少林寺拳法

「少林寺拳法」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

少林寺拳法」(2024/03/21 (木) 18:11:06) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2010/03/05 Fri 13:59:23 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 少林寺拳法とは、武道の一つ。 シンボルマークは卍(まんじ)→ソーエン(オリンピックのわっかが2個みたいな感じ。世界進出と共にナチスを懸念して変更された) よく勘違いされる話として、中国武術少林拳とは別物。戦後の日本生まれである。 (トリビアで紹介されたので今では無駄知識として知ってる人も多いのでは?) とはいえこの武術は中国で学んだものを開祖が纏め直したものかつ、かつ開祖は義和拳の継承者であるので中国武術がルーツなのは間違ってはいない。 (ちなみにこの義和拳とは歴史の授業でも出てくる義和団の乱の義和団の者が使用していた拳法である) ただ、創始者である宗道臣は元々は日本の古流柔術家でもあるためにベースは柔術の要素が色濃く、特に関節技はほぼほぼ古流柔術であり、合気道にも似ている。 本山は[[香川県]]仲多度郡多度津町に存在。筆者が昇段合宿に訪れた際、駅には観光地として看板に表示されていた。 あと、経験者に「サッカー得意なんでしょ?」と聞くのは[[「オマエは面白いかも知れないがこっちは100万回言われているんだよ」>少林サッカー]]と言いたくなるのでやめてください。   創始者は宗道臣で「開祖」と呼ばれる。 漢字三文字の名前なので中国人と思われることもあるがれっきとした日本人である。 この人をモデルとした『[[バキ>バキシリーズ]]』登場人物の[[寂海王]]がいるが、本人はもう少しまともな人だと思う。 二代目は宗由紀と、&font(#f09199){女性}で二代目にして既に象徴的存在。 戦後生まれであるものの日本九大武道の一つに名を連ねており、中高はともかく大抵の大学には部活にあるはず。 世界各地にも広まってる。 また、京都には柔道の代わりに少林寺拳法を授業に取り入れている学校がある。 学力は皆無。 本山のあるUDON大好き香川県は全然そんなことなかったぜ!   武道の一つではあるが新興宗教の一つでもある(まあ「武道」=「武術」+「教え」なので当たり前といえば当たり前)。 そもそも開祖は戦後間もない頃、腑抜けた若者をみかねて儒教、仏教的な指導をしたがなかなかついてこないので、 自身が会得した拳法をエサにしてみたら手応えがあったという。 公式大会では『聖句』『聖願』『信条』なる呪文を暗唱させられる。 但し心酔してるのは入門したての真面目な中学生ぐらいなので、変な目で見ないよう。   肝心の武術の内容としては、『剛法』と呼ぶ打撃と『柔法』と呼ぶ柔術に大別される。まぁ柔法の方が剛法より遥かに痛くて実用的。 簡単に言うと空手と合気道を足して2で割ったようなもの。 ちなみに段位習得以前に習得する柔法の抜き技は殆どが有段後に投げ技や固める技に変化するので基礎をきっちり習得しておかないとかなりキツイことになる。 打ち合いの中に柔術を混ぜこむのは武術としては珍しい。   [[護身術]]として体系化されたため非力な女子供老人やアニヲタでも十分強くなれる。   また護身術という立場を強調してか、公式大会は試合ではなく『演武』というプログラムを披露する&font(#ff0000){採点方式}である。 種類としては(イメージ) 一人で行う単独演武(フィギュアスケート) 二人で行う組演武(ペアフィギュアスケート) 6~8人でやる団体演武がある(シンクロナイズスイミング) 仲間にありつけない場合単独演武となる。 *【創始の由来】 第二次世界大戦前の中国で、開祖である宗道臣は友人である柔道黒帯の日本軍人とともに街を歩いていたところを地元のチンピラにカツアゲにあってしまう。 友人はとっさにチンピラを投げ飛ばそうと組み付くがチンピラが隠し持っていたナイフで刺されて死亡。 古流柔術家であった宗道臣は辛うじて柔術の当身技でナイフを叩き落として関節技でチンピラを制圧することに成功するも、チンピラは武術経験者だったようでそのナイフ捌きはすさまじく、ナイフを叩き落とすまでにかなりの怪我を負ってしまった。 その経験から「刃物を持った相手に素手で対処するには打撃技が重要。柔道や柔術には打撃の技術が足りない」と痛感し、さらに中国武術の打撃技の技術の高さに注目して少林拳系の中国武術を習得。 元々習得していた柔術に中国武術の打撃技を組み込んで体系化して少林寺拳法と名付ける。 第二次大戦後、日本の荒れている若者たちとの交流から教育の大切さを痛感して故郷である四国で若者たちの更生に乗り出し、その際に若者の教育の一環として少林寺拳法の指導を行ったことで日本各地に広まることとなった。 *【特色】 ・&bold(){急所攻撃が基本} 少林寺拳法と空手や柔道などの他の現代武道との大きな違いの一つは急所攻撃(目、金的)が基本のコンビネーションに組み込まれていることだろう。 様々な状況から的確に相手の目や金的を攻撃できるように洗練された急所攻撃技術が充実している。 これは少林寺拳法が護身術であり、体格差のある相手に襲われても制圧できるようにというコンセプトからである。 ただし、眼球や睾丸を破壊して相手に重傷を負わせるような技法はなく、急所攻撃による痛みで相手を怯ませてから柔法(関節技や投げ技)で動けなくするのが基本。 いくら護身のためとはいえ相手に重傷を負わせてしまうと自分が過剰防衛で逮捕されてしまうし逆恨みされて復讐される恐れもある。 なので不必要に相手を傷つけないのが少林寺拳法の基本コンセプトである。 ・&bold(){打撃と組み技のコンビネーションが豊富} 打撃技から関節技や投げ技に移行する、関節技を極めながら打撃を打ち込むなど、打撃と組み技が有機的に結びついているのが特色。 少林寺拳法が柔術と中国拳法の融合した武道であるためだろう。 とはいえ、元々日本古流武術では打撃と組み技が両立しているものも多く、日本古武術から発展した日本拳法なども打撃と組み技のコンビネーションは豊富である。 ・&bold(){打撃技が回避動作と一体化している} 空手やボクシングなどでは打撃は体を安定させて打つことが多い。これは打撃に体重を乗せて破壊力を高めるためだが、少林寺拳法の打撃は攻撃の際に体を横や斜め前に大きめにスライドさせてから打つのが基本。 これは相手の攻撃をかわしながら打撃を打つという想定のため。 なので少林寺拳法の打撃は基本的には自分からは打たず、相手の攻撃に対するカウンターで使うことを想定している。 また、そのために一撃の威力はあまり高くないために素早い連続打撃で相手を倒すことを想定した型となっている。 熟練者の素早い連続攻撃はちょっとカンフー映画っぽい。 ・&bold(){防御が払う動きがメイン} 空手やボクシングなどは防御するときは相手の攻撃を受け止めてブロックするのがメインなのに対して少林寺拳法では相手の手足を横や斜めに払って受け流すように防ぐのが基本。 元々宗道臣がナイフで襲われた経験から構築された武術だけあって、刃物による攻撃を防ぐことを想定しているためである。 *【少林寺拳法は弱い?】 実のところ、少林寺拳法は弱いというイメージを持っている人もけっこう多い。 実際少林寺拳法をやっている人は空手や柔道、ボクシングなどをやっている人に比べてあまり体を鍛えておらず、実際に試合をすると弱いことが多い。 しかし元々の少林寺拳法は非常に実戦的で強力な武道だった。 なのになぜ現代では少林寺拳法は弱いというイメージになってしまったのか? これには歴史的な理由がある。 開祖である宗道臣が存命のころは日本は高度経済成長期前で治安が悪い時代だったために荒んだ若者が多く、少林寺拳法はそういう力を持て余した若者たちを更生するためにかなり厳しいトレーニングを行っていた。 時にはヤクザと激しい抗争を行っていた時もあったほどである。 しかし日本が高度経済成長期を迎えて豊かになり治安が向上してくると少林寺拳法はその荒々しさからヤクザやチンピラがやる武道というイメージを持たれて入門者がどんどん減っていってしまった。 そのために少林寺拳法の経営陣はイメージ改善のために「上品で清く正しい精神修養を主眼とした武道」「女子供でもできる護身術」というイメージを打ち出し、辛い基礎鍛錬や怪我の恐れのある組手を無くして型練習主体の練習方法に変えてしまったのである。 結果、イメージ改善には成功して日本全体に広く普及したものの組手を重視する空手や柔道に比べて実戦性が低下して弱いというイメージになってしまったのである。 とはいえ、技法自体は実戦的であることは確かであり、現在でも厳しいトレーニングや組手をやっているガチ勢向けの道場やクラブもあり、そういうところの選手はかなり強い。 アニヲタ的に有名どころでは[[バキシリーズ]]の作者である[[板垣啓介]]氏は少林寺拳法の有段者かつ陸上自衛隊であり、少林寺拳法の経験を活かして自衛隊内のボクシング部で大暴れしていたりする。 また、リアルな喧嘩と格闘技描写でマニアックな人気を博した喧嘩漫画[[ホーリーランド]]の作者である森垣二氏は身長180cm以上の大柄な体格かつ空手の有段者であり空手の試合でも活躍していた猛者だったが、通っていた大学の少林寺拳法部の部員に勝負を挑んだどころ攻撃を全て捌かれて負けてしまったことをインタビューで語っている。また、そのことからホーリーランドでは少林寺拳法の使い手を作中最強クラスとして描いている。 *【主な少林寺拳法経験者】 ・[[若本規夫]]:声優・元機動隊 ・[[朴璐美>朴ロ美]]:声優・特技に少林寺拳法を挙げている ・[[杉田智和]]:声優・高校時代に少林寺拳法部に所属していた(初段) ・角田信朗:空手家(中学時代に少林寺拳法を学んだ) ・筧利夫:俳優(三段) ・吉川晃司:歌手 ・坂口拓:アクション俳優 ・佐藤健:俳優(5歳の時に6年間少林寺拳法を学んだ) ・谷垣健治:映画監督(前述の佐藤氏が主演を務めた実写映画『[[るろうに剣心>るろうに剣心(実写映画)]]』シリーズでアクション監督を担当) ・千葉真一:俳優(二段) ・戸田恵梨香:女優(初段・父親も少林寺拳法を学んでいた) ・真夏竜:俳優(初段) ・青島心:女優(黒帯所有者・[[ツムリ>ツムリ(仮面ライダーギーツ)]]役で出演した『[[仮面ライダーギーツ]]』でもその片鱗を見せた) ・出雲銀河:電童操縦者 ・[[池沢佳主馬]]:キングカズマ※映画『[[サマーウォーズ]]』の登場人物 ・[[GACKT>Gackt]]:シンガーソングライターにして[[一流芸能人>芸能人格付けチェック]] ・[[hyde>hyde(人物)]]:L'Arc~en~Cielのボーカル(何気に五段の有力者) ・板垣啓介:漫画家、元陸上自衛隊第一空挺団所属。   追記こそ己の依るべ、追記をおきて誰に依るべぞ よく整えし修正こそまこと得がたき依るべなり #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,6) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 刃牙では安定のかませ -- 名無しさん (2014-02-11 01:26:43) - ちなみに中国にも少林拳なんて存在しない、正しくは少林武術 -- 名無しさん (2014-05-31 20:43:12) - ジェットリーが『少林寺』の撮影で少林拳学ぼうとしたら、伝承者が軒並み文革でピーされていて誰も居なかったので、やむなく日本の少林寺拳法学びに行ったのは有名な話。 -- 名無しさん (2016-03-20 13:26:53) - 開祖の人は中国で義和団事件の生き残りの人から学んだと聞いた>中国武術少林拳とは別物 -- 名無しさん (2016-03-20 14:54:23) - 紛らわしい名前つけるなって前から思ってた。 -- セイ (2020-05-05 07:51:57) - 開祖の宗道臣は漢字三文字なので中国人っぽいけど実際は日本人の古流柔術家だったりする。 -- 名無しさん (2023-08-22 21:22:38) - ↑確か開祖って元々別の名前だったのを改名したんだっけ?そもそも学んだうえでは特攻隊あたりに病気で入れずスパイとして中国に渡ったのは学んだんだけどそこら辺うろ覚えで -- 名無しさん (2023-08-22 21:44:18) - ↑中野 理男(なかの みちお)→中野 道臣(なかの みちおみ)→宗 道臣(そう どうしん)という変遷 -- 名無しさん (2023-08-22 21:59:25) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2010/03/05 Fri 13:59:23 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 少林寺拳法とは、武道の一つ。 シンボルマークは卍(まんじ)→ソーエン(オリンピックのわっかが2個みたいな感じ。世界進出と共にナチスを懸念して変更された) よく勘違いされる話として、中国武術少林拳とは別物。戦後の日本生まれである。 (トリビアで紹介されたので今では無駄知識として知ってる人も多いのでは?) とはいえこの武術は中国で学んだものを開祖が纏め直したものかつ、かつ開祖は義和拳の継承者であるので中国武術がルーツなのは間違ってはいない。 (ちなみにこの義和拳とは歴史の授業でも出てくる義和団の乱の義和団の者が使用していた拳法である) ただ、創始者である宗道臣は元々は日本の古流柔術家でもあるためにベースは柔術の要素が色濃く、特に関節技はほぼほぼ古流柔術であり、合気道にも似ている。 本山は[[香川県]]仲多度郡多度津町に存在。筆者が昇段合宿に訪れた際、駅には観光地として看板に表示されていた。 あと、経験者に「サッカー得意なんでしょ?」と聞くのは[[「オマエは面白いかも知れないがこっちは100万回言われているんだよ」>少林サッカー]]と言いたくなるのでやめてください。   創始者は宗道臣で「開祖」と呼ばれる。 漢字三文字の名前なので中国人と思われることもあるがれっきとした日本人である。 この人をモデルとした『[[バキ>バキシリーズ]]』登場人物の[[寂海王]]がいるが、本人はもう少しまともな人だと思う。 二代目は宗由紀と、&font(#f09199){女性}で二代目にして既に象徴的存在。 戦後生まれであるものの日本九大武道の一つに名を連ねており、中高はともかく大抵の大学には部活にあるはず。 世界各地にも広まってる。 また、京都には柔道の代わりに少林寺拳法を授業に取り入れている学校がある。 学力は皆無。 本山のあるUDON大好き香川県は全然そんなことなかったぜ!   武道の一つではあるが新興宗教の一つでもある(まあ「武道」=「武術」+「教え」なので当たり前といえば当たり前)。 そもそも開祖は戦後間もない頃、腑抜けた若者をみかねて儒教、仏教的な指導をしたがなかなかついてこないので、 自身が会得した拳法をエサにしてみたら手応えがあったという。 公式大会では『聖句』『聖願』『信条』なる呪文を暗唱させられる。 但し心酔してるのは入門したての真面目な中学生ぐらいなので、変な目で見ないよう。   肝心の武術の内容としては、『剛法』と呼ぶ打撃と『柔法』と呼ぶ柔術に大別される。まぁ柔法の方が剛法より遥かに痛くて実用的。 簡単に言うと空手と合気道を足して2で割ったようなもの。 ちなみに段位習得以前に習得する柔法の抜き技は殆どが有段後に投げ技や固める技に変化するので基礎をきっちり習得しておかないとかなりキツイことになる。 打ち合いの中に柔術を混ぜこむのは武術としては珍しい。   [[護身術]]として体系化されたため非力な女子供老人やアニヲタでも十分強くなれる。   また護身術という立場を強調してか、公式大会は試合ではなく『演武』というプログラムを披露する&font(#ff0000){採点方式}である。 種類としては(イメージ) 一人で行う単独演武(フィギュアスケート) 二人で行う組演武(ペアフィギュアスケート) 6~8人でやる団体演武がある(シンクロナイズスイミング) 仲間にありつけない場合単独演武となる。 *【創始の由来】 第二次世界大戦前の中国で、開祖である宗道臣は友人である柔道黒帯の日本軍人とともに街を歩いていたところを地元のチンピラにカツアゲにあってしまう。 友人はとっさにチンピラを投げ飛ばそうと組み付くがチンピラが隠し持っていたナイフで刺されて死亡。 古流柔術家であった宗道臣は辛うじて柔術の当身技でナイフを叩き落として関節技でチンピラを制圧することに成功するも、チンピラは武術経験者だったようでそのナイフ捌きはすさまじく、ナイフを叩き落とすまでにかなりの怪我を負ってしまった。 その経験から「刃物を持った相手に素手で対処するには打撃技が重要。柔道や柔術には打撃の技術が足りない」と痛感し、さらに中国武術の打撃技の技術の高さに注目して少林拳系の中国武術を習得。 元々習得していた柔術に中国武術の打撃技を組み込んで体系化して少林寺拳法と名付ける。 第二次大戦後、日本の荒れている若者たちとの交流から教育の大切さを痛感して故郷である四国で若者たちの更生に乗り出し、その際に若者の教育の一環として少林寺拳法の指導を行ったことで日本各地に広まることとなった。 *【特色】 ・&bold(){急所攻撃が基本} 少林寺拳法と空手や柔道などの他の現代武道との大きな違いの一つは急所攻撃(目、金的)が基本のコンビネーションに組み込まれていることだろう。 様々な状況から的確に相手の目や金的を攻撃できるように洗練された急所攻撃技術が充実している。 これは少林寺拳法が護身術であり、体格差のある相手に襲われても制圧できるようにというコンセプトからである。 ただし、眼球や睾丸を破壊して相手に重傷を負わせるような技法はなく、急所攻撃による痛みで相手を怯ませてから柔法(関節技や投げ技)で動けなくするのが基本。 いくら護身のためとはいえ相手に重傷を負わせてしまうと自分が過剰防衛で逮捕されてしまうし逆恨みされて復讐される恐れもある。 なので不必要に相手を傷つけないのが少林寺拳法の基本コンセプトである。 ・&bold(){打撃と組み技のコンビネーションが豊富} 打撃技から関節技や投げ技に移行する、関節技を極めながら打撃を打ち込むなど、打撃と組み技が有機的に結びついているのが特色。 少林寺拳法が柔術と中国拳法の融合した武道であるためだろう。 とはいえ、元々日本古流武術では打撃と組み技が両立しているものも多く、日本古武術から発展した日本拳法なども打撃と組み技のコンビネーションは豊富である。 ・&bold(){打撃技が回避動作と一体化している} 空手やボクシングなどでは打撃は体を安定させて打つことが多い。これは打撃に体重を乗せて破壊力を高めるためだが、少林寺拳法の打撃は攻撃の際に体を横や斜め前に大きめにスライドさせてから打つのが基本。 これは相手の攻撃をかわしながら打撃を打つという想定のため。 なので少林寺拳法の打撃は基本的には自分からは打たず、相手の攻撃に対するカウンターで使うことを想定している。 また、そのために一撃の威力はあまり高くないために素早い連続打撃で相手を倒すことを想定した型となっている。 熟練者の素早い連続攻撃はちょっとカンフー映画っぽい。 ・&bold(){防御が払う動きがメイン} 空手やボクシングなどは防御するときは相手の攻撃を受け止めてブロックするのがメインなのに対して少林寺拳法では相手の手足を横や斜めに払って受け流すように防ぐのが基本。 元々宗道臣がナイフで襲われた経験から構築された武術だけあって、刃物による攻撃を防ぐことを想定しているためである。 *【少林寺拳法は弱い?】 実のところ、少林寺拳法は弱いというイメージを持っている人もけっこう多い。 実際少林寺拳法をやっている人は空手や柔道、ボクシングなどをやっている人に比べてあまり体を鍛えておらず、実際に試合をすると弱いことが多い。 しかし元々の少林寺拳法は非常に実戦的で強力な武道だった。 なのになぜ現代では少林寺拳法は弱いというイメージになってしまったのか? これには歴史的な理由がある。 開祖である宗道臣が存命のころは日本は高度経済成長期前で治安が悪い時代だったために荒んだ若者が多く、少林寺拳法はそういう力を持て余した若者たちを更生するためにかなり厳しいトレーニングを行っていた。 時にはヤクザと激しい抗争を行っていた時もあったほどである。 しかし日本が高度経済成長期を迎えて豊かになり治安が向上してくると少林寺拳法はその荒々しさからヤクザやチンピラがやる武道というイメージを持たれて入門者がどんどん減っていってしまった。 そのために少林寺拳法の経営陣はイメージ改善のために「上品で清く正しい精神修養を主眼とした武道」「女子供でもできる護身術」というイメージを打ち出し、辛い基礎鍛錬や怪我の恐れのある組手を無くして型練習主体の練習方法に変えてしまったのである。 結果、イメージ改善には成功して日本全体に普及したものの組手を重視する空手や柔道に比べて実戦性が低下して弱いというイメージになってしまったのである。 とはいえ、技法自体は実戦的であることは確かであり、現在でも厳しいトレーニングや組手をやっているガチ勢向けの道場やクラブもあり、そういうところの選手はかなり強い。 アニヲタ的に有名どころでは[[バキシリーズ]]の作者である[[板垣啓介]]氏は少林寺拳法の有段者かつ陸上自衛隊であり、少林寺拳法の経験を活かして自衛隊内のボクシング部で大暴れしていたりする。 また、リアルな喧嘩と格闘技描写でマニアックな人気を博した喧嘩漫画[[ホーリーランド]]の作者である森垣二氏は身長180cm以上の大柄な体格かつ空手の有段者であり空手の試合でも活躍していた猛者だったが、通っていた大学の少林寺拳法部の部員に勝負を挑んだどころ攻撃を全て捌かれて負けてしまったことをインタビューで語っている。また、そのことからホーリーランドでは少林寺拳法の使い手を作中最強クラスとして描いている。 *【主な少林寺拳法経験者】 ・[[若本規夫]]:声優・元機動隊 ・[[朴璐美>朴ロ美]]:声優・特技に少林寺拳法を挙げている ・[[杉田智和]]:声優・高校時代に少林寺拳法部に所属していた(初段) ・角田信朗:空手家(中学時代に少林寺拳法を学んだ) ・筧利夫:俳優(三段) ・吉川晃司:歌手 ・坂口拓:アクション俳優 ・佐藤健:俳優(5歳の時に6年間少林寺拳法を学んだ) ・谷垣健治:映画監督(前述の佐藤氏が主演を務めた実写映画『[[るろうに剣心>るろうに剣心(実写映画)]]』シリーズでアクション監督を担当) ・千葉真一:俳優(二段) ・戸田恵梨香:女優(初段・父親も少林寺拳法を学んでいた) ・真夏竜:俳優(初段) ・青島心:女優(黒帯所有者・[[ツムリ>ツムリ(仮面ライダーギーツ)]]役で出演した『[[仮面ライダーギーツ]]』でもその片鱗を見せた) ・出雲銀河:電童操縦者 ・[[池沢佳主馬]]:キングカズマ※映画『[[サマーウォーズ]]』の登場人物 ・[[GACKT>Gackt]]:シンガーソングライターにして[[一流芸能人>芸能人格付けチェック]] ・[[hyde>hyde(人物)]]:L'Arc~en~Cielのボーカル(何気に五段の有力者) ・板垣啓介:漫画家、元陸上自衛隊第一空挺団所属。   追記こそ己の依るべ、追記をおきて誰に依るべぞ よく整えし修正こそまこと得がたき依るべなり #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,6) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 刃牙では安定のかませ -- 名無しさん (2014-02-11 01:26:43) - ちなみに中国にも少林拳なんて存在しない、正しくは少林武術 -- 名無しさん (2014-05-31 20:43:12) - ジェットリーが『少林寺』の撮影で少林拳学ぼうとしたら、伝承者が軒並み文革でピーされていて誰も居なかったので、やむなく日本の少林寺拳法学びに行ったのは有名な話。 -- 名無しさん (2016-03-20 13:26:53) - 開祖の人は中国で義和団事件の生き残りの人から学んだと聞いた>中国武術少林拳とは別物 -- 名無しさん (2016-03-20 14:54:23) - 紛らわしい名前つけるなって前から思ってた。 -- セイ (2020-05-05 07:51:57) - 開祖の宗道臣は漢字三文字なので中国人っぽいけど実際は日本人の古流柔術家だったりする。 -- 名無しさん (2023-08-22 21:22:38) - ↑確か開祖って元々別の名前だったのを改名したんだっけ?そもそも学んだうえでは特攻隊あたりに病気で入れずスパイとして中国に渡ったのは学んだんだけどそこら辺うろ覚えで -- 名無しさん (2023-08-22 21:44:18) - ↑中野 理男(なかの みちお)→中野 道臣(なかの みちおみ)→宗 道臣(そう どうしん)という変遷 -- 名無しさん (2023-08-22 21:59:25) #comment #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: