骨髄移植

「骨髄移植」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

骨髄移植」(2023/09/08 (金) 16:56:22) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2011/08/11(木) 20:06:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- &bold(){&color(red,yellow){※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください}} 骨髄移植とは、白血病などの血液の病気の患者に、正常な骨髄を移植する治療法のこと。   ◆骨髄って? 簡単に言うと骨の中にある液体(以下骨髄液)で、[[ラーメン]]とかの鶏ガラとかと一緒。この骨髄の中には造血幹細胞と言うものが沢山ある。 この造血幹細胞は赤血球や白血球、血小板などのあらゆる血液の中の細胞の元みたいなもの。 白血病はこの造血幹細胞が異常をきたし、正常な血球を作れなくなる病気。 ◆骨髄移植って? ドナーから骨髄液をもらって、それを患者に移植すること 腰らへんの骨から骨髄液を採取し、それを点滴と同様に患者の静脈から入れる。 患者にとっては大変辛い治療だが、ドナーにとっては命に関わるような大手術ではない。 これが患者の中に着床して、血液成分をつくり始めると成功となる。   ◆他の移植法 骨髄移植とは骨髄の中にある造血幹細胞を移植すること。 なので、造血幹細胞を確保すれば良く、最近は造血幹細胞を確保する手段が増えたため「造血幹細胞移植」と言われることもある。 ・さい帯血移植 造血幹細胞は「赤ちゃんとお母さんを結ぶさい帯と胎盤の中にある血液」からも沢山取れる。これを患者に移植することで治療する。 ・末梢造血幹細胞移植 造血幹細胞とは赤ちゃんは別として骨髄の中にあるが、特殊な注射で白血球や赤血球にならずそのまま血中に流れさせることが出来る。 これを採取し、血中から幹細胞を取り出し、残った血液をドナーに戻す。そして患者に造血幹細胞を移植する。 前述のように骨髄移植とはドナーにとってはそれほど大きな手術ではないにしろ、全身麻酔をするため負担はかかる。これを軽減させるための方法。 また、これを用いて健康な時の造血幹細胞を予め取っておいて、病気になった時に移植する自己末梢造血幹細胞移植と言うものもある。 いずれも素早い移植が可能である。   ◆骨髄移植の流れ ドナーを探す→ドナーが見つかり健康状態を調べる→スケジュールを決め患者に前処置を施す→移植 これが大体の流れ。 ・前処置 移植の大体2週間前から患者に行われる処置。 致死量を超える抗がん剤治療や、放射線治療をして、血中の血球や造血幹細胞を殺し尽くす処置。 簡単に言うと、血液の中を空っぽにすること。 患者には激しい吐き気や脱毛などの辛い副作用が起きる大変辛い治療である。 骨髄機能が低下し、免疫力が弱くなるため無菌室での治療となる。 なお、現在はドラマや映画などのような患者をビニールで覆うような無菌室は少なく、フロア自体が無菌室となっている病院が多い。 ・移植 患者の静脈に骨髄液を点滴する。大体2~4時間ほどかかる。 移植後は拒絶反応や感染病に注意しながら安静に過ごし、骨髄液が働き始め、正常な血液を作るようになると一般病棟に移る。 経過が良好であれば、退院となる。   ◆移植が必要な病気 ・白血病 がん化した血液細胞が増え、正常な血液が作られなくなる病気。 ・再生不良性貧血 造血幹細胞の機能が低下し、免疫力の低下や貧血などが起こる病気。   ◆HLA型 赤血球のABO型と同じ様に、白血球にも型がある。それがHLA型で骨髄移植にはこれが一致するドナーが必要。 このHLA型は赤血球のABO型とは比較にならないほど多いため、一致するドナーを見つけるには困難と言わざるを得ないが、 現在は完全に一致しなくても良いことがわかり移植が出来るドナーは増えている傾向にある。 なお、骨髄移植には必ずしも赤血球のABO型が一致しなくても良いため、ABO型の一致しない骨髄を移植することもある。 そのため、移植後は血液型が変わることもあり、血液型が変わるほどの辛い治療ということである。 ◆骨髄移植の弊害 骨髄移植は前処置として、致死量を超える抗がん剤治療や放射線治療を行う。そのため患者は極めて高い確率で不妊になる。 現在は男性ならば精子を予め取っておいたり、女性ならば卵巣を守る方法もあるが、これらが徹底されることは多くはない。 また、合併症や後遺症のリスクが高いため、前述も合わせて治療前後のQOLを配慮したインフォームドコンセントが重要であり今後の課題と言える。   ◆ドナーになるには ドナー登録するには条件がある。以下の通り ・骨髄、末梢造血幹細胞の提供について十分な理解がある ・18歳以上、54歳以下で健康である ・体重が男なら45キロ、女なら40キロ以上 これらをクリアしているのなら、骨髄バンクの施設やネット等で申し込みする。 なお実際に提供出来るのは20歳以上で、55歳で提供出来なくなる。   余談だが、移植をした患者は、同一個体内に異なる遺伝子があるいわゆる「ヒトキメラ」と言う存在になる。 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - スーパードクターKで骨髄移植して血液型変えた女性いたっけな… -- 名無しさん (2014-02-11 23:32:14) - プロセスを読んで(特に前処置)、なんか少し具合悪くなった; -- 名無しさん (2015-05-02 19:26:34) - 精子のDNAがドナーのものになる事例がなかったっけ... -- 名無しさん (2020-08-30 16:42:32) - 精子じゃなくて精液だね。精子って誤植してる記事もあるけど -- 名無しさん (2020-08-30 20:49:42) - 自分の命を他人に分け与えるような治療よね.. -- 名無しさん (2020-10-04 10:07:34) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2011/08/11(木) 20:06:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- &bold(){&color(red,yellow){※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください}} 骨髄移植とは、白血病などの血液の病気の患者に、正常な骨髄を移植する治療法のこと。   ◆骨髄って? 簡単に言うと骨の中にある液体(以下骨髄液)で、[[ラーメン]]とかの鶏ガラとかと一緒。この骨髄の中には造血幹細胞と言うものが沢山ある。 この造血幹細胞は赤血球や白血球、血小板などのあらゆる血液の中の細胞の元みたいなもの。 白血病はこの造血幹細胞が異常をきたし、正常な血球を作れなくなる病気。 ◆骨髄移植って? ドナーから骨髄液をもらって、それを患者に移植すること 腰らへんの骨から骨髄液を採取し、それを点滴と同様に患者の静脈から入れる。 患者にとっては大変辛い治療だが、ドナーにとっては命に関わるような大手術ではない。 これが患者の中に着床して、血液成分をつくり始めると成功となる。   ◆他の移植法 骨髄移植とは骨髄の中にある造血幹細胞を移植すること。 なので、造血幹細胞を確保すれば良く、最近は造血幹細胞を確保する手段が増えたため「造血幹細胞移植」と言われることもある。 ・さい帯血移植 造血幹細胞は「赤ちゃんとお母さんを結ぶさい帯と胎盤の中にある血液」からも沢山取れる。これを患者に移植することで治療する。 ・末梢造血幹細胞移植 造血幹細胞とは赤ちゃんは別として骨髄の中にあるが、特殊な注射で白血球や赤血球にならずそのまま血中に流れさせることが出来る。 これを採取し、血中から幹細胞を取り出し、残った血液をドナーに戻す。そして患者に造血幹細胞を移植する。 前述のように骨髄移植とはドナーにとってはそれほど大きな手術ではないにしろ、全身麻酔をするため負担はかかる。これを軽減させるための方法。 また、これを用いて健康な時の造血幹細胞を予め取っておいて、病気になった時に移植する自己末梢造血幹細胞移植と言うものもある。 いずれも素早い移植が可能である。   ◆骨髄移植の流れ ドナーを探す→ドナーが見つかり健康状態を調べる→スケジュールを決め患者に前処置を施す→移植 これが大体の流れ。 ・前処置 移植の大体2週間前から患者に行われる処置。 致死量を超える抗がん剤治療や、放射線治療をして、血中の血球や造血幹細胞を殺し尽くす処置。 簡単に言うと、血液の中を空っぽにすること。 患者には激しい吐き気や脱毛などの辛い副作用が起きる大変辛い治療である。 骨髄機能が低下し、免疫力が弱くなるため無菌室での治療となる。 なお、現在はドラマや映画などのような患者をビニールで覆うような無菌室は少なく、フロア自体が無菌室となっている病院が多い。 ・移植 患者の静脈に骨髄液を点滴する。大体2~4時間ほどかかる。 移植後は拒絶反応や感染病に注意しながら安静に過ごし、骨髄液が働き始め、正常な血液を作るようになると一般病棟に移る。 経過が良好であれば、退院となる。   ◆移植が必要な病気 ・白血病 がん化した血液細胞が増え、正常な血液が作られなくなる病気。 ・再生不良性貧血 造血幹細胞の機能が低下し、免疫力の低下や貧血などが起こる病気。   ◆HLA型 赤血球のABO型と同じ様に、白血球にも型がある。それがHLA型で骨髄移植にはこれが一致するドナーが必要。 このHLA型は赤血球のABO型とは比較にならないほど多いため、一致するドナーを見つけるには困難と言わざるを得ないが、 現在は完全に一致しなくても良いことがわかり移植が出来るドナーは増えている傾向にある。 なお、骨髄移植には必ずしも赤血球のABO型が一致しなくても良いため、ABO型の一致しない骨髄を移植することもある。 そのため、移植後は血液型が変わることもあり、血液型が変わるほどの辛い治療ということである。 ◆骨髄移植の弊害 骨髄移植は前処置として、致死量を超える抗がん剤治療や放射線治療を行う。そのため患者は極めて高い確率で不妊になる。 現在は男性ならば精子を予め取っておいたり、女性ならば卵巣を守る方法もあるが、これらが徹底されることは多くはない。 また、合併症や後遺症のリスクが高いため、前述も合わせて治療前後のQOLを配慮したインフォームドコンセントが重要であり今後の課題と言える。   ◆ドナーになるには ドナー登録するには条件がある。以下の通り ・骨髄、末梢造血幹細胞の提供について十分な理解がある ・18歳以上、54歳以下で健康である ・体重が男なら45キロ、女なら40キロ以上 これらをクリアしているのなら、骨髄バンクの施設やネット等で申し込みする。 なお実際に提供出来るのは20歳以上で、55歳で提供出来なくなる。   余談だが、移植をした患者は、同一個体内に異なる遺伝子があるいわゆる「ヒトキメラ」と言う存在になる。 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - スーパードクターKで骨髄移植して血液型変えた女性いたっけな… -- 名無しさん (2014-02-11 23:32:14) - プロセスを読んで(特に前処置)、なんか少し具合悪くなった; -- 名無しさん (2015-05-02 19:26:34) - 精子のDNAがドナーのものになる事例がなかったっけ... -- 名無しさん (2020-08-30 16:42:32) - 精子じゃなくて精液だね。精子って誤植してる記事もあるけど -- 名無しさん (2020-08-30 20:49:42) - 自分の命を他人に分け与えるような治療よね.. -- 名無しさん (2020-10-04 10:07:34) #comment #areaedit(end) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: