Roman(漫画版)

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&font(#6495ED){登録日}:2012/03/19 Mon 05:51:30 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 2008年よりウルトラジャンプにて連載されていた[[Sound Horizon]]のアルバム『[[Roman]]』のコミカライズ。 作者は桂遊生丸。全2巻。 ストーリーは作者の独自解釈によって描かれており、ファンの間で通説あるいは支持者の多い説となっているものとは異なった展開や趣を見せることもある。 原曲に名前のない登場人物等もここでいくらかの命名がされている。他アルバムを知っているとニヤリとする要素も独自に盛り込まれていることも。 また、アルバムの収録順とは連載順が異なっており、加えて単行本では1巻2巻で生と死にまつわる物語を分けるためにさらに順番が入れ替えられた。 ちなみに作者は過去にも『[[Elysion>Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜(Sound Horizon)]]』から「Ark」を前後読み切という形でコミカライズしている。ただし、この一作だけであったためか置いてけぼりを食らったサンホラとは無縁な層も現れた。 そのため、当初ウルトラジャンプの読者層の一部からは連載に対する不安の声も上がっていたりたが、なんだかんだで2話以降からは普通に受け入れられていた。 【物語および主な登場人物】 ※ネタバレ注意 ◆朝と夜の物語(単行本版題)/焔(電子書籍版題) 「朝と夜の物語」と「焔」の物語を並行して描いている。 ○イヴェール 生まれてくる前に死んでゆく冬。何処とも知れぬ場所に存在している。 ちなみにこの作品の世界では生まれてくる前に死んだ子に「冬(イヴェール)」と名付け&footnote(この解釈は本家でも『Nein』『絵馬に願ひを!』で採用されている。)双子の人形と埋葬する風習があり(『呪われた宝石』エンドシーンより)、「美しきもの」内でもモニカの友人のきょうだいが「冬の子」になってしまっている。 ○ヴィオレット&オルタンス 死者への手向けに生まれてきた双子の人形。それぞれ「紫(死)の姫君」・「青(生)の姫君」とも。 ○オリヴィア 戦火から逃れる中、流産してしまった母。叔母の作った双子人形(衣装は上の2人と微妙に異なる)を子の墓に供える。 回想シーンでは髪型がイヴェールに似た夫が登場していたが、『11文字の伝言』での描写を見るに他界した可能性が高いと思われる。 おそらく「朝と夜の物語」はここに物語がまとめられているためか、電子書籍版では「焔」が題として選ばれた。 余談だが後に『Nein』で描かれた本曲のアナザーストーリー「涙では消せない焔」でも、「イヴェールと同じ髪型の夫」が登場していた。 ◆歓びと哀しみの葡萄酒 ○ロレーヌ・ド・サン・ローラン 貴族令嬢。変わってしまった父の政略結婚を前に使用人のネイジュと駆け落ちするものの、追っ手によって彼は殺害。 しかし抜け出し、衝動的に復讐を果たしたのちに母が残し彼の愛した葡萄畑でワインを造り続けその長き生涯に幕を閉じる。 ○仮面の男 父親が雇った追っ手。「残念だったねェ…」&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ 「Ark」ラストでサンホラとは無縁な読者を置いてきぼりにした原因 }}} ◆星屑の革紐 ○エトワール 星の名を冠する生まれつき視力の弱い少女。愛称はエト。愛犬プルーを家族として迎え入れたのち、7年の月日を共に過ごして全盲となる。瞳は青。持っている首輪と革紐は赤。 ○プルー エトの父が貰い受けてきた犬。エトを産み亡くなった母の乗り移り、あるいは生まれ変わり。長き時を共に過ごし、一匹の仔犬を遺して息を引き取った。 ○エトワール父 右腕のない父親。 本誌掲載時は「ローラン」と呼ばれていたが、単行本では後述のレイヨンとの同一人物性を示しやすくするためか「レイ」になっている。 ちなみに作者と父のキャラ名が違う小説版でも同様の設定が採用された。 ◆天使の彫像 ○オーギュスト・ローラン 後の世に語り継がれる彫刻家。最愛の妻の命を奪ってしまった赤子を憎み、そんな自分を恐れて孤児院へと遠ざける。そして見ることの出来なくなった笑顔を求め、天使の彫像を作りあげた。 ○ナタリー オーギュストの妻であり、堅物である彼が唯一心を許している存在。身に危険が及ぶというでの反対を撥ね退けて出産に臨むも、夫が雪で足止めを食っている間に命を落とす。 ◆見えざる腕 ○レイヨン・ローラン 金髪のローラン。戦場にてフランボウに右腕を奪われ、以降は復讐心に憑かれた酒浸りのDV生活を送っていた。 異国の酒場にて再会するも、自分と同じ落ちぶれ方をした相手を見て困惑している間にローランサンによりフランボウが殺害されてしまう。 再度己の人生について考え直した彼は星の光をたよりに歩き出し、恋人ともよりを戻して新たな人生を歩み始めた。 ○フランボウ・ローラン 赤髪のローラン。戦場にてレイヨンを退けた直後、アルヴァレス将軍より右腕を、レイヨンの後輩青年に右目を奪われ以降はアル中ヤク中生活を送っていた。 突如酒場に現れたローランサンにより殺害される。 ○ワロニ レイヨンが右腕を失って以降支え続けてきた恋人。徐々に荒んで暴力を振るうようになった彼をそれでも愛していたが、妊娠を機に子供を守るために出て行ってしまう。 ◆緋色の風車 ○ローランサン 孤児院の少年。愛称はサン。後にイケメン化。物心つく前に向けられたオーギュストの憎悪をトラウマとして抱えており、被害妄想に陥っては他者を遠ざけていたが、同じ孤児院のシエルとは心を通わせ始める。 しかし、町が襲撃を受けた上フランボウにシエルが捕まってしまい、さらにフランボウの向けてくる手にオーギュストのトラウマがフラッシュバックして反射的に逃げ出してしまう。 時は巡り、復讐の黒き剣を手にした彼は異国の酒場にてフランボウを殺害。その後、フランボウの息子によって彼自身もまた命を落とす。 高揚すると背中に翼のような痣が浮かびあがる。また、その服装はベルトだらけのピチピチ黒装束に赤マントと作中でもかなり異質。 後に角川書店から発売された漫画版『Nein』の「涙では消せない焔」(作:加藤よし江)では、彼と似た過去と顔をしながら、「彼女」を失わず「盾」となる事を選び赤髪の将軍を倒した「ローランサン将軍」が登場。 限定版の作者コメントから見てサンのオマージュと思われる。 ○シエル フランボウに捕まった際、提示された死を選ぶか彼の元で生きるかの選択を迫られ、自分を連れて逃げたサンの正しさを証明するために何が何でも生き延びる道を選ぶ。 ローランサンの復讐動機だが実はその時こうして生き延びていた。その後、フランボウとの間に一人子をもうけて死亡。 ○タッシュ シエルとフランボウの息子。衝動的に父の仇打ちに走るが、その際にローランサンが母に近しい人物だと知る。 母について聞き出そうとするも結局はぐらかされ、復讐の無意味さと惨めさを説かれて本人もそれを受け入れた。シエルの少しの間の生を示した彼の存在はローランサンの救いとなった。 &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){基本的にファンからの評価が高い本作だが、この辺りのシエルの選択とサンの納得のくだりについては強引ではないかと意見も。}}} &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){そのせいかは不明だが、小説版でのローランサンは復讐を果たしてもなお空虚を抱え、恨みと悪意に染まり切った赤髪ローランの息子に闇討ちされることになる。}}} ◆呪われし宝石 ○殺戮の女王(レーヌ・ミシェル) 幾多もの持ち主を不幸に陥れた赤色金剛石。作中では白目のない女性の姿として描かれている。 ○賢者(サヴァン) 原曲では出ていないが一足先に登場。とあるレストランにて隣り合わせた客の一人にミシェルの生い立ちについて語っている。 語るだけ語って壇上の歌手の歌も終わりそうだったので一足先にレストランから退場。彼が去った後に残されたのは一礼する歌手ミシェルとレストラン客の屍の山。 ○イヴェール・ローラン 妹の結婚資金のために一念発起して鉱山へ向かった兄。朝と夜のイヴェールよりガタイがいい。ミシェルを掘り当てるものの欲に目の眩んだ経営者によって殺害。 自身を手にした数多の存在を魅了してきたミシェルも、死の間際まで妹を思い続けていた彼だけは虜にできなかった。 ○ノエル イヴェールの妹。親から人形師の才を受け継ぎ、兄がいたころは妹が創り兄が売っていた。 兄の死を受け入れられず、自分で書いた「兄からの手紙」を自分宛てに送り続ける。 やがては本を書き始めるようになり、誰も何も失わない幻想物語(Another Roman)を自身の真実として描きあげた。 その後彼女がどうなったかは不明だが、時が流れた後、屋根裏の様な廃墟と化した彼女の部屋には、壊れた人形(ヴィオレット&オルタンス)が放置されていた…。 ちなみにAnother Romanはタワレコ予約初回限定のアレンジ版タイトル(正確には「朝と夜の物語〜Another Roman Mix〜」)。 ○盗賊イヴェール・ローラン 賢者が語るミシェルの軌跡内に登場。ミシェルを盗み、どこかで見たような人々とすれ違いながら劇場を抜けて見事逃げ出すも、 ミシェルが目覚め、イヴェールの名に反応したせいで、仲間のローランサン達共々取り殺された。 ちなみに盗賊イヴェールの逃走ルート近くにいたエトワール似の少女は、うるさい犬は嫌いと黒猫と一緒だったが… さすがに後の「[[黒髪女性の売る黒猫グラサンが描く【事象】を否定する地平>Nein(Sound Horizon)]]」(発想がノエルのAnother Roman似)に繋がる伏線なんてことはないだろう、多分。 …なお後に書かれた十文字青の小説版では、なぜか本編ノエル(漫画とは別設定)の他に「『ヴァニシング・スターライト』の青年ノエル」(『[[Nein>Nein(Sound Horizon)]]』でレーヌ・ミシェルを視た)の過去が綴られた。果たして「ノエル」と「イヴェール」、「ミシェル」の因果とは…。 ◆美しきもの ○モニカ 部屋から出られない弟のために季節のものや覚えた歌を届けている姉。 弟の死後は彼が最期に遺した歌を伝えるため、弦楽器を手に吟遊詩人となり旅立った。 ○ロラン 生まれつき病弱なモニカの弟。死の間際に姉に歌を遺し、虹を見て微笑み息を引き取った。 ◆黄昏の賢者 ○クロエ 貧困育ちの女性。妊娠して子の歩む未来を考え産むべきか産まざるべきか悩んでいたところで賢者と出会い、彼との対話を経て決意を固めていく。 のちに自らの命と引き換えに、タッシュとの間に双子を出産する。 ○賢者ことクリストフ 持ち前の胡散臭さを存分に生かした紳士。どうやら困っている御嬢さんを見つけては声をかけている模様。レストラン大量怪死事件の関係者として手配されている。 ◆11文字の伝言 それぞれの思いの綴られる「母」たち。提示されたコマの順に11人いる彼女たちの名前を並べると… 愚かな母の唯一の願いです アナタは― &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ ちなみに不穏な結末の可能性を残す屋根裏物語については漫画内で触れられていない(ただしそこへ繋がる伝言配置はされている) }}} 追記・修正をお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ローランサンの納得の部分の違和感は女性作者の感性のまま男キャラを描いてしまったせいかなと。男性読者から見れば単にNTRただけだよ。 -- 名無しさん (2020-06-18 21:50:58) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/03/19 Mon 05:51:30 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 2008年よりウルトラジャンプにて連載されていた[[Sound Horizon]]のアルバム『[[Roman]]』のコミカライズ。 作者は桂遊生丸。全2巻。 ストーリーは作者の独自解釈によって描かれており、ファンの間で通説あるいは支持者の多い説となっているものとは異なった展開や趣を見せることもある。 原曲に名前のない登場人物等もここでいくらかの命名がされている。他アルバムを知っているとニヤリとする要素も独自に盛り込まれていることも。 また、アルバムの収録順とは連載順が異なっており、加えて単行本では1巻2巻で生と死にまつわる物語を分けるためにさらに順番が入れ替えられた。 ちなみに作者は過去にも『[[Elysion>Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜(Sound Horizon)]]』から「Ark」を前後読み切という形でコミカライズしている。ただし、この一作だけであったためか置いてけぼりを食らったサンホラとは無縁な層も現れた。 そのため、当初ウルトラジャンプの読者層の一部からは連載に対する不安の声も上がっていたりたが、なんだかんだで2話以降からは普通に受け入れられていた。 【物語および主な登場人物】 ※ネタバレ注意 ◆朝と夜の物語(単行本版題)/焔(電子書籍版題) 「朝と夜の物語」と「焔」の物語を並行して描いている。 ○イヴェール 生まれてくる前に死んでゆく冬。何処とも知れぬ場所に存在している。 ちなみにこの作品の世界では生まれてくる前に死んだ子に「冬(イヴェール)」と名付け&footnote(この解釈は本家でも『Nein』『絵馬に願ひを!』で採用されている。)双子の人形と埋葬する風習があり(『呪われた宝石』エンドシーンより)、「美しきもの」内でもモニカの友人のきょうだいが「冬の子」になってしまっている。 ○ヴィオレット&オルタンス 死者への手向けに生まれてきた双子の人形。それぞれ「紫(死)の姫君」・「青(生)の姫君」とも。 ○オリヴィア 戦火から逃れる中、流産してしまった母。叔母の作った双子人形(衣装は上の2人と微妙に異なる)を子の墓に供える。 回想シーンでは髪型がイヴェールに似た夫が登場していたが、『11文字の伝言』での描写を見るに他界した可能性が高いと思われる。 おそらく「朝と夜の物語」はここに物語がまとめられているためか、電子書籍版では「焔」が題として選ばれた。 余談だが後に『Nein』で描かれた本曲のアナザーストーリー「涙では消せない焔」でも、「イヴェールと同じ髪型の夫」が登場していた。 ◆歓びと哀しみの葡萄酒 ○ロレーヌ・ド・サン・ローラン 貴族令嬢。変わってしまった父の政略結婚を前に使用人のネイジュと駆け落ちするものの、追っ手によって彼は殺害。 しかし抜け出し、衝動的に復讐を果たしたのちに母が残し彼の愛した葡萄畑でワインを造り続けその長き生涯に幕を閉じる。 ○仮面の男 父親が雇った追っ手。「残念だったねェ…」&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ 「Ark」ラストでサンホラとは無縁な読者を置いてきぼりにした原因 }}} ◆星屑の革紐 ○エトワール 星の名を冠する生まれつき視力の弱い少女。愛称はエト。愛犬プルーを家族として迎え入れたのち、7年の月日を共に過ごして全盲となる。瞳は青。持っている首輪と革紐は赤。 ○プルー エトの父が貰い受けてきた犬。エトを産み亡くなった母の乗り移り、あるいは生まれ変わり。長き時を共に過ごし、一匹の仔犬を遺して息を引き取った。 ○エトワール父 右腕のない父親。 本誌掲載時は「ローラン」と呼ばれていたが、単行本では後述のレイヨンとの同一人物性を示しやすくするためか「レイ」になっている。 ちなみに作者と父のキャラ名が違う小説版でも同様の設定が採用された。 ◆天使の彫像 ○オーギュスト・ローラン 後の世に語り継がれる彫刻家。最愛の妻の命を奪ってしまった赤子を憎み、そんな自分を恐れて孤児院へと遠ざける。そして見ることの出来なくなった笑顔を求め、天使の彫像を作りあげた。 ○ナタリー オーギュストの妻であり、堅物である彼が唯一心を許している存在。身に危険が及ぶというでの反対を撥ね退けて出産に臨むも、夫が雪で足止めを食っている間に命を落とす。 ◆見えざる腕 ○レイヨン・ローラン 金髪のローラン。戦場にてフランボウに右腕を奪われ、以降は復讐心に憑かれた酒浸りのDV生活を送っていた。 異国の酒場にて再会するも、自分と同じ落ちぶれ方をした相手を見て困惑している間にローランサンによりフランボウが殺害されてしまう。 再度己の人生について考え直した彼は星の光をたよりに歩き出し、恋人ともよりを戻して新たな人生を歩み始めた。 ○フランボウ・ローラン 赤髪のローラン。戦場にてレイヨンを退けた直後、アルヴァレス将軍より右腕を、レイヨンの後輩青年に右目を奪われ以降はアル中ヤク中生活を送っていた。 突如酒場に現れたローランサンにより殺害される。 ○ワロニ レイヨンが右腕を失って以降支え続けてきた恋人。徐々に荒んで暴力を振るうようになった彼をそれでも愛していたが、妊娠を機に子供を守るために出て行ってしまう。 ◆緋色の風車 ○ローランサン 孤児院の少年。愛称はサン。後にイケメン化。物心つく前に向けられたオーギュストの憎悪をトラウマとして抱えており、被害妄想に陥っては他者を遠ざけていたが、同じ孤児院のシエルとは心を通わせ始める。 しかし、町が襲撃を受けた上フランボウにシエルが捕まってしまい、さらにフランボウの向けてくる手にオーギュストのトラウマがフラッシュバックして反射的に逃げ出してしまう。 時は巡り、復讐の黒き剣を手にした彼は異国の酒場にてフランボウを殺害。その後、フランボウの息子によって彼自身もまた命を落とす。 高揚すると背中に翼のような痣が浮かびあがる。また、その服装はベルトだらけのピチピチ黒装束に赤マントと作中でもかなり異質。 後に角川書店から発売された漫画版『Nein』の「涙では消せない焔」(作:加藤よし江)では、彼と似た過去と顔をしながら、「彼女」を失わず「盾」となる事を選び赤髪の将軍を倒した「ローランサン将軍」が登場。 限定版の作者コメントから見てサンのオマージュと思われる。 ○シエル フランボウに捕まった際、提示された死を選ぶか彼の元で生きるかの選択を迫られ、自分を連れて逃げたサンの正しさを証明するために何が何でも生き延びる道を選ぶ。 ローランサンの復讐動機だが実はその時こうして生き延びていた。その後、フランボウとの間に一人子をもうけて死亡。 ○タッシュ シエルとフランボウの息子。衝動的に父の仇打ちに走るが、その際にローランサンが母に近しい人物だと知る。 母について聞き出そうとするも結局はぐらかされ、復讐の無意味さと惨めさを説かれて本人もそれを受け入れた。シエルの少しの間の生を示した彼の存在はローランサンの救いとなった。 &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){基本的にファンからの評価が高い本作だが、この辺りのシエルの選択とサンの納得のくだりについては強引ではないかと意見も。}}} &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){そのせいかは不明だが、小説版でのローランサンは復讐を果たしてもなお空虚を抱え、恨みと悪意に染まり切った赤髪ローランの息子に闇討ちされることになる。}}} ◆呪われし宝石 ○殺戮の女王(レーヌ・ミシェル) 幾多もの持ち主を不幸に陥れた赤色金剛石。作中では白目のない女性の姿として描かれている。 ○賢者(サヴァン) 原曲では出ていないが一足先に登場。とあるレストランにて隣り合わせた客の一人にミシェルの生い立ちについて語っている。 語るだけ語って壇上の歌手の歌も終わりそうだったので一足先にレストランから退場。彼が去った後に残されたのは一礼する歌手ミシェルとレストラン客の屍の山。 ○イヴェール・ローラン 妹の結婚資金のために一念発起して鉱山へ向かった兄。朝と夜のイヴェールよりガタイがいい。ミシェルを掘り当てるものの欲に目の眩んだ経営者によって殺害。 自身を手にした数多の存在を魅了してきたミシェルも、死の間際まで妹を思い続けていた彼だけは虜にできなかった。 ○ノエル イヴェールの妹。親から人形師の才を受け継ぎ、兄がいたころは妹が創り兄が売っていた。 兄の死を受け入れられず、自分で書いた「兄からの手紙」を自分宛てに送り続ける。 やがては本を書き始めるようになり、誰も何も失わない幻想物語(Another Roman)を自身の真実として描きあげた。 その後彼女がどうなったかは不明だが、時が流れた後、屋根裏の様な廃墟と化した彼女の部屋には、壊れた人形(ヴィオレット&オルタンス)が放置されていた…。 ちなみにAnother Romanはタワレコ予約初回限定のアレンジ版タイトル(正確には「朝と夜の物語〜Another Roman Mix〜」)。 ○盗賊イヴェール・ローラン 賢者が語るミシェルの軌跡内に登場。ミシェルを盗み、どこかで見たような人々とすれ違いながら劇場を抜けて見事逃げ出すも、 ミシェルが目覚め、イヴェールの名に反応したせいで、仲間のローランサン達共々取り殺された。 ちなみに盗賊イヴェールの逃走ルート近くにいたエトワール似の少女は、うるさい犬は嫌いと黒猫と一緒だったが… さすがに後の「[[黒髪女性の売る黒猫グラサンが描く【事象】を否定する地平>Nein(Sound Horizon)]]」(発想がノエルのAnother Roman似)に繋がる伏線なんてことはないだろう、多分。 …なお後に書かれた十文字青の小説版では、なぜか本編ノエル(漫画とは別設定)の他に「『ヴァニシング・スターライト』の青年ノエル」(『[[Nein>Nein(Sound Horizon)]]』でレーヌ・ミシェルを視た)の過去が綴られた。果たして「ノエル」と「イヴェール」、「ミシェル」の因果とは…。 ◆美しきもの ○モニカ 部屋から出られない弟のために季節のものや覚えた歌を届けている姉。 弟の死後は彼が最期に遺した歌を伝えるため、弦楽器を手に吟遊詩人となり旅立った。 ○ロラン 生まれつき病弱なモニカの弟。死の間際に姉に歌を遺し、虹を見て微笑み息を引き取った。 ◆黄昏の賢者 ○クロエ 貧困育ちの女性。妊娠して子の歩む未来を考え産むべきか産まざるべきか悩んでいたところで賢者と出会い、彼との対話を経て決意を固めていく。 のちに自らの命と引き換えに、タッシュとの間に双子を出産する。 ○賢者ことクリストフ 持ち前の胡散臭さを存分に生かした紳士。どうやら困っている御嬢さんを見つけては声をかけている模様。レストラン大量怪死事件の関係者として手配されている。 ◆11文字の伝言 それぞれの思いの綴られる「母」たち。提示されたコマの順に11人いる彼女たちの名前を並べると… 愚かな母の唯一の願いです アナタは― &font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){ ちなみに不穏な結末の可能性を残す屋根裏物語については漫画内で触れられていない(ただしそこへ繋がる伝言配置はされている) }}} 追記・修正をお願いします。 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