最上大業物

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&font(#6495ED){登録日}: 2011/12/14(水) 23:49:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 最上大業物とは、江戸時代後期にしるされた名刀の番付表「懐宝剣尺」「古今鍛冶備考」に記された、最も優れた刀及びそれらを制作した刀工の評価の事である。 「無礼者め!」 とズカッと[[刀]]を抜き放ち、町人を切り捨てるなんて光景は時代劇では良く見られるものである。 #center(){&font(#0000ff){が}} 実はもし無礼討ちをやらかした場合、なんと侍のほうに「武道不覚悟」として #center(){&font(#ff0000){市中引き回し}} #center(){&font(#ff0000){そして死罪}} という厳罰がかせられていた。 大名行列を無暗に妨害したとか、正当防衛やそれに準ずる事情でもあればまた話は別だが(幕末の「生麦事件」が分かりやすい例で、実行者は英国等の抗議からも庇われた)、 やはり無暗矢鱈に人斬り包丁を振り回すマジキチなど何時の時代も鼻つまみ者である。 世は太平、江戸時代。侍達は自身の刀の試し切りすら満足に出来なかった。 そうなると気になるのは自身の愛刀の切れ味。 果たしてなまくらなのか?いやいや、もしかしたらとんでもない名刀なんじゃないか? &font(#ff0000){ああ試しに斬ってみたい!でも斬れない!} そう世の侍達が悶々している中に唯一、自由に刀で人を斬れる者達がいた。 #center(){&font(#ff0000){御試御用}} #center(){&font(#ff0000){山田浅右衛門一族}} 御試御用とは文字通り刀の御試し…&font(#ff0000){刀の試し切り}をおこなう仕事である。 太平の世になんでそんな仕事が出来るかといえば彼らは&font(#ff0000){代々、罪人の首切りを請け負っていた為}。 つまり首切るついでに試し切りもしていたのだ。 ただし山田一族の場合は御試御用がメインであり首切りは副業であった。 御試御用は首を落とした後の罪人の死体を用い、土壇に据えて胴を断つ形で行われる。胴のどの部分を断ち切れたかで刀の切れ味を見定めるのだ。 刀の斬れ味をみたいのはそのあたりの侍だけでなく藩をあずかる大名や上流武士の旗本も同じ。こぞって刀を持ち寄った。 山田一族が試し切りした総数たるやなんと軽く&font(#ff0000){20000}を越える。 この経験から元に記されたのが前述の「懐宝剣尺」「古今鍛冶備考」である。 因みに懐宝剣尺がはじめて世に出されたほうで古今鍛冶備考はそれに追記・修正をしたもの。 なので今回はその番付の四段階評価&font(#808080){業物}、 &font(#994c00){良業物}、&font(#0000ff){大業物}とわけられていった中の最高位 #center(){&font(#ff0000){最上大業物}} について記す。系15工 #center(){長船秀光} 備前国 通称「右兵衛尉」。 鎌倉初期を写した華やかな作風が特徴である。 #center(){陸奥守忠吉(三代)} 肥前国 #center(){孫六兼元(初代)} #center(){孫六兼元(二代)} 美濃国 名の縁起良さからか日本の刃物の代名詞と名高い。 焼き刃の三本杉で知られる。 ちなみに三島由紀夫の佩刀も「関孫六」と称されていたが、制作時期が江戸時代だった可能性が高いという。 だが『[[帝都物語]]』終盤では三島の孫六を加藤保憲が入手し斬りまくっていた。 #center(){三善長道(初代)} 陸奥国 通称「藤四郎」。 会津虎徹とも称えられた。 #center(){長曽祢興里入道虎徹} 武蔵国 新撰組局長、近藤勇の愛刀。 しかし勇のものは偽物であったといわれる。 それでも彼と共に時代をかけた刀は間違いなく名刀であった。 #center(){長曽祢興正} 武蔵国 虎徹の養子。通称は「庄兵衛」。 二代虎徹とも。 #center(){肥前忠吉(初代)} 肥前国 人斬りと名高い岡田以蔵の愛刀…一介の人斬りの刀としては凄まじすぎるが。 元は坂本龍馬が所有していたとされる。 #center(){三原正家(初代)} 備後国 #center(){多々良長幸} 摂津国 通称「四郎兵衛」。 #center(){仙台国包(初代)} 陸奥国 伊達家の至宝。 武芸に優れた伊達政宗らしい実践向きの剛刀がそろう。 #center(){長船元重} 備前国 貞宗三哲の一人。 #center(){ソボロ助広(初代)} 摂津国 通称「弥兵衛尉」。 ソボロの由来には常にボロい服を着ていたからという説がある。 ホームレス最上大業物。 #center(){長船兼光(初代)} 備前国 斬れ味凄まじく&font(#0000ff){波遊ぎ兼光}等の異名がある。 #center(){和泉守兼定(二代)} 美濃国 定の字をウ冠のしたに之と書くという独特の字体であるため&font(#0000ff){之定}と通称される。 …まるで書き順からかう小学生みたいな通称である…。 これが有名過ぎてかの土方歳三の愛刀であると流布される事もあるが、歳三の愛刀は十一代兼定(幕末生まれ)。 兼定=二代のイメージが強すぎ司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』で二代と設定された事もありこうなってしまった、それほどの名刀。 追記・修正は自分の家の倉に最上大業物が眠っているかもしれない人のみお願いします さあ探せ! #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,10) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - うちの会社の上司が虎徹持っているそうだがアレ本物なんだろーか… -- 名無しさん (2013-08-22 03:21:19) - 虎徹は偽物が多いらしいからなあ・・・近藤勇が持ってたのも偽物らしいし -- 名無しさん (2013-08-22 12:32:23) - 近藤のは偽物は偽物でも、立派な名刀。なにせ作者の清麿自身が「今の刀は物足りない、兄貴みたいに実戦的な刀を作ろう」って刀匠に転向しちゃった人だから。 -- 名無しさん (2013-08-22 23:08:51) - 清麿の兄貴といったら松代藩荒試しで有名な山浦真雄ですな。去年、東京の刀剣博物館で重要刀剣に指定されたものを見ました。 -- 名無しさん (2013-08-23 00:21:52) - 冒頭にある「切り捨て御免」については本家wikiにも項目があるけど、やる側も気軽には出来ない結構面倒な物である -- 名無しさん (2013-11-08 23:24:49) - ちなみに近藤勇のコテツは東京大空襲にて消失 -- 名無しさん (2013-11-08 23:31:58) - 最上大業物を昔漫画で見た際に、大仰な呼称なので漫画表現のひとつだろうと思ったら、現実のものだと知ってビックリした覚えがある -- 名無しさん (2013-11-22 12:35:30) - すえもの斬り、だったかな?斬首刑になった人間の遺体を譲り受け、剣の修業や試し斬りの為に斬った話を何かで読んだ。 -- 名無しさん (2014-05-17 02:48:10) - 刀の名前ってかっこいいなあ。項目内の刀名に読み仮名が振ってあると有り難いのですが…漢字苦手なもので… -- 名無しさん (2014-08-15 11:48:26) - ↑ググれば? -- 名無しさん (2016-10-01 10:21:19) - ↑なんのためのwikiだよ -- 名無しさん (2017-04-26 10:21:59) - 二代和泉守兼定は大業物から最上大業物に昇格されたそうですよ。 -- 名無しさん (2017-08-30 16:56:15) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}: 2011/12/14(水) 23:49:44 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 最上大業物とは、江戸時代後期にしるされた名刀の番付表「懐宝剣尺」「古今鍛冶備考」に記された、最も優れた刀及びそれらを制作した刀工の評価の事である。 「無礼者め!」 とズカッと[[刀]]を抜き放ち、町人を切り捨てるなんて光景は時代劇では良く見られるものである。 #center(){&font(#0000ff){が}} 実はもし無礼討ちをやらかした場合、なんと侍のほうに「武道不覚悟」として #center(){&font(#ff0000){市中引き回し}} #center(){&font(#ff0000){そして死罪}} という厳罰がかせられていた。 大名行列を無暗に妨害したとか、正当防衛やそれに準ずる事情でもあればまた話は別だが(幕末の「生麦事件」が分かりやすい例で、実行者は英国等の抗議からも庇われた)、 やはり無暗矢鱈に人斬り包丁を振り回すマジキチなど何時の時代も鼻つまみ者である。 世は太平、江戸時代。侍達は自身の刀の試し切りすら満足に出来なかった。 そうなると気になるのは自身の愛刀の切れ味。 果たしてなまくらなのか?いやいや、もしかしたらとんでもない名刀なんじゃないか? &font(#ff0000){ああ試しに斬ってみたい!でも斬れない!} そう世の侍達が悶々している中に唯一、自由に刀で人を斬れる者達がいた。 #center(){&font(#ff0000){御試御用}} #center(){&font(#ff0000){山田浅右衛門一族}} 御試御用とは文字通り刀の御試し…&font(#ff0000){刀の試し切り}をおこなう仕事である。 太平の世になんでそんな仕事が出来るかといえば彼らは&font(#ff0000){代々、罪人の首切りを請け負っていた為}。 つまり首切るついでに試し切りもしていたのだ。 ただし山田一族の場合は御試御用がメインであり首切りは副業であった。 御試御用は首を落とした後の罪人の死体を用い、土壇に据えて胴を断つ形で行われる。胴のどの部分を断ち切れたかで刀の切れ味を見定めるのだ。 刀の斬れ味をみたいのはそのあたりの侍だけでなく藩をあずかる大名や上流武士の旗本も同じ。こぞって刀を持ち寄った。 山田一族が試し切りした総数たるやなんと軽く&font(#ff0000){20000}を越える。 この経験から元に記されたのが前述の「懐宝剣尺」「古今鍛冶備考」である。 因みに懐宝剣尺がはじめて世に出されたほうで古今鍛冶備考はそれに追記・修正をしたもの。 なので今回はその番付の四段階評価&font(#808080){業物}、 &font(#994c00){良業物}、&font(#0000ff){大業物}とわけられていった中の最高位 #center(){&font(#ff0000){最上大業物}} について記す。系15工 #center(){長船秀光} 備前国 通称「右兵衛尉」。 鎌倉初期を写した華やかな作風が特徴である。 #center(){陸奥守忠吉(三代)} 肥前国 #center(){孫六兼元(初代)} #center(){孫六兼元(二代)} 美濃国 名の縁起良さからか日本の刃物の代名詞と名高い。 焼き刃の三本杉で知られる。 ちなみに三島由紀夫の佩刀も「関孫六」と称されていたが、制作時期が江戸時代だった可能性が高いという。 だが『[[帝都物語]]』終盤では三島の孫六を加藤保憲が入手し斬りまくっていた。 #center(){三善長道(初代)} 陸奥国 通称「藤四郎」。 会津虎徹とも称えられた。 #center(){長曽祢興里入道虎徹} 武蔵国 新撰組局長、近藤勇の愛刀。 しかし勇のものは偽物であったといわれる。 それでも彼と共に時代をかけた刀は間違いなく名刀であった。 #center(){長曽祢興正} 武蔵国 虎徹の養子。通称は「庄兵衛」。 二代虎徹とも。 #center(){肥前忠吉(初代)} 肥前国 人斬りと名高い岡田以蔵の愛刀…一介の人斬りの刀としては凄まじすぎるが。 元は坂本龍馬が所有していたとされる。 #center(){三原正家(初代)} 備後国 #center(){多々良長幸} 摂津国 通称「四郎兵衛」。 #center(){仙台国包(初代)} 陸奥国 伊達家の至宝。 武芸に優れた伊達政宗らしい実践向きの剛刀がそろう。 #center(){長船元重} 備前国 貞宗三哲の一人。 #center(){ソボロ助広(初代)} 摂津国 通称「弥兵衛尉」。 ソボロの由来には常にボロい服を着ていたからという説がある。 ホームレス最上大業物。 #center(){長船兼光(初代)} 備前国 斬れ味凄まじく&font(#0000ff){波遊ぎ兼光}等の異名がある。 #center(){和泉守兼定(二代)} 美濃国 定の字をウ冠のしたに之と書くという独特の字体であるため&font(#0000ff){之定}と通称される。 …まるで書き順からかう小学生みたいな通称である…。 これが有名過ぎてかの土方歳三の愛刀であると流布される事もあるが、歳三の愛刀は十一代兼定(幕末生まれ)。 兼定=二代のイメージが強すぎ司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』で二代と設定された事もありこうなってしまった、それほどの名刀。 追記・修正は自分の家の倉に最上大業物が眠っているかもしれない人のみお願いします さあ探せ! #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,10) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - うちの会社の上司が虎徹持っているそうだがアレ本物なんだろーか… -- 名無しさん (2013-08-22 03:21:19) - 虎徹は偽物が多いらしいからなあ・・・近藤勇が持ってたのも偽物らしいし -- 名無しさん (2013-08-22 12:32:23) - 近藤のは偽物は偽物でも、立派な名刀。なにせ作者の清麿自身が「今の刀は物足りない、兄貴みたいに実戦的な刀を作ろう」って刀匠に転向しちゃった人だから。 -- 名無しさん (2013-08-22 23:08:51) - 清麿の兄貴といったら松代藩荒試しで有名な山浦真雄ですな。去年、東京の刀剣博物館で重要刀剣に指定されたものを見ました。 -- 名無しさん (2013-08-23 00:21:52) - 冒頭にある「切り捨て御免」については本家wikiにも項目があるけど、やる側も気軽には出来ない結構面倒な物である -- 名無しさん (2013-11-08 23:24:49) - ちなみに近藤勇のコテツは東京大空襲にて消失 -- 名無しさん (2013-11-08 23:31:58) - 最上大業物を昔漫画で見た際に、大仰な呼称なので漫画表現のひとつだろうと思ったら、現実のものだと知ってビックリした覚えがある -- 名無しさん (2013-11-22 12:35:30) - すえもの斬り、だったかな?斬首刑になった人間の遺体を譲り受け、剣の修業や試し斬りの為に斬った話を何かで読んだ。 -- 名無しさん (2014-05-17 02:48:10) - 刀の名前ってかっこいいなあ。項目内の刀名に読み仮名が振ってあると有り難いのですが…漢字苦手なもので… -- 名無しさん (2014-08-15 11:48:26) - ↑ググれば? -- 名無しさん (2016-10-01 10:21:19) - ↑なんのためのwikiだよ -- 名無しさん (2017-04-26 10:21:59) - 二代和泉守兼定は大業物から最上大業物に昇格されたそうですよ。 -- 名無しさん (2017-08-30 16:56:15) #comment #areaedit(end) }

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