炎炎ノ消防隊

登録日:2021/03/15 Mon 16:49:52
更新日:2024/03/26 Tue 20:23:17
所要時間:約 10 分で読めます



人の死因にも色々ある

老衰、自殺、病死...

今この世界で最も多く人々を恐怖させている死因は...

焼死だ

概要

「炎炎ノ消防隊」とは大久保篤による漫画作品。週刊少年マガジンで連載されていた。
単行本は全34巻。
2019年にはTBS系列でアニメ化された。2020年に「弐ノ章」が放送開始。

あらすじ

全人類は怯えていた―――。

何の変哲もない人が突如燃え出し、炎を操る怪物“(ほむら)ビト”となって、破壊の限りを尽くす“人体発火現象”。炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命!
とある理由から“悪魔”と呼ばれる、新入隊員の少年・シンラは、“ヒーロー”を目指し、仲間たちと共に、“焰ビト”との戦いの日々に身を投じる!!
(公式サイトより)

主な登場人物

舞台は日本をベースとした皇国と呼ばれる形態になっており、多くの登場人物は姓→名前ではなく名前→姓という英語と同じ表記になっている。

第8特殊消防隊

森羅(シンラ)日下部(クサカベ)

CV:梶原岳人
本作の主人公である新人隊員。階級は二等消防官。12年前に人体発火現象による火災によって母と弟を失ったことから人々を炎の脅威から守れるヒーローとなるべく特殊消防隊に入隊する。
また、火災現場で目撃した何者かを捕らえるために追い続けている。

上述の一件がトラウマとなり、緊張したり怒りや恐怖等を感じると歪な笑顔になってしまう。更に火事の原因が自分の能力(後述)のせいと誤解されてしまい、感情表現が下手になってしまった。周りからは「悪魔」「怖い人」と呼ばれたり、誤解される事も多いが、実際は正義感溢れる熱血少年。

足から炎を発する第三世代能力者であり、その推進力で空中を自在に飛ぶことが可能。高い機動力を活かした蹴り技を得意とする。本作のキーである特殊な炎、アドラバーストの持ち主でもある。

アーサー・ボイル

CV:小林裕介
森羅の訓練校時代の同期。剣の柄からプラズマ状の炎の刃を顕現させた「炎の剣(エクスカリバー)」を使う第三世代能力者。騎士王を自称しているが、戦闘中に自分の利き手を忘れてしまうほどのバカ。だがなぜか不思議と結構モテるらしい。

森羅とは互いの性格が正反対であるがために基本的には犬猿の仲だが、戦闘時には息の合ったコンビネーションを披露する事も多く、良きライバル関係でもある。

秋樽(アキタル)桜備(オウビ)

CV:中井和哉
第8特殊消防隊大隊長。前職は消防署に務める普通の消防官だった。
特殊能力を持たない=無能力者ではあるが、日頃の筋トレ(に近い何か)で鍛え上げた肉体と、それに任せて消防服に満載した多数の武装で戦う。実力は焔ビトや第三世代能力者とも互角に渡り合うほど。
自らを「聖職者」と驕り高ぶる特殊消防官もいる中、何よりも被害者に寄り添う事を信条とする人格者であり、第8はそんな彼の人望によって結成された隊である。

武久(タケヒサ)火縄(ヒナワ)

CV:鈴村健一
第8特殊消防隊中隊長にして創設メンバーの一人。銃を発射する際に起きる火薬の爆発を制御して弾速や弾道を操作できる第二世代能力者。元東京軍所属の軍人で、焰ビトよりも対人戦闘向けの隊員。
目深に被った妙なフレーズが書かれたキャップがトレードマーク。
クールで無愛想なみんなのオカン。桜備の女房役として第8を支える。

茉希(マキ)尾瀬(オゼ)

CV:上條沙恵子
特殊消防隊一等消防官で元軍人。父も軍の高官だったお嬢様だが、本人はそれを感じさせないくらい素朴で庶民的。
軍に所属していた頃はヒナワの部下だったが、「軍人としては優しすぎて使い物にならない」と酷評されていた。だがそれ故に第8にふさわしい人材としてスカウトされた。
火災現場の炎をかき消したり、焔ビトや能力者の攻撃を無効化する第二世代能力者。
炎の性質を変化させて火の玉(プスプス&メラメラ)にして操る事もある。

恋バナ好きで常に脳内お花畑状態。肉体派ではあるが本人はそれを気にしており周りから指摘されると...。

アイリス

CV:M・A・O
聖陽教会から派遣されたシスター。焰ビトを鎮魂させるための祈りを捧げている役割を持つ。無能力者なので戦う事はできない。
変人濃い面子揃いの第8において数少ないまともな人間である。

(タマキ)古達(コタツ)

CV:悠木碧
第1特殊消防隊の新人で、第1の中隊長だった烈火の一件の後第8に異動してきた。
二つに分かれた尻尾状の炎を操る『ネコマタ』の能力を用いる第三世代能力者。黒髪ツインテールが特徴。
服がすっぽ脱げたり胸を触られたりするラッキースケベられ体質。

ヴィクトル・リヒト

CV:阪口大助
灰島重工から突如第8に派遣されてきた科学者。ややマッドサイエンティストなところが目立つが、第8の仲間に対する気遣いはちゃんとある。無能力者。
思考を巡らせる時に頭を掻く癖がある。

正体は第8と森羅を調査するために送り込まれたスパイだが、タイミングが唐突すぎてバレバレである。

ヴァルカン・ジョゼフ

CV:八代拓
東京皇国の全エネルギーを賄う久遠式火力発電所「天照」を作った一族の末裔である凄腕の技術者。無能力者。
大の消防隊嫌いで、特殊消防隊から再三スカウトを受けたものの全て門前払いしていた。
大災害により絶滅してしまった動物を甦らせる事を夢見ており、誰かを救うために自分の技術を使うその姿勢に共感したシンラに是非にと第8にスカウトされ、紆余曲折を経て入隊することとなった。
発明品の多くに動物の意匠を施しており、出動の際にはペンギンを模したマスクを着用する。

リサ漁辺(イサリベ)

CV:朝井彩加
第8に入る前のヴァルカンと、共に暮らしていた女性。
実はDr.ジョヴァンニが送り込んだ白装束の一味のスパイで、「灰焰騎士団」の団員。「蟲」によって覚醒した第三世代能力者で触手状にした磁性体の炎を操る能力を持つ。
ネザーでの戦いの後、第8に保護され、その後入隊することになる。

その他特殊消防隊関係者

烈火(レッカ)星宮(ホシミヤ)

CV:関智一
第1特殊消防隊中隊長。両腕から炎を発する第三世代能力者。やや好戦的で非常に熱血漢な性格。☆マークが浮かんでいる瞳が特徴。
実は伝導者の教えを信じる白装束の一味で、自身に好意をもつ環古達と子どもたちを利用して焔ビトを人工的に作り出す実験を行っていた。

カリム・フラム

CV:興津和幸
第1特殊消防隊中隊長。先述の烈火の同僚。
同じ言葉を繰り返す独特な喋り方が特徴。
一見、言葉遣いが悪く粗暴な印象を受けるが、面倒見が良く義理堅い性格。
研修(という名の内部調査)で第1に派遣されたシンラとアーサーの事も快く迎え入れている。
第二世代の能力と管楽器を模した特殊な装置による「熱音響冷却」を駆使して、炎を凍結させる技を使う。

プリンセス火華(ヒバナ)

CV:Lynn
第5特殊消防官隊大隊長。
花びら状の炎を舞散らして戦う第三世代能力者。

かつてアイリスとは同じ修道院に住んでいたが、修道院で起きた集団発火現象の際に彼女とアイリスを除く全員のシスターが焼け死ぬ様を見て「炎とは悪魔そのものである」と考えるようになる。その後、焔ビトの死体を研究する事によって得たデータを元に灰島重工に取り入り、今に至る。

ちなみに森羅に惚れている。

(タケル)能登(ノト)

CV:小西克幸
第2特殊消防隊の新人隊員。中華半島出身。
実家はジャガイモ農家。
身長203cmと大柄だが、ライターの炎をビビるほど臆病な性格。
炎で形成した重火器を操る第三世代能力者。

着膨れするほど防火服を着込んでおり、防火服全てを破壊されない限りどこを攻撃してもダメージを受けない。言わば『疑似無敵状態』。

ジャガイモ+能登で「破壊兵器(ジャガーノート)」と呼ばれている。


新門(シンモン)紅丸(ベニマル)

CV:宮野真守
浅草を拠点とし、荒くれ者が揃うとされる第7特殊消防隊を束ねる大隊長。
第二、第三世代両方の能力を兼ね備え、現存する特殊消防官において最強と目される男。
焰ビト討伐の際に辺り一面を壊しまくる様から「浅草の破壊王」の異名を持つ。
また、皇国に従わない原国主義者であり、姓→名前という従来の方式で名乗っている。

用語解説

炎の大災害

約200年前に、突如発生した原因不明の災害。世界は炎に包まれ多くの大陸は消失した。

人体発火現象

ある日突然、人間が燃えるようになった現象のこと。

焰ビト

突如発生する人体発火現象によって、全身が炎に包まれ、自我を失い、命尽きるまで暴れる炎の怪物。
“焰ビト”の鎮魂には、コアの破壊が必要になる。シスターによる祈りと、消防官によるコアの破壊により、被害者は炎炎ノ炎に帰することができる。“焰ビト”は第一世代と呼ばれることもある。第二世代能力者自分自身で着火することはできないが、炎の制御と調整ができる。
第8特殊消防隊の中ではマキや火縄が第二世代能力者である。第三世代能力者自分の意思で発火することができ、さらに能力として炎を自在に操ることができる。
第8特殊消防隊の中ではシンラやアーサーが第三世代能力者である。第二世代と違い、自分の炎以外に干渉して操ることはできない。

特殊消防隊

人体発火現象や“焰ビト”から一般市民を守り、人体発火現象の謎に迫り原因究明を行うための組織。
特殊消防隊は主に「消防庁」、「聖陽教会」、「東京軍」の3つの組織で構成されている。
最近はシンラのような訓練校上がりも増えてきている。第8特殊消防隊他の特殊消防隊を調査するため、オウビが信頼できるメンバーを集めて組成した部隊。
突貫で作られたため、人数は少ない。第1特殊消防隊隊員のほとんどが教会出身者で構成されており、実力のある人材が揃っている。
教会内には隊員同士の訓練用コートや、巨大な聖堂、オベリスクなどがあり、広くてきれいである。第5特殊消防隊名目上は東京軍を中心としているが、灰島重工が実権を握っている部隊。
企業による色が強いせいか、コンビナートや研究施設が設置されている。第7特殊消防隊元々浅草を守る自警団だったが、とある事件をきっかけに特殊消防隊にスカウトされた。
浅草のしきたりを守り、勢いのよい言葉やにぎやかな鎮魂を行う、熱い隊である。

ラートム

特殊消防官達が焰ビトへ捧げる祈りの言葉。
元は人間である焰ビトの魂が安らかに炎へと帰れるよう、発生現場にはシスターが同行して鎮魂の祈りを捧げて討伐にあたる。
この言葉はその祈りの最後につけられる「アーメン」などに相当し、発する際は両手の親指の第一関節の手の甲側、他の指の第一関節の手の平側を合わせて山のような形の合掌を作る。
武器を手にしていて片手が空いていない時は、もう片方の手で同様の形を取って省略する場合もある。
「弔う」が語源とされる。

マッチボックス

特殊消防隊が現場に駆け付けるために使用する特殊装甲消防車の名称。

発火限界(オーバーヒート)

第三世代が無理に発火能力を使用し続けるとなってしまう状態。
発火に必要な体内の酸素が足りなくなり、目眩や不調を起こす。さらに能力を使うと、症状が悪化し身体の炭化が始まる。

灰病

オーバーヒートを繰り返すと、身体が徐々に炭化していく“灰病”となってしまう。
一度“灰病”を発症すると、能力を使うだけで命に危険が及ぶ身体になってしまう。

焰ビトの中の特別強力な個体の総称。
通常の焰ビトよりも強靭な肉体と攻撃力を持っていて、生半端な攻撃ではびくともしない。

アドラバースト

「穢レ無キ炎」と呼ばれ、太陽神がこの星を創る種火となった「原初ノ炎」とも言われている。

天照(アマテラス)

太陽暦の始まりと共に作られ、生活に必要なエネルギーを生み出している巨大な火力発電所。
ニュースでも毎日〝天照〟の稼働率を放送するなど、人類の生命線と言える存在であるが、浅草の住人など極力〝天照〟に頼らない生活を送る人々もいる。

余談

作者はこの漫画を「自身が描く最後のファンタジーマンガ」だとしている。

公式グッズとして炎炎ノ消防隊仕様の消火器が発売されたことがある。

アニメ第1期放送開始から間もなくして京都アニメーション事件が発生し、第3話の放送を1週間延期。再開後は、冒頭のナレーション部から「焼死だ」の音声およびそれを示す人型のイラストを削除したり、EDで人が燃えているシーンの上半身を黒塗りで隠すなどの規制が行われた。
今も京都アニメーション事件の犯人を恨むファンが少なくはない…



追記・修正は焰ビトを鎮魂してからお願いします。

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最終更新:2024年03月26日 20:23