超電磁ロボ コン・バトラーV

登録日:2020/07/15 Wed 22:40:55
更新日:2024/03/18 Mon 03:02:58
所要時間:約 8 分で読めます






約百万年前に地球上に生まれたといわれる人間。

しかし……それよりも遥かな昔、
人間以上の文明が何者かの手によって作られていたかもしれない。

そしてそれは……
例えばまだ地球の奥底に隠れていて、
いつか私たちを滅ぼす機会を待っているのかもしれない!



V! V! V! ビクトリー!!



▲概要

『超電磁ロボ コン・バトラーV(ブイ)』とは、1976年にテレビ朝日系列で放送されたテレビアニメである。
東映テレビ事業部企画、東京動画製作。製作協力に『勇者ライディーン』の東北新社と創映社/日本サンライズ(現:サンライズ)が関わっている。全54話。
勘違いされやすいが『マジンガーZ』や『大空魔竜ガイキング』を作っていた東映動画の製作ではない。
初の合体ロボットアニメである『ゲッターロボ』が玩具では再現不可能な無茶苦茶な変形をしていることに不満があったため、玩具メーカーのデザインにより生み出された
可逆的に合体・分離が可能な合体ロボでもある。それでも無理がある部分は無いことはないのだが
後番組である『超電磁マシーン ボルテスV』を含め、後の合体ロボ作品にも大きな影響を与えた非常に存在感のある作品。
総監督は長浜忠夫、アニメーションキャラクターに数年後『機動戦士ガンダム』(『UC』や『THE ORIGIN』でも)で携わることになる安彦良和。


▲あらすじ

地底深くに潜んでいた異星人、キャンベル星人が長きに渡る沈黙を破り、どれい獣を使って侵略行動を開始した。
これを予期していた南原コネクションの南原猛博士は超電磁の力で合体する巨大ロボを建造し、
日本全国から選りすぐられた5人の戦士達を集めて「バトルチーム」を結成。キャンベル星人との戦いに臨む。

「コンバインOK! コンバインOK!」

大地を揺るがす超電磁ロボ、その名は我らのコン・バトラーV!!


▲登場人物

☆バトルチームとその仲間達

国連の未来研究所・南原コネクションの南原博士により選ばれた4人の若者たちとその孫娘。
彼らは警視総監・法務大臣・総理大臣・国連事務総長により「これを持っている者に限りあらゆる法律違反も許されることとする」と記された特別許可証を持たされており*1、唯一バトルマシンの操縦が許されている。

主人公にしてバトルチームのリーダー格。バトルジェットのパイロットで、合体後はコン・バトラーVのメインパイロットを務める。
バトルチームに配属される前はノーヘルメットでバイクを駆り、警察も手を焼くほどの問題児だった。
両親を事故で亡くし孤児院で育ったため、理屈屋でややひねくれた所もあるものの、基本的には正義感が強い熱血漢

  • 浪花十三(CV:キートン山田)
大阪出身の関西弁で喋る青年。バトルクラッシャーのパイロット。射撃の達人でもある。
愛用の武器はライフル銃で、象も仕留めるマグナム弾を放つ。
常に斜に構える気障な皮肉屋で、正反対の性格の豹馬とは度々衝突するも、心の奥底では認め合っている。

余談だが演者の山田氏は関西圏出身ではないため、彼の喋る関西弁はぶっちゃけると所謂似非だったりする。
ひおあきらの漫画版では作者が面倒だったのか関西弁は喋らず終始標準語。

九州出身で熊本弁で喋る*3。バトルタンクのパイロット。柔道の達人で、漫画家になる夢を持つ。
気は優しくて力持ちな好漢だが、責任感が強過ぎるあまり、四ッ谷博士が敵にさらわれた際は切腹しようとしたこともある。

大作の演者のたてかべ氏も九州出身ではないが、彼の場合は長浜監督が九州出身だったため、演技指導でネイティブに近い熊本弁で喋っている。
ひおあきらの漫画版では彼も標準語。

  • 南原ちずる(CV:上田みゆき)
南原博士の孫でチームの紅一点。バトルマリンのパイロット。
頭脳明晰で運動神経も抜群。ピアノも弾ける。知恵にとって憧れの存在。
後に豹馬に好意を寄せるようになるが、勝ち気で素直になれない性格と豹馬が朴念仁なこともあってなかなか進展することはなかった。
日本のアニメ史上初めて「シャワーシーン」を披露したヒロインでもある。

  • 北小介(CV:千々松幸子)
北海道出身の少年。バトルクラフトのパイロット。
9歳ながらIQ200、飛び級で大学に進学し、発明もするほどの天才児。その豊富な知識と洞察力・分析能力の高さで幾度となくピンチを救って見せた。その代わりまだオネショが治らない運動神経は鈍い(運動に励んでいることはある)。
父親も科学者であり、阿寒湖近くでまりもの研究を行なっている。
科学者らしく幽霊などの科学的根拠のないものは信じない主義。

後日談の漫画『ゴッドバード』では意外なメインキャラ抜擢がなされることに。

  • 南原猛(CV:納谷悟朗)
ちずるの祖父にして、南原コネクションを設立しコン・バトラーVを作り上げた天才科学者
各国首脳陣に対して、国家という枠組みを超え、地球人としてキャンベル星人の侵略に打ち勝つよう諭した*4
初期のうちに戦死してしまうものの、その志は後任の四ッ谷博士が引き継ぐ。

  • 四ッ谷博士(CV:富田耕生)
南原博士の後任で親友。自然を愛するが、環境破壊が進んだことで人間嫌いな性格になっていた。故に当初はコネクションを引き受けることを固辞していた。
しかし南原博士の「人間ではなく、地球のために戦ってくれ」という遺言を受けてその地位を受け継ぐ。
普段はがさつで大酒飲み、豹馬からも「おっちゃん」と呼ばれ慕われるなど豪快で気さくな性格だが、一方で抜け目のない一面も併せ持つ切れ者。
勤務中だろうがなかろうが酒を飲んでいることが多く、アルコール依存症ではないかと思えるほどである。

自意識を持つロボット。バトルマシンを通じてチーム5人の脳波を測定し、コンバイン時の要となる。
感情回路が搭載されており、ロボットながら女性型ロボットに恋をしたり、戦闘の影響で蛙が苦手になったりと、描写が人間臭い
胸部から飲み物の入った容器などを出現させることも出来る。どういう内部構造なのか

  • 一木金太&一木知恵(CV:野沢雅子(金太)、つかせのりこ、松岡由貴(SRW)(知恵))
南原コネクションへの雇われコックである一木一家の兄妹。ペットとして「ケロッペ」というカエルを飼っている。
バトルチームに憧れ、将来はバトルチームの一員になることを夢見る。
後に小介に作らせたロボット「ケロット」に搭乗してコン・バトラーVのサポートに回る。
バトルチームに付いていきたいあまり、何度も豹馬達を困らせていたが、結果としてチームのピンチを救うきっかけになることもあった。


この他、1話限りのゲストキャラが何人か登場するが、およそ半分ほどがその回で死亡している。


☆キャンベル星人

人類史の歴史・伝説に存在したといわれる宇宙人。地球の自然を破壊し、地上の生き物も根絶やしにして、地球をキャンベル星と同様の太陽エネルギー貯蔵庫に変えようと企む。また、地球の人間を拉致して奴隷として酷使したり、洗脳して戦力にしたりしている。
キャンベル星は地球から34万光年離れた位置に存在する惑星であるが、ペンペン草一本生えず人工物で覆われており、高度な科学技術がある以外、どのような文明を築いているのかは明らかになっていない。
地底の奥底に前線基地が存在しており、南原博士はこの侵略者の存在に気付いて国連の許可を得てコン・バトラーVを開発した。

ひおあきらの漫画版では氷河期到来前は既に地球を完全に支配下に置いていたとされ、当時猿人だった人類の進化にも影響を与えたという設定。

なお、侵略者であるキャンベル星人は強硬派という分類の存在であり、心ある穏健派も存在する。


前半

  • オレアナ(CV:野沢雅子)
女帝を自称するキャンベル星の天才科学者。現在は自らの意識を巨大石像内のマザーコンピュータに移して生き延びている。
ガルーダに対しては愛情深く振舞うが、実際は只の道具としか思っていない冷酷非情な性格。
本作では昔の頃に、地球の人間が空を飛ぶオレアナを見て神だと思い込み、オレアナを元にして古代遺跡が作られていた。


  • ガルーダ(CV:市川治)
地球侵攻軍司令官を務める大将軍。オレアナを母と崇め、地球人を下等な虫けら呼ばわりしており、人質を取って盾にしたり暗殺計画を企てたりなど、情け容赦なく攻撃する。
普段は青い肌と金色の瞳を除けば地球人と何ら変わらない姿をしているが、オレアナから放つ電撃を浴びることで怪鳥の姿に変化する。
第6話で豹馬の存在を知り、侵攻を度々阻止してくる彼をライバル視する。

  • ミーア(CV:千々松幸子)
ガルーダを慰めるために造られた女性型のハーフロイドで、上半身のみが壁から生えているような形状。ガルーダに深い愛情を抱いている。
基本的にガルーダとの話し相手になる役だが、一度作戦を立案したこともある。身体の作りから不自由そうに見えるが、空間転移で別の場所に行き来することが出来る。
余談だが名前と出身地を繋げるとイツワリノウタヒメになる。というか十中八九元ネタ。

  • ナルア(CV:たてかべ和也)
ガルーダの配下である男性型のハーフロイドで、ミーアと同様に上半身のみが壁から生えているタイプ。
どれい獣の選抜・解凍を行うのが彼の役割。

ガルーダの配下である男性型のハーフロイド(ry
戦闘作戦司令を担っており、どれい獣や戦闘員であるどれい兵団の指揮を執る。
戦闘中、ガルーダに意見を言った際に“壁飾り”呼ばわりされたことが何度かある。文字通りの作りとはいえあんまりである


後半

  • ジャネラ(CV:つかせのりこ、日比野朱里(SRW))
オレアナ亡き後キャンベル星から送り込まれた第二の侵略軍であり、「三面鬼岩」の主を務める女帝である。
普段は体に蛇を巻いた美女の姿だが、激昂すると顔が鬼か蛇のような形相に変化する。身体を精神体のような状態にして移動することも出来る。

  • ダンゲル(CV:緒方賢一)
ワルキメデスの弟である、攻撃軍総司令官。キャンベル星随一の兵(つわもの)と言われる。力押しを好み、マグマ獣に乗り込んで戦う粗暴な大男。ジャネラやワルキメデスからは馬鹿扱いされている。
一応肩書きは将軍なのだが、ほぼ毎回マグマ獣に直接乗り込み前線で戦っている。手柄を得るために無断で出撃することもあった。
ちなみにジャネラやワルキメデスが余計な指図をしなければコン・バトラーVを倒せていた場面もあったり

  • ワルキメデス(CV:市川治)
キャンベル星人随一の頭脳を誇る総統。狡猾な性格で、弟のダンゲルとの仲は良くない。総統ではあるが兵器開発と作戦立案の参謀を担当している。
狡猾な性格で、刺客(主に地球の人間を脅したり洗脳したりしたスパイや、南原コネクションの関係者にそっくりなロボット)や小動物型のメカを送り込んで南原コネクションを内部から攻めたり、人質を取って豹馬達を精神的に追い詰めたりするのを好む。
ちなみにダンゲル・ワルキメデス共に反抗したり失敗した時にはジャネラの意思一つでそれぞれ頭部のネジ・ヘルメットが締め付けもがき苦しむ。


▲メカニック


南原コネクション

南原博士が国連の支援を受けて建造した民間の研究施設。施設上部にある巨大なU字磁石が特徴。コン・バトラーVの整備基地となっている。
戦闘の際は超電磁バリアを発生させて敵からの攻撃を防ぐことができ、各種防衛用装備での戦闘も可能。バトルチームもバトルマシンが使えない状況で砲手を務めることがあった。
その他、有事に備え、キャンベル星人はおろかバトルチームにも知らされていない機能が幾つか隠されている。

バトルマシン

バトルジェット
コン・バトラーVの頭部を構成する高速戦闘機。最高飛行速度はマッハ4*8
機関砲や上部から出現する「マグネレーザー」、主翼の隙間から発射される棘「スカイリッパー」、両翼端に展開される接近戦用の回転刃「ドスブレッシャー」を武器とする。

バトルクラッシャー
コン・バトラーVの胸部・両腕を構成する重爆撃機。
分離状態での使用武器は、コックピット横から砲身が展開・発射される矢「エレクトロダート」や、本体下面から投下される爆雷、スプリングクラッシャーの先端に似た形状のミサイル「グランブリット」など。
腕部武装のうち、両腕を組み合わせなくても使える武器は、合体前でも後でもそのまま使用可能。

バトルタンク
コン・バトラーVの腹部を構成する重戦車。発電所1基分の出力を持つ原子炉と発電機を搭載した、コン・バトラーのエネルギー源である。アブネー!
代わりに単体での飛行能力は無いため、飛行時はバトルマリンに運搬してもらう。
装備武器は前面の赤い部分から展開される伸縮式ショベルアームや、上部黄色い部分から射出される、ドリルと鉤爪付き鎖「アンカーナックル」や、上部から出現する320ミリ戦車砲。バトルマリンに担がれた状態で体当たりすることもあった。

バトルマリン
コン・バトラーVの両脚を構成する潜水艇。修理装置を搭載している。
装備武器は爆雷のみで、バトルマシンの中で最も攻撃力が低い。そこを敵に狙われることもあった。
コン・バトラーの太ももに当たる部分からリフターを出し、バトルタンクなどを運搬する役目も持つ。

バトルクラフト
コン・バトラーVの両足首を構成する12輪の万能偵察機。透視装置が搭載されており、敵機の特徴と弱点を見抜くことが出来る。
複座式だが左側は基本的に無人。左側は何度か破壊されていたりする
水中でも問題なく活動出来る他、前面からドリルが出現し、地中にも潜れる



レーッツ!! コーンバイーン!!


コン・バトラァァァァァ!!ブイッ!!


○コン・バトラーV

5機のバトルマシンがコンバインして完成する、超電磁エネルギー*9を動力源とする巨大ロボ。主題歌でも歌われるように全高57.0メートル、重量550.0トン。
足裏のバーニアのみで空を飛ぶ。最高飛行速度はマッハ11で、空中で姿勢を保ちながら格闘戦を行える。
合体には搭乗する5人の脳波が同調しなければならず、少しでも乱れると合体することができない。このためチームメンバー同士の意見が食い違って衝突したり、相手が敵ではないと思い倒す戦意が出なかったり、偽者が紛れ込んだり、はたまたゲップしただけで合体できずピンチに陥ることもしばしばあった。

操縦方法はパイロットの被るヘルメットから、パイロットの記憶細胞に情報が伝達される。これによって操縦経験のない者でもすぐマスター出来る。
オプションとして思考による操縦も可能であり、豹馬が腕を使えなくなった際は、頭と腕に脳波コントロール装置を取り付けて機体を動かした。
また、ヘルメットには遠隔操縦機能もあり、簡単な操作ぐらいなら外部からのリモコン操縦も可能。

呼び方としては「バトラー」「コンバトラー」、単に「V」と呼ばれることがあったが、基本的には「コン・バトラーV」と「」を付けるのが正しい呼び方のようである。「コンV」という呼び方はアニメ製作者や視聴者側の呼び方であり、本作でそのように呼んだ者は一人もいなかった。

ちなみに装甲材質として設定されている「サーメット」は、スーパーロボットアニメとしては珍しく現実に存在する物質(セラミックと金属の複合材)である。

☆主な武装

  • ワンダーレスト
手首を変形させて使用する武器の総称。全7種類存在する。「超電磁ギムレット」も手首を変形させるので実際には全8種類。
片腕単体で武器を出すだけでなく、両腕をくっつけるとその部分の装甲も収納され、中から横長な武器を出現させることも出来る。
いずれもどうやって格納しているのか、どういう内部構造をしているのかサッパリ不明
まぁマジンガーZどころか鉄腕アトムの頃から既に同様の傾向は見られたので今更突っ込むのは野暮というものだろう。後年Zはいくらか後付けとは言え補足されていたりするが
  •  ロックファイター
    指先から発射される小型ミサイル。ガンダムのバルカンと同じような扱いで、牽制や敵の飛び道具の迎撃によく使われた。
  •  バトルガレッガー
    鎖で繋がった巨大な枷状の物体。これで敵を押し出したり、掴んで振り回し、投げ飛ばしたりする。
    発射後の次のカットで、鎖ではなくワイヤーになっていることが多かった。
    某ゲームとは関係ない。
  •  マグネクロー
    先端に棘が付いている四角い立方体。腕の内径に近い大きさの物体ながら、同じ物を連続発射出来る。
    両腕を連結させて横長なマグネクローも発射出来る。
  •  アトミックバーナー
    火炎放射器。片手ずつ放射器を出現させる時もあれば、両腕を組み合わせて1つの大型放射器を出す時もあった。
    大仰な名前の割にこれで敵機が溶ける描写が殆どないからなのか、スパロボでは弱めの威力に設定されていることが多い。
  •  スプリングクラッシャー
    ワイヤーで繋がった回転削岩機。「ドリルスプリング」や「グラフワイヤー」と呼ばれることもあった。
  •  超電磁クレーン
    ワイヤーで繋がったマグネクロー。両腕を結合しないと使えない。


  • バトルリターン
肩や腰に装着された円盤状の投擲武器。投げると対象を切り裂いた後に戻ってくる

  • 超電磁ヨーヨー
耐蝕性の極めて高いα鋼製の円盤を超電磁の糸で繋いで操る、本機の代名詞とも言える武装。
「バトルリターン」の肩の部分を”ヨーヨー1”、腰の部分を”ヨーヨー2”として扱う。合体させて巨大なヨーヨー(「ダブルカッター」と呼ばれる)にすることも可能*10
当時はヨーヨーが大ブーム(ハイパーヨーヨーではない)で、初登場時にはバトルチームが見ていたTV画面が実写になっている。
強力な溶解液を使うどれい獣デモーラに対抗するため、四ッ谷博士や豹馬がたまたまテレビで見たヨーヨーの達人を参考にして編み出された。
ちなみに元ネタは『スケバン刑事』とのこと。

  • 超電磁スパーク
頭部の角から発生した電気を指先から放出する。角からの電気を放出するだけだと「パルショック」と呼ばれる。
「超電磁スパーク・フルパワー」では全身から電気を放出するが、機体への負担も大きいことから、ピンチの時しか使われない。

  • ビッグブラスト
腹部から発射される大型ミサイル。スパロボだと勘違いしがちだけど股間じゃないぞ。
特筆すべき点はミサイル本体が胴体の前後幅よりも長いことである。
1戦闘に1回だけ撃っていることが多いのだが、最大3連射する時もあった。
敵に組み付かれた際や、触手などで拘束されて身動きが取れなくなった際の脱出など、ここぞという時に使われることが多い。
初期は発射口が開いて中からミサイルが出る時があったが、次第に発射口とミサイルが一体化した形状に落ち着いた……逆に危険な気もするが、そもそも胸がミサイルな時代なので気にしたら負け。
後に仕様が変更され、多弾頭ミサイル「ビッグブラスト・ディバイダー」も搭載された。また、その時から発射口が展開してミサイルが出る作りに定まり、ミサイルの色も黄から青になった。ただし、弾頭の種類を使い分けているのかは不明*11

  • ツインランサー
中盤の強化改造(通称「ニューV作戦」)で追加された武装の一つ。バトルクラッシャーの両翼が変形したように見えない2本1対の短槍。肩からポップアップトースターで焼いた食パンの如く飛び出す。
というよりはコン・バトラーサイズのショートソードである。
両手に1本ずつ持ったり縦に連結したりして使う。

  • Vレーザー
同じく追加武装の一つ。額のVから放たれるVの字型ビーム。「Vカッター」と呼ばれることもあった。

  • カッターキック
同じく追加武装の一つ。脚部の丸い部分が展開し刃が出現。回転することで、蹴りの威力を高める。

同じく追加武装(ry「ベルトカッター」と呼ばれることもあった。
背中のキャタピラを射出し、そこに付いた刃が展開。キャタピラを遠隔操作して敵機を切り刻む。

  • 超電磁スピン
敵を電磁竜巻「超電磁タツマキ」で動きを封じた後、両腕を「超電磁ギムレット」に変形させて高速回転し、敵を貫き粉砕する。
多くのどれい獣&マグマ獣を粉砕してきた、歌詞通りの「電磁の必殺の技」である。
既に敵の動きが鈍っている際は、超電磁タツマキを使わずに即スピン攻撃を行う時もあった。

  • 超電磁ウズマキ
超電磁スピンの応用技。敵機周辺を高速で回り、磁界を発生させ敵の動きを封じる。超電磁タツマキと仕組みの違いがはっきりしないためか、第3話でしか使用されていない。

  • グランダッシャー
胸からグランライトウェーブという光波レールを放ち、その上を巨大戦車に変形して疾走し敵に突撃する。
第26話でキャンベル星人の前線基地へ攻め込む際に追加された新必殺技。
ただ、超電磁スピンより強力というわけでもなく、どういう基準で使い分けられているのかは不明。
メタ的には玩具のオリジナルギミックを本編に逆輸入したものである。
ちなみに、変形時は顔を隠さない

  • 超電磁バリア
高圧のバリアで全身を覆う防御兵装。第4話でデモーラの溶解液を防ぐために使用したが、エネルギーを著しく消費するため、展開時間は短い。更に、展開中は身動きが取れなくなる。
同話で敵の性能が強化されてバリアを貫かれるようになって以降、使用されていない。


この他、第2話で全身の丸い部分から熱線や冷凍光線を一斉発射していた。


○ケロット

一木兄妹が原型を作り、弱みを握られた小介が改造した、カエルのような外観の小型ロボット。南原コネクションにあったジャンクパーツを材料にして作られた。
全高は4~5m程度でコン・バトラーVの頭部と同じくらいの大きさ。
ボスボロットの立ち位置を引き継ぐ「基本役立たずだが思わぬところで大活躍するサポートメカ」。 特に囮や潜入役として活躍した。
武装は粘着性ガムガム弾、戦車の砲弾すら包み込めるシャボン玉「バルーン砲」、食器のフォークに縄を繋げただけの「スカイフォーク」、微電磁スパークなど。ちなみに操縦はほとんど妹の知恵が担当しており、兄の金太は基本的に指示を出すだけ。
一回だけハリボテ(デパートが宣伝用に作成したもの)を付けてコン・バトラーVに偽装した事がある。
余談だが、スパロボでは修理装置や補給装置が搭載されて登場するが、そのような設定は存在しない

○ガルガンチュワ

第18話で登場した、ブリッテン国のローレンス・ピカデリー教授が開発した巨大ロボット。決定的な武器がまだないため、実戦に投入できなかった。マスコミは「既に完成」と報じているが…。
武装は腹部の丸い部分から発射されるミサイル(機銃?)と、手に持った双頭の槍*12
ちなみに、スパロボでは強化型の「パンタグリュエル」が登場したこともあったが、原作でピカデリー教授が助手に「ガルガンチュワ2世を世界最強のロボットとするため研究を続けてくれ」と発言しただけであり、原作には存在しない。

○どれい獣

前半のキャンベル星の巨大戦力。他の星の宇宙生物を改造したサイボーグ怪獣。普段は氷漬けにされているが、使用時はナルアによって解凍される。
“どれい(奴隷)”の名前通り知性や自我はほとんどなく、ただ命令のまま敵を攻撃する存在。
数は少ないがパイロットが乗り込める機体も存在する。中には第22話で登場した冷凍獣アイラスのように機械化せずに洗脳された個体も存在する。
スパロボでは“どれい”のネーミングが引っかかったのか、メカの分類が明記される作品では後述のマグマ獣に纏められている。

○グレイドン

ガルーダの指揮する戦艦。中央が脳のような形状、横に7本の突起が出ていて先端に目の付いた不気味な外観をしている。
ミーアやギルアが乗り込んで指揮を執る時もあった。

○ビッグガルーダ

ガルーダがコン・バトラーとの決戦時に乗り込んだ巨大ロボット。人間態のガルーダに似せて作られている。コン・バトラーより少し背が高い。
設定ではオレアナがアンドロイドのガルーダを製作する過程で造ったものであるらしく、資料によっては「ガルーダのプロトタイプ」とされることも。
口からは火炎を、胸部からミサイルを発射する。剣と弓矢を装備し、矢*13は標的に刺さると爆発する。
腕内部には弓ノコ型の刃やドリルミサイルを内装している。

○マグマ獣

どれい獣に代わって後半に登場した巨大戦力。どれい獣と違いロボットのような外観で、こちらもどれい獣と同じく捕まえた宇宙生物を改造したものである。
将軍ダンゲルが直接搭乗して操る機体が多いが、頭脳制御に切り替えることも出来る。
その名から連想されるように、三面鬼岩内の溶岩から出現し、火炎弾を発射する機体が多い。

○ブランブル

キャンベル軍の戦艦。グレイドンと似たような形状だが、生物的要素は薄くなっている。

○セント・マグマ

最終話でジャネラが指揮する大型戦艦。亀の甲羅のようなドームに竜の首が4つ横に突き出ている。竜の口からは火炎や冷気や破壊光線を吐く。艦底からは竜巻も発生できる。
超電磁スピンをも弾く程の堅牢さを持つ。


▲漫画媒体

放送当時色々な媒体でコミカライズ版が展開されたが、その中でも『宇宙戦艦ヤマト』の漫画も手掛けたことで知られる、ひおあきら氏によるテレビランド連載版が有名。
ガルーダの悲劇、人間のエゴといったテーマをアニメ版以上に盛り上げている側面もあり、単行本化された事もあってかファンの間で知名度・評価ともに高い。


▲外部作出演

スーパーロボット大戦シリーズには『第3次スーパーロボット大戦』に初参戦し、その後も様々な作品で登場する準レギュラー的な立ち位置。
基本的に合体は再現されず、もっぱら合体状態のコン・バトラーVとして参戦している*14
「5人乗りによる豊富な精神コマンドを持つものの、合体機構のせいでスーパー系にしては打たれ弱い」ユニットになりがちで、参戦作品によっては他の超強力なユニットに主力を奪われてしまいがち。もちろんしっかり改造すれば充分役立ってくれるが。だが、初期の頃は原作でコンVが宇宙で戦闘する描写がなかったせいか、宇宙の地形適応が悪いなど不遇だった。
近年のシリーズでは『ボルテスV』とは基本的に同時参戦(初共演は『α』)しており、オリジナルの合体技まで用意されるなど演出面でも優遇されるようになる。

南原コネクション自体は当然味方なのだが。そのせいでティターンズに襲撃されることもあり、『α外伝』では南原博士が結果的にジェリド・メサに殺され*15、豹馬達からも恨まれることになる。

ちなみに意外な事にストーリーが再現された作品は少なめで、いわゆる「いるだけ参戦」である事が多く、シリーズ初期の頃は原作再現がガルーダ編のみに留まっていた。ジャネラ一味が初登場したのは『64』であり(ガルーダなどの前半の敵は未登場)、物語編全編の原作再現が展開されたのはαシリーズとCOMPACT2/IMPACTのみとなっている。どれい獣は最初に登場したガルムスが量産されて出現し、あとはミーアが乗っていたデモンくらいしか現れない。マグマ獣も数体のみ。なお、敵ユニットの名称は表現上の問題もあってか、どれい獣もマグマ獣の名称で統一されている。
それどころか、キャンベル星人が一切登場せず、バトルチームがボルテスチームの先輩くらいの設定ならまだ普通な方で、ダンナーベースの一員になっていたなんて作品もあった。
一方で『A』では自然を愛する者繋がりで東方不敗の友人になっている四谷博士という意外なクロスオーバーもある。
あと『α』ではガルーダにプロトタイプがいたという設定を利用して
ミーアを破壊されたところで真相を知るが、プロトタイプのガルーダ達の手で逆に洗脳される」or「敗北続きの失敗作と見なされてプロトタイプの手でミーア共々粛清される」そして「その真相をバトルチーム含む全陣営に明かされる
という、原作以上の悲劇の末に無念の死を遂げるガルーダなんて展開も(これによりオレアナがガルーダ編におけるラスボス化して最終話まで出張る)。
スパロボでは原作とは違って豹馬達がガルーダの身の上を知る展開はそこそこ多いが、特に『α』におけるガルーダの「キャンベル星を救うため*16に戦っていたはずなのに、実際は意味もなく利用するだけ利用されていた」という悲劇は、敵対していた豹馬達もショックを受けており、洗脳された展開におけるガルーダの最期の「自分のような悲劇を繰り返させないでくれ」という遺言もあって、豹馬の戦う理由の一つにすらなっている*17
原作終了後設定の『30』でも豹馬がガルーダの正体を知っていたと思われる描写があり、親と子の関係性や、悪の心を持った超AIロボット達との戦いに苦悩する場面も描かれた。

なお、寺田Pにとっては思い入れがあるのか、インタビューにて他作品間のバランス調整の具体例として
A.T.フィールドが超電磁スピンで破れるなんて設定が原作にあるわけではないので、自分で決めるしかない」
と、必殺技の代表例のように扱う発言をしたことがある。


漫画媒体では、長谷川裕一の作品『超電磁大戦ビクトリーファイブ』並びに『ゴッドバード』は本作の後日談の体裁を取っており、
超電磁マシーン ボルテスV』『闘将ダイモス』『未来ロボ ダルタニアス』、そして『勇者ライディーン』といった長浜作品群とのクロスオーバーが描かれた。


▲余談

  • エンディング主題歌に「♪身長57メートル、体重550トン…」という一節があることから、この手のスーパーロボットの中でも突出して身長・体重の認知度が高く、今なおしばしばネタにされる。
    空想科学読本』によれば、この身長でこの体重というのは軽すぎもいいところらしい。というのも、立体物の縮尺は3乗しなければいけないので、もし165cmまで縮小すれば重量は13kgになってしまうためである(まあ、ほとんど戦闘機で構成されていることを考えると、軽めに作られているのは当然なのかもしれないが…)。

  • 5機編成による合体人型ロボというのは当時としてはかなり大胆な構造であり*18、製造コストは高く、子ども達…もとい親御さんの財布に衝撃を与え、純正品のデラックス超合金はそう簡単に手に入るものではなかった。
    子ども達によっては、友達同士複数人で協力し合って5機をそれぞれバラで購入し、それを持ち寄って合体させて遊ぶということもあったとされ、ある意味で子ども同士のコミュニケーションに一役買っていた。
    商品化する際のコスト云々に留まらず、純粋に作画も大変だったらしく、本作に触発されて自社でも合体ロボットアニメを手掛けることに決めた創映社/日本サンライズは5機合体の描写が大変すぎて手に負えず、3機で妥協し、その結果生まれたのが『無敵超人ザンボット3』である。


追記・修正は脳波を一致させてお願いします。

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最終更新:2024年03月18日 03:02

*1 偽コン・バトラーVが街を襲撃した際や、メンバーによる民間人殺傷事件が起きた際に豹馬達が逮捕されたことから、どこからは許されないのかの線引きはされているようである。ただ、第1話で豹馬が南原コネクションにバイクで向かう途中、いたずらで民間の車やパトカーを数台ひっくり返させるのはアリなのかという問題が残るが。

*2 ひおあきらの漫画版ではガルーダに腕を切断されたことがはっきりとした描写になっている。

*3 実家は熊本にあるが、出身地かどうかは不明。

*4 18話でのブリッテン国のように、宇宙人の侵略を気にもかけず、国同士の睨み合い(南原博士曰く「縄張り根性」)を優先している政府が存在していたことが後に明らかになる。

*5 完全な機械ではなく、血も流れるし痛覚もある。

*6 ひおあきらのコミカライズ版では豹馬達がガルーダの身の上を知る展開があるため、ガルーダの死後に涙を流す場面が挿入されている。また漫画『超電磁大戦ビクトリーファイブ』では物語第2部冒頭にて豹馬達が当時気に掛ける余裕もなく戦っていたガルーダの身の上を初めて知る場面が挿入されている。

*7 第47話でわざと捕虜になって改心するフリをして四ッ谷博士達を騙したり、自分で考えた小細工なら平気で実行したりすることから、武人として正々堂々としているわけではない。

*8 劇中での南原博士の説明より。

*9 原子力エンジンから発生する電力を基にして生み出される超エネルギーとされている

*10 初登場の第4話でしか見せていないが、たまにスパロボで再現される。

*11 武器の呼び名が従来通り「ビッグブラスト」のままな上に、ディバイダーは劇中で数回しか使っていない。

*12 スパロボでは「アローランサー」という名称。

*13 ガルーダは「ミサイル矢」「ロケット矢」と呼んでいた

*14 一部分離・合体が再現された作品もあり

*15 「外伝で?」と思われた人もいるかもしれないが、『α』では南原博士はなんと最初から最後まで無事生き延びている。しかも「ちずるの祖父」という設定を活かしてちずるのある秘密を豹馬に明かす役どころになっている。

*16 『α』のキャンベル星はオリジナル勢力のゼ・バルマリィ帝国の支配を受けている。

*17 原作での豹馬は、ガルーダに対して卑劣な上に卑怯者である印象を終始抱いており、本来の誇り高い側面を知らなかった。

*18 参考までに説明すると、スーパー戦隊シリーズの合体ロボでさえ、1987年の『光戦隊マスクマン』でシリーズ初の5機合体を実現させるまでかなりの紆余曲折を要した。