飛田展男

登録日:2019/07/14 Sun 9:25:00
更新日:2024/04/23 Tue 10:57:18
所要時間:約 13 分で読めます





飛田 展男(とびた のぶお)日本声優・俳優・ナレーターである。


□プロフィール

生年月日:1959年11月6日
出身地:茨城県水戸市
身長:165cm
血液型:AB型
事務所:アーツビジョン
最終学歴:駒澤大学文学部歴史学科中退


□概要

味のある脇役の演技に定評のある男性声優。
顔立ちや物腰が徳仁皇太子(今上天皇)に似ていたので、一部では「皇太子」「殿下」などと呼ばれている。

一人っ子で、父は地方公務員。

幼少期から声優の仕事を意識し、本を音読することが好きだった。

高校2年生の頃、漫画の台詞に声に出して読む行為を行う友人が出来てそれに付き合って休み時間に漫画を読み合っているうちに漠然と声優になりたいという気持ちが持ち始める。

その後、劇団NLT付属俳優教室、ボイス・アーツを経て、アーツビジョンに所属し、『暗闇にベルが鳴る』の警察無線の声で声優デビューを果たした。

1982年に『サイボットロボッチ』でアニメデビューを果たす。
翌年には人気サッカーアニメ『キャプテン翼』で若島津健の役を担当し、一躍知名度が上昇した。
1985年には『機動戦士Ζガンダム』のオーディション(後述)を受け、自身の当たり役である主人公のカミーユ・ビダン役を居止めた。
『機動戦士Ζガンダム』の終了後もガンダムシリーズへの出演が続き、『機動武闘伝Gガンダム』のウルベ・イシカワや『機動戦士ガンダム0083』のカリウス等を演じている。
1993年にはスタジオジブリの『海がきこえる』で主人公杜崎拓を演じた。

癖のある脇役を演じる機会が多く、『ちびまる子ちゃん』の丸尾末男や『ほのぼの』のしまっちゃうおじさんなどが特に有名である。
海外ドラマや映画などの吹き替えでも活躍しており、サム・ライミ版『スパイダーマンシリーズ』や『アイアンマン2』などで俳優の吹き替えを担当している。

また同じアーツビジョン所属の戸部公爾が主宰を務める『演劇集団《RELAX》』に結成時から所属しており、年1回ペースで舞台活動も行っている。

死去した富山敬や青野武から持ち役の一部を引き継いでいる。

□特色

柔らかい印象を与える独特な声質が特徴だが、声のトーンを上げて柔らかさを感じさせない声も出せる。
その声で少年キャラやクールキャラ、癒し系キャラや変人キャラ、悪人や狂人キャラなど様々な役を演じ分ける。
特に内面に狂気を隠したキャラの演技に定評がある。
代表的な役は、『機動戦士Ζガンダム』のカミーユ・ビダン、『キャプテン翼』の若島津健、『ちびまる子ちゃん』の丸尾末男、『HELLSING』の少佐など。
中でも少佐は氏の演じる狂人キャラの代表格。とあるイカれた演説を見事に語りきったエピソードは一見の価値あり。

演技力も高く、その声と演技力を生かし、同一人物とは思えない程様々な役を演じ分けている。
『星のカービィ』ではコックカワサキやカイン、ボンカースやカブーなど計16人ものキャラを担当しており、それをネタにしたエピソードも作られた。
『ビーストウォーズ』ではテラザウラーを演じ、高いギャグセンスとアドリブ力を披露した。直接の続編『メタルス』ではテラザウラーが死んだ後、クイックストライク役で続投。テラザウラーほど目立つ役では無かったが全く異なる個性的なキャラを全く異なる声色で演じてみせた。*1 メタルス第12話OPのイントロ前口上を担当したときは曲の歌い出し直前に喋りまくり、しかしながら最後はセリフを早口にすることで曲の歌い出しにギリギリ被らないようにするというプロの技を披露。
クイックストライクの語尾によく付く「ギッチョン」を省けば余裕で間に合う尺だったが、わざわざ「ギッチョン」を入れつつキッチリ尺内に収めている。
アドリブ全壊のリミックス回ではクイック・純・ストライクや下条・クイックストライク・アトムなどで茶の間の爆笑を誘った。

デビューから数十年が経っているが、現在でも少年のような声を出すことはでき、劇場版『機動戦士Ζガンダム』で改めてオーディションを受けることになっても、当時とほぼ変わらない声で演技し見事カミーユ役を勝ち取っている。
ちなみに中原茂と声質が似てるとしばしば言われる。


ポプテピピックには盟友島田敏氏と共に登場。
とはいえ2人とも声だけで勝負できるタイプの為かアドリブは少なかったが、最後の最後に「修正してやるー!!」とブッ混んできた。

□ガンダム関連の逸話

『機動戦士Ζガンダム』のオーディションは演技の後に1分間フリートークをするという変わったものだったが、当初は主人公をやれるとは思ってもいなかったので、そのフリートークでつい「『機動戦士ガンダム』があんなにいい終わり方をしたのに、なんで続編を作るんですか?」と言ってしまう。
飛田さんは『機動戦士ガンダム』の余韻のある終わり方がとても好きだったので、「なんでわざわざ?」というようなことをつい言ってしまったらしい。
スタジオを出た後で「なんであんなことを言ってしまったんだろう」と後悔するが、その生意気なところが気に入られ、カミーユ・ビダンの役を担当することとなった。
ちなみに結果を聞いた時には、嬉しさよりも「なんで?」という気持ちのほうが強かったらしく、「フリートークの内容は聞かれずに演技が評価されたのだろう」と無理矢理自分を納得させたと語られている。
そしてこの話を聞いたファンの殆どがカミーユ役に選ばれるべくして選ばれたと思った事は言うまでもない。

この話には続きがあり、初収録の際に監督の富野由悠季がキャスト全員を集め「何故ガンダムの続編を作る事にしたのか」、「続編を作る意味」について滔々と説明し始め、最後に飛田さんを指差し、
「特にそこのあなた!わかりましたか?」

と言われフリートークの内容がしっかり聞かれていた事を理解したらしい。

初の主演作だったのでプレッシャーが半端なく、総監督が富野由悠季だったこともあり、「途中で主役を下ろされるのでないか」と常に緊張しながら収録に望んでいたという。
ちなみにEDクレジットでは毎回シャア・アズナブル池田秀一)が上だったので、これにも「なんで?」と思っていたようである。
その他、初のミーティングの際に富野監督から「キャラクターの生死は皆さんのオーラにかかっています。オーラの強さが感じられないキャラは途中でも消えることがありますので気を抜かずに頑張ってください」と檄を飛ばされた事で、
それが最終回まで生き残ってやるというモチベーションに繋がり、1年間必死で演じ続けたらしい。
なので一番気楽に演じられたのは最終話ラストでカミーユが壊れてしまった時だったとか。

劇場版『機動戦士Ζガンダム』の製作が決定すると、富野監督から「改めて声を聴かせてほしい」と手紙を貰い、新たな気持ちでオーディションに挑んだ。
富野監督はこれについて「当初は飛田を落とす前提で彼をオーディションに呼んでいた」と語っており、飛田さんに対し「とにかくピュアなカミーユを演じてください」と注文をつけていた。
しかしこれは飛田さんの演技を再確認し、彼の演技が作品に見合うものかを見極めるためのものだったとも言われており、彼の実力と覚悟を再認識した富野監督は再び彼にカミーユ役を任せている。

ちなみに飛田さん自身はこのオーディションで明確な答えを見つけられなかったらしく、今でも振り返るのが怖く試写会以降は一度も作品を見ていないのだという。

なお、飛田さんは正統派の主人公より一癖あるキャラのほうが好きなので、カミーユの役はやりやすく、大好きなキャラでもあるらしい。


□主な出演作

◆テレビアニメ


◆劇場アニメ

  • カリウス(機動戦士ガンダム0083 -ジオンの残光-)
  • シーブック(機動戦士SDガンダムまつり SDガンダム外伝 聖機兵物語)
  • ハリケーンガンダム(機動戦士SDガンダムまつり SDコマンド戦記 SUPER G ARMS)

◆OVA

  • 野々村ヒロシ(くりいむレモン 亜美シリーズ)
  • LM(Good Morning アルテア)
  • ロック(超人ロック
  • オペレーターのサイモン(銀河英雄伝説
  • ノーマン・ウィロビー(紺碧の艦隊)
  • 速水健次(沈黙の艦隊)
  • 北野誠一郎(エンジェル伝説
  • リュミエール(アンジェリークシリーズ)
  • 牡羊座のシオン(聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編)
  • 少佐(HELLSING

◆ゲーム


◆特撮


◆吹き替え

担当俳優

  • スティーヴ・カレル

映画、ドラマ


アニメ



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最終更新:2024年04月23日 10:57

*1 テラザウラーは気位の高い「イヤミ」的なキャラ、クイックストライクはいつもノリノリの変人キャラ