峰不二子

登録日:2019/06/05 Wed 17:15:10
更新日:2024/01/08 Mon 14:13:09
所要時間:約 3 分で読めます




謎の女、峰不二子。女盗賊か女スパイか、この俺にもわからない謎の女。

いつもひどい目に合うが、憎めないんだなぁ…。

by ルパン三世


概要

身長:167cm
体重:50kg
バスト:99.9cm
ウェスト:55.5cm
ヒップ:88.8cm

CV:二階堂有希子→増山江威子(2nd以降)→沢城みゆき(『血の刻印~永遠のMermaid~』以降)/小山茉美(OVA・劇場版の一部作品)

演:黒木メイサ(実写映画版)

ルパン三世』の登場人物であり、物語のヒロイン。
全てが謎に包まれた妖艶な美女。ボリュームのあるロングヘアーで、豊満なバストを始めとするグラマーな容姿。
3サイズは99.9・55.5・88.8*1。髪は茶髪だったり金髪だったりと何度か染め変えている。
「泡風呂に入り、綺麗な脚を上げる」入浴シーンでおなじみの人も多いはず。

政府関係者や軍関係など多彩な知り合いを有しており、自身の持つ美貌を用いてルパンを含む様々な男を手玉に取り、お宝を独り占めしようとする悪女。
峰不二子という女』で逮捕された際には銭形に抱かれて交換条件と共に釈放されるなど女の武器を使う場面も見られる。

ルパン達に協力を仰ぎながらも平気で何度も裏切っており次元からは警戒されている。
しかし、詰めの甘いところもあるため宝や資産を失ってしまうことも多い。特にルパン以外の第三者と組んだ際には逆に裏切られてしまうこともある。
また、シリーズが進むにつれ、流石に反省したのか、ルパンは不二子が裏切った場合に対する保険をかけ始めた。
不二子自身も色仕掛けばかりに頼らず、いざという時は自分自身でどうにかする場面が増え始めた。
本気で気を許した仲間達や子供に対しては掛け値なしで好意的に接する場面も見られ、特に子供に対しては打算なしで手を差し伸べる事も多い。
この為、決して褒められた人間ではないが、総合的には憎めないキャラクターをしている。

メカに対する扱いにも長け、バイクスーツ姿でハーレーダビッドソンに乗って疾走する1stシリーズのエンディングは有名。
今でこそ少なくないであろうが、放送当時は男性の乗り物とされていたオートバイを乗り回す女性というのは考えられなかった。それ以外でもフォーミュラカーや戦闘機、果てはドローンを操るエピソードもあり、自ら「男の次にメカが得意」と豪語するほど。

1stシリーズにて、とあるシンジケートの腕利き殺し屋であったという経歴が明かされており、鉄火場での立ち回りも手慣れたもの。
武器に関してもルパン達に劣らない腕前の持ち主で、口紅を弾丸のようにレミントン・デリンジャーに装填する2ndシリーズのオープニングも有名。
2012年の福岡県警銃撃事件の公判*2では、25口径を用いた犯人(暴力団員)が「峰不二子のような拳銃でした」と発言していたくらいインパクトが強い。
ただし、ルパンや次元や銭形に比べると使用銃器はそれほど固定されておらず、デリンジャー以外では原作でも使用したり偽物も使ったりするブローニングM1910くらいで、その場で調達する(要するに盗み)ことも多い。ルパンのワルサーP38は印象的にパクられてることが多い。
イングラムやシュマイザーやウージーなどのサブマシンガンを使うことも多く、女の身ながら片手でパなしまくるシーンはなかなか強そう。
格闘戦もこなすなど多才。意外なとこでは変装も得意。
忍術を修めつつも殆ど斬鉄剣のみを扱う五ェ門と異なり、暗器の類も常用する。

なお、彼女を愛する男性は数多いが、ルパン以外はたいてい碌でもない末路を辿る。

彼女が後発の作品に与えた影響はあまりに大きい。
そもそもが「子供を対象としていないTVアニメ」という革命的な作風の本作において、
今までのアニメでは出ようはずもなかった「打算と義理を併せ持つ妖艶な大人の美女」というヒロインが与えたインパクトは絶大である。
(まあ、だからこそ、不二子と大幅に属性が違う『カリオストロの城』のクラリスがよく『萌え』の原初とか言われるわけだが...)
特に「女性が憧れるアニメヒロイン」の代表格として知られ、化粧品やストッキングなど不二子名義の女性向け商品も発売されたことがある。


ルパンとの関係

ルパンを裏切ること数知れず、彼の好意を利用する場面も多いが、一方でルパンの恋人として振る舞うこともある。
彼がルパンダイブをしながらベッドに入ってきた際に制裁を加えるのはお約束。
実際に彼女がルパンをどう思っているのかは不明だが、少なくとも嫌っているわけではない模様。
ルパンが死んだと思った際にはひどく動揺しており、PART5終盤ではルパンに「自分はルパンにとっての何なのか」と問いかけている。

出会った経緯については次元と同じく謎。『峰不二子という女』ではとある島に潜入した際に出会っており、『ファーストコンタクト』では駆け出しの頃のルパンの親友・ブラッドの恋人兼相棒をしていた時に出会ったことになっている。
但し、『ファーストコンタクト』の出来事は(全てとは言えないがほとんど)ルパンのでっち上げである可能性が高く、さらに『ファーストコンタクト』自体が他作品などの設定や時系列に齟齬が生じてしまうため、あくまで「可能性がある」域を出ないという点に注意。
現状では、『峰不二子という女』がアニメ版における正史に近いと思われる。

ルパンは自由な男で在り続けるが故に、特定の女性と良い雰囲気になっても結局別れる結末を迎える。
その点、同じく誰にも縛られない不二子はある種ルパンと唯一付き合いを維持出来る女だからか、ルパンも不二子の裏切りを基本的には許容し続け、長年に渡り腐れ縁が続いている。
しかし、シリーズにおいて後年にあたるpart5では、気紛れからかルパンと本格的な同棲生活を始めたところ、
互いに好意は抱いていても平穏過ぎて刺激に欠ける日常には適応出来ず、結局同棲生活はご破算になったというエピソードが語られた。


原作ではアニメとは打って変わって冷遇されている。
外伝作品『ルパン小僧』ではルパンとの間に息子をもうけている*3
原作ではあくまで真相は不明の扱いだが、作者自身がトリビアの泉で「ルパンと不二子の子供」と明言している。

更にその後日談と思しき『ルパン8世』という作品もあるが、こちらには不二子と同名の子孫がおり、ルパンの子孫と絡んでいる。

峰不二子のスピンオフ


近年では峰不二子のスピンオフというと『峰不二子という女』が挙げられるが、実はそれ以前にも漫画でスピンオフらしきものが存在していた。
それは、2007~09年に鈴木イゾ氏により雑誌版で連載していた『M.F.C』という作品。

この作品、そもそも主人公は峰不二子ではない別人であり、ルパンファミリーも不二子以外一切登場していない、ルパン関連の作品としてはかなり異色の作品である(このため、厳密には「峰不二子のスピンオフ」かどうかと言われると少々疑問符が付くが)。
内容は、峰不二子により設立され、表向きはごく普通の会社だが裏で自ら女泥棒を育成し盗みを代行させるというトンデモ会社「M.F.C(峰不二子カンパニー)」に、ひょんなことから入社してしまった三白眼で目つきが悪い以外ごく普通の19歳の山田幸子が、個性的な二人の先輩のもとで成長していく姿を描いたもの。
ちなみに、課長の渡辺とは盗みのプランをめぐってよく対立しているが、トラップに正攻法で挑み、脱出も目立ちがちなグライダーを使おうとする課長のそれに対し、最短ルートでお宝を盗み出し手早くとんずらできる不二子のプランとは雲泥の差がある。


余談

元々、2本製作された『ルパン三世 パイロットフィルム』では増山が不二子を演じており『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』にも参加予定だったが、実際に放送されると録音監督の田代敦巳から謝罪があり、何故か不二子役が二階堂有希子に代わっていたという。
一方、『TV第1シリーズ』の演出を担当したおおすみ正秋はこのことに関して後に「ルパンが不二子に挑みかかる場面があるんですよ。ところがその場面になるとシーンとしちゃって」「『どうしたの?』って聞くと『どうしてもできません』って」と、増山がお色気シーンをできなかったため仕方なく変更したと発言している。
その後も不二子への思いが強かった増山は、『TV第2シリーズ』放送前のオーディションに参加。見事不二子を担当することになったという。
『パイロットフィルム』が一般に知られていなかった当初は、「何故不二子が二階堂さんじゃないんだ」という抗議の投書が殺到。しかし日本テレビのスタッフからこれを聞いた増山は、「どうあがいても二階堂さんにはなれないから、私の持ち味でやるしかない」と発奮して演じ続けたという。


探偵の子孫で構成された「緋弾のアリア」における4代目ルパンである理子は名字といい、使用銃といい、ルパン小僧同様の設定を彷彿とさせる。

江戸川乱歩の小説『黄金仮面』には、アルセーヌ・ルパンに恋する美女 大鳥不二子 が登場するが、
これは偶然で峰不二子の名前の由来は 富士山の峰 (霊峰富士とも)らしい。大鳥不二子はルパンを裏切ったりしないし。
というのも、名前を決める段で たまたまデスクにあった富士山の写真が目についた 事から「峰不二子で良いか」と テキトーに決められた という。
スリーサイズがどれもゾロ目といい加減なのも名前と共にサッと設定したため。

読者及び視聴者の中には、間違えて 不二峰子 と呼んでしまう人がいるらしい。
それを意識してか、テレビスペシャル『ルパン三世vs名探偵コナン』では、国際弁護士の不二峰子という偽名を使っていた。
バラエティ番組『マジカル頭脳パワー!!』の『マジカルシャウト』では、不死身のを思い浮かべてください。では、『ルパン三世』に登場するセクシーな女性といえば?」 なんて問題も出て、パネラーが見事に引っかかったこともある。

モンキー・パンチ先生を偲ぶ会での栗田氏の言によると、先生の初恋の女性がモデルであると先生の幼馴染の方から以前聞いたとのこと。


【おまけ】パロディ・オマージュキャラ

強烈なインパクト故に、後発の作品でも「エロくて有能なお姉さん」役でパロディされることが多い。

そもそもが主人公一味がまんまルパンのオマージュである。

旧姓は藤峰。名前は先述の二階堂氏に因む。
作者曰く「良い不二子が有希子で、悪い不二子がベルモット」。

ヌパン四世しんのすけの相棒。こちらは決して相方を裏切らない。
クレしん本編でもホーム・アローンをパロディした回*4でも不二子とルパンのような姿の間抜けな空き巣が登場している。

キャラデザ・漫画版作者の貞本義行自ら「イメージは峰不二子」と語っており、愛車がルノーA110なのもアニメ1期の不二子に因む。
ちなみに前髪は月の王国の行政代執行がモデルだが、その人の声優が声まで当てることになったのは偶然。

原作者の日下秀憲曰く「峰不二子こども版」。ここに挙げたメンバーの中では最年少だが、色気と強かさは大人たちにも引けを取らない。

よく通ったなこの名前。仏版「探偵泥棒エドガー」の設定を反映してか一流の探偵である。この手のキャラでは珍しくロリ。

外見は似ていないが元仲間がモロにルパン一味なので必然的に不二子担当になった。アニメでは1期OPをパロディしたオリジナルの描写が追加されている。

こちらは名前と外見が不二子。中身は不二子通り越してサキュバス。

その他直接のイメージソースと公式は明言していないにしろ、「天気を操るお金とみかんが大好きな女航海士」とか「一人称がお姉さんの運び屋のお姉さん」、はたまた「真冬にもミニスカの無職28歳」や「つむじが前にある電脳トレジャーハンター」といった、後発の作品でも不二子分を多分に含んだ女性キャラは数多く登場する。



「こ~れだもんねぇ。不二子、何とかしろよ」
「ええ、してあげてもいいわ。まともに追記・修正ができたらね」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ルパン三世
  • 峰不二子
  • ヒロイン
  • 悪女
  • 美女
  • 謎の女
  • 裏切りは女のアクセサリー
  • ファム・ファタール
  • 何故かなかなか立たなかった項目
  • 二階堂有希子
  • 増山江威子
  • 小山茉美
  • 沢城みゆき
  • 黒木メイサ
  • グラビア界にちょくちょく現れるリアル峰不二子
  • 主人公
  • 爆乳
  • 巨乳
  • 茶髪
  • 妖艶
  • セクシー
  • ルパン一味
  • バイクスーツ
  • 魔性の女
  • ビッチ萌え
  • 裏切り
  • スピンオフ主役
  • 峰不二子という女
  • 峰不二子の嘘
  • 原点
  • 原点にして頂点
  • 女スパイ
  • スパイ
  • 裸ライダースーツの元祖
  • どうも息子がお世話になってます
  • ダークヒロイン
  • トリックスター
  • 怪盗
  • 泥棒
  • 一部作品では金髪
  • 母親?
  • 神出鬼没
  • 性の目覚め
  • 変装名人

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月08日 14:13

*1 全てゾロ目なのは作者曰く「覚えやすいから」。

*2 2017年3月14日朝日新聞掲載。

*3 ただし、その後に描かれた『新ルパン三世』にルパン小僧が登場した時は、ルパン小僧の母の「峰不二子」とルパン三世の「峰不二子」は同じ姿だが別人であるというルパン小僧の話にルパン三世の「峰不二子」が困惑する描写もある

*4 アニメで初代しんのすけ役の矢島晶子氏が『HA』の主人公ケビンの吹き替えをしていたのに因む。