文化放送

登録日:2019/08/25 Sun 23:42:08
更新日:2023/10/15 Sun 08:37:02
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文化放送とは、関東広域圏を放送対象地域とするラジオ単営の放送局である。
周波数はAMが1134KHz(100kw・川口送信所)で、補完FM中継局が91.6MHz(7kw・墨田FM補完中継局)。局舎は東京都港区浜松町の自社ビル「文化放送メディアプラス」に、送信所は埼玉県川口市にある。
インターネットラジオサービス「radiko」の加盟局のひとつ。コールサインはJOQR。このコールサインから「QR」という愛称で呼ばれることもある。

本稿では兼営のストリーミング方式インターネット放送局「超!A&G+」についても採り上げる。

●目次

▼概要

開局は1952年3月。聖パウロ修道会が母体となって東京都新宿区若葉(四ッ谷駅近く)に設立され、大株主の旺文社が主体となり1995年まで放送されていた「大学受験ラジオ講座」「百万人の英語」によって「教育番組の文化放送」と呼ばれていたこともあった。
吉田照美や玉置宏に土居まさる、みのもんたや野村邦丸に斉藤一美といった看板アナウンサーを輩出し、一方で番組としては平日の埼玉西武ライオンズ戦をほぼ全戦中継する「文化放送 ライオンズナイター」や黎明期の「セイ!ヤング!」から現在に至る「レコメン!」といった若年層向けワイド番組、正月恒例の「箱根駅伝実況中継」のラジオ中継といった多種多様な番組作りを行っている。

かつては東京都新宿区四ッ谷に局舎があり、大元が修道院として建設されたこともあって独特の外見を誇っていた。旧局舎が老朽化で取り壊されることになったため、現在の「文化放送メディアプラス」へと移転し、跡地に建設されたマンションには予備送信所としての機能を備え、傍らに記念碑が置かれている。
旧局舎そばにあった中華料理店・温州軒はスタッフやパーソナリティ、リスナーに愛され賑わっていたが、局舎移転から3年後に体力の限界を理由に惜しまれつつ閉店。名物のチャーハンは様々な番組で話題に上っていた。

近い周波数かつ文化放送の5倍の出力での発信を行う韓国のKBS韓民族放送(北朝鮮向け放送、1170KHz)があるため、夜間には韓国語放送と混信を起こすこともしばしば。
また関西ではKBS京都ラジオ(1143KHz)、北陸では韓民族放送・京都の両KBSや新潟のBSNラジオ(1114KHz)の近い周波数帯の放送と干渉するため聴く事が困難である(そもそもラジオ局は地元で聴くもの)。

一方、キー局ながら慢性的な聴取率の低迷に悩まされており、現在在籍のアナウンサーはそのほとんどが契約社員扱いとなっており、文化放送での契約満了後、フリーアナウンサーへ転身する例がほとんどである。また開始当初から放送していた「文化放送 ホームランナイター」を裏送りに、看板番組である「ライオンズナイター」を2021年シーズンから21時30分で強制終了する等の改編もみられる。

アニラジ

そしてアニヲタwiki的に忘れてはいけないのはアニラジの存在。現在も「東の文化放送、西のラジオ大阪」という具合に多くのアニラジ番組が放送されているが、かつてはラジオ大阪で1979年から放送されていた声優ラジオ番組「アニメトピア」*1をネット受け。その直後の時間帯で「アニメNOW!」*2を1981年から半年間制作・放送していた。

その後「アニメファンタジー 今夜はそっとくりいむレモン」「サンデーアニメジョッキー」「ペアペアアニメージュ」などの散発的な番組を経て、1991年4月から(放送媒体を変えて)2019年現在まで続くアニメ情報番組「ノン子とのび太のアニメスクランブル」が放送を開始。
続いて秋改編の10月から「ラジメーション 魔神英雄伝ワタル3」をトーク+ラジオドラマの構成で開始し、以来、アニラジ番組は今日に至るまで絶えることなく拡大化して、文化放送の重要コンテンツのひとつに据えられている。

最初の隆盛は1997年頃。以下のタイムテーブルが示すとおり、平日・休日含めて計21時間のアニラジ枠を設けていた。


■平日(1997年頃)

月2130 みか・美紀のスーチーラジオSTATION
月2400 国府田マリ子のCome on! Funky Lips ※2時間
月2700 新山志保の走れ!歌謡曲 ※2時間
火2100 佐竹雅昭と林原めぐみの無法塾
木2100 三石琴乃のエーベルージュ伝説
金2100 ZMAP=ZMAP
金2400 CLUBときめきメモリアル
金2430 ノン子とのび太のアニメスクランブル
金2500 聖ルミナス女学院
金2530 超魔神英雄伝ワタル
金2600 小森まなみの素敵にLove for you
金2630 木村亜希子のBASARAナイト

■土曜日(1997年頃)

2200 しんみち家の人々
2230 銀河お嬢様電波ユナラジオ
2300 SOMETHING DREAM マルチメディアカウントダウン ※1時間
2400 クリック&デッド NETWAYスイーパーズ
2430 ポリケロののわぁんちゃってSAY YOU!
2500 広井王子のマルチ天国
2530 久川綾のSHINY NIGHT
2600 電撃大賞
2630 鈴木真仁のプリンセス倶楽部

■日曜日(1997年頃)

1800 超機動放送アニゲマスター ※2時間
2030 ワンダーダイナギガスペシャル 小野坂の野望
2100 RADIO トゥルーラブストーリー
2130 ソフィアの純愛
2200 平松・三重野のミラクル山脈 ※1時間
2300 愛と由美のあぁぁ新天地 ※1時間
2400 岩男潤子の少コミナイト
2430 メルティランサー・緒方恵美の銀河にほえろ!
2500 同級生~恋愛専科


その後は縮小や改編を繰り返し、一時火~木曜日にはアニラジ番組が消滅するなどしていたのだが、22年後の2019年春改編にて下記のように計26時間15分の編成となり、再び隆盛を迎えた。

■平日(2019年春)

月~金2500 &CAST!!!アワー ラブナイツ! ※各日1時間
月2000 DAIV TO MUSIC ※
月2030 青山二丁目劇場
月2100 MOMO・SORA・SHIINA Talking Box
月2130 浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド
木2130 田村ゆかりの乙女心♥症候群
金2200 RADIO UnoZero ※1時間
金2300 下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ
金2330 ミリオンアーサーRADIO!ミリラジ!
金2430 東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー
金2600 堀江由衣の天使のたまご
金2630 バンドリ! ガルパラジオ with Afterglow

■土曜日(2019年春)

1800 Anison Days+ ※1時間*3
1900 A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち! ※2時間
2100 A&G TRIBAL RADIO エジソン ※2時間
2300 A&G メディアステーション こむちゃっと カウントダウン ※1時間
2400 上坂すみれの♡をつければかわいかろう
2430 宮野真守のRADIO SMILE
2500 神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~
2530 柿原徹也・畠中祐 ボクらが君を幸せにするラジオ
2600 A3! Blooming RADIO
2630 豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部
2700 森久保祥太郎 presents IRONBUNNY'S ROCK ROCKER ROCKEST

■日曜日(2019年春)

1845 小野賢章のおののみ
2030 宏太朗と裕一郎 ひょろっと男子
2100 大橋彩香のAny Beat!
2130 Fate/Grand Order カルデア・ラジオ局 Plus
2200 水瀬いのり MELODY FLAG
2230 本渡楓・楠木ともりのFUN'S PROJECT LAB
2300 新テニスの王子様 オン・ザ・レイディオ
2330 水樹奈々 スマイルギャング
2400 内山夕実 朝井彩加のドラガリアロスト ラジオのお庭
2430 小倉唯のyui*room
2500 &キャストアワー!!! クイーンズブレイド TRIANGLE スクランブル
2530 ご注文はラジオですか??~WELCOME【う・さ!】~ ※*4

一時期は平日の月~金帯で深夜番組もアニラジ番組が編成され、土曜日最大9時間半連続、日曜日も20時から25時半の放送終了まで*5アニラジ番組が編成されるなど、社を挙げて大々的にアニラジ番組が編成されるようになっていた。

2023年頃の改編から、VTuber個人やゲーム実況配信者による番組展開も平日夜に開始。今日まで形を変えながら、アニラジ番組が続いている。

原則文化放送は関東圏でしか聞けないのだが、AMラジオの特性かつ100kwという大出力から、夜間なら遠方地域でも聞くことが可能で、地方部にも少なからぬリスナーが居た。
ただし、遠方では電波が弱くなる上に前述のように5倍の出力で発信しているKBS放送との混信があり、かつての地方リスナー達はラジカセのAMループアンテナの位置を変え、アンテナに磁石を張り付けて感度を上げたりなどの工夫をこらし、韓国語放送やノイズと戦いながらアニラジを聴こうと四苦八苦していたのであった。

▼名物番組

・ノン子とのび太のアニメスクランブル

1991年4月放送開始のアニメ情報番組。開始当初から2023年現在に至るまで、声優・日高のり子とアニメチックアナウンサー・長谷川のび太(本名・長谷川太)が不変のコンビを組んでいる。
内容はゲストトークやアニメ情報を軸にしたトークを繰り広げるオーソドックスなスタイル。一時期スタジオライブ原作「超幕末少年世紀タカマル」のラジオドラマを放送したこともあった。
開始当初は日曜朝10時半からの放送。その後時間帯変更を繰り返して1994年から2009年まで金曜24時半で定着していたが、その後突如28時半(朝の4時半)という時間帯に移動したあと、2010年に超!A&G+へと移動し2023年現在も30周年を越えて放送中。

・ラジメーション 魔神英雄伝ワタル3

1991年春まで日本テレビ系列で放送されていた同名アニメが、同年の秋に突如ラジオドラマ化。前半は出演者でもある田中真弓と伊倉一恵によるトーク、後半はラジオドラマという構成は後続のアニラジに多大な影響を与え、文化放送以外の多くのアニラジ番組でもこのスタイルが採用された。物語はアニメ「2」の直接の続編。ワタルと虎王だけではなく、虎王と安達忍演じるライバルキャラ・牙皇子の友情も描かれている。

放送終了後は半年のトーク番組「フケてこんばんにゃ」への移行期間を経て「2」の更なる続編となる「ぼくの虎王」「虎王伝説」へと続き、オムニバス編となった「4」やヒミコのスピンオフ作品「ピュアピュアヒミコ」、アニメと同時展開のトーク番組「超魔神英雄伝ワタル」へと展開していった。また、ビクターエンターテインメント制作の「ラジメーション」シリーズはこの後「ここはグリーンウッド」「ぼくの地球を守って」「極道くん漫遊記外伝」「クリスタニア」「覇王大系リューナイト」「ロードス島戦記」「平成タイムボカン」「勇者指令ダグオン」等々、多種多様な作品が展開されていった。

ツインビーPARADISE

「合言葉はBee!」で一世を風靡したトーク&ドラマ番組。かつ、パーソナリティをつとめた國府田マリ子の出世作ともいえる番組。リスナーが地方ごとに色違いのベルを身の回りのものにつける「Beeメイツ」は番組を飛び出してブームになった。*6

ラジオドラマはゲームにおける自機であるツインビー・ウインビー・グインビーが意志を持つメカとして描かれ、パイロットであるライト・パステル・ミントとともに日常や冒険の日々を過ごすというもの。合計で3シリーズ、24枚のドラマCDが発売されており、コミカルからシリアスまで様々な物語が描かれている。登場人物やストーリーなどの詳細についてはは、当該項目を参照のこと。

なお、ラジオドラマのうち第2シリーズラストの4話分は当時の社会情勢*7が考慮され、ラジオでは放送されず第20話を大幅に改変して最終回とし、本来最終シリーズとされていた分はドラマCD第6巻に収録された。

コナミによるアニラジ枠は「ツインビーPARADISE」の前に放送された「マダラ転生編」から始まり、以降「もっと!ときめきメモリアル」「ワルモンMONMONパラダイス」「Club db」「もっと!モット!ときめきメモリアル」「田村ゆかりのいたずら黒うさぎ」*8まで続いた。

・メルティランサー 緒方恵美の銀河にほえろ!

当初はゲーム「メルティランサー」のタイアップ番組でラジオドラマが放送されていた。作品とともに人気を博したのが『漢八段』こと緒方恵美司令の存在と、司令に『ニックネーム』*9を名付けられたハガキ職人たちのアツいネタ合戦であった。
リスナーは『お茶くみ』から『捜査官』『補佐官』まで階級分けされ、いいネタが送られるほど昇格していく。その中でも多かったのは下ネタで、放送後期には『下ネタ禁止月間』なる規定まで設けられるぐらい乱れ飛び「銀河にほ、エロ」なんてタイトルコールがあったほど。

その一方で、エンディングに設けられた『人生相談』のコーナーは真面目な投稿や受け答えが多く、衝撃的な投稿を送ってきた常連投稿者に対して強く諭したこともあった。その男らしさもまた、この番組が愛された所以といえよう。

この番組の黄金期ともいえる97年10月10日には、緒方恵美がニッポン放送のオールナイトニッポンスペシャルに出演するが、内容はほぼ銀ほえであった。

番組後期には週平均数千枚ものハガキが送られ、最終回の公開録音後には名残を惜しむリスナーで旧・四ッ谷局舎前がごった返すほどであった。
放送後には2000年7月にインターネットラジオで「同窓会」を2時間放送。2018年にも復活放送が実施され、Twitterで多くのリスナーが反応を記していた。

・広井王子のマルチ天国

広井王子・横山智佐・千葉繁によるトーク&ラジオドラマ番組。放送中期からオーディションにより豊口めぐみが加入した。
大きな特徴としてラジオドラマ「火星物語」の存在が挙げられる。こちらはリスナーが送ってきたアイディアと自らのアイディアを広井氏が台本へとまとめ上げ、それをパーソナリティが即興で演技・録音するというスタイルで、内容に応じ出演者がアドリブを挟むのもしばしば。

物語はタイトルどおり様々な年代の火星を舞台にし、名前を与えられる儀式を経た少年の物語や、大人びた自分の世界を持つ少女と冴えないサラリーマンがアンドロイドとともに旅立つ物語など、世界観も多岐にわたり全10シリーズが放送された。
「はるか遠い昔、これは人々が忘れてしまった記憶の物語」というタイトルコールに、心躍らせたリスナーも多いと思われる。ごくごく初期を除き音源化されていないのが非常に惜しい。

番組はその後千葉繁の勇退や山口勝平の加入、豊口めぐみの卒業を経て「マルチ天丼」「マル天チャチャチャ」「マル天ミックス」と変遷し2007年に放送を終了した。

・ソフィアの純愛

コナミのゲーム「みつめてナイト」のタイアップラジオ。パーソナリティはソフィア・ロベリンゲ(CV.小西寛子)で、作品の登場人物がパーソナリティになって放送するという形式……なのだが、ソフィアが異世界から文化放送を通じて心の電波を送り届けるという他に類を見ない設定となっている。

異世界へ届いたリスナーからのハガキを読み、それに一言二言コメントしていくのがこのラジオのスタイル。しかし、リスナーから届く重めな内容のハガキと薄幸で気弱な彼女によるトークは独特の雰囲気を醸し出し、決して明るくない原作世界観を表現していた。
極めつけは最終回。ソフィアがゲームイベントどおり自らの夢へと踏み出そうとした矢先に爆弾テロに遭遇し、声が出せなくなってしまった悲痛な想いを心の電波で届けるという前代未聞の結末を迎える。それでもこの番組を通じて得られた元気や勇気を糧に、前へ進んでいこうという思いを吐露して番組は幕を閉じた。

おそらく、文化放送のアニラジ番組の中でも異色中の異色な作品だったと思われる。

・「超機動放送アニゲマスター」「A&G 超RADIO SHOW~アニスパ~」「A&G TRIVAL RADIO エジソン」

「アニゲマスター」は文化放送初の声優&スタッフによる2時間ワイド番組で、パーソナリティはおたっきぃ佐々木と菊池志穂・池澤春菜(初期)、榎本温子(中期)、豊口めぐみ(中期~終了まで)、山本麻里安(後期)。
当初は日曜夜の放送で、土曜の90分枠への移動を経て21時から23時という以降のアニメ・ゲーム情報番組枠へと定着。当時放送されていたアニメから過去のアニメまで、様々な作品や声優にスポットライトを当てて特集するなど多岐にわたる話題を取り扱った。

番組はその後BSQRで放送していた「スパラジ!」「A&G 超RADIO SHOW~アニスパ~」に改題して後継番組へと定着。さらに後継番組として2019年現在は「A&G TRIVAL RADIO エジソン」が放送されている。

・青山二丁目劇場

2006年から放送されている、ラジオドラマ専門番組。「支配人」と呼ばれる司会を初代は藤田淑子、2代目は古川登志夫が担当し、キャストはすべて青二プロダクション(なお同社所在地は北青山3丁目)所属の声優が担当している。かつては文学作品や漫画などを原作にしていたが、2017年4月以降はオリジナルの脚本を中心に据えて2回(前後編)1セットとして放送している。

・声優個人のトーク番組

恒常的にアニラジを放送するようになった当初は作品とのタイアップ番組が多かったのが、1994年あたりから「久川綾のSHINY NIGHT」「冬馬由美のYUMI YUME CLUB」といった声優個人のトーク番組が放送されるようになった。

1997年には「國府田マリ子のCome on funky lips!」として夜ワイドにも進出したり、2002~2003年にかけて始まった水樹奈々スマイル・ギャング」「田村ゆかりのいたずら黒うさぎ田村ゆかりの乙女心♡症候群*10堀江由衣の天使のたまごは15年以上にわたる長寿番組にまで成長。「大橋彩香のAny Beat!」「水瀬いのり MELODY FLAG」「小倉唯のyui*room」「宮野真守のRADIO SMILE」「安元洋貴の笑われるセールスマン(仮)」などなど、2020年現在も主力コンテンツのひとつとして稼働している。

また、超!A&G+開始当初から声優によるワイド番組にも取り組み、2015年には文化放送本体でも男性声優のワイド番組「ユニゾン!」を開始。その後「&CAST!!!アワー ラブナイツ!」へと発展していった。

・A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!

文化放送としてはレギュラー初となる、アニソン専門のリクエスト番組。週ごとにテーマを設けてリクエストを募集するのだが、リスナーがそのテーマの語呂などにこじつけ「『なんだこれ?』と思って聴いてみたら『そういうことか!』」となるリクエストを送ってくるのも名物になっている。
また、不定期で文化放送にあるホール「文化放送サテライトプラス」でリスナーを集めて公開生放送を行ったり、クラブでのDJイベントを行うなど、スタジオを飛び出すことも多い。
放送開始から日曜昼間に放送を行っていたが、2019年春改編から土日に長らく放送されていたプロ野球中継「文化放送ホームランナイター」を終了*11させ、土曜夜19時へと移動。その後、2022年3月に惜しまれつつ放送を終了した。

・(番外編)文化放送の声優体験講座

現在設立されている声優、ラジオパーソナリティ、放送作家、ディレクターの育成スクール「A&Gアカデミー」より以前、1990年代半ば頃に文化放送主催で声優体験講座が開かれていたことがある。講師は田中真弓三ツ矢雄二など。講座修了後は成果としてオリジナルのラジオドラマが制作され、不定期的にレギュラー放送終了後の日曜26時から放送されていた。


▼Nifty-serve「文化放送ステーション」について

インターネットが普及する以前から存在したパソコン通信「Nifty-serve」にて、リスナー同士が交流する場が設けられていた。
当初は「文化放送フォーラム」(FQR)で一般番組と同居する形で開設され、その後番組数の増加に伴って「文化放送ステーション・アニメ&ゲーム」(SQRAG)へと発展。「広井王子のマルチ天国」「ポリケロののわあんちゃってSAY YOU!」などの番組専門会議室が開設され、スタッフやパーソナリティが書き込みを行ったり、一部番組ではコーナー投稿も受け付け、フリートークを含めた会議室やチャットは毎日大いににぎわった。

特に1995年年末に生放送された特番「文化放送クリスマスパーティー」では大いに活用され、登場した声優とチャットで交流できたり番組内でメッセージがとりあげられたりと大盛況。また「文化放送オフラインパーティー」なるオフ会も文化放送主催で開催され、局舎見学やスタジオでの生放送見学、アニラジパーソナリティとの交流会などが行われたりと、番組内外での展開に積極的であった。

その後、インターネットの発展と隆盛によりパソコン通信自体が下火となり、Nifty-serveが@niftyに転換した後パソコン通信事業から撤退。2005年3月までにステーションは閉鎖され、それまでのログはすべて散逸したものの、文化放送Podcastや超!A&G+の開設などといったインターネットでの展開における礎となったといえよう。


▼BSデジタル音声放送「BSQR489」について

かつて、BSデジタル放送には衛星放送を介した「BSデジタル音声放送」の専門局が存在していた。
そのひとつを「BSQR489」という局名で2000年12月から文化放送が運営。放送開始時間は開局当初で10時頃、閉局前は12時からと遅く、放送終了も早くて19時半、遅く終わっても24時ととても短かった。

放送開始当時はまだBSアナログ放送が放送中なうえ、専用のチューナーかチューナー内蔵テレビが必要だったことから知名度は低かったものの、文化放送で放送されていた一部アニラジがBSデジタル放送特有の高音質で聴けたり、「井上喜久子のキャラメルタウン」「倉田ねじまき堂」「浅野真澄・鷲崎健のスパラジ!」(「アニスパ!」の前身)といったBSQR独自の番組を放送していた。特に、アニメソング・ゲームソングを長時間フルサイズ・ノンストップ・ノーDJで流す番組「楽音潮流 eXtended Music」は人気があり、データ放送の映像を通じて送られたメッセージやイラストが多く紹介され賑わいを見せていた。

しかし、総務省の放送普及基本計画見直しにより地上デジタル映像放送の拡充が決まり、BSデジタル音声放送市場規模が小さく採算が見込めない企業が多かったことから「WINJ」*12を除き撤退。独自番組はすべて終了し、2006年3月31日をもって惜しまれながら閉局した。


▼地上波デジタルラジオ試験放送について

また、2003年10月10日から2011年3月31日まで地上波デジタル音声放送の実用化試験放送にも参加していた。

当初は「Digi Q+N 93」としてテレビ朝日と埼玉の県域FM局・NACK5との共同チャンネルを運営していたが、テレビ朝日の撤退により2007年4月2日から「UNIQue the RADIO」へと移行。2007年9月3日にアニメ・ゲーム番組専門の「超!A&G+」、翌2008年9月29日にはAM波とほぼ同じ内容を放送した「文化放送プラス」のチャンネルを開設。特に前者はインターネットでもサイマル放送を実施し人気を博した。

だが、地上波デジタルラジオ自体が本放送で使うことを見込んでいた周波数を使えなくなったり、方針の違いから参加していたふたつのFMキー局が突然脱退したりと大きく迷走。その上、受信機自体もauの一部携帯電話端末とごくごく少数のPC用チューナーに限られたりと聴取方法も限定されていたため、最終的に「マルチメディア放送への転換」「試験放送に使用している周波数を警察・消防無線に割り当て」という追い打ちを受け、その音質の高さなどがほとんど知られることなく2011年3月31日に全ての局が放送を終了した。

「文化放送プラス」はその役割を終え、「超!A&G+」もまた放送が終わる……と思われたが、文化放送は実にタフだった。


▼日本初のアニメ・ゲーム番組専門ストリーミングラジオ放送局「超!A&G+」

超!A&G+は2007年9月3日に開局した、アニメ・ゲーム専門の簡易動画付きストリーミングラジオ放送局。

当初は地上波デジタル音声放送にて放送が始まり、WILLCOM(現・Y!mobile)から発売されていたスマートフォン・W-ZERO3シリーズに限定してインターネットストリーミング放送を開始。その後、WindowsやMacOS・iPhoneにAndroidへと対象機器が拡大していき、インターネットの回線と機器さえあれば日本全国いつでもどこでも聴けるようになった。上記の事情もあり地上波デジタル音声試験放送が終了する2011年3月31日以降の継続が危ぶまれる声もあったが、そのままインターネットのみで放送を継続し、2017年には放送10周年を迎えた。

編成はほぼ声優やアニメ・ゲーム関係者がパーソナリティを務める番組で占められている。トーク番組を始め、各種作品とのタイアップ番組や情報番組、アニラジのスタッフによるラジオ番組制作話などバラエティに富んだ編成が組まれている。かつては文化放送で放送しているアニラジの遅れネットなども編成されていたが、上記の地上波デジタルラジオ試験放送終了を境に一転、ほぼ独自編成へと転換。それでも「A&G TRIBAL RADIO エジソン」「A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン」「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!」を地上波と同時放送したり、一部番組の遅れネットを行ったりしている。また「夜中メイクが気になったから」「めっちゃすきやねん」「岩田光央・鈴村健一 スウィートイグニッション」といったラジオ大阪の番組をネットしている。

朝6時に放送を開始し、基本的に昼下がりまでは前日までの番組を再放送。夕方から27時頃までが本放送となり、月曜日から金曜日は28時まで再放送を行い放送終了。土曜日は28時台まで本放送となり、日曜日は27時で放送を終了していた。

……が、2023年4月より番組の編成が大幅に変更され「平日は16時から26時まで、土曜日は13時から27時半まで、日曜日は13時から26時半まで」「平日のリピート枠はほぼ廃止。土休日も大幅削減」という方針に舵が切られた。実際、2023年3月の終了番組として「丹下桜のRadio・A・La・Mode」「佐倉としたい大西」「阿澄佳奈 星空ひなたぼっこ」「村瀬くんと八代くん」といった長寿番組・人気番組など計25番組が終了することとなり実質的な縮小傾向がみられ、文化放送本局の深夜番組で超!A&G+発の番組を放送していた時期もあったが、半年後の2023年10月に終了。それ以降も大幅な番組改編が行われるなど、試行錯誤が続けられている。


▼超!A&G+の名物番組

・ワイド番組

現在の局名「超!A&G+」よりも前、「DigiQ+N 93」という局名で地上波デジタルラジオの試験放送を実施していた頃から、声優による平日生放送のワイド番組を設けていた。
90分番組の本家「Voice of A&G Digital 超ラジ!」の他、「超ラジ!Rookie」「超ラジ!Girls」といった分家の番組が存在し、黎明期の「超!A&G+」を牽引。
パーソナリティは本家が喜多村英梨、柿原徹也、吉野裕行、飯塚雅弓、後藤邑子、広橋涼、岩田光央、鷲崎健。Girlsは豊崎愛生、下田麻美、伊藤かな恵、三瓶由布子、明坂聡美、井口裕香。Rookieは井澤詩織、吉成由貴、坂祥美、中村みな、山岸愛梨、吉田沙織、上村彩子、五島貴史、吉岡さくら。

「超ラジ!」としての放送は2007年3月~2010年10月だが、以降も夕方・夜ワイド番組の系譜は「A&G NEXT GENERATION Lady Go!!」「A&G ARTIST ZONE 2h」「本気!アニラブ」「A&G NEXT BREAKS FIVE STARS」、そして2023年現在も放送されている「A&G ARTIST ZONE THE CATCH」「A&G NEXT STEP HOOOOPEぬ」、深夜の「ヨルナイト×ヨルナイト」へと続いていく。また、2018年秋からは朝ワイドの「あさステ!」、昼ワイドの「&CASTアワーラブランチ!」*13が開始し、朝・昼・夕・夜・深夜と各時間帯のワイド番組が出揃った時期もあった。

・進め!狂乱電波日記

ライトノベルからアニメ化した「狂乱家族日記」のタイアップ番組。パーソナリティは藤村歩と佐藤利奈。タイアップ番組には珍しい毎週1時間の生放送で、文字通り「文化放送」を舞台にした狂乱的な放送を行っていた。

一例を挙げれば、放送開始前にスタジオへ敷かれた布団で就寝したパーソナリティとゲスト(花澤香菜)が放送時間中に起床し、与えられたコーナーをこなせるかを文化放送アナウンサー・鈴木光裕氏が調整室から実況したり、文化放送社屋のどこかで迷っている鈴木光裕氏をパーソナリティのふたりが探し出したり、鈴木光裕氏にポルノグラフィティの「ミュージック・アワー」を歌わせたり、台風が接近しつつある文化放送社屋の外に設営された簡易スタジオで放送させられたりと、その狂乱具合は枚挙に暇がない。

最終回では与えられた試練をクリアし、2時間枠の生放送特番をゲット。その特番もアニメレギュラー総出演で運動会をするというとんでもないもので、番組終わりにはスタッフが出演者陣に内緒で集めた大勢のリスナーが半年間の放送を労う感動的な場面で幕を閉じ……ようとして、時間が足らずにブツ切りで終わってしまうという、この番組らしい結末を迎えてしまった。

▼アニラジ番組に関係のある局アナウンサー (過去所属を含む)

  • 長谷川太 (長谷川のび太)
    • 1989年入社。「文化放送 ライオンズナイター」で実況を担当する一方で「ノン子とのび太のアニメスクランブル」のパーソナリティを30年近く務めている大ベテラン。その風貌から先輩・吉田照美に「長谷川のび太」と名付けられ、以降一部除くアニラジ番組でその名義を使用している。
      超!A&G+の野球バラエティ「れい&ゆいの文化放送ホームランラジオ!」では培ってきた野球知識を披露しつつ、埼玉西武ライオンズの調子が悪かったりすると時々やさぐれるなどコミカルな面を見せることも。
  • 斉藤一美
    • 1990年入社。息子の斉藤佑太は山形テレビ所属のアナウンサー。
      1993年に夜ワイド番組「斉藤一美のとんカツワイド」のパーソナリティを務め人気を得、1997年から「文化放送 ライオンズナイター」の実況を担当。2016年にいったん実況を退き、平日夕方のワイド番組「斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!」を担当したあと、2023年からスポーツ実況へ復帰している。
      興奮しすぎると号泣し、1998年の千葉ロッテ17連敗や2012年の西武・米野の逆転ホームランなど枚挙に暇がない。中でも2002年の西武-近鉄戦で0-9からの大逆転を果たしたときには、西武が点を獲るにつれて次第に声が震えてゆく様が聴いてとれる。
      過去には堀江由衣や田村ゆかり、浅川悠や冨永みーなと組んだこともある。オレバリカット? 頭頂部だけ髪を残してあとは丸刈り? はて、なんのことやら????
  • 砂山圭大郎
    • 1998年入社。2003年に覆面パーソナリティ・K太郎名義で夜ワイド番組「レコメン!」を担当し、10年目を迎える2012年に本名名義へ戻って様々な番組を担当する一方、超!A&G+の「砂山・赤崎アワー えじまる」などアニラジ番組を担当する際は「砂山けーたろー」名義で出演している。
  • 竹内靖夫
    • 1978年入社、2015年定年退職。退職後も嘱託として番組に出演している。「バンブー竹内」の愛称で夜ワイド番組やトーク番組などを数多く担当した重鎮中の重鎮で、看板パーソナリティのひとりであった。
      1985年から1986年にかけて「アニメファンタジー 今夜はそっとくりいむレモン」「サンデーアニメジョッキー」のアシスタントを担当。「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!」が午前11時から放送されていた時代には、内包のニュース番組を担当していた。
  • 八木菜緒
    • 2015年入社、2018年退社。退社後は日本BS放送(BS11)へ移籍したが、その後も文化放送と超!A&G+の番組に出演を続けていた。アニメとコスプレが大好きで、冠番組の「八木菜緒のガチ! コスラブ」を持つほど。同番組の他「Anison Days+」ではアシスタントを、「れい&ゆいの文化放送ホームランラジオ!」ではキャスターを務めていた。
  • 鈴木光裕
    • 1991年入社、2017年定年退職。現在はフリーアナウンサー兼ラジオ局「Rakuten.FM TOHOKU」の編成・制作部長。文化放送在籍前の東海ラジオ時代から数多くのスポーツ実況を担当し、チーム優勝などの節目を数多く実況してきた重鎮中の重鎮。
      ……のはずが、何故か2008年5月30日放送の「進め!狂乱電波日記」に冒頭から出演し、スタジオで熟睡する佐藤利奈・藤村歩・花澤香菜を調整室から実況することに。2008年7月18日放送分では何故か誕生日でゲストのはずが、これまた何故か文化放送局内で迷って佐藤・藤村両名に探し出され、あげくの果てにはポルノグラフィティの「ミュージックアワー」を熱唱させられるなど、不思議な目に逢っていた。何故……?


追記・修正は混信と戦いながらお願いします。


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最終更新:2023年10月15日 08:37

*1 パーソナリティは初代が麻上洋子・吉田理保子、2代目が田中真弓・島津冴子、3代目が高橋美紀、坂本千夏、4代目が冨永みーな、川村万梨阿

*2 パーソナリティは潘恵子、三ツ矢雄二[前期]、古谷徹[後期]

*3 2019年秋改編で30分へ短縮のうえ火曜日へ移動。後枠は週替わりの一般番組枠。

*4 2019年夏改編をもって「ご注文はラジオですか??~WELCOME【う・さ!】~」が終了し、同枠に「DAIV TO MUSIC」が移動した。

*5 かつては26時。「DAIV TO MUSIC」の放送終了に伴い廃枠となり、放送終了が30分繰り上がった。

*6 駅の伝言板に『合言葉はBee!』と無差別に書かれることが社会問題化したこともあった。

*7 作品内で地震が発生し被害が出るなどの描写を予定していたが、阪神・淡路大震災が発生したために自粛を決定した。

*8 2007年3月をもって、田村ゆかりがコナミレーベルからキングレコードへ移籍したことで終了。

*9 ラジオネームでの投稿は禁止され、本名か『ニックネーム希望』として投稿し緒方が名付けたニックネームでのみ投稿が可能であった。

*10 前番組は2016年春改編で終了し、後番組は2017年夏改編から開始。この間に田村のレーベル移籍が行われている。

*11 中継そのものは地方局向けの裏送りとして継続。

*12 旧称セント・ギガ→Club Cosmo。もっとも、この局はその後騒動を起こして消失するが……また、2011年からは放送大学が音声放送を開始している。

*13 「&CASTアワーラブランチ!」は2020年春に放送終了。