術や法の盲点を駆使して自らに不利な事件や事実だけは隠ぺいし、それらを逆用してのし上がる強かさと狡猾さを持つ女傑。その影響力は広く、警察組織とも太いパイプがあって公安を手足のように使うとされる。 表向きは父親の汚職すら公表したことで清廉な政治家になっており、国民からの人気は非常に高い。一方で、秘書による不祥事が判明した際には自殺するよう暗にほのめかすなど、保身のためなら手段も選ばない冷酷な一面も持つ(S.3-2)。 父親の悲願だった内閣総理大臣の椅子を目指すべく、首相補佐官時代のS.9-最終話では「赤いカナリア」との取引による本多篤人釈放の責任を法務大臣と公安調査庁に押しつけ、官房副長官時代のS.14-10では内閣官房長官の音越栄徳と組んで新会派を設立、総裁選への出馬を宣言する。 しかし、音越が船上パーティ中に本多らが起こしたテロで殺害され、新会派は頓挫。引責辞職して表舞台から姿を消した。 S.16-13で再登場し、出所した瀬戸内の元を訪れて尼になったが、未だに政界復帰への野心は失っておらず、出家も世間からの注目を集めるパフォーマンスに過ぎない。 その後は武器輸出を推進する「防衛技術振興協会」の顧問を経て(S.18-1~2)、S.20-19では東京7区から無所属で立候補し、刺客候補として[[山梨県]]の選挙区から国替えした鑓鞍を打ち負かして見事当選し、政界へ返り咲いた(S.20-最終話)。 瀬戸内と同じく、歴代相棒全員と面識がある。 木村氏の夫である東山紀之氏は2015年以降、主に夏シーズン(7~9月)の水曜21時枠である『刑事7人』で主演を務めており、同作が最終話に近づくと本作の予告が始まることが多い。 ・&bold(){鑓鞍兵衛(やりくら ひょうえ)} 演 - 柄本明 S.17-1で初登場。国家公安委員会で委員長を務める衆議院議員。選挙区は山梨県。当選9回。 常に飄々としており、本心がどこにあるのか分からない人物。耳のよさを自慢しており、自他ともに認める地獄耳。国家公安委員の一人が関わった学校法人理事長殺害事件において、警察組織の中で独自の動きを見せる特命係に興味を持つようになる(S.17-1~2)。彼らを「(甲斐さんとこの)若い衆」と呼ぶこともある。 津川氏の逝去によって再登場が困難になった瀬戸内のポジションを引き継いだ人物で、当初は特命係を手助けする場面も多く、本心かどうかはさておき「もし警察をクビになったら事務所で雇ってあげてもいい」と語ったこともあったが(S.18-2)、次第に右京を警戒するような素振りも見せており、彼を「警視庁妄想モンスター」と罵倒する記事が出回るよう仕向けたこともある(S.21-2)。薫のことは当初女性だと勘違いしていた。 男女共同活躍推進会議の顧問も務めることから女性の社会進出に寛容で(S.20-19)、中でも美彌子のことは高く評価しているらしく、鶴田が失脚した際には彼女の内閣情報官就任人事を白紙に戻すべきだと主張する閣僚たちを説き伏せ、留任に導いている(S.20-3)。一方で公安調査庁のことは軽視しており、公安調査局に格下げさせるべきだと閣議で進言したこともある(S.20-19)。 党の選挙対策委員長時代には秘蔵っ子の議員だった王隠堂鷹司に対して無情にも党の公認を外すという仕打ちを行ったが、これは秘蔵っ子と持ち上げられた彼が若手を集めて改革と勉強会を始めたことで党の長老の逆鱗に触れたためであった。鑓鞍自身は忠誠心を試されていると感じつつも、お灸を据えるいい機会と判断してこれに従ったが、鷹司は無所属で立候補して落選した上に事故死(自殺と判明)する結果を招いてしまい、彼の関係者から恨みを買って襲撃されたこともある(S.20-19)。 また、雛子のことはS.14-10での一件から好ましく思っておらず、息の根を止めるために地元の選挙区を秘書に譲り、自らは雛子の選挙区でもある東京7区に刺客として国替えする(S.20-19)。最終的には雛子に敗れて落選するも、実際には比例区での復活当選も織り込み済みの国替えだったようである(S.20-最終話)。 当選後はサルウィン親善使節団のパーティに一緒に出席するなど、表向きは友好的な間柄になっているようだが……(S.21-1)。 次男の柄本時生氏もS.8-16、その元妻である入来茉里氏もS.12-9にそれぞれ出演している。 ***記者 ・&bold(){風間楓子(かざま ふうこ)} 演 - 芦名星(幼少期:古川凛) S.15-最終話~S.19-2まで登場。ゴシップ誌『週刊フォトス』を発行している葉林社の記者。 美彌子の隠し子疑惑を記事にしたことから特命係と出会い、以降もスペシャルを中心に登場しており、たびたび関わっている。その性質上、警察の不祥事も容赦なく記事にするため、衣笠をはじめとする上層部からは快く思われていない。 しかし、彼女個人としては特命係や雛子と良好な関係を築いており、捜査に協力したり、「花の里」や「こてまり」で一緒に飲んだり、仮出所した瀬戸内や[[北海道]]で行われた防衛技術振興協会のシンポジウムをスクープしたりしている。 S.16-最終話では、関西の広域指定暴力団・銀龍組の傘下である「風間燦王会」の娘だったことが判明。しかし本人はその立場を嫌っており、過保護過ぎる母親や組員の干渉を本気で嫌っていた。 だが、「拳銃を隠すためにてんやわんやしていたことが懐かしい」と特命係に語るなど、多少の愛着はあったようだ。&font(l){一応は刑事である2人の前でそういうこと言ってしまうあたり、どこかずれている模様。} 警察を非難する記事を好んで書くのもそんな奴らと育った結果で、衣笠の心中を察した青木に突き落されたこともあるが、その際に居合わせた6人を盗撮するなど、かなり抜け目がない強かな女記者でもある(S.16-最終話)。 その強かさは時に敵となり、時に味方となり、影響力のあるメディア記者として活躍していたが……。 芦名氏は2020年9月14日に逝去。S.19-1の最後にはこれまでの出演シーンとともに追悼テロップが表示された。 テレビ朝日によれば代役を立てる方針はなく、水谷氏やスタッフも「芦名氏の代わりなんていない」という思いでいるとのこと。 実際に『週刊フォトス』自体も劇中での登場がなくなっているが、S.19-19では茉梨が「フォトスの楓子さん」と発言する場面がある。 **その他 ・&bold(){浅倉禄郎(あさくら ろくろう)} 演 - 生瀬勝久(幼年期:下城正義、少年時代:関口龍之輔) PS.2で初登場。東京地検刑事部の敏腕検事として活躍する一方、裏では狂気に満ちた連続殺人鬼「&bold(){平成の切り裂きジャック}」の一面を持っていた。 薫や美和子とは大学時代の無二の親友で、特に薫とは同じ寮で暮らした仲。1963年4月25日生まれ。 母親が売春の常習者だった上に自らが「不義の子」だったことがトラウマになり、幼少期に車のブレーキを細工して事故に見せかけて殺害。7年前の札幌地検時代には婚約者が偶然にも裏で娼婦をしていたことを知ってしまい、車ごと海に転落した自殺に見せかけて殺害(表向きは交通事故死)。 これを機に彼は完全に壊れてしまい、ほぼ3年ごとに新天地に赴任しては娼婦を次々と殺害するようになっており((具体的な人数は不明だが、劇中では東京での5人に加えて自身の犯行だと気づいた検察事務官までも殺害しており、上記の2人と合わせて少なくとも8人は明言されている。さらに、「売春容疑」と記された19人の女性たちのリストが次々とめくられるシーンが描写されており、全員が被害者とするならば最大27人におよぶことになる。))、「生きている限り殺し続ける」ともはや自分自身でもコントロール不能な殺意で犯行を続けていたが、最後は特命係によって逮捕された(PS.2)。 逮捕後も薫との友情は奇妙な関係で続き、彼の依頼で少年の更生に一役買ったり(S.1-5)、逆に以前関わった迷宮入りの事件の再捜査を薫や美和子を通じて右京に依頼したりした(S.2-1)。 S.2の1週間前に裁判で死刑判決を受けるが、2度の脱獄の末に[[千葉県]]の崖から[[自殺]]を図る(S.2-1~2)。奇跡的に生還するも[[記憶喪失]]になり、ホームレスとして暮らした末に再収監されたが、結局記憶が戻らないまま獄中で次長検事の教唆を受けた刑務官に殺害されてしまった(S.2-最終話)。 死後、ある事件の容疑者として浮かび上がるものの、特命係の尽力により無実が証明された(S.3-18)。 本作の初期シーズンを代表するキャラクターで、死後も彼の存在感は衰えず、S.3-18では&bold(){亡霊}という形で復活し、S.4-4では所業の観点から名前が上がっている。 演じた生瀬氏の演技はまさに鬼気迫るもので、その狂気を脅威の眼力で見事に表現した。 彼に匹敵する強い個性をもった犯罪者は本作の長い歴史の中でも数人に限られるほか、後のS.16~S.18では人物像や結末が類似した[[南井十]]が登場した。 ・&bold(){ヒロコ} 演 - 深沢敦 S.1-3で初登場。この時は焼肉屋の店主で、新宿で発生した事件を捜査中の薫と知り合う(S.1-3)。クレジットに名前はあるが役名は明かされなかった。 S.1-6で名前が明かされ、以後はゲイバー「薔薇と髭と...。」のママとして登場し、主に常連客絡みの事件で特命係に相談を持ちかけるようになる。S.6-13では愛犬が関わった事件で「花の里」に訪れたことで美和子やたまきとも知り合い、劇場版ではマラソンに参加した2人の応援に駆けつけている。 これを最後に音沙汰がなくなったが、S.18-18で約12年ぶりに登場。お気に入りの常連客が巻き込まれた強盗傷害事件の捜査を私的に依頼した。 彼とは頻繁に連絡を取っていたわけではないようで、当然ながら尊や享の存在も知らないため、亘を「彼が薫ちゃんの代わりに入った、右京さんの相棒ね?」と呼んだ((右京は「正確には『代わりの代わりの代わり』ですがね」と訂正し、亘は「別に代わりで特命係に入ったつもりはありませんけどね」とコメントした。))。 その後は麗音や茉莉とも知り合い(S.19-15)、S.21-15では帰国した薫とも再会した。 オネエという性質上、いつもハイテンションでとにかくキャラが濃い。多くの人物を名前で呼んでおり、亘を名前で呼んだ唯一のキャラでもある。 右京や薫をいたく気に入る一方、亘に対しては初対面の際に「この人信用できるの?」と右京に聞くなど警戒心を抱いていたが、再会したS.19-15では「無駄にイケメン」と呼ぶなど関係は改善された模様。 一方、同族嫌悪とも言える麗音には&font(l){命の恩人にも関わらず}「おかちめんこ」と呼んで何かと張り合っていた。「こてまり」に来店した際は茉梨を「ただ者じゃない」「いけ好かない女ね」と評し、&font(l){本来は事件解決のお礼のために特命係を通じて麗音に渡すはずだった}黄色の薔薇の花束を茉梨に渡して帰っていった((黄色い薔薇の花言葉は「友情」のほかに「嫉妬」の意味も持つ。))。 ・&bold(){矢木明(やぎ あきら)} 演 - 高橋克実 S.5-10で初登場した私立探偵。 ハードボイルド小説の金字塔である「フィリップ・マーロウ」をはじめとする推理小説や探偵のマニア。「マーロウ矢木」を自称し((かつては戸越銀座で活動していたらしく、その時は「サム・スペード矢木」を自称していた。))、西日暮里にある事務所も作者にちなんだ「チャンドラー探偵社」。 マーロウの定番スタイルであるトレンチコートと中折れ帽を常に身をまとい、バーボンを好み、マーロウの名台詞もしばしば使うなど古風なハードボイルド派を気取る。 見た目は冴えない中年男性で、尊や薫をあだ名で呼ぶこともあるなどお調子者かつ飄々とした言動が特徴だが、探偵としてはかなりの実力者。ギャルからホームレスまでさまざまな人々に顔が利き、事件の解決や尾行の振り切り(S.22-6)のために協力を依頼することもある。その人脈を駆使して写真1枚から5日ほどで目当ての人物にたどり着くなど(S.5-10)、右京も一目置く推理力はかなりのもの。 仕事は探偵業以外にも引っ越しの手伝いからペット探しまで何でも引き受けており、「依頼人との約束は何があっても最後まで守る」という強い信条を持つが、そのために危険な目に遭うこともしばしば。 高橋氏は2003年7月から2006年9月まで[[裏番組>トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~]]に出演しており、番組が終了したことによって本作への出演が叶った経緯がある。 また、元妻の兎本有紀氏もS.5-17, S.10-4, S.12-14に出演している。 ・&bold(){日野} 演 - 寺島進 S.5-11, S.13-10に登場。警視庁警備部の狙撃手で階級は警部補。下の名前は不明。 白髪交じりのオールバックにサングラスという、いかにもダンディな出で立ちの男。 現在に至るまで登場回数は上述した&bold(){2回}(どちらも元日スペシャル)と非常に少なく、「狙撃する展開が必要になった時に出てくるだけのチョイ役」に過ぎないが、その2回の登場でしたことが ・&bold(){&font(#ff0000){軽く数100mは離れている観覧車から、拳銃を持っている犯人の右腕だけを正確に撃ち、負傷させて自殺を阻止する}}(S.5-11) ・&bold(){&font(#ff0000){木の上という不安定な姿勢にもかかわらず、右京の後頭部に突きつけられていた犯人の拳銃だけを正確に撃ち弾き飛ばす}}(S.13-10) と、「警視庁一のスナイパー」の異名を持つだけあってどちらも[[ゴルゴ>デューク東郷/ゴルゴ13]]よろしく超人的な活躍で特命係の窮地を救っており、視聴者に対して妙に強い印象を残している。 ・&bold(){加西周明(かさい しゅうめい)} 演 - 石丸幹二 S.19-1で初登場。IT長者で、「掃いて捨てるほどある」というその圧倒的財力は政府からも無視できない存在になっている。 事業で築いた巨万の富をバックに自由奔放に暮らしており、インターネット上にPCゲームから発展させた仮想VR国家「ネオ・ジパング」を設立し、国王としてプレイヤー(国民)にも多額の金品を分け与えるなど、表向きは気前のよさで知られていた。 しかし、その本質は徹底的な拝金主義者かつ「&bold(){人間は金次第で何でもする}」と考える極めて傲慢な男で((石丸氏は加西の人物像について、「金がありあまってしょうがない人、多額の金さえ出せば何でも可能だと思っている人、人生はゲームだと思っている人――つまり、頭脳明晰だが、信じるのは金のみという自己中心的な男」と分析している。))&bold(){、億単位の大金をエサに公園で女性を全裸で躍らせたり、高層ビルを命綱なしに登らせたりさせるといった迷惑・危険・犯罪行為をさせて楽しむ}という外道な人物。6億で雇った実行犯・朱音静(演 - 日南響子)に麗音を銃撃させたのも「北上馬の交差点でいつも張っていて目障りだから」という極めて身勝手な理由からであった。 静の恋人が先の高層ビル登頂に失敗して転落死した事故を機に特命係が捜査を開始し、麗音銃撃の真相が明るみになって逮捕寸前まで追い詰められるも、鶴田を忖度した衣笠の鶴の一声によって逮捕を免れた(S.19-1~2)。 その後も自由を謳歌し、静に対しても大金と引き換えに証言を翻させるなどして徹底的に逃げ続けたが、好き勝手にやりたい放題してきたことで&bold(){殺し屋}に命を狙われてしまう。 あまりにも現実離れした「殺し屋」という言葉に、彼自身&font(l){および視聴者}は冗談と思っていたが、最終的には食事中の一酸化炭素中毒事故を装って&bold(){本当に殺し屋に殺害されてしまった}(S.19-19~最終話)。 その末路も、雇ったボディーガードと一緒に食事をしようと断られた際に「食べないとクビにするぞ」と無理矢理同席させたせいで一緒に命を落とすという体たらく。無関係な彼らも巻き添えにしてしまったことはもちろん、食事をしなければ一命を取り留めた可能性も高く、そういう意味では自分の傲慢さが仇となった形と言えよう。 常に他人を小馬鹿にした態度は警察も好意的ではなく、特命係からもぞんざいに扱われていた。 自身の悪事が露見しても、悪びれるどころか「いくら欲しいんだ?」と金で解決しようとしたり、殺し屋に狙われていると聞いた際にはそれを冗談と思いつつも守ってもらえるのが当たり前だと振る舞ったりと、とにかく厭味ったらしい男。 その傲慢っぷりと往生際の悪さ&font(l){、呆気ない最期}から妙に印象に残る男であるが、実は彼の遺したものはその裏に潜むさらなる巨悪を倒す切り札にもなり、バーチャルの世界で右京がなり変わる形で登場するなど、&font(l){石丸氏にギャラが発生した。}死してなお存在感を残したのであった。 石丸氏は番組スポンサーでもある「黄桜 辛口一献」のCMに2020年から出演。当然ながら登場回でも流れたため、「何してんだ加西」「死んだんじゃないのか」などといったツッコミが殺到した。 また、同局の長寿音楽番組『題名のない音楽会』の7代目司会を担当している。 ・&bold(){袴田茂昭(はかまだ しげあき)} 演 - 片岡孝太郎 S.20-11で初登場。与党である自生党の政務調査会長を務める衆議院議員。選挙区は東京27区で当選8回。1964年4月16日生まれ。政治家一族である袴田家の入り婿で、妻の虹子には頭が上がらない。公設秘書である息子の茂斗を後継者として育てている。 建設副大臣((建設省は国土交通省の前身、副大臣は2001年1月6日の中央省庁再編で設置された役職であるため、実際には建設省に副大臣は存在しなかった。もっとも、本作では国土建設省(S.8-5)や福祉衛生省(S.8-7など)といった架空の省が登場しているため、劇中世界では以前から副大臣が存在していたか、中央省庁再編後も建設省が存続していた可能性はある(ただしS.17-7では国土交通省、S.8-10などでは厚生労働省として登場)。))・国土交通大臣・防衛大臣・内閣府特命担当大臣・党国会対策委員長などを歴任した与党の重鎮で、超党派の議員を率いて『子供の貧困をなくす会』を立ち上げるなど、表向きは子ども政策に熱心な議員として知られていた。 しかし、「この国を動かすには低賃金で働く労働者の確保が必要不可欠」という思想を持ち、企業訴訟で経営者に有利な判例を積み重ねるべく、秘書の結城宏を通じて最高裁判所判事を懐柔しようとするも拒否されて負傷させ、さらには目撃者たちの口封じも画策し、捜査の手が及ぶや否や全ての罪を結城に押し付けるなど、実際には権力と利権に塗れた典型的な「悪い政治家」であった。 しかし、特命係によって真相を突き止められ、さらには結城への殺人教唆の証拠になる決定的な発言を右京に録音されるも、与党重鎮である彼に恩を売って支配下に置きたい美彌子によって録音データが削除されたため、全ての罪を結城に被せて右京の追及を逃れた(S.20-11)。 その1年後、S.21-11で再登場。政調会長こそ辞任したものの政界では隠然たる影響力を持っており、隠し資産である金塊の窃盗予告事件の際に右京と再会する。 相変わらず高圧的な言動で接し、昨年の一件について詮索しないよう牽制するなど往生際の悪さを見せていたが、事件を通じて茂斗の成長と行動に感激し、それと同時に上記のような悪い政治家の一面は出世の過程で身についてしまった不本意なもののようで、本来の彼は先代(義父)のような&bold(){清廉潔白な政治家}を目指していたことが判明。 さらに、当初は嘱託職員と知って侮蔑していた薫が茂斗に対し、「汚れなきゃ出世できないのが政界の現実かもしれないけど理想で現実に立ち向かってくれ。お父さんの果たせなかった夢を君が引き継げばいい」と熱く語りかけたことから、感謝の意を込めて正規の警察官として復帰できるよう衣笠に圧力をかけた。謝礼もまた権力を使ったものというある意味では彼らしい結果である。 その後、内調の青木を通じて右京が録音データを取り戻したことで捜査一課に連行された。しかし、その際に特命係を見つけた茂斗は&bold(){笑みとも取れる}表情を浮かべていた……。 *【ストーリー】 ここでは、各シーズンごとの特徴や見所を述べつつ、各回のストーリーを紹介する。 ネタバレ要素も含むので気にする人はここでバック。 **本編 S.18までは全シーズン共通で、最終話は2時間前後のスペシャルな上に普段より1時間早い20時00分から始まる回があり、さらにS.15までは初回も2時間前後のスペシャルだった。 また、S.7までは逆に30分遅い21時30分から放送される回もあった。 #region(クリックで展開・収納) #openclose(show=Pre season){ 土曜ワイドショー時代の『相棒』で、全ての始まりと言える最初のシーズンになっており、事実上の「&bold(){season0}」と位置づけられる。 いずれも脚本は輿水泰弘氏。陳腐なテロップにお茶の間フリーズしかねない下ネタなど、今日では考えられない作風ではあるが、各回冒頭の空撮をはじめとするお決まりの様式美はこの時から確立していた。 ・第1話「刑事が警官を殺した!?」 2000年6月3日放送。記念すべき第1話。勝部演之氏や甲本雅裕氏、中村綾氏や武野功雄氏がゲスト出演。 薫が捜査一課を追放されて特命係に左遷される、全ての原点たる最初の回。 ・第2話「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」 2001年1月27日放送。渡辺典子氏や仲根かすみ氏がゲスト出演。 角田・米沢・三浦、そして浅倉が初登場し、後のレギュラーキャラたちが出揃った重要な回。 視聴率は22.0%と歴代4位の記録を持つ。 ・第3話「大学病院助教授、墜落殺人事件!」 2001年11月10日放送。伊藤裕子氏や東根作寿英氏、銀粉蝶氏や中原丈雄氏、中丸新将氏がゲスト出演。 右京が病院に搬送されるという展開からスタート。爆発事故に巻き込まれた……と思いきや、実際には&bold(){盲腸}だったが。 } #openclose(show=season1){ 放送期間は2002年10月9日~12月25日、全12話。平均視聴率は13.1%。 前述の通り、S.1と言ってもPS.の設定や時系列をそのまま引き継いだ上でのストーリーであるため、何も知らずに第1話を見ると混乱する可能性がある点に注意。 連続ドラマ版の始まりで、小野田が初登場。最終話では特命係が誕生するに至ったエピソードが語られ、&bold(){しかも特命係が一時解散することになる。}ここでも、毎回のように下ネタが登場する。 劇伴音楽がPS.から大きくリニューアルされており、以降のシーズンでも継続して使われているものも多い。ただし、おなじみのオープニングテーマはこの時点ではまだ使用されておらず、全く違う曲になっている。 ・第1話「警視総監室にダイナマイト男が乱入! 刑事が人質に!? 犯罪の影に女あり…」 輿水脚本。連続ドラマとしては記念すべき初回。泉谷しげる氏や矢島健一氏、中村育二氏や純名りさ氏がゲスト出演。 男がダイナマイトを巻いて薫を人質に取り、警視総監との面会を要求するという前代未聞の大事件が発生。 ・第2話「教授夫人とその愛人」 輿水脚本。山本圭氏や洞口依子氏がゲスト出演。 第2話にして早くも国家公安委員が登場する。 ・第3話「秘密の元アイドル妻」 櫻井武晴脚本。小宮孝泰氏や大西結花氏がゲスト出演。 ヒロコが初登場。 ・第4話「下着泥棒と生きていた死体」 櫻井脚本。井田國彦氏や山崎一氏がゲスト出演。 所轄署の不祥事隠蔽をテーマにした最初の作品で、社会派サスペンスとしての本作の原点とも言える話。 ちなみに、約4年後の2006年7月13日に放送された『新・科捜研の女』においても類似したエピソードが放送されており、あちらの脚本担当も櫻井氏である。 ・第5話「目撃者」 輿水脚本。美保純氏や当時はまだ子役だった染谷将太氏がゲスト出演。 衝撃的な真犯人や浅倉の狂気が垣間見えるエピソードではあるが、彼の狂気がなければ将来的にもっと大惨事になっていたとも取れる。 それと同時に真犯人が事件を起こさなければ、別の意味で将来的にもっと大惨事になっていた可能性もある。 そういった意味も含めて、人間の弱さや醜さについて色々と考えさせられるエピソードである。 ・第6話「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」 砂本量脚本。モロ師岡氏がゲスト出演。 殺害された薫の知人に巨額の詐欺を行った疑惑が浮上。彼の無実を信じる薫と右京が辿り着いた真実は、あまりにやるせないものだった。 ・第7話「殺しのカクテル」 櫻井脚本。蟹江敬三氏や草村礼子氏がゲスト出演。 バー経営者が殺害される事件が発生し、右京は被害者の店で働くバーテンダーに疑いの目を向ける。 一方、薫は来日した美和子の伯母・アキコに振り回されていたが、実は彼女には事件と意外な関わりがあって……。 2019年に行われたファン1万人アンケート企画で1位に輝いた作品。 ・第8話「仮面の告白」 輿水脚本。長谷川朝晴氏や松下由樹氏がゲスト出演。 フランケンシュタインのマスクをかぶり、若い女性を襲う通り魔強盗犯の男が起訴されたが、裁判で薫や伊丹の捜査ミスが指摘されてしまい無罪判決が出てしまう。 あくまで彼が真犯人だと確信する2人はいがみ合いながらも捜査を継続するが……。 ・第9話「人間消失」 砂本脚本。山本未來氏や篠井英介氏、奥田達士氏がゲスト出演。 右京の大学時代の後輩が勤める会社で発生した奇妙奇天烈な現金強奪事件に、たまたま現場に居合わせてしまった特命係が挑む。 ・第10話「最後の灯り」 櫻井脚本。山谷初男氏や鈴木瑞穂氏がゲスト出演。 美和子が取材していた老映画監督がインタビューの最中に謎の窒息死を遂げてしまう。見知らぬ海岸で目を覚ました右京と薫が、今までの経緯を回想するシーンが物語の半分を占めている。 事件の真相と真実は悲しさとやりきれなさが残る。 ・第11話「右京撃たれる~特命係15年目の真実」 ・第12話「午後9時30分の復讐 特命係、最後の事件」 輿水脚本。シーズン最終話は初となる2週連続のストーリー。長門裕之氏や森本レオ氏、池脇千鶴氏や内藤剛志氏がゲスト出演。 特命係の廃止が予告され、右京は警察庁復帰・薫は運転免許試験場へ異動という内示が出る。それを不満に思う薫が退職届を書こうとしている頃、小野田と密会していた右京が何者かに狙撃されて重傷を負ってしまう。 特命係誕生の秘密が遂に明かされ、閣下こと北条晴臣が初登場する。 } #openclose(show=season2){ 放送期間は2003年10月8日~2004年3月17日、全21話。平均視聴率は12.7%。 大河内と芹沢、そして瀬戸内が初登場。PS.2に登場した浅倉との因縁が決着した。 今期以降、タイトルが『相棒 警視庁ふたりだけの特命係』から『相棒』と簡略化され、放送期間も10月~翌年3月の半年間になるなど、作品の大枠において今日の基礎をつくったと言える。 オープニングテーマはPS.2のアレンジだが、第1話~第14話と第15話~最終話で曲調が違う。 ・第1話「ロンドンからの帰還~べラドンナの赤い罠」 ・第2話「特命係復活」 輿水脚本。2週に渡るストーリーで大河内が初登場。須藤理彩氏や清水紘治氏、松下由樹氏がゲスト出演。 内容としては前期から続いており、右京は警察学校教官への異動を経て休職・薫は鮫洲運転免許試験場での勤務になっており、特命係は引き続き廃止中である。 浅倉からの依頼を受け、「特命係じゃない2人」が過去の事件を再捜査するが……。 ・ 第3話「殺人晩餐会」 櫻井脚本。山口美也子氏や渡辺哲氏、西尾まり氏や西田健氏がゲスト出演。 豪雨で孤立したオーベルジュ(ホテルを備えたレストラン)での密室殺人と思わせつつ、意外な動機に、凶器がまさか&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){冷凍イカ}}だったなんてあり得ないでゲソ。 ・ 第4話「消える銃弾」 砂本脚本。下條アトム氏がゲスト出演。芹沢が初登場した回で、さながら『[[ゴルゴ13>ゴルゴ13(漫画)]]』に出てきそうな凶器に唖然。 ストーリーもひたすらに悲しさとやりきれなさが残る。 ・第5話「蜘蛛女の恋」 砂本脚本。中島ひろ子氏や加藤貴子氏がゲスト出演。 右京の主治医である心療内科医が自殺。一方、数合わせでお見合いパーティに参加した薫と美和子は、会場でなんと伊丹と遭遇してしまう。 主治医の自殺を疑い、捜査を開始した右京がたどり着いたのは、なんと薫の参加したお見合い会場で伊丹と会話していたある女性だった。 心の問題を抱えている人のケアは、本当に生半可な覚悟ではできないことを改めて思い知らされるエピソードでもある。 ・第6話「殺してくれとアイツは言った」 砂本脚本。後に衣笠藤治役でレギュラー入りすることになる大杉漣氏がゲスト出演。 不用意な発言をしてしまったせいで命を狙われる、小野田の古い友人である小説家の話と思いきや……。 ラストの衝撃と後味悪さは、未だにシリーズの中でも上位に入るレベルであろう。 「消える銃弾」「蜘蛛女の恋」と並んで、古参ファンから「砂本3部作」と呼ばれる傑作回でもある。 ・第7話「消えた死体」 櫻井脚本。マギー氏や宮地雅子氏、宮澤美保氏がゲスト出演。 薫の知人である若杉栄一が初登場。 ・第8話「命の値段」 櫻井脚本。中原丈雄氏や国枝量平氏がゲスト出演。 事件の背後にあったのは、命の値段を勝手に決められた悲しみだった。 ・第9話「少年と金貨」 砂本脚本。六角慎司氏や当時はまだ子役だった須賀健太氏がゲスト出演。 「1枚2000万円の旧20円金貨」というとんでもないアイテムを巡る殺人事件。鍵を握るのは、現場近くで薫が出会った謎の父子だった。 ・第10話「殺意あり」 輿水脚本。鶴見辰吾氏や、バラエティ路線で再ブレイクする前の坂上忍氏がゲスト出演。 医療過誤をテーマに人間の業を描いた後味の悪い話。 『名探偵コナン』巻末の名探偵図鑑で、青山剛昌氏のオススメ回として紹介されているエピソード。 ・第11話「秘書がやりました」 輿水脚本。菅原大吉氏や室井滋氏、久松信美氏がゲスト出演。 永田町の常識は世間の非常識。&font(l){かくいう警察も似たようなものだが。} ・第12話「[[クイズ王>クイズ王(相棒)]]」 深沢正樹脚本。喜多嶋舞氏がゲスト出演。 クイズで犯人と対決するという一風変わった内容になっている。 ・第13話「神隠し」 輿水脚本。松尾貴史氏がゲスト出演。 帰宅途中に姿を消したある小学生の少女。特命係は偏屈なホームレスといわくつきの神父に着目するが、その裏には意外な真実が……。 ・第14話「氷女」 砂本脚本。木村多江氏がゲスト出演。 「心臓が凍った凍死体」という奇妙な行き倒れ事件が発生。自然死と思われたが、その真相は……。 ・第15話「雪原の殺意」 ・第16話「白い罠」 櫻井脚本。前田愛氏(([[同姓同名]]の声優とは別人の女優の方。S.6-6やS.19-18に出演している前田亜季氏の姉である。))や内田朝陽氏、小野武彦氏やマギー氏がゲスト出演。 初となるシーズン途中の2週連続エピソードで、北海道が舞台になる。 過去の事件に人生を狂わされた人々が交錯するやりきれないストーリーだが、結末はわずかに救いが残る。 後編ラストシーンの薫の涙は寺脇氏曰く演技ではないらしく、亀山薫のベストシーンに挙げられる。 ・第17話「同時多発誘拐~消えた16人の子供達」 砂本脚本。高田聖子氏や小市慢太郎氏、小林勝也氏がゲスト出演。 「16人の子どもたちが同時多発的に誘拐される」という前代未聞の大事件が発生。あまりの人手不足で捜査に駆り出された特命係がたどり着いたのは意外な真相だった。 警視庁副総監が初登場。 ・第18話「[[ピルイーター>ピルイーター(相棒)]]」 輿水脚本。山中聡氏がゲスト出演。 今期から登場した大河内の秘密が明らかになるが、一言で言うと&font(#ff0000){ガチホモマテリアル}。 放送当時こそ視聴者を騒然とさせたが、性的マイノリティへの理解が社会問題になっている現在から見れば、むしろ非常に先駆的な社会派エピソードとも言える。 以降のシーズンでもしばしば性的マイノリティを扱うストーリーが展開されており、どの回も概ね本人の苦悩や周囲からの偏見が描かれることが多い。 ・第19話「器物誘拐」 坂田義和脚本。小木茂光氏や久野真紀子氏がゲスト出演。 弁護士の愛犬が「誘拐」され、200万円の身代金を要求されるという奇妙な事件に特命係はどう挑むのか。 ・第20話「二分の一の殺意」 深沢脚本。吉本多香美氏がゲスト出演。 美人の双子姉妹の完全犯罪に特命係が挑む。 ・第21話「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」 輿水脚本。シーズン最終話。岸田今日子氏や国生さゆり氏、松下由樹氏がゲスト出演。 瀬戸内が初登場し、浅倉との因縁が決着する。 } #openclose(show=season3){ 放送期間は2004年10月13日~2005年3月23日、全19話。平均視聴率は13.2%。 各種音楽が前期からさらにリニューアルされ、オープニングで流れる例のメインテーマの原型もここで初めて確立された。&font(l){無駄にサブタイトルのある回が多いのも特徴。} 雛子と陣川が初登場し、特命係の部屋のデザインも今期から固定されるなど、多くの面でシリーズの基礎を築いたシーズンでもある。 シーズン中盤の2時間以上のスペシャルの伝統はここから始まったが、今期のみ元日ではなかった。 ある事情で薫と美和子が終始ギスギスしており、中途半端な回で再放送を観た視聴者を困惑させること必至。 ・第1話「双頭の悪魔」 ・第2話「双頭の悪魔II~堕天使」 ・第3話「双頭の悪魔III~悪徳の連鎖」 輿水脚本。雛子が初登場した回で、本作初となる3週連続の長編作。本田博太郎氏や佐戸井けん太氏、春田純一氏や竹中直人氏がゲスト出演。 首相補佐官の自殺に端を発した永田町の一大スキャンダルに、右京と麹町東署へ現場復帰した薫が挑む。 S.11以降顕著になった、「特命係が巨大な陰謀の闇に迫る」というサスペンス路線の原点とも言えるエピソード。 第1話で美和子の浮気が発覚し、第3話でついに薫と別れてしまう。 再放送では第1話~第2話をセットにした2時間バージョンが放送されることもある。 ・第4話 「女優~前編~」 ・第5話 「女優~後編~」 輿水脚本。2週に渡るエピソードだが、実際には「双頭の悪魔」と合わせて5週で1つの物語であると言える。羽田美智子氏や岡田浩暉氏、陰山泰氏やみのすけ氏、竹中直人氏がゲスト出演。 前話から引き続き、&bold(){懲戒免職になった}右京と麹町東署の薫という「特命係じゃない2人」が事件に挑む。 ・第6話「第三の男」 砂本脚本。遠藤久美子氏や松永香織氏がゲスト出演。 陣川が初登場し、特命係に左遷される。最終的に元の部署へ復帰するものの、以降のシーズンでもたびたび登場することになる。 ・第7話「夢を喰う女」(&bold(){&font(#ff0000){欠番}}) 砂本脚本。高岡早紀氏や浜田晃氏がゲスト出演。 社会的地位のある老齢男性を狙った連続殺人事件が発生。被害者たちには「自分史」を書こうとしていたという共通点があり、口述筆記を請け負っていた図書館の女性司書に疑いの目が向けられるが……。 最も邪悪な人間もまた、天使の顔をしているのだ。 この回の特筆すべき点は、&bold(){内容よりもその特異な立ち位置にある}。 特命係が図書館で利用者情報を聞き出す場面で、令状を見せる場面がなかったことから、「地方公務員法違反になりかねない」といったクレームを日本図書館協会などの図書館関係者から受けたため((「図書館の自由に関する宣言」より、原則として令状がなければ利用者情報を聞き出すことはできない。))、&bold(){&font(#ff0000){&u(){本作唯一の欠番・封印作品になってしまっており}}}、その関係で今期は話数表記がなくなっている。 再放送やDVD収録も行われておらず、視聴するのは非常に困難((ネット上に違法アップロードされた当時の録画映像は存在するが、普通に著作権法違反の代物なので注意。他に見る手段が存在しないので仕方ないと言えばそれまでだが。))。 後年、『鑑識・米沢守の事件簿』公開に伴ってスピンオフ小説『熱血鑑識官 米沢守のドッキリ事件簿ZERO』が発売されたが、このタイトルの初出は本話である。 ・第8話「誘拐協奏曲」 櫻井脚本。深浦加奈子氏や徳井優氏、河西健司氏や渡辺哲氏がゲスト出演。 「死亡宣告を出された人物が誘拐される」という怪事件。ラストはどこかコミカルである。 ・第9話「[[潜入捜査~私の彼を探して!>潜入捜査~私の彼を探して!(相棒)]]」 輿水脚本。1月1日の放送ではないが初の新春スペシャルで、S.4以降の元日スペシャルの嚆矢とも言える。温水洋一氏や保坂尚輝(現・保阪尚希)氏がゲスト出演。 小野田からの依頼で消えた公安刑事の行方を追うべく、特命係がスパイもののごとく潜入捜査を開始するが……。 ・第10話「ゴースト~殺意のワイン」 東多江子脚本。筒井真理子氏がゲスト出演。 殺人事件を解く鍵は人気女流作家のゴーストライター疑惑にあった。 ・第11話「[[ありふれた殺人~時効成立後に真犯人自首!?>ありふれた殺人(相棒)]]」 櫻井脚本。上田耕一氏や信太昌之氏、正名僕蔵氏がゲスト出演。 20年前の殺人事件の真犯人が出頭し、時効の壁に阻まれてもなお来訪する遺族と特命係の葛藤を描く。 ・第12話「予告殺人~狙われた美人姉妹の謎」 砂本脚本。榊英雄氏や一戸奈未氏、樋口浩二氏がゲスト出演。 本作でも屈指の卑劣な殺人鬼が登場。 ・第13話「警官殺し~銃に残された赤い指紋」 櫻井脚本。江藤潤氏や鶴田忍氏、武野功雄氏がゲスト出演。 地域と警察の両方を愛していた真面目な警察官の死。その真相は&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){無念の自殺}}であった。 ・第14話「薔薇と口紅~名門殺人学園の美女」 岩下悠子脚本。涼風真世氏や近藤公園氏がゲスト出演。 名門女子高という異質な世界を舞台に薔薇とシェイクスピアと麻薬が交錯する、どこか耽美的な空気の流れる回。 ・第15話「殺しのピアノ」 櫻井脚本。吹越満氏がゲスト出演。 本作では比較的珍しい、本格的な倒叙もの。ピアニストを殺害した調律師の犯罪を右京はどのように暴くか。 右京のピアノ演奏シーンが見られるが、実際に水谷氏がピアノを弾けるため、この手の描写では珍しくカメラアングルで誤魔化さずに映されている。 ・第16話「人間爆弾」 砂本脚本。菅原大吉氏やマギー氏がゲスト出演。 再登場した若杉栄一が巻き込まれた自爆強盗事件は、意外な一点に収束していく。 ・第17話「書き直す女」 林誠人脚本。高畑淳子氏や中丸新将氏がゲスト出演。 ヒロコが登場し、劇作家殺人事件に特命係が挑む。 ・第18話「大統領の陰謀」 近藤俊明脚本((監督も兼任しており、脚本家と監督が同じという唯一の回。))(脚本協力は輿水氏)。 藤吉久美子氏や新藤栄作氏、綾田俊樹氏やきたろう氏がゲスト出演。 前期で殺害されたはずの浅倉が意外な形で復活。 ・第19話「異形の寺」 輿水脚本。シーズン最終話。高橋由美子氏や高橋惠子氏がゲスト出演。 ひょんなことから薫が池から頭蓋骨をすくい上げたことから始まるホラーチックな話だが、その裏には驚くべき真実が…。 再放送用に1時間に短縮されたバージョンが存在する。 } #openclose(show=season4){ 放送期間は2005年10月12日~2006年3月15日、S.2と並び歴代最高の全21話。平均視聴率は14.7%。 今期より、曜日に関係なく1月1日の元日に2時間~2時間30分のスペシャルを放送する様式美が確立した。 シーズンを通して男女の恋愛沙汰の話が目立つ。最終話で薫と美和子が結婚することになる。 ・第1話「閣下の城」 輿水脚本。長門裕之氏や高橋かおり氏、田中実氏や高杉瑞穂氏がゲスト出演。 S.1のラスト2話の続編で、閣下こと北条晴臣が再登場。北条役の長門氏と瀬戸内役の津川氏の兄弟共演作でもある。 ・第2話「殺人講義」 古沢脚本。石橋奈美氏や溝呂木賢氏、日向明子氏や石橋蓮司氏がゲスト出演。 S.1-10やS.2-1~2の事件の動機を右京が語る場面がある。 先述した最多出演ゲストである前沢氏の代表的な登板回。今話の出来事は後のシーズンでもさまざまな爪痕を残している。 ・第3話「[[黒衣の花嫁>黒衣の花嫁(相棒)]]」 砂本脚本。遠野凪子(現・遠野なぎこ)氏や東根作寿英氏、中原裕也氏がゲスト出演。 芹沢が主役のエピソードの1つで、彼の友人が結婚式当日に何者かに襲われて殺害される。 過去に怯えるあまり、早い段階で負の連鎖を断ち切ることができずに泥沼にはまり込んでしまったという最悪のパターン。 ・第4話「密やかな連続殺人」 ・第5話「悪魔の囁き」 砂本→瀬巻亮犬(須藤泰司)脚本((砂本氏の病状悪化により、後に須藤氏が引き継いだ。))。小日向文世氏や奥貫薫氏、山崎一氏やブレイク前の高橋一生氏がゲスト出演。 小日向氏の怪演は圧巻。「ウィムパティオル……ウィムパティオル……」 ・第6話「殺人ヒーター」 櫻井脚本。嶋田久作氏や笹野高史氏、近藤公園氏や村杉蝉之介氏、峰岸徹氏がゲスト出演。 欠陥を主張した社員を邪魔者扱いしたくせに、欠陥による事故が起きたら社員を賞賛するお偉いさんの見事な掌返し。 その裏で起きた人間同士のドラマも後味の悪い結末を迎えていた。 脚本を担当した櫻井氏は後に『コナン』の[[ある回>ケーキが溶けた!(名探偵コナン)]]でも本作と同じトリックを扱っている。 ・第7話「波紋」 入江信吾脚本。絵沢萌子氏や能見達也氏、音尾琢真氏やブレイク前の中村友也(現・中村倫也)氏がゲスト出演。 研究レポートのために自作自演をしたら殺人が起きてしまった。 所持品のチェックは自分でこまめにしましょう。 ・第8話「[[監禁>監禁(相棒)]]」 古沢良太脚本。佐藤江梨子氏や酒井敏也氏、吉本菜穂子氏や当時はまだ子役だった吉谷彩子氏がゲスト出演。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){右京の些細な気遣いのせいで}}謎の男女に監禁されてしまった薫は、解放の条件として要求された金庫の謎を解こうと奮闘するが……。 ・第9話「冤罪」 櫻井脚本。一色彩子氏や中村育二氏、青山知可子氏がゲスト出演。 裁判まで真相を明かさなかった被告人。その真実は右京にすら読めなかった。 ・第10話「殺人生中継」 古沢脚本。宮地真緒氏がゲスト出演。 殺人事件が朝のニュースで生中継されるというショッキングな展開から話がスタートする。 ・第11話「汚れある悪戯」 輿水脚本。初めての元日スペシャル。葉月里緒奈氏や甲本雅裕氏、斉藤洋介氏や竜雷太氏がゲスト出演。 誘拐事件に伴う特別警戒態勢の中、わざわざ「特命係を除く」と庁内放送する大人気ない内村と、薫の「参事官&bold(){でも}いいです」という発言に怒る大人気ない中園。 薫が美和子にプロポーズし、右京とたまきが証人を引き受ける。 ・第12話「緑の殺意」 戸田山脚本。小林隆氏や菊池隆則氏、七瀬なつみ氏がゲスト出演。 未必の故意を罪に問うことはできない。 ・第13話「最後の着信」 櫻井脚本。中西良太氏や黒坂真美氏、ブレイク前の桐谷健太氏がゲスト出演。 結末のどんでん返しは秀逸。嘘を信じて命を落とす、救われない物語。 ・第14話「アゲハ蝶」 岩下脚本。板谷由夏氏や河西健司氏、飯田基祐氏や渡辺憲吉氏がゲスト出演。 新種とされた蝶「ミヤモトアゲハ」をめぐる殺人事件。しかし、右京の推理で思わぬ真相が明らかに……。 ・第15話「殺人セレブ」 真部千晶脚本(脚本協力は櫻井氏)。野村真美氏や遠山俊也氏、 栗田よう子氏や舟木幸氏がゲスト出演。 物に執着することは不幸を生む。 ・第16話「天才の系譜」 古沢脚本。原沙知絵氏や不破万作氏がゲスト出演。 右京が若い女性とホテルから出て現金を渡す様子を偶然見かけてしまった薫だが、実はその女性は……。 ・第17話「告発の行方」 櫻井脚本。羽場裕一氏や冨樫真氏、長谷川公彦氏やブレイク前の松重豊氏がゲスト出演。 政治不正と公金の無駄遣いを追うルポライター謀殺事件に特命係が挑むが、その結末はやるせないものだった。 ・第18話「節約殺人」 林脚本。伊藤かずえ氏がゲスト出演。 節約を徹底した結果、無駄な人間までも「節約」してしまった犯人の物語。 ・第19話「ついてない女」 古沢脚本。鈴木杏樹氏がゲスト出演。後にレギュラーキャラクターになる月本幸子が初登場。 『――月本幸子。幸せな子と書いて、幸子です。』最後の出演者テロップの出し方が秀逸。 ・第20話「7人の容疑者」 櫻井脚本。西田健氏やでんでん氏、三輪ひとみ氏がゲスト出演。 特命係がテレビドラマの撮影現場を捜査するという異色の回。 ・第21話「桜田門内の変」 輿水脚本。シーズン最終話。田中美里氏や小倉久寛氏、高橋和也氏や藤木孝氏、戸田恵子氏がゲスト出演。 警視庁内で青酸カリによる殺人事件が発生するという前代未聞の大事件が発生。同業者の不正には人一倍厳しい杉下右京。 そして、薫の姉の計らいで晴れて亀山夫妻が結ばれることに。 } #openclose(show=season5){ 放送期間は2006年10月11日~2007年3月14日、全20話。平均視聴率は16.1%。 オープニングテーマのメロディがアレンジされ、次回予告やCMでよく聞くおなじみのテーマに仕上がった。基本的にS.4とほとんど同じだが、よく聞くとサビ部分の楽器編成が異なっていたり、キックの立ち上がりが鋭くなっていたりする。 ・第1話「杉下右京、最初の事件」 輿水脚本。奥菜恵氏や平淑恵氏、神山繁氏や勝野洋氏がゲスト出演。右京が警察官を拝命して初めて関わった22年前の未解決強盗殺人事件を再捜査するが、彼の正義を最後まで貫いた結果、関係者を含めて&bold(){&font(#ff0000){誰も得をしなかった}}という希有な展開。 結果的に新たな悲劇まで生まれてしまう、やるせない結末。 ・第2話「スウィートホーム」 古沢脚本。国分佐智子氏や夏生ゆうな氏がゲスト出演。 訳あり物件な屋敷を買ってしまった薫。それをイジるトリオ・ザ・捜一の即興ソングは腹筋崩壊もので必聴。 ・第3話「犯人はスズキ」 岩下脚本。高橋長英氏や斉藤暁氏がゲスト出演。 柳瀬町を舞台に区役所職員殺害事件の犯人とされる「スズキ」なる人物を追う特命係だったが、真相に辿りついた時、哀しみだけが残った。 ・第4話「せんみつ」 戸田山脚本。平田満氏がゲスト出演。 三浦からの依頼で、特命係が嘘つきな空き巣常習犯と対峙しつつ、都内で発生した宝石強盗事件との関係に迫る。 ・第5話「悪魔への復讐殺人」 櫻井脚本。奥貫薫氏や高橋一生氏、石橋けい氏や竹本純平氏がゲスト出演。 S.4-4~5の続編&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){……だが、特命係が前回に取った行動が結果的に別の殺人犯を作ってしまった}}。 ・第6話「[[ツキナシ>ツキナシ(相棒)]]」 西村康昭脚本。川崎麻世氏や渋谷琴乃氏がゲスト出演。 一級建築士殺害事件の容疑者として直木賞作家が浮上するが、その裏には驚くべき真相が隠されていた。最後まで見ればタイトルに隠された二重の意味が分かる。 今回から約5年前に放送された『コナン』においても、今回のように[[ある犯罪から逃れるために別の罪で逮捕されようとした人物がいる>世にも奇妙な天罰(名探偵コナン)]]。 ・第7話「剣聖」 古沢脚本。原千晶氏や誠直也氏、亀石征一郎氏や藤間宇宙氏がゲスト出演。 被害者は伊丹が尊敬する剣道の師。よかれと思った行動が裏目に出てしまったがゆえの悲劇。 何事も適性は重要である。 ・第8話「[[赤いリボンと刑事>赤いリボンと刑事(相棒)]]」 岩下脚本。木場勝己氏や馬渕英俚可氏がゲスト出演。 相棒が薫ではなかったら違った結末になっていたかもしれない。 ・第9話「殺人ワインセラー」 櫻井脚本。佐野史郎氏や柄沢次郎氏、秋山エリサ氏がゲスト出演。 いじめ問題にも見られる、「[[バカにした方は忘れても、された方は決して忘れない>名探偵コナン 14番目の標的]]」話。 ・第10話「名探偵登場」 戸田山脚本。[[高橋克実]]氏がゲスト出演。 ハードボイルドとバーボンを愛する探偵・マーロウ矢木が登場。冴えない中年オヤジに見えて、実は有能かつ人情に厚い人物だった。 全体的にコミカルだが、ラストはほろ苦い。 ・第11話「バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!」 古沢脚本。元日スペシャル。大塚寧々氏や遠藤章造氏、寺島進氏や冨家規政氏、中村綾氏や梨本謙次郎氏、佐々木麻緒氏やS.16-最終話以降に衣笠役でレギュラー入りすることになる杉本哲太氏がゲスト出演。 息つく間のないサスペンスで、視聴者アンケートでも毎回上位に食い込む人気作。2007年の日本民間放送連盟賞ドラマ優秀賞を受賞するなど、テレビ業界においても高い評価を得ている。 ちなみに、今回元夫婦役だった遠藤氏と大塚氏は、後の2013年に放送されたフジテレビ系のドラマ『ラスト・シンデレラ』では夫婦役を演じていたりする。 ・第12話「狼の行方」 吉本聡子脚本(脚本協力は岩下氏)。菊池麻衣子氏やブレイク前の木下ほうか氏がゲスト出演。 2人の子どもが吐いた嘘は、1人の男を犯罪と心中へ追い込んでしまった。 ・第13話「Wの悲喜劇」 輿水脚本。野村宏伸氏がゲスト出演。 亀山家の隣に住む大丸家の妻が変死体となって発見。よりにもよって&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){便器にはまって死ぬなんて……}}。 パラパラ漫画も描ける右京。伝説の&bold(){[[美和子スペシャル]]}が初登場。 ・第14話「貢ぐ女」 岩下脚本。藤田朋子氏がゲスト出演。 クライマックスは必見。「恋は盲目」とはよく言ったものである。 ・第15話「裏切者」 櫻井脚本。金田明夫氏がゲスト出演。 所轄署の不正を軸に、右京と薫の絆が描かれるエピソード。 ・第16話「イエスタデイ」 古沢脚本。林泰文氏や遊井亮子氏がゲスト出演。 ある男性がなくした1日の記憶を特命係が取り戻していく異色の回。 ・第17話「女王の宮殿」 戸田山脚本。大空眞弓氏がゲスト出演。 S.4-1にも登場したロックハート城で撮影が行われている。 ・第18話「[[殺人の資格>殺人の資格(相棒)]]」 戸田山脚本。相島一之氏がゲスト出演。 マスコミによる報道被害に人生を狂わされた人々の悲劇と復讐劇。 ・第19話「殺人シネマ」 岩下脚本。星由里子氏がゲスト出演。 この回は右京・薫・美和子・たまきの4人のキャスト表示が特別なものになっている。 ・第20話「サザンカの咲く頃」 櫻井脚本。シーズン最終話。横山めぐみ氏や夏八木勲氏がゲスト出演。 あるプログラマーの転落死から始まり、警察庁・防衛省・公安調査庁・外務省といった各省庁が絡む国家規模の陰謀を描いた、政治色が非常に強いサスペンス。 本作では珍しい警察庁長官も登場する。 犯人追及のシーンは約12分間ワンカット長回しで撮影されており、本作史上最長になっている。 } #openclose(show=season6){ 放送期間は2007年10月24日~2008年3月19日、全19話。平均視聴率は15.9%。 オープニングテーマはS.5のバージョンがそのまま引き継がれている。 裁判を扱った回が多い。 ・第1話「複眼の法廷」 櫻井脚本。石橋凌氏や田中美奈子氏、宝生舞氏や堀部圭亮氏がゲスト出演。 珍しく裁判を題材にした回で、特命係が始まったばかりの[[裁判員制度]]にメスを入れる。 ・第2話「陣川警部補の災難」 戸田山脚本。高橋ひとみ氏がゲスト出演。 陣川が再登場し、今回より実質的な準レギュラー入りを果たした。 ・第3話「&ruby(かまきり){蟷螂}たちの幸福」 戸田山脚本。荻野目慶子氏や江藤潤氏がゲスト出演。 女流作家を巡る殺害事件の真相は、蟷螂のように壮絶な愛の物語だった。 荻野目氏の怪演が光る重厚な名作。 ・第4話「TAXI」 西村脚本。遠山景織子氏がゲスト出演。 薫がS.2で運転免許試験場に配属されていた設定が活用される数少ない回。 ・第5話「裸婦は語る」 吉本昌弘脚本。長谷川初範氏がゲスト出演。 天才画家のアトリエで絵のモデルが転落死。供述を二転三転させる画家の男は何を隠しているのか……。 ・第6話「この胸の高鳴りを」 入江脚本。前田亜季氏や松田悟志氏がゲスト出演。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){タイトルはダブルミーニングになっている。}} ・第7話「空中の楼閣」 岩下脚本。村上淳氏や菊池健一郎氏がゲスト出演。 美和子の著書を担当していた編集者が殺害され、特命係が捜査に乗り出す。 ・第8話「正義の翼」 岩下脚本。大滝秀治氏や小西美帆氏がゲスト出演。 平成が20年目に入ろうとしていてもなお、人々の中では激動の昭和時代が生き続けていた。 この終盤のノリは令和に見ると昭和生まれでも中々ピンと来ないだろうが、それでも大滝氏の演技に引き込まれるはず。 対照的に序盤はド派手で、脅迫電話の通りの爆発事件が本当に起きてしまう。そして、切り札として予想外の「翼」を持っていた犯人の思惑とは……。 ・第9話「編集された殺人」 櫻井脚本。松下由樹氏や石橋保氏がゲスト出演。 初期の準レギュラー弁護士・武藤かおりが久々の登場。取り調べ可視化制度と冤罪について描く社会派回。 今期屈指の鬱エンドだが、米沢のカラオケの方が印象に残っている人も多いかも。 ・第10話「寝台特急カシオペア殺人事件!」 戸田山脚本。開局50周年記念として制作された元日スペシャル。長山藍子氏や永島敏行氏、柏原収史氏や平岩紙氏、映美くらら氏やS.15から青木年男役でレギュラー入りすることになる浅利陽介氏がゲスト出演。 ひょんなことから、札幌まで証人を護送することになった特命係。道中での寝台特急カシオペア(([[北海道新幹線]]の開業に伴い2016年3月末で廃止。劇中で言うとS.14の放映時までギリギリ走っていた。鉄道ファンには予約の取り辛さでも有名だったほどの人気列車であり、劇中でも偶然が重なってこれが護送手段になったと説明されている。))での殺人事件に始まり、北海道に到着した後もさらに事件は続いていく。 序盤から多数の伏線が張り巡らされている。美和子スペシャルがお雑煮バージョンになってまさかの再登場。 タイトルは改題を経ており、元々は「シシュポスの岩」だった。&font(l){確かに終盤はカシオペアが出ないが。}これはギリシャ神話のエピソードであり、劇中でも印象深く語られている。 ・第11話「ついている女」 ・第12話「狙われた女」 古沢脚本。鈴木杏樹氏やMEGUMI氏がゲスト出演。 幸子再び。ある女服役囚の脱獄に巻き込まれてしまうが、犯人の正体やそのターゲットが二転三転するという、息もつかせぬ展開。 一線を越えない努力が実を結ぶ。 ・第13話「マリリンを探せ」 岩下脚本。河相我聞氏や北村栄基氏、はるな愛氏がゲスト出演。 ヒロコの愛犬マリリンの捜索を依頼された特命係だったが……。 ・第14話「琥珀色の殺人」 櫻井脚本。蟹江敬三氏や田山涼成氏がゲスト出演。 S.1-7の続編。 ・第15話「20世紀からの復讐」 吉本脚本(脚本協力は高橋亨氏)。近藤公園氏がゲスト出演。 薫が[[コンビニ]]で人質になってしまう。 ・第16話「悪女の証明」 戸田山脚本。堀内正美氏や山口香緒里氏がゲスト出演。 雛子再び。外務省の外交費不正流用問題をめぐる殺人事件が発生。 ・第17話「新・Wの悲喜劇」 輿水脚本。中島知子(当時オセロ)氏や徳井優氏がゲスト出演。 S.5-13に続き、再び亀山夫妻のマンションで事件が起こる。 ミステリーの禁じ手、まさかの&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){夢オチ}}展開だが、それだからこそ成立する人情話になっている。 ・第18話「白い声」 岩下脚本。山本亘氏や上杉祥三氏がゲスト出演。 死んだ娘の死の真相を暴くために、父親が選んだ手段は&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){服毒自殺}}であった。 放送から数年後に発売された『コナン』でも、今回と同様に[[犯人を警察に逮捕させるためにやむなく彼と同じ手段を選んだ人物がいる>三人の第一発見者(名探偵コナン) ]]。 ・第19話「黙示録」 櫻井脚本。シーズン最終話。林隆三氏や石橋凌氏、ベンガル氏がゲスト出演。 25年前の放火強盗殺人事件の死刑囚が獄中で病死。右京は判決が出てから19年間も死刑が執行されなかったことに疑問を感じるが、捜査を進めるうちに冤罪の影が出てきてしまう。 事件から20年以上も経って新たな悲劇を生んでしまい、一部では「本作で最も許せない犯人の1人」とも言われている。 第1話の結末にも一部触れられている。 } #openclose(show=season7){ タイトルロゴは『相棒 season7』。今期からタイトルロゴにナンバリングが付加されていく。 放送期間は2008年10月22日~2009年3月18日、全19話。平均視聴率は18.1%。 W主人公の片割れの薫が、なんと第9話で卒業。そのため、第10話(元日スペシャル)~第18話の期間は、相棒不在または臨時の相棒を迎えて物語が進行する((通称「片棒時代」。元々は薫不在の状態を揶揄する意味合いだったため、使用には注意。))。最終話(第19話)で新相棒・神戸尊が初登場。 オープニング映像は「黒い背景に都会の夜景が写ると、画面を突き破るようにガラスが割れて大量の破片が地面に落ちていく」というもので、歴代では唯一となる「特命係の姿が一切写らないオープニング」になった((相棒が交代する初めてのシーズンということもあり、途中で退場する薫や最終話でようやく登場する尊の姿を、シーズンを通して使用するオープニングで見せるわけには行かなかったためと思われる。))。 今期からオープニングテーマは毎年違ったアレンジになっており、S.6までのアレンジは引き続き次回予告や提供クレジットのBGMとして使用される。 ・第1話「還流~密室の昏迷」 ・第2話「還流~悪意の不在」 輿水脚本。「双頭の悪魔」以来となる初回が2週連続のストーリー。西岡德馬氏や四方堂亘氏がゲスト出演。 薫の高校時代の友人でNGOスタッフの兼高公一が殺害される。その裏には支援物資をめぐる不正が絡んでいて……。 彼が生前活動を行っていたサルウィンへと赴いた薫は、現地の惨状を知り、ある決意を固める……。 薫の卒業につながる重要な回。 ・第3話「沈黙のカナリア」 徳永富彦脚本。眞島秀和氏や大沢健氏、磯部勉氏がゲスト出演。 ワーキングプアを軸にした社会派ストーリー。 ・第4話「隣室の女」 岩下脚本。佐藤仁美氏がゲスト出演。 6年前に失踪した男性の白骨化遺体が発見され、不倫関係にあった女が容疑者として浮上するも、凶器の指紋とは一致せず。 その裏には驚くべき真実が……。 ・第5話「[[顔のない女神>顔のない女神(相棒)]]」 渡辺雄介脚本。清水美沙氏がゲスト出演。 女性ラジオDJ殺害事件が発生。ストーカーにしては内部事情に詳し過ぎる犯行だが、その真相やいかに……。 ・第6話「希望の終盤」 櫻井脚本。蟹江一平氏や水橋研二氏、松田賢二氏がゲスト出演。 将棋のタイトル戦を題材にしている。 ・第7話「最後の砦」 櫻井脚本。金山一彦氏や鈴木浩介氏、ブレイク前のムロツヨシ氏がゲスト出演。 警察と取り調べ監督官の世知辛さ全開、本作特有の鬱鬱しさも全開。 最後の右京と薫の会話が、亀山薫卒業の核心を突いているようにも見えるが……。 ・第8話「レベル4~前篇」 ・第9話「レベル4~後篇・薫最後の事件」 輿水脚本。袴田吉彦氏や大路恵美氏がゲスト出演。 天才的な頭脳を持った細菌学者・小菅が生み出した致死率100%のウイルスによる未曾有の危機に特命係が挑む。 タイトルは「バイオセーフティレベル(BSL)」が由来で、新型コロナウィルスですらレベル2~3。つまり、レベル4のウイルスの恐ろしさは……。 要所で見どころが満載。 ・第10話「ノアの方舟~聖夜の大停電は殺人招待状!」 徳永脚本。テレビ朝日開局50周年記念番組として制作された元日スペシャル。田畑智子氏や中本賢氏、野仲イサオ氏や渡哲也氏がゲスト出演。 珍しく右京が車を運転しているが、ここではまだフィガロではない。 ・第11話「越境捜査」 『米沢守の事件簿』の原作『鑑識・米沢の事件簿~幻の女房~』の作者でもあるハセベバクシンオー脚本。益岡徹氏や五代高之氏、檀臣幸氏がゲスト出演。 今回は相棒不在で進行し、登場するレギュラーキャラクターも右京・組対5課の3人・米沢のみという珍しい回。 都県境で発生した2つの事件に右京が挑む。終盤のどんでん返しは必見。 ・第12話「逃亡者」 櫻井脚本。丸山智己氏や山下徹大氏、英玲奈氏がゲスト出演。 今回も相棒不在で進行。「犯罪人引き渡し条約」を軸にした国際派。 ・第13話「超能力少年」 櫻井脚本。濱田マリ氏がゲスト出演。 予知能力を持つ子どもに興味を抱いた右京が、米沢とともにその謎に迫っていく。 ・第14話「男装の麗人」 佐伯俊道脚本。奥山佳恵氏がゲスト出演。 相棒不在で進行する。[[宝塚>宝塚歌劇団]]のような歌劇団で殺人事件が発生。 扇風機を直接体に長時間当てると危険である。 ・第15話「[[密愛>密愛(相棒)]]」 古沢脚本。岸惠子氏や国広富之氏がゲスト出演。 登場するレギュラーキャラクターが右京だけという異色の回で、今までの話にない作風という印象に残るエピソードとして挙げられる。 S.10~11頃から増加した「幻想的で非日常的なストーリー」の先駆けとも言える、実験的なエピソード。 ・第16話「髪を切られた女」 徳永脚本。秋野太作氏がゲスト出演。芹沢を相棒に迎えて進行する。 高校時代の友人の彼女の葬儀に参列した芹沢は、遺体の髪が切られていたことから「連続髪切り殺人」の被害者だったのではないかと感じ、右京を頼って捜査を開始する。 しかし、その裏に隠されていたのは驚くべき真実だった。 ・第17話「天才たちの最期」 波多野都脚本。黒川芽以氏や西沢利明氏、三浦涼介氏がゲスト出演。 自殺自体は個人の自由だが、それを他人が利用することは許されない。 ・第18話「悪意の行方」 櫻井脚本。原史奈氏や金子さやか氏がゲスト出演。片棒時代ラストは陣川が右京の相棒を務める。 薫卒業の「レベル4」や尊初登場の「特命」を差し置いて今期最高の視聴率を誇り、歴代でもNo.5である。 何者かによって拉致監禁されたものの、ある通行人からの通報で難を逃れた右京と陣川。狙われた理由を調べる2人がたどり着いた先は……。 劇場版の内容についても一部触れられている。 ・第19話「特命」 輿水脚本。シーズン最終話で新相棒・神戸尊が初登場し、特命係に左遷されることになって巻き込まれた最初の事件。 前田吟氏や苅谷俊介氏、伊嵜充則氏や宮本真希氏、やべきょうすけ氏や趙珉和氏がゲスト出演。厳密には尊もここではゲスト扱いであり、実際に公式サイトでもそのように記載されていた。 郊外にある&ruby(まずかり){馬頭刈}村を舞台に、右京と尊の新たな特命係が捜査に挑む。 &bold(){とにかく鬱な結末である。}右京の「[[真実でしか人は救われない>科捜研の女]]」という信念が強調されている回のひとつ。 } #openclose(show=season8){ タイトルロゴは『相棒 season8』。 放送期間は2009年10月14日~2010年3月10日、全19話。平均視聴率は17.7%。 右京と尊の新たなコンビが本格的に動き出す。2人が少しずつ信頼を深めていきつつ、なぜ尊が特命係に配属されたかが最終話で明かされる。相棒の交代という、シリーズ中でも重要な分岐点になったシーズン。 オープニング映像は「椅子に座った右京と尊が動きをシンクロさせながら目線を上げると、地面に落ちた大量のガラスの破片が逆再生のように宙に浮かんで元に戻っていく」というもので、S.7のオープニング映像の続きとも取れる内容になっている。 全体的に社会派エピソードが多い。 ・第1話「カナリアの娘」 輿水脚本。内山理名氏や古谷一行氏がゲスト出演。 本多親子が初登場し、右京と尊の新たなコンビがいよいよ動きだす。 ・第2話「さよなら、バードランド」 太田愛脚本。大浦龍宇一氏や神尾佑氏、増沢望氏や吉見一豊氏がゲスト出演。 ある殺人事件を皮切りに、特命係が奥多摩で出会った大学時代のジャズ仲間4人の微妙な関係に迫っていく。 新相棒の意外な一面を垣間見ることができる。 ・第3話「ミス・グリーンの秘密」 太田脚本。草笛光子氏がゲスト出演。 尊とおばあちゃんの交流話であり、終盤に彼が取る行動で「コイツはこんな面もあるんだな」となる。 前話と並んでシーズンで最初に撮影された回でもあり、演じた及川氏自身も「僕って、良いことをしてもいい役なんだってことが掴めました」と気に入っている回らしい((参考: https://www.joqr.co.jp/article/detail/post_733.php))。 放映当時問題視されつつあった、モラルのないインターネット利用者の引き起こす問題も同時に描かれている。 ・第4話「錯覚の殺人」 戸田山脚本。近藤芳正氏がゲスト出演。 S.4-10にも登場したセントラルテレビで再び殺人事件が発生。錯視を利用したトリックを右京が解き明かす。 ・第5話「背信の徒花」 徳永脚本。中村繁之氏がゲスト出演。 高速道路建設の官製談合を題材にした社会派エピソード。真犯人の豹変ぶりも話題に。 ・第6話「[[フェンスの町で>フェンスの町で(相棒)]]」 福田健一脚本。森田直幸氏や阪本奨悟氏、仁藤優子氏がゲスト出演。 政治的な話題にもやんわりと触れてはいるが、それ以上に「少年たちの青春」を描く。 普段はクールな尊も、右京と同様に子どもには優しいことが判明した。 ・第7話「鶏と牛刀」 櫻井脚本。久遠さやか氏がゲスト出演。 放送当時に社会問題として盛んに報道されていた年金横領問題を扱った社会派エピソード。 口実がなければでっちあげろ。秘密が聞きたかったら変装だ。ぼんじりはとても美味しいです。 ・第8話「消えた乗客」 徳永脚本。中川安奈氏や松田洋治氏、平野貴大氏がゲスト出演。 「&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){劇場的で大掛かりな事件が、個人的で小規模な動機に収束していく}}」エピソードであり、ある意味で砂本チックな回。 尊が「花の里」へ初来店する。 ・第9話「仮釈放」 ハセベバクシンオー脚本。井上和香氏がゲスト出演。 刑務所を仮出所した男が、その翌日に突如失踪。特命係が行方を捜すことになる。 ・第10話「特命係、西へ!」 戸田山脚本。元日スペシャル。檀れい氏や橋爪淳氏、いしのようこ氏がゲスト出演。 [[東京>東京都]]と[[京都>京都府]]を結ぶ殺人事件の真実を求めて、特命係が京都へ向かう。 本作では珍しい京都ロケや、事件と並行して千利休をめぐる歴史ミステリーが展開されており、視聴者を飽きさせない。 なお、元恋人という設定だった及川氏と檀れい氏は、今回での共演が縁でめでたくゴールインしたものの、2018年11月末に離婚を発表した。 ・第11話「願い」 太田脚本。黒田福美氏がゲスト出演。 些細なことから、特命係が時効になった16年前の少女誘拐事件を調べ直してみるが……。 ・第12話「SPY」 櫻井脚本。美木良介氏や小嶺麗奈氏、芦川誠氏がゲスト出演。 タイトル通りスパイが鍵を握っており、警視庁と警察庁の腹の探り合いがテーマになっている。 ・第13話「マジック」 ブラジリィー・アン・山田脚本。中村有志氏やクノ真季子氏がゲスト出演。 マジックもできる杉下右京。 ・第14話「堕ちた偶像」 太田脚本。田中哲司氏や竹本孝之氏、石井萌々果氏がゲスト出演。 民主党の政権交代という当時の世相も反映された、政治色の濃いエピソード。 ・第15話「狙われた刑事」 戸田山脚本。加藤虎ノ介氏や村田充氏がゲスト出演。 伊丹が何者かに命を狙われる事件が発生。警護も兼ねて特命係が捜査を開始すると、その裏には数年前に彼が関わっていたある事件が恐るべき形で関わっていた。 ・第16話「隠されていた顔」 玉田義正脚本(脚本協力は西村氏)。鳥居かほり氏がゲスト出演。 冒頭からいきなり大爆発という、なかなかの展開。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){タイトルでトリックがほぼバレてしまっているのは内緒。}} ・第17話「怪しい隣人」 徳永脚本。小倉一郎氏や金井勇太氏、三宅弘城氏や松本実氏がゲスト出演。 9年前の現金輸送車襲撃事件の証拠品を返却しに行った右京は、帰り際に見かけた隣家を不審に思い、警備会社を名乗って潜入するが……。 主役となる3人組が妙に人情家で、コミカルなかけ合いを見せてくれる。 ・第18話「右京、風邪をひく」 古沢脚本。東風万智子氏や滝直希氏がゲスト出演。 本作としては珍しく、現在と過去を行ったり来たりしている変則的な構成になっており、初見では分かりづらいかもしれない。 映像ソフト版では正確な時間通りに再編集された「時系列再編集版」が映像特典として収録されており、持っている人はこちらも合わせて見てみよう。 右京の風邪の具合に注目すると時系列が分かりやすい。 ・第19話「神の憂鬱」 櫻井脚本。シーズン最終話。水野美紀氏や寺泉憲氏、吉満涼太氏や清水章吾氏がゲスト出演。 かつて産業スパイ事件が起きた企業で発生した転落死事件と、頻発するスピード違反取締カメラ(オービス)誤作動の関連性とは。特命係が巨大組織の暗部に挑む。 そして、尊が特命係に来た本当の理由が明かされる。 } #openclose(show=season9){ タイトルロゴは『相棒 season9』。 放送期間は2010年10月20日~2011年3月9日、全18話。平均視聴率は&bold(){&font(#ff0000){20.4%}}で、シリーズ最高記録である。 劇場版IIがある関係で時系列がややこしく、「予兆」の翌日に公開されていることから混同しやすいが、正しい順番はS.8→「予兆」→劇場版II→「予兆」を除くS.9である。 そのため、シーズンが始まった時点で小野田は殉職しているが、劇中では第16話まで言及されていない。一方で、最終話は彼の死がストーリーに大きく関わっている。 ・第1話「顔のない男」 ・第2話「顔のない男~贖罪」 戸田山脚本。徳重聡氏や津嘉山正種氏、近江谷太朗氏がゲスト出演。「双頭の悪魔」や「還流」と同じく、初回が2週連続の構成になっている。 人気作家の死を追う特命係と、彼らを先回りして暗躍する謎の男。やがてその正体が元SAT小隊長の上遠野隆彦であることがわかり……。 正反対の信念を持つ両者は、東京ドームシティで対峙する。 ・第3話「最後のアトリエ」 太田脚本。米倉斉加年氏がゲスト出演。 夭折した天才画家・有吉比登治と、その友人である榊隆平という老人の絆が描かれるエピソード。 ・第4話「過渡期」 櫻井脚本。螢雪次朗氏や新井康弘氏がゲスト出演。 時効撤廃や証拠品の還付請求を描いた社会派ストーリー。 ・第5話「運命の&ruby(ひと){女性}」 太田脚本。京野ことみ氏がゲスト出演。 陣川が登場し、彼が結婚式の引き出物袋を忘れてきたことから始まるドタバタ騒ぎ。 前述の通り、放送時点で公開前ではあるが、時系列上は劇場版IIよりも後の話であるため、尊と陣川は面識がある。 ・第6話「暴発」 櫻井脚本。尾美としのり氏がゲスト出演。 厚生労働省麻薬取締部、通称「マトリ」をめぐり、右京の正義が暴発。 あらゆる点で容赦のない展開。ストーリーの展開上、歴代でも大木と小松の台詞が特に多いエピソードでもある&font(l){が残念ながら印象に残りづらい}。 相棒が尊ではなかったら違ったラストになっていたかもしれない。 ・第7話「9時から10時まで」 徳永脚本。黄川田将也氏や阿藤快氏がゲスト出演。 ドラマの放送時間と劇中の時間(午後9時から10時)がリンクした異色作で、『ケータイ刑事』のごとく1時間で事件が解決する。 ある殺人事件を追う右京と、たまきとのホラー映画帰りのバーで不審者をマークしていた尊の捜査が次第にリンクしてゆく。 ・第8話「[[ボーダーライン>ボーダーライン(相棒)]]」 櫻井脚本。山本浩司氏がゲスト出演。 就活難易度ベリーハード、一切の救いなし。鬱々しい&bold(){&font(#ff0000,#000000){本作屈指の悲惨エピソード。}} この回が貧困ジャーナリズム大賞2011を取っている。&font(l){それくらいに完成度が高いから余計にタチが悪い。} 近年では&u(){年始最初のレギュラー再放送にこの話が放送されることも多く}、&font(l){正月早々から視聴者を欝な気分にさせている。}たびたびネタにされている。 ・第9話「予兆」 戸田山脚本。宇津井健氏や品川徹氏、志村東吾氏やブレイク前の吉田羊氏がゲスト出演。 翌日に公開された劇場版IIのプロローグで、時系列は2010年7月になっており、S.8~S.9の間の出来事である。そのため、今話の直後に劇場版IIの事件が発生する。 警察庁女性職員殺害事件の背後に見え隠れする、警視庁と警察庁の対立……。やがて警視庁を揺るがす、未曽有の大事件に発展していくことを誰も知る由はなかった。 ・第10話「聖戦」 古沢脚本。元日スペシャル。南果歩氏や白石美帆氏がゲスト出演。 鬱々話・劇場版IIの前日譚ときて放送された元日スペシャルは&bold(){とにかく鬱だった。} 犯人役の怪演も相まって、「正月に放送するなこんなノリ」と言いたくなるほどの暗さに仕上がっている。 &font(l){本作名物でもある「やたら強い一般女性」の走りとも言える。少なくとも特命係は最後まで犯人の掌の上だった。} ・第11話「死に過ぎた男」 ブラジリィー・アン・山田脚本。中原果南氏や河合美智子氏がゲスト出演。 一度死んだ男が殺害されるという奇妙な事件に特命係が挑む。 ・第12話 「招かれざる客」  戸田山脚本。映美くらら氏や広岡由里子氏、山村美智氏がゲスト出演。 劇団特命係。右京と尊による迫真の茶番劇が楽しめる。 ・第13話 「通報者」 太田脚本。溝口琢矢氏がゲスト出演。 子どもにはとても優しい尊。第16話・第17話に次ぐ歴代3位の視聴率を誇る。 ・第14話「右京のスーツ」 徳永脚本。青山倫子氏や小松政夫氏、森次晃嗣氏がゲスト出演。 右京のスーツ好きが描写されており、以降のエピソードでも彼がスーツに注目する場面がしばしば出てくる。 後のシーズンでもたびたび描かれる「右京の持ち物」回の走り。 ・第15話「もがり笛」 櫻井脚本。火野正平氏やつみきみほ氏、遠山俊也氏がゲスト出演。 犯罪者と被害者遺族の関係を軸にした社会派エピソード。 ・第16話 「監察対象 杉下右京」 戸田山脚本。&bold(){本作最高の視聴率23.7%を記録した回。}堀内敬子氏がゲスト出演。 監察と並行して、ある殺人事件の真実が明かされていくという珍しい展開。前述の通り、小野田の死が内容に絡んできている(具体的に死が名言されたのは最終話だが)。 ラストはどんでん返し。 ・第17話「陣川警部補の活躍」 戸田山脚本。中村靖日氏や霧島れいか氏がゲスト出演。 珍しく1シーズンに2回目の陣川回で、視聴率は前話に次ぐ歴代2位の22.7%。 ・第18話「亡霊」 戸田山・輿水脚本。シーズン最終話。古谷一行氏や内山理名氏がゲスト出演。 S.8-1の続編で、本多親子をめぐる政治色の濃いサスペンス。 瀬戸内と雛子は相棒交代から一度も登場していなかったため、尊とは初対面である。 } #openclose(show=season10){ タイトルロゴは『相棒ten』。 放送期間は2011年10月19日~2012年3月21日、全19話。平均視聴率は16.6%。 尊とたまきが卒業し、幸子がレギュラー入り。シーズンを通して鬱々しい回や薫時代に登場した人物が再登場する回が多い。 ・第1話「贖罪」 輿水脚本。戸田菜穂氏や大沢樹生氏がゲスト出演。 15年前に尊の友人が殺害された事件を特命係が再検証するが、その裏には衝撃の真実が隠されていた。 「花の里」が突如閉店してしまう。 ・第2話「逃げ水」 櫻井脚本。渡哲也氏や綿引勝彦氏がゲスト出演。 S.7-10で登場した瀬田宗明が再登場。殺人事件の加害者と被害者遺族の関係を軸にした社会派。 ・第3話「晩夏」 太田脚本。三田佳子氏がゲスト出演。 右京がひょんなことから知り合った女流歌人の過去に迫る人情もの。すれ違いが悲劇を生む、やるせない結末。 ・第4話「ライフライン」 櫻井脚本。林和義氏や青山勝氏、立原麻衣氏や中沢青六氏がゲスト出演。 「ボーダーライン」に並んで「ライン2部作」とも称される回で、実際にラストの演出も似せてある。 あちら並みに救いのない残酷なエピソードだが、まだ捕物シーンが決まったりする分見やすいかも。 ・第5話「消えた女」 戸田山脚本。本仮屋ユイカ氏がゲスト出演。 劇場版の後日談的エピソードで、森村やよいが登場。 ・第6話「ラスト・ソング」 戸田山脚本。研ナオコ氏がゲスト出演。 ふとしたことから尊が第一発見者になった転落死事件。伝説のジャズシンガーに疑いの目が向けられるが、彼女は歯に衣着せぬ言動で特命係を振り回していく。 ・第7話「すみれ色の研究」 徳永脚本。柴俊夫氏がゲスト出演。 劇団特命係再び。 ・第8話「フォーカス」 守口悠介脚本。佐川満男氏や比留間由哲氏がゲスト出演。 傍観者効果は決して他人事ではない。 ・第9話「あすなろの唄」 櫻井脚本。利重剛氏がゲスト出演。 城南大学の教授が遺体で発見される。ブラック同然の激務を右京にたたき込まれる米沢に、捜査を止められながらも独自に調べるトリオ・ザ・捜一(ここのやりとりはトリオ好き必見)と各自の動きがある中、硫黄水素で殺されかけた特命係の命を救ったのは装備・防毒マスクだった。 ・第10話「ピエロ」 太田脚本。荷物を返しに行った尊と子どもたちが誘拐される元日スペシャル。 ブレイク前の斎藤工氏や遠藤雄弥氏、大橋のぞみ氏や目黒祐樹氏、吉田栄作氏がゲスト出演。 S.5-11と並び称されるノンストップサスペンスで、スリル溢れる展開や熱いキャラクター描写が光る。 お笑いコンビ・ザブングルの2人も特別出演している。 ・第11話「名探偵再登場」 戸田山脚本。高橋克実氏や松岡由美氏、矢柴俊博氏や陽月華氏がゲスト出演。 S.5-10で特命係と関わった中年オヤジ探偵・マーロウ矢木が再登場。 鬱々しいストーリーが続く今期では珍しく、割とコミカルな回。 尊の芹沢に対する「怪我治ったんだ」は直前の元日スペシャルを参照。ストーリーそのものに関連はない。 ・第12話「つきすぎている女」 古沢脚本。鈴木杏樹氏がゲスト出演。 出所した幸子が巻き起こすドタバタ騒ぎで、前話と同じくコミカルな内容になっている。なぜか急に頭が冴えなくなった右京にこの謎が解けるのか。 そして幸子がまさかのレギュラー化。放送終了後にYahoo!ニュースのトップで伝えられた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){結局、右京のスランプは「花の里」がなくなったのが原因であり、こちらに関しては尊と角田の方が先に気付いている。}} ・第13話「藍よりも青し」 [[高橋悠也]]脚本。梶芽衣子氏がゲスト出演。 組対5課の手伝いに参加した特命係は、鑑識に残された些細なことから見つけ出した産廃工場社長の自殺の謎に迫る。 ・第14話「悪友」 徳永脚本。金井勇太氏や三宅弘城氏、松本実氏や甲斐まり恵氏がゲスト出演。 S.8-17の続編で、鬱々しい今期では貴重なコミカル回。尊のキレッキレの毒舌を堪能したい方にはオススメ。 ・第15話「アンテナ」 櫻井脚本。萩原聖人氏がゲスト出演。 米沢が主役のスピンオフ『米沢守の事件簿』に登場した千束署の熱血刑事・相原誠が登場し、特命係やトリオ・ザ・捜一を振り回す。 人の言葉の中にある「主観」を高感度で受信してしまった人たちの物語。 ・第16話「宣誓」 戸田山脚本。石垣佑磨氏がゲスト出演。 S.7-7と同様に、行き過ぎた正義感が無実の人を犯人に仕立て上げた挙句死に至らしめてしまい、さらに悲劇を引き起こしてしまう。 尊の後悔にもスポットがあてられており、ラストは彼の今後を暗示しているようにも見えるが……。 前述の通り、三池崇史監督が暴力団の幹部の役柄で特別出演している。 ・第17話「陣川、父親になる」 守口脚本。松本莉緒氏がゲスト出演。 陣川が登場し、ドキュメンタリー番組の密着取材を受ける妊婦の父親になると宣言するが……。 ・第18話「守るべきもの」 ハセベバクシンオー脚本。今井朋彦氏や合田雅吏氏、手塚とおる氏がゲスト出演。 前週には陣川役の原田龍二氏が出演したため、1週違いだが[[水戸黄門]]の5代目助さん・格さんが揃ったことになる。 ・第19話「罪と罰」 輿水脚本。シーズン最終話。真野響子氏や浅見れいな氏、窪塚俊介氏や國村隼氏がゲスト出演。 &bold(){日本でクローン人間が誕生する}という衝撃的展開。その裏では例によって雛子と、劇場版IIで特命係に煮え湯を飲まされた元副総監・長谷川宗男が関わっていた。 } #openclose(show=season11){ タイトルロゴは『相棒Eleven』。 放送期間は2012年10月10日~2013年3月20日、全19話。平均視聴率は17.3%。 3代目相棒・甲斐享と峯秋親子、悦子が初登場。 ・第1話「聖域」 輿水脚本。賀来千香子氏や山田純大氏、団時朗氏や小林正寛氏がゲスト出演。3代目相棒・甲斐享が初登場し、香港を舞台に進行する。 『X DAY』のロンドン帰りに香港に立ち寄った右京は、果たして享とどんな出会いをするのか。 ・第2話「オークション」 戸田山脚本。岡まゆみ氏や藤木孝氏がゲスト出演。 古巣である中根署からの依頼を受けた享はジャズピアニストの腕をかたどった石膏を探すことになったが、それに絡む殺人事件にも巻き込まれてしまう。 ・第3話「ゴールデンボーイ」 太田脚本。山本龍二氏や趙珉和氏、若杉宏二氏や渡嘉敷勝男氏がゲスト出演。 特命係がボクシングに絡む事件に挑む。ミスをしたら謝りましょう。 ・第4話「バーター」 櫻井脚本。石丸謙二郎氏や中丸新将氏、菊池均也氏がゲスト出演。 悦子の勤務先であるNIA職員が遺体で発見され、事件はやがて警察をも巻き込む一大スキャンダルに……。 ・第5話「ID」 ハセベバクシンオー脚本(脚本協力は守口氏)。加藤晴彦氏がゲスト出演。 「ボーダーライン」に似ているが、あちらのような鬱々しさはなく、むしろ軽いテンポで進み、決して後味の悪さも感じさせない結末になっている。 最後は国民総背番号制に対する幸子の「(刑務所のように)番号をつけられるのはもうこりごりですから」というセリフがオチとなるが、&bold(){結局本当にマイナンバー制度が始まってしまった。} ・第6話「交番巡査・甲斐享」 徳永脚本。賀集利樹氏や小林高鹿(現・小林タカ鹿)氏、石原あつ美氏がゲスト出演。 享が交番勤務の時に関わったストーカー被害者が殺害される事件が発生。しかし、その真実は彼にとって最も受け入れがたいものであった。 ・第7話「幽霊屋敷」 櫻井脚本。松尾貴史氏がゲスト出演。 内村からの命令で廃墟のような家を訪れた特命係が白骨死体を発見したことから始まる、季節外れのホラー回。 全体的にコミカル。 ・第8話「棋風」 金井寛脚本。高野志穂氏や竹財輝之助氏、園田裕久氏や木下政治氏がゲスト出演。 人間と人工知能(AI)の将棋対決を軸に、AI研究者殺害事件の真相に迫る。 当時話題になっていた将棋電王戦をモチーフとした時事ネタ回。 ・第9話「森の中」 ・第10話「猛き祈り」 輿水脚本。2週に渡るエピソード。柴本幸氏や山本學氏、ウダタカキ氏や梶原ひかり氏、相葉裕樹氏や末広透氏、尾高杏奈氏がゲスト出演。 ある山中で、記憶喪失に陥るほどの激しい暴行を受けた享が保護される。彼の足取りを検証した右京とトリオ・ザ・捜一がたどり着いたのは、深い森の中で共同生活を送っている謎の集団だった。 集団の驚くべき素性と、享が唯一覚えていた「鈴の音」を手がかりに右京たちが事件の解明に奔走する。 ・第11話「アリス」 太田脚本。テレビ朝日開局55周年記念として制作された元日スペシャル。S.5以来6年ぶりに元日スペシャルが第11話になった。 波瑠氏や滝藤賢一氏、藤田弓子氏や中原丈雄氏、酒井和歌子氏や広瀬アリス氏などがゲスト出演。 57年前に焼失したホテルと失踪した元子爵令嬢の謎に迫る、時空を超えた壮大な物語。戦後の動乱期や警察庁発足の裏にある闇についても描かれる。 ・第12話「オフレコ」 戸田山脚本。ともさかりえ氏がゲスト出演。 全体的にコメディ。 ・第13話「幸福な王子」 徳永脚本。足立梨花氏や山下規介氏がゲスト出演。 享と陣川が初共演を果たし、消えた彫刻の謎に挑む。 ・第14話「バレンタイン計画」 酒井雅秋脚本。ブレイク前の北村匠海氏や葵わかな氏がゲスト出演。 近年は文字通り2月14日に再放送されることが多い。 ・第15話「同窓会」 金井脚本。近藤正臣氏や志垣太郎氏がゲスト出演。 勘違いから、廃校になった中学の同窓会に右京が参加することになるが……。 誰もが何らかの秘密を抱えて生きている。 ・第16話「シンデレラの靴」 ハセベバクシンオー脚本(脚本協力は柿木健二朗氏)。中山忍氏がゲスト出演。 企業の陸上部を題材にしたストーリー。 ・第17話「ビリー」 櫻井脚本。田中圭氏や関めぐみ氏がゲスト出演。 伊丹が主役のスピンオフ『X DAY』で登場するサイバー犯罪対策課専門捜査官・岩月彬が公開前に先駆けて登場。今回は特命係も交えて、FacebookそっくりなSNS「Facegood」にまつわる事件に挑む。 両方を見ることでさまざまなことが分かる。捜査の障害は「女心分からないブラザーズ」だった。 ・第18話「[[BIRTHDAY>BIRTHDAY(相棒)]]」 古沢脚本。加藤清史郎氏や左時枝氏、榊英雄氏がゲスト出演。 ひょんなことから特命係が見つけた不審な空き家。行方不明の少年と老婆の行方を探る。謎のマズいクリームの正体とは。現在と過去の描写を行きつ戻りつしながら、事件の全体像を少しずつ明かしていく。 本作の世界に&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){幽霊が実在し、しかもそれが比較的誰でも見える存在である}}ことが明かされた((なお、本作の世界に幽霊が実在すること自体はS.3で既に言及されている。))。 映像ソフト版では未公開シーンを追加した「ディレクターズカット版」が映像特典として収録されている。 ・第19話「酒壺の蛇」 櫻井脚本。シーズン最終話。星野真里氏や田中圭氏がゲスト出演。 角田と同期である組対2課長の死と炭素繊維の密輸出をめぐる、政治色の濃い陰謀サスペンス。 トリオ・ザ・捜一、組対トリオ、大河内、再登場の岩月、さらには尊(名前のみ登場)の協力を得て総力戦で事件解決に挑むが、思わぬ状況に事件は二転三転。 } #openclose(show=season12){ タイトルロゴは『相棒12』。 放送期間は2013年10月16日~2014年3月19日、全19話。平均視聴率は17.4%。 長らくストーリーを盛り上げてきたトリオ・ザ・捜一が解散してしまい、伊丹と芹沢のコンビになってしまう。 さらに、輿水氏と並んで本作の生みの親の一人・松本基弘プロデューサーをはじめ、櫻井氏や戸田山氏といったシリーズを長年支えてきたメイン脚本家の多くが今期を最後に製作から離れており、ターニングポイントの1つともなった。 ・第1話「ビリーバー」 輿水脚本。石田卓也氏や忍成修吾氏がゲスト出演。 「ネットde真実」な方々を徹底的に皮肉ったようなストーリーが展開されつつ、前期ではひたすらブラックだった峯秋の意外な一面が明らかになる一方、理不尽な出来事によって三浦が刑事を引退してしまうことに……。 ・第2話「殺人の定理」 金井脚本。岡田義徳氏や山本剛史氏がゲスト出演。 数学を題材にしたストーリーで、ある意味右京以上の天才が登場。&font(l){むしろ現実にこんな天才がいたら困る。} ・第3話「原因菌」 櫻井脚本。赤塚真人氏た朝倉伸二氏、於保佐代子氏や吉永秀平氏がゲスト出演。 放送当時問題になっていた、ホテル業界で行われていた食品偽装を扱った時事ネタ回。見ていくうちに他人事とは思えなくなってきた人も多かったはず。 ・第4話「別れのダンス」 戸田山脚本。大澄賢也氏や陽月華氏がゲスト出演。 悦子が出場するボールルームダンスの応援にやってきた特命係と幸子。終了後、大会のスポンサー社員の他殺体が発見され、右京と享はその第一発見者になってしまう。 ・第5話「エントリーシート」 金井脚本。岩田さゆり氏や斉藤祥太氏、近野成美氏がゲスト出演。 就職活動中の女子大生が殺害される事件が発生。特命係が就職活動の裏にある闇に切り込んでいく。 ・第6話「右京の腕時計」 徳永脚本。篠田三郎氏井上純一氏、辰巳蒼生氏がゲスト出演。 右京の腕時計を診てもらっている公認高級時計師(CMW)に関わる殺人事件が発生。&font(l){[[ピタゴラスイッチ]]とか言わない。} ・第7話「目撃証言」 飯田武脚本((櫻井武晴氏の別名義であり、『米沢守の事件簿』も担当している。))。小松和重氏や井田國彦氏、菅野莉央氏やヨシダ朝氏がゲスト出演。 カフェ店員殺害事件を特命係が捜査するが、その背景には誰しもが一度はやってしまいがちなある出来心が関係していた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){特にSNSをやっている方は要注意かもしれない。}} ・第8話「最後の淑女」 戸田山脚本。岩下志麻氏がゲスト出演。 テレビ朝日開局55周年記念プロジェクトである『55時間テレビ』の一環として放送された。 ・第9話「かもめが死んだ日」 輿水脚本。三津谷葉子氏や高橋洋氏、外波山文明氏や入来茉里氏がゲスト出演。 享の幼なじみである芸者が殺害される事件が発生。 ・第10話「ボマー~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」 太田脚本。開局55周年記念として制作された元日スペシャル。宇崎竜童氏や中村橋之助(現・八代目中村芝翫)氏、佐藤藍子氏や大和田健介氏がゲスト出演。視聴率は19.6%と元日スペシャルでは最も高い。 国際テロリストの陰謀により、享がテロ組織の一員疑惑および、内村狙撃事件の実行犯として指名手配されてしまう。 S.11-9~10と同じく享が事件に巻き込まれる形になるため、特命係は最後まで別行動にならざるを得ないという珍しい展開。貴重な享の運転シーンもある。 ・第11話「デイドリーム」 高橋脚本。雛形あきこ氏がゲスト出演。 アクシデントにより享が入院してしまったため、S.7-18のように陣川が相棒を務めており、享の協力を得ながら捜査していく。2話連続で右京と享が別行動を余儀なくされる珍しい展開。 ・第12話「崖っぷちの女」 金井脚本。小島聖氏がゲスト出演。 ラストを除き、今回も特命係が別行動で真相に迫る流れになっている。 ・第13話「右京さんの友達」 真野勝成脚本。尾美としのり氏がゲスト出演。 右京に似た雰囲気を持ち、紅茶とミステリーを好む毒島という男性との交流を描きつつ、隣室の女性が殺害された事件を再捜査する。 「和製シャーロック・ホームズ」の設定や「10人目の助手であるKくん」「前任者が9名いた」という発言など、往年の視聴者必見のワードが散りばめられている。 ・第14話「顔」 真部脚本。有沢比呂子氏や遠山俊也氏、芦川よしみ氏がゲスト出演。 整形をテーマにした話。一見全く無関係なはずの2人の男性の死と失踪が、ひょんなことから交差する。ラストは今期でもトップクラスで救いがない。 ・第15話「見知らぬ共犯者」 山本むつみ脚本。中山仁氏や[[天野浩成]]氏、中山絵梨奈氏がゲスト出演。 鏡に映っていたもの、それは……。自分をバッシングした者への憎悪が、悲劇の連鎖の始まりだった。何の根拠もなしに言われのない批判を受けた者たちによる復讐。 ・第16話「聞きすぎた男」 戸田山脚本。山崎樹範氏や嘉門洋子氏、俊藤光利氏がゲスト出演。 高性能の盗聴探知機を開発した男が思わず聞いてしまったもの、それは……。 ・第17話「ヒーロー」 金井脚本。岸田タツヤ氏や松尾れい子氏がゲスト出演。 火災から女性弁護士を助けたヒーローの正体、そしてIT企業の部長が殺害された事件の意外なつながりとは。 ・第18話「待ちぼうけ」 古沢脚本。太川陽介氏や芳本美代子氏がゲスト出演。 芹沢から特命係が揃って休暇中だと聞いた伊丹は、邪魔されなくていいとほくそ笑み、初老の男性殺害事件で珍しく冴えた推理を展開していくが、その先に彼を待ち受けていたものとは……。 ・第19話「プロテクト」 輿水脚本。シーズン最終話。中村嘉葎雄氏や阿部進之介氏がゲスト出演。 ある闇社会の大物の死刑が確定し、出所したばかりの長男が父親を裏切った弟に復讐すべく、刑務官の家族を人質にその自宅へ籠城する。 事件の背後には、今は亡きあの小野田公顕が絡んでいたことにより、右京と享は否応なしに事件の解決に奔走する羽目になってしまった。 } #openclose(show=season13){ タイトルロゴは『相棒 season13』。 放送期間は2014年10月15日~2015年3月18日、全19話。平均視聴率は 17.4%。 享と悦子が卒業し、美彌子が初登場。彼女の登場を機に、伏線を大量にバラ撒いては後のシーズンで徐々に回収していくという、今まであまり見られなかったマクロなストーリー展開が目立つようになった。 ・第1話「ファントム・アサシン」 輿水脚本。美彌子が初登場。羽場裕一氏がゲスト出演。 ロシア人スパイ、ヤロポロク・アレンスキーの亡命に端を発した連続殺人事件。右京の携帯がスマートフォンになった。 ・第2話「14歳」 森下直脚本。[[濱田龍臣]]氏や山崎銀之丞氏がゲスト出演。 文部科学省の官僚が殺人容疑で逮捕された事件に際し、特命係は14歳の謎の少年に「僕のゲームのプレイヤーに認定します」と宣戦布告され……。 ・第3話「許されざる者」 金井脚本。片岡礼子氏がゲスト出演。 強盗殺人の容疑で逮捕されながらも、敏腕女性弁護士によって冤罪が証明された男が殺害される。 遺体が発見されたのが密室の中だったため、興味を持った右京は享を伴い捜査を開始。 その結果明らかになったのは、あまりにも浅ましく、あまりにもおぞましい人間の業であった。 ・第4話「第三の女」 徳永脚本。原田夏希氏がゲスト出演。 退職した三浦の後任として、人事交流で警察庁刑事局に出向していた浅木真彩という若き女性警部補が捜査一課に配属され、1年ぶりの3人体制で捜査に挑むが……。 ・第5話「最期の告白」 金井脚本。山口良一氏やダンカン氏、佐藤正宏氏や佐藤めぐみ氏がゲスト出演。 S.7-最終話と同様に右京の「真実から目を背けてはならない」信念が言及されている。 ・第6話「ママ友」 金井脚本(原案は藤井清美氏)。岩崎ひろみ氏がゲスト出演。 ママ友をめぐる不協和音と勘違いが事件を引き起こす。 ・第7話「死命」 真野脚本。米村亮太朗氏や清水くるみ氏、阿知波悟美氏や藤井美加子氏がゲスト出演。 悦子からの依頼で保険金殺人の容疑者を単独捜査していた享だったが、目の前で自殺されてしまったことにショックを受け、辞職を決意する。その時右京は……。 ・第8話「幸運の行方」 太田脚本。矢崎滋氏や斉木しげる氏がゲスト出演。 腐れ縁の中年男性2人が巻き起こすコメディタッチな話。 ・第9話「サイドストーリー」 池上純哉脚本。丘みつ子氏や吉満寛人氏がゲスト出演。 料理も得意な杉下右京。 ・第10話「ストレイシープ」 真野脚本。元日スペシャル。2014年の干支もヒツジである。 平岳大氏や石田ひかり氏、川上麻衣子氏や三浦浩一氏、寺島進氏がゲスト出演。 経済犯罪から誘拐まで何でもござれの犯罪コンサルタント・飛城雄一の組織が連続して事件を引き起こす。そのターゲットには、なんと「&bold(){一人の女性を自殺に追いやった罪}」を償わせるという名目で杉下右京が含まれていて……。 「バベルの塔」で抜群のインパクトを残した日野警部補が満を持して再登場。 ・第11話「米沢守、最後の挨拶」 徳永脚本。池田政典氏や大高洋夫氏、奥田恵梨華氏や藤井宏之氏がゲスト出演。 珍しく米沢がメインの回であり、彼の鑑識という職業に対する誇りと責任感が窺える。彼が主役のスピンオフ『米沢守の事件簿』にも登場した早乙女美穂が登場。 ・第12話「学び舎」 藤井脚本。早織氏や長谷川公彦氏、内田滋氏や中林大樹氏がゲスト出演。 大学を舞台にしたストーリー。 ・第13話「人生最良の日」 山本脚本。床嶋佳子氏や湯江健幸氏がゲスト出演。 ひょんなことから札束を持った女性を見つけた特命係。ホテルで見つかった若い女性の変死体との関連性は……。 コメディ寄りの回。S.6-17では素人にあっさりやられた角田が覚醒する。 ・第14話「アザミ」 太田脚本。笹本玲奈氏がゲスト出演。 老舗ヴァイオリン工房の社長夫人殺害事件と、15年前に右京が知り合った双子の少女の身に起きた痛ましい事件の関係とは……。 ・第15話「鮎川教授最後の授業」 ・第16話「鮎川教授最後の授業・解決篇」 輿水脚本。2週に渡る前後編のストーリー。清水紘治氏や石野真子氏がゲスト出演。 大学時代の恩師・鮎川の古希を祝う会合に参加した右京と美彌子だったが、そこで思わぬ事件に巻き込まれてしまう。 ・第17話「妹よ」 金井脚本。水崎綾女氏がゲスト出演。 陣川の妹・美奈子が登場。 ・第18話「苦い水」 真野脚本。伊嵜充則氏や藤重政孝氏がゲスト出演。 享と雛子が初共演し、チョコレートが絡む殺人事件に挑む。雛子の驚くべき過去も明らかに。 ・第19話「ダークナイト」 輿水脚本。シーズン最終話。鈴木裕樹氏や前述した公式プレゼンターの赤ペン瀧川こと瀧川英次氏がゲスト出演。 犯罪者ばかりを狙った連続暴行犯「ダークナイト」の意外な正体、そして……。 &bold(){シリーズ史上、最も衝撃的なストーリー}。あまりに唐突かつ衝撃的な結末に賛否両論、というかほぼ&bold(){&font(#ff0000){炎上}}に近い規模で話題になったエピソード。 地域によっては欠番認定されるなど黒歴史扱いされることもあるが、CSでは問題なく再放送されている。 } #openclose(show=season14){ タイトルロゴは『相棒14』。 放送期間は2015年10月14日~2016年3月16日、全20話。平均視聴率は15.3%。 4代目相棒・冠城亘と日下部が初登場。今期以降、スペシャル回の予告ではゴブリン氏のナレーションが入るようになる。 米沢や雛子などのおなじみのキャラクターたちが一度は表舞台から去ったシーズンになり、PS.1から長らく監督を務めてきた和泉聖治氏も今期をもって卒業した。 一方で、後にレギュラー入りすることになる青木年男が初登場するなど、多くの点でシリーズ全体の節目ともなった。 ・第1話「フランケンシュタインの告白」 輿水脚本。4代目相棒・冠城亘が初登場。大和田獏氏や阿部丈二氏、井之上隆志や小柳心氏、栩原楽人氏がゲスト出演。 西多摩刑務所で受刑者が刑務官を殺害するという前代未聞の大事件が発生。日下部からの指令を受け、法務省から警視庁へ出向中の亘は伊丹たちとともに捜査を開始する。 一方、無期限停職中の杉下右京は、イギリスでスコットランドヤードに捜査協力をしていて……。 ・第2話「或る相棒の死」 真野脚本。宅間孝行氏や関戸将志氏がゲスト出演。 右京は峯秋を通じて大河内から亘が最近埼玉県警を調べていることを聞き、自らも捜査を開始する。 新相棒が本格的コーヒー派であることやあんな奴であること、右京がかき集めた人数が最強装備系だったことが分かり、前期の結末にも触れられている。&font(l){埼玉県警は杉下右京の存在を知らなかったようだ。} 長谷川のように次期警視総監との呼び声高い警視庁副総監・坂之上慶親が登場((時期的に考えて衣笠の前任とされる。ちなみに刑事ドラマなどの作品では「次期警視総監と目される副総監」が多いが、実際には本庁局長や大阪府警本部長よりも下位であるため、直接昇格した例は槇野勇氏と斉藤実氏の2人のみ。))。 ・第3話「死に神」 金井脚本。近藤公園氏や葛山信吾氏がゲスト出演。 右京の行く先々に事件あり。 ・第4話「ファンタスマゴリ」 真野脚本。岩松了氏や織本順吉氏がゲスト出演。 長年恐れていた巨悪は単なる幻影に過ぎなかった話。 ・第5話「2045」 徳永脚本。平岩紙氏がゲスト出演。 今回飛び出した、「&bold(){最悪の場合、遺体が1つ増えることになります}」というセリフは視聴者に妙なインパクトを残したようで、ネットミームと化している。 ・第6話「はつ恋」 谷口純一郎脚本。笛木優子氏がゲスト出演。 ある秘密を抱えたカップルのすれ違いを描く人情派ストーリー。初恋は実らない方が幸せかもしれない。 ・第7話「キモノ綺譚」 輿水脚本。西原亜希氏がゲスト出演。 幸子が手に入れた古着の着物をめぐる物語。勘のいい人は最初の方でトリックが分かるが、オチが捻られている。 名札がなければ自分で作ろう。 ・第8話「最終回の奇跡」 藤井脚本。玄理氏や原田佳奈氏がゲスト出演。 「殺人を予言した」という[[漫画]]の正体に右京と亘が迫る。 ・第9話「秘密の家」 金井脚本。新妻聖子氏や西田健氏がゲスト出演。 謎に包まれた一家の秘密を右京と亘が解き明かす。 ・第10話「英雄~罪深き者たち」 真野脚本。元日スペシャル。「カナリアの娘」「亡霊」から続く本多親子のストーリー。 古谷一行氏や内山理名氏、武田梨奈氏や橋本さとし氏、郭智博氏や西村和彦氏がゲスト出演。 内閣官房長官とともに次期総裁選に挑む官房副長官の雛子と、再びテロに身を投じた稀代の革命戦士・本多、そして久しぶりに再会した三浦からの情報で独自の捜査を始めた右京の3人の信念が交錯する。 ・第11話「共演者」 坂上かつえ脚本。多岐川裕美氏や高橋かおり氏がゲスト出演。 &font(l){不審者に間違えられた}伊丹が大ファンでもある映画の主演女優・桜庭かなえとベテラン女優・桐島万里子の確執、そしてかなえの姉でマネージャー・恵子の死の関係とは。 ・第12話「[[陣川という名の犬>陣川という名の犬(相棒)]]」 真野脚本。黒川智花氏がゲスト出演。 シリーズ恒例である陣川が主役の回だが、今までとは違ってシリアス一辺倒でダークな内容である。 ついに恋が実ると思われた矢先に起こった事件により、闇落ちしてしまう陣川の行く末は……。 ・第13話「伊丹刑事の失職」 金井脚本。大場泰正氏や野仲イサオ氏、丹波貞仁氏がゲスト出演。 1か月前に伊丹が自殺として処理した事件について、「実は殺人だった」という犯人の手記が新聞にスクープされる。彼は新聞社に対して提出を要求するも拒否され、はずみで編集長を突き飛ばしてしまい……。 ・第14話「スポットライト」 宮村優子脚本((同姓同名の声優とは別人の脚本家の方。))。渋谷謙人氏や駒木根隆介氏、小林麻子氏がゲスト出演。 殺人事件を通じ、しがないお笑いコンビの絆が描かれる。 ・第15話「[[警察嫌い>警察嫌い(相棒)]]」 輿水脚本。浅利陽介氏がゲスト出演。S.15からレギュラーになる青木年男が初登場。 殺人事件の唯一の目撃者ながら、なぜか警察を異様に敵視していて通報すらしなかった青木という男から殺人事件の目撃証言を得なければならないという、無理難題にもほどがあるミッションに右京と亘が挑むが……。 ある理由により、S.15以降のストーリーの流れを大きく決定づけた重要な回でもある。 ・第16話「右京の同級生」 山本脚本。竹下景子氏がゲスト出演。 小学生時代に短期間だけ同級生だった女医と再会した右京。一方、亘は日下部からの秘密指令で入国管理局の情報漏洩問題を探っていた中、外国人労働者の派遣業を営む団体の職員が遺体となって発見される。 ・第17話「物理学者と猫」 徳永脚本。正名僕蔵氏や中丸新将氏、大沼百合子氏がゲスト出演。 [[シュレディンガーの猫]]を題材にした、SF要素の強い異色作。S.8-18とは違う意味で変則的な構成になっており、午前9時20分を境に複数の世界線に分岐する。 箱に入れられた猫の生死のように、真実は視聴者が観測を終えて確かめるまで確定しない。 ・第18話「神隠しの山」 ・第19話「神隠しの山の始末」 池上脚本。2週に渡る前後編のストーリー。升毅氏や山口果林氏、岡本あずさ氏や川野直輝氏、下條アトム氏がゲスト出演。 3年ぶりに姿を現した指名手配犯を追い、「神隠しの山」とも呼ばれる夕霧山へと足を踏み込んだ右京だったが、足を踏み外して崖から転落してしまう。 果たして右京の運命は……。そして夕霧山に隠された秘密とは。 ・第20話「ラストケース」 輿水脚本。シーズン最終話。高岡早紀氏や小野寺昭氏、国広富之氏や石橋蓮司氏がゲスト出演。 警察学校の生徒が同僚や教官を射殺するという未曾有のテロ事件が発生。「警察嫌い」の事件における捜査妨害の件で右京ともども謹慎処分になってしまった亘は、「これが僕にとっての最後の事件」と覚悟を決めるが……。 和泉監督がメガホンを握った最後のエピソードでもあり、氏にとっての「ラストケース」でもある。 } #openclose(show=season15){ タイトルロゴは『相棒15』。 放送期間は2016年10月12日~ 2017年3月22日、全18話。平均視聴率は15.2%。亘時代では唯一全20話ではない。 相棒新時代らしく、これまでと毛色の異なるストーリー展開が多い。益子・衣笠と楓子が初登場し、前期で初登場した青木がレギュラーキャラクターとして登場。 また、珍しく今期は陣川が登場しておらず、名前・写真だけの登場になった。 ・第1話「守護神」 輿水脚本。山本陽子氏や小野ゆり子氏がゲスト出演。 美彌子の秘密についても触れられており、S.13で放置されていた伏線が一部回収。新キャラクターも多数登場。 伊丹の携帯がスマホに。二転三転する事件、そして最後は……。 行きたい場所のためなら4代目は上司を脅す。『熱中時代』『GTO』『ごくせん』と教師ドラマの主役がそろい踏み。 ・第2話「チェイン」 真野脚本。音尾琢真氏や大谷みつほ氏がゲスト出演。 特命係に正式配属された亘が、シガーにまつわる最初の事件に挑む。 ・第3話「人生のお会計」 櫻井智也脚本。石井正則氏がゲスト出演。 余命宣告を受けた保険の営業マンが人生の総決算に挑む。 ・第4話「出来心」 山本脚本。風間杜夫氏がゲスト出演。 どこか憎めない美人局詐欺師と特命係の腹の探り合いが中心の、コメディテイスト溢れる話。 平井「いやいや、刑事なら一目で分かる。もっと疑り深い、いや~な目つきしてるからな」 副音声「ビルの前。いや~な目つきの伊丹と芹沢が張り込みをしている」 ・第5話「ブルーピカソ」 坂上脚本。森尾由美氏がゲスト出演。 右京の自宅には無名の画家が描いた風景画が1枚あるらしい。 ・第6話「嘘吐き」 森下脚本。柳生みゆ氏や諏訪太朗氏、小林峻氏や菊地美香氏、土井志央梨氏がゲスト出演。 『[[世にも奇妙な物語]]』風のホラーテイストな物語。果たして誰が真実を言い、誰が嘘を吐いているのか……。 ・第7話「フェイク」 徳永脚本。[[安達祐実]]氏や木下あゆ美氏がゲスト出演。 特命係が別々の視点で小学生誘拐事件の真相に迫るが、思わぬ内通者の発覚により事件は二転三転。 そして、事件の中に隠された悲しき嘘とは……。 ・第8話「100%の女」 金井脚本。鶴田真由氏がゲスト出演。 外務省高官刺殺事件を軸に、特命係が亘の知人である敏腕女性検事と対峙するが、例によって上層部や日下部からの圧力を受けてしまう。 ・第9話「あとぴん~角田課長の告白」 宮村脚本。相島一之氏がゲスト出演。 珍しく角田が主役の回。 ・第10話「帰還」 真野脚本。特命係が臨時閉鎖され、右京と亘が郊外にある&ruby(くろうず){黒水}町の駐在所にピンチヒッターとして飛ばされてしまう元日スペシャル。八嶋智人氏や伊藤歩氏、永島敏行氏や小宮孝泰氏、平岡拓真氏や仁村紗和氏がゲスト出演。 平和そうに見える街の暗部を、S.3以来久々となる「特命係じゃない2人」が鮮やかに解き明かしてゆく。 犯人である、本作史上稀にみる[[サイコパス]]との戦いは必見。 登場人物や舞台の設定上、「これ『[[TRICK>TRICKシリーズ(ドラマ)]]』?」とも一部では言われていた。 ・第11話「アンタッチャブル」 山本脚本。桜田ひより氏がゲスト出演。 会社員殺害事件の唯一の目撃者は衣笠副総監の愛娘。特命係はなかなか口を開こうとしない彼女から証言を聞き出すことができるのか。 ・第12話「臭い飯」 池上脚本。笹野高史氏や入山法子氏がゲスト出演。 大手企業の食品疑惑をめぐる事件に特命係が挑む。受刑者の葛藤と苦しみに焦点を当てた社会派。 ・第13話「声なき者~籠城」 ・第14話「声なき者~突入」 太田脚本。田中偉登氏や菅原大吉氏がゲスト出演。 劇場版IVにつながる2週連続のストーリーで、今から約1年前の2016年2月23日を舞台に((「右京の同級生」~「神隠しの山」の間とされる。))、右京とまだ法務省からの出向中だった亘が遭遇したある籠城事件を描く。 本編では特命係卒業後初めて尊が登場。右京と久しぶりの再会を果たした。 また、米沢が警察学校の教官に異動になった理由も明かされている。 ・第15話「パスワード」 櫻井智也脚本。橋本真実氏がゲスト出演。 胃潰瘍で入院した幸子のお見舞いに来た特命係は病室で盲目の女性と知り合ったことを機に、ヘルパー刺殺事件に挑むことになる。 ・第16話「ギフト」 真野脚本。野間口徹氏や松尾諭氏がゲスト出演。 S.14-12の続編で、伊丹が逮捕したシリアルキラーが病院から脱走し、連続殺人を開始する。 ・第17話「ラストワーク」 森下脚本。渡辺哲氏や西山繭子氏、尾上寛之氏がゲスト出演。 自らの犯行を撮影し、それを動画配信する狂気の動画クリエイター現る!? 「動画配信ビジネス」「ネット炎上」「不謹慎動画」……21世紀らしい要素満載物語の結末とは。 ・第18話「悪魔の証明」 輿水脚本。シーズン最終話。羽場裕一氏がゲスト出演。楓子が初登場。 S.13-1の続編で、知られざる美彌子の秘密に迫る。 右京の無感情の「黙っていろ!」と、それに突っ込んだ亘の「右京さん、あなた……何様だ」を筆頭に見どころが満載。 } #openclose(show=season16){ タイトルロゴは『相棒16』。 放送期間は2017年10月18日~ 2018年3月14日、全20話。平均視聴率は15.2%。 今期をもって放送300回を突破し、記念スペシャルが放送された。前後編であり、前期でぶん投げられた美彌子絡みの伏線が回収されたり、懐かしいメンバーも出ていたりしている。 放送中の2018年2月21日に衣笠藤治役の大杉漣氏が急死し、第18話で追悼テロップが表記された。 ・第1話「検察捜査」 ・第2話「検察捜査~反撃」 輿水脚本。今期から初回スペシャルはなくなり、S.9のように2週連続の構成になる。田辺誠一氏や中村俊介氏、中村ゆり氏がゲスト出演。 特命係と容疑者・検事との対峙と並行し、裏では特命係廃止を目論む者たちの暗躍も描かれている。 役者が役者だったので浅見光彦(火サス版)vs浅見光彦(映画・フジ版)対決とも呼ばれた。 状況が状況なのか、伊丹と芹沢がかなり協力的なのも特徴。 ・第3話「銀婚式」 太田脚本。菊池桃子氏や川野太郎氏がゲスト出演。 上司になった峯秋からの頼みで特命係が銀婚式を控えた夫妻の問題に切り込んだところ、思わぬ真実が明らかに。 ・第4話「ケンちゃん」 金井脚本。内田朝陽氏や西井幸人氏がゲスト出演。 亘が顔なじみになった、元気だが独特の感性を持つコンビニ店員が殺害される。各地では彼の意外な才能や、高い評価を聞くことができるが……。 自分より格下だと思っている人間が、実は自分より遥かに優れていたことによる嫉妬が悲劇を産む。 ・第5話「&ruby(ハンケチ){手巾}」 『ラストホープ』や『絶対零度』シリーズを手がけた浜田秀哉脚本。南沢奈央氏や佐戸井けん太氏がゲスト出演。 劇場版IV以来となる米沢が登場し、亘や青木も指導を受けたベテラン教官転落事件の謎を追う。 前述の通り、映画では特命係に対してかなり冷たかった米沢だが、今回以降は割と友好的になっている。 ・第6話「ジョーカー」 浜田脚本。山田純大氏や藤田宗久氏、宮本裕子氏がゲスト出演。 ある理由から懲戒免職になった元捜査二課の刑事が、処分は不当だとして警視庁を訴えるという前代未聞の事態が発生。 峯秋の命を受けて動き出した特命係は、裁判で矢面に立たされることになった大河内とともに全容解明に挑むが……。 S.15-16で特命係と因縁を残した弁護士の連城が、原告側の弁護人として再登場。 ・第7話「倫敦からの客人」 徳永脚本。伊武雅刀氏がゲスト出演。 右京がスコットランドヤードで研修していた際の相棒だった、[[南井十]]という日系イギリス人の男性が退職を機に来日。 それと同時期に、インターネットの深淵「ダークウェブ」に絡んだ遺体が多摩で発見される。 S.18まで続く、南井との因縁の始まりである。 ・第8話「ドグマ」 真野脚本。岩井秀人氏や内田裕也氏がゲスト出演。 架空の生物「ジゴクバチ」による殺人事件が発生。中央アジア系テロリストが日本に潜入した背景もあり、特命係は公安部や日下部からの圧力を受けるが……。 ・第9話「目撃しない女」 山本脚本。朝倉あき氏がゲスト出演。 スナック店主殺害事件が発生。目撃者は亘がひいきにしているキッチンカー店主だが、証言が不自然にあいまいだったため、伊丹は事件への関与を疑うが……。 ・第10話「サクラ」 太田脚本。元日スペシャル。ブレイク前の健太郎氏や篠井英介氏、梶原善氏や鶴見辰吾氏がゲスト出演。 「[[正義]]」とは何か。終盤の右京の言葉は、今までの彼を知っていると感慨深いものがあるかもしれない。 幸子の今後の決断にも関わるエピソード。 ・第11話「ダメージグッズ」 真野脚本。真野恵里菜氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、ロンドンで知り合った女性に関する相談を持ちかける。 ・第12話「暗数」 山本脚本。筒井真理子氏や桜田ひより氏、長野里美氏がゲスト出演。 S.15-11の続編で、高校生になった市原里奈と再会しつつ、同話で一部触れられた衣笠家の秘密が明かされる。 性犯罪がテーマで、不特定多数の第三者が被害者を迫害するセカンドレイプの根深さも描かれている。 ・第13話「いわんや悪人をや(前篇)」 ・第14話「いわんや悪人をや(後編)」 輿水脚本。高橋惠子氏や矢野聖人氏がゲスト出演。 放送300回を記念した前後編スペシャルで、今まで放置されていた多くの伏線が回収され、美彌子をめぐる一連の出来事に決着をつけた内容になっている。 ・第15話「事故物件」 太田脚本。勝矢氏がゲスト出演。 中心となるホームレスがかなり能天気な性格で、全体的にコミカルな回。 一方で、登場する富豪一族のほぼ全員が利己的な性格であり、貧乏ながらも心優しいホームレスとのコントラストが効いている。 近年では珍しく、&bold(){捜査一課の2人が全く登場しなかった回でもある}。 ・第16話「さっちゃん」 真野脚本。池田成志氏がゲスト出演。 ついてない女・幸子と元プロボクサーの男の関係を軸に、消費者金融で起こった乱闘事件の謎に挑む。 ・第17話「騙し討ち」 金井脚本。矢島健一氏や山中聡氏((今回は芹沢役の兄・崇史氏と兄弟で共演を果たしている。))がゲスト出演。 IT会社の営業マン殺害事件と、それに絡む中央省庁の贈収賄事件をめぐり、捜査一課と二課が対立するが……。 ・第18話「ロスト~真相喪失」 池上脚本。森迫永依氏や矢野浩二氏がゲスト出演。 真実に近づくのも遠ざかるのも通訳者次第。 ・第19話「少年A」 徳永脚本。加藤清史郎氏がゲスト出演。重すぎる『[[君の名は。]]』でもある。 一言でいえば『誰も知らない』をモチーフとしたストーリーで、現状の遠いように見えて身近な問題をテーマとした非常に憂鬱な話。 しかし特命係や伊丹が少年にかける言葉など見どころは多く、決して後味悪くはない。 最終話直前にこのような話を打ち込んでくるあたり、『相棒』というドラマは何かを思い出させてくれる。 ・第20話「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」 輿水脚本。シーズン最終話。加賀まりこ氏や遠藤雄弥氏、とよた真帆氏がゲスト出演。S.15からぼちぼち出ていた楓子の過去が判明する。 まさかのコメディ回。大杉漣氏が撮影中に急逝し、急遽後任として杉本哲太氏が起用されたことで話題になった。 楓子がエスカレーターから転落する事件が発生。容疑者は偶然現場に居合わせた、衣笠と青木、峯秋と美彌子、内村と中園の6人。 結果的には「大山鳴動して鼠一匹」だったが、亘の卒業どころか&bold(){その鼠が特命係に入る}という、ドラマ的には衝撃的な事件が起こった。 他にも、コミカルで人情味あふれる描写はあるがそれだけではごまかせられない悪辣なヤクザたちの暗躍、そしてそこに育てられた楓子の存在や、右京に気づかれずに彼女に情報を流した誰かなど、伏線の多い回でもあった。 } #openclose(show=season17){ タイトルロゴは『相棒17』。 放送期間は2018年10月17日~2019年3月20日、全20話。平均視聴率は15.3%。 右京と亘、異例の4年目に突入。そしてまさかのトリオ・ザ・特命係。鑓鞍が初登場。 今季をもって幸子が卒業した。 長らく番組を盛り上げてきた大木長十郎役の志水正義氏が2018年9月27日に逝去。撮影順の関係で第1話~第3話と第8話に出演しており、病気の影響からか痩せているようにも見える。 第1話の最後には写真とともに追悼テロップが表示された。 ・第1話「ボディ」 ・第2話「ボディ~二重の罠」 輿水脚本。とよた真帆氏や利重剛氏、谷村美月氏がゲスト出演。鑓鞍が初登場。 3人体制になった特命係が、前期の最終話にも登場した三上冨貴江の一家をめぐる完全犯罪に挑む。 事態はやがて、右京がクビを賭けて遺体が埋められていると思われる離れを重機で一気に破壊するという迫力ある展開に。 果たして彼の運命は……。 ・第3話「辞書の神様」 神森万里江脚本。森本レオ氏や森田順平氏がゲスト出演。右京の口から「まじ卍」という言葉が出るとは……。 独特の感性を持ちすぐに癇癪を起こす先生と、その先生に怒られながら耐える助手。 一見して最悪の関係に見える2人だが、実は彼らの間には確実な絆、いや「縁」があり……。 ・第4話「バクハン」(&bold(){&font(#ff0000){本放送版は封印扱い}}) 真野脚本。中野英雄氏や長谷川公彦氏、崎本大海氏がゲスト出演。 組織犯罪対策四課の賭博担当、通称「バクハン」をめぐり、今まで仲よくやってきた右京と角田が対立するという衝撃的展開。 普段は割と適当に角田をあしらっているように見える右京だが、内心では信頼していることがうかがえる。 その後は雨降って地固まったのか、元通りの関係に戻っている。 ラストは衝撃の結末。視聴者からはよくも悪くも大きな反響を呼んだ一方で、この場面に登場する薬物中毒者の描写が大きな問題になった。 放送後に薬物問題の専門家から「実際にはあのような薬物依存患者はいない」「間違ったイメージと偏見を増長する」といった批判を受けたことがメディアで取り上げられると、なんと衆議院の厚生労働委員会でも議題に上がるなど、文字通りの「問題作」になってしまった。 そのため、このエピソードは一度も再放送されておらず、ノベライズ版でも未収録になっている。各映像作品では収録されているので欠番認定こそされていないが、当該シーンは全てカットされてしまっており、ノーカット版の合法的な視聴はかなり難しい。 脚本担当である真野氏は今期を最後に本作と関わっていないが、この騒動との関連性は不明。 ・第5話「計算違いな男」 根本ノンジ脚本。木村了氏がゲスト出演。 特命係が完全犯罪を目論む天文学者に挑む。 ・第6話「ブラックパールの女」 山本脚本。西田尚美氏や松尾諭氏がゲスト出演。 連城からの依頼を受け、「平成の毒婦」と呼ばれる控訴中の連続殺人犯・遠峰小夜子と面会した特命係がある男性の事故死を再検証する。 しかし、これは小夜子との因縁の始まりに過ぎなかった。 ・第7話「うさぎとかめ」 森下脚本。山中崇氏や関幸治氏、松田賢二氏がゲスト出演。 警視庁へ出勤途中の右京がオフィス街で偶然出会ったリクガメを尾行していったら、血まみれで倒れていたホームレスを発見。 残念ながら亀はレギュラーにはならなかったが、基本他人に憎まれ口を叩きまくる青木も、実は動物には優しいことが判明した。 ・第8話「微笑みの研究」 金井脚本。佐津川愛美氏や冨樫真氏、オクイシュージ氏がゲスト出演。 撮影順の関係で大木が登場しており、事実上の遺作でもある。 ・第9話「刑事一人」 真野脚本。井上肇氏や藤原季節氏がゲスト出演。 「特命係の先輩」「サルウィンにいる誰か」など、第7話と同じく初代相棒を思わせる表現が出ている。 ・第10話「ディーバ」 太田脚本。テレビ朝日開局60周年記念番組として制作された平成最後の元日スペシャル。大地真央氏や河合青葉氏、優希美青氏や西岡德馬氏がゲスト出演。 また、仲間氏の産休明けで復帰した美彌子や、S.15-13~14以来約2年ぶりの登場となる尊など、見どころが満載。 珍しく現場に出向く青木。幸か不幸か、衝撃の3人体制は放送開始から3か月(通算在籍期間は9か月)で終わってしまう。 ・第11話「密着特命係24時」 根本脚本。袴田吉彦氏ややべきょうすけ氏がゲスト出演。S.4-3やS.7-16に続く、芹沢の友人に関するエピソード。&font(l){つくづく友だち運のない男である。} タイトルの元ネタは警察密着取材ドキュメンタリーであるが、実際にエピソード内で捜査一課が密着を受けており、一部が劇中劇の形で映る。 予告での劇中ナレーションは[[小林清志]]氏だったが、実際の放送では武虎氏になっている。 ・第12話「怖い家」 山本脚本。南野陽子氏がゲスト出演。 中園から依頼を受けたことから始まる、季節外れのホラー回。 ・第13話「10億分の1」 神森脚本。大和田美帆氏や大路恵美氏がゲスト出演。 特命係がフリマアプリの裏に潜む闇に迫る。 ・第14話「そして妻が消えた」 根本脚本。宮川一朗太氏や東風万智子氏がゲスト出演。 ちっぽけな虚栄心が殺人事件まで引き起こしてしまう。 ・第15話「99%の女」 金井脚本。鶴田真由氏や末広ゆい氏がゲスト出演。 S.15-8の続編。機密漏洩に過労自殺、官僚殺害と複雑に絡み合った事件の謎を特命係が解き明かす。 ・第16話「容疑者 内村完爾」 児玉頼子脚本。江藤潤氏やあめくみちこ氏がゲスト出演。 人権派弁護士殺害事件の容疑者として、内村が神奈川県警に拘束される事態が発生。 中園の指示で、特命係が特例で正式な捜査を開始するが、その裏には思わぬ真実が隠されていた。 殺人事件者の被害者はもちろん、加害者もまた苦しんでいる。 ・第17話「倫敦からの刺客」 徳永脚本。伊武雅刀氏や池内万作氏、ニコラス・ペタスがゲスト出演。S.16-7の続編で、南井十が再登場。 前回はある事件について裏で糸を引いていたことを右京に追及されながらもイギリスに帰国したが、再び行動を開始する。 ・第18話「漂流少年~月本幸子の覚悟」 ・第19話「漂流少年~月本幸子の決断」 太田脚本。浦上晟周氏や鶴田忍氏、長谷川ティティ氏がゲスト出演。2週にわたる前後編。 ついていない女・幸子を襲う不可解な事件、そして……。 ・第20話「新世界より」 金井脚本。平成最後のシーズン最終話。中原丈雄氏や渕野右登氏、小木茂光氏や大浦龍宇一氏、八木優希氏がゲスト出演。 致死率100%の新型ウイルスによるパンデミックを題材にした、サスペンス色の強いエピソード。 そのやや突飛な設定から、放送当時こそ視聴者を困惑させた部分もあったものの、それから1年後には&bold(){現実世界が本当に世界的なパンデミックに覆われ、それに伴う「反科学」が浮き彫りになる}など、今となっては文字通り将来を予知した先見性のあるエピソードでもあった。 放送後、文字通り命を賭けた活躍により「イタミン」がトレンド入りした。 } #openclose(show=season18){ タイトルロゴは『相棒18』。令和初の相棒でもある。発表は9月3日と例年よりも遅かった。 放送期間は2019年10月9日~2020年3月18日、全20話。平均視聴率は14.7%。 右京と亘のコンビも5年目に突入。テレビ朝日開局60周年とシリーズ20周年を記念したドラマシリーズ最大スケール。 再び閉店した「花の里」の代わりの店が出るのか、はたまた再復活するのか期待されていたが、最終話にて峯秋の尽力で「こてまり」という店が発見された。 オープニングはS.2以来久しぶりに複数種類が用意されており、スベシャルと通常回で多少異なっている。ロケ地は自由学園明日館。 そして、20年目になってようやく見逃し配信が行われ、放送終了後から約1週間は見逃し配信サイトやGYAO!で視聴できた。 ・第1話「アレスの進撃」 ・第2話「アレスの進撃~最終決戦」 輿水脚本。北香那氏や団時朗氏、そして水谷氏を兄のように慕う[[船越英一郎]]氏がゲスト出演。S.16-13~14以来となる雛子も登場する。 恒例のロンドン旅行から帰国したはずの右京が音信不通になるという前代未聞の幕開け。 亘は彼が立ち寄ったとされる日本最果ての島・&ruby(てんれいじま){天礼島}へと乗り込むが、そこでは不気味な連続殺人事件と、国家を揺るがす巨大な陰謀が……。 北海道を舞台に巻き起こる殺伐回。内容としては非常にシリアスなものの、陸上自衛隊の元レンジャー隊員が規格外過ぎて歩いているだけでも、外から覗いているだけでも面白いという[[シリアスな笑い]]を生み出していた。 彼を指した言葉として、「壊れた殺戮兵器」「アレス」といった本作らしからぬパワーワードも爆誕した。 とはいえ彼で笑っていたら、切ないラストに対し少し複雑な気分になるかも。 ・第3話「少女」 神森脚本。大島美優氏や三浦誠己氏がゲスト出演。 益子の愛猫を探してくれた少女に礼をしに行ったら殺人事件が発生。誘拐されたと思われる少女と犯人と思われる男の二転三転する事情。今回も鬱だったが最後は……。 ・第4話「声なき声」 児玉脚本。長谷川朝晴氏がゲスト出演。 厚生労働省の過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」の職員が転落死体で発見される。捜査を進めるうちに、背景に巨大権力の影があることが分かり……。 外国人技能制度の闇を取り扱った屈指の社会派回。 ・第5話「さらば愛しき人よ」 児玉脚本。佐藤江梨子氏や水橋研二氏がゲスト出演。 行方不明になった亘の元カノについて分かるあれこれ。情報をかき集めて、たどり着く真実。 最後にようやく、逢えたね。 ・第6話「右京の目」 根本脚本。山崎一氏や佐藤寛子氏、山本道子氏がゲスト出演。 S.7-11に登場した家政婦で、現在は花畑管理サービスの従業員に転職した江波和江の相談に乗った右京が謎のトラップで目が見えなくなる中、起きる殺人事件。 そして新しい相棒、音声認識アプリの「Buddy」は最終話にて別の形で登場。 ・第7話「ご縁」 斉藤陽子脚本。河西健司氏や山口美也子氏。松井紀美江氏がゲスト出演。 頻発するアポ電強盗グループを一掃するべく、各課が一丸となって摘発に挑む警視庁。 そんな中、特命係は情報漏洩の原因に代理婚活パーティがあると掴み、右京は青木の親代わりに、亘はスタッフとして潜入するが……。 前半はコミカルな感じで進むが、後半は一転シリアス調に。 ・第8話「檻の中~陰謀」 ・第9話「檻の中~告発」 神森脚本。「レベル4」や「森の中・猛き祈り」に続く、元日スペシャル前の前後編ストーリー。中村育二氏や山崎樹範氏、中村優子氏がゲスト出演。 獄中の天才教授・皆藤が放つ恐るべき計画とは……。 ・第10話「杉下右京の秘密」 根本脚本。遊井亮子氏や鳥越壮真氏、渋谷謙人氏や石井愃一氏がゲスト出演。 子どもとその母親の家族3人で仲睦まじく過ごす右京と、雑木林から発見された大量の金塊とそれを隠したとされる運び屋の遺体。果たしてこれらの事件の関係性やいかに。 ・第11話「ブラックアウト」 神森脚本。テレビ朝日開局60周年記念番組として制作された令和初の元日スペシャル。瀧本美織氏や浅香航大氏、長谷川初範氏がゲスト出演。元日スペシャルが第11話になるのはS.11以来である。 警視庁主催のゴルフコンペ終了後に爆発が起き、籠城事件が発生。右京の獅子奮迅の活躍で事態は収拾するも、さらに事件は続いていく。 例年以上の杉下右京無双で、彼の超人さが端的に分かる内容になっており、もはや[[「もう右京一人でいいんじゃないかな?」>時空英雄 仮面ライダー]]レベル。 ・第12話「青木年男の受難」 児玉脚本。中村優一氏や津村知与支氏がゲスト出演。 拉致された青木を救うべく、特命係と捜査一課が内密に捜査を開始するが……。 ・第13話「神の声」 山崎太基脚本。松居直美氏や小宮健五氏、粕谷吉洋氏がゲスト出演。 S.8-2のように遺留品返却で奥多摩にやってきた特命係が事件に巻き込まれる。鬱である。 終始奥多摩が舞台になっているため、登場するレギュラーキャラクターは特命係と伊丹・芹沢のみ。 ・第14話「善悪の彼岸~ピエタ」 ・第15話「善悪の彼岸~深淵」 徳永脚本。伊武雅刀氏や石田ニコル氏がゲスト出演。初となる&bold(){1シーズンに3回目の前後編ストーリー}で、ついに南井との因縁が決着する。 右京と南井の対決で分かる事件の真実。伊武氏の演技力がすさまじい。 そしてやるせなさのなか、次回は第3の相棒がまたやってくるというのがニクイ。 ・第16話「けむり~陣川警部補の有給休暇」 根本脚本。飛鳥凛氏や小倉一郎氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、警察も全く手が出せない伝説の連続窃盗犯「けむり」を追う。 陣川と青木のやりとりなどコミカルな面もある一方、後半は一転してシリアスである。 ・第17話「いびつな真珠の女」 山本脚本。西田尚美氏や朝倉あき氏、松尾諭氏がゲスト出演。 これまでのシーズンに登場した、亘と因縁があって対照的な特徴を持つ「目撃しない女」新崎芽依と「ブラックパールの女」遠峰小夜子がまさかの共演。 いつも通り的確な推理をする右京と、小夜子の思うままに動かされる亘の対比が著しい。 殺人鬼との戦いを終わらせたと思ったら、新たな殺人鬼が生まれてしまうという本作屈指の悪循環。 ・第18話「薔薇と髭との間に」 児玉脚本。細田善彦氏や夙川アトム氏、清水昭博氏がゲスト出演。 12年ぶりにヒロコが登場し、1億円強奪と殺人事件の謎に挑む。 ・第19話「突破口」 太田脚本。中本賢氏や野仲イサオ氏、松尾諭氏がゲスト出演。 政府が絡む転落死事件に特命係が挑む。人の話はちゃんと聞きましょう。 ・第20話「ディープフェイク・エクスペリメント」 輿水脚本。シーズン最終話。坂井真紀氏や相島一之氏、遠山景織子氏や村上新悟氏がゲスト出演。 AIによるフェイク動画を巡る事件。右京にまた推理力減退の危機が……。 今後も登場しそうな準レギュラー候補が多数登場したほか、峯秋の働きかけでついに新たな行きつけの店が発見され、小出茉梨の初登場回になった。 ギャグともシリアスとも取れるテンポで進む回。 上層部から「特命係一派」認定された青木が特命係と終始行動を共にしており、S.17よりもしっかりと3人で動いている。 生みの親でもある輿水氏の担当だけあって今日ではすっかり見られなくなった下ネタや、名前だけではあるが懐かしい人物が多数登場。 } #openclose(show=season19){ タイトルロゴは『相棒19』。放送期間は2020年10月14日~2021年3月17日、全20話。平均視聴率は14.8%。これまでの慣例だった「20時00分からの放送」と「最終話は2時間前後のスペシャル」が打ち破られた。 ついに迎えたシリーズ20周年。コロナの影響で前々枠の『特捜9』は撮影が一時中断する事態にもなったが、時期の関係からか本作は特に影響なく放送された。 前期で初登場した「こてまり」と小出茉梨も本格参戦するほか、ついにトリオ・ザ・捜一が復活。 また、S.15から番組を盛り上げてきた風間楓子役の芦名星氏が2020年9月14日に逝去したことを受け、第1話終了後にはこれまでの出演シーンとともに追悼テロップが表示された。 引き続き見逃し配信も行われており、さらに「テラサ」では有料会員になるとPS.を含めた全話やスピンオフを含めた劇場版6作が見放題になった。 また、第10話放送後には「テラサ」での完全オリジナルドラマの配信も予告された。 ・第1話「プレゼンス」 ・第2話「プレゼンス(後篇)」 輿水脚本。石丸幹二氏や日南響子氏がゲスト出演。本作初となる仮想現実(VR)をテーマとした事件が繰り広げられる。 女性白バイ隊員が拳銃で撃たれた事件の謎を求めて、特命係がVRの仮想国家「ネオ・ジパング」に乗り込む。「地獄の沙汰も金次第」とはよく言ったものである。 「警視庁ガールズボム(KGB)」なるパワーワードが登場。本作でも警視庁の女性格差は大きいようである。 そして、当の女性白バイ隊員こと出雲麗音が捜査一課に配属されてレギュラー入り(尊と同じく今話はゲスト扱い)。久方ぶりに復活したトリオ・ザ・捜一。 ・第3話「目利き」 神森脚本。山本浩司氏や及川いぞう氏がゲスト出演。 捜査二課係長が遺体で発見されや事件をめぐり、一課と二課がこれまでにも類を見ないほど激しく対立するが……。 人の目利きは重要。 ・第4話「藪の外」 児玉脚本。高梨臨氏や窪塚俊介氏がゲスト出演。 過去に茉梨の後輩芸者を襲った犯人が殺害された事件をめぐり、複雑に絡み合う謎。 ・第5話「天上の棲家」 斉藤脚本。冨士眞奈美氏や湯江タケユキ氏、内田裕也氏がゲスト出演。 記者に転職していた黒崎と再会しつつ、特命係が政治家一族の謎に迫る。&font(l){令和なのに『[[金田一耕助]]』的なノリなのは内緒。} 呪いは代々受け継がれる。 ・第6話「三文芝居」 瀧本智行脚本。橋本じゅん氏がゲスト出演。 元劇団員の通報者による目撃証言は芝居か真実か。 ・第7話「同日同刻」 山本脚本。西田尚美氏や松尾諭氏がゲスト出演。 「平成の毒婦」遠峰小夜子第3弾。彼女が証言する、一見無関係な2つの事件の驚くべき真実とは……。 ・第8話「一夜の夢」 金井脚本。柏原収史氏や上野なつひ氏がゲスト出演。 キャバクラの客引き男と政治家令嬢の結婚の裏にある秘密に迫る。どんなに辛い人生だろうとも、それは本人自身が選んだ人生だ。 全ての真相が明らかになった際、衝撃の結末が……。 &font(l){[[奪われたら奪い返せ>半沢直樹(テレビドラマ)]]。} ・第9話「匿名」 杉山嘉一脚本。藤吉久美子氏や野村佑香氏がゲスト出演。 SNS連続殺人。いつの時代になってもネットの誹謗中傷は絶えません。 シリーズ20年で初となる&bold(){同音異字の回}で、S.7-最終話とは読みが全く同じ。口頭では区別に苦労するかもしれない。 真犯人と青木の攻防も見どころ。 &font(l){芹沢が犯人に怒鳴る裏で倒れそうになっている植栽を支えている伊丹。} ・第10話「超・新生」 輿水脚本。大石吾朗氏や三国一夫氏がゲスト出演。 贋作詐欺と画商の自殺をめぐる事件。その裏には暴力団と内村の暗躍が……。 ラストは衝撃の結末。最後まで見れば分かるタイトルの意味。やはり人の目利きは重要である。 ・第11話「オマエニツミハ」 瀧本脚本。今期も第11話の元日スペシャル。岸谷五朗氏(寺脇康文氏のリアル相棒)がゲスト出演。 かつての通り魔事件の犯人が殺害されたことから始まる連続殺人と、右京に付きまとう謎の記者。 そして、知られざる右京の衝撃の過去が明らかになる。 さまざまな要素が詰め込まれる傾向にある元日スペシャルとしては珍しく、一貫して「少年犯罪(少年法)」と「復讐」がテーマとして描かれている。 鬱ではあるが、現実にも通じるテーマをよりによって元日からぶち込んでくるあたり、やはり『相棒』というドラマはひと味違うことを感じさせてくれる。 &font(l){伊丹と芹沢の私服はださ……非常に個性的だった。} ・第12話「欺し合い」 徳永脚本。マギー氏や山﨑光氏がゲスト出演。 給付金詐欺に引っかかってしまった角田を救うべく、亘が詐欺グループに潜入して摘発を試みるが……。 劇団特命係再び。今度は捜査一課も巻き込み、警察と詐欺グループが欺し欺され欺し合うコン・ゲーム。 やはり右京は詐欺師に向いているらしい。 上記の通り、マギー氏はかつて若杉栄一役で複数回登場していたが、今回は初めて別役を演じた。 ・第13話「死神はまだか」 輿水脚本。林家正蔵氏や立石晴香氏、笹野高史氏がゲスト出演。 落語家が高座の最中に急死。亘や捜査一課が病死と結論づける中、ただ1人事件性を疑う右京は……。 動機は愛か、はたまた横暴の報いか。 &font(l){天下無双のスケベ落語家も弁護士には勝てない。} ・第14話「忘れもの」 山本脚本。宮川一朗太氏がゲスト出演。 高校の同級生と運命的な再会を果たした茉梨だったが、再会もつかの間、一転して彼との逃避行に巻き込まれてしまう。 ・第15話「薔薇と髭の不運」 児玉脚本。瀬川亮氏や佐伯新氏、綱島郷太郎氏や吉井怜氏がゲスト出演。 前期に続きヒロコが再登場し、またもや特命係に事件を呼び寄せる。亘との関係はそれなりに改善されたようだが、それ以上に自らボディーガードを買って出た麗音を振り回す。 ・第16話「人生ゲーム」 瀧本脚本。今野浩喜氏&font(l){、タカラトミー}がゲスト出演。 誘拐事件をいち早く察知した特命係が捜査一課や角田、さらには&font(l){ゴミをきちんと持ち帰る}青木も巻き込んで一丸になって解決に挑むが……。 放送前から早くも公式サイトの「チーム特命係」なるワードが話題に。 ミスリードに騙された人は多いかもしれない。 ・第17話「右京の眼鏡」 神森脚本。かとうかず子氏がゲスト出演。 青木の覗き癖から始まる、老舗眼鏡店の相続争いが招く殺人事件。 中盤の右京のセリフが実に今回の内容を体現している。 ・第18話「選ばれし者」 杉山脚本。前田亜季氏や上杉祥三氏がゲスト出演。 本作では珍しい科学警察研究所(科警研)が登場。押収されたはずの拳銃を使用した連続銃殺事件に特命係が挑むが……。 「プレゼンス」の内容にも一部触れられており、続く最終話の予兆とも取れる。 ・第19話「暗殺者への招待」 ・第20話「暗殺者への招待~宣戦布告」 輿水脚本。石丸幹二氏や遠山景織子氏、松永玲子氏や日南響子氏、相島一之氏がゲスト出演。 S.1以来約20年ぶりとなる、&bold(){最終話が2週連続のストーリー}だが、S.3以来でもある&bold(){20時00分からの放送でも2時間スペシャルでもない}という異色作。 「プレゼンス」の続編。この事件の黒幕だった加西をめぐり、止まっていた時間が再び動き出す。鑓鞍や前期のラストで特命係と因縁を残した人物たちも再登場。 第19話は現在の3月時点は冒頭と終盤のみで、大部分が第2話直後の10月→11月→第10話後の12月→1月の順に回想という形で描写しており、「声なき者」のようなストーリー構成になっている。 幸いS.8-18のような時系列が無造作に入り乱れたものではなく、しっかりと順番通りの展開になっているが、「○○か月前」が多いことから意識して見ないと少々理解しづらいかもしれない。 最終話は衝撃の結末。加西との戦いは一応の結末を迎えたが、その裏にいた&bold(){黒幕}との因縁が新たに生まれ、来季への布石になったが……。 また、後篇では久々に峯秋が登場しなかった。 } #openclose(show=season20){ タイトルロゴは『相棒20』。放送期間は2021年10月13日~2022年3月23日、全20話。平均視聴率は13.5%。新たに開設された公式Instagramにて8月24日よりカウントダウンが行われ、2日後の26日に放送決定が告知された。 記念すべき20作目。薫に並ぶ「7年目の特命係」が新たな歴史に挑む。 今期をもって亘と青木が卒業した。 ・第1話「復活~口封じの死」 ・第2話「復活~死者の反撃」 ・第3話「復活~最終決戦」 輿水脚本。相島一之氏や遠山景織子氏、織田梨沙氏や本田博太郎氏、石丸幹二氏がゲスト出演。「双頭の悪魔」以来となる3週連続の長編である。 「加西事件」はまだまだ終わらない。実行犯だった柾庸子が拘置所で自殺したと聞き、特命係が捜査を開始するが、鶴田が操る国家の闇は深く、上司である峯秋にまで魔の手が……。 さらに、鶴田の師匠にしてS.3-1~3の黒幕だった朱雀武比古が17年ぶりに登場したほか、全体を通して今は亡き小野田公顕の存在が意識されており、ラストにはサプライズも……。 極めつけには次回予告で陣川の姿を見た古参ファンからは嬉しい悲鳴も飛び出した。 &font(l){本職を返り討ちにしたある人物は語り草になっている。愛は強し。} ・第4話「贈る言葉」 神森脚本。瀬戸カトリーヌ氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、彼の高校生時代の親友であるゲームクリエイターが巻き込まれた殺人事件を捜査する。 陣川回としては珍しく「男の友情」をポジティブに描いた異色なストーリーになっており、今までではなかなか見られなかった熱い一面を見せた。 麗音とは初顔合わせである。 ・第5話「光射す」 池上脚本。草村礼子氏や伊藤洋三郎氏がゲスト出演。 別個体ではあるが2年ぶりに「亀」が登場。行方不明になった娘を探す元刑事の父と、自殺した男の隣に住んでいた引きこもりの男とその母親である老婆。特命係が導き出した真実とは。 親の後悔と決意は強い。最後まで見ればタイトルの意味が分かる。 ・第6話「マイルール」 森下脚本。菅原大吉氏がゲスト出演。 ベストセラー作家殺害事件の裏に秘められた「ルール」とは。役に立った元法務省出身。右京がスマホで読書したり聖地巡礼とか言ったり。 ペンは剣よりも強し。 ・第7話「かわおとこ」 山本脚本。黒坂真美氏や米村莉子氏がゲスト出演。 特命係が少年を溺れさせた「かわおとこ」なる妖怪の正体に挑む。なかなか警察手帳を出さない右京と亘。さまざますれ違いが生んだ悲劇。 この回をもって亘の出演回数が125回になり、薫の124回を上回ってこの時点での歴代最多を更新した。 ・第8話「操り人形」 瀧本脚本。下條アトム氏がゲスト出演。 50年前という解明困難な時効事件に特命係が挑む。鬱である。 最後まで見るとタイトルの意味が分かる。 ・第9話「生まれ変わった男」 川崎龍太脚本。今井悠貴氏がゲスト出演。 殺人事件の被害者の記憶を持った男が現れるが、事件をほどいた先に待っていたのは衝撃の真実……。 生々しい家族問題。簡単に人を刺してはいけません。 ・第10話「紅茶のおいしい喫茶店」 根本脚本。麻丘めぐみ氏や酒井敏也氏がゲスト出演。 角田からの頼みで特命係が喫茶店で張り込みを行うことに。詐欺は無論のこと、食べ物を粗末にするのも許さない杉下右京。 ・第11話「二人」 太田脚本。イッセー尾形氏や片岡孝太郎氏、飯島直子氏がゲスト出演。亘の姉・由梨が登場し、彼女が保護した記憶喪失の男の正体に迫る元日スペシャル。 問題作というほどではないが、デモ隊の人々がヒステリックに描写されたことが議論を呼んだ。 太田氏によればこのシーンは元々脚本に存在せず、あくまで数々のルポルタージュや当事者の話を踏まえた上で執筆したものの、まさかいきり立ったヒステリックな人々として描かれるとは思ってもいなかったという。 ・第12話「お宝探し」 斉藤脚本。小宮孝泰氏や目黒祐樹氏がゲスト出演。 今度は右京が埋蔵金ハンターに転身!? ・第13話「死者の結婚」 川崎脚本。山本舞香氏がゲスト出演。 伊丹の先輩が持ち込んだ不可解な事件。鍵は未婚のまま亡くなった人のため仮想の結婚式を挙げる「冥婚」にあった。 歪められた人生の果てに希望はあるのか? ・第14話「ディアボロス」 岩下脚本。渡部豪太氏がゲスト出演。 2度も婚約者を失った天才フラワーアーティストに憑りつく「悪魔」の正体に迫る。 愛と憎しみは表裏一体か。 ・第15話「食わせもの」 山本脚本。風間杜夫氏がゲスト出演。 S.15-4の続編で、特命係が逮捕した詐欺師・平井が登場。 ・第16話「ある晴れた日の殺人」 徳永脚本。高橋和也氏がゲスト出演。 広告会社員殺害事件が発生。怪しげな事件関係者たちに捜査の動きを注視する謎の男。 二転三転の末、明らかになったのは衝撃の真実……。 ・第17話「米沢守再びの事件」 岩下脚本。中原果南氏がゲスト出演。 S.16-5以来4年ぶりに米沢が登場し、彼が愛してやまない鉄道が絡む殺人事件に挑む。 ・第18話「詩集を売る女」 瀧本脚本。太田莉奈氏がゲスト出演。 起きてもいない事件を捜査する特命係だったが、その中で亘が凶刃に倒れてしまい……。 ・第19話「冠城亘最後の事件―仇敵」 ・第20話「冠城亘最後の事件―特命係との別離」 輿水脚本。酒井美紀氏や野波麻帆氏、本宮泰風氏や勝野洋氏がゲスト出演。前期と同じく2週連続の最終話。 冠城亘最後の事件は、鑓鞍襲撃事件をめぐってさまざまな人物たちの権謀術数が複雑に絡み合うカオスな展開。豪華出演者に加えて雛子や日下部が久しぶりに登場。 今度こそ亘のラストとして殉職を噂されていたが、結果的には女性を大事にする彼らしい別れ方であった。 } #openclose(show=season21){ タイトルロゴは『相棒21』。放送期間は2022年10月12日~2023年3月15日、全21話。平均視聴率は13.3%。 初代相棒だった薫が14年ぶりに登場し、5代目として復帰することが発表されたことは大きな話題を呼んだ。 &font(l){14年と言えば、その時期に産まれた人が中学生になっているわけである。時間が経つのは非常に早い。} ・第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」 ・第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」 輿水脚本。勝村政信氏や宮澤エマ氏、サヘル・ローズ氏がゲスト出演。 14年ぶりの再会を果たした右京と薫だったが、それもつかの間、衝撃の選択を迫られる事件が発生する。 峯秋や転生した内村など、薫時代にはいなかった人物たちとの共演が実現した。何だかんだ伊丹は薫のことを大切に思っているようだ。 ・第3話「逃亡者 亀山薫」 川﨑脚本。波岡一喜氏や長谷川公彦氏がゲスト出演。 輸入雑貨店長殺害事件の容疑者として薫が浮上。&font(l){14年経っても薫は相変わらずである。} 事件には今は亡き、彼の運転免許試験場時代の恩人が関わっていたが、その裏には残酷な真実が隠されていた……。 警察官は難しい職業であることを感じさせてくれる。かつて放送された『[[金田一少年の事件簿]]』においても[[似たような事件があった>金田一少年の殺人(金田一少年の事件簿)]]((偶然にも角田役の山西氏もこのエピソードにゲスト出演していた。))。 ・第4話「最後の晩餐」 光益義幸脚本。矢柴俊博氏がゲスト出演。 ひょんなことから目に留まったある男性の謎を、特命係が別行動で捜査していく。 虚実が細かく織り混ぜられたストーリー構成、小ネタや笑いも散りばめた脚本は見事の一言で、視聴者からもかなりの高評価。 もし特命係がいなければ&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){一人の男性が真実を知らず、失意のまま命を落としていただろう。}} 美和子スペシャルがパワーアップしてまさかの再登場(公式曰く「&bold(){&font(#00ffff){シン美和子スペシャル}}」)。 ・第5話「眠る爆弾」 岩下脚本。山本涼介氏や山崎潤氏がゲスト出演。 警察を挑発する爆弾魔に特命係が挑むが、事件の裏には哀しい真実が……。 一途であるがゆえに起きた悲劇。救いたい人物を救うどころか、誰もが救われない結末に。 &font(l){はっきり言って「若気の至り」で済む話ではなかった。某国の事故を連想した人もいるかもしれない。} ・第6話「笑う死体」 瀧本脚本。阿南健治氏や池谷のぶえ氏、有薗芳記氏や漫才コンビのおぼん・こぼんがゲスト出演。 「遺体が笑っていた」という&font(l){某捜査一課長が主役のドラマに出てきそうな}奇妙な事件に特命係が挑む。 劇中でのおぼん・こぼんと特命係のテンポのいい掛け合いや、薫の想像による伊丹の「笑う死体」はある意味必見。 犯人はまさかの&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){出オチ}}だった。 ・第7話「砂の記憶」 山本脚本。桜木梨奈氏がゲスト出演。 特命係に「20年前の連続通り魔事件の犯人が再び動き出す」という告発文が届き……。 時効寸前の未解決事件の謎を解く鍵は題名の通り一粒の「砂」にあった。 &font(l){とうとう公式で年寄り扱いされた薫。}健康管理はきちんとしましょう。 ・第8話「コイノイタミ」 森下脚本。霧島れいか氏がゲスト出演。 陣川……ではなく&bold(){&font(#ff0000){伊丹が夫子持ちの女性に横思慕する}}という異色の回だが、その裏には根っからの刑事である彼なりの事情があった。 ある意味歴代の相棒たちよりも長い付き合いだからこその、右京の伊丹への信頼が垣間見える。 &font(l){「カイ」という名前の芸術家が登場したことで少し話題になった。} ・第9話「丑三つのキョウコ」 根本脚本。江田友莉亜氏や廣川三憲氏がゲスト出演。 SNSでまことしやかに囁かれる都市伝説の女。その姿を殺人事件の現場近くで撮影したという動画がネット上で広まり……。 悪いことをしたらちゃんと謝りましょう。 ・第10話「黒いコートの女」 瀧本脚本。橋本マナミ氏がゲスト出演。 角田の手伝いで宝石窃盗団の一斉摘発に参加した特命係の前に現れた、黒いコートを着た謎の女。果たしてその正体は……。 事件の根底にあったもの。それは歪な形ではあれど、紛れもなく「大きな愛」だった。 ・第11話「大金塊」 輿水脚本。森崎ウィン氏や茅島みずき氏、佐藤B作氏や斉木しげる氏、井上肇氏やいしのようこ氏、片岡孝太郎氏がゲスト出演。今期も第11話の元日スペシャルである。 前期の元日スペシャルにも登場した元与党政調会長・袴田茂昭の元に、地獄の軽業師なる怪盗から「邸内の金塊を盗む」という予告状が届く。 警察の介入を避けたい袴田は民間の探偵社「熟年探偵団」に捜査を依頼するが、同社に興味を持った特命係も行きがかり上捜査に参加することに。 殺伐とした展開の多い元日スペシャルでは珍しく、比較的ほのぼのとしたストーリーであった。 久しぶりに『亡霊たちの咆哮』が登場。そして、嘱託だった薫が警察官として正式採用されることに。 ・第12話「他人連れ」 櫻井智也脚本。駒木根隆介氏がゲスト出演。 特命係が出会った不審な父子。時を同じくして過去に5000万円を盗んだ半グレが殺害される事件が発生し、その2人が事件に関わっているのではないかと疑いの目が向けられるが……。 詐欺まがいのリフォーム会社に勤めるどこか頼りない会社員。そんな彼が見せた優しさに多くの視聴者が心打たれた。 ・第13話「椿二輪」 岩下脚本。中山忍氏や花澄氏がゲスト出演。 「情熱の画家」をめぐる2人の女性。元々彼のファンだった右京が明らかにした真実とは……。 時としてずっとそばにいた人間より、会って間もない人間の方が価値を理解することもある。 ・第14話「まばたきの叫び」 川﨑脚本。忍成修吾氏や陽月華氏がゲスト出演。 美和子が取材先の民家で襲われ、さらに現場から遺体が発見される。実はその家には半年前に出所したばかりの男性が獄中結婚した妻と住んでおり……。 全く更生も反省しない殺人犯と、彼に恨みを抱く関係者たちの物語。 ・第15話「薔薇と髭と菫たち」 岩下脚本。大島さと子氏がゲスト出演。 2年ぶりにヒロコが登場し、薫と久々の再会を果たした矢先に事件に巻き込まれてしまう。 20年近く経っても薫はイカが苦手のようである。 ・第16話「女神」 神森脚本。銀粉蝶氏がゲスト出演。 亀山夫妻が夫婦喧嘩したことで自然豊かな山荘に泊まりがけで夫婦カウンセリングを受けることになり、興味を持った右京も茉梨に頼んで夫婦を装って参加するが……。 ・第17話「定点写真」 櫻井智也脚本。寺田心氏や大野いと氏、幸澤沙良氏がゲスト出演。 ある殺人事件の現場になった建物にカメラを向ける少年を見つけた特命係。彼は数年前から毎日同じ場所で同じ構図の写真を撮っていて……。 美和子の声が妙にかすれていたのは鈴木氏の体調によるもの。 ・第18話「悪役」 光益脚本。一ノ瀬ワタル氏や山口祥行氏、田中道子氏がゲスト出演。 裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長殺害事件が発生。「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言に興味を持った特命係が捜査を開始すると、ある悪役専門の俳優が事件に関与している疑いが浮上し……。 人を見かけで判断してはいけません。 ・第19話「再会」 徳永脚本。田中奏生氏がゲスト出演。 ある村での監禁から脱出した特命係が別行動で真相に迫っていく。ラストもひと捻り入ったオチになっている。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){薫と別れた右京が歴代相棒と同姓の人物たちとの邂逅を経て最後に薫と再会するという、これまでの縮図のようなエピソード。}} ・第20話「13~死者の身代金」 ・第21話「13~隠された真実」 輿水脚本。前期と同じく2週連続のシーズン最終話で、S.4以来の第21話でもある。渡辺いっけい氏や柴崎楓雅氏がゲスト出演。 小野田の遺骨が盗まれるという前代未聞の事件に、尊を通じて警察庁から直々に捜査権を与えられた特命係が米沢と協力して挑む。 1年ぶりの米沢はもとより、S.17-10以来久々に尊が登場。初登場時に「会ってみたい」と綴っていた薫との共演が実現した。 [[締めがまさかの……>美和子スペシャル]]。 } #openclose(show=season22){ タイトルロゴは『相棒22』。放送期間は2023年10月18日~2024年3月13日、全20話。平均視聴率は11.2%。 ついにシーズン22に突入である。今年は『特捜9』→『刑事7人』→『科捜研の女』からの流れで、『刑事7人』が例年より短期間で終わったこともあってか『科捜研の女』を挟んでの放送になった(([[ジャニーズ事務所]]のごたごたによる組織改革より、東山紀之氏は年内をもって芸能界を引退したが『刑事7人』の処遇は不明(一応、最終話で天樹悠が退職した)。))。 22年ということは、S.1の時に生まれた子どもが大学4年生ないし卒業するぐらいまで続いたということになる。長い。 オープニングテーマにはS.2のフレーズが用いられている。 ・第1話「無敵の人~特命係VS公安…失踪に潜む罠」 ・第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」 神森脚本。[[栗山千明]]氏や市川知宏氏、田中美央氏や俊藤光利氏、伊東孝明氏がゲスト出演。 美和子が通い始めた料理教室で知り合った女性弁護士の婚約者の失踪と、ある宗教団体が起こしたテロ事件がつながっていく。 青木と薫の共演が実現し、見た目はまともになった美和子スペシャルが見られたり、右京が逃走のために投石機を使ったり。 各勢力も総動員され、アクション満載という今までのシリーズとは違った毛色になっている。 事件の裏には公安部の暗躍があり、『[[VIVANT]]』を想起した人も多かった様子。 多くの謎が散りばめられ、やがてタイトルが示すものが分かる。 ・第3話「スズメバチ」 岩下脚本。生越千晴氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、薫と久々の再会を果たしたのもつかの間、スズメバチが飛び交う公園の雑木林で男性の遺体が見つかる。 容疑者に浮上したのはまたまた陣川と関係のある女性。彼女の潔白を証明しようとする陣川だが、今回の彼は何か裏がある様子。 ・第4話「天使の前髪」 森下脚本。藤井美菜氏がゲスト出演。 特命係がクラシックコンサートに向かう最中で血まみれの女優に遭遇し、さらに彼女の部屋で舞台演出家の遺体が発見される。状況から見て薫は正当防衛だと直感するが……。 夢と呪いは表裏一体である。 ・第5話「冷血」 岩下脚本。小林亮太氏がゲスト出演。 犯罪グループ摘発に際して指示役を取り逃がしたことから情報が漏れていた節があり、特命係は大河内の頼みで目黒南署から薬物銃器対策課に異動してきた新米刑事の素行調査を行うことになったが……。 ・第6話「名探偵と眠り姫」 光益脚本。高橋克実氏や潤花氏がゲスト出演。 「マーロウ矢木」こと私立探偵・矢木明が12年ぶりに登場。特命係の元に17年前の誘拐事件にまつわる情報提供が寄せられ、調査に乗り出す2人だったが、当時の被害者である老舗デパートの令嬢が婚約発表の直前に行方をくらましてしまい……。 ・第7話「青春の光と影」 瀧本脚本。金子昇氏がゲスト出演。 再結成が決まった4人組ロックバンドのボーカルが路地裏で遺体となって発見され、捜査一課は酔っぱらい同士のケンカによる傷害致死と判断するが、やがて全ての関係者に殺害の動機があったことが判明する。 破天荒なロッカーは周囲を振り回すトラブルメーカーか、はたまた仲間思いの善人か。 ・第8話「センチメンタル・ジャーニー」 瀧本脚本。中尾ミエ氏がゲスト出演。 高速バスで隣に座る老婦人から話を引き出す右京と、都内で不審な車を追う薫。特命係が別行動で2つの事件の真相に迫っていくが、最後に待っていたのは空しい事実。 バスに乗る右京と別行動の薫、という展開にS.4-19を思い出した視聴者も多かったよう。 ・第9話「男の花道」 輿水脚本。大石吾朗氏や赤ペン瀧川氏がゲスト出演。 青年実業家が闇金トラブルで暴力団幹部を絞殺する事件が発生。彼は正当防衛が認められて釈放されるが、被害者は転生する前の内村と癒着していた扶桑武蔵桜の若頭であり、報復を警戒する内村の命で特命係が護衛を行うことになるが……。 S.19-10の続編で、ラストは&font(l){ある意味}衝撃の結末。 ・第10話「サイレント・タトゥ」 輿水脚本。美村里江氏や新納慎也氏がゲスト出演。テレビ朝日開局65周年記念番組として制作された元日スペシャル。S.17以来となる第10話の元日スペシャルでもある。 悦子が9年ぶりに登場する他、享との息子である結平や享の兄の秋徳が初登場するなど甲斐一家が勢揃いすることが話題を呼んだ。 結平の担任教師が刺殺された事件に始まり、愛憎と陰謀が入り混じる息つく暇もないサスペンス。 新年早々に能登半島で発生した地震の影響で前番組の『芸能人格付けチェック』は放送が中止された中、L字型画面という形で予定通り放送されたものの、ラスト数分になって余震に伴う緊急速報で再び中断し、そのまま終了してしまった。 「Tver」「TELASA」で見逃し配信が行われているが、視聴者からの要望を受けてシーズン終了後の3月27日に再放送が決定された。 ・第11話「その頬に触れるな」 川﨑脚本。映美くらら氏や山下容莉枝氏がゲスト出演。 架空のキャラクター「ほっぺ丸」をめぐり、化学メーカーの研究員殺害事件に誘拐事件と猛毒ガスによるテロ事件が交錯する。 &font(l){またもや薫が体を張る羽目に。} ・第12話「惡の種」 徳永脚本。前原滉氏がゲスト出演。 感情を肥大化させられた者たちによる連続殺人。右京の脳裏に[[あの人物の影>南井十]]が浮かび上がる……。 結果として何ひとつ事件が解決せず、そして&bold(){誰も救われなかった今期屈指の鬱エピソード。}&font(l){2週連続のエピソードと勘違いした視聴者も多かった模様。} ・第13話「恋文」 神森脚本。モト冬樹氏がゲスト出演。 匿名で5通ものラブレターを受け取り、色めき立った美和子から差出人を探すよう依頼された右京。一方、喉を切られて死んでいる男性を偶然出くわした伊丹とともに発見した薫は、被害者の手に「亀山美和子様」と書かれた封筒が握られていることに気がついて……。 ・第14話「亀裂」 岩下脚本。小林隆氏がゲスト出演。 右京も認めるチェスの策士にして高名な美術コレクターの家で、若い男性の遺体が発見される。現場からは美術品が根こそぎ消えており、世間を騒がす美術品強盗グループの仕業と思われたが……。 可愛い子には旅をさせよ、とは言ったものである。 ・第15話「マッターホルンの殺人」 川﨑脚本。加治将樹氏がゲスト出演。 土師からマッターホルンの山中で起きた完全犯罪の映像を見せられた特命係。さすがに現場がスイスとあっては完全に管轄外だが、興味を持った右京は薫とともに独自の捜査を開始する。 自分の夢を人に押し付けてはいけません。 ・第16話「子ほめ」 竹内清人脚本。小宮孝泰氏や菅田俊氏、大西結花氏がゲスト出演。 S.1-3の続編で、落語家の橘亭青楽が22年ぶりに登場。彼は刑期を終えて落語界に復帰し、右京たちを復帰公演に招いたものの、舞台の直前に行方不明をくらましてしまう。 小宮氏や脚本協力も行っている。 ・第17話「インビジブル」 ・第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」 瀧本脚本。中川翼氏や吉田日向氏、升毅氏がゲスト出演。S.18以来久々となるシーズン途中の前後編のストーリー。 次期都知事の最有力候補と目される東都市長の自宅に爆弾が届けられる事件が発生。差出人の欄には杉下右京の名前があり、自分が事件に関わるように仕向けられていると感じた右京は薫とともに&ruby(INVISIBLE){目に見えない犯人}の正体に迫っていく。 ・第19話「トレードオフ」 ・最終話「トレードオフ~AI右京の完全推理」 輿水脚本。2週連続のシーズン最終話で、複数週にまたがるエピソードが連続で展開されるのはS.3-1~5以来である。黒谷友香氏や甲本雅裕氏、佐戸井けん太氏や金田明夫氏がゲスト出演。 法務大臣の指揮権によって与党幹事長の収賄容疑に関する強制捜査が見送られた事件に端を発する、政治色の濃いサスペンス。 } #endregion **劇場版 #region(クリックで展開・収納) #openclose(show=本編){ ・相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日公開。戸田山脚本。テレビ朝日開局50周年記念映画作品で、記念すべき劇場版第1作。キャッチコピーは「&bold(){必ず、追いつめてみせます。}」。 ゲスト出演者は本仮屋ユイカ氏や柏原崇氏、西田敏行氏など。その他、岸谷五朗氏がモブキャラとして友情出演、有森裕子氏が本人役で特別出演している。 右京と薫が「東京ビッグシティマラソン」に迫る脅威に挑む。 時系列は2008年で、S.6~S.7の間に位置する。公開時点でのシリーズの集大成的な側面があり、S.6までに複数回登場したことのある、犯人以外のゲストキャラクターがほぼ全員登場している。 今回登場した守村やよいは後のS.10-5にも登場している。 ・[[相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜]] 2010年12月23日公開。輿水・戸田山脚本。シリーズ10周年を記念して製作された第2作目。キャッチコピーは「&bold(){あなたの正義を問う。}」。 ゲスト出演者は品川徹氏や宇津井健氏、國村隼氏や石倉三郎氏、小西真奈美氏や小澤征悦氏、葛山信吾氏や本宮泰風氏、小木茂光氏など。 田丸警視総監ら12人の幹部が人質になった警視庁籠城事件から始まり、ラストはシリーズを揺るがす衝撃の結末……。右京と尊が国家に挑む。 初のシーズン中での公開。時系列は2010年7月で、S.8~S.9の間に位置する。そのため、公開前日に放送されたS.9-9は本作のプロローグになっており、さらに第16話と最終話では本作の結末にも触れられている。 今回登場した田丸寿三郎・金子文郎・長谷川宗男は後のシーズンにも登場している。 ・[[相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ]] 2014年4月26日公開。輿水脚本。テレビ朝日開局55周年記念作品になった第3作目。キャッチコピーは「&bold(){相棒史上、最高密度のミステリー。}」。 ゲスト出演者は伊原剛志氏や釈由美子氏、瀬川亮氏や風間トオル氏、宅麻伸氏や吉田鋼太郎氏など。 シリーズ初の[[沖縄>沖縄県]]ロケになっており、右京と享が謎に包まれた孤島「鳳凰島」へ乗り込む。前相棒・尊も登場し、新旧相棒がまさかの共演。 時系列は2013年夏で、S.11~S.12の間に位置しており、S.12-1で退職する前の三浦も登場する。 また、劇場版では唯一ノベライズでも犯人が同じである。 公開前の2014年3月29日~4月19日には、dビデオにて「&bold(){相棒 -劇場版III- 序章}」が配信された。過去にトリオ・ザ・捜一が解決した事件を、右京と享がその調書を読みながら進行する。そのため、特命係からの視点とトリオ・ザ・捜一からの視点が交互に描かれていく。 特命係の視点では劇場版IIIの後、トリオ・ザ・捜一の視点ではS.10~S.11の間である2012年6月の話である。 ・相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断 2017年2月11日公開。太田脚本。第4作目。キャッチコピーは「&bold(){あなたは、生きるべきです。}」。 ゲスト出演者は鹿賀丈史氏や北村一輝氏、山口まゆ氏や菅原大吉氏、篠井英介氏や益岡徹氏など。 右京と亘が国際犯罪組織「バーズ」によるテロに挑みつつ、リーダー・レイブンの目的と正体に迫る。引き続き尊も登場し、亘とも共演を果たした。ロケ地は[[福岡県]]北九州市で、3000人ものエキストラが参加している。 時系列はS.15-2~3の間の2016年9月で、唯一本編中の時期である。劇場版II以来となるシーズン中での公開で、公開前に放送されたS.15-13~14では、本作につながるストーリーとなるS.14中の事件が回想という形で描かれている。 緻密に練られたトリックに、犯罪者ながらもどこか愛嬌もある敵組織と意外過ぎるそのボス、右京に反抗的な米沢や、&bold(){盛大にやらかした}が責任を感じ捨て身の攻防を繰り広げる伊丹など、見どころが満載。 また、本作としては珍しくショッキングで鬱々しい描写も多い。 犯人の動機は劇場版IIやS.14-最終話と似ているようで、根本、そして何より手段が違った。 今回登場した折口洋介は後のS.16-10にも登場している。 } #openclose(show=スピンオフ){ ・相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿 2009年3月28日公開。飯田脚本。初のスピンオフ作品で、鑑識・米沢守が主人公。キャッチコピーは「&bold(){私が今、亡き妻にしてやれることは、<真相>を暴くことだけです。}」。 ゲスト出演者は萩原聖人氏や紺野まひる氏、市川染五郎氏や片桐はいり氏、奥田恵梨華氏や伊武雅刀氏など。 劇場版の裏で起こった事件を米沢と所轄の刑事・相原誠が追う。右京と薫をはじめとするおなじみのメンバーも登場する。 ハセベバクシンオー氏の『鑑識・米沢の事件簿~幻の女房~』が原作になっていて、彼の父である長谷部泰春氏が監督を務めており、遺作になった。 今回登場した相原誠はS.10-15、早乙女美穂はS.13-11にも登場している。 ・相棒シリーズ X DAY 2013年3月13日公開。櫻井脚本。スピンオフ2作目で、「トリオ・ザ・捜一」のリーダー格・伊丹憲一と、本作で初登場するサイバー犯罪対策課の専門捜査官・岩月彬によるダブル主演。キャッチコピーは「&bold(){俺たちは、何と戦っているんだ?}」。 ゲスト出演者は国仲涼子氏や別所哲也氏、深水元基氏や戸次重幸氏、田口トモロヲ氏や矢島健一氏など。 時間軸は劇場版IIIの序章と同時期の、2012年6月(S.10~S.11間)。ロンドンに旅行中の右京や((尊と別れて休暇中の身であり、帰路に香港を訪れてS.11-1につながる流れと思われる。))特命係を卒業したばかりの尊をはじめ、角田や米沢といったおなじみの面々や、本作が劇場版初登場になった幸子など多くのキャラクターが登場。 公開前に放送されたS.11-17では、本作に先駆けて岩月が登場。公開前ではあるが時間軸上では半年ぶりに伊丹と再会としており、特命係も交えて殺人事件を追う。また、公開後の週に放送された最終話にもゲスト出演している。 } #endregion *【脚本】 本作はほぼ毎回異なる脚本家が脚本を担当しており、人によってストーリーの味付けがかなり異なるという特徴を持つ。 主な脚本家は以下の通り。他にも多くの脚本家が参加している。 ・輿水泰弘(こしみず やすひろ) 企画の段階から担当しており、いわゆるシリーズ構成に当たる生みの親。 巧みな心理描写やどんでん返し、政治家の陰謀に特命係が迫るサスペンスに定評があるが、現在は主に初回・最終回や、メインキャラクターに何か大きな変化が起こる話を担当する。 近年では生成AIやメタバースといった新しいIT技術を作劇に使うことも多い。 &font(l){&ruby(きざはし まこと){階真}や&ruby(かなどめ きょうへい){京匡平}など、難読な名前のゲストキャラが多い点も特徴。} 『相棒』以外では[[明石家さんま]]出演作品を数多く手がけることでも知られる。 ちなみに、反町氏は中学校の後輩でもある。 ・櫻井武晴(さくらい たけはる) S.1-3~S.12-3まで。いわゆる「『相棒』らしい話」を書く人で、鬱々しい回をはじめ、時効問題をはじめとする社会派や組織の陰謀を描いたサスペンスに定評がある。 &font(l){後に『コナン』の劇場版の脚本を何度か書いているが、それも「『相棒』っぽい回」になりがち。} 特にS.9-8は、全国の労働者を絶望の底に落とした本作屈指の鬱々回である。 また、『米沢守の事件簿』やS.12-7では「&bold(){飯田武}」名義でも担当している。 現在は『科捜研の女』のメインライターとして活躍している。 ・砂本量(すなもと はかる) S.1-6~S.4-5まで。こちらもいわゆる「『相棒』らしい話」を書く人で、スッキリはしないがよくできた後味の話が多い。 また「冒頭で発生した大がかりな事件が、個人的な動機による小さな事件に収束していく」という極端などんでん返しも多い。 特殊なギミックや異色なガジェットを取り入れ、ひねった方向性の回を書くことでも定評がある。一例として、「警視庁ふたりだけの特命係」というシリーズ当初のテーマを破壊した、「第三の男」こと陣川警部補を生んだのも彼である。 S.2の通称「砂本3部作」は古参ファンの間では高い評価を得ていた作品だったが、残念ながら2005年12月21日に逝去。 ・岩下悠子(いわした ゆうこ) S.3-13~S.7-4までの後、S.20-14から再加入。 『京都地検の女』『おみやさん』『科捜研の女』など、テレ朝・東映共同製作の刑事ドラマを多数手がける。 登場人物のキャラクターを立たせる描き方に定評があり、名作としてよく名前の挙がるS.5-8も担当している。 ・古沢良太(こさわ りょうた) S.4-2~S.12-18まで。 今や『ゴンゾウ 伝説の刑事』『[[リーガル・ハイ]]』『コンフィデンスマンJP』『探偵はBARにいる』などの話題作を担当する超売れっ子。 櫻井氏と同様にサスペンスを好むほか、時系列を前後させていくつも伏線を張り、ラストで巧みに回収するストーリーも得意とする。 ・戸田山雅司(とだやま まさし) S.4-12~S.12-16まで。『裏相棒』やIIまでの劇場版も担当しており、キャラ萌え描写に定評がある。 歴代相棒の名前の共通点に最初に気付いた人でもあり、以後も踏襲されることに。 櫻井氏と並び、現在は『科捜研の女』のメインライターとして活躍している。ちなみに[[NHK朝ドラ>連続テレビ小説(朝ドラ)]]の脚本も手掛けたことがあり、それで忙しかったのかS.7では未登板。 ・徳永富彦(とくなが とみひこ) S.7-3から加入。本作と同じ時間帯に放送されている『特捜9』や『刑事7人』も担当している。 作風としては「苦難に直面して心を歪めた人」をエピソード全体の中心に置くことが多く、「倫敦からの客人」こと南井十も彼が生んだキャラクター。 S.9-7やS.14-17など、変則的な構成になっている実験的な回が多いのも特徴。 また、退職前後の薫を含めた4人5代の全相棒で脚本を書いたことのある数少ない人物の一人でもある。 ・太田愛(おおた あい) S.8-2~S.20-11まで。アニメ・特撮界隈ではおなじみの人で、人情話を多く手掛けており、S.9-13やS.10-10などは特に評価が高い。 作風としては、ミステリー的な巧みさよりも登場人物の心情に重点を置くのが特徴。 自ら罪を犯す覚悟で特命係に過去の事件を捜査させて真に裁かれるべき存在を明らかにさせたり、自身の思惑通りの結末を迎えさせたりすることも多いが、それでも決して後味の悪さを感じさせないオチも特徴。 また、&font(#ff0000){神戸尊萌え}という一面もあり、特命係卒業後の彼が再登場した回の多くは彼女の作品である。 ・金井寛(かない ひろし) S.11-8より加入。S.17ではこれまで輿水氏(一部櫻井氏・戸田山氏)がメインだった最終話を担当。 ・真野勝成(まの かつなり) S.12-13~S.17-9まで。S.12-13で彗星のごとくデビューすると、抜けたかつてのメイン脚本家の穴を埋めるかのごとく活躍。 平成のシャーロック・ホームズ、日野警部補、本多親子など昔ながらのファンがニヤリとする過去ネタをよく使う。 かなりのハロプロオタクらしく、ゲストキャラの名前は「譜久村聖太郎」「嗣永重道」など、ファンにとっては聞き覚えのあるものが多い。 ・山本むつみ(やまもと むつみ) S.12-15より加入。NHK大河ドラマ『八重の桜』の脚本も担当しており、同ドラマの最終回から2か月と経たずに『相棒』へ初登板した。 亘時代はおおむね1シーズン2話ペースで書いていた。「ブラックパールの女」小夜子の回はいずれも担当。 ・根本ノンジ(ねもと のんじ) S.17-5より加入。以前は日本テレビ系『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』などのドラマの脚本や、『特命リサーチ200X』や『有吉ゼミ』などの番組構成を担当していた。 現在ではフジテレビ系の『監察医朝顔』や『[[パリピ孔明]]』の脚本でも知られる。 *【監督】 監督も脚本に負けず劣らず入れ替わりが激しい。 脚本も含めたエピソード全体の出来を調整するのが監督なので、たとえ脚本家がベテランでも、各エピソードの演出や雰囲気は監督の腕前によってかなり異なってくる。 主な監督は以下の通りだが、脚本家と同じく他にも多くの監督が参加している。 ・和泉聖治(いずみ せいじ) PS.1~S.14-最終話まで。輿水氏と並ぶシリーズの生みの親。 S.13までは初回・最終回・元日スペシャルを全て監督していたが、「そろそろ卒業して、やりたいことが色々とある」という理由でS.14をもって卒業した。 コントラストを強めつつ青色を強調した「和泉ブルー」とも呼ばれる色彩表現で有名。 ・長谷部安春(はせべ やすはる) S.2-18~S.7-6まで。『探偵物語』『西部警察』『あぶない刑事』や、本作のルーツにあたる『刑事貴族』も手がけたレジェンド。 残念ながら2009年6月14日に逝去。『鑑識・米沢守の事件簿』の監督が遺作となった。 ちなみに原作・脚本は長男のハセベバクシンオー氏で、親子共作だった。 ・橋本一(はしもと はじめ) S.2-8より加入。S.15からは和泉氏に代わって製作を総指揮する立場となり、初回・最終回の多くを監督している。 追記・修正は特命係に左遷されてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,40) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2011/01/11 Tue 00:29:05 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 50 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&sizex(6){&font(#ff0000){&bold(){窓際の二人が、また勝手に動きだす。}}}}((シーズン15のキャッチコピー。)) 『&bold(){&ruby(あいぼう){相棒}}』とは、[[テレビ朝日]]と東映が制作している刑事ドラマシリーズである。 以下、本項目ではPreシーズンを「PS.1」、各シーズンを「S.1-1」「S.2-1」のように表記する。 ---- #openclose(show=●目次){ #contents() } ---- *【概要】 元々は『&bold(){相棒 警視庁ふたりだけの特命係}』のタイトルで、2000年6月から2001年11月にかけて『土曜ワイド劇場』の枠で3本が製作された単発ドラマだったが、従来の2時間ドラマの枠にはまらないストーリー展開と重厚な内容から高視聴率を獲得し、2002年から水曜21時の刑事ドラマ枠で毎年放送されるようになった。S.2からは『&bold(){相棒}』と現行のタイトルになる。 同枠の先輩『[[はぐれ刑事純情派]]』に代わる新たな水曜21時枠2クールドラマとして定着し、かつて『はみだし刑事情熱系』を放送していた10月~翌年3月枠((最初は同作の半分の枠を分け持っていた。))に放送されており、『特捜9』『刑事7人』と並ぶテレビ朝日の水曜21時枠を担う人気刑事ドラマシリーズである。 長らく&bold(){亀山薫}(演 - 寺脇康文)が相棒を務めたが、本来は警視庁にとって不要な人材を辞めさせるはずの特命係に8年も在籍しているという矛盾が生じており、組織の理論と薫の人生をあいまいにしてはならないという思いから、S.7-9をもって番組をいったん卒業した。 その後は相棒不在期間を経て、最終話に2代目相棒・&bold(){神戸尊}(演 - 及川光博)が初登場し、S.10-最終話まで出演。 S.11からは、3代目相棒・&bold(){甲斐享}(演 - 成宮寛貴)が登場。当初は2年の約束だったが、水谷氏やスタッフからの申し出もあって1年延長され、S.13-最終話まで出演。 S.14からは、4代目相棒・&bold(){冠城亘}(演 - 反町隆史)が登場。歴代相棒では初めて警察官ではない人物で、当初は法務省から出向中のキャリア官僚という異色の設定だった。最終的にS.20-最終話まで出演し、出演回数という点では薫をも上回る歴代最長の相棒になった。 S.21からは、薫が5代目相棒として14年ぶりに復帰している。 非常にキャラの立ったキャラクターが描かれ、脚本では政治問題・コメディ・オカルト・人情モノなど多彩なストーリーを展開し、順調に視聴率を伸ばす。S.9は平均視聴率&bold(){20.4%}という快挙を達成し、中でも第16話「監察対象 杉下右京」は歴代最高の&bold(){&font(#ff0000){23.7%}}を記録。 現在も世帯平均15%程度と高水準の数値を維持しており、名実ともに国民的ドラマの地位を確立している。 S.4以降は『はぐれ刑事純情派』に代わり、曜日を問わず毎年元日に2時間以上のスペシャルが放送され、前番組の『[[芸能人格付けチェック]]』とともに正月の名物としても定着。&font(l){正月らしからぬ容赦のないストーリーも多く、新年早々から視聴者を戦慄させることも一度や二度ではない。} また、番組の人気に伴いテレ朝は[[プロ野球日本シリーズ]]の水曜中継を取りやめるなど、編成に大きな影響も与えている。 基本的には1話完結が原則だが、2週(最長で3週)連続で展開されるストーリーもほぼ毎シーズンのように設定されており、過去に登場した人物や事件が後のシーズンにおいて続編や回想という形で登場することも多い。 長期放送されている宿命か、過去に登場したゲスト出演者が別の役で再登場することが非常に多い。特に最多出演者の前沢保美氏は同役の遠山ちず役を含めて、これまでに&bold(){計8回}出演している。 また、以前に別役としてゲスト出演した俳優がメインキャラとしてレギュラー登場することもあるほか、月本幸子や青木年男のようにゲスト出演を経てレギュラー入りする人物もいる。 再放送も頻繁に実施されており、地上波・BS朝日・CSテレ朝チャンネルと電波を問わなければ毎日再放送されているといっても過言ではない。&font(l){回によって放送の頻度に差はあるが。} 過去にはメインキャストの不祥事や引退などでお蔵入りの危機もあったが、現在では動画配信プラットフォーム「テラサ」も含めれば公式に欠番扱いとしているS.3-7以外は全話視聴可能。 2023年現在、Preシーズン+22シリーズが制作される長寿作になっており、21世紀を代表する刑事ドラマとして高い人気と知名度を誇る。 劇場版もスピンオフを含めて6作制作されており、それ以外にも[[宝塚歌劇>宝塚歌劇団]]・書籍・ゲームなどメディア展開も多数。 劇伴担当は池頼広氏。S.3で登場したオープニングテーマはシーズンごとにアレンジを加えつつ現在も使用され続けており、最も有名なアレンジはS.4で登場したもので、S.6まで使われたほか、次回予告や提供読みのBGMで今なお使われているためおなじみの方が多いだろう。 それ以外の楽曲の評価も高く、楽曲と名場面集&font(l){と出演者によるミニコント}で構成されるコンサートもたびたび実施されている。 車両提供は日産自動車。同枠開始当初の作品『特別機動捜査隊』からのスポンサーで、劇中ではティアナ・[[GT-R>日産・GT-R]]・[[スカイラインセダン>日産・スカイライン]]・フーガなど放送時点で発売中の日産車が登場するが、右京のフィガロなど風変わりな車種が出てくることもある。 近年ではドラマとタイアップしたオリジナルCMが放送されることも多い。 芸能界にもファンが多く存在し、公式プレゼンターを務める赤ペン瀧川氏をはじめ((俳優としては「瀧川英次」名義で活動しており、S.13-最終話とS.22-9にゲスト出演している(後者では「赤ペン瀧川」名義)。))、坂本龍一氏や[[早見沙織]]氏など多数存在する。 また、『[[名探偵コナン]]』の作者である[[青山剛昌]]氏は巻末の名探偵図鑑に右京を紹介しており、自身もS.9-10でカメオ出演している((主人公のポリシーや女心に鈍感という点などが共通しているが、『コナン』の場合は作風上、本作とは違って扱えない展開や動機も多く、逮捕後の展開が描かれることもあまりない。))。 和泉聖治監督と交流があるということで、映画監督の三池崇史氏もS.10-16に特別出演した。 作風はシーズンごとに少しずつ異なっており、さらに脚本家によっても各話のストーリーの味つけにややバラつきがある。 初代相棒の亀山薫時代は、警察の不正問題・人情モノ・後味の悪い話など回によってストーリーは色々だが、コミカルなシーンやどんでん返しを含みながらも原則として1話で綺麗に完結する、比較的シンプルな構成の話が基本形だった。 2代目相棒の神戸尊時代は、当初は薫時代のカラーをある程度継承していたが、S.9以降は社会問題やシリアスな人間の感情を取り上げ、コミカルなシーンの少ない終始落ち着いた雰囲気で進行する回が増えた。 そして、3代目相棒の甲斐享が参加したS.11あたりからはさらにカラーが変更され、政財界の不祥事から国家規模の巨大な陰謀まで、さまざまな権力の闇に特命係が切り込んだり阻止したりするサスペンス路線の色が強まり、どこか幻想的な雰囲気のある非日常的な話も増えた。 さらに、4代目相棒の冠城亘が参加するS.14前後からは、1話で終わらずに次週に続く長編作や、[[伏線]]を一挙にバラ撒いては後のシーズンで徐々に回収していくといった『コナン』の原作のごとくゆっくりとしたストーリー展開が目立つようになり、数か月から時に数シーズンまたぐことも多くなった。 一部のシーズンを除き、基本的には初回・元日・最終回はスペシャルで放送されていたが、現在のスペシャル放送は元日のみであり、初回と最終回に関しては前後編の拡大スペシャルの形で放送している。 特に美彌子や衣笠、峯秋は近年ではほぼスペシャル回のみの登場になっており、ストーリーが大きく動くのはこれらの回または輿水脚本のみとなっている。 ちなみに、他のテレビ朝日の刑事ドラマでは登場人物が同局の他作品に同一人物として特別出演することが多く、同一の世界線と見られることも多々あるが、本作ではそのようなケースは非常に少なく、唯一『警視庁捜査一課9係』に米沢が出演した程度である((ただし、『[[科捜研の女]]』では本作にも登場した架空の国家「エルドビア共和国」「ルベルタ共和国」がたびたび登場している。))。 *【あらすじ】 「&bold(){&font(#0000ff){警視庁の陸の孤島}}」と呼ばれる窓際部署「&bold(){特命係}」。ここは、文字通り&bold(){特}別に&bold(){命}令がなければ仕事がない閑職であり、捜査権も逮捕権も認められておらず、どこの部署にも属していない浮遊部署でもある。 メンバーには、抜群の知識と推理力を持ちながらもそのユニークな人柄と強すぎる正義感が災いして周囲からは変人扱いされ、ある事件でここに追いやられたキャリア警部・杉下右京が係長としてただ1人いるのみだった。 やがて、ここは上層部が不要と判断した人材を送り込み、右京の個性的な性格も含めて自然に辞めさせる役割を持っていき、いつしか「&bold(){&font(#ffffff,#000000){人材の墓場}}」と呼ばれるようになっていった。 しかし、失態によって捜査一課から左遷された亀山薫(退職後、後に嘱託職員として復帰)、元々は右京と特命係の必要性を判断する[[スパイ]]の任を受けて警察庁から表向き左遷された神戸尊、右京直々の指名によって所轄署からスカウトされた甲斐享、法務省からの出向を経て自ら特命係を志願した冠城亘の4人だけは、最低でも3年以上と長期に渡って在籍した。 これは、そんな&bold(){相棒}たちが右京とともに難事件に挑む物語である。 *【主な登場人物】 演者に「/」のある役者は、テレビドラマ / 宝塚歌劇の順で記す。 **[[警視庁特命係>特命係]] 警視庁組織犯罪対策部薬物銃器対策課の片隅に押し込められた、特にこれといった仕事のない庁内一の窓際部署。「陸の孤島」「人材の墓場」とも揶揄されており、失態を犯した人材を送り込んで自主退職させる追い出し部屋である。薫が来るまでにも6人が左遷され、&bold(){全員1週間以内(&font(#ff0000){&u(){最短1日}})で退職していった過去がある。} S.16-2以降、組織図上では警察庁長官官房付の直属部署になっている。 ・&bold(){[[杉下右京]](すぎした うきょう)} 演 - [[水谷豊]](小学生時代:新井真悟) / 真飛聖 このドラマの主人公で、細かいことが気になる特命係の係長。階級は警部補→警部。生年月日は不明だが、S.1開始時45歳である。全話に登場。 [[東京大学]]法学部を首席で卒業後渡英し、帰国後にキャリアとして警察庁に入庁。3年間のスコットランドヤード研修を経て警視庁刑事部捜査二課に出向し、大物フィクサーの摘発に関わるなど辣腕をふるう。 1987年に外務省公邸で人質籠城事件が発生すると、その頭脳を見込んで、当時公安部参事官だった小野田が結成した非公式部隊「&bold(){緊急対策特命係}」に招集され、作戦参謀として犯人と交渉し、粘り強く人質を解放していった。 しかし、アメリカ国務長官来日による配慮から早期解決を主張する小野田と対立して作戦参謀を解任されてしまい、事件は隊員と人質にも死者が出る大惨事で終わった上に、彼はその責任を全て押しつけられる形で警視庁の片隅に押し込まれてしまう(S.1-11)。 [[紅茶]]と[[チェス]]をたしなむ紳士な名探偵で、一部で「&bold(){和製[[シャーロック・ホームズ]]}」と称されるほどの優秀な頭脳と豊富な知識を有するがとんでもない変人でもあり、よくも悪くも全く空気を読まず、犯罪を決して許さず厳格なまでに法遵守を求めるなど((ただし、事件の真相を明らかにして犯人に罪を償わせるために必要とあらば、自ら違法行為に及ぶことも辞さない。))、人格面では問題人物としか言えないことから周囲から煙たがられている。 本領は頭脳労働なのに格闘術も習得していて、性格以外は完璧超人。 相手に関係なく常に慇懃無礼な敬語で話すが、罪の重さを自覚しない悪質な犯人に対してはプルプル震えながら強い口調で叱責することもある。 一部の回を除き、長らく車の運転は相棒に任せていたが、S.11~S.19では愛車のフィガロ((ボディカラーは黒で、純正には設定のないカラーである。))が登場し、享や亘を乗せて自ら運転する場面もあった(S.20以降は登場していない)。 ・&bold(){[[亀山薫]](かめやま かおる)} 演 - 寺脇康文(少年時代:黒須貴之) PS.1~S.7-9、S.21-2以降で在籍。前の6人と同じように失態を犯して左遷された右京の初代相棒で、通算7人目。階級は巡査長→巡査部長→嘱託職員→巡査部長。1966年7月23日生まれ。[[新潟県]]出身。血液型はB型。 城東大学法学部を卒業後、警視庁に入庁。所轄署勤務を経て捜査一課に配属されるが、遭遇した指名手配犯を逮捕しようとして逆に人質になる失態を犯し、特命係に左遷される(PS.1)。 まず体が先に動く熱血系体力バカで、頭を使うことが苦手。人情に厚いが右京に巻き込まれてよく不幸な目に遭う。 当初は露骨に右京のことを敬遠しており、特命係の一員であることを否定する場面も見られたが、最終的には彼の不確かな推理にも命を預けられるほどに信頼するようになった(S.7-9)。 食べた料理の食材段階で起きたことから来る違和感を察知し、プロのワイン評論家も大絶賛するほどの優れた舌を持つ。 遭遇した時に伊丹がものすごく独特の口調で言う「&bold(){特命係の亀山ぁ~!}」はお約束のセリフだった。 NGOのスタッフだった高校時代の友人・兼高が殺害されたことを機に、彼が生前活動していた政情不安定な南アジアのサルウィンへ渡航(S.7-2)。そこでの惨状を目の当たりにした薫は、彼の遺志を継いで現地の子供たちに正義の心を教えることを決意し、警視庁を退職。右京たちに別れを告げ、美和子とともにサルウィンへ移住した(S.7-9)。 その後は過去の回想シーンや右京たちの会話の中で定期的に存在が語られた程度だったが、S.21で約14年ぶりに登場。教え子たちが腐敗政権を打倒したことで、その恩師である彼も親善使節団の一員として国賓待遇で一時帰国し、右京と再会。その直後に起こった事件によって美和子ともどもサルウィン政府からペルソナ・ノン・グラータ(国外追放)の指定を受けて帰国を余儀なくされてしまうも、伊丹の峯秋への&bold(){土下座}もあって嘱託職員として警視庁に復帰し、5代目相棒として特命係に戻ってきた(S.21-1~2)。 その後、ある事件で関わった元与党政調会長・袴田茂昭の根回しもあり、正規の警察官として特例で警視庁に再採用された(S.21-11)。 ・&bold(){[[神戸尊]](かんべ たける)} 演 - 及川光博 / 壮一帆 S.7-最終話~S.10-最終話まで在籍。上層部からの特命でスパイとして配属された右京の2代目相棒で、通算9人目。階級は警視→警部補→警視。1970年2月1日生まれ。[[東京都]]大田区田園調布出身。血液型はO型。 [[中央大学]]法学部を卒業後、警視庁に入庁。警備部警備第一課警備情報第4係への配属を経て推薦組として警察庁警備局警備企画課に採用され、課長補佐時代には全国の防犯カメラによる大規模な顔認識システムの開発を主導していた。 しかし、小野田をはじめとする警察庁上層部からの特命を受け、「特命係が今後警察にとって有益な存在として発展できるかどうか、杉下右京にその可能性があるかどうか」を見極めるために二階級降格による左遷の体で特命係に差し向けられたが(S.7-最終話)、その裏には彼も知らない警察庁の陰謀が隠されており、その任を終えた後も本庁復帰の辞令を無視して自らの意思で特命係に残留した(S.8-最終話)。 薫とは正反対なインテリ系のおぼっちゃまで頭の回転が速く、的確な発言や推理をすることも多い。女性の扱いにも手馴れたプレイボーイでもある一方、警備畑出身なので遺体や白骨を見ただけで気分が悪くなる一面もある。 歳の割に中途半端に甘さと青さが抜け切っておらず、時々熱くなって右京の正義感に異を唱えることもあった。 トリオ・ザ・捜一や陣川からは、名前を音読みにした「&bold(){ソン}」と呼ばれていじられていた。大河内とは旧知の仲で、2人で会うこともしばしば。 [[ナポリタン>ナポリタンスパゲティ]]とゲロルシュタイナーを好み、黒のGT-Rを愛車とするが非常に運転が荒く、右京からも苦言を呈されている。 警備部時代には友人だった女性が殺害され、憎しみのあまり裁判で偽証を行ったが、被告が実は冤罪だったことが判明し、贖罪の念を抱くようになる(S.10-1)。 そして、クローン人間が絡む事件で右京を屈服させた手腕を元副総監・長谷川宗男に評価されつつも、S.8-最終話で一度本庁復帰の辞令を無視したことを引き合いに「次断れば懲戒免職」と脅迫されたため、やむなく警察庁長官官房付に異動した(S.10-最終話)。 その後も右京との交流は途絶えておらず、定期的に再登場しては彼を手助けしている。さらに、劇場版III・IVでは後輩の相棒である享や亘とも共演を果たすと、S.21-20~最終話では「会ってみたい」と思っていた前任の薫とも共演することになり、歴代相棒の全員と交流したことになった。 ・&bold(){[[甲斐享]](かい とおる)} 演 - 成宮寛貴(小学生時代:橋爪龍、中学生時代:上田晟人) S.11-1~S.13-最終話まで在籍。所轄の新米刑事だったところを特命係にスカウトされた右京の3代目相棒で、通算10人目。階級は巡査部長。警察庁次長・甲斐峯秋の次男で、愛称は「&bold(){カイト}」。1983年7月7日生まれ。東京都港区芝出身。血液型はAB型。 早慶大学政治経済学部を卒業後、警視庁に入庁。交番勤務を経て署長推薦の選抜試験に合格し、中根署刑事課捜査一係に配属されたが、香港を旅行中に出会った右京と一緒に事件を解決したことで、彼から引き抜かれる形で特命係に配属された(S.11-1)。 年上のCA・笛吹悦子と交際中。 歴代相棒に比べて若いこともあり、薫のように感情的になりやすく、S.12までは犯人や関係者に対して暴力的な行為におよぶこともあった。頭脳面では尊のように的確な発言や推理をすることも多い。 一方で、親子仲は非常に冷え切っており、父からは秀才な長男とは違って「息子としても警察官としても出来が悪い」と酷評され、一日でも早く辞めてほしいと思われている。彼自身も一切の力を借りずにやってきたため、「親のコネ」や「七光り」という言葉には過敏に反応し、互いにいがみ合う関係である。 とはいえ、父の侮辱に関しては怒りを見せることもあり(S.12-1)、心から嫌っているわけでもない模様。 飲み物はコーラ派。歴代相棒では珍しく愛車は保有しておらず、普段は右京や悦子に任せている。 S.13では悦子から父との和解を条件に結婚すると告げられ、さらに彼女の妊娠も判明したが、最終話では警察が手を出せない犯罪者たちに私的制裁を下す連続暴行犯「ダークナイト」の正体だったことが判明し、&bold(){懲戒免職になった。} 悦子が再登場したS.22-10においても服役中であり、息子の結平の立場を考えて婚姻届にサインしていないことが語られている。 ・&bold(){[[冠城亘]](かぶらぎ わたる)} 演 - 反町隆史(少年時代:榎本司) S.14-1から登場し、S.15-1~S.20-最終話まで在籍。元法務省という異色の経歴を持つ右京の4代目相棒で、通算11人目。階級は巡査。1975年2月9日生まれ。東京都港区北麻布在住。血液型はAB型。 早慶大学法学部を卒業後、法務省に入省。刑事局総務課企画調査室長を務めていた時、人事交流に際して「現場に興味がある」という理由で、警察庁ではなく警視庁に警務部付として出向してきており、特命係の部屋に住み着いて暇を持て余していた(S.14-1)。 そのため、シリーズ初となる「&bold(){警察官ではなかった相棒}」。 薫と同じコーヒー派だが、コーヒーミルから豆を挽く本格派である。愛車はV37型スカイラインセダン((モデルはシーズンによって多少異なり、当初は前期型だったがS.17以降はマイナーチェンジ後の改良型に変わっている。))だが、初期は右京の運転する車中で気分を悪くする場面があった。 飄々で掴みどころのない性格や、右京に匹敵するほどの真実究明の強さと目的のためなら手段を選ばない大胆さを持ち、異色の経歴も含めてこれまでの相棒とは一線を画す人物である。 実際に、彼に事件を解決してほしいという極めて個人的な理由から、裁判官に直談判して令状の発行を阻止し、殺人事件の早期解決を妨害したことすらある([[S.14-15>警察嫌い(相棒)]])。 しかし、その行き過ぎた妨害が祟ってついに左遷の危機に陥るが、彼がすでに警視庁で生きがいを覚えていたことを見抜いていた日下部の計らいもあり、法務省を退職して警視庁に入庁した(S.14-最終話)。 だが、捜査妨害による報復人事で特命係配属は叶わず、総務部広報課で美彌子の部下になっていた。実は日下部から彼女の身辺調査を依頼されており、美彌子にそのことを示唆して「離れたほうがお互いのためになる」と半ば強請りな交渉を持ちかけることで特命係に戻ってきた(S.15-1)。 そして、公安調査庁の改革を画策する日下部からのスカウトを承諾して警視庁を退職し、契約職員として移籍した(S.20-最終話)。出演回数は138回にのぼり、同話時点では薫の124回をも上回って歴代最多だった。 **[[トリオ・ザ・捜一]] [[伊丹憲一]]・[[三浦信輔]]→出雲麗音((三浦とは違ってクレジットは伊丹・芹沢と別々になっているが、ここでは便宜上トリオの一員として記す。))・[[芹沢慶二]]からなる、警視庁刑事部捜査第一課7係の刑事3人組。レギュラーキャラクターであり、ほぼ毎回登場する。 この手のドラマにありがちな[[かませ犬]]かと思いきや、やたらキャラが立っている上に時に意外な一面も見せるため、コアなファンが多い。 麗音を除く3人は捜査権もないのに勝手に捜査に加わってくる特命係を疎ましく思っており、事件現場や取調室に入ってくるたびに露骨に嫌そうな表情をし、厄介事を押しつけることもある。 もっとも、能力は認めているので何かと協力することも多い。 初期は伊丹と三浦のコンビで、芹沢の登場後も3人で行動することは少なく、三浦と芹沢が交代しながら登場していたが、やがてトリオとして定着していった。 しかし、S.12-1で三浦が引退したことで伊丹と芹沢のコンビになっているが、S.13-4では三浦の後任として人事交流で警察庁刑事局に出向していた若き女性警部補の&bold(){浅木真彩}(演 - 原田夏希)が一時的に配属され、1年ぶりにトリオが復活した。 そして、S.19-1では銃撃事件を受けて交通機動隊から異動してきた出雲麗音が加わり、久々の3人体制になった。 ちなみに、「トリオ・ザ・捜一」の名称は公式が命名した愛称ではあるが、劇中で言及された場面はない。 ・&bold(){[[伊丹憲一]](いたみ けんいち)} 演 - 川原和久 / 真野すがた PS.1から登場。トリオのリーダー格で階級は巡査部長。 特命係を目の敵にしており、出くわすたびに嫌そうな表情をするのが定番。中でも薫とは犬猿の仲で、彼の姿を見つけるたびに「特命係の亀山ぁ~!」という罵声を浴びせ、互いに憎まれ口を叩き合うのがお約束の展開だった。&font(l){無駄にバリエーションも豊富((尊以降の歴代相棒に対しても、同様に「特命係の○○」という言い回しを使うことも多い。))。} 一方、上司からの理不尽な命令には啖呵を切って見せるほか、不正や圧力など筋の通らないことを嫌う熱血漢の一面も見せる。 プライベートはあまり充実しているとはいえないようで、恋愛下手からかトリオでは唯一パートナーがいない。フルーツサンドが好物で、芹沢によれば腹を下すという理由で牛乳が苦手(S.19-16)。 スピンオフ2作目『相棒シリーズ X DAY』ではサイバー捜査官・&bold(){岩月彬}(演 - 田中圭)とともに主人公を務める。 ・&bold(){[[三浦信輔]](みうら しんすけ)} 演 - 大谷亮介 / 眉月凰 PS.2~S.12-1までレギュラー登場。トリオの最年長でなだめ役。7係の主任を務める。階級は巡査部長→警部補。トリオ唯一の既婚者。 疎ましく思ってはいるが、特命係に対しては比較的慇懃な態度で接しており、感情的になりやすい伊丹をなだめるなど、トリオのブレーキ役を担う。 S.12-1では警部補への昇任試験に合格し、7係の係長に就任するが((実際の警視庁係長の階級は警部。警部補は主任を務める。))、甲斐次長誘拐事件の捜査中に太ももを刺される重傷を負ってしまう。命に別状はなかったものの、一生杖が手放せないほどの後遺症が残り、内勤の慰留も固辞して退職することになった。 S.14-10で久々に登場。全国を放浪する旅人のような生活を送っており、花の里で右京と再会し、杯を交わしつつ本多篤人の情報を提供している。 大谷氏はPS.1では特殊犯捜査一係の&bold(){室谷警部補}役で出演。 また、かつて大谷氏と事実婚の関係にあった高畑淳子氏もS.3-17に出演している。 ・&bold(){[[芹沢慶二]](せりざわ けいじ)} 演 - 山中崇史((S.5-5までは「山中たかシ」名義。)) / 夕霧らい S.2-4から登場。トリオの最年少(現在は中堅)でお調子者。階級は巡査→巡査部長。交際中の彼女がいる。 伊丹や三浦とは違って特命係に対する反感は少なく、うっかり捜査情報を漏らしては2人に頭を叩かれるのがお約束だった。 初登場のS.2では準レギュラー的扱いだったことから登場しない回も多く、クレジットも単に「芹沢刑事」名義だったが、S.3以降は名前が明らかになるとともにレギュラーキャラクターになった。 長らくトリオの下っ端的存在だったが、特命係に配属された後輩刑事の享に対しては先輩風を吹かして何かとかわいがっていた。しかし、その後にやってきた亘や麗音に対しては一転して上から目線で接し、特に後者に対しては先輩として徹底的にいびっており、特命係に捜査情報を漏らす役割も彼女に受け継がれている。 山中氏はS.1-1では薫を人質に[[警視総監]]室に立てこもった犯人を狙撃しようとする狙撃手役で出演していたほか、弟の山中聡氏も[[S.2-18>ピルイーター(相棒)]]やS.16-17に出演している。 また、[[同姓同名]]の俳優である&bold(){山中崇}氏ともS.17-7で共演している。 ・&bold(){出雲麗音(いずも れおん)} 演 - 篠原ゆき子 S.19-1から登場。初のレギュラー女性刑事で階級は巡査部長。 元々は交通機動隊の白バイ隊員だったが、北上馬の交差点をパトロール中に何者かに銃撃されて重傷を負い、一命は取り止めたものの右肘の複雑骨折に後遺症が残って復帰を断念。美彌子からの依頼を受けた衣笠の鶴の一声で捜査一課7係に転属するという異例の人事になった(S.19-1)。 当初は周囲の男たちから「捜査一課は男の職場」「白バイ上がり」と快く思われていなかったが、彼女自身は特に意に介していない。同時に初期の亘のように時に大胆な行為に出ることもあり、根はかなりの激情家。 S.20以降は伊丹や芹沢も&font(l){諦めたのか}認めたのか、トリオとして行動する場面が多い。 伊丹や芹沢とは違って特命係とは友好的な関係になっており、初期は彼らの姿を見ると喜んでいた場面もあったほか、2人に内緒で協力するというこれまでの芹沢の役割を担っている。 [[裏設定]]として、家に帰ったらバイク雑誌を眺めながら一人晩酌するのが日課で、捜査一課配属直後の髪型がオールバックだったのは「なめられないように(したつもり)」という理由で、好きな音楽はエレファントカシマシであるという。 **特命係行きつけの小料理屋 事件の状況を整理したり、解決後は女将とその内容について語り合ったりするのが本作のお約束である。&font(l){座席の奥には番組スポンサーである黄桜の樽が置いてあるのもお約束。} ***花の里 レギュラーや準レギュラーをはじめ、各回ゲストが訪れることもある。一般客の姿はあまり見られないが、一部回で訪れる場面がある。 席はカウンターのみで10席程度。S.4までは外観・内装と周辺の風景がシーズンごとに異なっていた。初期は代々木に店を構えていたようで、他の従業員やテレビの存在が確認できた。名前は右京の遠縁の杉下花(演 - 原沙知絵)が由来。 PS.では「&bold(){新ふくとみ}」という別の店だった。渋谷にあった実在の店がモデルになっており、クレジットにも記載されたが、店主の死去によって「花の里」に変更された。 ・&bold(){宮部たまき(みやべ たまき)} 演 - 益戸育江((劇場版までは旧芸名の「高樹沙耶」名義。)) / 桜一花 PS.1~S.10-1まで登場。右京の元妻で「花の里」の初代女将。着物の似合う和風美人。生年月日は不明だが、S.1開始時38歳。 右京と離婚したのは事実だが、信頼関係は変わっていないようで、夫婦以上の絆で結ばれている。 S.10-1にて突然店を畳み、世界放浪の旅に出た。 その後、益戸氏が2016年10月25日に大麻取締法違反容疑で逮捕されたため、当面の間は彼女の出演回の再放送が自粛され、[[劇場版II>相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜]]の再放送では出演シーンがカットされていたこともあった。 ・&bold(){月本幸子(つきもと さちこ)} 演 - 鈴木杏樹 S.4-19で初登場。この世のツキというツキに見放され、夫を殺したヤクザの愛人にまで落ちぶれた、名前に反してツキのなかった女性。 復讐を果たして海外逃亡しようとした時に車がエンストし、あろうことか&bold(){特命係と遭遇してしまったことで}逮捕される。服役中にも脱獄や警察内の陰謀に巻き込まれたりしてしまっており、やっぱりついていない女(S.6-11~12)。 出所後、一度は豪邸の家政婦の職を得たが、&bold(){つきすぎている}境遇を疑り過ぎて右京たちに相談する。トリオ・ザ・捜一なども巻き込んだ末単なる早とちりだと判明し、右京の薦めで「花の里」2代目女将になり、レギュラー入りを果たした(S.10-12)。 これまで波瀾万丈の人生を送っていたこともあってさまざまな幸不幸を経験したためか、発言に重みがあり、その言葉が幾人かの支えや導きになることもある。 しかし、ある事件をきっかけに社会的に恵まれない子どもたちの力になろうと一念発起し、女将を引退して右京と亘に別れを告げた(S.17-19)。 ***こてまり 花の里とは違って「警察官立ち寄り所」の札を掲げており、カウンターに加えて座敷席もある。 ・&bold(){小出茉梨(こいで まり)} 演 - 森口瑤子(高校生時代:早川りこ) S.18-最終話から登場。「花の里」に代わる特命係の新たな行きつけの店になった小料理屋「こてまり」の女将。第八西高校出身。 元々は内閣官房長官や各界著名人からひいきにされていた赤坂の芸者だったが、引退して「こてまり」を開業。古くからの付き合いである峯秋の紹介で特命係と知り合い、彼らの新たな行きつけの店になった((客足はさっぱりだが、店は趣味でやっているとのこと。))。現在も当時の芸名である「&bold(){小手鞠}」の名前で呼ばれている。 右京とは対照的に細かいことは気にしない主義だが、自身の深い話題を話したがらない点では似ている。 **相棒の恋人 ・&bold(){奥寺美和子(おくでら みわこ)} 演 - 鈴木砂羽 薫の恋人で当初は帝都新聞社会部の記者だったが、S.5以降はフリージャーナリストに転身。「~したまえ」が口癖。1970年11月12日生まれ。 自身の浮気によりS.3-3で破局したものの、S.4-最終話でめでたくゴールイン。S.5以降は「亀山美和子」名義になり、インド転勤後は[[美和子スペシャル]]((当該項目も参照。初期は見た目が悪いながらも味自体は悪くなかったようだが、S.22-1では逆に良質な見た目に反して味は悪化しまっていた。登場するたびに旧Twitter(X)のトレンドにも入るほどの人気っぷりである。))やラブラブTシャツを製造するなどキャラ崩壊。 S.7-9にて退職した薫と共にサルウィンへ旅立ったが、S.21で帰国した。 ・&bold(){笛吹悦子(うすい えつこ)} 演 - 真飛聖 S.11-1~S.13-最終話までレギュラー登場。日本国際航空のCAで享の年上の恋人。東京都大田区元森町2丁目5-6にあるmonparte 305号室在住。身長167cm、体重53㎏。実家は[[福島県]]。 渋谷での合コンで享に家まで送ってもらったことから交際をスタートし、現在は半同棲中。特命係の捜査に協力することもある。ボールルームダンスが得意。 一方で甲斐親子の確執には苦慮しており、和解を結婚の条件にするなど、何とか2人の仲を取り持とうと苦心している。 S.13-14~15では享との子どもを授かったことが判明したが、同時に白血病の発症も発覚し、入院を余儀なくされる。幸い治療は順調に進んでおり、うまく行けば出産も可能であることが語られた。 その後、S.22-10で9年ぶりに登場。現在は亡き父親からの骨髄移植によって病気は寛解し、シングルマザーとして息子の結平を育てながら仕事を両立させている。享が逮捕された後も右京との交流は続いており、息子の晴れ舞台に招くなど良好な関係を維持しているようである。 真飛氏は元宝塚歌劇団のトップスターで、宝塚版『相棒』で右京を演じており、この縁でドラマ本編への出演が叶ったと思われる。 **レギュラーキャラクター ***警視庁 ****刑事部 ・&bold(){[[内村完爾]](うちむら かんじ)} 演 - 片桐竜次 / 星原美沙緒 PS.1から登場。警視庁刑事部長で階級は警視長((実際の警視庁刑事部長の階級は警視監。))。名前が明かされたのはS.5からで、それまでは「内村警視長」表記だが、実はS.2-16で一瞬映っている。東京都江戸川区新葛西在住。血液型はB型。左利き。 勝手な捜査をする特命係を部長室に呼び出しては「お前たちは首を突っ込むな!」などと一喝するが、大抵無視されるのがお約束。悪人面。所詮小物で自身の出世や保身以外に興味がなく、上層部の命令によって捜査方針や態度が二転三転することも多い。たまにミスを犯したトリオ・ザ・捜一を説教することもある。初登場時は部下に対しても敬語で話していた。 特命係を心底疎んでいたが、近年では活用法を見出した模様で、私用で動かしたり、重大事件において万が一の際の責任を右京や中園に押しつけつつも右京の提案を聞き入れたりすることもある。こちらも時々萌キャラになる。 S.16-最終話では裏社会との癒着が言及されており、S.19-10では昵懇の間柄である広域指定暴力団「扶桑武蔵桜」が絡む事件で頭部に重傷を負い、一度は死亡宣告されるも奇跡的に蘇生した。 しかし、「出世のために蔑ろにしてきた正義を取り戻したい」と宣言し、以後は&bold(){人が変わったように}正義感に目覚めるようになり、扶桑武蔵桜も容赦なく摘発したり、長年遺恨があった特命係とも固く握手を交わして寛容な態度を示すようになったりするなど、臨死体験を機に文字通り[[生まれ変わったようだ>きれいなジャイアン]]。 だが、不注意で階段から転落した際にまたしても頭を打ち、生死の境をさまよった末に再び元の官僚主義的な人格に戻ってしまった(S.22-9)。 ・&bold(){[[中園照生]](なかぞの てるお)} 演 - 小野了 PS.1から登場。警視庁刑事部参事官で階級は警視正。生え際が気になる内村の腰巾着。内村ともども名前が出たのはS.5からで、それまでは「中園警視正」表記。東京都港区白金台在住。血液型はA型。左利き。 内村と同じように特命係を疎んでおり、彼とセットで登場しては、2人を説教するのがお決まりのパターン。しかし彼ほど嫌ってはおらず、たまに右京を評価しているような発言をしたり、捜査に参加させたりすることもあるほか、消息を絶っていた右京が生きていたことを知った際には満面の笑みで喜んでいた。 近年では横暴な内村の言動を腹に据え兼ねて反発することも多く、彼の失脚後は自分が刑事部長の椅子に座るという野望を持っており、さらに彼が転生して衣笠にも食ってかかるようになったことで板挟みになった際は思わず「何で生き返ったりなんかしたんだ」と吐露するなど、心底彼に同意しているというわけではない様子も見せる。 家族構成は娘と霊感の強い妻。本人は大切に思っているようだが、当の2人からは軽んじられている様子。 *****刑事部捜査第二課 ・&bold(){[[陣川公平]](じんかわ こうへい)} 演 - 原田龍二 S.3-6で初登場。捜査一課一係の経理担当で階級は警部補。通算8人目の相棒。美奈子(演 - 水崎綾女)という妹がいる。[[大阪府]]寝屋川市出身。 経理担当だが刑事になる夢が捨て切れず、二度も誤認逮捕を起こして特命係に左遷される(S.3-6)。欠員が生じたことですぐに復帰するものの、S.6で再登場して以降はたびたび特命係に厄介事を持ち込んでおり、一部を除いて各シーズンに1回は登場している。 真面目かつ実直で人柄もいいが、直情径行で思い込みが激しく、人の話を全く聞かない性格。美人に弱く、毎回のように事件で関わった女性に惚れるが、毎回のように撃沈して「花の里」で酔いつぶれるのがお約束。酒癖も悪く、酔うと「(お)杉さん」などの馴れ馴れしい呼称になってしまう。 右京に対して尊敬の念を抱いており、「敬愛する刑事」と公言している。自分より後に特命係にやってきた尊や享に対しては先輩という立場で接していたが、亘に対しては一転、コーヒー通や法務省からの出向ということで「先輩」と呼んで慕っており、彼が巡査として警視庁に入庁してからも変わっていない。 また、青木には刑事の先輩という立場で接している。 しかし、[[S.14-12>陣川という名の犬(相棒)]]では思いを寄せていたコーヒー店店主・矢島さゆみが殺害されたことか犯人への[[復讐]]を決意。右京と亘の追跡を振り切って自力で犯人を特定するという普段の彼らしからぬ非凡な捜査能力を発揮した。 その後、犯人に対して過剰に暴行を加えた上で奪った相手のナイフでとどめを刺そうとするが、すんでのところで駆け付けた右京と亘に阻止され、監察官聴取で取り乱して暴れたところを右京に嗜められた。 その後はスコットランドヤードへ研修に行き、S.16-11で帰国。ロンドンで知り合った女性に関する相談を持ちかけ、事件解決後は捜査二課への配属が決まり、念願の刑事になって「捜査二課のエース」を自称している(S.18-16)。 しかし、有給を取ってまで殺人事件の捜査をしていることから、あくまで一課への配属は諦めていない模様。 原田氏の弟である本宮泰風氏も劇場版II, S.11-11, S.17-10, S.20-19~最終話に出演している。 *****刑事部鑑識課 ・&bold(){益子桑栄(ましこ そうえい)} 演 - 田中隆三 S.15-1から登場。米沢の後任として登場した新たな鑑識で階級は巡査部長。 現場検証中は刑事すら立ち入らせようとしないなど、米沢とは違うベクトルで職人気質な人物。常に無愛想で右京に対してもぶっきらぼうに接するがその腕は確かで、上層部からの圧力を嫌うなど正義感の強い面も見せる。 同期の伊丹と親しく、彼の個人的な依頼で鑑識を動員することもある。米沢とは違って当初は特命係に対して邪険に接していたが、シーズンが進むにつれて態度は徐々に軟化してきている。 一方、いかつい言動とは裏腹に[[猫]]好きというギャップがあるほか、釣りが趣味のようで亘が手に入れた猫のレア物写真集や釣りの穴場といった買収に負け、特命係に協力することもある。 ****組織犯罪対策部 特命係の隣に位置しており((正確には薬物銃器対策課の部屋の中に特命係が設けられていると言った方が正しい。))、S.4までは生活安全部薬物対策課だったが、現実の警視庁の組織改革に合わせ、劇中でもS.5から組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課(通称「組対5課」)に改称された。 さらに、2022年4月には現実の警視庁で組織再編が行われたため、これに合わせてS.21以降でも薬物銃器対策課に改称されている。 ・&bold(){[[角田六郎]](かくた ろくろう)} 演 - 山西惇(中学生時代:吉田晴登) / 未涼亜希 PS.2から登場。警視庁組織犯罪対策部薬物銃器対策課長で階級は警視。 「&bold(){ヒマか?}」と言いながらコーヒーを淹れに特命係の部屋に入ってきて、会話に首を突っ込んでくるのがお約束。&font(l){忙しいはずだがこの人の方がよっぽど暇に見える。} 米沢と並んで特命係の能力を高く評価する数少ない人物で、捜査への協力も割と快く応じてくれる一方、組対各課の摘発の際には協力させているため、お互いに持ちつ持たれつやっている。 気さくな性格で飄々としているが、叩き上げで警視に出世しただけあってなかなかの切れ者で、暴力団や薬物・拳銃の捜査については一流の腕を持っており、「角田課長がよろしく言っていた」の一言だけでたいていのヤクザが顔を引きつらせているあたり、その道ではかなりのプロである模様。 そして、組織犯罪対策部は仕事柄劇中でも有数の戦力部隊で、たまに暴力団と格闘しているほか、普段の温厚な印象から一転、怒鳴りつけたり暴行を加えたりすることがある。その戦闘力は圧倒的で、部下ともども出撃したら大体のヤクザ半グレは確保されている。 ・&bold(){大木長次郎(おおき ちょうじゅうろう)} ・&bold(){小松真琴(こまつ まこと)} 演 - 志水正義(大木)、久保田龍吉(小松) PS.1~S.17まで登場。角田の部下で、ほぼ毎回特命係を窓から覗いている2人組。階級は巡査部長。 会話をすることもあるが、セリフがなければ役名は表示されないことも多い。名前が明かされたのはS.6からで、それ以前は「大木刑事」「小松刑事」、PS.では単に「刑事」表記。 薫や伊丹とは同期の間柄。ヤクザ絡みの事件やガサ入れが必要な時は、特命係に捜査協力することもある。 もちろん本人たちも優秀な刑事であり、昔彼らの世話になったヤクザは大体ビビって接している。 ちなみに、名前に反して&bold(){大きい方が小松、小さい方が大木}であり、特命係に来たばかりの享が間違えたことがある。 なお、大木役の志水氏は2018年9月27日に逝去。撮影順の関係で第1話~第3話と第8話に出演しており、病気の影響からか痩せているようにも見える。第1話の最後には写真とともに追悼テロップが表示された。彼のその後の行方については不明。 また、S.18以降は小松の姿も確認されておらず、彼のその後の動向についても不明。ただし、2人とも公式サイトの相関図には引き続き掲載されている。 ****警務部 ・&bold(){[[大河内春樹]](おおこうち はるき)} 演 - 神保悟志 S.2-1から登場。警視庁警務部人事第一課主任監察官で、S.8以降は首席監察官である監察担当理事官。階級は警視→警視正。警察庁キャリアとして警視庁に出向中((実際の警務部首席監察官はノンキャリアのポスト。))。 初登場時は勝手な捜査をした特命係に対し、査問会の席で懲戒免職を言い渡すなど高圧的な人物のように描かれていたが、内心では彼らに期待していた節もあり、腹心の部下が遺体で発見された事件を機に、捜査に協力したり処分を引き延ばしたりするなど比較的良好な関係を築くようになった。 しかし、職務には忠実かつ厳格な人物であるため、監察官としての立場から対立することも多い。 常時携帯している錠剤(&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){実は&bold(){ラムネ菓子}}})をかじっている姿から「&bold(){ピルイーター}」の異名を持つ。&font(l){尊も分けてもらう場面がある。} 錠剤の中身は周囲に隠しているが、右京と薫には自ら告白し、亘からは得意の嗅覚で見抜かれている。 プライベート関連でとある秘密を持っている。 ****サイバーセキュリティ対策本部 『X DAY』やS.11-17などに登場した、岩月彬らが所属する生活安全部のサイバー犯罪対策課とは異なる部署である。創設には副総監の衣笠も関わっている。 ・&bold(){土師太(はじ ふとし)} 演 - 松嶋亮太 S.16-最終話から登場。サイバーセキュリティ対策本部第5課の特別捜査官で青木の同僚。サングラスを愛用しており、パソコンの名札は落語風のフォントになっている。 彼とはライバル関係らしく、互いに張り合ったり煽り合ったりするのが日常茶飯事。特命係から戻ってきた彼を「出戻り」と呼び、彼が拉致された事件で救出に貢献した際は嬉々として恩を着せるなど犬猿の仲(S.18-12)。 当初はスペシャルを中心に登場するサブキャラだったが、青木がS.20-最終話で内閣情報調査室に異動したことから、S.21以降は彼の役割&font(l){がそのまま降りかかった}を引き継いだようになっており、特命係や捜査一課への捜査協力や捜査本部への参加など出番が増加している。 薫からは「はじっち」というあだ名をつけられ、右京からもメールにおいて「青木くんなら5分はかかったでしょうが、あなたなら3分で可能でしょう」と言われて「見くびらないでください。2分で」と俄然やる気になるなどいいように扱われており、本人も「このままじゃ青木年男の二の舞」と嘆いていた(S.21-1)。 実質的に青木の後任のような立ち位置になっているが、果たして彼のような愛されキャラになることはできるだろうか。 松嶋氏はS.5-2にも出演している。 ****幹部 ・&bold(){衣笠藤治(きぬがさ とうじ)} 演 - 大杉漣→杉本哲太 S.15-1から登場。警視庁副総監で階級は警視監。権力に固執する典型的官僚ではあるが、サイバーセキュリティ対策本部の設立にも関わるなど、警察組織の改革にも意欲的に取り組む野心家の一面も見せる((現実においては副総監が本部長を兼任するが、彼自身はあくまで「設立のキーマン」としか言及されていない。))。1959年10月2日生まれ(中園役の小野了氏と全く同じ)。東京都文京区鈴森在住。血液型はB型。左利き。 明慶大学法学部を卒業後、キャリアとして警察庁に入庁。神奈川県警本部長や長官官房総括審議官などを歴任((経歴のモデルは第88代警視総監や初代原子力規制庁長官などを歴任し、現在テレビ朝日取締役を務める池田克彦氏。警視総監を副総監に変えた以外全く同じで、S.15-11での彼のデータでは当該時期がそれぞれ埼玉県警本部長と警察庁警備局長になっているが、S.16-12のエピソードに伴ってなかったことになっている。))。 法務省を事実上クビになって警視庁に入庁した亘に対し、一度は捜査妨害による報復として非捜査部門の総務部に追いやったものの、美彌子からの依頼を受けた峯秋の頼みで特命係へ異動させた(S.15-1)。 愛娘の里奈が唯一の目撃者になった事件以降(S.15-11)、初期は特命係だけでなく政敵の峯秋をも明確に敵視し、両者まとめて葬り去ろうと画策していた場面も見られた。 しかし、特命係が事件を未然に防いだ際は内々に感謝状と金一封を贈呈しており、峯秋とあんみつを食べながら「出来の悪い子」について語るなど、両者とも決して本心から嫌っているわけではない様子も見せる。 青木の父とは幼なじみの間柄で、彼が警視庁に配属されたのは衣笠のコネによるものである。青木が楓子を突き落した事件では、動機が『週刊フォトス』嫌いの自身を慮っての行動であると察し、峯秋に頭を下げてまで処分を特命係への左遷にとどめた(S.16-最終話)。 そして、自らの危機を救った彼の行動を評価し、幹部への根回しで古巣へと復帰させたが(S.17-10)、相変わらず問題ばかり引き起こす彼に愛想を尽かし、ついに決別した(S.20-最終話)。 大杉氏は2018年2月21日に逝去。後任には杉本哲太氏が起用された。大杉氏は撮影に参加していたものの全ての撮影は終えていなかったため、改めて杉本氏で撮影し直すことになったという((本作のレギュラーキャストの逝去は大杉氏が初で、かつ後任が置かれたのは衣笠が唯一である。))。S.16-18の最後には2018年2月21日には追悼テロップが表記された。 なお、大杉氏はS.2-6、杉本氏はS.5-11にもそれぞれ出演している。 ***警察学校 ・&bold(){[[米沢守]](よねざわ まもる)} 演 - 六角精児 / 華形ひかる PS.2~S.14-最終話までレギュラー登場。警視庁刑事部鑑識課で階級は巡査部長→警部補。血液型はB型。所轄署の鑑識係にいたところを本庁に引き抜かれた経緯がある。 まさかのスピンオフ映画が作られた鑑識。嫁に逃げられ、未だに探している。&font(l){その嫁が美人なのが非常に苛立たしい。} 右京とは落語仲間。鉄道・ゲーム・ギター・昆虫・漫画喫茶と、右京に負けず劣らず多趣味で存在感が強い人物。 回を増すごとに登場頻度や特命係との交流が増え、右京のもう1人の相棒と呼んでも差し支えないくらいになっているが、自身の都合に構わず働かせたり、早朝に呼びつけた挙句水臭い態度をとったりする右京の態度に反発することもある。 長年特命係を支えていたが、S.14-最終話で突如警察学校教官への異動辞令が下され、右京と亘に別れを告げた。前触れもなく突然卒業になってしまったため、その理由は後付けという形でS.15-13で補完されている((実際の警察学校教官の階級は警部か警部補で、巡査部長は助教を務める。S.21-20では階級章が警部補になっている描写がある(公式サイトの相関図では巡査部長のまま)。))((六角氏は後年、番組を降板した理由について「撮影に7か月間も拘束されて他の仕事が入れられなかったから」と述べている。))。 劇場版IVでは教官として登場するが、上層部の命令や早く現場に復帰したい思いから、特命係と関わりたくない態度を露骨に出すようになっていたが、そんなことを気にする右京ではないので効果は薄く、結局は渋々ながら力を貸している。 時間の経過か、S.16-5以降で登場した際は協力的になっている。 帰国した薫と再会した際の回想シーンでは薫と同じく人に教える立場であることを語っており、今では教官としての仕事にやりがいを感じている節もある(S.21-20)。 六角氏はPS.1では&bold(){米沢}という同名の監察医役で登場していたが、米沢守とは別人である。 ***警察庁 ・&bold(){[[小野田公顕]](おのだ こうけん / きみあき)}((従兄弟の雁屋耕大によれば本当の読み方は「きみあき」であるという(S.12-最終話)。S.1の公式サイトでは「きみあき」と表記されていた。)) 演 - 岸部一徳 / 夏美よう S.1-1~劇場版IIまで登場。警察庁長官官房室長で階級は警視監。通称「&bold(){官房長}」((オフィシャルガイドブックによれば「官房長」は官房室長の略称であるとされており、実際に警察葬時の看板には「官房室長」と表記されている。一方、現実の警察庁に実在するのは警察庁長官官房で、その長は「官房長」である。官房長官(内閣官房長官)とは別物なので注意。))。1947年6月4日生まれ。 [[群馬県]]出身の次男坊で、東京大学進学を機に上京。当時は学生運動に参加していたらしく、赤いカナリアの幹部である本多篤人とは友人にして同志だった((もっとも、彼ほどの真剣さや度胸はなかったことから早々に転向したようで、彼が革命戦士として名を馳せた頃にはせっせと公務員試験の勉強に励んでいたという(S.8-1)。))。卒業後はキャリアとして警察庁に入庁。1987年の公安部参事官時代には外務省公邸籠城事件を解決するため、非公式に「&bold(){緊急対策特命係}」を結成。作戦参謀に当時捜査二課のエースだった右京を招集し、[[SAT>SAT(日本警察)]]から精鋭5名を選抜した。 しかし、アメリカ国務長官来日の知らせを受けたことで強行突入の構えを見せ、拒否する右京を解任。結果、事件は多くの死者を出す大参事で終わってしまい、上層部の判断で右京は特命係に押し込められてしまう(S.1-11)。対照的に、彼自身はその後も出世コースを歩み、「[[チヨダ>公安警察]]」の管理官や公安部長などを歴任して現在に至るが、内閣官房長官の朱雀武比古の怒りを買って一時期長官官房教養課長に降格されたこともある(S.3-2~3)。 特命係に対しては自ら後ろ盾になって処分の先延ばしや復活に寄与する一方、各方面に多大なつながりを持っており、右京とは違って大局的な目で犯罪を見逃すことも許容しているため、特に警察や政府の不祥事・陰謀が絡んだ事件では体裁や国益を守る立場からしばしば対立している。よくも悪くも特命係の存亡は彼の裁量次第であり、その点では&bold(){最大の味方で、最大の敵。} とはいえ、彼の行動原理は威信や大義を守ることに一貫しており、私利私欲で動いた場面はなく、決して人命を軽視しているわけでもない。同時に警察官僚としての彼なりの正義感も強く持っており、権威を利用して犯罪を隠蔽しようとした人物に対して制裁を下したこともある。 右京とは上記の事件から因縁の関係といってもいいが、今では一緒に食事に行くなど不思議な縁で結ばれており、相容れないながらも互いの信条自体は理解し合っている。 S.6-最終話で彼が発言した「&bold(){杉下の正義は時に暴走するよ}」という言葉は右京の性格を端的に表現しており、実際にその言葉通りの事態になることもしばしば。 だが、自らを殺していい人間に右京を含めるなど、本心では罪悪感も抱いている(S.1-11)。 劇場版IIではかねてから予定していた警察庁の&bold(){警察省}への格上げを実現すべく、長官の金子文郎とともに警視庁籠城事件を利用し、反対する幹部たちを警視庁から追い出そうとするが、2010年7月20日、組織改革の煽りで見せしめのごとく1人だけ懲戒免職にした生活安全部長の三宅貞夫に刃物で刺され、右京に看取られながら「おかしいね……殺されるならお前にだと思ってたのに……」との言葉を残して殉職。 その後もさまざまな裏取引や裏工作の際に名前が挙がったり、時の権力者からも信奉されたり、果てには自身の遺骨が盗まれたりするなど、死後もなお各所に影響を残し続けている。 ・&bold(){甲斐峯秋(かい みねあき)} 演 - 石坂浩二 S.11-1から登場。警察庁次長で享の父。階級は警視監。血液型はA型。東京都世田谷区成城本町在住。 オーストリア大使館やエルドビア大使館に赴任した経験があり、県警本部長などのポストを歴任後2012年夏に帰任し、次長に就任した((警察庁次長は基本的に官房長や局長からの昇格が多いが、彼は地方から帰任した上での就任であるため、前職は大阪府警本部長の可能性が高いが詳細は不明(道府県警本部長では最上位で本庁局長級の待遇)。実際に鈴木良一氏と佐藤英彦氏が該当するので全くあり得ない話でもない。))。 劇場版IIで殉職した小野田の立ち位置を引き継いだ人物であり((小野田の警察庁長官官房「室」長というポストはあくまでも架空の役職だが(警察庁長官官房長は実在)、警察庁次長は実在する文字通りの「警察庁No.2」で、基本的に次期長官にあてがわれる超重要ポストになっており、指揮系統の面では警視総監すらも上回る「警視監第1位」。))、次長時代は自身や組織の利益のためなら非合法的な手段も辞さない場面もあった。 しかし、小野田ほど特命係と対立してはおらず、下記の降格後も含めて全体的には支援する役回りの方が多い。同時に警察官僚として強い信念を持つ漢という一面も明かされている。 大学の後輩でもある右京や美彌子のことは高く評価しており、さまざまな面で協力を惜しまない。東京大学卒ではないが元法務省キャリアである亘のことも買っており、彼の特命係配属に貢献している(S.15-1)。 他方で、次男である享との仲は険悪そのもので、「東京大学、それも法学部以外認めない」というエリート意識から、早慶大学卒の彼を当然に認めておらず、「息子としても警察官としても出来が悪い」と酷評し、初期は何かにつけて警察を辞めさせたがっている場面も見られた((他方で、期待通り東京大学を卒業した長男の秋徳との関係は悪くなく、服役中の享に代わって結平の父親代わりを務めている。))。 しかし、彼が警視庁に入庁するまでの経緯を右京から聞いた際には笑顔を見せており、衣笠との会食の際には享を思い浮かべるなど、本心ではそれなりに愛情を抱いている。 S.14以降は享が起こした事件の責任を取る形で長官官房付の閑職へと降格になったものの((「長官官房付」はあくまで不祥事や引責辞任などで更迭された警察官が懲戒処分や次の異動先が見つかるまでの一時的な措置に過ぎないが、S.22現在もこの措置が解除される様子は見られない。一応、S.11-10では政敵がいることが示唆されてはいる。))、中園がS.14-1で「緊急避難的措置」と語っていたように形式的な処分に過ぎないようで、特命係の人事や処分に便宜をはかるなどその影響力は全く衰えていない。 その後、衣笠から打診された「特命係の指揮統括役」への就任を熟慮の末に承諾し、組織図上では特命係を配下に置く上司の立場になっている(S.16-2)。 ***法務省 ・&bold(){日下部彌彦(くさかべ やひこ)} 演 - 榎木孝明 S.14-1から登場。法務事務次官。検事の資格は持たないが、前任者の急逝を受けて次へのつなぎとして例外的に起用された経緯があり、そのためにこれ以上の出世は見込めないが((事務次官は他省では官僚トップの役職になっているが、法務省においては検察庁が本省を呑み込むような人事体系になっており、法務事務次官は検事総長への出世コースの通過点に過ぎない。よって、事務次官をはじめとする省内外の管理職はほぼ検事の資格を持つ人で占められている。))、その分どんな圧力にも屈することなく思い通りの行動を取っている。 法務省時代の亘の上司で理解者。非常に親しい仲であり、彼の要請にも臨機応変に対応する度量を見せるほか、脅すような言葉の裏で発破をかけたり、警視庁で生きがいを見つけた彼の背中を押したりもした(トドメ的な意味も含めて)。 逆に日下部も、法曹関係やその他あらゆる方面に顔が広く、かつ自由度の高い亘をよく使う。彼が警視庁に移籍してからも引き続き信頼しており、ヤロポロクとの関係が噂されている美彌子に対して探りを入れるために身辺調査を依頼したこともある(S.15-1)。 右京にはかねてより着目していたが、注目していた女性検事の些細な不正を彼が明らかにして辞職に追い込んだことに激怒。「私は君を許さない」と敵対宣言し、亘が巻き添えになってでも特命係を潰そうと考えるようになった(S.15-8)。 S.17-10を最後に登場しなかったが、S.20-19~最終話で久々に登場。少なくとも特命係を敵視しているような描写はなく、相変わらず美彌子に関心があり、亘を通じて近況を引き出そうとするほか、「霞ケ関の盲腸」とも揶揄される公安調査庁の地位向上を画策しており、その一環で彼を特命係からスカウトし、改革を託した(S.20-最終話)。 ***内閣情報調査室 ・&bold(){社美彌子(やしろ みやこ)} 演 - 仲間由紀恵 S.13-1から登場。ロシア人スパイ、&bold(){ヤロポロク・アレンスキー}の亡命に絡む連続殺人事件で特命係と関わったキャリアウーマンで階級は警視→警視正。1974年5月3日生まれ。東京都世田谷区西代沢在住。血液型はO型。 東京大学法学部出身で[[将棋]]部に所属しており、右京と同じ恩師に学んでいた。卒業後はキャリアとして警察庁に入庁し、組対2課や長官官房国際課への配属を経て、内閣情報調査室に総務部主幹として出向していたが、上記の事件を受け、警視庁総務部広報課長に就任した(S.13-1)。 S.14では出番がなかったが、S.15から再び登場。厄介払いで広報課に配属された亘の上司になったが、彼から自身の身辺調査を行っていることを明かされると、亘を特命係に異動させるよう峯秋に依頼した(S.15-1)。 世間からは「美人広報課長」として知名度も高い。持論としては「公安調査庁不要論」を掲げており((ただし、亘によればこれは美彌子に限った話ではなく、警察キャリアの共通認識である模様。))、鑓鞍とは違って格下げどころか完全に不必要と考えている模様(S.16-13, S.20-19)。 特命係の能力は認めており、全幅の信頼を置いているがうまく口車に乗せて巧みに利用することもある。峯秋からの信頼も厚く、秘密裏な調査を請け負ったり相談事をしたりしている。 スパイの協力者を「国賊」と言い切って断罪する一方、ヤロポロクとは男女の関係になっており、彼との子どもと思われる娘・マリアがいる。そのため、彼との関係について追及や脅迫を受けたりするなど、不幸な出来事には事欠かない。 S.17では仲間氏の産休明けで第10話より復帰し、S.19-1では女性の立場向上を狙うべく、「警視庁ガールズボム(KGB)」のメンバーでもある麗音の捜査一課配属を衣笠に働きかけた。 そして、S.20-3では内閣官房長官の鶴田翁助の策略により、内閣情報調査室トップの&bold(){内閣情報官}に抜擢されるという異例の人事になり((内閣情報官は事務次官や警察庁長官級の要職で、基本的に局長級の警察キャリア(警視監)にあてがわれる。そのため、優秀なキャリアとはいえあくまで一介の警視正でしかない美彌子が登用されることはまずない。))、鑓鞍への事前の根回しもあってか鶴田の失脚後もそのまま留まっているが、内閣情報官という要職になってもなお変わらず気軽に頼み事をしてくる右京に対して内心辟易している節がある。 一方で、彼女にとっては内閣情報官という立場もあくまで通過点でしかないようで、自らへの銃撃事件を利用してまで警察の勢力図を刷新しようとするなど、ゆくゆくは警察官のトップにのし上がろうとするというキャリアゆえの野心ものぞかせている(S.22-1~2)。 仲間氏の夫である田中哲司氏もS.8-14に出演している。 ・&bold(){青木年男(あおき としお)} 演 - 浅利陽介 [[S.14-15>警察嫌い(相棒)]]で初登場し、S.15-1~S.20-最終話までレギュラー登場。サイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官で階級は巡査部長。1987年11月1日生まれ。東京都渋谷区恵比寿本町在住。血液型はAB型。文教館大学経済学部卒で[[情報処理安全確保支援士(登録情報セキュリティスペシャリスト)>情報処理技術者試験]]の資格を持つ。 元々は大田区に住む区役所勤務の公務員。自宅の向かいで起きた女子大生殺人事件の唯一の目撃者で、[[その光景をビデオで撮影していた>覗き]]にもかかわらず、「捜査に協力しなければならない義務はないし、協力を断ったところで罰せられるわけでもない」と捜査協力を一切拒否するほどの異常な警察嫌い。 最終的に右京の策に陥って面通しさせられ、ビデオも提出する憂き目を見たが(S.14-15)、この一件で屈辱を味わわされた右京と亘に復讐すべく、父親と竹馬の友である衣笠副総監のコネで警視庁に入庁し、新設されたサイバーセキュリティ対策本部第5課の特別捜査官になった(S.15-1)。 以来、特命係とは友好的に接しており、米沢に代わる新たな協力者になっているが、初期は2人への恨みを晴らすために裏で暗躍する場面も見られた。 シーズンが進むにつれて復讐心は皆無になっているが、2人への嫌味や変な噂を流すなどの嫌がらせは変わらない。 かなりの偏屈で日頃から嫌味な言動が多く、その性格から本人も友だちが少ないと公言しており、同期でもある亘が数少ない友人である。 しかし、実際には年齢や身長差もあってか、同期とはいえ階級上は格下の彼からは常にため口で((ノンキャリアで採用された警察官は亘のように巡査を初任とするが、財務・科学・コンピュータといった専門性を必要とされる「専門 / 特別捜査官」については経験者や有資格者を採用しているため、巡査部長以上の階級を初任とする場合がある。))、頭や顔を撫でられたり右京ともどもいいように利用されたりと、扱いは若干雑だが。 警察の不祥事をたびたび記事にする楓子のことは目障りと思っていたらしく、ついには彼女をエスカレーターから突き落とす事件を起こしたが、特命係によって暴かれる。ひたすら過失傷害を主張し続けた末、彼の真意を察した衣笠の配慮で特命係に左遷されることになり、内村のツテでケジメもつけられた(S.16-最終話)。 その後は部屋の一角を仕切りで区切って引きこもり、2人とは極力関わらない姿勢を取っており、伊丹から「特命係の青木年男~!」と呼ばれた際には、初期の薫のように特命係の一員であることを否定する場面もあった。 しかし、衣笠の危機を救った功績が評価され、ようやく古巣に復帰したが(S.17-10)、その後も特命係との関わりは続いている。 亘に対しては偉そうに接しつつも、いざ彼が目の前で刺された際は大声で名前を叫び救急車を慌てて手配するなど(S.20-18)彼なりに友情を持っていたようで、それだけに彼が飲みに行く約束を2度もすっぽかしてマリアと密会していたことは無性に腹立たしかったらしく、「&bold(){警視庁現役警察官がパパ活!?}」なる怪文書を作成して警察庁と警視庁内に拡散するも、これには衣笠にすら愛想を尽かされてしまい、庁内でも微妙な立場になってしまったところを責任を感じた亘の美彌子への推薦によって内閣情報調査室に移籍した((劇中では言及されていないが、公式サイトの相関図によれば亘と同じく警視庁を退職した上での転籍である模様。))(S.20-19~最終話)。 その後も右京からは&font(l){いいように利用されているようで}頼りにされているようで、S.21-11では内調に保管されていた袴田の殺人教唆の音声データを右京に提供し、事件解決に貢献している。 浅利氏はS.6-10にも出演しているほか、S.20-最終話では衣笠の持っていた写真の中ではあるが、父の網一郎としても兼役で登場した(ノンクレジット)。 ***政治家 ・&bold(){瀬戸内米蔵(せとうち よねぞう)} 演 - 津川雅彦 S.2-最終話~S.16-13まで登場。衆議院議員にして徹正院の住職「照妙」でもある。初登場時は法務大臣で、その出自から一度も死刑執行命令書にサインしなかったことが語られている。 常に江戸言葉の一本筋の通った性格で、非常に強い正義感の持ち主。特命係を高く評価する数少ない人物の1人で、捜査への協力も惜しまない。一方で、その経験から右京の慧眼には恐れも抱いている。 交友関係は広く、雛子とは外務大臣の父と盟友だったことから親交があり、「雛ちゃん」と呼ぶこともある。小野田とも古くからの友人で、[[閣下>北条晴臣(相棒)]]の保釈や彼による「証人保護プログラム」にも関わっていた。 人命尊重の信念から紛争地帯で働くNGOの活動を支援しており、資金集めのためのパーティで得た収入を全額寄付していた。しかし、現地政府の腐敗から支援物資が子どもたちに満足に届いていない現状に義憤を持ち、送った支援物資を買い戻し、それで得た利益をNGOに寄付するといった不正に手を染めてしまう。しかし、それがNGOのスタッフだった薫の友人が殺害される事件へと繋がってしまい、真相が発覚して特命係に逮捕された((やむを得ない動機ゆえに世間からは同情論も多かったが、亘は「法務大臣なのに死刑を執行しない」という矛盾する言動について批判的な意見をのぞかせている(S.16-13)。彼は元法務省だったことから当時の部下にあたるが、もちろんいくら法務大臣と言えども全ての職員を知っているわけではないため(本省5万7000人、非常勤職員5万5000人いる)、口ぶりからして瀬戸内自身は彼のことを知らなかった模様。))。(S.7-1~2)。 その後、懲役10年の刑が下されたもの、本多篤人が釈放された際には特命係を呼んでそのことを伝えたり(S.9-最終話)、闇社会の大物が絡む立てこもり事件が発生した際は自ら人質になったりするなど(S.12-最終話)、服役中も特命係とたびたび関わってきた。 さらに4年後、仮出所を果たして実家を再興しようとするも、雛子による得度や白骨死体の出現など、またもや事件に巻き込まれることになった(S.16-13~14)。 上記の通り、各相棒の期間中に1回は登場しており、全相棒と面識がある。S.4-1では津川氏の実の兄で閣下役の長門裕之氏と兄弟で共演を果たした。 津川氏は2018年8月4日に逝去。衣笠とは違って後任は置かれなかったものの、S.17以降は鑓鞍兵衛が事実上の彼の後釜として新たに登場している。 ・&bold(){片山雛子(かたやま ひなこ)} 演 - 木村佳乃(高校生時代:安田愛里) S.3-1で初登場。長年外務大臣を務めた片山擁一を父に持つ女性衆議院議員で、外務大臣政務官・首相補佐官・内閣官房副長官などを歴任した。生年月日は不明だが、初登場時28歳。若くして父親の地盤を引き継ぎ、S.20-最終話時点で当選5回の負けなし。 「身の回りで事件が起きるたびにそれを逆手に取り、まるで糧にするかのように大きくなっていく人間」と右京に評されるように、トラブルの都度、巧みな話術や法の盲点を駆使して自らに不利な事件や事実だけは隠ぺいし、それらを逆用してのし上がる強かさと狡猾さを持つ女傑。その影響力は広く、警察組織とも太いパイプがあって公安を手足のように使うとされる。 表向きは父親の汚職すら公表したことで清廉な政治家になっており、国民からの人気は非常に高い。一方で、秘書による不祥事が判明した際には自殺するよう暗にほのめかすなど、保身のためなら手段も選ばない冷酷な一面も持つ(S.3-2)。 父親の悲願だった内閣総理大臣の椅子を目指すべく、首相補佐官時代のS.9-最終話では「赤いカナリア」との取引による本多篤人釈放の責任を法務大臣と公安調査庁に押しつけ、官房副長官時代のS.14-10では内閣官房長官の音越栄徳と組んで新会派を設立、総裁選への出馬を宣言する。 しかし、音越が船上パーティ中に本多らが起こしたテロで殺害され、新会派は頓挫。引責辞職して表舞台から姿を消した。 S.16-13で再登場し、出所した瀬戸内の元を訪れて尼になったが、未だに政界復帰への野心は失っておらず、出家も世間からの注目を集めるパフォーマンスに過ぎない。 その後は武器輸出を推進する「防衛技術振興協会」の顧問を経て(S.18-1~2)、S.20-19では東京7区から無所属で立候補し、刺客候補として[[山梨県]]の選挙区から国替えした鑓鞍を打ち負かして見事当選し、政界へ返り咲いた(S.20-最終話)。 瀬戸内と同じく、歴代相棒全員と面識がある。 木村氏の夫である東山紀之氏は2015年以降、主に夏シーズン(7~9月)の水曜21時枠である『刑事7人』で主演を務めており、同作が最終話に近づくと本作の予告が始まることが多い。 ・&bold(){鑓鞍兵衛(やりくら ひょうえ)} 演 - 柄本明 S.17-1で初登場。国家公安委員会で委員長を務める衆議院議員。選挙区は山梨県。当選9回。 常に飄々としており、本心がどこにあるのか分からない人物。耳のよさを自慢しており、自他ともに認める地獄耳。国家公安委員の一人が関わった学校法人理事長殺害事件において、警察組織の中で独自の動きを見せる特命係に興味を持つようになる(S.17-1~2)。彼らを「(甲斐さんとこの)若い衆」と呼ぶこともある。 津川氏の逝去によって再登場が困難になった瀬戸内のポジションを引き継いだ人物で、当初は特命係を手助けする場面も多く、本心かどうかはさておき「もし警察をクビになったら事務所で雇ってあげてもいい」と語ったこともあったが(S.18-2)、次第に右京を警戒するような素振りも見せており、彼を「警視庁妄想モンスター」と罵倒する記事が出回るよう仕向けたこともある(S.21-2)。薫のことは当初女性だと勘違いしていた。 男女共同活躍推進会議の顧問も務めることから女性の社会進出に寛容で(S.20-19)、中でも美彌子のことは高く評価しているらしく、鶴田が失脚した際には彼女の内閣情報官就任人事を白紙に戻すべきだと主張する閣僚たちを説き伏せ、留任に導いている(S.20-3)。一方で公安調査庁のことは軽視しており、公安調査局に格下げさせるべきだと閣議で進言したこともある(S.20-19)。 党の選挙対策委員長時代には秘蔵っ子の議員だった王隠堂鷹司に対して無情にも党の公認を外すという仕打ちを行ったが、これは秘蔵っ子と持ち上げられた彼が若手を集めて改革と勉強会を始めたことで党の長老の逆鱗に触れたためであった。鑓鞍自身は忠誠心を試されていると感じつつも、お灸を据えるいい機会と判断してこれに従ったが、鷹司は無所属で立候補して落選した上に事故死(自殺と判明)する結果を招いてしまい、彼の関係者から恨みを買って襲撃されたこともある(S.20-19)。 また、雛子のことはS.14-10での一件から好ましく思っておらず、息の根を止めるために地元の選挙区を秘書に譲り、自らは雛子の選挙区でもある東京7区に刺客として国替えする(S.20-19)。最終的には雛子に敗れて落選するも、実際には比例区での復活当選も織り込み済みの国替えだったようである(S.20-最終話)。 当選後はサルウィン親善使節団のパーティに一緒に出席するなど、表向きは友好的な間柄になっているようだが……(S.21-1)。 次男の柄本時生氏もS.8-16、その元妻である入来茉里氏もS.12-9にそれぞれ出演している。 ***記者 ・&bold(){風間楓子(かざま ふうこ)} 演 - 芦名星(幼少期:古川凛) S.15-最終話~S.19-2まで登場。ゴシップ誌『週刊フォトス』を発行している葉林社の記者。 美彌子の隠し子疑惑を記事にしたことから特命係と出会い、以降もスペシャルを中心に登場しており、たびたび関わっている。その性質上、警察の不祥事も容赦なく記事にするため、衣笠をはじめとする上層部からは快く思われていない。 しかし、彼女個人としては特命係や雛子と良好な関係を築いており、捜査に協力したり、「花の里」や「こてまり」で一緒に飲んだり、仮出所した瀬戸内や[[北海道]]で行われた防衛技術振興協会のシンポジウムをスクープしたりしている。 S.16-最終話では、関西の広域指定暴力団・銀龍組の傘下である「風間燦王会」の娘だったことが判明。しかし本人はその立場を嫌っており、過保護過ぎる母親や組員の干渉を本気で嫌っていた。 だが、「拳銃を隠すためにてんやわんやしていたことが懐かしい」と特命係に語るなど、多少の愛着はあったようだ。&font(l){一応は刑事である2人の前でそういうこと言ってしまうあたり、どこかずれている模様。} 警察を非難する記事を好んで書くのもそんな奴らと育った結果で、衣笠の心中を察した青木に突き落されたこともあるが、その際に居合わせた6人を盗撮するなど、かなり抜け目がない強かな女記者でもある(S.16-最終話)。 その強かさは時に敵となり、時に味方となり、影響力のあるメディア記者として活躍していたが……。 芦名氏は2020年9月14日に逝去。S.19-1の最後にはこれまでの出演シーンとともに追悼テロップが表示された。 テレビ朝日によれば代役を立てる方針はなく、水谷氏やスタッフも「芦名氏の代わりなんていない」という思いでいるとのこと。 実際に『週刊フォトス』自体も劇中での登場がなくなっているが、S.19-19では茉梨が「フォトスの楓子さん」と発言する場面がある。 **その他 ・&bold(){浅倉禄郎(あさくら ろくろう)} 演 - 生瀬勝久(幼年期:下城正義、少年時代:関口龍之輔) PS.2で初登場。東京地検刑事部の敏腕検事として活躍する一方、裏では狂気に満ちた連続殺人鬼「&bold(){平成の切り裂きジャック}」の一面を持っていた。 薫や美和子とは大学時代の無二の親友で、特に薫とは同じ寮で暮らした仲。1963年4月25日生まれ。 母親が売春の常習者だった上に自らが「不義の子」だったことがトラウマになり、幼少期に車のブレーキを細工して事故に見せかけて殺害。7年前の札幌地検時代には婚約者が偶然にも裏で娼婦をしていたことを知ってしまい、車ごと海に転落した自殺に見せかけて殺害(表向きは交通事故死)。 これを機に彼は完全に壊れてしまい、ほぼ3年ごとに新天地に赴任しては娼婦を次々と殺害するようになっており((具体的な人数は不明だが、劇中では東京での5人に加えて自身の犯行だと気づいた検察事務官までも殺害しており、上記の2人と合わせて少なくとも8人は明言されている。さらに、「売春容疑」と記された19人の女性たちのリストが次々とめくられるシーンが描写されており、全員が被害者とするならば最大27人におよぶことになる。))、「生きている限り殺し続ける」ともはや自分自身でもコントロール不能な殺意で犯行を続けていたが、最後は特命係によって逮捕された(PS.2)。 逮捕後も薫との友情は奇妙な関係で続き、彼の依頼で少年の更生に一役買ったり(S.1-5)、逆に以前関わった迷宮入りの事件の再捜査を薫や美和子を通じて右京に依頼したりした(S.2-1)。 S.2の1週間前に裁判で死刑判決を受けるが、2度の脱獄の末に[[千葉県]]の崖から[[自殺]]を図る(S.2-1~2)。奇跡的に生還するも[[記憶喪失]]になり、ホームレスとして暮らした末に再収監されたが、結局記憶が戻らないまま獄中で次長検事の教唆を受けた刑務官に殺害されてしまった(S.2-最終話)。 死後、ある事件の容疑者として浮かび上がるものの、特命係の尽力により無実が証明された(S.3-18)。 本作の初期シーズンを代表するキャラクターで、死後も彼の存在感は衰えず、S.3-18では&bold(){亡霊}という形で復活し、S.4-4では所業の観点から名前が上がっている。 演じた生瀬氏の演技はまさに鬼気迫るもので、その狂気を脅威の眼力で見事に表現した。 彼に匹敵する強い個性をもった犯罪者は本作の長い歴史の中でも数人に限られるほか、後のS.16~S.18では人物像や結末が類似した[[南井十]]が登場した。 ・&bold(){ヒロコ} 演 - 深沢敦 S.1-3で初登場。この時は焼肉屋の店主で、新宿で発生した事件を捜査中の薫と知り合う(S.1-3)。クレジットに名前はあるが役名は明かされなかった。 S.1-6で名前が明かされ、以後はゲイバー「薔薇と髭と...。」のママとして登場し、主に常連客絡みの事件で特命係に相談を持ちかけるようになる。S.6-13では愛犬が関わった事件で「花の里」に訪れたことで美和子やたまきとも知り合い、劇場版ではマラソンに参加した2人の応援に駆けつけている。 これを最後に音沙汰がなくなったが、S.18-18で約12年ぶりに登場。お気に入りの常連客が巻き込まれた強盗傷害事件の捜査を私的に依頼した。 彼とは頻繁に連絡を取っていたわけではないようで、当然ながら尊や享の存在も知らないため、亘を「彼が薫ちゃんの代わりに入った、右京さんの相棒ね?」と呼んだ((右京は「正確には『代わりの代わりの代わり』ですがね」と訂正し、亘は「別に代わりで特命係に入ったつもりはありませんけどね」とコメントした。))。 その後は麗音や茉莉とも知り合い(S.19-15)、S.21-15では帰国した薫とも再会した。 オネエという性質上、いつもハイテンションでとにかくキャラが濃い。多くの人物を名前で呼んでおり、亘を名前で呼んだ唯一のキャラでもある。 右京や薫をいたく気に入る一方、亘に対しては初対面の際に「この人信用できるの?」と右京に聞くなど警戒心を抱いていたが、再会したS.19-15では「無駄にイケメン」と呼ぶなど関係は改善された模様。 一方、同族嫌悪とも言える麗音には&font(l){命の恩人にも関わらず}「おかちめんこ」と呼んで何かと張り合っていた。「こてまり」に来店した際は茉梨を「ただ者じゃない」「いけ好かない女ね」と評し、&font(l){本来は事件解決のお礼のために特命係を通じて麗音に渡すはずだった}黄色の薔薇の花束を茉梨に渡して帰っていった((黄色い薔薇の花言葉は「友情」のほかに「嫉妬」の意味も持つ。))。 ・&bold(){矢木明(やぎ あきら)} 演 - 高橋克実 S.5-10で初登場した私立探偵。 ハードボイルド小説の金字塔である「フィリップ・マーロウ」をはじめとする推理小説や探偵のマニア。「マーロウ矢木」を自称し((かつては戸越銀座で活動していたらしく、その時は「サム・スペード矢木」を自称していた。))、西日暮里にある事務所も作者にちなんだ「チャンドラー探偵社」。 マーロウの定番スタイルであるトレンチコートと中折れ帽を常に身をまとい、バーボンを好み、マーロウの名台詞もしばしば使うなど古風なハードボイルド派を気取る。 見た目は冴えない中年男性で、尊や薫をあだ名で呼ぶこともあるなどお調子者かつ飄々とした言動が特徴だが、探偵としてはかなりの実力者。ギャルからホームレスまでさまざまな人々に顔が利き、事件の解決や尾行の振り切り(S.22-6)のために協力を依頼することもある。その人脈を駆使して写真1枚から5日ほどで目当ての人物にたどり着くなど(S.5-10)、右京も一目置く推理力はかなりのもの。 仕事は探偵業以外にも引っ越しの手伝いからペット探しまで何でも引き受けており、「依頼人との約束は何があっても最後まで守る」という強い信条を持つが、そのために危険な目に遭うこともしばしば。 高橋氏は2003年7月から2006年9月まで[[裏番組>トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~]]に出演しており、番組が終了したことによって本作への出演が叶った経緯がある。 また、元妻の兎本有紀氏もS.5-17, S.10-4, S.12-14に出演している。 ・&bold(){日野} 演 - 寺島進 S.5-11, S.13-10に登場。警視庁警備部の狙撃手で階級は警部補。下の名前は不明。 白髪交じりのオールバックにサングラスという、いかにもダンディな出で立ちの男。 現在に至るまで登場回数は上述した&bold(){2回}(どちらも元日スペシャル)と非常に少なく、「狙撃する展開が必要になった時に出てくるだけのチョイ役」に過ぎないが、その2回の登場でしたことが ・&bold(){&font(#ff0000){軽く数100mは離れている観覧車から、拳銃を持っている犯人の右腕だけを正確に撃ち、負傷させて自殺を阻止する}}(S.5-11) ・&bold(){&font(#ff0000){木の上という不安定な姿勢にもかかわらず、右京の後頭部に突きつけられていた犯人の拳銃だけを正確に撃ち弾き飛ばす}}(S.13-10) と、「警視庁一のスナイパー」の異名を持つだけあってどちらも[[ゴルゴ>デューク東郷/ゴルゴ13]]よろしく超人的な活躍で特命係の窮地を救っており、視聴者に対して妙に強い印象を残している。 ・&bold(){加西周明(かさい しゅうめい)} 演 - 石丸幹二 S.19-1で初登場。IT長者で、「掃いて捨てるほどある」というその圧倒的財力は政府からも無視できない存在になっている。 事業で築いた巨万の富をバックに自由奔放に暮らしており、インターネット上にPCゲームから発展させた仮想VR国家「ネオ・ジパング」を設立し、国王としてプレイヤー(国民)にも多額の金品を分け与えるなど、表向きは気前のよさで知られていた。 しかし、その本質は徹底的な拝金主義者かつ「&bold(){人間は金次第で何でもする}」と考える極めて傲慢な男で((石丸氏は加西の人物像について、「金がありあまってしょうがない人、多額の金さえ出せば何でも可能だと思っている人、人生はゲームだと思っている人――つまり、頭脳明晰だが、信じるのは金のみという自己中心的な男」と分析している。))&bold(){、億単位の大金をエサに公園で女性を全裸で躍らせたり、高層ビルを命綱なしに登らせたりさせるといった迷惑・危険・犯罪行為をさせて楽しむ}という外道な人物。6億で雇った実行犯・朱音静(演 - 日南響子)に麗音を銃撃させたのも「北上馬の交差点でいつも張っていて目障りだから」という極めて身勝手な理由からであった。 静の恋人が先の高層ビル登頂に失敗して転落死した事故を機に特命係が捜査を開始し、麗音銃撃の真相が明るみになって逮捕寸前まで追い詰められるも、鶴田を忖度した衣笠の鶴の一声によって逮捕を免れた(S.19-1~2)。 その後も自由を謳歌し、静に対しても大金と引き換えに証言を翻させるなどして徹底的に逃げ続けたが、好き勝手にやりたい放題してきたことで&bold(){殺し屋}に命を狙われてしまう。 あまりにも現実離れした「殺し屋」という言葉に、彼自身&font(l){および視聴者}は冗談と思っていたが、最終的には食事中の一酸化炭素中毒事故を装って&bold(){本当に殺し屋に殺害されてしまった}(S.19-19~最終話)。 その末路も、雇ったボディーガードと一緒に食事をしようと断られた際に「食べないとクビにするぞ」と無理矢理同席させたせいで一緒に命を落とすという体たらく。無関係な彼らも巻き添えにしてしまったことはもちろん、食事をしなければ一命を取り留めた可能性も高く、そういう意味では自分の傲慢さが仇となった形と言えよう。 常に他人を小馬鹿にした態度は警察も好意的ではなく、特命係からもぞんざいに扱われていた。 自身の悪事が露見しても、悪びれるどころか「いくら欲しいんだ?」と金で解決しようとしたり、殺し屋に狙われていると聞いた際にはそれを冗談と思いつつも守ってもらえるのが当たり前だと振る舞ったりと、とにかく厭味ったらしい男。 その傲慢っぷりと往生際の悪さ&font(l){、呆気ない最期}から妙に印象に残る男であるが、実は彼の遺したものはその裏に潜むさらなる巨悪を倒す切り札にもなり、バーチャルの世界で右京がなり変わる形で登場するなど、&font(l){石丸氏にギャラが発生した。}死してなお存在感を残したのであった。 石丸氏は番組スポンサーでもある「黄桜 辛口一献」のCMに2020年から出演。当然ながら登場回でも流れたため、「何してんだ加西」「死んだんじゃないのか」などといったツッコミが殺到した。 また、同局の長寿音楽番組『題名のない音楽会』の7代目司会を担当している。 ・&bold(){袴田茂昭(はかまだ しげあき)} 演 - 片岡孝太郎 S.20-11で初登場。与党である自生党の政務調査会長を務める衆議院議員。選挙区は東京27区で当選8回。1964年4月16日生まれ。政治家一族である袴田家の入り婿で、妻の虹子には頭が上がらない。公設秘書である息子の茂斗を後継者として育てている。 建設副大臣((建設省は国土交通省の前身、副大臣は2001年1月6日の中央省庁再編で設置された役職であるため、実際には建設省に副大臣は存在しなかった。もっとも、本作では国土建設省(S.8-5)や福祉衛生省(S.8-7など)といった架空の省が登場しているため、劇中世界では以前から副大臣が存在していたか、中央省庁再編後も建設省が存続していた可能性はある(ただしS.17-7では国土交通省、S.8-10などでは厚生労働省として登場)。))・国土交通大臣・防衛大臣・内閣府特命担当大臣・党国会対策委員長などを歴任した与党の重鎮で、超党派の議員を率いて『子供の貧困をなくす会』を立ち上げるなど、表向きは子ども政策に熱心な議員として知られていた。 しかし、「この国を動かすには低賃金で働く労働者の確保が必要不可欠」という思想を持ち、企業訴訟で経営者に有利な判例を積み重ねるべく、秘書の結城宏を通じて最高裁判所判事を懐柔しようとするも拒否されて負傷させ、さらには目撃者たちの口封じも画策し、捜査の手が及ぶや否や全ての罪を結城に押し付けるなど、実際には権力と利権に塗れた典型的な「悪い政治家」であった。 しかし、特命係によって真相を突き止められ、さらには結城への殺人教唆の証拠になる決定的な発言を右京に録音されるも、与党重鎮である彼に恩を売って支配下に置きたい美彌子によって録音データが削除されたため、全ての罪を結城に被せて右京の追及を逃れた(S.20-11)。 その1年後、S.21-11で再登場。政調会長こそ辞任したものの政界では隠然たる影響力を持っており、隠し資産である金塊の窃盗予告事件の際に右京と再会する。 相変わらず高圧的な言動で接し、昨年の一件について詮索しないよう牽制するなど往生際の悪さを見せていたが、事件を通じて茂斗の成長と行動に感激し、それと同時に上記のような悪い政治家の一面は出世の過程で身についてしまった不本意なもののようで、本来の彼は先代(義父)のような&bold(){清廉潔白な政治家}を目指していたことが判明。 さらに、当初は嘱託職員と知って侮蔑していた薫が茂斗に対し、「汚れなきゃ出世できないのが政界の現実かもしれないけど理想で現実に立ち向かってくれ。お父さんの果たせなかった夢を君が引き継げばいい」と熱く語りかけたことから、感謝の意を込めて正規の警察官として復帰できるよう衣笠に圧力をかけた。謝礼もまた権力を使ったものというある意味では彼らしい結果である。 その後、内調の青木を通じて右京が録音データを取り戻したことで捜査一課に連行された。しかし、その際に特命係を見つけた茂斗は&bold(){笑みとも取れる}表情を浮かべていた……。 *【ストーリー】 ここでは、各シーズンごとの特徴や見所を述べつつ、各回のストーリーを紹介する。 ネタバレ要素も含むので気にする人はここでバック。 **本編 S.18までは全シーズン共通で、最終話は2時間前後のスペシャルな上に普段より1時間早い20時00分から始まる回があり、さらにS.15までは初回も2時間前後のスペシャルだった。 また、S.7までは逆に30分遅い21時30分から放送される回もあった。 #region(クリックで展開・収納) #openclose(show=Pre season){ 土曜ワイドショー時代の『相棒』で、全ての始まりと言える最初のシーズンになっており、事実上の「&bold(){season0}」と位置づけられる。 いずれも脚本は輿水泰弘氏。陳腐なテロップにお茶の間フリーズしかねない下ネタなど、今日では考えられない作風ではあるが、各回冒頭の空撮をはじめとするお決まりの様式美はこの時から確立していた。 ・第1話「刑事が警官を殺した!?」 2000年6月3日放送。記念すべき第1話。勝部演之氏や甲本雅裕氏、中村綾氏や武野功雄氏がゲスト出演。 薫が捜査一課を追放されて特命係に左遷される、全ての原点たる最初の回。 ・第2話「恐怖の切り裂き魔連続殺人!」 2001年1月27日放送。渡辺典子氏や仲根かすみ氏がゲスト出演。 角田・米沢・三浦、そして浅倉が初登場し、後のレギュラーキャラたちが出揃った重要な回。 視聴率は22.0%と歴代4位の記録を持つ。 ・第3話「大学病院助教授、墜落殺人事件!」 2001年11月10日放送。伊藤裕子氏や東根作寿英氏、銀粉蝶氏や中原丈雄氏、中丸新将氏がゲスト出演。 右京が病院に搬送されるという展開からスタート。爆発事故に巻き込まれた……と思いきや、実際には&bold(){盲腸}だったが。 } #openclose(show=season1){ 放送期間は2002年10月9日~12月25日、全12話。平均視聴率は13.1%。 前述の通り、S.1と言ってもPS.の設定や時系列をそのまま引き継いだ上でのストーリーであるため、何も知らずに第1話を見ると混乱する可能性がある点に注意。 連続ドラマ版の始まりで、小野田が初登場。最終話では特命係が誕生するに至ったエピソードが語られ、&bold(){しかも特命係が一時解散することになる。}ここでも、毎回のように下ネタが登場する。 劇伴音楽がPS.から大きくリニューアルされており、以降のシーズンでも継続して使われているものも多い。ただし、おなじみのオープニングテーマはこの時点ではまだ使用されておらず、全く違う曲になっている。 ・第1話「警視総監室にダイナマイト男が乱入! 刑事が人質に!? 犯罪の影に女あり…」 輿水脚本。連続ドラマとしては記念すべき初回。泉谷しげる氏や矢島健一氏、中村育二氏や純名りさ氏がゲスト出演。 男がダイナマイトを巻いて薫を人質に取り、警視総監との面会を要求するという前代未聞の大事件が発生。 ・第2話「教授夫人とその愛人」 輿水脚本。山本圭氏や洞口依子氏がゲスト出演。 第2話にして早くも国家公安委員が登場する。 ・第3話「秘密の元アイドル妻」 櫻井武晴脚本。小宮孝泰氏や大西結花氏がゲスト出演。 ヒロコが初登場。 ・第4話「下着泥棒と生きていた死体」 櫻井脚本。井田國彦氏や山崎一氏がゲスト出演。 所轄署の不祥事隠蔽をテーマにした最初の作品で、社会派サスペンスとしての本作の原点とも言える話。 ちなみに、約4年後の2006年7月13日に放送された『新・科捜研の女』においても類似したエピソードが放送されており、あちらの脚本担当も櫻井氏である。 ・第5話「目撃者」 輿水脚本。美保純氏や当時はまだ子役だった染谷将太氏がゲスト出演。 衝撃的な真犯人や浅倉の狂気が垣間見えるエピソードではあるが、彼の狂気がなければ将来的にもっと大惨事になっていたとも取れる。 それと同時に真犯人が事件を起こさなければ、別の意味で将来的にもっと大惨事になっていた可能性もある。 そういった意味も含めて、人間の弱さや醜さについて色々と考えさせられるエピソードである。 ・第6話「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」 砂本量脚本。モロ師岡氏がゲスト出演。 殺害された薫の知人に巨額の詐欺を行った疑惑が浮上。彼の無実を信じる薫と右京が辿り着いた真実は、あまりにやるせないものだった。 ・第7話「殺しのカクテル」 櫻井脚本。蟹江敬三氏や草村礼子氏がゲスト出演。 バー経営者が殺害される事件が発生し、右京は被害者の店で働くバーテンダーに疑いの目を向ける。 一方、薫は来日した美和子の伯母・アキコに振り回されていたが、実は彼女には事件と意外な関わりがあって……。 2019年に行われたファン1万人アンケート企画で1位に輝いた作品。 ・第8話「仮面の告白」 輿水脚本。長谷川朝晴氏や松下由樹氏がゲスト出演。 フランケンシュタインのマスクをかぶり、若い女性を襲う通り魔強盗犯の男が起訴されたが、裁判で薫や伊丹の捜査ミスが指摘されてしまい無罪判決が出てしまう。 あくまで彼が真犯人だと確信する2人はいがみ合いながらも捜査を継続するが……。 ・第9話「人間消失」 砂本脚本。山本未來氏や篠井英介氏、奥田達士氏がゲスト出演。 右京の大学時代の後輩が勤める会社で発生した奇妙奇天烈な現金強奪事件に、たまたま現場に居合わせてしまった特命係が挑む。 ・第10話「最後の灯り」 櫻井脚本。山谷初男氏や鈴木瑞穂氏がゲスト出演。 美和子が取材していた老映画監督がインタビューの最中に謎の窒息死を遂げてしまう。見知らぬ海岸で目を覚ました右京と薫が、今までの経緯を回想するシーンが物語の半分を占めている。 事件の真相と真実は悲しさとやりきれなさが残る。 ・第11話「右京撃たれる~特命係15年目の真実」 ・第12話「午後9時30分の復讐 特命係、最後の事件」 輿水脚本。シーズン最終話は初となる2週連続のストーリー。長門裕之氏や森本レオ氏、池脇千鶴氏や内藤剛志氏がゲスト出演。 特命係の廃止が予告され、右京は警察庁復帰・薫は運転免許試験場へ異動という内示が出る。それを不満に思う薫が退職届を書こうとしている頃、小野田と密会していた右京が何者かに狙撃されて重傷を負ってしまう。 特命係誕生の秘密が遂に明かされ、閣下こと北条晴臣が初登場する。 } #openclose(show=season2){ 放送期間は2003年10月8日~2004年3月17日、全21話。平均視聴率は12.7%。 大河内と芹沢、そして瀬戸内が初登場。PS.2に登場した浅倉との因縁が決着した。 今期以降、タイトルが『相棒 警視庁ふたりだけの特命係』から『相棒』と簡略化され、放送期間も10月~翌年3月の半年間になるなど、作品の大枠において今日の基礎をつくったと言える。 オープニングテーマはPS.2のアレンジだが、第1話~第14話と第15話~最終話で曲調が違う。 ・第1話「ロンドンからの帰還~べラドンナの赤い罠」 ・第2話「特命係復活」 輿水脚本。2週に渡るストーリーで大河内が初登場。須藤理彩氏や清水紘治氏、松下由樹氏がゲスト出演。 内容としては前期から続いており、右京は警察学校教官への異動を経て休職・薫は鮫洲運転免許試験場での勤務になっており、特命係は引き続き廃止中である。 浅倉からの依頼を受け、「特命係じゃない2人」が過去の事件を再捜査するが……。 ・ 第3話「殺人晩餐会」 櫻井脚本。山口美也子氏や渡辺哲氏、西尾まり氏や西田健氏がゲスト出演。 豪雨で孤立したオーベルジュ(ホテルを備えたレストラン)での密室殺人と思わせつつ、意外な動機に、凶器がまさか&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){冷凍イカ}}だったなんてあり得ないでゲソ。 ・ 第4話「消える銃弾」 砂本脚本。下條アトム氏がゲスト出演。芹沢が初登場した回で、さながら『[[ゴルゴ13>ゴルゴ13(漫画)]]』に出てきそうな凶器に唖然。 ストーリーもひたすらに悲しさとやりきれなさが残る。 ・第5話「蜘蛛女の恋」 砂本脚本。中島ひろ子氏や加藤貴子氏がゲスト出演。 右京の主治医である心療内科医が自殺。一方、数合わせでお見合いパーティに参加した薫と美和子は、会場でなんと伊丹と遭遇してしまう。 主治医の自殺を疑い、捜査を開始した右京がたどり着いたのは、なんと薫の参加したお見合い会場で伊丹と会話していたある女性だった。 心の問題を抱えている人のケアは、本当に生半可な覚悟ではできないことを改めて思い知らされるエピソードでもある。 ・第6話「殺してくれとアイツは言った」 砂本脚本。後に衣笠藤治役でレギュラー入りすることになる大杉漣氏がゲスト出演。 不用意な発言をしてしまったせいで命を狙われる、小野田の古い友人である小説家の話と思いきや……。 ラストの衝撃と後味悪さは、未だにシリーズの中でも上位に入るレベルであろう。 「消える銃弾」「蜘蛛女の恋」と並んで、古参ファンから「砂本3部作」と呼ばれる傑作回でもある。 ・第7話「消えた死体」 櫻井脚本。マギー氏や宮地雅子氏、宮澤美保氏がゲスト出演。 薫の知人である若杉栄一が初登場。 ・第8話「命の値段」 櫻井脚本。中原丈雄氏や国枝量平氏がゲスト出演。 事件の背後にあったのは、命の値段を勝手に決められた悲しみだった。 ・第9話「少年と金貨」 砂本脚本。六角慎司氏や当時はまだ子役だった須賀健太氏がゲスト出演。 「1枚2000万円の旧20円金貨」というとんでもないアイテムを巡る殺人事件。鍵を握るのは、現場近くで薫が出会った謎の父子だった。 ・第10話「殺意あり」 輿水脚本。鶴見辰吾氏や、バラエティ路線で再ブレイクする前の坂上忍氏がゲスト出演。 医療過誤をテーマに人間の業を描いた後味の悪い話。 『名探偵コナン』巻末の名探偵図鑑で、青山剛昌氏のオススメ回として紹介されているエピソード。 ・第11話「秘書がやりました」 輿水脚本。菅原大吉氏や室井滋氏、久松信美氏がゲスト出演。 永田町の常識は世間の非常識。&font(l){かくいう警察も似たようなものだが。} ・第12話「[[クイズ王>クイズ王(相棒)]]」 深沢正樹脚本。喜多嶋舞氏がゲスト出演。 クイズで犯人と対決するという一風変わった内容になっている。 ・第13話「神隠し」 輿水脚本。松尾貴史氏がゲスト出演。 帰宅途中に姿を消したある小学生の少女。特命係は偏屈なホームレスといわくつきの神父に着目するが、その裏には意外な真実が……。 ・第14話「氷女」 砂本脚本。木村多江氏がゲスト出演。 「心臓が凍った凍死体」という奇妙な行き倒れ事件が発生。自然死と思われたが、その真相は……。 ・第15話「雪原の殺意」 ・第16話「白い罠」 櫻井脚本。前田愛氏(([[同姓同名]]の声優とは別人の女優の方。S.6-6やS.19-18に出演している前田亜季氏の姉である。))や内田朝陽氏、小野武彦氏やマギー氏がゲスト出演。 初となるシーズン途中の2週連続エピソードで、北海道が舞台になる。 過去の事件に人生を狂わされた人々が交錯するやりきれないストーリーだが、結末はわずかに救いが残る。 後編ラストシーンの薫の涙は寺脇氏曰く演技ではないらしく、亀山薫のベストシーンに挙げられる。 ・第17話「同時多発誘拐~消えた16人の子供達」 砂本脚本。高田聖子氏や小市慢太郎氏、小林勝也氏がゲスト出演。 「16人の子どもたちが同時多発的に誘拐される」という前代未聞の大事件が発生。あまりの人手不足で捜査に駆り出された特命係がたどり着いたのは意外な真相だった。 警視庁副総監が初登場。 ・第18話「[[ピルイーター>ピルイーター(相棒)]]」 輿水脚本。山中聡氏がゲスト出演。 今期から登場した大河内の秘密が明らかになるが、一言で言うと&font(#ff0000){ガチホモマテリアル}。 放送当時こそ視聴者を騒然とさせたが、性的マイノリティへの理解が社会問題になっている現在から見れば、むしろ非常に先駆的な社会派エピソードとも言える。 以降のシーズンでもしばしば性的マイノリティを扱うストーリーが展開されており、どの回も概ね本人の苦悩や周囲からの偏見が描かれることが多い。 ・第19話「器物誘拐」 坂田義和脚本。小木茂光氏や久野真紀子氏がゲスト出演。 弁護士の愛犬が「誘拐」され、200万円の身代金を要求されるという奇妙な事件に特命係はどう挑むのか。 ・第20話「二分の一の殺意」 深沢脚本。吉本多香美氏がゲスト出演。 美人の双子姉妹の完全犯罪に特命係が挑む。 ・第21話「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」 輿水脚本。シーズン最終話。岸田今日子氏や国生さゆり氏、松下由樹氏がゲスト出演。 瀬戸内が初登場し、浅倉との因縁が決着する。 } #openclose(show=season3){ 放送期間は2004年10月13日~2005年3月23日、全19話。平均視聴率は13.2%。 各種音楽が前期からさらにリニューアルされ、オープニングで流れる例のメインテーマの原型もここで初めて確立された。&font(l){無駄にサブタイトルのある回が多いのも特徴。} 雛子と陣川が初登場し、特命係の部屋のデザインも今期から固定されるなど、多くの面でシリーズの基礎を築いたシーズンでもある。 シーズン中盤の2時間以上のスペシャルの伝統はここから始まったが、今期のみ元日ではなかった。 ある事情で薫と美和子が終始ギスギスしており、中途半端な回で再放送を観た視聴者を困惑させること必至。 ・第1話「双頭の悪魔」 ・第2話「双頭の悪魔II~堕天使」 ・第3話「双頭の悪魔III~悪徳の連鎖」 輿水脚本。雛子が初登場した回で、本作初となる3週連続の長編作。本田博太郎氏や佐戸井けん太氏、春田純一氏や竹中直人氏がゲスト出演。 首相補佐官の自殺に端を発した永田町の一大スキャンダルに、右京と麹町東署へ現場復帰した薫が挑む。 S.11以降顕著になった、「特命係が巨大な陰謀の闇に迫る」というサスペンス路線の原点とも言えるエピソード。 第1話で美和子の浮気が発覚し、第3話でついに薫と別れてしまう。 再放送では第1話~第2話をセットにした2時間バージョンが放送されることもある。 ・第4話 「女優~前編~」 ・第5話 「女優~後編~」 輿水脚本。2週に渡るエピソードだが、実際には「双頭の悪魔」と合わせて5週で1つの物語であると言える。羽田美智子氏や岡田浩暉氏、陰山泰氏やみのすけ氏、竹中直人氏がゲスト出演。 前話から引き続き、&bold(){懲戒免職になった}右京と麹町東署の薫という「特命係じゃない2人」が事件に挑む。 ・第6話「第三の男」 砂本脚本。遠藤久美子氏や松永香織氏がゲスト出演。 陣川が初登場し、特命係に左遷される。最終的に元の部署へ復帰するものの、以降のシーズンでもたびたび登場することになる。 ・第7話「夢を喰う女」(&bold(){&font(#ff0000){欠番}}) 砂本脚本。高岡早紀氏や浜田晃氏がゲスト出演。 社会的地位のある老齢男性を狙った連続殺人事件が発生。被害者たちには「自分史」を書こうとしていたという共通点があり、口述筆記を請け負っていた図書館の女性司書に疑いの目が向けられるが……。 最も邪悪な人間もまた、天使の顔をしているのだ。 この回の特筆すべき点は、&bold(){内容よりもその特異な立ち位置にある}。 特命係が図書館で利用者情報を聞き出す場面で、令状を見せる場面がなかったことから、「地方公務員法違反になりかねない」といったクレームを日本図書館協会などの図書館関係者から受けたため((「図書館の自由に関する宣言」より、原則として令状がなければ利用者情報を聞き出すことはできない。))、&bold(){&font(#ff0000){&u(){本作唯一の欠番・封印作品になってしまっており}}}、その関係で今期は話数表記がなくなっている。 再放送やDVD収録も行われておらず、視聴するのは非常に困難((ネット上に違法アップロードされた当時の録画映像は存在するが、普通に著作権法違反の代物なので注意。他に見る手段が存在しないので仕方ないと言えばそれまでだが。))。 後年、『鑑識・米沢守の事件簿』公開に伴ってスピンオフ小説『熱血鑑識官 米沢守のドッキリ事件簿ZERO』が発売されたが、このタイトルの初出は本話である。 ・第8話「誘拐協奏曲」 櫻井脚本。深浦加奈子氏や徳井優氏、河西健司氏や渡辺哲氏がゲスト出演。 「死亡宣告を出された人物が誘拐される」という怪事件。ラストはどこかコミカルである。 ・第9話「[[潜入捜査~私の彼を探して!>潜入捜査~私の彼を探して!(相棒)]]」 輿水脚本。1月1日の放送ではないが初の新春スペシャルで、S.4以降の元日スペシャルの嚆矢とも言える。温水洋一氏や保坂尚輝(現・保阪尚希)氏がゲスト出演。 小野田からの依頼で消えた公安刑事の行方を追うべく、特命係がスパイもののごとく潜入捜査を開始するが……。 ・第10話「ゴースト~殺意のワイン」 東多江子脚本。筒井真理子氏がゲスト出演。 殺人事件を解く鍵は人気女流作家のゴーストライター疑惑にあった。 ・第11話「[[ありふれた殺人~時効成立後に真犯人自首!?>ありふれた殺人(相棒)]]」 櫻井脚本。上田耕一氏や信太昌之氏、正名僕蔵氏がゲスト出演。 20年前の殺人事件の真犯人が出頭し、時効の壁に阻まれてもなお来訪する遺族と特命係の葛藤を描く。 ・第12話「予告殺人~狙われた美人姉妹の謎」 砂本脚本。榊英雄氏や一戸奈未氏、樋口浩二氏がゲスト出演。 本作でも屈指の卑劣な殺人鬼が登場。 ・第13話「警官殺し~銃に残された赤い指紋」 櫻井脚本。江藤潤氏や鶴田忍氏、武野功雄氏がゲスト出演。 地域と警察の両方を愛していた真面目な警察官の死。その真相は&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){無念の自殺}}であった。 ・第14話「薔薇と口紅~名門殺人学園の美女」 岩下悠子脚本。涼風真世氏や近藤公園氏がゲスト出演。 名門女子高という異質な世界を舞台に薔薇とシェイクスピアと麻薬が交錯する、どこか耽美的な空気の流れる回。 ・第15話「殺しのピアノ」 櫻井脚本。吹越満氏がゲスト出演。 本作では比較的珍しい、本格的な倒叙もの。ピアニストを殺害した調律師の犯罪を右京はどのように暴くか。 右京のピアノ演奏シーンが見られるが、実際に水谷氏がピアノを弾けるため、この手の描写では珍しくカメラアングルで誤魔化さずに映されている。 ・第16話「人間爆弾」 砂本脚本。菅原大吉氏やマギー氏がゲスト出演。 再登場した若杉栄一が巻き込まれた自爆強盗事件は、意外な一点に収束していく。 ・第17話「書き直す女」 林誠人脚本。高畑淳子氏や中丸新将氏がゲスト出演。 ヒロコが登場し、劇作家殺人事件に特命係が挑む。 ・第18話「大統領の陰謀」 近藤俊明脚本((監督も兼任しており、脚本家と監督が同じという唯一の回。))(脚本協力は輿水氏)。 藤吉久美子氏や新藤栄作氏、綾田俊樹氏やきたろう氏がゲスト出演。 前期で殺害されたはずの浅倉が意外な形で復活。 ・第19話「異形の寺」 輿水脚本。シーズン最終話。高橋由美子氏や高橋惠子氏がゲスト出演。 ひょんなことから薫が池から頭蓋骨をすくい上げたことから始まるホラーチックな話だが、その裏には驚くべき真実が…。 再放送用に1時間に短縮されたバージョンが存在する。 } #openclose(show=season4){ 放送期間は2005年10月12日~2006年3月15日、S.2と並び歴代最高の全21話。平均視聴率は14.7%。 今期より、曜日に関係なく1月1日の元日に2時間~2時間30分のスペシャルを放送する様式美が確立した。 シーズンを通して男女の恋愛沙汰の話が目立つ。最終話で薫と美和子が結婚することになる。 ・第1話「閣下の城」 輿水脚本。長門裕之氏や高橋かおり氏、田中実氏や高杉瑞穂氏がゲスト出演。 S.1のラスト2話の続編で、閣下こと北条晴臣が再登場。北条役の長門氏と瀬戸内役の津川氏の兄弟共演作でもある。 ・第2話「殺人講義」 古沢脚本。石橋奈美氏や溝呂木賢氏、日向明子氏や石橋蓮司氏がゲスト出演。 S.1-10やS.2-1~2の事件の動機を右京が語る場面がある。 先述した最多出演ゲストである前沢氏の代表的な登板回。今話の出来事は後のシーズンでもさまざまな爪痕を残している。 ・第3話「[[黒衣の花嫁>黒衣の花嫁(相棒)]]」 砂本脚本。遠野凪子(現・遠野なぎこ)氏や東根作寿英氏、中原裕也氏がゲスト出演。 芹沢が主役のエピソードの1つで、彼の友人が結婚式当日に何者かに襲われて殺害される。 過去に怯えるあまり、早い段階で負の連鎖を断ち切ることができずに泥沼にはまり込んでしまったという最悪のパターン。 ・第4話「密やかな連続殺人」 ・第5話「悪魔の囁き」 砂本→瀬巻亮犬(須藤泰司)脚本((砂本氏の病状悪化により、後に須藤氏が引き継いだ。))。小日向文世氏や奥貫薫氏、山崎一氏やブレイク前の高橋一生氏がゲスト出演。 小日向氏の怪演は圧巻。「ウィムパティオル……ウィムパティオル……」 ・第6話「殺人ヒーター」 櫻井脚本。嶋田久作氏や笹野高史氏、近藤公園氏や村杉蝉之介氏、峰岸徹氏がゲスト出演。 欠陥を主張した社員を邪魔者扱いしたくせに、欠陥による事故が起きたら社員を賞賛するお偉いさんの見事な掌返し。 その裏で起きた人間同士のドラマも後味の悪い結末を迎えていた。 脚本を担当した櫻井氏は後に『コナン』の[[ある回>ケーキが溶けた!(名探偵コナン)]]でも本作と同じトリックを扱っている。 ・第7話「波紋」 入江信吾脚本。絵沢萌子氏や能見達也氏、音尾琢真氏やブレイク前の中村友也(現・中村倫也)氏がゲスト出演。 研究レポートのために自作自演をしたら殺人が起きてしまった。 所持品のチェックは自分でこまめにしましょう。 ・第8話「[[監禁>監禁(相棒)]]」 古沢良太脚本。佐藤江梨子氏や酒井敏也氏、吉本菜穂子氏や当時はまだ子役だった吉谷彩子氏がゲスト出演。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){右京の些細な気遣いのせいで}}謎の男女に監禁されてしまった薫は、解放の条件として要求された金庫の謎を解こうと奮闘するが……。 ・第9話「冤罪」 櫻井脚本。一色彩子氏や中村育二氏、青山知可子氏がゲスト出演。 裁判まで真相を明かさなかった被告人。その真実は右京にすら読めなかった。 ・第10話「殺人生中継」 古沢脚本。宮地真緒氏がゲスト出演。 殺人事件が朝のニュースで生中継されるというショッキングな展開から話がスタートする。 ・第11話「汚れある悪戯」 輿水脚本。初めての元日スペシャル。葉月里緒奈氏や甲本雅裕氏、斉藤洋介氏や竜雷太氏がゲスト出演。 誘拐事件に伴う特別警戒態勢の中、わざわざ「特命係を除く」と庁内放送する大人気ない内村と、薫の「参事官&bold(){でも}いいです」という発言に怒る大人気ない中園。 薫が美和子にプロポーズし、右京とたまきが証人を引き受ける。 ・第12話「緑の殺意」 戸田山脚本。小林隆氏や菊池隆則氏、七瀬なつみ氏がゲスト出演。 未必の故意を罪に問うことはできない。 ・第13話「最後の着信」 櫻井脚本。中西良太氏や黒坂真美氏、ブレイク前の桐谷健太氏がゲスト出演。 結末のどんでん返しは秀逸。嘘を信じて命を落とす、救われない物語。 ・第14話「アゲハ蝶」 岩下脚本。板谷由夏氏や河西健司氏、飯田基祐氏や渡辺憲吉氏がゲスト出演。 新種とされた蝶「ミヤモトアゲハ」をめぐる殺人事件。しかし、右京の推理で思わぬ真相が明らかに……。 ・第15話「殺人セレブ」 真部千晶脚本(脚本協力は櫻井氏)。野村真美氏や遠山俊也氏、 栗田よう子氏や舟木幸氏がゲスト出演。 物に執着することは不幸を生む。 ・第16話「天才の系譜」 古沢脚本。原沙知絵氏や不破万作氏がゲスト出演。 右京が若い女性とホテルから出て現金を渡す様子を偶然見かけてしまった薫だが、実はその女性は……。 ・第17話「告発の行方」 櫻井脚本。羽場裕一氏や冨樫真氏、長谷川公彦氏やブレイク前の松重豊氏がゲスト出演。 政治不正と公金の無駄遣いを追うルポライター謀殺事件に特命係が挑むが、その結末はやるせないものだった。 ・第18話「節約殺人」 林脚本。伊藤かずえ氏がゲスト出演。 節約を徹底した結果、無駄な人間までも「節約」してしまった犯人の物語。 ・第19話「ついてない女」 古沢脚本。鈴木杏樹氏がゲスト出演。後にレギュラーキャラクターになる月本幸子が初登場。 『――月本幸子。幸せな子と書いて、幸子です。』最後の出演者テロップの出し方が秀逸。 ・第20話「7人の容疑者」 櫻井脚本。西田健氏やでんでん氏、三輪ひとみ氏がゲスト出演。 特命係がテレビドラマの撮影現場を捜査するという異色の回。 ・第21話「桜田門内の変」 輿水脚本。シーズン最終話。田中美里氏や小倉久寛氏、高橋和也氏や藤木孝氏、戸田恵子氏がゲスト出演。 警視庁内で青酸カリによる殺人事件が発生するという前代未聞の大事件が発生。同業者の不正には人一倍厳しい杉下右京。 そして、薫の姉の計らいで晴れて亀山夫妻が結ばれることに。 } #openclose(show=season5){ 放送期間は2006年10月11日~2007年3月14日、全20話。平均視聴率は16.1%。 オープニングテーマのメロディがアレンジされ、次回予告やCMでよく聞くおなじみのテーマに仕上がった。基本的にS.4とほとんど同じだが、よく聞くとサビ部分の楽器編成が異なっていたり、キックの立ち上がりが鋭くなっていたりする。 ・第1話「杉下右京、最初の事件」 輿水脚本。奥菜恵氏や平淑恵氏、神山繁氏や勝野洋氏がゲスト出演。右京が警察官を拝命して初めて関わった22年前の未解決強盗殺人事件を再捜査するが、彼の正義を最後まで貫いた結果、関係者を含めて&bold(){&font(#ff0000){誰も得をしなかった}}という希有な展開。 結果的に新たな悲劇まで生まれてしまう、やるせない結末。 ・第2話「スウィートホーム」 古沢脚本。国分佐智子氏や夏生ゆうな氏がゲスト出演。 訳あり物件な屋敷を買ってしまった薫。それをイジるトリオ・ザ・捜一の即興ソングは腹筋崩壊もので必聴。 ・第3話「犯人はスズキ」 岩下脚本。高橋長英氏や斉藤暁氏がゲスト出演。 柳瀬町を舞台に区役所職員殺害事件の犯人とされる「スズキ」なる人物を追う特命係だったが、真相に辿りついた時、哀しみだけが残った。 ・第4話「せんみつ」 戸田山脚本。平田満氏がゲスト出演。 三浦からの依頼で、特命係が嘘つきな空き巣常習犯と対峙しつつ、都内で発生した宝石強盗事件との関係に迫る。 ・第5話「悪魔への復讐殺人」 櫻井脚本。奥貫薫氏や高橋一生氏、石橋けい氏や竹本純平氏がゲスト出演。 S.4-4~5の続編&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){……だが、特命係が前回に取った行動が結果的に別の殺人犯を作ってしまった}}。 ・第6話「[[ツキナシ>ツキナシ(相棒)]]」 西村康昭脚本。川崎麻世氏や渋谷琴乃氏がゲスト出演。 一級建築士殺害事件の容疑者として直木賞作家が浮上するが、その裏には驚くべき真相が隠されていた。最後まで見ればタイトルに隠された二重の意味が分かる。 今回から約5年前に放送された『コナン』においても、今回のように[[ある犯罪から逃れるために別の罪で逮捕されようとした人物がいる>世にも奇妙な天罰(名探偵コナン)]]。 ・第7話「剣聖」 古沢脚本。原千晶氏や誠直也氏、亀石征一郎氏や藤間宇宙氏がゲスト出演。 被害者は伊丹が尊敬する剣道の師。よかれと思った行動が裏目に出てしまったがゆえの悲劇。 何事も適性は重要である。 ・第8話「[[赤いリボンと刑事>赤いリボンと刑事(相棒)]]」 岩下脚本。木場勝己氏や馬渕英俚可氏がゲスト出演。 相棒が薫ではなかったら違った結末になっていたかもしれない。 ・第9話「殺人ワインセラー」 櫻井脚本。佐野史郎氏や柄沢次郎氏、秋山エリサ氏がゲスト出演。 いじめ問題にも見られる、「[[バカにした方は忘れても、された方は決して忘れない>名探偵コナン 14番目の標的]]」話。 ・第10話「名探偵登場」 戸田山脚本。[[高橋克実]]氏がゲスト出演。 ハードボイルドとバーボンを愛する探偵・マーロウ矢木が登場。冴えない中年オヤジに見えて、実は有能かつ人情に厚い人物だった。 全体的にコミカルだが、ラストはほろ苦い。 ・第11話「バベルの塔~史上最悪のカウントダウン!」 古沢脚本。元日スペシャル。大塚寧々氏や遠藤章造氏、寺島進氏や冨家規政氏、中村綾氏や梨本謙次郎氏、佐々木麻緒氏やS.16-最終話以降に衣笠役でレギュラー入りすることになる杉本哲太氏がゲスト出演。 息つく間のないサスペンスで、視聴者アンケートでも毎回上位に食い込む人気作。2007年の日本民間放送連盟賞ドラマ優秀賞を受賞するなど、テレビ業界においても高い評価を得ている。 ちなみに、今回元夫婦役だった遠藤氏と大塚氏は、後の2013年に放送されたフジテレビ系のドラマ『ラスト・シンデレラ』では夫婦役を演じていたりする。 ・第12話「狼の行方」 吉本聡子脚本(脚本協力は岩下氏)。菊池麻衣子氏やブレイク前の木下ほうか氏がゲスト出演。 2人の子どもが吐いた嘘は、1人の男を犯罪と心中へ追い込んでしまった。 ・第13話「Wの悲喜劇」 輿水脚本。野村宏伸氏がゲスト出演。 亀山家の隣に住む大丸家の妻が変死体となって発見。よりにもよって&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){便器にはまって死ぬなんて……}}。 パラパラ漫画も描ける右京。伝説の&bold(){[[美和子スペシャル]]}が初登場。 ・第14話「貢ぐ女」 岩下脚本。藤田朋子氏がゲスト出演。 クライマックスは必見。「恋は盲目」とはよく言ったものである。 ・第15話「裏切者」 櫻井脚本。金田明夫氏がゲスト出演。 所轄署の不正を軸に、右京と薫の絆が描かれるエピソード。 ・第16話「イエスタデイ」 古沢脚本。林泰文氏や遊井亮子氏がゲスト出演。 ある男性がなくした1日の記憶を特命係が取り戻していく異色の回。 ・第17話「女王の宮殿」 戸田山脚本。大空眞弓氏がゲスト出演。 S.4-1にも登場したロックハート城で撮影が行われている。 ・第18話「[[殺人の資格>殺人の資格(相棒)]]」 戸田山脚本。相島一之氏がゲスト出演。 マスコミによる報道被害に人生を狂わされた人々の悲劇と復讐劇。 ・第19話「殺人シネマ」 岩下脚本。星由里子氏がゲスト出演。 この回は右京・薫・美和子・たまきの4人のキャスト表示が特別なものになっている。 ・第20話「サザンカの咲く頃」 櫻井脚本。シーズン最終話。横山めぐみ氏や夏八木勲氏がゲスト出演。 あるプログラマーの転落死から始まり、警察庁・防衛省・公安調査庁・外務省といった各省庁が絡む国家規模の陰謀を描いた、政治色が非常に強いサスペンス。 本作では珍しい警察庁長官も登場する。 犯人追及のシーンは約12分間ワンカット長回しで撮影されており、本作史上最長になっている。 } #openclose(show=season6){ 放送期間は2007年10月24日~2008年3月19日、全19話。平均視聴率は15.9%。 オープニングテーマはS.5のバージョンがそのまま引き継がれている。 裁判を扱った回が多い。 ・第1話「複眼の法廷」 櫻井脚本。石橋凌氏や田中美奈子氏、宝生舞氏や堀部圭亮氏がゲスト出演。 珍しく裁判を題材にした回で、特命係が始まったばかりの[[裁判員制度]]にメスを入れる。 ・第2話「陣川警部補の災難」 戸田山脚本。高橋ひとみ氏がゲスト出演。 陣川が再登場し、今回より実質的な準レギュラー入りを果たした。 ・第3話「&ruby(かまきり){蟷螂}たちの幸福」 戸田山脚本。荻野目慶子氏や江藤潤氏がゲスト出演。 女流作家を巡る殺害事件の真相は、蟷螂のように壮絶な愛の物語だった。 荻野目氏の怪演が光る重厚な名作。 ・第4話「TAXI」 西村脚本。遠山景織子氏がゲスト出演。 薫がS.2で運転免許試験場に配属されていた設定が活用される数少ない回。 ・第5話「裸婦は語る」 吉本昌弘脚本。長谷川初範氏がゲスト出演。 天才画家のアトリエで絵のモデルが転落死。供述を二転三転させる画家の男は何を隠しているのか……。 ・第6話「この胸の高鳴りを」 入江脚本。前田亜季氏や松田悟志氏がゲスト出演。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){タイトルはダブルミーニングになっている。}} ・第7話「空中の楼閣」 岩下脚本。村上淳氏や菊池健一郎氏がゲスト出演。 美和子の著書を担当していた編集者が殺害され、特命係が捜査に乗り出す。 ・第8話「正義の翼」 岩下脚本。大滝秀治氏や小西美帆氏がゲスト出演。 平成が20年目に入ろうとしていてもなお、人々の中では激動の昭和時代が生き続けていた。 この終盤のノリは令和に見ると昭和生まれでも中々ピンと来ないだろうが、それでも大滝氏の演技に引き込まれるはず。 対照的に序盤はド派手で、脅迫電話の通りの爆発事件が本当に起きてしまう。そして、切り札として予想外の「翼」を持っていた犯人の思惑とは……。 ・第9話「編集された殺人」 櫻井脚本。松下由樹氏や石橋保氏がゲスト出演。 初期の準レギュラー弁護士・武藤かおりが久々の登場。取り調べ可視化制度と冤罪について描く社会派回。 今期屈指の鬱エンドだが、米沢のカラオケの方が印象に残っている人も多いかも。 ・第10話「寝台特急カシオペア殺人事件!」 戸田山脚本。開局50周年記念として制作された元日スペシャル。長山藍子氏や永島敏行氏、柏原収史氏や平岩紙氏、映美くらら氏やS.15から青木年男役でレギュラー入りすることになる浅利陽介氏がゲスト出演。 ひょんなことから、札幌まで証人を護送することになった特命係。道中での寝台特急カシオペア(([[北海道新幹線]]の開業に伴い2016年3月末で廃止。劇中で言うとS.14の放映時までギリギリ走っていた。鉄道ファンには予約の取り辛さでも有名だったほどの人気列車であり、劇中でも偶然が重なってこれが護送手段になったと説明されている。))での殺人事件に始まり、北海道に到着した後もさらに事件は続いていく。 序盤から多数の伏線が張り巡らされている。美和子スペシャルがお雑煮バージョンになってまさかの再登場。 タイトルは改題を経ており、元々は「シシュポスの岩」だった。&font(l){確かに終盤はカシオペアが出ないが。}これはギリシャ神話のエピソードであり、劇中でも印象深く語られている。 ・第11話「ついている女」 ・第12話「狙われた女」 古沢脚本。鈴木杏樹氏やMEGUMI氏がゲスト出演。 幸子再び。ある女服役囚の脱獄に巻き込まれてしまうが、犯人の正体やそのターゲットが二転三転するという、息もつかせぬ展開。 一線を越えない努力が実を結ぶ。 ・第13話「マリリンを探せ」 岩下脚本。河相我聞氏や北村栄基氏、はるな愛氏がゲスト出演。 ヒロコの愛犬マリリンの捜索を依頼された特命係だったが……。 ・第14話「琥珀色の殺人」 櫻井脚本。蟹江敬三氏や田山涼成氏がゲスト出演。 S.1-7の続編。 ・第15話「20世紀からの復讐」 吉本脚本(脚本協力は高橋亨氏)。近藤公園氏がゲスト出演。 薫が[[コンビニ]]で人質になってしまう。 ・第16話「悪女の証明」 戸田山脚本。堀内正美氏や山口香緒里氏がゲスト出演。 雛子再び。外務省の外交費不正流用問題をめぐる殺人事件が発生。 ・第17話「新・Wの悲喜劇」 輿水脚本。中島知子(当時オセロ)氏や徳井優氏がゲスト出演。 S.5-13に続き、再び亀山夫妻のマンションで事件が起こる。 ミステリーの禁じ手、まさかの&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){夢オチ}}展開だが、それだからこそ成立する人情話になっている。 ・第18話「白い声」 岩下脚本。山本亘氏や上杉祥三氏がゲスト出演。 死んだ娘の死の真相を暴くために、父親が選んだ手段は&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){服毒自殺}}であった。 放送から数年後に発売された『コナン』でも、今回と同様に[[犯人を警察に逮捕させるためにやむなく彼と同じ手段を選んだ人物がいる>三人の第一発見者(名探偵コナン) ]]。 ・第19話「黙示録」 櫻井脚本。シーズン最終話。林隆三氏や石橋凌氏、ベンガル氏がゲスト出演。 25年前の放火強盗殺人事件の死刑囚が獄中で病死。右京は判決が出てから19年間も死刑が執行されなかったことに疑問を感じるが、捜査を進めるうちに冤罪の影が出てきてしまう。 事件から20年以上も経って新たな悲劇を生んでしまい、一部では「本作で最も許せない犯人の1人」とも言われている。 第1話の結末にも一部触れられている。 } #openclose(show=season7){ タイトルロゴは『相棒 season7』。今期からタイトルロゴにナンバリングが付加されていく。 放送期間は2008年10月22日~2009年3月18日、全19話。平均視聴率は18.1%。 W主人公の片割れの薫が、なんと第9話で卒業。そのため、第10話(元日スペシャル)~第18話の期間は、相棒不在または臨時の相棒を迎えて物語が進行する((通称「片棒時代」。元々は薫不在の状態を揶揄する意味合いだったため、使用には注意。))。最終話(第19話)で新相棒・神戸尊が初登場。 オープニング映像は「黒い背景に都会の夜景が写ると、画面を突き破るようにガラスが割れて大量の破片が地面に落ちていく」というもので、歴代では唯一となる「特命係の姿が一切写らないオープニング」になった((相棒が交代する初めてのシーズンということもあり、途中で退場する薫や最終話でようやく登場する尊の姿を、シーズンを通して使用するオープニングで見せるわけには行かなかったためと思われる。))。 今期からオープニングテーマは毎年違ったアレンジになっており、S.6までのアレンジは引き続き次回予告や提供クレジットのBGMとして使用される。 ・第1話「還流~密室の昏迷」 ・第2話「還流~悪意の不在」 輿水脚本。「双頭の悪魔」以来となる初回が2週連続のストーリー。西岡德馬氏や四方堂亘氏がゲスト出演。 薫の高校時代の友人でNGOスタッフの兼高公一が殺害される。その裏には支援物資をめぐる不正が絡んでいて……。 彼が生前活動を行っていたサルウィンへと赴いた薫は、現地の惨状を知り、ある決意を固める……。 薫の卒業につながる重要な回。 ・第3話「沈黙のカナリア」 徳永富彦脚本。眞島秀和氏や大沢健氏、磯部勉氏がゲスト出演。 ワーキングプアを軸にした社会派ストーリー。 ・第4話「隣室の女」 岩下脚本。佐藤仁美氏がゲスト出演。 6年前に失踪した男性の白骨化遺体が発見され、不倫関係にあった女が容疑者として浮上するも、凶器の指紋とは一致せず。 その裏には驚くべき真実が……。 ・第5話「[[顔のない女神>顔のない女神(相棒)]]」 渡辺雄介脚本。清水美沙氏がゲスト出演。 女性ラジオDJ殺害事件が発生。ストーカーにしては内部事情に詳し過ぎる犯行だが、その真相やいかに……。 ・第6話「希望の終盤」 櫻井脚本。蟹江一平氏や水橋研二氏、松田賢二氏がゲスト出演。 将棋のタイトル戦を題材にしている。 ・第7話「最後の砦」 櫻井脚本。金山一彦氏や鈴木浩介氏、ブレイク前のムロツヨシ氏がゲスト出演。 警察と取り調べ監督官の世知辛さ全開、本作特有の鬱鬱しさも全開。 最後の右京と薫の会話が、亀山薫卒業の核心を突いているようにも見えるが……。 ・第8話「レベル4~前篇」 ・第9話「レベル4~後篇・薫最後の事件」 輿水脚本。袴田吉彦氏や大路恵美氏がゲスト出演。 天才的な頭脳を持った細菌学者・小菅が生み出した致死率100%のウイルスによる未曾有の危機に特命係が挑む。 タイトルは「バイオセーフティレベル(BSL)」が由来で、新型コロナウィルスですらレベル2~3。つまり、レベル4のウイルスの恐ろしさは……。 要所で見どころが満載。 ・第10話「ノアの方舟~聖夜の大停電は殺人招待状!」 徳永脚本。テレビ朝日開局50周年記念番組として制作された元日スペシャル。田畑智子氏や中本賢氏、野仲イサオ氏や渡哲也氏がゲスト出演。 珍しく右京が車を運転しているが、ここではまだフィガロではない。 ・第11話「越境捜査」 『米沢守の事件簿』の原作『鑑識・米沢の事件簿~幻の女房~』の作者でもあるハセベバクシンオー脚本。益岡徹氏や五代高之氏、檀臣幸氏がゲスト出演。 今回は相棒不在で進行し、登場するレギュラーキャラクターも右京・組対5課の3人・米沢のみという珍しい回。 都県境で発生した2つの事件に右京が挑む。終盤のどんでん返しは必見。 ・第12話「逃亡者」 櫻井脚本。丸山智己氏や山下徹大氏、英玲奈氏がゲスト出演。 今回も相棒不在で進行。「犯罪人引き渡し条約」を軸にした国際派。 ・第13話「超能力少年」 櫻井脚本。濱田マリ氏がゲスト出演。 予知能力を持つ子どもに興味を抱いた右京が、米沢とともにその謎に迫っていく。 ・第14話「男装の麗人」 佐伯俊道脚本。奥山佳恵氏がゲスト出演。 相棒不在で進行する。[[宝塚>宝塚歌劇団]]のような歌劇団で殺人事件が発生。 扇風機を直接体に長時間当てると危険である。 ・第15話「[[密愛>密愛(相棒)]]」 古沢脚本。岸惠子氏や国広富之氏がゲスト出演。 登場するレギュラーキャラクターが右京だけという異色の回で、今までの話にない作風という印象に残るエピソードとして挙げられる。 S.10~11頃から増加した「幻想的で非日常的なストーリー」の先駆けとも言える、実験的なエピソード。 ・第16話「髪を切られた女」 徳永脚本。秋野太作氏がゲスト出演。芹沢を相棒に迎えて進行する。 高校時代の友人の彼女の葬儀に参列した芹沢は、遺体の髪が切られていたことから「連続髪切り殺人」の被害者だったのではないかと感じ、右京を頼って捜査を開始する。 しかし、その裏に隠されていたのは驚くべき真実だった。 ・第17話「天才たちの最期」 波多野都脚本。黒川芽以氏や西沢利明氏、三浦涼介氏がゲスト出演。 自殺自体は個人の自由だが、それを他人が利用することは許されない。 ・第18話「悪意の行方」 櫻井脚本。原史奈氏や金子さやか氏がゲスト出演。片棒時代ラストは陣川が右京の相棒を務める。 薫卒業の「レベル4」や尊初登場の「特命」を差し置いて今期最高の視聴率を誇り、歴代でもNo.5である。 何者かによって拉致監禁されたものの、ある通行人からの通報で難を逃れた右京と陣川。狙われた理由を調べる2人がたどり着いた先は……。 劇場版の内容についても一部触れられている。 ・第19話「特命」 輿水脚本。シーズン最終話で新相棒・神戸尊が初登場し、特命係に左遷されることになって巻き込まれた最初の事件。 前田吟氏や苅谷俊介氏、伊嵜充則氏や宮本真希氏、やべきょうすけ氏や趙珉和氏がゲスト出演。厳密には尊もここではゲスト扱いであり、実際に公式サイトでもそのように記載されていた。 郊外にある&ruby(まずかり){馬頭刈}村を舞台に、右京と尊の新たな特命係が捜査に挑む。 &bold(){とにかく鬱な結末である。}右京の「[[真実でしか人は救われない>科捜研の女]]」という信念が強調されている回のひとつ。 } #openclose(show=season8){ タイトルロゴは『相棒 season8』。 放送期間は2009年10月14日~2010年3月10日、全19話。平均視聴率は17.7%。 右京と尊の新たなコンビが本格的に動き出す。2人が少しずつ信頼を深めていきつつ、なぜ尊が特命係に配属されたかが最終話で明かされる。相棒の交代という、シリーズ中でも重要な分岐点になったシーズン。 オープニング映像は「椅子に座った右京と尊が動きをシンクロさせながら目線を上げると、地面に落ちた大量のガラスの破片が逆再生のように宙に浮かんで元に戻っていく」というもので、S.7のオープニング映像の続きとも取れる内容になっている。 全体的に社会派エピソードが多い。 ・第1話「カナリアの娘」 輿水脚本。内山理名氏や古谷一行氏がゲスト出演。 本多親子が初登場し、右京と尊の新たなコンビがいよいよ動きだす。 ・第2話「さよなら、バードランド」 太田愛脚本。大浦龍宇一氏や神尾佑氏、増沢望氏や吉見一豊氏がゲスト出演。 ある殺人事件を皮切りに、特命係が奥多摩で出会った大学時代のジャズ仲間4人の微妙な関係に迫っていく。 新相棒の意外な一面を垣間見ることができる。 ・第3話「ミス・グリーンの秘密」 太田脚本。草笛光子氏がゲスト出演。 尊とおばあちゃんの交流話であり、終盤に彼が取る行動で「コイツはこんな面もあるんだな」となる。 前話と並んでシーズンで最初に撮影された回でもあり、演じた及川氏自身も「僕って、良いことをしてもいい役なんだってことが掴めました」と気に入っている回らしい((参考: https://www.joqr.co.jp/article/detail/post_733.php))。 放映当時問題視されつつあった、モラルのないインターネット利用者の引き起こす問題も同時に描かれている。 ・第4話「錯覚の殺人」 戸田山脚本。近藤芳正氏がゲスト出演。 S.4-10にも登場したセントラルテレビで再び殺人事件が発生。錯視を利用したトリックを右京が解き明かす。 ・第5話「背信の徒花」 徳永脚本。中村繁之氏がゲスト出演。 高速道路建設の官製談合を題材にした社会派エピソード。真犯人の豹変ぶりも話題に。 ・第6話「[[フェンスの町で>フェンスの町で(相棒)]]」 福田健一脚本。森田直幸氏や阪本奨悟氏、仁藤優子氏がゲスト出演。 政治的な話題にもやんわりと触れてはいるが、それ以上に「少年たちの青春」を描く。 普段はクールな尊も、右京と同様に子どもには優しいことが判明した。 ・第7話「鶏と牛刀」 櫻井脚本。久遠さやか氏がゲスト出演。 放送当時に社会問題として盛んに報道されていた年金横領問題を扱った社会派エピソード。 口実がなければでっちあげろ。秘密が聞きたかったら変装だ。ぼんじりはとても美味しいです。 ・第8話「消えた乗客」 徳永脚本。中川安奈氏や松田洋治氏、平野貴大氏がゲスト出演。 「&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){劇場的で大掛かりな事件が、個人的で小規模な動機に収束していく}}」エピソードであり、ある意味で砂本チックな回。 尊が「花の里」へ初来店する。 ・第9話「仮釈放」 ハセベバクシンオー脚本。井上和香氏がゲスト出演。 刑務所を仮出所した男が、その翌日に突如失踪。特命係が行方を捜すことになる。 ・第10話「特命係、西へ!」 戸田山脚本。元日スペシャル。檀れい氏や橋爪淳氏、いしのようこ氏がゲスト出演。 [[東京>東京都]]と[[京都>京都府]]を結ぶ殺人事件の真実を求めて、特命係が京都へ向かう。 本作では珍しい京都ロケや、事件と並行して千利休をめぐる歴史ミステリーが展開されており、視聴者を飽きさせない。 なお、元恋人という設定だった及川氏と檀れい氏は、今回での共演が縁でめでたくゴールインしたものの、2018年11月末に離婚を発表した。 ・第11話「願い」 太田脚本。黒田福美氏がゲスト出演。 些細なことから、特命係が時効になった16年前の少女誘拐事件を調べ直してみるが……。 ・第12話「SPY」 櫻井脚本。美木良介氏や小嶺麗奈氏、芦川誠氏がゲスト出演。 タイトル通りスパイが鍵を握っており、警視庁と警察庁の腹の探り合いがテーマになっている。 ・第13話「マジック」 ブラジリィー・アン・山田脚本。中村有志氏やクノ真季子氏がゲスト出演。 マジックもできる杉下右京。 ・第14話「堕ちた偶像」 太田脚本。田中哲司氏や竹本孝之氏、石井萌々果氏がゲスト出演。 民主党の政権交代という当時の世相も反映された、政治色の濃いエピソード。 ・第15話「狙われた刑事」 戸田山脚本。加藤虎ノ介氏や村田充氏がゲスト出演。 伊丹が何者かに命を狙われる事件が発生。警護も兼ねて特命係が捜査を開始すると、その裏には数年前に彼が関わっていたある事件が恐るべき形で関わっていた。 ・第16話「隠されていた顔」 玉田義正脚本(脚本協力は西村氏)。鳥居かほり氏がゲスト出演。 冒頭からいきなり大爆発という、なかなかの展開。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){タイトルでトリックがほぼバレてしまっているのは内緒。}} ・第17話「怪しい隣人」 徳永脚本。小倉一郎氏や金井勇太氏、三宅弘城氏や松本実氏がゲスト出演。 9年前の現金輸送車襲撃事件の証拠品を返却しに行った右京は、帰り際に見かけた隣家を不審に思い、警備会社を名乗って潜入するが……。 主役となる3人組が妙に人情家で、コミカルなかけ合いを見せてくれる。 ・第18話「右京、風邪をひく」 古沢脚本。東風万智子氏や滝直希氏がゲスト出演。 本作としては珍しく、現在と過去を行ったり来たりしている変則的な構成になっており、初見では分かりづらいかもしれない。 映像ソフト版では正確な時間通りに再編集された「時系列再編集版」が映像特典として収録されており、持っている人はこちらも合わせて見てみよう。 右京の風邪の具合に注目すると時系列が分かりやすい。 ・第19話「神の憂鬱」 櫻井脚本。シーズン最終話。水野美紀氏や寺泉憲氏、吉満涼太氏や清水章吾氏がゲスト出演。 かつて産業スパイ事件が起きた企業で発生した転落死事件と、頻発するスピード違反取締カメラ(オービス)誤作動の関連性とは。特命係が巨大組織の暗部に挑む。 そして、尊が特命係に来た本当の理由が明かされる。 } #openclose(show=season9){ タイトルロゴは『相棒 season9』。 放送期間は2010年10月20日~2011年3月9日、全18話。平均視聴率は&bold(){&font(#ff0000){20.4%}}で、シリーズ最高記録である。 劇場版IIがある関係で時系列がややこしく、「予兆」の翌日に公開されていることから混同しやすいが、正しい順番はS.8→「予兆」→劇場版II→「予兆」を除くS.9である。 そのため、シーズンが始まった時点で小野田は殉職しているが、劇中では第16話まで言及されていない。一方で、最終話は彼の死がストーリーに大きく関わっている。 ・第1話「顔のない男」 ・第2話「顔のない男~贖罪」 戸田山脚本。徳重聡氏や津嘉山正種氏、近江谷太朗氏がゲスト出演。「双頭の悪魔」や「還流」と同じく、初回が2週連続の構成になっている。 人気作家の死を追う特命係と、彼らを先回りして暗躍する謎の男。やがてその正体が元SAT小隊長の上遠野隆彦であることがわかり……。 正反対の信念を持つ両者は、東京ドームシティで対峙する。 ・第3話「最後のアトリエ」 太田脚本。米倉斉加年氏がゲスト出演。 夭折した天才画家・有吉比登治と、その友人である榊隆平という老人の絆が描かれるエピソード。 ・第4話「過渡期」 櫻井脚本。螢雪次朗氏や新井康弘氏がゲスト出演。 時効撤廃や証拠品の還付請求を描いた社会派ストーリー。 ・第5話「運命の&ruby(ひと){女性}」 太田脚本。京野ことみ氏がゲスト出演。 陣川が登場し、彼が結婚式の引き出物袋を忘れてきたことから始まるドタバタ騒ぎ。 前述の通り、放送時点で公開前ではあるが、時系列上は劇場版IIよりも後の話であるため、尊と陣川は面識がある。 ・第6話「暴発」 櫻井脚本。尾美としのり氏がゲスト出演。 厚生労働省麻薬取締部、通称「マトリ」をめぐり、右京の正義が暴発。 あらゆる点で容赦のない展開。ストーリーの展開上、歴代でも大木と小松の台詞が特に多いエピソードでもある&font(l){が残念ながら印象に残りづらい}。 相棒が尊ではなかったら違ったラストになっていたかもしれない。 ・第7話「9時から10時まで」 徳永脚本。黄川田将也氏や阿藤快氏がゲスト出演。 ドラマの放送時間と劇中の時間(午後9時から10時)がリンクした異色作で、『ケータイ刑事』のごとく1時間で事件が解決する。 ある殺人事件を追う右京と、たまきとのホラー映画帰りのバーで不審者をマークしていた尊の捜査が次第にリンクしてゆく。 ・第8話「[[ボーダーライン>ボーダーライン(相棒)]]」 櫻井脚本。山本浩司氏がゲスト出演。 就活難易度ベリーハード、一切の救いなし。鬱々しい&bold(){&font(#ff0000,#000000){本作屈指の悲惨エピソード。}} この回が貧困ジャーナリズム大賞2011を取っている。&font(l){それくらいに完成度が高いから余計にタチが悪い。} 近年では&u(){年始最初のレギュラー再放送にこの話が放送されることも多く}、&font(l){正月早々から視聴者を欝な気分にさせている。}たびたびネタにされている。 ・第9話「予兆」 戸田山脚本。宇津井健氏や品川徹氏、志村東吾氏やブレイク前の吉田羊氏がゲスト出演。 翌日に公開された劇場版IIのプロローグで、時系列は2010年7月になっており、S.8~S.9の間の出来事である。そのため、今話の直後に劇場版IIの事件が発生する。 警察庁女性職員殺害事件の背後に見え隠れする、警視庁と警察庁の対立……。やがて警視庁を揺るがす、未曽有の大事件に発展していくことを誰も知る由はなかった。 ・第10話「聖戦」 古沢脚本。元日スペシャル。南果歩氏や白石美帆氏がゲスト出演。 鬱々話・劇場版IIの前日譚ときて放送された元日スペシャルは&bold(){とにかく鬱だった。} 犯人役の怪演も相まって、「正月に放送するなこんなノリ」と言いたくなるほどの暗さに仕上がっている。 &font(l){本作名物でもある「やたら強い一般女性」の走りとも言える。少なくとも特命係は最後まで犯人の掌の上だった。} ・第11話「死に過ぎた男」 ブラジリィー・アン・山田脚本。中原果南氏や河合美智子氏がゲスト出演。 一度死んだ男が殺害されるという奇妙な事件に特命係が挑む。 ・第12話 「招かれざる客」  戸田山脚本。映美くらら氏や広岡由里子氏、山村美智氏がゲスト出演。 劇団特命係。右京と尊による迫真の茶番劇が楽しめる。 ・第13話 「通報者」 太田脚本。溝口琢矢氏がゲスト出演。 子どもにはとても優しい尊。第16話・第17話に次ぐ歴代3位の視聴率を誇る。 ・第14話「右京のスーツ」 徳永脚本。青山倫子氏や小松政夫氏、森次晃嗣氏がゲスト出演。 右京のスーツ好きが描写されており、以降のエピソードでも彼がスーツに注目する場面がしばしば出てくる。 後のシーズンでもたびたび描かれる「右京の持ち物」回の走り。 ・第15話「もがり笛」 櫻井脚本。火野正平氏やつみきみほ氏、遠山俊也氏がゲスト出演。 犯罪者と被害者遺族の関係を軸にした社会派エピソード。 ・第16話 「監察対象 杉下右京」 戸田山脚本。&bold(){本作最高の視聴率23.7%を記録した回。}堀内敬子氏がゲスト出演。 監察と並行して、ある殺人事件の真実が明かされていくという珍しい展開。前述の通り、小野田の死が内容に絡んできている(具体的に死が名言されたのは最終話だが)。 ラストはどんでん返し。 ・第17話「陣川警部補の活躍」 戸田山脚本。中村靖日氏や霧島れいか氏がゲスト出演。 珍しく1シーズンに2回目の陣川回で、視聴率は前話に次ぐ歴代2位の22.7%。 ・第18話「亡霊」 戸田山・輿水脚本。シーズン最終話。古谷一行氏や内山理名氏がゲスト出演。 S.8-1の続編で、本多親子をめぐる政治色の濃いサスペンス。 瀬戸内と雛子は相棒交代から一度も登場していなかったため、尊とは初対面である。 } #openclose(show=season10){ タイトルロゴは『相棒ten』。 放送期間は2011年10月19日~2012年3月21日、全19話。平均視聴率は16.6%。 尊とたまきが卒業し、幸子がレギュラー入り。シーズンを通して鬱々しい回や薫時代に登場した人物が再登場する回が多い。 ・第1話「贖罪」 輿水脚本。戸田菜穂氏や大沢樹生氏がゲスト出演。 15年前に尊の友人が殺害された事件を特命係が再検証するが、その裏には衝撃の真実が隠されていた。 「花の里」が突如閉店してしまう。 ・第2話「逃げ水」 櫻井脚本。渡哲也氏や綿引勝彦氏がゲスト出演。 S.7-10で登場した瀬田宗明が再登場。殺人事件の加害者と被害者遺族の関係を軸にした社会派。 ・第3話「晩夏」 太田脚本。三田佳子氏がゲスト出演。 右京がひょんなことから知り合った女流歌人の過去に迫る人情もの。すれ違いが悲劇を生む、やるせない結末。 ・第4話「ライフライン」 櫻井脚本。林和義氏や青山勝氏、立原麻衣氏や中沢青六氏がゲスト出演。 「ボーダーライン」に並んで「ライン2部作」とも称される回で、実際にラストの演出も似せてある。 あちら並みに救いのない残酷なエピソードだが、まだ捕物シーンが決まったりする分見やすいかも。 ・第5話「消えた女」 戸田山脚本。本仮屋ユイカ氏がゲスト出演。 劇場版の後日談的エピソードで、森村やよいが登場。 ・第6話「ラスト・ソング」 戸田山脚本。研ナオコ氏がゲスト出演。 ふとしたことから尊が第一発見者になった転落死事件。伝説のジャズシンガーに疑いの目が向けられるが、彼女は歯に衣着せぬ言動で特命係を振り回していく。 ・第7話「すみれ色の研究」 徳永脚本。柴俊夫氏がゲスト出演。 劇団特命係再び。 ・第8話「フォーカス」 守口悠介脚本。佐川満男氏や比留間由哲氏がゲスト出演。 傍観者効果は決して他人事ではない。 ・第9話「あすなろの唄」 櫻井脚本。利重剛氏がゲスト出演。 城南大学の教授が遺体で発見される。ブラック同然の激務を右京にたたき込まれる米沢に、捜査を止められながらも独自に調べるトリオ・ザ・捜一(ここのやりとりはトリオ好き必見)と各自の動きがある中、硫黄水素で殺されかけた特命係の命を救ったのは装備・防毒マスクだった。 ・第10話「ピエロ」 太田脚本。荷物を返しに行った尊と子どもたちが誘拐される元日スペシャル。 ブレイク前の斎藤工氏や遠藤雄弥氏、大橋のぞみ氏や目黒祐樹氏、吉田栄作氏がゲスト出演。 S.5-11と並び称されるノンストップサスペンスで、スリル溢れる展開や熱いキャラクター描写が光る。 お笑いコンビ・ザブングルの2人も特別出演している。 ・第11話「名探偵再登場」 戸田山脚本。高橋克実氏や松岡由美氏、矢柴俊博氏や陽月華氏がゲスト出演。 S.5-10で特命係と関わった中年オヤジ探偵・マーロウ矢木が再登場。 鬱々しいストーリーが続く今期では珍しく、割とコミカルな回。 尊の芹沢に対する「怪我治ったんだ」は直前の元日スペシャルを参照。ストーリーそのものに関連はない。 ・第12話「つきすぎている女」 古沢脚本。鈴木杏樹氏がゲスト出演。 出所した幸子が巻き起こすドタバタ騒ぎで、前話と同じくコミカルな内容になっている。なぜか急に頭が冴えなくなった右京にこの謎が解けるのか。 そして幸子がまさかのレギュラー化。放送終了後にYahoo!ニュースのトップで伝えられた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){結局、右京のスランプは「花の里」がなくなったのが原因であり、こちらに関しては尊と角田の方が先に気付いている。}} ・第13話「藍よりも青し」 [[高橋悠也]]脚本。梶芽衣子氏がゲスト出演。 組対5課の手伝いに参加した特命係は、鑑識に残された些細なことから見つけ出した産廃工場社長の自殺の謎に迫る。 ・第14話「悪友」 徳永脚本。金井勇太氏や三宅弘城氏、松本実氏や甲斐まり恵氏がゲスト出演。 S.8-17の続編で、鬱々しい今期では貴重なコミカル回。尊のキレッキレの毒舌を堪能したい方にはオススメ。 ・第15話「アンテナ」 櫻井脚本。萩原聖人氏がゲスト出演。 米沢が主役のスピンオフ『米沢守の事件簿』に登場した千束署の熱血刑事・相原誠が登場し、特命係やトリオ・ザ・捜一を振り回す。 人の言葉の中にある「主観」を高感度で受信してしまった人たちの物語。 ・第16話「宣誓」 戸田山脚本。石垣佑磨氏がゲスト出演。 S.7-7と同様に、行き過ぎた正義感が無実の人を犯人に仕立て上げた挙句死に至らしめてしまい、さらに悲劇を引き起こしてしまう。 尊の後悔にもスポットがあてられており、ラストは彼の今後を暗示しているようにも見えるが……。 前述の通り、三池崇史監督が暴力団の幹部の役柄で特別出演している。 ・第17話「陣川、父親になる」 守口脚本。松本莉緒氏がゲスト出演。 陣川が登場し、ドキュメンタリー番組の密着取材を受ける妊婦の父親になると宣言するが……。 ・第18話「守るべきもの」 ハセベバクシンオー脚本。今井朋彦氏や合田雅吏氏、手塚とおる氏がゲスト出演。 前週には陣川役の原田龍二氏が出演したため、1週違いだが[[水戸黄門]]の5代目助さん・格さんが揃ったことになる。 ・第19話「罪と罰」 輿水脚本。シーズン最終話。真野響子氏や浅見れいな氏、窪塚俊介氏や國村隼氏がゲスト出演。 &bold(){日本でクローン人間が誕生する}という衝撃的展開。その裏では例によって雛子と、劇場版IIで特命係に煮え湯を飲まされた元副総監・長谷川宗男が関わっていた。 } #openclose(show=season11){ タイトルロゴは『相棒Eleven』。 放送期間は2012年10月10日~2013年3月20日、全19話。平均視聴率は17.3%。 3代目相棒・甲斐享と峯秋親子、悦子が初登場。 ・第1話「聖域」 輿水脚本。賀来千香子氏や山田純大氏、団時朗氏や小林正寛氏がゲスト出演。3代目相棒・甲斐享が初登場し、香港を舞台に進行する。 『X DAY』のロンドン帰りに香港に立ち寄った右京は、果たして享とどんな出会いをするのか。 ・第2話「オークション」 戸田山脚本。岡まゆみ氏や藤木孝氏がゲスト出演。 古巣である中根署からの依頼を受けた享はジャズピアニストの腕をかたどった石膏を探すことになったが、それに絡む殺人事件にも巻き込まれてしまう。 ・第3話「ゴールデンボーイ」 太田脚本。山本龍二氏や趙珉和氏、若杉宏二氏や渡嘉敷勝男氏がゲスト出演。 特命係がボクシングに絡む事件に挑む。ミスをしたら謝りましょう。 ・第4話「バーター」 櫻井脚本。石丸謙二郎氏や中丸新将氏、菊池均也氏がゲスト出演。 悦子の勤務先であるNIA職員が遺体で発見され、事件はやがて警察をも巻き込む一大スキャンダルに……。 ・第5話「ID」 ハセベバクシンオー脚本(脚本協力は守口氏)。加藤晴彦氏がゲスト出演。 「ボーダーライン」に似ているが、あちらのような鬱々しさはなく、むしろ軽いテンポで進み、決して後味の悪さも感じさせない結末になっている。 最後は国民総背番号制に対する幸子の「(刑務所のように)番号をつけられるのはもうこりごりですから」というセリフがオチとなるが、&bold(){結局本当にマイナンバー制度が始まってしまった。} ・第6話「交番巡査・甲斐享」 徳永脚本。賀集利樹氏や小林高鹿(現・小林タカ鹿)氏、石原あつ美氏がゲスト出演。 享が交番勤務の時に関わったストーカー被害者が殺害される事件が発生。しかし、その真実は彼にとって最も受け入れがたいものであった。 ・第7話「幽霊屋敷」 櫻井脚本。松尾貴史氏がゲスト出演。 内村からの命令で廃墟のような家を訪れた特命係が白骨死体を発見したことから始まる、季節外れのホラー回。 全体的にコミカル。 ・第8話「棋風」 金井寛脚本。高野志穂氏や竹財輝之助氏、園田裕久氏や木下政治氏がゲスト出演。 人間と人工知能(AI)の将棋対決を軸に、AI研究者殺害事件の真相に迫る。 当時話題になっていた将棋電王戦をモチーフとした時事ネタ回。 ・第9話「森の中」 ・第10話「猛き祈り」 輿水脚本。2週に渡るエピソード。柴本幸氏や山本學氏、ウダタカキ氏や梶原ひかり氏、相葉裕樹氏や末広透氏、尾高杏奈氏がゲスト出演。 ある山中で、記憶喪失に陥るほどの激しい暴行を受けた享が保護される。彼の足取りを検証した右京とトリオ・ザ・捜一がたどり着いたのは、深い森の中で共同生活を送っている謎の集団だった。 集団の驚くべき素性と、享が唯一覚えていた「鈴の音」を手がかりに右京たちが事件の解明に奔走する。 ・第11話「アリス」 太田脚本。テレビ朝日開局55周年記念として制作された元日スペシャル。S.5以来6年ぶりに元日スペシャルが第11話になった。 波瑠氏や滝藤賢一氏、藤田弓子氏や中原丈雄氏、酒井和歌子氏や広瀬アリス氏などがゲスト出演。 57年前に焼失したホテルと失踪した元子爵令嬢の謎に迫る、時空を超えた壮大な物語。戦後の動乱期や警察庁発足の裏にある闇についても描かれる。 ・第12話「オフレコ」 戸田山脚本。ともさかりえ氏がゲスト出演。 全体的にコメディ。 ・第13話「幸福な王子」 徳永脚本。足立梨花氏や山下規介氏がゲスト出演。 享と陣川が初共演を果たし、消えた彫刻の謎に挑む。 ・第14話「バレンタイン計画」 酒井雅秋脚本。ブレイク前の北村匠海氏や葵わかな氏がゲスト出演。 近年は文字通り2月14日に再放送されることが多い。 ・第15話「同窓会」 金井脚本。近藤正臣氏や志垣太郎氏がゲスト出演。 勘違いから、廃校になった中学の同窓会に右京が参加することになるが……。 誰もが何らかの秘密を抱えて生きている。 ・第16話「シンデレラの靴」 ハセベバクシンオー脚本(脚本協力は柿木健二朗氏)。中山忍氏がゲスト出演。 企業の陸上部を題材にしたストーリー。 ・第17話「ビリー」 櫻井脚本。田中圭氏や関めぐみ氏がゲスト出演。 伊丹が主役のスピンオフ『X DAY』で登場するサイバー犯罪対策課専門捜査官・岩月彬が公開前に先駆けて登場。今回は特命係も交えて、FacebookそっくりなSNS「Facegood」にまつわる事件に挑む。 両方を見ることでさまざまなことが分かる。捜査の障害は「女心分からないブラザーズ」だった。 ・第18話「[[BIRTHDAY>BIRTHDAY(相棒)]]」 古沢脚本。加藤清史郎氏や左時枝氏、榊英雄氏がゲスト出演。 ひょんなことから特命係が見つけた不審な空き家。行方不明の少年と老婆の行方を探る。謎のマズいクリームの正体とは。現在と過去の描写を行きつ戻りつしながら、事件の全体像を少しずつ明かしていく。 本作の世界に&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){幽霊が実在し、しかもそれが比較的誰でも見える存在である}}ことが明かされた((なお、本作の世界に幽霊が実在すること自体はS.3で既に言及されている。))。 映像ソフト版では未公開シーンを追加した「ディレクターズカット版」が映像特典として収録されている。 ・第19話「酒壺の蛇」 櫻井脚本。シーズン最終話。星野真里氏や田中圭氏がゲスト出演。 角田と同期である組対2課長の死と炭素繊維の密輸出をめぐる、政治色の濃い陰謀サスペンス。 トリオ・ザ・捜一、組対トリオ、大河内、再登場の岩月、さらには尊(名前のみ登場)の協力を得て総力戦で事件解決に挑むが、思わぬ状況に事件は二転三転。 } #openclose(show=season12){ タイトルロゴは『相棒12』。 放送期間は2013年10月16日~2014年3月19日、全19話。平均視聴率は17.4%。 長らくストーリーを盛り上げてきたトリオ・ザ・捜一が解散してしまい、伊丹と芹沢のコンビになってしまう。 さらに、輿水氏と並んで本作の生みの親の一人・松本基弘プロデューサーをはじめ、櫻井氏や戸田山氏といったシリーズを長年支えてきたメイン脚本家の多くが今期を最後に製作から離れており、ターニングポイントの1つともなった。 ・第1話「ビリーバー」 輿水脚本。石田卓也氏や忍成修吾氏がゲスト出演。 「ネットde真実」な方々を徹底的に皮肉ったようなストーリーが展開されつつ、前期ではひたすらブラックだった峯秋の意外な一面が明らかになる一方、理不尽な出来事によって三浦が刑事を引退してしまうことに……。 ・第2話「殺人の定理」 金井脚本。岡田義徳氏や山本剛史氏がゲスト出演。 数学を題材にしたストーリーで、ある意味右京以上の天才が登場。&font(l){むしろ現実にこんな天才がいたら困る。} ・第3話「原因菌」 櫻井脚本。赤塚真人氏た朝倉伸二氏、於保佐代子氏や吉永秀平氏がゲスト出演。 放送当時問題になっていた、ホテル業界で行われていた食品偽装を扱った時事ネタ回。見ていくうちに他人事とは思えなくなってきた人も多かったはず。 ・第4話「別れのダンス」 戸田山脚本。大澄賢也氏や陽月華氏がゲスト出演。 悦子が出場するボールルームダンスの応援にやってきた特命係と幸子。終了後、大会のスポンサー社員の他殺体が発見され、右京と享はその第一発見者になってしまう。 ・第5話「エントリーシート」 金井脚本。岩田さゆり氏や斉藤祥太氏、近野成美氏がゲスト出演。 就職活動中の女子大生が殺害される事件が発生。特命係が就職活動の裏にある闇に切り込んでいく。 ・第6話「右京の腕時計」 徳永脚本。篠田三郎氏井上純一氏、辰巳蒼生氏がゲスト出演。 右京の腕時計を診てもらっている公認高級時計師(CMW)に関わる殺人事件が発生。&font(l){[[ピタゴラスイッチ]]とか言わない。} ・第7話「目撃証言」 飯田武脚本((櫻井武晴氏の別名義であり、『米沢守の事件簿』も担当している。))。小松和重氏や井田國彦氏、菅野莉央氏やヨシダ朝氏がゲスト出演。 カフェ店員殺害事件を特命係が捜査するが、その背景には誰しもが一度はやってしまいがちなある出来心が関係していた。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){特にSNSをやっている方は要注意かもしれない。}} ・第8話「最後の淑女」 戸田山脚本。岩下志麻氏がゲスト出演。 テレビ朝日開局55周年記念プロジェクトである『55時間テレビ』の一環として放送された。 ・第9話「かもめが死んだ日」 輿水脚本。三津谷葉子氏や高橋洋氏、外波山文明氏や入来茉里氏がゲスト出演。 享の幼なじみである芸者が殺害される事件が発生。 ・第10話「ボマー~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」 太田脚本。開局55周年記念として制作された元日スペシャル。宇崎竜童氏や中村橋之助(現・八代目中村芝翫)氏、佐藤藍子氏や大和田健介氏がゲスト出演。視聴率は19.6%と元日スペシャルでは最も高い。 国際テロリストの陰謀により、享がテロ組織の一員疑惑および、内村狙撃事件の実行犯として指名手配されてしまう。 S.11-9~10と同じく享が事件に巻き込まれる形になるため、特命係は最後まで別行動にならざるを得ないという珍しい展開。貴重な享の運転シーンもある。 ・第11話「デイドリーム」 高橋脚本。雛形あきこ氏がゲスト出演。 アクシデントにより享が入院してしまったため、S.7-18のように陣川が相棒を務めており、享の協力を得ながら捜査していく。2話連続で右京と享が別行動を余儀なくされる珍しい展開。 ・第12話「崖っぷちの女」 金井脚本。小島聖氏がゲスト出演。 ラストを除き、今回も特命係が別行動で真相に迫る流れになっている。 ・第13話「右京さんの友達」 真野勝成脚本。尾美としのり氏がゲスト出演。 右京に似た雰囲気を持ち、紅茶とミステリーを好む毒島という男性との交流を描きつつ、隣室の女性が殺害された事件を再捜査する。 「和製シャーロック・ホームズ」の設定や「10人目の助手であるKくん」「前任者が9名いた」という発言など、往年の視聴者必見のワードが散りばめられている。 ・第14話「顔」 真部脚本。有沢比呂子氏や遠山俊也氏、芦川よしみ氏がゲスト出演。 整形をテーマにした話。一見全く無関係なはずの2人の男性の死と失踪が、ひょんなことから交差する。ラストは今期でもトップクラスで救いがない。 ・第15話「見知らぬ共犯者」 山本むつみ脚本。中山仁氏や[[天野浩成]]氏、中山絵梨奈氏がゲスト出演。 鏡に映っていたもの、それは……。自分をバッシングした者への憎悪が、悲劇の連鎖の始まりだった。何の根拠もなしに言われのない批判を受けた者たちによる復讐。 ・第16話「聞きすぎた男」 戸田山脚本。山崎樹範氏や嘉門洋子氏、俊藤光利氏がゲスト出演。 高性能の盗聴探知機を開発した男が思わず聞いてしまったもの、それは……。 ・第17話「ヒーロー」 金井脚本。岸田タツヤ氏や松尾れい子氏がゲスト出演。 火災から女性弁護士を助けたヒーローの正体、そしてIT企業の部長が殺害された事件の意外なつながりとは。 ・第18話「待ちぼうけ」 古沢脚本。太川陽介氏や芳本美代子氏がゲスト出演。 芹沢から特命係が揃って休暇中だと聞いた伊丹は、邪魔されなくていいとほくそ笑み、初老の男性殺害事件で珍しく冴えた推理を展開していくが、その先に彼を待ち受けていたものとは……。 ・第19話「プロテクト」 輿水脚本。シーズン最終話。中村嘉葎雄氏や阿部進之介氏がゲスト出演。 ある闇社会の大物の死刑が確定し、出所したばかりの長男が父親を裏切った弟に復讐すべく、刑務官の家族を人質にその自宅へ籠城する。 事件の背後には、今は亡きあの小野田公顕が絡んでいたことにより、右京と享は否応なしに事件の解決に奔走する羽目になってしまった。 } #openclose(show=season13){ タイトルロゴは『相棒 season13』。 放送期間は2014年10月15日~2015年3月18日、全19話。平均視聴率は 17.4%。 享と悦子が卒業し、美彌子が初登場。彼女の登場を機に、伏線を大量にバラ撒いては後のシーズンで徐々に回収していくという、今まであまり見られなかったマクロなストーリー展開が目立つようになった。 ・第1話「ファントム・アサシン」 輿水脚本。美彌子が初登場。羽場裕一氏がゲスト出演。 ロシア人スパイ、ヤロポロク・アレンスキーの亡命に端を発した連続殺人事件。右京の携帯がスマートフォンになった。 ・第2話「14歳」 森下直脚本。[[濱田龍臣]]氏や山崎銀之丞氏がゲスト出演。 文部科学省の官僚が殺人容疑で逮捕された事件に際し、特命係は14歳の謎の少年に「僕のゲームのプレイヤーに認定します」と宣戦布告され……。 ・第3話「許されざる者」 金井脚本。片岡礼子氏がゲスト出演。 強盗殺人の容疑で逮捕されながらも、敏腕女性弁護士によって冤罪が証明された男が殺害される。 遺体が発見されたのが密室の中だったため、興味を持った右京は享を伴い捜査を開始。 その結果明らかになったのは、あまりにも浅ましく、あまりにもおぞましい人間の業であった。 ・第4話「第三の女」 徳永脚本。原田夏希氏がゲスト出演。 退職した三浦の後任として、人事交流で警察庁刑事局に出向していた浅木真彩という若き女性警部補が捜査一課に配属され、1年ぶりの3人体制で捜査に挑むが……。 ・第5話「最期の告白」 金井脚本。山口良一氏やダンカン氏、佐藤正宏氏や佐藤めぐみ氏がゲスト出演。 S.7-最終話と同様に右京の「真実から目を背けてはならない」信念が言及されている。 ・第6話「ママ友」 金井脚本(原案は藤井清美氏)。岩崎ひろみ氏がゲスト出演。 ママ友をめぐる不協和音と勘違いが事件を引き起こす。 ・第7話「死命」 真野脚本。米村亮太朗氏や清水くるみ氏、阿知波悟美氏や藤井美加子氏がゲスト出演。 悦子からの依頼で保険金殺人の容疑者を単独捜査していた享だったが、目の前で自殺されてしまったことにショックを受け、辞職を決意する。その時右京は……。 ・第8話「幸運の行方」 太田脚本。矢崎滋氏や斉木しげる氏がゲスト出演。 腐れ縁の中年男性2人が巻き起こすコメディタッチな話。 ・第9話「サイドストーリー」 池上純哉脚本。丘みつ子氏や吉満寛人氏がゲスト出演。 料理も得意な杉下右京。 ・第10話「ストレイシープ」 真野脚本。元日スペシャル。2014年の干支もヒツジである。 平岳大氏や石田ひかり氏、川上麻衣子氏や三浦浩一氏、寺島進氏がゲスト出演。 経済犯罪から誘拐まで何でもござれの犯罪コンサルタント・飛城雄一の組織が連続して事件を引き起こす。そのターゲットには、なんと「&bold(){一人の女性を自殺に追いやった罪}」を償わせるという名目で杉下右京が含まれていて……。 「バベルの塔」で抜群のインパクトを残した日野警部補が満を持して再登場。 ・第11話「米沢守、最後の挨拶」 徳永脚本。池田政典氏や大高洋夫氏、奥田恵梨華氏や藤井宏之氏がゲスト出演。 珍しく米沢がメインの回であり、彼の鑑識という職業に対する誇りと責任感が窺える。彼が主役のスピンオフ『米沢守の事件簿』にも登場した早乙女美穂が登場。 ・第12話「学び舎」 藤井脚本。早織氏や長谷川公彦氏、内田滋氏や中林大樹氏がゲスト出演。 大学を舞台にしたストーリー。 ・第13話「人生最良の日」 山本脚本。床嶋佳子氏や湯江健幸氏がゲスト出演。 ひょんなことから札束を持った女性を見つけた特命係。ホテルで見つかった若い女性の変死体との関連性は……。 コメディ寄りの回。S.6-17では素人にあっさりやられた角田が覚醒する。 ・第14話「アザミ」 太田脚本。笹本玲奈氏がゲスト出演。 老舗ヴァイオリン工房の社長夫人殺害事件と、15年前に右京が知り合った双子の少女の身に起きた痛ましい事件の関係とは……。 ・第15話「鮎川教授最後の授業」 ・第16話「鮎川教授最後の授業・解決篇」 輿水脚本。2週に渡る前後編のストーリー。清水紘治氏や石野真子氏がゲスト出演。 大学時代の恩師・鮎川の古希を祝う会合に参加した右京と美彌子だったが、そこで思わぬ事件に巻き込まれてしまう。 ・第17話「妹よ」 金井脚本。水崎綾女氏がゲスト出演。 陣川の妹・美奈子が登場。 ・第18話「苦い水」 真野脚本。伊嵜充則氏や藤重政孝氏がゲスト出演。 享と雛子が初共演し、チョコレートが絡む殺人事件に挑む。雛子の驚くべき過去も明らかに。 ・第19話「ダークナイト」 輿水脚本。シーズン最終話。鈴木裕樹氏や前述した公式プレゼンターの赤ペン瀧川こと瀧川英次氏がゲスト出演。 犯罪者ばかりを狙った連続暴行犯「ダークナイト」の意外な正体、そして……。 &bold(){シリーズ史上、最も衝撃的なストーリー}。あまりに唐突かつ衝撃的な結末に賛否両論、というかほぼ&bold(){&font(#ff0000){炎上}}に近い規模で話題になったエピソード。 地域によっては欠番認定されるなど黒歴史扱いされることもあるが、CSでは問題なく再放送されている。 } #openclose(show=season14){ タイトルロゴは『相棒14』。 放送期間は2015年10月14日~2016年3月16日、全20話。平均視聴率は15.3%。 4代目相棒・冠城亘と日下部が初登場。今期以降、スペシャル回の予告ではゴブリン氏のナレーションが入るようになる。 米沢や雛子などのおなじみのキャラクターたちが一度は表舞台から去ったシーズンになり、PS.1から長らく監督を務めてきた和泉聖治氏も今期をもって卒業した。 一方で、後にレギュラー入りすることになる青木年男が初登場するなど、多くの点でシリーズ全体の節目ともなった。 ・第1話「フランケンシュタインの告白」 輿水脚本。4代目相棒・冠城亘が初登場。大和田獏氏や阿部丈二氏、井之上隆志や小柳心氏、栩原楽人氏がゲスト出演。 西多摩刑務所で受刑者が刑務官を殺害するという前代未聞の大事件が発生。日下部からの指令を受け、法務省から警視庁へ出向中の亘は伊丹たちとともに捜査を開始する。 一方、無期限停職中の杉下右京は、イギリスでスコットランドヤードに捜査協力をしていて……。 ・第2話「或る相棒の死」 真野脚本。宅間孝行氏や関戸将志氏がゲスト出演。 右京は峯秋を通じて大河内から亘が最近埼玉県警を調べていることを聞き、自らも捜査を開始する。 新相棒が本格的コーヒー派であることやあんな奴であること、右京がかき集めた人数が最強装備系だったことが分かり、前期の結末にも触れられている。&font(l){埼玉県警は杉下右京の存在を知らなかったようだ。} 長谷川のように次期警視総監との呼び声高い警視庁副総監・坂之上慶親が登場((時期的に考えて衣笠の前任とされる。ちなみに刑事ドラマなどの作品では「次期警視総監と目される副総監」が多いが、実際には本庁局長や大阪府警本部長よりも下位であるため、直接昇格した例は槇野勇氏と斉藤実氏の2人のみ。))。 ・第3話「死に神」 金井脚本。近藤公園氏や葛山信吾氏がゲスト出演。 右京の行く先々に事件あり。 ・第4話「ファンタスマゴリ」 真野脚本。岩松了氏や織本順吉氏がゲスト出演。 長年恐れていた巨悪は単なる幻影に過ぎなかった話。 ・第5話「2045」 徳永脚本。平岩紙氏がゲスト出演。 今回飛び出した、「&bold(){最悪の場合、遺体が1つ増えることになります}」というセリフは視聴者に妙なインパクトを残したようで、ネットミームと化している。 ・第6話「はつ恋」 谷口純一郎脚本。笛木優子氏がゲスト出演。 ある秘密を抱えたカップルのすれ違いを描く人情派ストーリー。初恋は実らない方が幸せかもしれない。 ・第7話「キモノ綺譚」 輿水脚本。西原亜希氏がゲスト出演。 幸子が手に入れた古着の着物をめぐる物語。勘のいい人は最初の方でトリックが分かるが、オチが捻られている。 名札がなければ自分で作ろう。 ・第8話「最終回の奇跡」 藤井脚本。玄理氏や原田佳奈氏がゲスト出演。 「殺人を予言した」という[[漫画]]の正体に右京と亘が迫る。 ・第9話「秘密の家」 金井脚本。新妻聖子氏や西田健氏がゲスト出演。 謎に包まれた一家の秘密を右京と亘が解き明かす。 ・第10話「英雄~罪深き者たち」 真野脚本。元日スペシャル。「カナリアの娘」「亡霊」から続く本多親子のストーリー。 古谷一行氏や内山理名氏、武田梨奈氏や橋本さとし氏、郭智博氏や西村和彦氏がゲスト出演。 内閣官房長官とともに次期総裁選に挑む官房副長官の雛子と、再びテロに身を投じた稀代の革命戦士・本多、そして久しぶりに再会した三浦からの情報で独自の捜査を始めた右京の3人の信念が交錯する。 ・第11話「共演者」 坂上かつえ脚本。多岐川裕美氏や高橋かおり氏がゲスト出演。 &font(l){不審者に間違えられた}伊丹が大ファンでもある映画の主演女優・桜庭かなえとベテラン女優・桐島万里子の確執、そしてかなえの姉でマネージャー・恵子の死の関係とは。 ・第12話「[[陣川という名の犬>陣川という名の犬(相棒)]]」 真野脚本。黒川智花氏がゲスト出演。 シリーズ恒例である陣川が主役の回だが、今までとは違ってシリアス一辺倒でダークな内容である。 ついに恋が実ると思われた矢先に起こった事件により、闇落ちしてしまう陣川の行く末は……。 ・第13話「伊丹刑事の失職」 金井脚本。大場泰正氏や野仲イサオ氏、丹波貞仁氏がゲスト出演。 1か月前に伊丹が自殺として処理した事件について、「実は殺人だった」という犯人の手記が新聞にスクープされる。彼は新聞社に対して提出を要求するも拒否され、はずみで編集長を突き飛ばしてしまい……。 ・第14話「スポットライト」 宮村優子脚本((同姓同名の声優とは別人の脚本家の方。))。渋谷謙人氏や駒木根隆介氏、小林麻子氏がゲスト出演。 殺人事件を通じ、しがないお笑いコンビの絆が描かれる。 ・第15話「[[警察嫌い>警察嫌い(相棒)]]」 輿水脚本。浅利陽介氏がゲスト出演。S.15からレギュラーになる青木年男が初登場。 殺人事件の唯一の目撃者ながら、なぜか警察を異様に敵視していて通報すらしなかった青木という男から殺人事件の目撃証言を得なければならないという、無理難題にもほどがあるミッションに右京と亘が挑むが……。 ある理由により、S.15以降のストーリーの流れを大きく決定づけた重要な回でもある。 ・第16話「右京の同級生」 山本脚本。竹下景子氏がゲスト出演。 小学生時代に短期間だけ同級生だった女医と再会した右京。一方、亘は日下部からの秘密指令で入国管理局の情報漏洩問題を探っていた中、外国人労働者の派遣業を営む団体の職員が遺体となって発見される。 ・第17話「物理学者と猫」 徳永脚本。正名僕蔵氏や中丸新将氏、大沼百合子氏がゲスト出演。 [[シュレディンガーの猫]]を題材にした、SF要素の強い異色作。S.8-18とは違う意味で変則的な構成になっており、午前9時20分を境に複数の世界線に分岐する。 箱に入れられた猫の生死のように、真実は視聴者が観測を終えて確かめるまで確定しない。 ・第18話「神隠しの山」 ・第19話「神隠しの山の始末」 池上脚本。2週に渡る前後編のストーリー。升毅氏や山口果林氏、岡本あずさ氏や川野直輝氏、下條アトム氏がゲスト出演。 3年ぶりに姿を現した指名手配犯を追い、「神隠しの山」とも呼ばれる夕霧山へと足を踏み込んだ右京だったが、足を踏み外して崖から転落してしまう。 果たして右京の運命は……。そして夕霧山に隠された秘密とは。 ・第20話「ラストケース」 輿水脚本。シーズン最終話。高岡早紀氏や小野寺昭氏、国広富之氏や石橋蓮司氏がゲスト出演。 警察学校の生徒が同僚や教官を射殺するという未曾有のテロ事件が発生。「警察嫌い」の事件における捜査妨害の件で右京ともども謹慎処分になってしまった亘は、「これが僕にとっての最後の事件」と覚悟を決めるが……。 和泉監督がメガホンを握った最後のエピソードでもあり、氏にとっての「ラストケース」でもある。 } #openclose(show=season15){ タイトルロゴは『相棒15』。 放送期間は2016年10月12日~ 2017年3月22日、全18話。平均視聴率は15.2%。亘時代では唯一全20話ではない。 相棒新時代らしく、これまでと毛色の異なるストーリー展開が多い。益子・衣笠と楓子が初登場し、前期で初登場した青木がレギュラーキャラクターとして登場。 また、珍しく今期は陣川が登場しておらず、名前・写真だけの登場になった。 ・第1話「守護神」 輿水脚本。山本陽子氏や小野ゆり子氏がゲスト出演。 美彌子の秘密についても触れられており、S.13で放置されていた伏線が一部回収。新キャラクターも多数登場。 伊丹の携帯がスマホに。二転三転する事件、そして最後は……。 行きたい場所のためなら4代目は上司を脅す。『熱中時代』『GTO』『ごくせん』と教師ドラマの主役がそろい踏み。 ・第2話「チェイン」 真野脚本。音尾琢真氏や大谷みつほ氏がゲスト出演。 特命係に正式配属された亘が、シガーにまつわる最初の事件に挑む。 ・第3話「人生のお会計」 櫻井智也脚本。石井正則氏がゲスト出演。 余命宣告を受けた保険の営業マンが人生の総決算に挑む。 ・第4話「出来心」 山本脚本。風間杜夫氏がゲスト出演。 どこか憎めない美人局詐欺師と特命係の腹の探り合いが中心の、コメディテイスト溢れる話。 平井「いやいや、刑事なら一目で分かる。もっと疑り深い、いや~な目つきしてるからな」 副音声「ビルの前。いや~な目つきの伊丹と芹沢が張り込みをしている」 ・第5話「ブルーピカソ」 坂上脚本。森尾由美氏がゲスト出演。 右京の自宅には無名の画家が描いた風景画が1枚あるらしい。 ・第6話「嘘吐き」 森下脚本。柳生みゆ氏や諏訪太朗氏、小林峻氏や菊地美香氏、土井志央梨氏がゲスト出演。 『[[世にも奇妙な物語]]』風のホラーテイストな物語。果たして誰が真実を言い、誰が嘘を吐いているのか……。 ・第7話「フェイク」 徳永脚本。[[安達祐実]]氏や木下あゆ美氏がゲスト出演。 特命係が別々の視点で小学生誘拐事件の真相に迫るが、思わぬ内通者の発覚により事件は二転三転。 そして、事件の中に隠された悲しき嘘とは……。 ・第8話「100%の女」 金井脚本。鶴田真由氏がゲスト出演。 外務省高官刺殺事件を軸に、特命係が亘の知人である敏腕女性検事と対峙するが、例によって上層部や日下部からの圧力を受けてしまう。 ・第9話「あとぴん~角田課長の告白」 宮村脚本。相島一之氏がゲスト出演。 珍しく角田が主役の回。 ・第10話「帰還」 真野脚本。特命係が臨時閉鎖され、右京と亘が郊外にある&ruby(くろうず){黒水}町の駐在所にピンチヒッターとして飛ばされてしまう元日スペシャル。八嶋智人氏や伊藤歩氏、永島敏行氏や小宮孝泰氏、平岡拓真氏や仁村紗和氏がゲスト出演。 平和そうに見える街の暗部を、S.3以来久々となる「特命係じゃない2人」が鮮やかに解き明かしてゆく。 犯人である、本作史上稀にみる[[サイコパス]]との戦いは必見。 登場人物や舞台の設定上、「これ『[[TRICK>TRICKシリーズ(ドラマ)]]』?」とも一部では言われていた。 ・第11話「アンタッチャブル」 山本脚本。桜田ひより氏がゲスト出演。 会社員殺害事件の唯一の目撃者は衣笠副総監の愛娘。特命係はなかなか口を開こうとしない彼女から証言を聞き出すことができるのか。 ・第12話「臭い飯」 池上脚本。笹野高史氏や入山法子氏がゲスト出演。 大手企業の食品疑惑をめぐる事件に特命係が挑む。受刑者の葛藤と苦しみに焦点を当てた社会派。 ・第13話「声なき者~籠城」 ・第14話「声なき者~突入」 太田脚本。田中偉登氏や菅原大吉氏がゲスト出演。 劇場版IVにつながる2週連続のストーリーで、今から約1年前の2016年2月23日を舞台に((「右京の同級生」~「神隠しの山」の間とされる。))、右京とまだ法務省からの出向中だった亘が遭遇したある籠城事件を描く。 本編では特命係卒業後初めて尊が登場。右京と久しぶりの再会を果たした。 また、米沢が警察学校の教官に異動になった理由も明かされている。 ・第15話「パスワード」 櫻井智也脚本。橋本真実氏がゲスト出演。 胃潰瘍で入院した幸子のお見舞いに来た特命係は病室で盲目の女性と知り合ったことを機に、ヘルパー刺殺事件に挑むことになる。 ・第16話「ギフト」 真野脚本。野間口徹氏や松尾諭氏がゲスト出演。 S.14-12の続編で、伊丹が逮捕したシリアルキラーが病院から脱走し、連続殺人を開始する。 ・第17話「ラストワーク」 森下脚本。渡辺哲氏や西山繭子氏、尾上寛之氏がゲスト出演。 自らの犯行を撮影し、それを動画配信する狂気の動画クリエイター現る!? 「動画配信ビジネス」「ネット炎上」「不謹慎動画」……21世紀らしい要素満載物語の結末とは。 ・第18話「悪魔の証明」 輿水脚本。シーズン最終話。羽場裕一氏がゲスト出演。楓子が初登場。 S.13-1の続編で、知られざる美彌子の秘密に迫る。 右京の無感情の「黙っていろ!」と、それに突っ込んだ亘の「右京さん、あなた……何様だ」を筆頭に見どころが満載。 } #openclose(show=season16){ タイトルロゴは『相棒16』。 放送期間は2017年10月18日~ 2018年3月14日、全20話。平均視聴率は15.2%。 今期をもって放送300回を突破し、記念スペシャルが放送された。前後編であり、前期でぶん投げられた美彌子絡みの伏線が回収されたり、懐かしいメンバーも出ていたりしている。 放送中の2018年2月21日に衣笠藤治役の大杉漣氏が急死し、第18話で追悼テロップが表記された。 ・第1話「検察捜査」 ・第2話「検察捜査~反撃」 輿水脚本。今期から初回スペシャルはなくなり、S.9のように2週連続の構成になる。田辺誠一氏や中村俊介氏、中村ゆり氏がゲスト出演。 特命係と容疑者・検事との対峙と並行し、裏では特命係廃止を目論む者たちの暗躍も描かれている。 役者が役者だったので浅見光彦(火サス版)vs浅見光彦(映画・フジ版)対決とも呼ばれた。 状況が状況なのか、伊丹と芹沢がかなり協力的なのも特徴。 ・第3話「銀婚式」 太田脚本。菊池桃子氏や川野太郎氏がゲスト出演。 上司になった峯秋からの頼みで特命係が銀婚式を控えた夫妻の問題に切り込んだところ、思わぬ真実が明らかに。 ・第4話「ケンちゃん」 金井脚本。内田朝陽氏や西井幸人氏がゲスト出演。 亘が顔なじみになった、元気だが独特の感性を持つコンビニ店員が殺害される。各地では彼の意外な才能や、高い評価を聞くことができるが……。 自分より格下だと思っている人間が、実は自分より遥かに優れていたことによる嫉妬が悲劇を産む。 ・第5話「&ruby(ハンケチ){手巾}」 『ラストホープ』や『絶対零度』シリーズを手がけた浜田秀哉脚本。南沢奈央氏や佐戸井けん太氏がゲスト出演。 劇場版IV以来となる米沢が登場し、亘や青木も指導を受けたベテラン教官転落事件の謎を追う。 前述の通り、映画では特命係に対してかなり冷たかった米沢だが、今回以降は割と友好的になっている。 ・第6話「ジョーカー」 浜田脚本。山田純大氏や藤田宗久氏、宮本裕子氏がゲスト出演。 ある理由から懲戒免職になった元捜査二課の刑事が、処分は不当だとして警視庁を訴えるという前代未聞の事態が発生。 峯秋の命を受けて動き出した特命係は、裁判で矢面に立たされることになった大河内とともに全容解明に挑むが……。 S.15-16で特命係と因縁を残した弁護士の連城が、原告側の弁護人として再登場。 ・第7話「倫敦からの客人」 徳永脚本。伊武雅刀氏がゲスト出演。 右京がスコットランドヤードで研修していた際の相棒だった、[[南井十]]という日系イギリス人の男性が退職を機に来日。 それと同時期に、インターネットの深淵「ダークウェブ」に絡んだ遺体が多摩で発見される。 S.18まで続く、南井との因縁の始まりである。 ・第8話「ドグマ」 真野脚本。岩井秀人氏や内田裕也氏がゲスト出演。 架空の生物「ジゴクバチ」による殺人事件が発生。中央アジア系テロリストが日本に潜入した背景もあり、特命係は公安部や日下部からの圧力を受けるが……。 ・第9話「目撃しない女」 山本脚本。朝倉あき氏がゲスト出演。 スナック店主殺害事件が発生。目撃者は亘がひいきにしているキッチンカー店主だが、証言が不自然にあいまいだったため、伊丹は事件への関与を疑うが……。 ・第10話「サクラ」 太田脚本。元日スペシャル。ブレイク前の健太郎氏や篠井英介氏、梶原善氏や鶴見辰吾氏がゲスト出演。 「[[正義]]」とは何か。終盤の右京の言葉は、今までの彼を知っていると感慨深いものがあるかもしれない。 幸子の今後の決断にも関わるエピソード。 ・第11話「ダメージグッズ」 真野脚本。真野恵里菜氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、ロンドンで知り合った女性に関する相談を持ちかける。 ・第12話「暗数」 山本脚本。筒井真理子氏や桜田ひより氏、長野里美氏がゲスト出演。 S.15-11の続編で、高校生になった市原里奈と再会しつつ、同話で一部触れられた衣笠家の秘密が明かされる。 性犯罪がテーマで、不特定多数の第三者が被害者を迫害するセカンドレイプの根深さも描かれている。 ・第13話「いわんや悪人をや(前篇)」 ・第14話「いわんや悪人をや(後編)」 輿水脚本。高橋惠子氏や矢野聖人氏がゲスト出演。 放送300回を記念した前後編スペシャルで、今まで放置されていた多くの伏線が回収され、美彌子をめぐる一連の出来事に決着をつけた内容になっている。 ・第15話「事故物件」 太田脚本。勝矢氏がゲスト出演。 中心となるホームレスがかなり能天気な性格で、全体的にコミカルな回。 一方で、登場する富豪一族のほぼ全員が利己的な性格であり、貧乏ながらも心優しいホームレスとのコントラストが効いている。 近年では珍しく、&bold(){捜査一課の2人が全く登場しなかった回でもある}。 ・第16話「さっちゃん」 真野脚本。池田成志氏がゲスト出演。 ついてない女・幸子と元プロボクサーの男の関係を軸に、消費者金融で起こった乱闘事件の謎に挑む。 ・第17話「騙し討ち」 金井脚本。矢島健一氏や山中聡氏((今回は芹沢役の兄・崇史氏と兄弟で共演を果たしている。))がゲスト出演。 IT会社の営業マン殺害事件と、それに絡む中央省庁の贈収賄事件をめぐり、捜査一課と二課が対立するが……。 ・第18話「ロスト~真相喪失」 池上脚本。森迫永依氏や矢野浩二氏がゲスト出演。 真実に近づくのも遠ざかるのも通訳者次第。 ・第19話「少年A」 徳永脚本。加藤清史郎氏がゲスト出演。重すぎる『[[君の名は。]]』でもある。 一言でいえば『誰も知らない』をモチーフとしたストーリーで、現状の遠いように見えて身近な問題をテーマとした非常に憂鬱な話。 しかし特命係や伊丹が少年にかける言葉など見どころは多く、決して後味悪くはない。 最終話直前にこのような話を打ち込んでくるあたり、『相棒』というドラマは何かを思い出させてくれる。 ・第20話「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」 輿水脚本。シーズン最終話。加賀まりこ氏や遠藤雄弥氏、とよた真帆氏がゲスト出演。S.15からぼちぼち出ていた楓子の過去が判明する。 まさかのコメディ回。大杉漣氏が撮影中に急逝し、急遽後任として杉本哲太氏が起用されたことで話題になった。 楓子がエスカレーターから転落する事件が発生。容疑者は偶然現場に居合わせた、衣笠と青木、峯秋と美彌子、内村と中園の6人。 結果的には「大山鳴動して鼠一匹」だったが、亘の卒業どころか&bold(){その鼠が特命係に入る}という、ドラマ的には衝撃的な事件が起こった。 他にも、コミカルで人情味あふれる描写はあるがそれだけではごまかせられない悪辣なヤクザたちの暗躍、そしてそこに育てられた楓子の存在や、右京に気づかれずに彼女に情報を流した誰かなど、伏線の多い回でもあった。 } #openclose(show=season17){ タイトルロゴは『相棒17』。 放送期間は2018年10月17日~2019年3月20日、全20話。平均視聴率は15.3%。 右京と亘、異例の4年目に突入。そしてまさかのトリオ・ザ・特命係。鑓鞍が初登場。 今季をもって幸子が卒業した。 長らく番組を盛り上げてきた大木長十郎役の志水正義氏が2018年9月27日に逝去。撮影順の関係で第1話~第3話と第8話に出演しており、病気の影響からか痩せているようにも見える。 第1話の最後には写真とともに追悼テロップが表示された。 ・第1話「ボディ」 ・第2話「ボディ~二重の罠」 輿水脚本。とよた真帆氏や利重剛氏、谷村美月氏がゲスト出演。鑓鞍が初登場。 3人体制になった特命係が、前期の最終話にも登場した三上冨貴江の一家をめぐる完全犯罪に挑む。 事態はやがて、右京がクビを賭けて遺体が埋められていると思われる離れを重機で一気に破壊するという迫力ある展開に。 果たして彼の運命は……。 ・第3話「辞書の神様」 神森万里江脚本。森本レオ氏や森田順平氏がゲスト出演。右京の口から「まじ卍」という言葉が出るとは……。 独特の感性を持ちすぐに癇癪を起こす先生と、その先生に怒られながら耐える助手。 一見して最悪の関係に見える2人だが、実は彼らの間には確実な絆、いや「縁」があり……。 ・第4話「バクハン」(&bold(){&font(#ff0000){本放送版は封印扱い}}) 真野脚本。中野英雄氏や長谷川公彦氏、崎本大海氏がゲスト出演。 組織犯罪対策四課の賭博担当、通称「バクハン」をめぐり、今まで仲よくやってきた右京と角田が対立するという衝撃的展開。 普段は割と適当に角田をあしらっているように見える右京だが、内心では信頼していることがうかがえる。 その後は雨降って地固まったのか、元通りの関係に戻っている。 ラストは衝撃の結末。視聴者からはよくも悪くも大きな反響を呼んだ一方で、この場面に登場する薬物中毒者の描写が大きな問題になった。 放送後に薬物問題の専門家から「実際にはあのような薬物依存患者はいない」「間違ったイメージと偏見を増長する」といった批判を受けたことがメディアで取り上げられると、なんと衆議院の厚生労働委員会でも議題に上がるなど、文字通りの「問題作」になってしまった。 そのため、このエピソードは一度も再放送されておらず、ノベライズ版でも未収録になっている。各映像作品では収録されているので欠番認定こそされていないが、当該シーンは全てカットされてしまっており、ノーカット版の合法的な視聴はかなり難しい。 脚本担当である真野氏は今期を最後に本作と関わっていないが、この騒動との関連性は不明。 ・第5話「計算違いな男」 根本ノンジ脚本。木村了氏がゲスト出演。 特命係が完全犯罪を目論む天文学者に挑む。 ・第6話「ブラックパールの女」 山本脚本。西田尚美氏や松尾諭氏がゲスト出演。 連城からの依頼を受け、「平成の毒婦」と呼ばれる控訴中の連続殺人犯・遠峰小夜子と面会した特命係がある男性の事故死を再検証する。 しかし、これは小夜子との因縁の始まりに過ぎなかった。 ・第7話「うさぎとかめ」 森下脚本。山中崇氏や関幸治氏、松田賢二氏がゲスト出演。 警視庁へ出勤途中の右京がオフィス街で偶然出会ったリクガメを尾行していったら、血まみれで倒れていたホームレスを発見。 残念ながら亀はレギュラーにはならなかったが、基本他人に憎まれ口を叩きまくる青木も、実は動物には優しいことが判明した。 ・第8話「微笑みの研究」 金井脚本。佐津川愛美氏や冨樫真氏、オクイシュージ氏がゲスト出演。 撮影順の関係で大木が登場しており、事実上の遺作でもある。 ・第9話「刑事一人」 真野脚本。井上肇氏や藤原季節氏がゲスト出演。 「特命係の先輩」「サルウィンにいる誰か」など、第7話と同じく初代相棒を思わせる表現が出ている。 ・第10話「ディーバ」 太田脚本。テレビ朝日開局60周年記念番組として制作された平成最後の元日スペシャル。大地真央氏や河合青葉氏、優希美青氏や西岡德馬氏がゲスト出演。 また、仲間氏の産休明けで復帰した美彌子や、S.15-13~14以来約2年ぶりの登場となる尊など、見どころが満載。 珍しく現場に出向く青木。幸か不幸か、衝撃の3人体制は放送開始から3か月(通算在籍期間は9か月)で終わってしまう。 ・第11話「密着特命係24時」 根本脚本。袴田吉彦氏ややべきょうすけ氏がゲスト出演。S.4-3やS.7-16に続く、芹沢の友人に関するエピソード。&font(l){つくづく友だち運のない男である。} タイトルの元ネタは警察密着取材ドキュメンタリーであるが、実際にエピソード内で捜査一課が密着を受けており、一部が劇中劇の形で映る。 予告での劇中ナレーションは[[小林清志]]氏だったが、実際の放送では武虎氏になっている。 ・第12話「怖い家」 山本脚本。南野陽子氏がゲスト出演。 中園から依頼を受けたことから始まる、季節外れのホラー回。 ・第13話「10億分の1」 神森脚本。大和田美帆氏や大路恵美氏がゲスト出演。 特命係がフリマアプリの裏に潜む闇に迫る。 ・第14話「そして妻が消えた」 根本脚本。宮川一朗太氏や東風万智子氏がゲスト出演。 ちっぽけな虚栄心が殺人事件まで引き起こしてしまう。 ・第15話「99%の女」 金井脚本。鶴田真由氏や末広ゆい氏がゲスト出演。 S.15-8の続編。機密漏洩に過労自殺、官僚殺害と複雑に絡み合った事件の謎を特命係が解き明かす。 ・第16話「容疑者 内村完爾」 児玉頼子脚本。江藤潤氏やあめくみちこ氏がゲスト出演。 人権派弁護士殺害事件の容疑者として、内村が神奈川県警に拘束される事態が発生。 中園の指示で、特命係が特例で正式な捜査を開始するが、その裏には思わぬ真実が隠されていた。 殺人事件者の被害者はもちろん、加害者もまた苦しんでいる。 ・第17話「倫敦からの刺客」 徳永脚本。伊武雅刀氏や池内万作氏、ニコラス・ペタスがゲスト出演。S.16-7の続編で、南井十が再登場。 前回はある事件について裏で糸を引いていたことを右京に追及されながらもイギリスに帰国したが、再び行動を開始する。 ・第18話「漂流少年~月本幸子の覚悟」 ・第19話「漂流少年~月本幸子の決断」 太田脚本。浦上晟周氏や鶴田忍氏、長谷川ティティ氏がゲスト出演。2週にわたる前後編。 ついていない女・幸子を襲う不可解な事件、そして……。 ・第20話「新世界より」 金井脚本。平成最後のシーズン最終話。中原丈雄氏や渕野右登氏、小木茂光氏や大浦龍宇一氏、八木優希氏がゲスト出演。 致死率100%の新型ウイルスによるパンデミックを題材にした、サスペンス色の強いエピソード。 そのやや突飛な設定から、放送当時こそ視聴者を困惑させた部分もあったものの、それから1年後には&bold(){現実世界が本当に世界的なパンデミックに覆われ、それに伴う「反科学」が浮き彫りになる}など、今となっては文字通り将来を予知した先見性のあるエピソードでもあった。 放送後、文字通り命を賭けた活躍により「イタミン」がトレンド入りした。 } #openclose(show=season18){ タイトルロゴは『相棒18』。令和初の相棒でもある。発表は9月3日と例年よりも遅かった。 放送期間は2019年10月9日~2020年3月18日、全20話。平均視聴率は14.7%。 右京と亘のコンビも5年目に突入。テレビ朝日開局60周年とシリーズ20周年を記念したドラマシリーズ最大スケール。 再び閉店した「花の里」の代わりの店が出るのか、はたまた再復活するのか期待されていたが、最終話にて峯秋の尽力で「こてまり」という店が発見された。 オープニングはS.2以来久しぶりに複数種類が用意されており、スベシャルと通常回で多少異なっている。ロケ地は自由学園明日館。 そして、20年目になってようやく見逃し配信が行われ、放送終了後から約1週間は見逃し配信サイトやGYAO!で視聴できた。 ・第1話「アレスの進撃」 ・第2話「アレスの進撃~最終決戦」 輿水脚本。北香那氏や団時朗氏、そして水谷氏を兄のように慕う[[船越英一郎]]氏がゲスト出演。S.16-13~14以来となる雛子も登場する。 恒例のロンドン旅行から帰国したはずの右京が音信不通になるという前代未聞の幕開け。 亘は彼が立ち寄ったとされる日本最果ての島・&ruby(てんれいじま){天礼島}へと乗り込むが、そこでは不気味な連続殺人事件と、国家を揺るがす巨大な陰謀が……。 北海道を舞台に巻き起こる殺伐回。内容としては非常にシリアスなものの、陸上自衛隊の元レンジャー隊員が規格外過ぎて歩いているだけでも、外から覗いているだけでも面白いという[[シリアスな笑い]]を生み出していた。 彼を指した言葉として、「壊れた殺戮兵器」「アレス」といった本作らしからぬパワーワードも爆誕した。 とはいえ彼で笑っていたら、切ないラストに対し少し複雑な気分になるかも。 ・第3話「少女」 神森脚本。大島美優氏や三浦誠己氏がゲスト出演。 益子の愛猫を探してくれた少女に礼をしに行ったら殺人事件が発生。誘拐されたと思われる少女と犯人と思われる男の二転三転する事情。今回も鬱だったが最後は……。 ・第4話「声なき声」 児玉脚本。長谷川朝晴氏がゲスト出演。 厚生労働省の過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」の職員が転落死体で発見される。捜査を進めるうちに、背景に巨大権力の影があることが分かり……。 外国人技能制度の闇を取り扱った屈指の社会派回。 ・第5話「さらば愛しき人よ」 児玉脚本。佐藤江梨子氏や水橋研二氏がゲスト出演。 行方不明になった亘の元カノについて分かるあれこれ。情報をかき集めて、たどり着く真実。 最後にようやく、逢えたね。 ・第6話「右京の目」 根本脚本。山崎一氏や佐藤寛子氏、山本道子氏がゲスト出演。 S.7-11に登場した家政婦で、現在は花畑管理サービスの従業員に転職した江波和江の相談に乗った右京が謎のトラップで目が見えなくなる中、起きる殺人事件。 そして新しい相棒、音声認識アプリの「Buddy」は最終話にて別の形で登場。 ・第7話「ご縁」 斉藤陽子脚本。河西健司氏や山口美也子氏。松井紀美江氏がゲスト出演。 頻発するアポ電強盗グループを一掃するべく、各課が一丸となって摘発に挑む警視庁。 そんな中、特命係は情報漏洩の原因に代理婚活パーティがあると掴み、右京は青木の親代わりに、亘はスタッフとして潜入するが……。 前半はコミカルな感じで進むが、後半は一転シリアス調に。 ・第8話「檻の中~陰謀」 ・第9話「檻の中~告発」 神森脚本。「レベル4」や「森の中・猛き祈り」に続く、元日スペシャル前の前後編ストーリー。中村育二氏や山崎樹範氏、中村優子氏がゲスト出演。 獄中の天才教授・皆藤が放つ恐るべき計画とは……。 ・第10話「杉下右京の秘密」 根本脚本。遊井亮子氏や鳥越壮真氏、渋谷謙人氏や石井愃一氏がゲスト出演。 子どもとその母親の家族3人で仲睦まじく過ごす右京と、雑木林から発見された大量の金塊とそれを隠したとされる運び屋の遺体。果たしてこれらの事件の関係性やいかに。 ・第11話「ブラックアウト」 神森脚本。テレビ朝日開局60周年記念番組として制作された令和初の元日スペシャル。瀧本美織氏や浅香航大氏、長谷川初範氏がゲスト出演。元日スペシャルが第11話になるのはS.11以来である。 警視庁主催のゴルフコンペ終了後に爆発が起き、籠城事件が発生。右京の獅子奮迅の活躍で事態は収拾するも、さらに事件は続いていく。 例年以上の杉下右京無双で、彼の超人さが端的に分かる内容になっており、もはや[[「もう右京一人でいいんじゃないかな?」>時空英雄 仮面ライダー]]レベル。 ・第12話「青木年男の受難」 児玉脚本。中村優一氏や津村知与支氏がゲスト出演。 拉致された青木を救うべく、特命係と捜査一課が内密に捜査を開始するが……。 ・第13話「神の声」 山崎太基脚本。松居直美氏や小宮健五氏、粕谷吉洋氏がゲスト出演。 S.8-2のように遺留品返却で奥多摩にやってきた特命係が事件に巻き込まれる。鬱である。 終始奥多摩が舞台になっているため、登場するレギュラーキャラクターは特命係と伊丹・芹沢のみ。 ・第14話「善悪の彼岸~ピエタ」 ・第15話「善悪の彼岸~深淵」 徳永脚本。伊武雅刀氏や石田ニコル氏がゲスト出演。初となる&bold(){1シーズンに3回目の前後編ストーリー}で、ついに南井との因縁が決着する。 右京と南井の対決で分かる事件の真実。伊武氏の演技力がすさまじい。 そしてやるせなさのなか、次回は第3の相棒がまたやってくるというのがニクイ。 ・第16話「けむり~陣川警部補の有給休暇」 根本脚本。飛鳥凛氏や小倉一郎氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、警察も全く手が出せない伝説の連続窃盗犯「けむり」を追う。 陣川と青木のやりとりなどコミカルな面もある一方、後半は一転してシリアスである。 ・第17話「いびつな真珠の女」 山本脚本。西田尚美氏や朝倉あき氏、松尾諭氏がゲスト出演。 これまでのシーズンに登場した、亘と因縁があって対照的な特徴を持つ「目撃しない女」新崎芽依と「ブラックパールの女」遠峰小夜子がまさかの共演。 いつも通り的確な推理をする右京と、小夜子の思うままに動かされる亘の対比が著しい。 殺人鬼との戦いを終わらせたと思ったら、新たな殺人鬼が生まれてしまうという本作屈指の悪循環。 ・第18話「薔薇と髭との間に」 児玉脚本。細田善彦氏や夙川アトム氏、清水昭博氏がゲスト出演。 12年ぶりにヒロコが登場し、1億円強奪と殺人事件の謎に挑む。 ・第19話「突破口」 太田脚本。中本賢氏や野仲イサオ氏、松尾諭氏がゲスト出演。 政府が絡む転落死事件に特命係が挑む。人の話はちゃんと聞きましょう。 ・第20話「ディープフェイク・エクスペリメント」 輿水脚本。シーズン最終話。坂井真紀氏や相島一之氏、遠山景織子氏や村上新悟氏がゲスト出演。 AIによるフェイク動画を巡る事件。右京にまた推理力減退の危機が……。 今後も登場しそうな準レギュラー候補が多数登場したほか、峯秋の働きかけでついに新たな行きつけの店が発見され、小出茉梨の初登場回になった。 ギャグともシリアスとも取れるテンポで進む回。 上層部から「特命係一派」認定された青木が特命係と終始行動を共にしており、S.17よりもしっかりと3人で動いている。 生みの親でもある輿水氏の担当だけあって今日ではすっかり見られなくなった下ネタや、名前だけではあるが懐かしい人物が多数登場。 } #openclose(show=season19){ タイトルロゴは『相棒19』。放送期間は2020年10月14日~2021年3月17日、全20話。平均視聴率は14.8%。これまでの慣例だった「20時00分からの放送」と「最終話は2時間前後のスペシャル」が打ち破られた。 ついに迎えたシリーズ20周年。コロナの影響で前々枠の『特捜9』は撮影が一時中断する事態にもなったが、時期の関係からか本作は特に影響なく放送された。 前期で初登場した「こてまり」と小出茉梨も本格参戦するほか、ついにトリオ・ザ・捜一が復活。 また、S.15から番組を盛り上げてきた風間楓子役の芦名星氏が2020年9月14日に逝去したことを受け、第1話終了後にはこれまでの出演シーンとともに追悼テロップが表示された。 引き続き見逃し配信も行われており、さらに「テラサ」では有料会員になるとPS.を含めた全話やスピンオフを含めた劇場版6作が見放題になった。 また、第10話放送後には「テラサ」での完全オリジナルドラマの配信も予告された。 ・第1話「プレゼンス」 ・第2話「プレゼンス(後篇)」 輿水脚本。石丸幹二氏や日南響子氏がゲスト出演。本作初となる仮想現実(VR)をテーマとした事件が繰り広げられる。 女性白バイ隊員が拳銃で撃たれた事件の謎を求めて、特命係がVRの仮想国家「ネオ・ジパング」に乗り込む。「地獄の沙汰も金次第」とはよく言ったものである。 「警視庁ガールズボム(KGB)」なるパワーワードが登場。本作でも警視庁の女性格差は大きいようである。 そして、当の女性白バイ隊員こと出雲麗音が捜査一課に配属されてレギュラー入り(尊と同じく今話はゲスト扱い)。久方ぶりに復活したトリオ・ザ・捜一。 ・第3話「目利き」 神森脚本。山本浩司氏や及川いぞう氏がゲスト出演。 捜査二課係長が遺体で発見されや事件をめぐり、一課と二課がこれまでにも類を見ないほど激しく対立するが……。 人の目利きは重要。 ・第4話「藪の外」 児玉脚本。高梨臨氏や窪塚俊介氏がゲスト出演。 過去に茉梨の後輩芸者を襲った犯人が殺害された事件をめぐり、複雑に絡み合う謎。 ・第5話「天上の棲家」 斉藤脚本。冨士眞奈美氏や湯江タケユキ氏、内田裕也氏がゲスト出演。 記者に転職していた黒崎と再会しつつ、特命係が政治家一族の謎に迫る。&font(l){令和なのに『[[金田一耕助]]』的なノリなのは内緒。} 呪いは代々受け継がれる。 ・第6話「三文芝居」 瀧本智行脚本。橋本じゅん氏がゲスト出演。 元劇団員の通報者による目撃証言は芝居か真実か。 ・第7話「同日同刻」 山本脚本。西田尚美氏や松尾諭氏がゲスト出演。 「平成の毒婦」遠峰小夜子第3弾。彼女が証言する、一見無関係な2つの事件の驚くべき真実とは……。 ・第8話「一夜の夢」 金井脚本。柏原収史氏や上野なつひ氏がゲスト出演。 キャバクラの客引き男と政治家令嬢の結婚の裏にある秘密に迫る。どんなに辛い人生だろうとも、それは本人自身が選んだ人生だ。 全ての真相が明らかになった際、衝撃の結末が……。 &font(l){[[奪われたら奪い返せ>半沢直樹(テレビドラマ)]]。} ・第9話「匿名」 杉山嘉一脚本。藤吉久美子氏や野村佑香氏がゲスト出演。 SNS連続殺人。いつの時代になってもネットの誹謗中傷は絶えません。 シリーズ20年で初となる&bold(){同音異字の回}で、S.7-最終話とは読みが全く同じ。口頭では区別に苦労するかもしれない。 真犯人と青木の攻防も見どころ。 &font(l){芹沢が犯人に怒鳴る裏で倒れそうになっている植栽を支えている伊丹。} ・第10話「超・新生」 輿水脚本。大石吾朗氏や三国一夫氏がゲスト出演。 贋作詐欺と画商の自殺をめぐる事件。その裏には暴力団と内村の暗躍が……。 ラストは衝撃の結末。最後まで見れば分かるタイトルの意味。やはり人の目利きは重要である。 ・第11話「オマエニツミハ」 瀧本脚本。今期も第11話の元日スペシャル。岸谷五朗氏(寺脇康文氏のリアル相棒)がゲスト出演。 かつての通り魔事件の犯人が殺害されたことから始まる連続殺人と、右京に付きまとう謎の記者。 そして、知られざる右京の衝撃の過去が明らかになる。 さまざまな要素が詰め込まれる傾向にある元日スペシャルとしては珍しく、一貫して「少年犯罪(少年法)」と「復讐」がテーマとして描かれている。 鬱ではあるが、現実にも通じるテーマをよりによって元日からぶち込んでくるあたり、やはり『相棒』というドラマはひと味違うことを感じさせてくれる。 &font(l){伊丹と芹沢の私服はださ……非常に個性的だった。} ・第12話「欺し合い」 徳永脚本。マギー氏や山﨑光氏がゲスト出演。 給付金詐欺に引っかかってしまった角田を救うべく、亘が詐欺グループに潜入して摘発を試みるが……。 劇団特命係再び。今度は捜査一課も巻き込み、警察と詐欺グループが欺し欺され欺し合うコン・ゲーム。 やはり右京は詐欺師に向いているらしい。 上記の通り、マギー氏はかつて若杉栄一役で複数回登場していたが、今回は初めて別役を演じた。 ・第13話「死神はまだか」 輿水脚本。林家正蔵氏や立石晴香氏、笹野高史氏がゲスト出演。 落語家が高座の最中に急死。亘や捜査一課が病死と結論づける中、ただ1人事件性を疑う右京は……。 動機は愛か、はたまた横暴の報いか。 &font(l){天下無双のスケベ落語家も弁護士には勝てない。} ・第14話「忘れもの」 山本脚本。宮川一朗太氏がゲスト出演。 高校の同級生と運命的な再会を果たした茉梨だったが、再会もつかの間、一転して彼との逃避行に巻き込まれてしまう。 ・第15話「薔薇と髭の不運」 児玉脚本。瀬川亮氏や佐伯新氏、綱島郷太郎氏や吉井怜氏がゲスト出演。 前期に続きヒロコが再登場し、またもや特命係に事件を呼び寄せる。亘との関係はそれなりに改善されたようだが、それ以上に自らボディーガードを買って出た麗音を振り回す。 ・第16話「人生ゲーム」 瀧本脚本。今野浩喜氏&font(l){、タカラトミー}がゲスト出演。 誘拐事件をいち早く察知した特命係が捜査一課や角田、さらには&font(l){ゴミをきちんと持ち帰る}青木も巻き込んで一丸になって解決に挑むが……。 放送前から早くも公式サイトの「チーム特命係」なるワードが話題に。 ミスリードに騙された人は多いかもしれない。 ・第17話「右京の眼鏡」 神森脚本。かとうかず子氏がゲスト出演。 青木の覗き癖から始まる、老舗眼鏡店の相続争いが招く殺人事件。 中盤の右京のセリフが実に今回の内容を体現している。 ・第18話「選ばれし者」 杉山脚本。前田亜季氏や上杉祥三氏がゲスト出演。 本作では珍しい科学警察研究所(科警研)が登場。押収されたはずの拳銃を使用した連続銃殺事件に特命係が挑むが……。 「プレゼンス」の内容にも一部触れられており、続く最終話の予兆とも取れる。 ・第19話「暗殺者への招待」 ・第20話「暗殺者への招待~宣戦布告」 輿水脚本。石丸幹二氏や遠山景織子氏、松永玲子氏や日南響子氏、相島一之氏がゲスト出演。 S.1以来約20年ぶりとなる、&bold(){最終話が2週連続のストーリー}だが、S.3以来でもある&bold(){20時00分からの放送でも2時間スペシャルでもない}という異色作。 「プレゼンス」の続編。この事件の黒幕だった加西をめぐり、止まっていた時間が再び動き出す。鑓鞍や前期のラストで特命係と因縁を残した人物たちも再登場。 第19話は現在の3月時点は冒頭と終盤のみで、大部分が第2話直後の10月→11月→第10話後の12月→1月の順に回想という形で描写しており、「声なき者」のようなストーリー構成になっている。 幸いS.8-18のような時系列が無造作に入り乱れたものではなく、しっかりと順番通りの展開になっているが、「○○か月前」が多いことから意識して見ないと少々理解しづらいかもしれない。 最終話は衝撃の結末。加西との戦いは一応の結末を迎えたが、その裏にいた&bold(){黒幕}との因縁が新たに生まれ、来季への布石になったが……。 また、後篇では久々に峯秋が登場しなかった。 } #openclose(show=season20){ タイトルロゴは『相棒20』。放送期間は2021年10月13日~2022年3月23日、全20話。平均視聴率は13.5%。新たに開設された公式Instagramにて8月24日よりカウントダウンが行われ、2日後の26日に放送決定が告知された。 記念すべき20作目。薫に並ぶ「7年目の特命係」が新たな歴史に挑む。 今期をもって亘と青木が卒業した。 ・第1話「復活~口封じの死」 ・第2話「復活~死者の反撃」 ・第3話「復活~最終決戦」 輿水脚本。相島一之氏や遠山景織子氏、織田梨沙氏や本田博太郎氏、石丸幹二氏がゲスト出演。「双頭の悪魔」以来となる3週連続の長編である。 「加西事件」はまだまだ終わらない。実行犯だった柾庸子が拘置所で自殺したと聞き、特命係が捜査を開始するが、鶴田が操る国家の闇は深く、上司である峯秋にまで魔の手が……。 さらに、鶴田の師匠にしてS.3-1~3の黒幕だった朱雀武比古が17年ぶりに登場したほか、全体を通して今は亡き小野田公顕の存在が意識されており、ラストにはサプライズも……。 極めつけには次回予告で陣川の姿を見た古参ファンからは嬉しい悲鳴も飛び出した。 &font(l){本職を返り討ちにしたある人物は語り草になっている。愛は強し。} ・第4話「贈る言葉」 神森脚本。瀬戸カトリーヌ氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、彼の高校生時代の親友であるゲームクリエイターが巻き込まれた殺人事件を捜査する。 陣川回としては珍しく「男の友情」をポジティブに描いた異色なストーリーになっており、今までではなかなか見られなかった熱い一面を見せた。 麗音とは初顔合わせである。 ・第5話「光射す」 池上脚本。草村礼子氏や伊藤洋三郎氏がゲスト出演。 別個体ではあるが2年ぶりに「亀」が登場。行方不明になった娘を探す元刑事の父と、自殺した男の隣に住んでいた引きこもりの男とその母親である老婆。特命係が導き出した真実とは。 親の後悔と決意は強い。最後まで見ればタイトルの意味が分かる。 ・第6話「マイルール」 森下脚本。菅原大吉氏がゲスト出演。 ベストセラー作家殺害事件の裏に秘められた「ルール」とは。役に立った元法務省出身。右京がスマホで読書したり聖地巡礼とか言ったり。 ペンは剣よりも強し。 ・第7話「かわおとこ」 山本脚本。黒坂真美氏や米村莉子氏がゲスト出演。 特命係が少年を溺れさせた「かわおとこ」なる妖怪の正体に挑む。なかなか警察手帳を出さない右京と亘。さまざますれ違いが生んだ悲劇。 この回をもって亘の出演回数が125回になり、薫の124回を上回ってこの時点での歴代最多を更新した。 ・第8話「操り人形」 瀧本脚本。下條アトム氏がゲスト出演。 50年前という解明困難な時効事件に特命係が挑む。鬱である。 最後まで見るとタイトルの意味が分かる。 ・第9話「生まれ変わった男」 川崎龍太脚本。今井悠貴氏がゲスト出演。 殺人事件の被害者の記憶を持った男が現れるが、事件をほどいた先に待っていたのは衝撃の真実……。 生々しい家族問題。簡単に人を刺してはいけません。 ・第10話「紅茶のおいしい喫茶店」 根本脚本。麻丘めぐみ氏や酒井敏也氏がゲスト出演。 角田からの頼みで特命係が喫茶店で張り込みを行うことに。詐欺は無論のこと、食べ物を粗末にするのも許さない杉下右京。 ・第11話「二人」 太田脚本。イッセー尾形氏や片岡孝太郎氏、飯島直子氏がゲスト出演。亘の姉・由梨が登場し、彼女が保護した記憶喪失の男の正体に迫る元日スペシャル。 問題作というほどではないが、デモ隊の人々がヒステリックに描写されたことが議論を呼んだ。 太田氏によればこのシーンは元々脚本に存在せず、あくまで数々のルポルタージュや当事者の話を踏まえた上で執筆したものの、まさかいきり立ったヒステリックな人々として描かれるとは思ってもいなかったという。 ・第12話「お宝探し」 斉藤脚本。小宮孝泰氏や目黒祐樹氏がゲスト出演。 今度は右京が埋蔵金ハンターに転身!? ・第13話「死者の結婚」 川崎脚本。山本舞香氏がゲスト出演。 伊丹の先輩が持ち込んだ不可解な事件。鍵は未婚のまま亡くなった人のため仮想の結婚式を挙げる「冥婚」にあった。 歪められた人生の果てに希望はあるのか? ・第14話「ディアボロス」 岩下脚本。渡部豪太氏がゲスト出演。 2度も婚約者を失った天才フラワーアーティストに憑りつく「悪魔」の正体に迫る。 愛と憎しみは表裏一体か。 ・第15話「食わせもの」 山本脚本。風間杜夫氏がゲスト出演。 S.15-4の続編で、特命係が逮捕した詐欺師・平井が登場。 ・第16話「ある晴れた日の殺人」 徳永脚本。高橋和也氏がゲスト出演。 広告会社員殺害事件が発生。怪しげな事件関係者たちに捜査の動きを注視する謎の男。 二転三転の末、明らかになったのは衝撃の真実……。 ・第17話「米沢守再びの事件」 岩下脚本。中原果南氏がゲスト出演。 S.16-5以来4年ぶりに米沢が登場し、彼が愛してやまない鉄道が絡む殺人事件に挑む。 ・第18話「詩集を売る女」 瀧本脚本。太田莉奈氏がゲスト出演。 起きてもいない事件を捜査する特命係だったが、その中で亘が凶刃に倒れてしまい……。 ・第19話「冠城亘最後の事件―仇敵」 ・第20話「冠城亘最後の事件―特命係との別離」 輿水脚本。酒井美紀氏や野波麻帆氏、本宮泰風氏や勝野洋氏がゲスト出演。前期と同じく2週連続の最終話。 冠城亘最後の事件は、鑓鞍襲撃事件をめぐってさまざまな人物たちの権謀術数が複雑に絡み合うカオスな展開。豪華出演者に加えて雛子や日下部が久しぶりに登場。 今度こそ亘のラストとして殉職を噂されていたが、結果的には女性を大事にする彼らしい別れ方であった。 } #openclose(show=season21){ タイトルロゴは『相棒21』。放送期間は2022年10月12日~2023年3月15日、全21話。平均視聴率は13.3%。 初代相棒だった薫が14年ぶりに登場し、5代目として復帰することが発表されたことは大きな話題を呼んだ。 &font(l){14年と言えば、その時期に産まれた人が中学生になっているわけである。時間が経つのは非常に早い。} ・第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」 ・第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」 輿水脚本。勝村政信氏や宮澤エマ氏、サヘル・ローズ氏がゲスト出演。 14年ぶりの再会を果たした右京と薫だったが、それもつかの間、衝撃の選択を迫られる事件が発生する。 峯秋や転生した内村など、薫時代にはいなかった人物たちとの共演が実現した。何だかんだ伊丹は薫のことを大切に思っているようだ。 ・第3話「逃亡者 亀山薫」 川﨑脚本。波岡一喜氏や長谷川公彦氏がゲスト出演。 輸入雑貨店長殺害事件の容疑者として薫が浮上。&font(l){14年経っても薫は相変わらずである。} 事件には今は亡き、彼の運転免許試験場時代の恩人が関わっていたが、その裏には残酷な真実が隠されていた……。 警察官は難しい職業であることを感じさせてくれる。かつて放送された『[[金田一少年の事件簿]]』においても[[似たような事件があった>金田一少年の殺人(金田一少年の事件簿)]]((偶然にも角田役の山西氏もこのエピソードにゲスト出演していた。))。 ・第4話「最後の晩餐」 光益義幸脚本。矢柴俊博氏がゲスト出演。 ひょんなことから目に留まったある男性の謎を、特命係が別行動で捜査していく。 虚実が細かく織り混ぜられたストーリー構成、小ネタや笑いも散りばめた脚本は見事の一言で、視聴者からもかなりの高評価。 もし特命係がいなければ&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){一人の男性が真実を知らず、失意のまま命を落としていただろう。}} 美和子スペシャルがパワーアップしてまさかの再登場(公式曰く「&bold(){&font(#00ffff){シン美和子スペシャル}}」)。 ・第5話「眠る爆弾」 岩下脚本。山本涼介氏や山崎潤氏がゲスト出演。 警察を挑発する爆弾魔に特命係が挑むが、事件の裏には哀しい真実が……。 一途であるがゆえに起きた悲劇。救いたい人物を救うどころか、誰もが救われない結末に。 &font(l){はっきり言って「若気の至り」で済む話ではなかった。某国の事故を連想した人もいるかもしれない。} ・第6話「笑う死体」 瀧本脚本。阿南健治氏や池谷のぶえ氏、有薗芳記氏や漫才コンビのおぼん・こぼんがゲスト出演。 「遺体が笑っていた」という&font(l){某捜査一課長が主役のドラマに出てきそうな}奇妙な事件に特命係が挑む。 劇中でのおぼん・こぼんと特命係のテンポのいい掛け合いや、薫の想像による伊丹の「笑う死体」はある意味必見。 犯人はまさかの&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){出オチ}}だった。 ・第7話「砂の記憶」 山本脚本。桜木梨奈氏がゲスト出演。 特命係に「20年前の連続通り魔事件の犯人が再び動き出す」という告発文が届き……。 時効寸前の未解決事件の謎を解く鍵は題名の通り一粒の「砂」にあった。 &font(l){とうとう公式で年寄り扱いされた薫。}健康管理はきちんとしましょう。 ・第8話「コイノイタミ」 森下脚本。霧島れいか氏がゲスト出演。 陣川……ではなく&bold(){&font(#ff0000){伊丹が夫子持ちの女性に横思慕する}}という異色の回だが、その裏には根っからの刑事である彼なりの事情があった。 ある意味歴代の相棒たちよりも長い付き合いだからこその、右京の伊丹への信頼が垣間見える。 &font(l){「カイ」という名前の芸術家が登場したことで少し話題になった。} ・第9話「丑三つのキョウコ」 根本脚本。江田友莉亜氏や廣川三憲氏がゲスト出演。 SNSでまことしやかに囁かれる都市伝説の女。その姿を殺人事件の現場近くで撮影したという動画がネット上で広まり……。 悪いことをしたらちゃんと謝りましょう。 ・第10話「黒いコートの女」 瀧本脚本。橋本マナミ氏がゲスト出演。 角田の手伝いで宝石窃盗団の一斉摘発に参加した特命係の前に現れた、黒いコートを着た謎の女。果たしてその正体は……。 事件の根底にあったもの。それは歪な形ではあれど、紛れもなく「大きな愛」だった。 ・第11話「大金塊」 輿水脚本。森崎ウィン氏や茅島みずき氏、佐藤B作氏や斉木しげる氏、井上肇氏やいしのようこ氏、片岡孝太郎氏がゲスト出演。今期も第11話の元日スペシャルである。 前期の元日スペシャルにも登場した元与党政調会長・袴田茂昭の元に、地獄の軽業師なる怪盗から「邸内の金塊を盗む」という予告状が届く。 警察の介入を避けたい袴田は民間の探偵社「熟年探偵団」に捜査を依頼するが、同社に興味を持った特命係も行きがかり上捜査に参加することに。 殺伐とした展開の多い元日スペシャルでは珍しく、比較的ほのぼのとしたストーリーであった。 久しぶりに『亡霊たちの咆哮』が登場。そして、嘱託だった薫が警察官として正式採用されることに。 ・第12話「他人連れ」 櫻井智也脚本。駒木根隆介氏がゲスト出演。 特命係が出会った不審な父子。時を同じくして過去に5000万円を盗んだ半グレが殺害される事件が発生し、その2人が事件に関わっているのではないかと疑いの目が向けられるが……。 詐欺まがいのリフォーム会社に勤めるどこか頼りない会社員。そんな彼が見せた優しさに多くの視聴者が心打たれた。 ・第13話「椿二輪」 岩下脚本。中山忍氏や花澄氏がゲスト出演。 「情熱の画家」をめぐる2人の女性。元々彼のファンだった右京が明らかにした真実とは……。 時としてずっとそばにいた人間より、会って間もない人間の方が価値を理解することもある。 ・第14話「まばたきの叫び」 川﨑脚本。忍成修吾氏や陽月華氏がゲスト出演。 美和子が取材先の民家で襲われ、さらに現場から遺体が発見される。実はその家には半年前に出所したばかりの男性が獄中結婚した妻と住んでおり……。 全く更生も反省しない殺人犯と、彼に恨みを抱く関係者たちの物語。 ・第15話「薔薇と髭と菫たち」 岩下脚本。大島さと子氏がゲスト出演。 2年ぶりにヒロコが登場し、薫と久々の再会を果たした矢先に事件に巻き込まれてしまう。 20年近く経っても薫はイカが苦手のようである。 ・第16話「女神」 神森脚本。銀粉蝶氏がゲスト出演。 亀山夫妻が夫婦喧嘩したことで自然豊かな山荘に泊まりがけで夫婦カウンセリングを受けることになり、興味を持った右京も茉梨に頼んで夫婦を装って参加するが……。 ・第17話「定点写真」 櫻井智也脚本。寺田心氏や大野いと氏、幸澤沙良氏がゲスト出演。 ある殺人事件の現場になった建物にカメラを向ける少年を見つけた特命係。彼は数年前から毎日同じ場所で同じ構図の写真を撮っていて……。 美和子の声が妙にかすれていたのは鈴木氏の体調によるもの。 ・第18話「悪役」 光益脚本。一ノ瀬ワタル氏や山口祥行氏、田中道子氏がゲスト出演。 裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長殺害事件が発生。「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言に興味を持った特命係が捜査を開始すると、ある悪役専門の俳優が事件に関与している疑いが浮上し……。 人を見かけで判断してはいけません。 ・第19話「再会」 徳永脚本。田中奏生氏がゲスト出演。 ある村での監禁から脱出した特命係が別行動で真相に迫っていく。ラストもひと捻り入ったオチになっている。 &font(#0000ff,u){&font(#ffffff){薫と別れた右京が歴代相棒と同姓の人物たちとの邂逅を経て最後に薫と再会するという、これまでの縮図のようなエピソード。}} ・第20話「13~死者の身代金」 ・第21話「13~隠された真実」 輿水脚本。前期と同じく2週連続のシーズン最終話で、S.4以来の第21話でもある。渡辺いっけい氏や柴崎楓雅氏がゲスト出演。 小野田の遺骨が盗まれるという前代未聞の事件に、尊を通じて警察庁から直々に捜査権を与えられた特命係が米沢と協力して挑む。 1年ぶりの米沢はもとより、S.17-10以来久々に尊が登場。初登場時に「会ってみたい」と綴っていた薫との共演が実現した。 [[締めがまさかの……>美和子スペシャル]]。 } #openclose(show=season22){ タイトルロゴは『相棒22』。放送期間は2023年10月18日~2024年3月13日、全20話。平均視聴率は11.2%。 ついにシーズン22に突入である。今年は『特捜9』→『刑事7人』→『科捜研の女』からの流れで、『刑事7人』が例年より短期間で終わったこともあってか『科捜研の女』を挟んでの放送になった(([[ジャニーズ事務所]]のごたごたによる組織改革より、東山紀之氏は年内をもって芸能界を引退したが『刑事7人』の処遇は不明(一応、最終話で天樹悠が退職した)。))。 22年ということは、S.1の時に生まれた子どもが大学4年生ないし卒業するぐらいまで続いたということになる。長い。 オープニングテーマにはS.2のフレーズが用いられている。 ・第1話「無敵の人~特命係VS公安…失踪に潜む罠」 ・第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」 神森脚本。[[栗山千明]]氏や市川知宏氏、田中美央氏や俊藤光利氏、伊東孝明氏がゲスト出演。 美和子が通い始めた料理教室で知り合った女性弁護士の婚約者の失踪と、ある宗教団体が起こしたテロ事件がつながっていく。 青木と薫の共演が実現し、見た目はまともになった美和子スペシャルが見られたり、右京が逃走のために投石機を使ったり。 各勢力も総動員され、アクション満載という今までのシリーズとは違った毛色になっている。 事件の裏には公安部の暗躍があり、『[[VIVANT]]』を想起した人も多かった様子。 多くの謎が散りばめられ、やがてタイトルが示すものが分かる。 ・第3話「スズメバチ」 岩下脚本。生越千晴氏がゲスト出演。 2年ぶりに陣川が登場し、薫と久々の再会を果たしたのもつかの間、スズメバチが飛び交う公園の雑木林で男性の遺体が見つかる。 容疑者に浮上したのはまたまた陣川と関係のある女性。彼女の潔白を証明しようとする陣川だが、今回の彼は何か裏がある様子。 ・第4話「天使の前髪」 森下脚本。藤井美菜氏がゲスト出演。 特命係がクラシックコンサートに向かう最中で血まみれの女優に遭遇し、さらに彼女の部屋で舞台演出家の遺体が発見される。状況から見て薫は正当防衛だと直感するが……。 夢と呪いは表裏一体である。 ・第5話「冷血」 岩下脚本。小林亮太氏がゲスト出演。 犯罪グループ摘発に際して指示役を取り逃がしたことから情報が漏れていた節があり、特命係は大河内の頼みで目黒南署から薬物銃器対策課に異動してきた新米刑事の素行調査を行うことになったが……。 ・第6話「名探偵と眠り姫」 光益脚本。高橋克実氏や潤花氏がゲスト出演。 「マーロウ矢木」こと私立探偵・矢木明が12年ぶりに登場。特命係の元に17年前の誘拐事件にまつわる情報提供が寄せられ、調査に乗り出す2人だったが、当時の被害者である老舗デパートの令嬢が婚約発表の直前に行方をくらましてしまい……。 ・第7話「青春の光と影」 瀧本脚本。金子昇氏がゲスト出演。 再結成が決まった4人組ロックバンドのボーカルが路地裏で遺体となって発見され、捜査一課は酔っぱらい同士のケンカによる傷害致死と判断するが、やがて全ての関係者に殺害の動機があったことが判明する。 破天荒なロッカーは周囲を振り回すトラブルメーカーか、はたまた仲間思いの善人か。 ・第8話「センチメンタル・ジャーニー」 瀧本脚本。中尾ミエ氏がゲスト出演。 高速バスで隣に座る老婦人から話を引き出す右京と、都内で不審な車を追う薫。特命係が別行動で2つの事件の真相に迫っていくが、最後に待っていたのは空しい事実。 バスに乗る右京と別行動の薫、という展開にS.4-19を思い出した視聴者も多かったよう。 ・第9話「男の花道」 輿水脚本。大石吾朗氏や赤ペン瀧川氏がゲスト出演。 青年実業家が闇金トラブルで暴力団幹部を絞殺する事件が発生。彼は正当防衛が認められて釈放されるが、被害者は転生する前の内村と癒着していた扶桑武蔵桜の若頭であり、報復を警戒する内村の命で特命係が護衛を行うことになるが……。 S.19-10の続編で、ラストは&font(l){ある意味}衝撃の結末。 ・第10話「サイレント・タトゥ」 輿水脚本。美村里江氏や新納慎也氏がゲスト出演。テレビ朝日開局65周年記念番組として制作された元日スペシャル。S.17以来となる第10話の元日スペシャルでもある。 悦子が9年ぶりに登場する他、享との息子である結平や享の兄の秋徳が初登場するなど甲斐一家が勢揃いすることが話題を呼んだ。 結平の担任教師が刺殺された事件に始まり、愛憎と陰謀が入り混じる息つく暇もないサスペンス。 新年早々に能登半島で発生した地震の影響で前番組の『芸能人格付けチェック』は放送が中止された中、L字型画面という形で予定通り放送されたものの、ラスト数分になって余震に伴う緊急速報で再び中断し、そのまま終了してしまった。 「Tver」「TELASA」で見逃し配信が行われているが、視聴者からの要望を受けてシーズン終了後の3月27日に本編ノーカット再放送された。 ・第11話「その頬に触れるな」 川﨑脚本。映美くらら氏や山下容莉枝氏がゲスト出演。 架空のキャラクター「ほっぺ丸」をめぐり、化学メーカーの研究員殺害事件に誘拐事件と猛毒ガスによるテロ事件が交錯する。 &font(l){またもや薫が体を張る羽目に。} ・第12話「惡の種」 徳永脚本。前原滉氏がゲスト出演。 感情を肥大化させられた者たちによる連続殺人。右京の脳裏に[[あの人物の影>南井十]]が浮かび上がる……。 結果として何ひとつ事件が解決せず、そして&bold(){誰も救われなかった今期屈指の鬱エピソード。}&font(l){2週連続のエピソードと勘違いした視聴者も多かった模様。} ・第13話「恋文」 神森脚本。モト冬樹氏がゲスト出演。 匿名で5通ものラブレターを受け取り、色めき立った美和子から差出人を探すよう依頼された右京。一方、喉を切られて死んでいる男性を偶然出くわした伊丹とともに発見した薫は、被害者の手に「亀山美和子様」と書かれた封筒が握られていることに気がついて……。 ・第14話「亀裂」 岩下脚本。小林隆氏がゲスト出演。 右京も認めるチェスの策士にして高名な美術コレクターの家で、若い男性の遺体が発見される。現場からは美術品が根こそぎ消えており、世間を騒がす美術品強盗グループの仕業と思われたが……。 可愛い子には旅をさせよ、とは言ったものである。 ・第15話「マッターホルンの殺人」 川﨑脚本。加治将樹氏がゲスト出演。 土師からマッターホルンの山中で起きた完全犯罪の映像を見せられた特命係。さすがに現場がスイスとあっては完全に管轄外だが、興味を持った右京は薫とともに独自の捜査を開始する。 自分の夢を人に押し付けてはいけません。 ・第16話「子ほめ」 竹内清人脚本。小宮孝泰氏や菅田俊氏、大西結花氏がゲスト出演。 S.1-3の続編で、落語家の橘亭青楽が22年ぶりに登場。彼は刑期を終えて落語界に復帰し、右京たちを復帰公演に招いたものの、舞台の直前に行方不明をくらましてしまう。 小宮氏や脚本協力も行っている。 ・第17話「インビジブル」 ・第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」 瀧本脚本。中川翼氏や吉田日向氏、升毅氏がゲスト出演。S.18以来久々となるシーズン途中の前後編のストーリー。 次期都知事の最有力候補と目される東都市長の自宅に爆弾が届けられる事件が発生。差出人の欄には杉下右京の名前があり、自分が事件に関わるように仕向けられていると感じた右京は薫とともに&ruby(INVISIBLE){目に見えない犯人}の正体に迫っていく。 ・第19話「トレードオフ」 ・最終話「トレードオフ~AI右京の完全推理」 輿水脚本。2週連続のシーズン最終話で、複数週にまたがるエピソードが連続で展開されるのはS.3-1~5以来である。黒谷友香氏や甲本雅裕氏、佐戸井けん太氏や金田明夫氏がゲスト出演。 法務大臣の指揮権によって与党幹事長の収賄容疑に関する強制捜査が見送られた事件に端を発する、政治色の濃いサスペンス。 } #endregion **劇場版 #region(クリックで展開・収納) #openclose(show=本編){ ・相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン 2008年5月1日公開。戸田山脚本。テレビ朝日開局50周年記念映画作品で、記念すべき劇場版第1作。キャッチコピーは「&bold(){必ず、追いつめてみせます。}」。 ゲスト出演者は本仮屋ユイカ氏や柏原崇氏、西田敏行氏など。その他、岸谷五朗氏がモブキャラとして友情出演、有森裕子氏が本人役で特別出演している。 右京と薫が「東京ビッグシティマラソン」に迫る脅威に挑む。 時系列は2008年で、S.6~S.7の間に位置する。公開時点でのシリーズの集大成的な側面があり、S.6までに複数回登場したことのある、犯人以外のゲストキャラクターがほぼ全員登場している。 今回登場した守村やよいは後のS.10-5にも登場している。 ・[[相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜]] 2010年12月23日公開。輿水・戸田山脚本。シリーズ10周年を記念して製作された第2作目。キャッチコピーは「&bold(){あなたの正義を問う。}」。 ゲスト出演者は品川徹氏や宇津井健氏、國村隼氏や石倉三郎氏、小西真奈美氏や小澤征悦氏、葛山信吾氏や本宮泰風氏、小木茂光氏など。 田丸警視総監ら12人の幹部が人質になった警視庁籠城事件から始まり、ラストはシリーズを揺るがす衝撃の結末……。右京と尊が国家に挑む。 初のシーズン中での公開。時系列は2010年7月で、S.8~S.9の間に位置する。そのため、公開前日に放送されたS.9-9は本作のプロローグになっており、さらに第16話と最終話では本作の結末にも触れられている。 今回登場した田丸寿三郎・金子文郎・長谷川宗男は後のシーズンにも登場している。 ・[[相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ]] 2014年4月26日公開。輿水脚本。テレビ朝日開局55周年記念作品になった第3作目。キャッチコピーは「&bold(){相棒史上、最高密度のミステリー。}」。 ゲスト出演者は伊原剛志氏や釈由美子氏、瀬川亮氏や風間トオル氏、宅麻伸氏や吉田鋼太郎氏など。 シリーズ初の[[沖縄>沖縄県]]ロケになっており、右京と享が謎に包まれた孤島「鳳凰島」へ乗り込む。前相棒・尊も登場し、新旧相棒がまさかの共演。 時系列は2013年夏で、S.11~S.12の間に位置しており、S.12-1で退職する前の三浦も登場する。 また、劇場版では唯一ノベライズでも犯人が同じである。 公開前の2014年3月29日~4月19日には、dビデオにて「&bold(){相棒 -劇場版III- 序章}」が配信された。過去にトリオ・ザ・捜一が解決した事件を、右京と享がその調書を読みながら進行する。そのため、特命係からの視点とトリオ・ザ・捜一からの視点が交互に描かれていく。 特命係の視点では劇場版IIIの後、トリオ・ザ・捜一の視点ではS.10~S.11の間である2012年6月の話である。 ・相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断 2017年2月11日公開。太田脚本。第4作目。キャッチコピーは「&bold(){あなたは、生きるべきです。}」。 ゲスト出演者は鹿賀丈史氏や北村一輝氏、山口まゆ氏や菅原大吉氏、篠井英介氏や益岡徹氏など。 右京と亘が国際犯罪組織「バーズ」によるテロに挑みつつ、リーダー・レイブンの目的と正体に迫る。引き続き尊も登場し、亘とも共演を果たした。ロケ地は[[福岡県]]北九州市で、3000人ものエキストラが参加している。 時系列はS.15-2~3の間の2016年9月で、唯一本編中の時期である。劇場版II以来となるシーズン中での公開で、公開前に放送されたS.15-13~14では、本作につながるストーリーとなるS.14中の事件が回想という形で描かれている。 緻密に練られたトリックに、犯罪者ながらもどこか愛嬌もある敵組織と意外過ぎるそのボス、右京に反抗的な米沢や、&bold(){盛大にやらかした}が責任を感じ捨て身の攻防を繰り広げる伊丹など、見どころが満載。 また、本作としては珍しくショッキングで鬱々しい描写も多い。 犯人の動機は劇場版IIやS.14-最終話と似ているようで、根本、そして何より手段が違った。 今回登場した折口洋介は後のS.16-10にも登場している。 } #openclose(show=スピンオフ){ ・相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿 2009年3月28日公開。飯田脚本。初のスピンオフ作品で、鑑識・米沢守が主人公。キャッチコピーは「&bold(){私が今、亡き妻にしてやれることは、<真相>を暴くことだけです。}」。 ゲスト出演者は萩原聖人氏や紺野まひる氏、市川染五郎氏や片桐はいり氏、奥田恵梨華氏や伊武雅刀氏など。 劇場版の裏で起こった事件を米沢と所轄の刑事・相原誠が追う。右京と薫をはじめとするおなじみのメンバーも登場する。 ハセベバクシンオー氏の『鑑識・米沢の事件簿~幻の女房~』が原作になっていて、彼の父である長谷部泰春氏が監督を務めており、遺作になった。 今回登場した相原誠はS.10-15、早乙女美穂はS.13-11にも登場している。 ・相棒シリーズ X DAY 2013年3月13日公開。櫻井脚本。スピンオフ2作目で、「トリオ・ザ・捜一」のリーダー格・伊丹憲一と、本作で初登場するサイバー犯罪対策課の専門捜査官・岩月彬によるダブル主演。キャッチコピーは「&bold(){俺たちは、何と戦っているんだ?}」。 ゲスト出演者は国仲涼子氏や別所哲也氏、深水元基氏や戸次重幸氏、田口トモロヲ氏や矢島健一氏など。 時間軸は劇場版IIIの序章と同時期の、2012年6月(S.10~S.11間)。ロンドンに旅行中の右京や((尊と別れて休暇中の身であり、帰路に香港を訪れてS.11-1につながる流れと思われる。))特命係を卒業したばかりの尊をはじめ、角田や米沢といったおなじみの面々や、本作が劇場版初登場になった幸子など多くのキャラクターが登場。 公開前に放送されたS.11-17では、本作に先駆けて岩月が登場。公開前ではあるが時間軸上では半年ぶりに伊丹と再会としており、特命係も交えて殺人事件を追う。また、公開後の週に放送された最終話にもゲスト出演している。 } #endregion *【脚本】 本作はほぼ毎回異なる脚本家が脚本を担当しており、人によってストーリーの味付けがかなり異なるという特徴を持つ。 主な脚本家は以下の通り。他にも多くの脚本家が参加している。 ・輿水泰弘(こしみず やすひろ) 企画の段階から担当しており、いわゆるシリーズ構成に当たる生みの親。 巧みな心理描写やどんでん返し、政治家の陰謀に特命係が迫るサスペンスに定評があるが、現在は主に初回・最終回や、メインキャラクターに何か大きな変化が起こる話を担当する。 近年では生成AIやメタバースといった新しいIT技術を作劇に使うことも多い。 &font(l){&ruby(きざはし まこと){階真}や&ruby(かなどめ きょうへい){京匡平}など、難読な名前のゲストキャラが多い点も特徴。} 『相棒』以外では[[明石家さんま]]出演作品を数多く手がけることでも知られる。 ちなみに、反町氏は中学校の後輩でもある。 ・櫻井武晴(さくらい たけはる) S.1-3~S.12-3まで。いわゆる「『相棒』らしい話」を書く人で、鬱々しい回をはじめ、時効問題をはじめとする社会派や組織の陰謀を描いたサスペンスに定評がある。 &font(l){後に『コナン』の劇場版の脚本を何度か書いているが、それも「『相棒』っぽい回」になりがち。} 特にS.9-8は、全国の労働者を絶望の底に落とした本作屈指の鬱々回である。 また、『米沢守の事件簿』やS.12-7では「&bold(){飯田武}」名義でも担当している。 現在は『科捜研の女』のメインライターとして活躍している。 ・砂本量(すなもと はかる) S.1-6~S.4-5まで。こちらもいわゆる「『相棒』らしい話」を書く人で、スッキリはしないがよくできた後味の話が多い。 また「冒頭で発生した大がかりな事件が、個人的な動機による小さな事件に収束していく」という極端などんでん返しも多い。 特殊なギミックや異色なガジェットを取り入れ、ひねった方向性の回を書くことでも定評がある。一例として、「警視庁ふたりだけの特命係」というシリーズ当初のテーマを破壊した、「第三の男」こと陣川警部補を生んだのも彼である。 S.2の通称「砂本3部作」は古参ファンの間では高い評価を得ていた作品だったが、残念ながら2005年12月21日に逝去。 ・岩下悠子(いわした ゆうこ) S.3-13~S.7-4までの後、S.20-14から再加入。 『京都地検の女』『おみやさん』『科捜研の女』など、テレ朝・東映共同製作の刑事ドラマを多数手がける。 登場人物のキャラクターを立たせる描き方に定評があり、名作としてよく名前の挙がるS.5-8も担当している。 ・古沢良太(こさわ りょうた) S.4-2~S.12-18まで。 今や『ゴンゾウ 伝説の刑事』『[[リーガル・ハイ]]』『コンフィデンスマンJP』『探偵はBARにいる』などの話題作を担当する超売れっ子。 櫻井氏と同様にサスペンスを好むほか、時系列を前後させていくつも伏線を張り、ラストで巧みに回収するストーリーも得意とする。 ・戸田山雅司(とだやま まさし) S.4-12~S.12-16まで。『裏相棒』やIIまでの劇場版も担当しており、キャラ萌え描写に定評がある。 歴代相棒の名前の共通点に最初に気付いた人でもあり、以後も踏襲されることに。 櫻井氏と並び、現在は『科捜研の女』のメインライターとして活躍している。ちなみに[[NHK朝ドラ>連続テレビ小説(朝ドラ)]]の脚本も手掛けたことがあり、それで忙しかったのかS.7では未登板。 ・徳永富彦(とくなが とみひこ) S.7-3から加入。本作と同じ時間帯に放送されている『特捜9』や『刑事7人』も担当している。 作風としては「苦難に直面して心を歪めた人」をエピソード全体の中心に置くことが多く、「倫敦からの客人」こと南井十も彼が生んだキャラクター。 S.9-7やS.14-17など、変則的な構成になっている実験的な回が多いのも特徴。 また、退職前後の薫を含めた4人5代の全相棒で脚本を書いたことのある数少ない人物の一人でもある。 ・太田愛(おおた あい) S.8-2~S.20-11まで。アニメ・特撮界隈ではおなじみの人で、人情話を多く手掛けており、S.9-13やS.10-10などは特に評価が高い。 作風としては、ミステリー的な巧みさよりも登場人物の心情に重点を置くのが特徴。 自ら罪を犯す覚悟で特命係に過去の事件を捜査させて真に裁かれるべき存在を明らかにさせたり、自身の思惑通りの結末を迎えさせたりすることも多いが、それでも決して後味の悪さを感じさせないオチも特徴。 また、&font(#ff0000){神戸尊萌え}という一面もあり、特命係卒業後の彼が再登場した回の多くは彼女の作品である。 ・金井寛(かない ひろし) S.11-8より加入。S.17ではこれまで輿水氏(一部櫻井氏・戸田山氏)がメインだった最終話を担当。 ・真野勝成(まの かつなり) S.12-13~S.17-9まで。S.12-13で彗星のごとくデビューすると、抜けたかつてのメイン脚本家の穴を埋めるかのごとく活躍。 平成のシャーロック・ホームズ、日野警部補、本多親子など昔ながらのファンがニヤリとする過去ネタをよく使う。 かなりのハロプロオタクらしく、ゲストキャラの名前は「譜久村聖太郎」「嗣永重道」など、ファンにとっては聞き覚えのあるものが多い。 ・山本むつみ(やまもと むつみ) S.12-15より加入。NHK大河ドラマ『八重の桜』の脚本も担当しており、同ドラマの最終回から2か月と経たずに『相棒』へ初登板した。 亘時代はおおむね1シーズン2話ペースで書いていた。「ブラックパールの女」小夜子の回はいずれも担当。 ・根本ノンジ(ねもと のんじ) S.17-5より加入。以前は日本テレビ系『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』などのドラマの脚本や、『特命リサーチ200X』や『有吉ゼミ』などの番組構成を担当していた。 現在ではフジテレビ系の『監察医朝顔』や『[[パリピ孔明]]』の脚本でも知られる。 *【監督】 監督も脚本に負けず劣らず入れ替わりが激しい。 脚本も含めたエピソード全体の出来を調整するのが監督なので、たとえ脚本家がベテランでも、各エピソードの演出や雰囲気は監督の腕前によってかなり異なってくる。 主な監督は以下の通りだが、脚本家と同じく他にも多くの監督が参加している。 ・和泉聖治(いずみ せいじ) PS.1~S.14-最終話まで。輿水氏と並ぶシリーズの生みの親。 S.13までは初回・最終回・元日スペシャルを全て監督していたが、「そろそろ卒業して、やりたいことが色々とある」という理由でS.14をもって卒業した。 コントラストを強めつつ青色を強調した「和泉ブルー」とも呼ばれる色彩表現で有名。 ・長谷部安春(はせべ やすはる) S.2-18~S.7-6まで。『探偵物語』『西部警察』『あぶない刑事』や、本作のルーツにあたる『刑事貴族』も手がけたレジェンド。 残念ながら2009年6月14日に逝去。『鑑識・米沢守の事件簿』の監督が遺作となった。 ちなみに原作・脚本は長男のハセベバクシンオー氏で、親子共作だった。 ・橋本一(はしもと はじめ) S.2-8より加入。S.15からは和泉氏に代わって製作を総指揮する立場となり、初回・最終回の多くを監督している。 追記・修正は特命係に左遷されてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,40) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: