小林さんちのメイドラゴン

登録日:2021/02/09 Tue 21:57:02
更新日:2024/04/18 Thu 16:45:29
所要時間:約 20 分で読めます





朝 会社に出ようとしたら ドラゴンがいた




【概要】

小林さんちのメイドラゴンとは、月刊アクションに連載されている漫画である。
作者はクール教信者。2024年4月時点で既刊15巻。
2017年1月~4月に京都アニメーション制作でアニメが放映され、さらに2021年7月には二期にあたる『小林さんちのメイドラゴンS』が放映された。

スピンオフ作品として、下記4作品も連載中。
  • 『小林さんちのメイドラゴン カンナの日常』 漫画:木村光博 既刊12巻
  • 『小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記』 漫画:カザマアヤミ 既刊8巻
  • 『小林さんちのメイドラゴン ルコアは僕の××です。』 漫画:歌麿 既刊7巻
  • 『小林さんちのメイドラゴン お篭りぐらしのファフニール』 漫画:ノブヨシ侍 既刊4巻

自称・底辺システムエンジニアであるOL小林さんと、
突如メイドとして押しかけてきたドラゴン娘・トールとの異種間交流を描く日常系コメディ。

基本的には人間界の文化に戸惑いながらも馴染んでいくドラゴンたちの姿を面白おかしく描くコメディだが、
要所要所では「人間とドラゴン、住む世界も文化も寿命も全く違う異種間で真に分かりあえるのか?」という
根底のテーマが見え隠れし、シリアスな展開になることもしばしば。
特に原作8巻では1巻分丸々を使い、異世界での熾烈な戦い・人間とドラゴンの絆が描かれた。
一方で所謂サザエさん時空を採用してるため、上記のシリアスな展開中でも一定の安心感はあったり。

連載開始前の作者と担当との打ち合わせでは「恋愛もの」「ボーイミーツガール」という方向性でまとまったものを作者がガン無視して
メイドラゴン1話のネームを提出したところ、なぜか採用されてしまい連載開始したという経緯がある。(1巻あとがきより)
「恋愛もの」というのはある意味では間違ってないかもしれないが…

他のクール教信者作品一部とも世界観を共有しているようで、小林さんの勤める「地獄巡商事」の社長は『おじょじょじょ』の主人公「地獄巡春」である。(顔見せ程度でほぼ話には関わらないが)


【キャラクター】

小林さん(こばやしさん)
CV:田村睦心

腰が痛ぇ…

主人公。常に苗字でしか呼ばれないため、下の名前は不明。
女性だが、見た目(胸含む)や言動から女性として見られることは皆無。
トールやイルルも初対面では男性だと勘違いしていた。
ほぼブラックな企業にてシステムエンジニアとして働いている。

ある日酔っ払って電車を乗り過ごしてしまった結果迷い込んだ山中にて、弱っているトールを助けた上に酒盛り(というか愚痴り合い)の末に意気投合、「行き場がない」というトールに対し「うちくる?」と誘った結果、メイドとして押しかけてきたトールと同棲することになる。
(なお本人はこの時の記憶がはっきりしておらず、夢だと勘違いしていた)

基本的にズボラで積極的に人と関わろうともしないが、
実際は非常に面倒見が良く、また相手の気持ちを的確に察して助言を与えるなど、年長者らしい一面がある。
そのため会社内でも周りから非常に信頼されており、トールやカンナ、イルルといったドラゴンたちからも強く慕われている。
この辺は25歳にしてトールたちの分の生活費をも(残業が多い職場環境とはいえ)しれっと稼いでいることからもうかがえる。
唯一の欠点として酒癖が非常に悪く、酔うと暴走特急と化しトールですらドン引きする。


同棲しているトールやカンナには日々振り回されながらも大切に想っており、「今一緒にいることを大事にしたい」とまで思うようになっている。
トールやカンナが身勝手な事情で元の世界に連れ戻されそうになった時には、強力なドラゴン相手に物怖じせずに啖呵を切る場面も。

重度のメイドオタク。
トールがメイドになったのも、初対面時に「じゃあメイドやって!」と熱いメイド談義をしたため。


トール
CV:桑原由気

私のしっぽ焼きです

メインヒロイン。
異世界からやってきたドラゴンであるが、弱り死にかけていたところを偶然小林さんに救われ、
恩を返すために小林さんのもとに押しかけメイドとして働くようになる。
人間形態は金髪ツインテールのメイド姿。角はいつでも残っているがしっぽはTPOに応じて隠している。

恩人である小林さんのことが大好きで、異種間・同性という壁をものともせずに求愛し続けている。
小林さんにアレが生えたときには大歓喜してすぐに性行為に及ぼうとした。

当初こそ人間界の常識がわからずに丸ごと部屋の掃除(物理)をする(即座に魔法で元に戻した)・洗濯物を舐める(一応よだれで汚れを分解できるらしい)・ドラゴン形態で空き巣を追い払う・雨雲を晴らすために空にビームを放つ
といった奇行もあったものの、馴染んできてからは持ち前のコミュ力と明るい性格を生かして近隣住人とも良好な関係を築き、ズボラな小林さんを叱ったり、カンナやイルルを人間界のマナーに則って説教したりと、作中屈指の常識人(ドラゴンだが)となる、ボケ兼ツッコミ役
もはやメイドどころか小林さんの嫁またはオカンといっても過言ではない。

家事もそつなくこなすハイスペックメイド……だが、
小林さんへの愛が暴走するあまりに自身のしっぽを食事に混ぜて提供(たまに丸ごとステーキに)したりプレゼントのチョコに媚薬(マンドラゴラ)を混入させたり
小林さんの衣類をクンカクンカしたりする等の奇行に走ることも…

元の世界では、人間と敵対する混沌勢筆頭の終焉帝ダモクレスの娘であり、
調和勢との戦争における中核メンバーでもあった。
その強さも折り紙付きで、作中ではルコアやファフニールといった一部のチートキャラ以外にはほぼ無双状態。
エルマとはほぼ実力伯仲の模様。

かつて、父から「混沌勢としての偏見を持たぬように」と自由な行動を許可され、旅をしていたことがある。
その旅の中でカンナ、ルコア、ファフニールと出会い、エルマとは一時行動をともにし、
さらに盗賊の少女との交流等を経たことで、「枠組みに嵌められ自由がない自分自身」に疑問を持つようになる。
戦争を終結させ「自由」を勝ち取るため、争いの元凶である神々に単身戦いを挑んだものの、返り討ちにあってしまう。
小林さんと出会ったのはその直後であり、背中に刺さっていた剣はその時に神々から受けた聖剣。

自称Dカップ(ドラゴンだけに)だが、他に常軌を逸した巨乳ドラゴンが多いためあまり目立たない。

名前の由来は北欧神話の雷神…ではなくて人間界の作家らしい。
メタ的にはJ・R・R・トールキンかと思われるが、後に真ヶ土専務の本名であることが明かされた。



わかれろー かえせーー

幼ドラゴン。通称カンナ。
元の世界であるイタズラの結果追放され、一緒に元の世界に帰るためにトールのいる小林家を訪ねてくる。
人間形態はアイヌ民族のような衣装をまとった幼女。

当初こそ小林さんを敵視していたものの、頭を撫でられ「一緒にいよう、そんだけ」の言葉で陥落。
もともと親の愛に飢えていたこともあり、小林さんを実の親のように慕うようになる。小林さんちの居候第2号。

あまり感情を表に出すことはなく、最低限の単語だけでしゃべることが多いが
中身は年相応に好奇心旺盛でイタズラ好き、甘えん坊な性格。
ワガママを言うこともあるが、小林さんが困っている時は察して身を引く、よく出来た良い娘。ツッコミ役
(結局はその姿を見て小林さんのほうが折れるのだが)

トールが魔法で捏造した戸籍にて小学校に通うようになる。*1
可愛らしい容姿とハイスペックぶりから一躍クラスの人気者になり、
もはや手遅れなレベルのクレイジーサイコレズ信者まで生み出してしまった。

そのクラスメイトの才川は一番の親友であり、あちらからは危険な目を向けられているが基本的に仲は良い。
(というか、わざと思わせぶりなことをして才川の反応を楽しんでいるように見えることもある)
元の世界に戻された際には、帰る場所として小林さんより先に才川の名前を出したこともあるほど。

アイヌ神話の雷神を意味する名前の通り、雷を操る能力持ち。
エネルギー補給は尻尾をプラグ状に変形し、家庭用100Vコンセントから行う。
小林さんちの電気代が心配である。

父親は混沌勢に所属する強力なドラゴン・山獣神キムンカムイ。
ドラゴンには親子の情愛というものがあまり理解されていないため、構ってもらえずに寂しい思いをしていた。
原作8巻においては、1巻分丸々使用しカンナを中心とした異世界の大騒動が描かれる。

名前の由来は、アイヌ神話における雷の竜神、カンナカムイ。


エルマ
CV:高田憂希

何これ おいしい… ほっぺたおちる幸せぇ…!!

トールの属する混沌勢と対立する調和勢に所属するドラゴン。
人間形態は黒髪セミショートの成人女性。額からグネグネした一本角が生えているが、隠すこともできる。しっぽも普段は隠しているがトールのように出てくることも。
自他共に認める食いしん坊で、調和勢に所属しているのも本人曰く「人間は美味しい物を作ってくれるから」。

「人間に干渉してはいけない」というドラゴンの掟を破ったトールを連れ戻すためにやって来た。
トールに戦いを挑むもいなされたりどこかに放置されたりした挙句、クリームパンを施されて懐柔される。
以降も小林さんに餌付け面倒を見てもらった結果、人間界の食べ物(特にスイーツ系)に完全にハマってしまった模様。

人間界の調査のために「上井(じょうい) エルマ」を名乗り、OLとして小林さんと同じ職場に就職してくる。
当初はPCもろくに扱えなかった*2が、小林さんの教育と自己研鑽の結果、驚異的な成長を見せ職場の重要な戦力になる。
人間と同居はせず、如何なる経緯か賃貸物件で一人暮らしをしている。

非常に生真面目かつ行動派で、「この会社って労基違反じゃね?」と気づいてからは
企業の体質改善のために精力的に奔走し、結果的に人員増強を社長に承認させた。
(本当の目的は、早く帰って駅前の限定スイーツに並ぶことだったが)ツッコミっぽいボケ役


かつて人間たちに餌付けされて「聖海の巫女」と呼ばれ崇められていたことがある。
トールとはその頃からの旧知の仲であり、人間に対する価値観の違いから対立し袂を分かった経緯がある。
人間界に住まうようになってからもトールとのわだかまりはイマイチ解消しないままだったが、
運動(という名の戦闘)の末に「昔みたいに私と仲良くしろぉ!!」とついに本音をぶつけ、トールもそれを受け入れ和解した。
まあ要するにツンデレだったわけだが、トールの「私には小林さんがいますから!!」という言葉に対し寂しそうに笑う等、
トールに対しては友情以上の感情を抱いているフシがある。

生まれた時から「枠組みに嵌まること」こそが自身の責任だと信じ込み、調和勢として与えられた役割を最重要視していたが、
人間から供えられたパンが美味しかったことで人間への価値観が変化し、自由に振る舞うトールと出会ったことで信念も揺らぎ始める。
神和派と屠竜派の政略結婚に巻き込まれることになった際にも当初こそ自身を納得させていたが、
土壇場でトールの作ってくれた弁当のこと、そしてトールのことを思い出し結婚を拒絶。
結婚式に乱入したトールに対し、ついに自らの想いを打ち明けることになる。

結婚騒動が収まってからも相変わらずトールとは顔を合わせては張り合うような関係だが、
お互いの胸の内を明かしたためか、傍から見るとイチャイチャしているようにしか見えない。(小林さん曰く「おなかいっぱい」)

名前の由来は、ドラゴンの登場する児童文学『エルマーの冒険』から。


ケツァルコアトル
CV:髙橋ミナミ

ほら悪魔じゃないよー もっとよく見て

傍観勢に所属するドラゴン。通称ルコア。
トールからはエヘカトル(あだ名)と呼ばれることもある(アニメでは「ルコアさん」呼びに統一されている)。
人間形態はライトグリーンのロングヘアでオッドアイの成人女性。そしてありえないほどの巨乳。
この容姿で露出の多い服を好んで着用するため、公共の場ではしばしば警備員等に締め出されている。水着でもやらかした。
一人称は「僕」

異空間を移動中に偶然翔太の行っていた悪魔召喚の儀式に気づき、自ら召喚された。
(翔太の実力では到底扱えない悪魔が召喚されそうだったため、召喚されてあげた)
その際に使い魔だと誤認され、翔太に従属することになる。

翔太に対しては緊張をほぐそうと一緒に寝ようとしたり一緒に風呂に入ろうとしたりするが、
その破廉恥ボディもあいまってサキュバス扱いされ逃げられている。
翔太くんそこ代われの性癖が歪んでしまわないか心配である。ボケ役

ドラゴンの派閥では傍観勢に所属しているが、それが許されるほどの絶対的な強さを持っている。
正確にはドラゴンではなく元神(名前で分かる通りのやらかし*3で神の座から落ちた)であり、真の姿は他のドラゴンと比べても圧倒的な巨体。
実際トールでも全く歯が立たないという、作中最強候補のキャラ。

本来傍観勢は「いかなる戦いにも干渉しない」ことで存続している勢力だが、
ルコア自身はその立場に思うところがあるようで、表向きは不干渉を装いつつもこっそりトールに肩入れしたこともある。

名前の由来は、アステカ神話における太陽の蛇神、ケツァルコアトル。


ファフニール
CV:小野大輔

何も言うな殺すぞ

主要なドラゴンたちでは現状唯一のオスで、古の時代から洞窟の奥で宝を守っている呪いの竜。要するに引きこもり。
人間形態は黒髪ロングでメガネのイケメン。

当初は人間を信用しておらず、トールにも「人間に寄りすぎている」等と忠告している立場だったが
クリスマスパーティー(アニメ版では小林家の引越し祝い)にてTVゲームにドハマリしてしまった結果、人間界で暮らすようになる。
その際は「大山 猛(おおやま たけし)」(命名はトール)という偽名を名乗っている。ただし少なくとも才川姉妹には本名のままで通しているため、劇中だと専らゲームのプレイヤーネーム扱い。

重度のオタクである滝谷の家に居候した結果ネトゲ廃人と化し、
更にコミケにサークル参加する(『呪いアンソロ』なる呪い全集を出したが結果は惨敗)等、結果的に他の誰よりも「人間に寄りすぎている」ドラゴンになってしまった。ボケ役
ドラゴンなので長時間の睡眠はとらず、たまに仮眠をとる程度。

滝谷からは「ファフ君」という愛称で呼ばれているが、本来愛称呼びを許可することは「主従契約を許可する」という意味合い。
ファフニール自身は「ごっこ遊びに乗ってみただけ」と嘯くが、滝谷のことは信頼している模様。

戦闘シーンは非常に少ないものの、その実力は極めて高いとされている。(さすがにルコアには及ばないと思われるが)
調和勢の実力者である白竜公ルミネースを人間体のまま足蹴にしてる1コマも。

名前の由来は、北欧・ゲルマン神話における宝守りの竜、ファフニール。


イルル
CV:嶺内ともみ*4

もっと遊んでいたかったんだ!!

トールにつられてやって来た、破壊を好む混沌勢最過激派のドラゴン。
人間形態はカンナより少し大きいくらいの背丈の少女。ただしおっぱいだけは規格外の大きさ。
(しかも常にノーブラで乳首に絆創膏を貼っているだけ。実は火炎袋の役割を担っているらしい)

幼少期は人間の子供たちと遊ぶことも多く、人間のことを好いていたのだが
故郷の竜の里が人間によって襲撃され、その際に両親を失ってしまい
さらには混沌勢のドラゴンたちによって人間への敵意を植え付けられた結果、
破壊を好む凶暴な性格になってしまった。

小林さんがエルマを動かしてトールを助けた姿を見たことで、
自身が今まで否定され続けてきた「ドラゴンと人間の良好な関係」を見せつけられることになり
以降はその関係を否定しぶち壊すために小林さんにアレを生やしたり暗躍することになるが、
その最中にイルルを追ってきた調和勢過激派のドラゴンに襲撃されてしまう。
その際に自身を助けた小林さんに対し「もっと遊んでいたかった」とついに本音を晒し、
小林さんに「一緒に遊ぼっか」と抱きしめられたことで陥落。以降は小林さんちの居候第3号になる。

トールと同い年らしいが、上記の経緯もあるためか性格はかなり子供っぽく、カンナや才川と一緒に遊んでいることも多い。
当初見せていた凶暴な言動は完全に無くなるが、こちらが本来の彼女の性格なのだろう。ボケ役

しばらくは小林さんちでグータラしていたが、トールに咎められて職を探した結果、
子供好きということもあり、跡継ぎのいない駄菓子屋でバイトを始めることになる。
駄菓子屋では子供たちに大人気で、本人も仕事が気に入っているらしく
ある事情で休まざるを得ない状況になったときも「バイトには行かないと」と強い執着を見せていた。
駄菓子屋の孫であるタケには明確な恋心を抱いており、積極的にアプローチを仕掛けている。

口から炎酸を吐く能力持ち。初登場時にトールと戦闘するが、ほとんどダメージを与えられずに完敗。
日々のエネルギー補給はコンロの火を食っている模様。小林さんちの光熱費が…

名前の由来は、ヒッタイト神話における海の竜神、イルルヤンカシュ。


滝谷 真(たきや まこと)
CV:中村悠一

君は小林さんが大好きなんだね

小林さんの同僚。
(初登場時は同期と言っていたがいつの間にか小林さんの1年後に入社したことになっていた。どういうことなの…)*5


小林さんとは同僚兼飲み仲間兼メイドマニア仲間として親しい関係にあるが、
男友達みたいなもんだと思っているので男女関係に発展する気配は皆無に見える。(ただしトールからはライバルとして警戒されている)

職場で見せている爽やかなイケメンは表の顔であり、
私生活では瓶底メガネを掛けた上になぜか出っ歯になり語尾に「ヤンス」をつけて喋る重度のオタク。

紛れもない一般人なのだが、ドラゴン形態を見せたトールに一瞬驚くも落ち着いた対応を見せたり
ファフニールが同居することを即時OKしたりと、適応能力は高く懐も深い。
ドラゴンに対しても分け隔てなく一友人として接することが出来、
人間嫌いのファフニールが人間に強い興味を抱くきっかけになった。


才川 リコ(さいかわ りこ)
CV:加藤英美里

正直結婚したい

カンナのクラスメイトの女子小学生。なぜかよくデコが光っている。(特にアニメでは終始光っている)
女王気取りでクラスメイトからの人望はゼロ。
転校初日から目立っていたカンナに突っかかるが、カンナの嘘泣きによりあえなく陥落。
以降はカンナの一番の親友となる(というかクレイジーサイコレズの領域に差し掛かっている)。

基本的にはドラゴンや魔法といったファンタジー要素とは無関係のキャラで
よく一緒に遊んでいるカンナやイルルの正体にも特に気づいていない様子だが、
カンナから別れを告げられた際には発狂しながら追いすがり、
戻ってくる約束をさせる、という重要な役割を果たすこともある。

アニメでは特に過剰演出による変顔描写が多い。
その際に必ず「ぼへえええええ」と鳴くため、「ボヘ顔」という言葉まで生まれた。


ジョージー
CV:後藤邑子

メイドについて語りあってみたかったんです

才川の姉で本名は「才川 苗(さいかわ さなえ)」だが、
大のメイドマニアで自身もメイドに扮し「ジョージー」を名乗りメイドになりきっており、その際は妹のことを「お嬢様」と呼ぶ*6
同じメイドマニアの小林さんとは初対面で意気投合し、熱いメイド談義を交わしていた。

街中で偶然出会ったアーザードを「執事服が似合いそう」という理由で尾行した結果親しくなり、
後にアーザードが設立した「浅戸探偵事務所」の助手のポジションに収まる。

メイド服の種類もトールは日本でのイメージのフレンチメイド(ただしトールはミニスカートではない)とピナフォア(エプロンドレス)が混同されたタイプに対し、ジョージーはイギリスのヴィクトリアンスタイルである。


真ヶ土 翔太(まがつち しょうた)
CV:石原夏織

やっぱり悪魔のサキュバスじゃないか!!

魔法使いの家系の少年。
中性的な容姿が特徴的で、アニメでは女装も披露した(させられた)。
一人前と認めてもらいたいがために行った悪魔召喚の儀式にて、結果的に召喚されたルコアと同棲生活を送っている。

破廉恥ボディで風呂やベッドでスキンシップを迫ってくるルコアから逃げ続けているが、
決して嫌っているわけではなく、ルコアと対等な立場になって認めてもらいたいと思っている。
イギリスで開催された魔法使いの昇格試験において漢を見せ、ルコアからも「マスター」と呼ばれるようになる。

名前からしてもそのまんまだが、ルコアとの関係は典型的なおねショタである。


ダモクレス
CV:菅生隆之
「終焉帝」の名を持つトールの父親で、混沌勢筆頭。人間形態は立派なヒゲを蓄えた老人の姿。

「人間に干渉してはいけない」というドラゴンの掟を破ったトールを連れ戻しに来るが
正面から啖呵を切った小林さんとそれを庇い鬼の形相を見せたトールに気圧され、撤退する。
(原作では割とあっさり撤退するが、アニメでは大幅にエピソードが肉付けされ真の姿でトールと親子喧嘩を繰り広げる場面も)

初登場時はおっかない爺さんだったが、実はただの親バカなパパだったことが後に判明。
柔軟な思考も持ち合わせており、「人間は滅ぼすべし」という混沌勢の風潮に疑問を感じつつも
自身は立場上それに従うしかなかったが、トールに対しては偏見を持たぬようにあえて自由な行動を許可していた。

名前の由来は、『ダモクレスの剣』の逸話で有名な古代ギリシャの王、ダモクレス。


キムンカムイ
「山獣神」の名を持つ熊のような姿をしたドラゴンで、カンナの父親。人間形態も熊のような大男。

酒好きであり、路上で酒盛りしていたところで遭遇したのが小林さんとのファーストコンタクト。
親子の情愛を理解せずに「戦いに必要だから」という理由でカンナを連れ戻しに来るが、
その態度を小林さんやトールにキレられて一時は身を引いた。

戦いの中アーザードの龍玉の力で体を操られるも、小林さんの放った人生一度きりの龍玉により一撃で敗北。
その後カンナが小林さんとともに人間界へ帰ろうとする際、無意識のうちに引き留めようと体が動いたことから親子の情愛に気づき、カンナと和解する。
自分のもとに残ろうとしたカンナに対し「今しか一緒にいられないヤツと過ごせ」と小林さんちに送り返した。
作中屈指の涙腺崩壊シーンである。

その後も娘たちのことは彼なりに気にかけており、小林さんとは酒呑み仲間として意気投合するように。

名前の由来は、アイヌ神話におけるヒグマの神、キムンカムイ。竜ですら無い


テルネ
エルマの祖母お姉ちゃんにあたるドラゴン。調和勢のナンバー2とされている。
人間形態はエルマに似ているが、更に幼い容姿。のじゃロリ(見た目だけは)。
可愛いもの好きで、自身も若作りして年寄り扱いされるのを嫌う。

ドラゴンの掟を破って人間界で暮らしているエルマの様子を見に来るが、
他のドラゴンと比べると寛容で「目立たぬように振る舞っていれば良い」というスタンス。
しかし小林さんに命の危機を感じさせるほどの威圧感を見せたり、
キムンカムイに「テルネのババアに気を付けろ」と言わしめたりなど、
まだ本性を隠しているようだが…?

かつて自らの子供たちを戦争で喪って以来、悲劇を繰り返さないために派閥の拡大・維持のための政略を張り巡らせるようになっていた。
エルマに持ちかけた屠竜派との政略結婚もその一環であるが、家族に不便を強いることに対しては罪悪感を感じており、
小林さんやトールによって結婚式をぶち壊された際には素直に自身の誤りを認め、むしろ心地良さすら感じていた。
キムンカムイ編において「ドラゴンは家族意識が希薄」とされていたが、
テルネは基本的な行動理念が全て「家族のため」であり、ドラゴンの中ではイレギュラーな存在だと思われる。
(キムンカムイが危惧していたのも、テルネのこの価値観のことだと思われる)

調和勢ナンバー2とされるだけあり、戦闘能力は作中最強クラス。
視界に入る全てを遠近無視して触れることが出来るというトンデモ能力持ち。


アーザード
人間の魔法使い。キムンカムイの側近として初登場。
その実態は、強い復讐心を持ってドラゴンを滅ぼすことだけを目的とする男であり
混沌勢キムンカムイと、調和勢ルミネース両陣営に顔を見せ対立を煽っていた。

小林さんとカンナの一計により策謀が全ドラゴンに露呈することになり、
龍玉の力でキムンカムイを操り暴れ始めるも敗北し、魔力もトールに全て奪われてしまう。

その後の沙汰はキムンカムイに任せられるも、殺しても復活する呪いがかけられていたらしく手に負えなかったため
兄弟子でもある真ヶ土専務に預けられ、「浅戸 建(あさど けん)」という偽名を名乗り守護者(表向きは探偵)となる。
その活動の中で、不良に絡まれていたジョージーを助けたことで、慕われるようになる。
(「執事服が似合いそう」と興味を持たれていたのも理由の一つ)

ドラゴンの手によって妹を喪ったことが示唆されており、ドラゴンに対する強い憎しみもその辺りにルーツがある模様。
一方でドラゴンが絡まなければお人好しな面もあり、ジョージーについて「利用してやる」と言いつつも
「女の子一人にやらせるなんてカッコ悪い」と言いながら手伝ったり、しっかり給料も出そうとしたりしている。


真ヶ土(まがつち)
CV:家中宏
翔太の父親にして、小林さんが務める会社の専務。下の名前は不明。

その正体は強力な魔法使いであり、朧塚一帯の守護者。
会社で扱っているプログラミング言語も魔法式の発展型である。

トールの父・終焉帝ダモクレスやカンナの父・山獣神キムンカムイともコネを持っていたりと、底の知れない怪人物である。


会田 タケト(あいだ たけと)
CV:下野紘
駄菓子屋のおばあちゃんの孫の男子高校生。通称タケ。
駄菓子屋でバイトを始めたイルルといい感じの関係になる。


辰沢(たつざわ)
小林さんの勤める会社に、エルマの少し後に中途で入った女性社員。
小林さん、滝谷、エルマと同じチームで仕事をしていることが多い。
地味ながら非常に優秀な仕事ぶりを見せていたが…



神剣
トールの背中に刺さっていた神剣が、小林さんの魂に入り込んで自我を持ったもの。
小林さんの夢の中では中性的な子供の容姿を取っている。(性別は観測する度に変化するらしい)
小林さんのことを「ママ」と呼び慕っており、魂の中で眠りつつも度々目覚めては小林さんに語りかけている。
元々は「どんな竜でも刺し貫くこと」を目的に神によって作られたものだが、
小林さんの影響を強く受けているためか、今はただ「よりよい物語になること」を願っている。


クレメネ
CV:杉田智和
調和勢の過激派である「屠竜派」に所属するドラゴン。
人間界へ入り込んだイルルを始末するために襲撃を仕掛けるが、
イルルをかばった小林さんを傷つけたことでトールの怒りを買い、記憶を奪われた挙げ句に元の世界に強制送還された。

後にテルネの従者として再登場するも、イルルにボコられた挙句(クレメネ本人は記憶を奪われているためなぜ恨まれてるか理解していない)、
調和勢の真意を探るための盗聴器を仕掛けられてしまう、という散々な扱いを受けた。


ジダ
調和勢の過激派「屠竜派」のリーダーである三つ首のドラゴン。
それぞれの首が別々の人格を持ち、人間形態においては多数決で表に出る人格が決まる。
主人格である女性、そこから生み出された落ち着いた男性と凶暴な男性(ジー)の三人格で構成されている。
エルマとの政略結婚を利用し、神和派を乗っ取り調和勢の支配を目論む。


笹木部(ささきべ)さん・谷菜(やな)さん・曽根(そね)さん
それぞれ小林家(アニメでは引っ越し後)の右隣・左隣・おむかい(アニメでは上の階)の住人。
料理(調理方法不明)・音楽(デスメタル)・彫刻(ドリル使用)の騒音で二日酔いの小林さんを苦しめた。


課長(アニメでは所長
CV:高橋伸也*7
小林さんの上司。本名は不明。
男尊女卑思考の持ち主で、小林さんに対してたびたび罵声を浴びせるというパワハラ行為を行っていた。
そんな有様なので社員からの人望は全く無いと言っていいほど低く、さらには姿を消してこっそり職場見学に来たトールがパワハラを目の当たりにしたことで、何度も転ばされるイタズラをされる。
小林さんに罵声を録音されており、それを社長に送りつけられたことでパワハラがバレて、クビになった。


【用語解説】

ドラゴン
異世界に住まう生物。
どう見ても熊の姿をしているキムンカムイもドラゴンとされているあたり、種類の幅は結構広い模様。
空を飛べる・ブレスを吐ける・認識阻害や空間移動といった魔法を扱える
等と人間に比べて遥かにハイスペックな種族であり、寿命も人間より遥かに長い。
ただし、正面から戦うことを好み、策謀を張り巡らせるといった概念がないためか、
非常に騙されやすく人の言うことを信じやすい。(このため「ちょろゴン」と言われることがある)

世界を管理しようとする神とは対立しているが、長い戦争の中でドラゴンの中にも神に迎合する者たちが現れ始め、
現在は「混沌勢」「調和勢」「傍観勢」と派閥が分かれてしまい事実上の内戦状態となってしまっている。
共通認識として「人間界に干渉してはいけない」とされている。

劇中に登場するドラゴンは以上の通りだが、劇中人物の言及や示唆として、
  • フランス伝承における悪竜、エレンスゲ(卵で頭を殴られて死んだ
  • 日本神話における八つ首の大蛇、ヤマタノオロチ(女と酒を利用されて死んだ)
  • 北欧神話における毒竜、ニーズヘッグ(世界樹の根っこを噛み続けている)
  • アステカ神話における豊穣の蛇神、ケツァルペトラトル(ルコアの妹)

……が登場している。

混沌勢
ドラゴンの三勢力の一つで、終焉帝ダモクレス、トール、山獣神キムンカムイ、イルルらが所属している。
世界を管理しようとする神々を倒し自由を手に入れることを目的とする勢力。
元々は全てのドラゴンがこの思想だったが、長い戦争の中で神々に寝返った「調和勢」や戦いを放棄した「傍観勢」が離反し
未だこの思想を持っている者は「世界を混沌に陥れようとする者」のレッテルを貼られ「混沌勢」と呼ばれるようになってしまった。
調和勢が人間と結託するようになったため、人間に対しても敵意を持っている者が多い模様。

調和勢
ドラゴンの三勢力の一つで、テルネ、エルマ、白竜公ルミネースらが所属している。
神々に迎合し、神の管理の方向性を人に伝え、人の陳情を神に伝える勢力。
一見平和の使者のように見えるが、その代償として人柱を要求したり
「屠竜派」と呼ばれる混沌勢のドラゴンを殺すことだけを目的とする過激派がいたりと
危険な思想を持っているドラゴンも多い。
一枚岩ではなくいくつかの派閥があるようで、最大派閥はテルネ率いる「神和派」。

傍観勢
ドラゴンの三勢力の一つで、ルコアが所属している。
戦いを見限り、どこにも属さずに傍観を決め込んだ勢力。
目の前で争いが起こった場合にも一切関与せずにその場を立ち去り、何も守らない。
ある意味最も孤独な者たちであり、ルコアもそのスタンスに悩むことがある模様。

守護者
人間界に入り込んだ異世界の者たちの情報を管理する役職で、大抵は魔法使いが担当する。
真ヶ土専務が該当するが、後に小林さんとアーザードも守護者に任命される。


【余談】

今日寝れるわー
アニメ1期2話において、ひったくりを仕留めたトールを称賛するガヤの中に紛れていた台詞。
この台詞だけ妙にはっきり聞こえることや、脈絡がないことから一部でネタとして話題になった。(中村悠一のアドリブであったことが後に判明)
原作にもネタが逆輸入され、第89話にて「オマエ今日寝れねぇわ!」という台詞も登場した。




追記・修正はドラゴンを養っている人、もしくはメイドの歴史に詳しい人がお願いします。

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最終更新:2024年04月18日 16:45

*1 実際は無戸籍でも小学校には行けるためか、アニメでは戸籍を作るくだりはカットされた。

*2 どうやって入社したのかは不明だが、後に明らかになった専務の正体を考えると何らかの作為が働いた可能性は高いと思われる

*3 元ネタのケツァルコアトル伝説を意訳するとテスカトリポ「人身供犠をやめさせやがって…許さねぇ」→陰謀でケツァコアトルが呪いの酒を飲む→テンション上がって妹を犯す→追放 ちなみにケツ「私は「こうこうこういう姿」でふたたび帰ってくるから待ってて」信者「わかりました」→「こうこうこういう姿」をした外来者「お!ここが新しい土地か!」信者「待ってました神様!」外来者「なんかよくわからんがわかった!」こうして外来者が侵略者へ→信者滅亡もした

*4 2022年12月31日に引退(廃業)したため、後任未定

*5 公式ガイドブックのメイドラ大全で小林さんより一つ年下と判明したので現在は一年後輩の設定で固まったと思われる。

*6 いつもジョージーと呼ばれていることから、自分の本名を忘れてしまっており、学校でクラスメイトに名前を呼ばれても気付かないことが多い

*7 本作のモブキャラも多数兼任している