木原マサキ

登録日:2018/09/28 Fri 08:20:16
更新日:2023/05/05 Fri 09:26:05
所要時間:約 6 分で読めます






「俺は木原マサキ……いや…」

「俺が木原マサキだ」



木原マサキとは、OVA版『冥王計画ゼオライマー』の登場人物。

CV:関俊彦

当時『天空戦記シュラト』のシュラトなど爽やかな少年役を多数演じていた関俊彦氏が、
内気な主人公・秋津マサトのもう1つの人格として演じた低音域の鬼畜ラスボス。
敵が主人公に見えるレベルの超狡猾な極悪人っぷりを視聴者に見せつけ、現在も「冥王様」の愛称で親しまれている。

関氏の広い声幅と巧みな演技力を広く知らしめたキャラクターであり、マサキ以降は悪役のオファーが増えたとか。


人物像

かつては秘密結社・鉄甲龍に所属していた科学者で、機械工学と遺伝子工学の天才。
しかし性格は冷酷で残忍で狡猾で傲慢で外道というどうしようもない極悪人。芝居がかった尊大な口調は嫌でも記憶に残る。
自らが作成した「次元連結システム」と、それを搭載した八卦ロボ天のゼオライマー」を用いて世界を冥府と化し、自身を冥王とすることを目論んだ。
ぶっちゃけると本作の登場人物は、ほぼ全員が彼の悪行の被害者である。

何故か「愛」に対して徹底的な嫌悪を見せているが、理由は不明。

基本的には生身の人間だが、「これも次元連結システムのちょっとした応用だ」とのことで多数の自衛手段を持っている。
次元連結システムのちょっとした応用で次元連結システムである美久を吹っ飛ばしている当たり、ちょっとどころではない気もするが……


作中の行動(ネタバレ注意)

本編開始の15年以上前、鉄甲龍にて八卦ロボのパイロットとなる八卦衆を同じ遺伝子から造り出し、かつ「愛」故に苦しみ死ぬようプログラムして誕生させた
この八人の内、後に幽羅帝となる少女のみ性別が違うだけでマサキの完全なクローンである。

そして15年前、日本政府に「ゼオライマーとそのパイロットとなる受精卵*1を提供する」という条件を出すことで亡命に成功。
鉄甲龍を裏切りゼオライマー以外の八卦ロボを爆破。鉄甲龍の計画を大幅に遅らせる。

しかし、マサキの危険性を知っていた日本政府は、「ゼオライマーと受精卵だけあればいい」と判断。
対鉄甲龍計画の中心人物である沖功にマサキの射殺を命じ、そしてそれは実行に移された。
こうして、「木原マサキ」はこの世を去った……かに思われた。

鉄甲龍にいようとそこから逃げようと、志半ばで殺されることも予想していた。

だから俺は、自分の死後目覚める、あるいくつもの布石を打った。

自分が殺されることなどとっくにお見通しであったマサキ。
彼は、「ゼオライマーに自分のクローンが搭乗した時、クローンに強制的に木原マサキの記憶と人格が上書きされる」ように細工を施していた。

こうして、鉄甲龍との戦いに強引に巻き込まれゼオライマーのパイロットとなった秋津マサトは、
徐々にマサキの人格が出現するようになり、葎との戦いを経て完全にマサキそのものになってしまう。

全て彼の計画通り……だったのだが。

…例え、私たちを造ったのがお前だとしても私は生きてきた。

そして、虚無の日々の中で、塞臥に出会い、戦士として尊敬し、愛した……私の意志でだ。

お前にこの恋心まで否定させない!!

マサキは次第に頭痛に苦しみ出す。
実は15年もの人生を生きたマサトの「心」を完全に消すことが出来ておらず、それがマサキの歪んだ野望に引きずられて悲鳴をあげていたのだ。
マサキの人格も所詮は後付けでしかなく、皮肉にも八卦衆と同じ「プログラム」に過ぎなかったのだった。
更に残った八卦衆の一人、ロクフェルの、戦士として、そして女性としての強さと覚悟と生き様に溢れる上記の台詞が止めとなり、
マサキの人格は記憶だけ残してマサトに統合されてしまう(完全にそうなる前にロクフェルら三人を撃破したが)。

残ったマサトは美久とともにゼオライマーで出撃。ルラーンの口から全てを知った幽羅帝の前に現れ、全てを巻き込むメイオウ攻撃で自爆した。
こうして、木原マサキの冥王計画は完全に潰えたのである。


関連人物


・秋津マサト
・幽羅帝
自身のクローン。どちらが勝っても自分が冥王になる算段であった。
マサキは自分同士が殺しあうこの状況を「最高のゲーム」と称する。
元ネタは漫画版の登場人物で、前者が秋津マサキ、後者がネマトーダ総統。
OVAの完結後も長らく原作が未完だったことを踏まえると幽羅帝の存在はさりげなく原作終盤の重大なネタバレになっている
名前がマサキ⇒マサトとなったのは、映像媒体では声優の演技だけでは同名キャラの判別ができないための措置。

・氷室美久
天のゼオライマーの次元連結システムそのものであるアンドロイド。
しかし彼女のマサトへの愛情を嘲笑う、「パーツ」「成長するガラクタ」呼ばわりするなど、ちっとも大切に扱ってない。
元ネタは漫画版に登場する同名のヒロインだが、実は漫画版に比べるとOVA版の方が扱いがマシだったりする。特に女性器の扱いが。

・八卦衆
上記の通り、愛故に苦しみ死ぬようプログラムした上で誕生させた(なお、葎のみ本編開始前に自分たちが「マサキによって造られた」ことを知っていた)。
マサキは彼らの命を弄び、嘲笑う。

元ネタは漫画版に登場するゴルシード将軍および名無しのパイロットたち。
風のランスター、山のバーストン、月のローズセラヴィーも漫画版に同名の機体が登場している(ローズセラヴィーのみ漫画版では「ローズ・セラヴィー」と表記)。

・沖功
自身を射殺した張本人だが、想定内だったためかこれといって復讐は行わなかった。
「また俺を殺すのか?」と皮肉を言った程度である。

・ルラーン
鉄甲龍の科学者であり元同僚。二人で八卦ロボを作り上げた。幽羅帝と八卦衆がマサキによって造られたことも知っていた。
彼なりの復讐としてそのことを黙り、マサキのクローンである幽羅帝を見ていたが、やがて愛憎が混じるようになった模様。
彼と沖は漫画版に登場する氷室遼三が元ネタだと思われる。

・若槻魔沙樹
漫画版における木原マサキの元ネタ。マサキを上回る鬼畜・外道であり、おまけに変態という救いようのない人物。
そのためか、「長年の計画が全て無駄に終わった末に最終的に部下に裏切られて射殺される」という、より情けない末路を辿っている。

ラウ・ル・クルーゼ
ペルフェクティオ
エンブリヲ
関俊彦氏が演じた悪役たちの中でも、特にマサキと比較されたり共通点を指摘されたりするキャラクターたち。詳しくは項目参照。
全員巨大ロボットが存在する作品世界のラスボスという点が共通する。
ちなみにスパロボでは『J』や『Card Chronicle』でクルーゼがマサキに対して少なからず感慨を抱いた描写こそあったものの、
それ以外では今のところ直接絡んだ事は無い。というより『ゼオライマー』自体の参戦頻度が……


外部出演

スーパーロボット大戦シリーズ


スーパーロボット大戦MX
ゼーレとバーベムの企みを全て知っていた人物の一人。
ゼーレとも協力していたが、彼らが次元連結システムを使ってガフの扉を開こうとしたため裏切り、結果セカンドインパクトが起きてしまった、という設定になっている。
没台詞によるとロム兄さんに「待てい!」される案もあった模様。

中断メッセージでは言いたい放題言ったあげく美久に怒られるのはマサトに押し付けるという面白い一面を見せた。

なお、「塵一つ残さず、消滅させてやる…!」をはじめとする一部の有名な台詞は本作が初出でありOVAでは言っていない。
浮かび上がるの文字同様、好評を得てはいるが、ネタとして用いる時は注意しよう。

…まさか戦闘のプロ台詞を取られたり声が同じになったりするとは当時誰も思わなかったであろう。


スーパーロボット大戦J
人類抹殺を目論むフューリーに協力していたが、やはり裏切る。
本作では次元連結システムはフューリーのラースエイレムをマサキが独自に解析して造り出したという設定。

その頭脳からテッサ達から「ウィスパードではないか」と疑われることになったが、
後々明らかになった『フルメタ』側の原作設定*2から考えると完全なテッサの的外れに過ぎなかったのが何とも……

残念ながらマサキ対クルーゼは実現しなかったが、マサト対クルーゼはクルーゼ側の戦闘台詞が全て専用のものになるという力の入れっぷりを見せる。
ちなみにクルーゼはその所業に「何故そこまで人を憎めるんだ」と憤慨するマサトに対して、木原マサキと名指しした上で
「お前にだけは言われたくない」という趣旨の発言をしていることから戦闘台詞では「冥王計画は自分が引き継いでやる」だのなんだの言ってたものの、マサキ個人の事は心底憎んでいた模様。
クルーゼのマサキに対する反応としてはこうなるのは当たり前だが、マサキの被害者筆頭であるマサトとしてはいい迷惑である。

「ふん、まあいい。奴らまで敵に回しては少々面倒だからな。とりあえずあわせてやってもいい」

「どうした。俺に気を取られているような余裕が、お前たちにあるのか。あわせてやると言っているんだぞ」

意外な面で付き合いが(妙な方向で)良かったり(主に『ガンダムSEED』のナタル・バジルールとの絡みで)、
悪態を吐きつつもこちらの指示にきちんと従ってくれるため、プレイヤーから「ツンデレ冥王」と呼ばれるようになった。

「言ったはずだぞ、ナタル・バジルール。俺に命令するなと」


スーパーロボット大戦Card Chronicle
クルーゼが冥王計画に興味を示すと同時に、自身と同じ境遇の者達を散々弄んだマサキに対して強い怒りを抱く様が『J』以上に明確に描写される。
また二重人格繋がりか、『ガンダム00』のハレルヤとちょっとした絡みがある。


スーパーロボット大戦X-Ω
2019年1月のイベント「唸れ!滾るリビドーと魂!」にNPCとして登場。
原作終了後の設定で、自爆したゼオライマーの残骸に八卦ロボのパーツを組み込んで修復、グレートゼオライマーを建造した。


機動戦隊アイアンサーガ

2019年夏に開催された同ゲームと『ゼオライマー』のコラボイベントにも登場。
詳細は「冥王計画ゼオライマーX機動戦隊アイアンサーガ」の項を参照。


「これも追記・修正のちょっとした応用だ」

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最終更新:2023年05月05日 09:26

*1 後の本編主人公・秋津マサト。彼もマサキの完全なクローン。

*2 ウィスパードになりえるのは、ある施設の事故の発生の瞬間から約3分間の間に生まれた新生児に限られるため。この当時はまだこの真実は原作では判明していないため仕方がないが、『スーパーロボット大戦W』ではオリジナル設定まで作られたことを考えれば『J』はまだ疑っているだけなので、原作に近い方ではある。