爆裂戦記ドンシャイン

登録日:2017/10/31 (火) 23:25:36
更新日:2023/12/04 Mon 17:47:41
所要時間:約 5 分で読めます






ドンドン照らすぜ!


爆裂戦記、ドン! シャイン!



ヒア・ウィー・ゴーッ!!


画像出展:円谷ステーション ニュース https://m-78.jp/news/n-4886/ 2017/10/31


『爆裂戦記ドンシャイン』とは、『ウルトラマンジード』の劇中劇にして、それに登場するヒーローの名前である。


【概要】

『ウルトラマンジード』の劇中に登場する特撮ヒーロー番組。
主人公・朝倉リクとその幼馴染・愛崎モアが幼少期に見ていたヒーロー番組であり、この番組の大ファン。
リクの憧れのヒーロー的存在でもあり、彼らのその後の人生に大なり小なり影響を与えている(リクがヒーローに憧れるのもドンシャインの影響である)。

また、ペガッサ星人ペガもリクと共に視聴しているうちにこの番組にのめりこんだらしく、リクとドンシャインごっこをして遊んでいたことも。
公式動画では「凛々しいボディ、キレのいいアクション。これぞヒーローの鑑!」とべた褒めしていた(べた褒め内容はリクの差し金のようだったが)。

ちなみにBlu-ray BOX付属のスペシャルノートによるとリクは再放送世代らしい。
(特に昭和)ウルトラシリーズに再放送世代がいること(ジード参加の監督陣にもそういうパターンの人が多い)を加味した設定なのかもしれない。
超全集によれば現在のブームはその何度目かのものだとか。


内容は、宇宙精霊アストローニアからキラメキパワーを与えられた戦士ドンシャインが銀河大盗賊団ヌスットリアと戦う王道ヒーローもの。
後述する第43話の内容からすればかなりバラエティ豊富な作品のようだ。


スカルゴモラに破壊されてしまったリクの部屋を見ると、
ポスターが張られており、さらにVHSおよびDVDやBlu-rayも何本か置かれていた。

劇中のテレビは現実でも発売しているブラウン管テレビ風の液晶テレビが登場していたため、
見た目はレトロだが、中身は最新家電というものも多い様子なので劇中の文化についてはなんとも言えないが、
19歳のリクが幼少期に視聴しており、現在も関連グッズが発売されていることから、かなりの長期シリーズの可能性が高いと思われる。

実際、第3話によればHDリマスター版のBOXが発売予定ということなのでかなり古い作品であることがわかる。
ちなみに同時に(現実の日本では録画専用メディアである)「D-VHS」なる媒体での発売も決定しているとのこと。


作中で映像が出ていたことから、これはこれでどんな番組なのか観てみたいという声も多かったようだが、
『ウルトラマンジード Blu-ray BOX I』の特典映像にて、ドンシャイン本編「危うしタカコ! ドンシャイン危機1秒前!」の映像を視聴できるため、
気になる人は要チェック


書籍『ウルトラマンジード 超全集』では劇中で明かされなかったドンシャインという作品についての詳細が記載され、
「リクが生まれるよりも前の時代の作品であり、再放送もちょくちょく行われていた。後述するヒーローショーも再放送中のそれである*1
「近年になってネット上での公式配信が開始、往年のファンがSNSで盛り上げている事もあり、幾度目かのブーム再燃の兆しを迎えている」
「ドンシャインは所謂変身前の人間体が存在しないタイプのヒーローで、その正体は作中でも終盤で推測が挙がるだけに留まっている」
などといった裏設定が明かされた。
その他、全52話のサブタイトルも確認できるほか、爆裂戦記ドンシャイン超全集も付録で付いてくる。



「爆裂戦記ドンシャイン」登場キャラクター


ドンシャイン

身長 1.8m
体重 90kg
ジャンプ力 20m
走力 100mを6.6秒台で走る
パンチ力 2.5t
キック力 7t
使用武器 輝光剣シャインブレーダー
必殺技 キラメキエクスプロージョン
(講談社「テレビマガジン」11月号特集ページより)

本作品の主人公。
どんどん照らすぜ! 爆裂戦記ドンシャイン!!」と名乗る。……爆裂戦記って番組名じゃなくてヒーロー名!?
明言はされていないが、ドンシャインと言う名前もここから来ている様子。

上述したように宇宙精霊アストローニアからキラメキパワーを与えられた勇気ある戦士で、銀河大盗賊団ヌスットリアと戦っている。


手のひらを相手に向けて顔の前に置き、ひじを引くというのが決めポーズで、
リクやモアが真似をすることが今でもよくあり、両者のツーカーサインでもある。
ちなみにこれの元ネタはジャッキー・チェン主演の映画『クレイジーモンキー 笑拳』での笑いの拳のポーズ。ジャッキーファンの坂本監督らしい選出である。

またドンシャインの掛け声である「ヒアウィーゴー! (Here we go!)」はリクのフュージョンライズ時の口上に影響を与えている。


スーツは、かつて日芸特撮部が製作した『銀河超速キャプテリオン』のスーツを改造したもの*2
マスクのみ『超星艦隊セイザーX』に登場したネオデスカル所属のダーゴスのものを流用しているようだ(プリミティブのことを考えるとなかなか意味深長と言えるかも)。

ちなみに中の人は元voyagerのメインボーカルであった山口智広(当時は山口智大)氏。


如月タカコ
本作のヒロイン。
実はその正体はウェダ星のプリンセス・レム
第1話で咄嗟に名付けた報告管理システム「レム」の名前の由来でもある。
演じているのは『ウルトラマンジード』造形スタッフの植田梨愛氏。「ウェダ」も「植田」からきていると思われる。


強奪怪人サタンゾーグ
CV:飯島肇
ドンシャインと戦闘していた怪人。
ヌスットリアの指揮官で、剣と盾が武器。
顔はダークゴーネ、胸の赤い布はヒュプナス、剣はバット星人グラシエ、盾はリフレクト星人の流用。
また体部分は『幻星神ジャスティライザー』に登場した怪人レジェンダー・ドレイクだと言われている。


ノーシ
ヤシハ
フミンガ
ターヤ
怪人の活動をサポートする戦闘員。
それぞれの名前はヌスットリア族の部族名を示しているらしい。
ヤシハのマスクは『ULTRASEVEN X』に登場したヴァイロ星人の流用。


ベースボール伯爵
リクの話によると、第43話「炎の一球勝負! ドンシャイン対悪魔球団」に登場。
「ダークネス一本足打法」という強力な打撃フォームを持ち、ドンシャインと野球対決をしたとのこと。
その名前から某野球仮面を連想した大きいお友達もいたとか…。


「ウルトラマンジード」本編にて

ヒーロー番組を観て育った方々に共感してもらえるように作ったキャラクターということもあり、要所要所で深い活躍を見せている。


◆第1話『秘密基地へようこそ』

上述したようにスカルゴモラに壊されたリクの部屋に大量のドンシャイングッズが置かれていた。


◆第3話『サラリーマンゼロ』

今回ゲストの本田トオル少年がドンシャイングッズを持っていたことで興奮したリクが、
「そのキーホルダーどこで買った? 教えてくれ、なっ なっ?」と彼に詰め寄った。
なお、後日談で彼もガシャポンを回しているが、ドンシャインは当たらなかった様子。

そして星雲荘もまたドンシャイングッズで溢れることになった。


◆第4話『星人を追う仕事』

リクと愛崎モアが対面し、彼女もドンシャインを見ていたことが明確に判明する。


◆第5話『あいかた』

上述したブラウン管テレビ風の液晶テレビが登場。
その上にドンシャインのお菓子が置かれていた。


◆第11話『ジードアイデンティティ』

リクがゼロ以外のすべてのウルトラカプセルを伏井出ケイに奪われたあと、
部屋にかかっていたドンシャインのポスターが外れかかっているという演出がなされた。
伏井出ケイによってヒーローとしての存在意義が否定されたことを揶揄しているのだろうか。


◆第12話『僕の名前

朝倉錘の指摘によれば、リクのベッドの下には何か隠されているようだが、
公式配信的にはライハに内緒で買ったドンシャインのグッズが大量に隠されているらしい。
……でも、田口監督とかは結構意味深長な言b(ry


◆第13話『レストア・メモリーズ』

上述したようにリクとペガがドンシャイン43話のごっこ遊びをよりによって星雲荘内で行っていた
第43話の内容は地球リセットを目論むベースボール伯爵率いる悪魔球団とドンシャインが野球勝負を挑むという内容で、
ベースボール伯爵のダークネス一本足打法にドンシャインが「投げるぜ! 直球!」とドンシャインストレートの一球入魂を決めるのがその回の山場なのだが、
二人が再現する際にレムが被害にあって……。

またこの回のセリフから、リクの「〇〇ぜ! 〇〇!」というフレーズもドンシャイン由来である可能性が推察される。


◆第16話『世界の終わりがはじまる日』

上述した液晶テレビでリクたちが見ていた映像から、やはり古い回は4:3のアスペクト比だったようだ。
また作中に登場したリトルスターの宿主である満賀富士夫もドンシャイングッズを身に着けていた。


◆第17話『キングの奇跡!変えるぜ!運命!!』



君の笑顔を取り戻す ヒア・ウィー・ゴー!

ライハの「あなたは、皆のヒーローなんだから!」の言葉で思い出したリクの回想シーンで登場。

握手会兼ヒーローショーにて、他の子どもたちは親子連れであったなか、
リクが一人ショーに混じれず泣いていたところを、他の観客の声援にも応えつつ彼を勇気付けるためだけに拳を合わせに来てくれた。

このときドンシャインは、観客の声に反応して会場に登場した瞬間だったので、
場に出た瞬間に真っ先に泣いているリクに気付き、勇気づけに来たと思われる。アクターさん、ナイス!

このシーンの評価は非常に高く、視聴者からも「カッコイイ」「神対応」と賞賛されて、短いシーンながらもドンシャインの魅力を最大限に感じたという声も多かった。
また「架空のヒーロー」(しかも今回はヒーローショーであるため本物とも少しずれる伏井出ケイ風に言えば「模造品」)であるドンシャインのこの本物の善意の行動が、
「ウルトラマンの模造品」たるジードのヒーロー像の根幹となっている点を前作の「ニセモノのブルース」と合わせて評価する声も。

ドンシャインの声を担当した山口智広氏もTwitterでショーの想い出について呟いている。
今週のジードめっちゃ感動してしまった!そして久々のドンシャインでした。
リクとのあのシーンは自分にも重なるものがあって。僕も心が辛かった時、ヒーロー達に助けられた事がありました。
普段は無口なゼロの声がステージ上で聞こえたんです。「いつもありがとう」って。その一言で僕は救われました。

リクがドンシャインにここまで入れ込んでいることも、ヒーローショーに行ったことがある人なら多くの人が共感を覚えることだろう。

ベリアルたちの計画が失敗したのは仲間たちの存在ももちろん大きいが、
ドンシャインとこの話での思い出が彼の人生・ヒーロー像に与えた影響もまたすさまじいものだったと言え、
「世界を救った切っ掛けはドンシャインである」という一部の視聴者の意見は過言ではないだろう。

ちなみに「君の笑顔を取り戻す」というドンシャインの決め台詞は、
はじめにシチュエーションっぽいものを演出部に考えてもらい、台本っぽいものを作ってもらった後、
それを坂本監督が手直しした際に遊び半分で書いていた臭い決め台詞の一つであったため、
その時は、まさかそれが本編で重要な台詞になってくるとは思っても見なかったとのこと。


◆第19話『奪われた星雲荘

第1話でのレムという名前が、ドンシャインのヒロインの名前からとられたことが判明する。
「名前がないとやりづらいから」という理由で咄嗟に思い浮かんだのがこれとは、筋金入りである。俺らもなかなかやらないぞ


◆第25話『GEEDの証

ベリアルとの決戦を終え、平和が戻った世界で、リクは銀河マーケットに来ていた子供たちと一緒にドンシャインを観賞する。
ドンシャインのカッコよさを改めて実感するリクだが、子供たちの反応は「ちょっと古い」という意外なものだった。
その言葉に軽くショックを受けるリクだが……

「やっぱり今は、ウルトラマンジードだよ!!」

この世界のヒーローにも、世代交代の時期が訪れているのかもしれない。


◆『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!

なんとクシア人の生き残りである比嘉愛琉が実はドンシャインファンであった。
ドンシャインのポーズを披露した後、恥ずかしがる愛琉さんがかわいい。
また、ギャラクトロンMK2が沖縄に出現する際に映っていた街頭のデジタルサイネージでもドンシャインが放送されていた。
このシーンでレイトが勤めている谷丸商事がスポンサーになっていることも判明している。


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最終更新:2023年12月04日 17:47
添付ファイル

*1 そのため、長期シリーズというよりは初代『ウルトラマン』のような本編自体は昔の作品だが、キャラクターなどが今でも現役で使われている、みたいな作品のようだ。

*2 ちなみに、『キャプテリオン』の製作スタッフの中には、現在『ジード』の造形班として制作に関わっている者もいるという。