葛城ミサト

登録日:2018/08/25 Sat 17:26:31
更新日:2024/03/31 Sun 20:52:48
所要時間:約 9 分で読めます







シンジ君。何のためにここに来たの?ダメよ逃げちゃ。お父さんから、何よりも自分から!



葛城(かつらぎ)ミサトとは、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場するキャラクターである。

プロフィール

生年月日:1986年12月8日
年齢:29歳
身長:163cm
体重:47kg
血液型:A型
スリーサイズ:B-88 W-59 H-82
声優:三石琴乃


人物

特務機関NERV(ネルフ)本部に所属する女性。役職は戦術作戦部作戦局第一課課長で階級は一尉。後に三佐に昇進する。
碇シンジ綾波レイ惣流・アスカ・ラングレーらEVAのパイロット達の直属の上司に当たる人物で、EVAによる使徒殲滅作戦の作戦指揮を担当している。
第3新東京市にあるマンションで温泉ペンギンのペンペンと暮らしていたが、作中でシンジとアスカを同居人に迎え、彼らの保護者的な役割を担うようになった。

紫がかった黒のウェーブがかった長髪*1を持つスタイル抜群の美人。
バストはEカップであり、自らトレードマークと称するほど自信を有している。
(なお3年後が舞台の『ANIMA』ではアスカに負けを認めており、実際『シン』で登場したアラサーアスカはミサト以上の巨乳であった)
勤務時は黒いタイトのワンピースに赤いジャケットを羽織っている。正式な式典に出向く時には制服一式を着用する。
常に首にかけている十字のペンダントは父親の形見である。
自宅にいる時にはタンクトップに短パンというかなりラフな格好となり、目のやり場に困るほど肌の露出も多くなる。

愛車はアルピーヌ・A310を右ハンドルの2シーター電動自動車に改造したもの。
この車は登場早々にUN軍のN2地雷による衝撃で中破しており、復帰した後も無理な運転がたたって大破し乗れなくなってしまっている。
左ハンドルのガソリン車仕様のものに乗車しているシーンもあり、フェラーリ328も所有している。

一人称は「あたし」。気さくで陽気かつ楽観的な性格。
シンジにも初対面で「歳の割には子供っぽい」と言われるほどだが、その性格ゆえ彼女に好感を持っている人間は多い。
感情の起伏も割と激しく、かつて付き合っていた加持リョウジと再会した時には露骨に嫌そうな顔をしたり、
過去の関係を暴露された時にはかつてないほどに取り乱し頭を抱えている。
またJ.A.の起動会見で時田シロウにイヤミを言われた際はロッカールームのロッカーをボコボコになるまで蹴っていた。

私生活は非常にがさつであり、シンジが初めて自宅に来た時はゴミでかなり散らかっていた。本人曰くこれでも「ちょっち散らかっている」程度らしい。
家事全般も不得意であり、インスタントのカレーですらまともに作れない
シンジが居候するようになり食事当番が決められた後も、朝食等はシンジが作っていた。
ちなみに好物は、カップ麺に水っぽいカレーをドバーっと注いだもの。
最初からカレー味のカップ麺ではこの味は出ないようで、スープとお湯を少なくしておくのがコツらしい。
酒好きでもあり、自宅の冷蔵庫はヱビスビールで一杯になっている。朝からビールを飲む事もザラにある。また、獺祭の瓶が部屋中に置かれている。
シンジやアスカには歳の離れた友人のような感覚で接しているが、時には保護者らしく彼らを叱ったり、シンジの心情を察して諭すような言葉をかける事もある。

だが作戦の指揮を執っている時は普段とはうって変わって厳格となり、凛とした態度でシンジ達やネルフスタッフに指示を出していく。
彼女が立案する作戦は「日本中の電力を集めた陽電子砲で使徒のATフィールドを破る」「大気圏外から落下してくる使徒をEVAで受け止める」など
大胆かつ向こう見ずなものが多いが、これは「出来る事はやっておきたい」という彼女の意思の表れでもあり、そのほとんどを持ち前の強運で成功に導いている。
ちなみにシンジによるとこれまでにクジで当たった事は一度もないらしい。

普段は「明るくて頼りになるお姉さん」として振舞っているがそれは表面上の性格で、素顔はシンジと同様に傷つきやすい繊細な感性の持ち主であり、
内に秘めた自分の弱さをさらけ出す事に恐れを抱いている。
その本心を知るのは旧友の赤木リツコや加持などごく一部の人間だけである。
作中では「楽天的ね」とリツコに言われた際に「希望的観測は人が生きていくための必需品よ」と返している。

使徒迎撃作戦では作戦の立案と指揮を担当。
基本は彼女に作戦の指揮が一任されており、作戦に当たるシンジ達にも状況を見極めて的確な指示を与える。
シャムシエル戦の着弾煙のエピソードなど初期はエヴァによる対使徒戦の経験不足もあって不適切な指示も多かったが、それも後半になっていくにつれて改善してゆく。
彼女が立てる計画は前述のように実行不可能とまではいかないまでも無茶で大胆なものが多いため、現実的な考えを持つリツコと方針を巡って対立する事もよくある。
だがこれらの作戦は限られた時間内で実行できる最も勝率の高いものである事がほとんどであり、
そのほとんどを成功に導いている事から指揮官としてはとても優秀な人物と言える。
特に「大気圏外から落下してくる使徒を…」の作戦が実行されたサハクィエル戦は、MAGIシステムですら撤退を推奨していた状況であったため、
彼女の大胆な作戦がなければ第3新東京市壊滅だけでなくサードインパクトも起きていた事だろう。
フットワークも軽く、ガギエル戦では鈴原トウジの一言をヒントに瞬時に作戦を立案し、国連軍に協力を仰いで作戦を実行に移している。

戦闘能力は高く、拳銃の扱いにも長けている。
使用するのはドイツのH&K USPで、設定上は.45口径モデル*2。ネルフの一般職員がグロックを使っているため、彼女の私物かドイツ支部時代のものと思われる。
旧劇場版では武装した戦略自衛隊数名にも臆する事無く立ち向かい、この自動拳銃のみで殲滅している。


劇中での活躍

TVアニメ版

サキエル襲来の際に第3の適格者であるシンジを迎えに行き、サキエルを殲滅した後でシンジを自宅に迎え入れ同居を始める。
シンジが思い悩んで家出した事もあったが、彼が戻ってきた時には笑顔で出迎え「おかえりなさい」と優しく語りかけた。
当初はシンジの保護者代わりであったが、2人とも父親に強い感情を抱えていたので、
父・ゲンドウを嫌悪している彼と過去の自分を重ね合わせシンパシーを抱くようになっていく。
そしてその関係は保護者と被保護者・あるいは上司と部下以上の複雑なものへと変わっていき、後述の最期のシーンでは別れる直前に恋人のような会話を交わしている。

作中で三佐に昇進し、ドイツから来日してきたアスカも引き取るようになる。
第3新東京市に襲来してくる使徒もその手腕で次々と殲滅していくが、加持と再会した頃からゲンドウやリツコの行動に疑念を抱くようになり、
加持が3重スパイだと突き止めた直後にネルフの最深部に幽閉されている白い巨人(リリス)を目の当たりにし、ネルフの暗部に触れる事となった。

+ 過去
14歳の頃に父親が代表を務める葛城調査隊に同行し南極を訪れる。
その際に未曾有の大災厄「セカンドインパクト」が南極で発生。
父親に脱出カプセルに押し込まれ爆心地から遠ざかった後で、セカンドインパクトがもたらした惨状と光の巨人を目撃した。
当初は研究に没頭し家庭をないがしろにする父親を嫌っていたが、彼が命を賭してミサトを助けようとしていた事で考えを改め、父親に対する想いを強めていく事となった。
南極にいた人間でただ1人の生存者となったが、この世の終わりのような光景を目撃した事と父を失った事が原因で失声症となり心を閉ざしてしまう。
また、セカンドインパクトの際に負った傷跡が今でも胸に残っている。
失声症から回復した後は第2東京大学へ進学し、リツコや加持と出会う。
この頃の彼女は失声症だった事が嘘のようにお喋りだったらしく、「失声症だった頃のブランクを取り戻すかのようだった」とリツコは語っている。
在学中に加持と恋人関係となるが、加持に父親の面影を無意識に重ね合わせていた事に気づき、ネルフの前身であるゲヒルンに入所する前に別れている。
ゲヒルン(ネルフ)に入所した後は父の仇である使徒殲滅に固執するようになり、それと同時に使徒を倒す存在であるEVAにも執着するようになっていく。

加持と再会し、ふとした事で内面を吐露した後はヨリを戻して恋人関係となる。だが程なくして加持は何者かによって銃殺されてしまい、
彼が留守番電話に遺していたメッセージを聞いて彼の死を悟り号泣した。
加持の死から立ち直った後は彼が遺したチップを元に、セカンドインパクトや人類補完計画の真実へ迫るために行動を開始する。


しかし、このため日常部分が蔑になってしまい、結果「疑似家族」は崩壊の一途をたどることになる。

旧劇場版

だがその全貌を知る前に、戦略自衛隊がネルフ本部に突入。
シンジ達チルドレンを守るため拳銃で応戦するがシンジを連れ出そうとした時に被弾してしまう。
深い傷を負いながらも何とかエレベーター前まで逃げ込み、渚カヲルに裏切られた事で塞ぎこんでいたシンジを奮い立たせるため
今まで秘めていた自らの弱さを彼に明かす。
そして父の形見であるペンダントを彼に渡し、ディープキスをして送り出した。


……大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう……


だがその直後に崩れ落ち、人類補完計画を見届ける事無く爆風に巻き込まれ命を落とした。


こんな事なら……アスカの言うとおり……カーペット変えときゃよかった……


ねぇ、ペンペン、加持君…… あたしこれで良かったわよね……


シンジが補完を否定しLCLの海から戻った後、ペンダントは墓標のようにどこかの柱にかかっていた。
漫画版でもほぼ同様の末路を辿っており、こちらでは新たな世界でシンジがペンダントを所持している。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

年齢や立場は変わらないが階級は二佐になっている。
『新劇場版』ではネルフ職員全員にリリスの存在が知らされているため、『序』の終盤にシンジにリリスを見せネルフの目的について教えている。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

一佐に昇進する。
終盤、第10の使徒に取り込まれたレイを取り戻そうと擬似シン化したシンジと初号機を制止するリツコに対し
「行きなさい!シンジ君!誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!」
と後押しする。そしてシンジはレイに手を伸ばすが、天空からMark.6が現れ……

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

14年が経過した『Q』では旧ネルフスタッフを中心に結成された反ネルフ組織「WILLE(ヴィレ)」のリーダー的存在となっている。
年齢は43歳。階級は大佐で、空中戦艦「AAA ヴンダー」の艦長も兼任している。
髪型はセミロングヘアとなっており、サングラスをかけている。
『破』のラストでサードインパクトの真実を知ったためかかつての優しかった頃の面影はほとんどなく、
アスカが「目標優先、人命軽視」と言うように常に冷淡な態度で周囲に振舞う。
シンジに対しても冷淡に接し、初号機覚醒を阻止するために爆弾が組み込まれたチョーカーを彼の首につけさせている。
クルーの心情を考慮する必要があったとはいえ、シンジ(と視聴者)への状況説明は「綾波レイは救出できなかった」こと以外ほぼ皆無であり、
結果的にアヤナミレイ(仮称)による奪取を許してしまう。それでも起爆スイッチを押そうとはせず、以前のように「シンジ君」と呼んで心配そうにする様子も見せていた。
指揮官としての手腕は衰えておらず、またネルフ時代よりも部下(ヴンダークルーやエヴァパイロット)との信頼も深まっていることもあり、まだ試験飛行をしていなかったヴンダーを実戦で浮上させ、空中戦を指揮して部隊を一応の勝利に導いている。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

冒頭のパリ解放作戦では作戦終了後にリツコとの通信にて音声のみの登場。パリのNERVユーロ支部に封印されていたエヴァ用の装備や、その他装備品を受け取りに来た様子。

+ ネタバレ注意
物語中盤にて再登場。
親友のリツコとの会話の際にシンジがヴンダーに再び戻ってきたことに対して内心嬉しかったことをリツコに見透かされていた。
この時シーンの前に判明するのだが、『破』から『Q』の間に加持との子を授かっていたことが判明する。
この息子の名前は 『加持リョウジ』 であり、シンジとも対面していた。
しかしミサトは14年前にシンジに対して『いきなさい!!』と言ってしまったことや、 (14年前、シンジに対して言ってしまったように)感情で動くとろくなことにならない として、生まれてから一度も息子には会っておらず、その息子も母親のことは何も知らない。
また14年前にサードインパクトを止めるために単身特攻して戦死した加持の血が着いた青いバンダナ(ヴィレクルーが腕などにつけているもの)を所持している。リツコ曰く『そう簡単にリョウちゃんへの思いは断ち切れないわね。』とのこと。

本作最大の山場である 『ヤマト作戦』 では、NERVが本部ごと黒き月を引いて南極へ動いたことや、フォースインパクトの不可逆的阻止、そしてトリガーとなるエヴァ第13号機の起動阻止のためにヴンダーを駆使してヴィレクルー達と共にNERVとの最終決戦に望む。
旧南極にて潜行準備のために運航していたところを冬月副司令が搭乗するヴンダーの姉妹艦、NHGシリーズ(通称NERVヴンダー)の二番艦『エアレーズング』の奇襲攻撃を受ける。
しかしミサトはうろたえずにそのまま潜航を強行開始。
さらに南極地下のL結界内部にてエヴァンゲリオン・インフィニティの襲撃を受けるものの、これを突破。しかし、さらにNERV側の三番艦『エルブズュンデ』が現れ、エアレーズングとエルブズュンデからの挟み撃ちを食らう。
しかしミサトは『タイマン上等!!』と叫びながら最大戦速で三番艦エルブズュンデに特攻し、エルブズュンデを背負い投げのようにして振り払うと、L結界内部のセカンドインパクト爆心地へ到着する。
(NERVヴンダーとヴンダーの艦隊決戦シーンのBGMは惑星大戦争のものなのだが、妙に愉快で冬月副司令、ミサト両方が楽しそうに戦っているのが印象的である。)

黒き月を盾にしつつNERVヴンダーからの攻撃に耐えながら、戦艦などで代用した誘導弾を浮遊するNERV本部へ撃ち込む。
そして誘導弾発射とともにアスカマリの搭乗するエヴァ弐号機エヴァ8号機をNERV本部へ送る。

その後はセカンドインパクトの爆心地中心であるガフの部屋の入口、 『地獄の門』 を確認すると、ロンギヌスの槍、カシウスの槍に代わる黒き月をつかった新たな槍の作成方法を目撃した他、NERVヴンダー2隻が羽を広げ、 『人工的なリリス』 の再現をしているのを確認、すぐに三番艦から排除しようとするも、ここにてリツコが『計画によれば(NERVヴンダーは)四番艦まであったはず…』といった直後に、ヴンダーは四番艦『ゲベード』によって串刺しにされてしまった。

しかも同じ時、エヴァ第13号機が起動し、使徒化したアスカが第13号機によって吸収されてしまい、アスカは実質的に死亡してしまう。

さらにパイロットごと機体を新造したエヴァMark.09がヴンダーに接近、ヴンダーの本来の主としてヴンダーの主導権を取られてしまった。
そしてヴンダー甲板上に現れた本作の黒幕、碇ゲンドウとリツコと共に対峙、ゲンドウが喋り始めた瞬間にリツコが発砲、ゲンドウのバイザーを破壊する。そしてさらにゲンドウの頭に向かって数発撃ち込むのだが、既にゲンドウは『ネブカドネザルの鍵』を使用して望んで人の姿を捨てた、神に近い存在となっていた為、排除は失敗、さらにエヴァンゲリオン・インフィニティがL結界のさらに内部から大量に放出された後、ゲンドウ曰く『預けていた』ヴンダーの主機であったエヴァ初号機を略奪されてしまう。

そしてこの直前にゲンドウから衝撃の事実が告げられる。
それは人類補完計画を提唱したのはミサトの父、葛城博士であったこと、 セカンドインパクトは『海の浄化』であったこと、 サードインパクトは『大地の浄化』であったこと、 そしてフォースインパクトによって『魂の浄化』が達成されることを知る。

初号機を奪われ、ヴンダーも無力化されたヴィレは人類補完計画を止めるすべを無くしてしまい、途方に暮れる。
しかし、そこに覚悟を決めたシンジが現れ、シンジと対面。
シンジが父を止めると覚悟を決めたことを送り出そうとするが、そこにトウジの妹である鈴原サクラと、北上ミドリが拳銃をかまえて登場。サクラに至っては発砲させながら登場した。
ミドリは 『疫病神(シンジ)にニアサードで家族を殺されたこと、エヴァに乗ろうとしたら無条件発砲を許可されていること』 をミサトに問い詰め、サクラは『碇さんはエヴァには乗りません、乗ったから碇さんは不幸になったんや。ちょっと痛いですけど、乗らずに済みますから我慢してください。』と言いながらシンジに向けて拳銃を発砲した。


その銃弾はシンジを庇ったミサトに命中。
サクラは驚いた表情で倒れ込み、リツコはミサトを心配する。



そしてミサトはこういった。
『いいのよ、シンジ君…14年前、あなたが乗ってくれなかったら私たちはとっくに滅ぼされていたわ…たとえ結果的にニアサードが起きたとしても…』
そして甲板上に集まったヴィレクルー達に対してこう言う。
『碇シンジは今現在も私、葛城ミサトの管轄下にあり、(彼が初号機に乗るということはすなわち)彼の行うこと全ての責任を負うということです。』 と言ったのだ。
倒れ込んだサクラも続けてこういった。
シンジは私たちを救ってくれた恩人で、ニアサードを起こして世界を滅ぼしてしまった犯人だと。

ミサトらヴィレクルーはシンジを見送ることを決意した。
リツコはシンジにプラグスーツを渡し、ミサトは続けてこういった 『父親に対してできることは、肩を叩いてあげることか、殺してあげることよ。』 と。
そしてシンジがMark.09からヴンダーの制御を取り戻したエヴァ8号機とマリが現れ、シンジはマリと共にゲンドウが第13号機と共に行った場所、ガフの扉の向こう側であるマイナス宇宙へと向かった。

ミサトはシンジをできる限り支援することを決め、失われてしまったロンギヌスの槍、カシウスの槍に代わる新たな槍である 『ガイウスの槍』 を作成するため、ヴンダーの脊髄部分を使用した作成方法をリツコに頼み、ヴンダークルー達の尽力と、リツコの頭脳によってガイウスの槍は完成したのであった。
補完計画の要となる現実と虚構の狭間にある空想上のエヴァンゲリオン、エヴァンゲリオン・イマジナリーが地獄の門から現実世界に現れるのを目撃したミサトはリツコ達やヴンダーに残るクルー達に退艦命令を発令し、親友であるリツコに『生き残った人々や、子供たちを頼むわ。』と世界再建の希望を託し、ミサトはヴンダーに一人残る。

そして 『最後に頼るのは、昔からの反推進型自動エンジンね!』 とヴンダーを着火、そして髪を解き、葛城艦長から"ミサトさん"に戻った彼女は、現れたエヴァンゲリオン・イマジナリーに対して槍を届けるためにヴンダーごと特攻。
そして崩壊するヴンダー、マリにガイウスの槍を託したミサトは、崩壊する艦橋で1人つぶやく、そんなミサトの最後の言葉は、息子に対しての問いかけの言葉、



お母さん……これしかあなたにしてあげられなかった……

ごめんね……リョウジ……


であった。ミサトが死亡する前、彼女がヴンダーの艦橋に貼り付けていたのは 2人の息子 であるシンジ、リョウジの2人が写った写真であった。

新劇場版の彼女は旧作とは違い、後へと繋がる無数の命を救い、息子たちを次の時代(ネオンジェネシス)へと送り出した『本当の母親』になれたのだ。
彼女と加持が紡いだ命、そして息子のリョウジは次の時代(ネオンジェネシス)でもきっと幸せに暮らしているだろう。


他作品での活躍

スーパーロボット大戦シリーズ

パイロットではないがシンジ達が部隊に編入された際には監督役として同行する事が多く、他のパイロットにも指示を与える指揮官役となる場合もある。
エヴァは(新劇場版Q以降を除き)母艦が無いため、ロードムービーになることが多いスパロボにおいてはガンダムシリーズ等他のシリーズの母艦に同乗、
同じく中間管理職であるブライト・ノアホシノ・ルリ(劇場版設定)らと会議を行うことが多く必然的に目立つ。
参戦2作目である『F完結編』ではジュドーカトルをネルフに誘って逆ハーレムを築こうとする暴挙に出ていた(笑)。

特に顕著なのが『スクランブルコマンダー』で、戦闘中にもオペレーター役として別作品のキャラクター、機体の固有名詞を含めてリアルタイムかつフルボイスで指示してくれる。
酒好きであるため他作品の酒豪キャラと意気投合する事もあり、若い男性パイロット達の憧れの的にもよくなっている。
同じ三石琴乃氏が演じるベガ(GEAR戦士電童)やマリュー・ラミアス機動戦士ガンダムSEED)と仲が良い。
MX』ではミサト不在時にベガがミサトの声真似をしてパイロット達に指示を与えていた。*3
アムロ・レイ、紫東遥とは某美少女戦士ネタで絡んだ事もあり、特に遥は無二の親友同士となっている。
同じく中の人ネタで、ノーベルガンダムを「セーラーガンダム」と呼び、「すごく気になるから乗せてもらえないか」とパイロットのアレンビー・ビアズリーに頼んだ事もある。
勿論「おばさんにはモビルトレースシステムは無理」と断られていた。どのみちパイロットですらないだろこの人
ちなみに旧劇場版では途中で死亡していたが、原作同様に窮地に陥っても軽傷で済んだり他のキャラ(月臣元一郎など)が救出に現れたりするため最後まで死亡する事はない。

L』以降は新劇場版設定で登場。役回りは旧劇場版時代と変わらず。
第3次Z時獄篇』ではエヴァパイロットとの戦闘時の掛け合いでも登場。
続く『天獄篇』では序盤でフェードアウトするが、その後シンジがミサトの名を聞いて苦い顔をするシーンがあったことから、Q原作同様の経緯を辿っていると思われる。
流石に「他作品との交流を経たのにそれは……」と批判も多かったためか、『V』ではQ以降のフラグを圧し折る形で旧劇場版同様の立ち位置となった。
DD』ではサブパイやSSR支援枠以外では珍しくボイスがあり、チルドレンの戦闘時に的確な指示を出してくれる。
また、同作ではヱヴァは宇宙世紀ガンダムやチェンゲと同一の世界観なので、シナリオが始まる度にブライトと弁慶とミサトさんがつるむというのがお約束になっている。
第2章以降は妹分としてレイラも加わっている。


余談

◆アニメ版や新劇場版の次回予告は彼女の担当。
締めの「この次もサービスサービスゥ!」は彼女の代表的な名台詞でもあり、スパロボの中断メッセージでもこの台詞をEVAパイロットがアレンジして使用している。


◆エヴァ関係のイベント等の告知CMではほぼ必ず彼女がナレーションを務めている。
そのためミサトの事をあまり知らなくても彼女の声は知っているという人も多いのではないだろうか。
また『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』にも声だけでゲスト出演している。あちらの世界では超進化研究所の京都支部所属のようだ。


◆登場人物の中で唯一「エヴァ」のことを「エバー」と発音する。
これは、中の人の三石女氏が「エヴァ」を「エバ」と発音する事に疑問を感じ、『「ァ」があるので「エバー」の方が自然な発音なのではないか』と思ったため。
後々自分だけ違う発音をしている事に気付き、本編終了後に制作されたゲームの収録では「エヴァ」と言ってみた事もあるそうだが、
既に『「エバー」はミサトの特徴』とファン・スタッフ双方から認識されており、
クライアントから「ミサトさんはエバーでお願いします」と指示され、結局以降の作品でもミサトは変わらず「エバー」と呼び続けている。
ついでに、『機動新世紀ガンダムX』のヒロイン、ティファ・アディールの事も「ティファー」と発音していたらしい。


◆七話でロッカーを蹴りまくるシーンは『不思議の海のナディア』製作中の庵野秀明監督をモデルにしているらしい。


◆三石女氏は「ミサトは本来『無理して明るく振舞っているキャラ』なのに、私が演じるとどうしても『根っからの明るい子』になってしまう」と
壁にぶち当たってしまった時期がある。それに対して庵野監督は「根はガサツなので、三石さんの素でいいです」「口パクは無視して、三石さんの解釈した間でお願いします」と
アドバイスした。それにより、その時の感情に委ねた様々なニュアンスを試すことができ、庵野監督の役者の持つ心情に寄り添った心遣いに感動した。
ただ、この手法は実写ではよくあることだが、アニメでは編集にとても手間がかかる演出である。




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最終更新:2024年03月31日 20:52

*1 前髪部分のデザインはセーラームーンこと月野うさぎと同じ

*2 一方「ネルフ、誕生」回で諜報部員から返還されたUSPにはよく見ると40S&Wの口径表記がスライドにある

*3 ちなみにDVEである。