石丸博也

登録日:2020/04/12 Sun 19:37:19
更新日:2024/04/24 Wed 03:57:36NEW!
所要時間:約 7 分で読めます





石丸 博也(いしまる ひろや)日本声優・俳優・ナレーターである。
本名は石出 伸二(いしで しんじ)

目次


□プロフィール

生年月日:1941年2月12日
出身地:宮城県仙台市
身長:167cm
血液型:A型
事務所:ぷろだくしょんバオバブ

□概要

日本のテレビアニメ黎明期から活躍を開始しているベテラン声優。
現在所属しているぷろだくしょんバオバブの創設にも携わっている。

大学浪人中に劇団ひまわりの研究生募集に応募し、入団したことがきっかけで芸能界入りする。
後に芝浦工業大学工学部に入学するも途中中退し、本格的に役者の道を進むこととなる。
正式に役者となった後は舞台やテレビドラマに出演していたが、それだけでは生活が苦しかったので、アルバイトとして声優の仕事を始める。
そして後の代表作となる『マジンガーZ』で主人公の兜甲児役を務め、アニメのヒットと共に知名度も急上昇となる。
その後は声優としての仕事が増えていき、アニメや洋画の吹き替えなどで様々な役を演じることとなる。

香港のアクションスターであるジャッキー・チェンの吹き替えを担当してからは、ほぼ全ての出演作でジャッキーの吹き替えを担当している。
今ではジャッキー・チェンの専属吹き替え声優として知られ、「ジャッキーの吹き替えは石丸博也以外考えられない」と言うファンまでいるほどである。
実に40年以上ジャッキーの吹き替えを担当しており、通算91作品に出演している。
2019年2月には「同じ声優による同一俳優への吹き替え映画最多数」としてギネス世界記録に認定されている。
ちなみに『復讐の鬼探偵 ロングストリート』では、一度だけブルース・リーの吹き替えをしたことがある。

50年以上に渡って現役で活躍を続けていたが、石丸本人の意向もあって2023年3月に声優活動を勇退した。
以降は原則活動は行わないはずだったが、ジャッキー・チェンの吹き替えに限って、一部新規でアフレコを行っている。

□特色

明朗快活な声質が特徴で、声優デビューから今に至るまで比較的若い年齢の役を貰うこと多い。
マジンガーZ』の兜甲児、『宇宙魔神ダイケンゴー』のライガー、『最強ロボ ダイオージャ』のデューク・スケード、『六神合体ゴッドマーズ』の飛鳥ケンジ、『超獣機神ダンクーガ』の葉月孝太郎など、ロボットアニメの主要人物を多く担当していた。
声の老いを自覚しているものの、若い役ばかりまわってくるので、最近では年相応の役がやりたいと思っているらしい。

特撮作品にも数多く出演しており、『ウルトラマン物語』以降はウルトラマンタロウの声を担当している。
また『ウルトラマンレオ』ではちょい役ながら顔出しで出演しており*1、初代『仮面ライダー』でも第1話からショッカー科学者などとして4回出演している。

□余談

『マジンガーZ』に出演していた時にはなかなかアルバイト感覚が抜けず、よく監督に演技の未熟さを指摘されていた。
当時はよくとちっていたので、現場では「トチマル」と呼ばれていた。
あまりに怒られてばっかりだったので「1本やってできなければ下ろさせてくれ」と頼むが、ディレクターに「初めての主役なんだから頑張ってよ」と言われたことで続けることにした。
その後でそのディレクターがジャッキーの役を付けてくれた。

声の衰えを感じていたため、2000年代前半頃から兜甲児役の交代を望んでいた。
後に『真マジンガー 衝撃! Z編』で赤羽根健治にようやく交代でき、当時はとても安心したという。
劇場版 マジンガーZ / INFINITY』には統合軍司令として出演。兜甲児役の森久保祥太郎に甲児を演じていた頃のことを聞かれると、「もう忘れちゃったから、君が思うとおりにやりなよ」とアドバイスしている。
森久保祥太郎とは、後に上記したウルトラマンタロウの声も引き継いでいる*2

オーディションを受けるとなぜか落ちることが多く、実は兜甲児とジャッキー・チェンの役は直接貰ったものである。

喫煙者だったが、声のことを思って2009年頃から煙草を止めている。
禁煙してからは声の出方が変わったらしく、「もし吸い続けていたらダメだったかもしれない」と語っている。
ちなみにジャッキーの映画に出演していなければ吸い続けていたかもしれないとも冗談っぽく言っている。


□ジャッキー・チェン関連の話題

最初にジャッキーの役を貰った時には、制作サイドも石丸さん自身もジャッキーが売れるとは思っていなかった。
その後でジャッキーがアクションスターとして大成したので当時はとても驚いたという。
上記のように「ジャッキーの吹き替えは石丸博也以外考えられない」と言われることがあるが、自分の吹き替えよりジャッキーの撮影のほうが大変だと考えているため、「ジャッキー=石丸」と言われることがとにかく恥ずかしくてしょうがないらしい。
それと同時にジャッキーに申し訳なく思うらしく、インタビューでは自分はただ声を入れているだけと謙遜していた。

最近はジャッキーの役を最後までやれるか心配になっているが、『ポリスストーリー/レジェンド』の際のインタビューでは「あちらも老けてきてだいぶ俺に近づいてきたよね(笑)。そういう点ではやりやすかったよ」と答えている。

最も思い入れが強いジャッキー作品は『ドランクモンキー 酔拳』。
初めて見た時はバカバカしい映画だと感じていたが、よく考えられた作品とも思っていた。
ジャッキー映画にはセリフの合間の息づかいなどが入っていないことが多く、それを全て石丸さんが演じていた。テスト2回に本番3回と毎回全力で演じていたのでとても大変だったという。

ジャッキーと実際に会ったのは3回ほどで、初めて会ったのは『スネーキーモンキー 蛇拳』のアフレコスタジオでのこと。
ジャッキーが『夜のヒットスタジオ』に出ることとなったときには彼の応援として出演してほしいとオファーが来るが、当時の声優は表に出るべきではないという考えが浸透していたので、当初はそのオファーを断った。
結局駆り出されることとなるが、その時に何をやったかはもう覚えていないという。

映画の吹き替えで最も苦労するのは立ち回りのシーン。
ジャッキーと会った時に「もうちょっとアクションを短くできないか」と言ったことがあり、当のジャッキーはニコニコしていたが、それでも次の作品は相変わらず長かったという。

『木曜洋画劇場』ではジャッキー主演映画が放送されると必ず次回予告とナレーションを担当している。

特撮『獣拳戦隊ゲキレンジャー』ではジャッキーのパロディキャラのシャッキー・チェンの声を担当し、当時話題となった。
またアニメ『銀魂』の第109話「人生は試験だ」の後半Bパートでも、ジャッキーのパロディキャラのドラゴン隊長の声を担当。こちらはトレードマークの鼻が何よりも大事な攘夷志士(平たく言うとテロリスト)といういつもの自重しない銀魂キャラである。
『クレヨンしんちゃん』の「トレジャーハンターみさえ」シリーズにも同様のパロディキャラで登場しており、『プロジェクトA』と同じく時計台からの落下シーンが描かれていた。

声優は引退したが、先の通りジャッキー・チェン絡みでは勇退後も一部仕事を行っており、クレージー・モンキー/笑拳などの音声欠落部分の追加収録を担当している。

□主な出演作

◆テレビアニメ


◆劇場アニメ


◆OVA


ゲーム


◆吹き替え

担当俳優


映画


◆特撮


◆人形劇

  • スコット・トレーシー(サンダーバードシリーズ)
  • ウィリー、デルメンデルメン教授(プリンプリン物語)

◆ナレーション

  • 次回予告・解説ナレーション(木曜洋画劇場)





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最終更新:2024年04月24日 03:57

*1 第43話でシルバーブルーメに殺される教師役。その殺され方は頭からパイルダーオンとも評された

*2 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』では現在のタロウを石丸、青年期の若いタロウを森久保が担当し、続編の『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』で全面的に森久保に統一……という段階的なバトンタッチが行われた。