陰摩羅鬼の瑕(小説)

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&font(#6495ED){登録日}:2011/06/22(水) 05:08:57 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){この人の論旨には瑕がある。} &blankimg(SekienOnmoraki.jpg,width=76,height=102) ●陰摩羅鬼 &font(b,i){蔵經の中に} &font(b,i){初て新なる屍の氣変じて} &font(b,i){陰摩羅鬼となると云へり} &font(b,i){そのかたち鶴の如くして} &font(b,i){色くろく目の光ともしびのごとく} &font(b,i){羽をふるひて鳴声たかしと} &font(b,i){清尊録にあり} *■&ruby(おんもらき){陰摩羅鬼}の&ruby(きず){瑕} [[京極夏彦]]の小説作品。 「[[妖怪シリーズ>妖怪シリーズ(小説)]]」の第八作で、シリーズに一旦ピリオドが打たれた前作『[[塗仏の宴>塗仏の宴 宴の始末(小説)]]』より約5年を経て再開された長編シリーズの始まりとなった作品である。 ……その為か敢えてシリーズの第一作である『[[姑獲鳥の夏>姑獲鳥の夏(小説)]]』と似た雰囲気の作品となっているのが特徴で、その他にも本作が発売された当時に節目(前年の02年は生誕100年に当たり『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』に京極夏彦は本作の一部を先行掲載している。)を迎えていた江戸川乱歩と並ぶ本邦探偵小説界の巨人・[[横溝正史]]へのオマージュも捧げられている。 03年に「講談社ノベルス」より新書版が刊行。 現在は文庫版も存在する。 *【概要】 昭和二十八年の夏の頃……。 小説家・関口巽は友人である視力を喪ってしまった探偵・榎木津礼二郎と共に長野は白樺湖近くの「嫁いだ新婦が死ぬ」と云う死の支配する呪われた「鳥の城」へと足を踏み入れる。 ……「伯爵」の5番目の花嫁の生命を守る為に……。 果たして、23年前(昭和5年)、19年前(昭和9年)、15年前(昭和13年)、8年前(昭和21年)と4度に渡り花嫁の生命を奪ったのは何者なのか……? そして、関口が至った「真相」とは……京極堂が解き明かす館に巣喰う「陰摩羅鬼」の正体とは……。 *【事件関係者】 ・伊庭銀四郎 「これが……黒い鶴」 長野県警を経て警視庁に拾われた“眼力の伊庭銀”と異名をとった元警部補で19年前と15年前の「鳥の城」の事件を担当した。 木場の訪問を受け、自らが事件を通して負っていた「疵」を思い出す。 本作に先駆けて『古庫裏婆』に登場している。 死別した妻の淑子の旧姓は栄田。 ・由良胤篤 「色のついたささでは調子が出ますまいが……」 先々代の公篤伯爵の末弟で、現在は親族会の代表を務める老人。 有徳商事と云う会社の会長を務める商売人で、由良家の財産を管理する奉賛会も取り仕切っている。 自らを弾き出した華族制度への批判を誰彼構わずに口にするが、その裏に見え隠れする報われぬ憧憬を関口に看破される。 ・由良公滋 「まあ……伯爵は犯人じゃないんだ」 胤篤の息子だが妾腹で、23年前の婚礼の頃に引き取られて以来、4度の婚礼にも立ち会って来た。 40間近の擦れた男。 ・山形州朋 「山形州朋、個人の意志で、今宵はこの怪談に居とう御座居ます。」 父が先々代公篤伯爵の門下であった縁から若い時分より由良家に仕えて来た執事。 メイド頭の栗林房子と共に館を取り仕切る。 ・栄田庸治郎 公篤伯爵に雇われた腕の良い剥製職人で、行房の代にはその研究を助けて部屋をあてがわれて、館を埋める無数の鳥の剥製を作っていた。 ・由良公篤 先々代の由良家の当主で、白樺湖が出来る以前の人外魔境の地に「鳥の城」を作らせた張本人。 高名な儒学者としても知られていた。 ・由良行房 先代の由良家の当主で、父同様に儒学を学ぶが、それ以上に在野の博物学者として、特に鳥類研究に於て一部に名の知られる存在であったと云うが……。 胤篤老人が特に批判をする人物で、息子の昂允が成人するのを待っていたかの様に46歳の若さで早世している。 ・奥貫薫子 「私は死にません。死ぬ気はありません。死んではいけないのです」 分校で教師をしていた、凛とした美しい人……。 「伯爵」こと由良昂允の妻となる事を決意した5番目の花嫁であり、伯爵のために自らは決して死んではならないと関口に語る。 ……関口は純粋な彼女の魂に触れ、同化し、激しく事件にのめり込む事になる。 ・由良昂允 「貴方にとって生きて居ることと云うのはどのような意味を持つのです……」 旧華族・由良元伯爵家の現在の当主。 身体が弱く、成人するまでの間を館で過ごし乍らも、遺された膨大な書物から外の世界を識った聡明な人物。 華族制度は解体されているが、外部の人間からはやはり「伯爵」と呼ばれている。 祖父、父と同様に儒学を学び、自らも文を記す。 兼ねてより著作を通じて興味を抱いていた関口を迎え入れ、彼と親交を結ぶが……。 過去、4度に渡り花嫁の生命が初夜の明けた朝に奪われた経験から当然の様に警察にも疑われているが、伯爵を犯人と考える辻褄の合わなくなる理不尽さから、いずれも捜査線上からは外されて来た。 *【警察関係者】 ・中澤 長野県警警部。 華族に偏見があり、やや独断が過ぎる衒いがある。 ・楢木 長野県警警部補。 8年前の事件の担当捜査員で、伊庭に照会を求めた張本人。 有能な上に人当たりが良い好人物。 ・大鷹 警察には全く不向きな若い刑事。 奥貫薫子とは顔見知りだった。 ・寺井 薦田村の駐在。 到着した伊庭を迎え入れた他、館の警備にも参加。 *【主要登場人物・その他】 ・柴利鷹 「本邦のウブメと大陸の姑獲鳥が同一視されるようになった原因はですね、二つを同定した人物が居たからです」 ……新手の妖怪バカ。 現実の新手の妖怪バカである、木場貴俊氏がモデル。 ・横溝正史 「由良伯爵は。まるで理解してくれないのだね、これが……。」 本邦探偵小説界の巨人。 『本陣殺人事件』にて登場した名探偵・金田一耕助を生み出した張本人。 関口はこの巨人との邂逅(『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』に先行掲載)により恢復に向かったと述懐している他、その人物……由良昂允元伯爵の情報を知らずに得ていた。 ・里村紘市 「それはもう綺麗に仕上げましたので」 嘱託監察医。 解剖が趣味だが、遺体の修繕もお手の物。 ・[[木場修太郎]](四角) 「ボケカス馬鹿の揃い踏みだ」 東京警視庁麻布署捜査一課の四角い刑事。 新しい仇名は野武士。 今回はチョイ役だが、このすぐ後に『瓶長』事件に巻き込まれたらしい。 ……以下のボケ、カス、馬鹿のポン友(同類)。 *【ボケ・カス・馬鹿】 ※本シリーズの中心。 ・[[関口巽]](カス) 「伯爵!駄目です!部屋に」 小説家。 伊豆での事件を経て大横溝との邂逅に漸く恢復の兆しを見せた矢先に今回の哀しい事件に巻き込まれる。 本作の事実上の主役。 ・[[榎木津礼二郎]](ボケ) 「おお!そこに人殺しが居る!」 天然探偵。 熱の所為で一時的に視力(まともな方の)を喪った天然探偵。 ……もし、榎木津の眼が見えていたなら「事件」は起こらなかったのだろうか……それとも……? ・[[中禅寺秋彦>中禅寺秋彦(京極堂)]](馬鹿) 「関口君、よもやこんなところで君に会うことになろうとは二日前までは考えもしなかったが……どうやら君も真相に至っているようだな」 古本屋。 古書肆「京極堂」主人で、自らもその名で呼ばれる。 過去の「疵」が何処で付いたのかを知りに来た伊庭……。 そして、特に困った友人(知人)である関口と榎木津が巻き込まれている事を知り、腰を上げた憑物落としの拝み屋。 仏頂面が一気に二段階も更新された。 *【余談】 作中作である『獨弔』(作:関口巽)は『死の本 The Book of Death』(98年)に掲載された作品を加筆、修正した作品である。 ※以下、若干のネタバレ。 #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){私はゆっくりと、鳥の女王から視線を降ろす。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){薫子が眠っていた。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){昨日の朝と全く変わらない。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){迚も安らかな、綺麗な寝顔である。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){昨日見た時は死んでいたのに……。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){何だ、矢っ張り生きて居るじゃないか。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){何と愚かな騒ぎだろう。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){この三日間の狂騒はいったい何だったのだ。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){何も起きていないじゃないか。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ねえ、伯爵……。}}}} 吾、いまだ項目立てを知らず、焉んぞ全消しを知らず……。 #center(){夏がまた終わるなと、} #center(){私達はそう思った。} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 関口巽覚醒回 -- 名無しさん (2014-08-28 08:55:52) - 正直、今までのシリーズと比べるとイマイチだった。何のオチもないっていうか、オチが見てわかるというか・・・ -- 名無しさん (2014-08-28 13:05:01) - 生死の概念て、確かに良く分からんよね -- 名無しさん (2014-08-28 13:10:37) - なんかやるせなかったわコレ -- 名無しさん (2014-08-28 15:44:08) - ↑ 後巷説百物語に収録された赤えいの話もそうだが、価値観の差異って本当どうしようもない。 -- 名無しさん (2015-11-06 15:47:12) - 「おんもらき」て読むのか…ずっと「いんまらおに」だと思ってたよ… -- 名無しさん (2016-11-20 20:29:35) - 季節といい真相といいあの夏を思い出して辛くなるな…、 -- 名無しさん (2021-05-26 14:07:42) - シリーズ1悲惨な犯人。事件後どうなっているかが気になるが再登場あるかな -- 名無しさん (2022-01-28 23:58:58) - 執事の一番の見せ場のシーン、引用するなら誤字やめたってや -- 名無しさん (2023-09-10 22:21:38) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2011/06/22(水) 05:08:57 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){この人の論旨には瑕がある。} &blankimg(SekienOnmoraki.jpg,width=76,height=102) ●陰摩羅鬼 &font(b,i){蔵經の中に} &font(b,i){初て新なる屍の氣変じて} &font(b,i){陰摩羅鬼となると云へり} &font(b,i){そのかたち鶴の如くして} &font(b,i){色くろく目の光ともしびのごとく} &font(b,i){羽をふるひて鳴声たかしと} &font(b,i){清尊録にあり} *■&ruby(おんもらき){陰摩羅鬼}の&ruby(きず){瑕} [[京極夏彦]]の小説作品。 「[[妖怪シリーズ>妖怪シリーズ(小説)]]」の第八作で、シリーズに一旦ピリオドが打たれた前作『[[塗仏の宴>塗仏の宴 宴の始末(小説)]]』より約5年を経て再開された長編シリーズの始まりとなった作品である。 ……その為か敢えてシリーズの第一作である『[[姑獲鳥の夏>姑獲鳥の夏(小説)]]』と似た雰囲気の作品となっているのが特徴で、その他にも本作が発売された当時に節目(前年の02年は生誕100年に当たり『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』に京極夏彦は本作の一部を先行掲載している。)を迎えていた江戸川乱歩と並ぶ本邦探偵小説界の巨人・[[横溝正史]]へのオマージュも捧げられている。 03年に「講談社ノベルス」より新書版が刊行。 現在は文庫版も存在する。 *【概要】 昭和二十八年の夏の頃……。 小説家・関口巽は友人である視力を喪ってしまった探偵・榎木津礼二郎と共に長野は白樺湖近くの「嫁いだ新婦が死ぬ」と云う死の支配する呪われた「鳥の城」へと足を踏み入れる。 ……「伯爵」の5番目の花嫁の生命を守る為に……。 果たして、23年前(昭和5年)、19年前(昭和9年)、15年前(昭和13年)、8年前(昭和21年)と4度に渡り花嫁の生命を奪ったのは何者なのか……? そして、関口が至った「真相」とは……京極堂が解き明かす館に巣喰う「陰摩羅鬼」の正体とは……。 *【事件関係者】 ・伊庭銀四郎 「これが……黒い鶴」 長野県警を経て警視庁に拾われた“眼力の伊庭銀”と異名をとった元警部補で19年前と15年前の「鳥の城」の事件を担当した。 木場の訪問を受け、自らが事件を通して負っていた「疵」を思い出す。 本作に先駆けて『古庫裏婆』に登場している。 死別した妻の淑子の旧姓は栄田。 ・由良胤篤 「色のついたささでは調子が出ますまいが……」 先々代の公篤伯爵の末弟で、現在は親族会の代表を務める老人。 有徳商事と云う会社の会長を務める商売人で、由良家の財産を管理する奉賛会も取り仕切っている。 自らを弾き出した華族制度への批判を誰彼構わずに口にするが、その裏に見え隠れする報われぬ憧憬を関口に看破される。 ・由良公滋 「まあ……伯爵は犯人じゃないんだ」 胤篤の息子だが妾腹で、23年前の婚礼の頃に引き取られて以来、4度の婚礼にも立ち会って来た。 40間近の擦れた男。 ・山形州朋 「山形州朋、個人の意志で、今宵はこの怪談に居とう御座居ます。」 父が先々代公篤伯爵の門下であった縁から若い時分より由良家に仕えて来た執事。 メイド頭の栗林房子と共に館を取り仕切る。 ・栄田庸治郎 公篤伯爵に雇われた腕の良い剥製職人で、行房の代にはその研究を助けて部屋をあてがわれて、館を埋める無数の鳥の剥製を作っていた。 ・由良公篤 先々代の由良家の当主で、白樺湖が出来る以前の人外魔境の地に「鳥の城」を作らせた張本人。 高名な儒学者としても知られていた。 ・由良行房 先代の由良家の当主で、父同様に儒学を学ぶが、それ以上に在野の博物学者として、特に鳥類研究に於て一部に名の知られる存在であったと云うが……。 胤篤老人が特に批判をする人物で、息子の昂允が成人するのを待っていたかの様に46歳の若さで早世している。 ・奥貫薫子 「私は死にません。死ぬ気はありません。死んではいけないのです」 分校で教師をしていた、凛とした美しい人……。 「伯爵」こと由良昂允の妻となる事を決意した5番目の花嫁であり、伯爵のために自らは決して死んではならないと関口に語る。 ……関口は純粋な彼女の魂に触れ、同化し、激しく事件にのめり込む事になる。 ・由良昂允 「貴方にとって生きて居ることと云うのはどのような意味を持つのです……」 旧華族・由良元伯爵家の現在の当主。 身体が弱く、成人するまでの間を館で過ごし乍らも、遺された膨大な書物から外の世界を識った聡明な人物。 華族制度は解体されているが、外部の人間からはやはり「伯爵」と呼ばれている。 祖父、父と同様に儒学を学び、自らも文を記す。 兼ねてより著作を通じて興味を抱いていた関口を迎え入れ、彼と親交を結ぶが……。 過去、4度に渡り花嫁の生命が初夜の明けた朝に奪われた経験から当然の様に警察にも疑われているが、伯爵を犯人と考える辻褄の合わなくなる理不尽さから、いずれも捜査線上からは外されて来た。 *【警察関係者】 ・中澤 長野県警警部。 華族に偏見があり、やや独断が過ぎる衒いがある。 ・楢木 長野県警警部補。 8年前の事件の担当捜査員で、伊庭に照会を求めた張本人。 有能な上に人当たりが良い好人物。 ・大鷹 警察には全く不向きな若い刑事。 奥貫薫子とは顔見知りだった。 ・寺井 薦田村の駐在。 到着した伊庭を迎え入れた他、館の警備にも参加。 *【主要登場人物・その他】 ・柴利鷹 「本邦のウブメと大陸の姑獲鳥が同一視されるようになった原因はですね、二つを同定した人物が居たからです」 ……新手の妖怪バカ。 現実の新手の妖怪バカである、木場貴俊氏がモデル。 ・横溝正史 「由良伯爵は。まるで理解してくれないのだね、これが……。」 本邦探偵小説界の巨人。 『本陣殺人事件』にて登場した名探偵・金田一耕助を生み出した張本人。 関口はこの巨人との邂逅(『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』に先行掲載)により恢復に向かったと述懐している他、その人物……由良昂允元伯爵の情報を知らずに得ていた。 ・里村紘市 「それはもう綺麗に仕上げましたので」 嘱託監察医。 解剖が趣味だが、遺体の修繕もお手の物。 ・[[木場修太郎]](四角) 「ボケカス馬鹿の揃い踏みだ」 東京警視庁麻布署捜査一課の四角い刑事。 新しい仇名は野武士。 今回はチョイ役だが、このすぐ後に『瓶長』事件に巻き込まれたらしい。 ……以下のボケ、カス、馬鹿のポン友(同類)。 *【ボケ・カス・馬鹿】 ※本シリーズの中心。 ・[[関口巽]](カス) 「伯爵!駄目です!部屋に」 小説家。 伊豆での事件を経て大横溝との邂逅に漸く恢復の兆しを見せた矢先に今回の哀しい事件に巻き込まれる。 本作の事実上の主役。 ・[[榎木津礼二郎]](ボケ) 「おお!そこに人殺しが居る!」 天然探偵。 熱の所為で一時的に視力(まともな方の)を喪った天然探偵。 ……もし、榎木津の眼が見えていたなら「事件」は起こらなかったのだろうか……それとも……? ・[[中禅寺秋彦>中禅寺秋彦(京極堂)]](馬鹿) 「関口君、よもやこんなところで君に会うことになろうとは二日前までは考えもしなかったが……どうやら君も真相に至っているようだな」 古本屋。 古書肆「京極堂」主人で、自らもその名で呼ばれる。 過去の「疵」が何処で付いたのかを知りに来た伊庭……。 そして、特に困った友人(知人)である関口と榎木津が巻き込まれている事を知り、腰を上げた憑物落としの拝み屋。 仏頂面が一気に二段階も更新された。 *【余談】 作中作である『獨弔』(作:関口巽)は『死の本 The Book of Death』(98年)に掲載された作品を加筆、修正した作品である。 ※以下、若干のネタバレ。 #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){私はゆっくりと、鳥の女王から視線を降ろす。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){薫子が眠っていた。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){昨日の朝と全く変わらない。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){迚も安らかな、綺麗な寝顔である。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){昨日見た時は死んでいたのに……。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){何だ、矢っ張り生きて居るじゃないか。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){何と愚かな騒ぎだろう。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){この三日間の狂騒はいったい何だったのだ。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){何も起きていないじゃないか。}}}} #center(){&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ねえ、伯爵……。}}}} 吾、いまだ項目立てを知らず、焉んぞ全消しを知らず……。 #center(){夏がまた終わるなと、} #center(){私達はそう思った。} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 関口巽覚醒回 -- 名無しさん (2014-08-28 08:55:52) - 正直、今までのシリーズと比べるとイマイチだった。何のオチもないっていうか、オチが見てわかるというか・・・ -- 名無しさん (2014-08-28 13:05:01) - 生死の概念て、確かに良く分からんよね -- 名無しさん (2014-08-28 13:10:37) - なんかやるせなかったわコレ -- 名無しさん (2014-08-28 15:44:08) - ↑ 後巷説百物語に収録された赤えいの話もそうだが、価値観の差異って本当どうしようもない。 -- 名無しさん (2015-11-06 15:47:12) - 「おんもらき」て読むのか…ずっと「いんまらおに」だと思ってたよ… -- 名無しさん (2016-11-20 20:29:35) - 季節といい真相といいあの夏を思い出して辛くなるな…、 -- 名無しさん (2021-05-26 14:07:42) - シリーズ1悲惨な犯人。事件後どうなっているかが気になるが再登場あるかな -- 名無しさん (2022-01-28 23:58:58) - 執事の一番の見せ場のシーン、引用するなら誤字やめたってや -- 名無しさん (2023-09-10 22:21:38) - 伯爵にネグレクトかました親父が1番悪いよこれ -- 名無しさん (2023-11-25 08:33:31) #comment #areaedit(end) }

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