週刊少年マガジン

登録日:2017/12/11 Mon 20:09:50
更新日:2023/12/21 Thu 23:19:21
所要時間:約 5 分で読めます






ゆめと希望の少年マガジン




週刊少年マガジンは講談社が毎週発行している漫画雑誌。

1959年3月17日創刊から毎週水曜日に発行されており、定価は大体270円。
コンビニ、書店等で購入可能…水曜日にはライバル誌の週刊少年サンデーも発刊されるので、コンビニの雑誌コーナーは混雑する。
水曜日が何らかの祝日にぶつかった場合は火曜日に発売が早まる。


▽目次

【解説】

ライバルの週刊少年サンデーとほぼ同時期に創刊され、今現在も発刊され続けている日本が誇る週刊少年漫画雑誌の一つ。

60年代にスポ根漫画などのヒットで雑誌の立場を向上させ、漫画史に残る多くの作品を生み出す事になった。
70年代には一時期低迷し、後に登場した週刊少年ジャンプに週刊少年誌王者の立場を奪われるなどの屈辱も味わう。
しかし90年代には数々の大ヒット作品を生み出し、一時期はジャンプの発行部数を抜いて週刊少年誌王者の立場を奪還したことも。
その後は緩やかに下降線を描いているが、現在は週刊少年誌の発行部数第2位の位置をキープしている。

全体的に読者の年齢層が他の少年誌より高いと言われている。
少年のみならずオッサ…青年読者も多く、雑誌広告ドットコムなどの調査では10代読者よりも20代読者の方が上回ってしまうというデータも。
2019年35号に出張掲載されたコミックエッセイ『将棋の渡辺くん』作者は、担当から読者の平均年齢を聞いて「「少年」なんて詐欺じゃんか」「少年中年マガジン」と感想を述べた。
連載漫画も年齢層を見越してのものか、少年漫画雑誌でありながら青年誌にも引けを取らない際どい表現が出ることも多い。
雑誌の表紙に水着姿のアイドルが載ることが多いのも理由の一つか。

編集部の関連人物も妙にキャラが濃い人物が多いことでも話題になる雑誌でもある。


【作品の特徴】

基本的に雑誌を構築している漫画は種々雑多だが、歴史的にはリアル寄りな世界観の作品やショートギャグ作品が目立つ。

60年代は当初は貸本漫画で活躍した桑田次郎の「8マン」やちばてつやの「ハリスの旋風」を抱えるも、桑田の逮捕やちばの休載にW3事件*1が重なる。
一時は競合誌「週刊少年サンデー」に大きく水をあけられるも、手塚への反抗心や読者年齢層の拡大政策などもあって、作家に劇画を得意とする人材を多く起用。
この采配は見事にヒットし、青年向けの劇画風作品のヒット作を生み出した。
劇画+スポ根のヒット作と言えばこの時期のマガジンの看板である。
この劇画路線は今日のマガジンという雑誌の雰囲気にまで大きな影響力を及ぼしている。

80年代から90年代末期には、劇画路線の系譜からか不良が主役で活躍するという所謂ヤンキー漫画が増加。
この時期は大ヒット作品に恵まれた事もあるから「マガジンといったら不良」のイメージが未だに強い人も多いんでないだろうか。
ちなみにこの時期のマガジン作品は作品内で「!?」という記号を用いることが多く、マガジン作品の演出の代名詞となった。
この時期にもラブコメ漫画もあったのだが、他誌に比べて露骨なセクハラが目立つと言われていた。

2000年代に入るとコミカルな世界観でのヒット作が出たこともあってか、ヤンキー風の路線の漫画はちょっと減った。
萌え漫画と言ったジャンルも目立ち始め、90年代までのマガジンのイメージに変化を与えた。

2010年代からはデスゲームジャンルの漫画が誌面を占めた。
この辺の世代の読者は「マガジン=デスゲーム雑誌」の印象があるとかないとか。
2010年代後半からはこの状況は落ち着きを見せ始めているが、今度はラブコメ漫画の大量展開の予兆が生まれつつある。
最近では少年雑誌ながら「袋とじ」で性行為を描写をするといった展開を見せ、賛否両論を呼んでいる。

劇画やヤンキーと言ったジャンルを得意としたためか、メディアミックスもアニメ化よりもドラマ化の方が目立った。
しかも少年誌原作ながらも高視聴率を取れたドラマが多いのも凄い。
2000年代以降はこの路線の衰退もあってか、実写化よりもアニメ化の方が増えてきている。

マガジンSPECIALや別冊少年マガジンなど兄弟雑誌も多いためか、出張掲載や兄弟雑誌間での作品移籍も目立つ。

一時期は樹林伸に代表される名編集者の存在や編集担当を複数付ける事から、編集部の介入が多いとも言われるが、
自由に描かせてもらったという話も多く、印象に過ぎないようだ。


打ち切り判断など】

アンケート至上主義で知られるジャンプ程厳しくはないが、作品の切る判断は厳しい。

ジャンプの短期打ち切り作品が目立ちすぎるので話題にされにくいが、地味に即死作品は少なくない。
そんな事情もあって、雑誌全体で作品の面子が入れ替わる新陳代謝は活発である。

単なる打ち切りではなく、兄弟雑誌やアプリなどへの移籍(島流し)で連載枠を整理するという手法も多い。
もちろん島流しが悪いことばかりではなく、島流し後に売り上げが伸びたという作品もあったりする。

また、現在はアンケートによる世論調査を紙版の巻末で発表している。
雑誌購入者を対象としている為、無作為抽出に比べれば多少偏りがあるだろうが、
年齢層別の利用SNS、動画サイトやスマートフォンゲームのガチャ課金額等のデータが公表されていて興味深い。


【グラビア】

ジャンプを除く少年誌特有のグラビアだが、マガジンは特に力を入れている。
かつて60年代には大伴昌司を始めとする劇画調のグラビアが多く掲載され、子供向け番組やSF作品をおどろおどろしく…え? 聞きたいのはそっちじゃない?

期待の若手と称して多くの若手グラビアアイドルや女優をピックアップするのも特徴。
この手の宣伝にありがちな現象として「お前誰だよ……」となった読者が生まれたとか。
一方で、期待の若手の応援に応じてその後ブレイクした女性もいる。

かつては長きにわたってグラビアコンテスト企画『ミスマガジン』を展開していたのも有名な話。


【掲載作品】

◇主な現行作品



◇過去の主な掲載作品


【余談】

ライバル雑誌である小学館の週刊少年サンデーだが、共に創刊50周年を迎えた際にはコラボを行った。
マガジンとサンデーを並べると完成する表紙や、一部連載作品を入れ替えて掲載した。

雑誌カバーで両雑誌の主力作品の主人公が相まみえる構図などの試みもあり、マガジンメインだがサンデー時代もあった『天才バカボン』の傑作選を講談社・小学館で同時発売したりもした。
携帯ゲーム機向けコラボ記念作品の発売やTCGの展開など、メディアミックス方面でも大規模なコラボを展開した。





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最終更新:2023年12月21日 23:19

*1 手塚治虫の「W3」の掲載紙移籍騒動。「W3」はもともと虫プロダクションによるアニメ企画だったが、TBSとTJC(現:エイケン)の手掛けた「宇宙少年ソラン」とネタ被りが発覚し、虫プロ内部では産業スパイ疑惑にまで発展した。そこに「W3」と「ソラン」両作のコミカライズがマガジン誌上で決まり、結局手塚は連載早々に「W3」をサンデーへ移籍させてしまう

*2 以前は電子書籍版に掲載されていなかったが、2021年から掲載開始。

*3 『七つの大罪』の続編。