名古屋市営地下鉄桜通線

登録日:2021/08/03 Tue 07:14:21
更新日:2023/03/31 Fri 21:56:31
所要時間:約 5 分で読めます




名古屋市営地下鉄桜通線とは、名古屋市中村区の太閤通駅から緑区の徳重駅までを結ぶ地下鉄路線で、正式名称は『名古屋市高速鉄道第6号線』。

概要

路線距離:20.4km
駅数:21
最高速度:時速75km
開通:1989年9月10日
ラインカラー:
路線記号:S

名古屋の地下鉄としては、東山線名城線鶴舞線に次ぐ4番目の路線。比較的新しい後発路線であるため、かなり地下深くを走る*1

名古屋〜栄(久屋大通)〜今池間で桜通線と並行する東山線は、日本の地下鉄路線でも屈指のドル箱路線ではあるが、(車両サイズが小さく、編成数も短いため)輸送量が小さく、常に混雑していた。その混雑を緩和するため、バイパスとしてこの桜通線が建設されることになったが、経営状況は残念ながら赤字ラインカラーとおそろいである。
ただし2019年度の乗車人員は20.5万人/日で、黒字路線の鶴舞線とほぼ同じである。また、2011年に後述する野並〜徳重間が開業して以降は同区間の沿線(特に徳重駅近辺)が目覚ましい発展を遂げていることから見てもわかるように、大都市を走る地下鉄としての意義は十二分に果たせてはいる。
それにもかかわらず今なお赤字に低迷しているのは、
  • バブル期に建設された路線で、地下深くを走るため建設コストが高騰し、減価償却がまだ済んでいないこと
  • 地下深くを走るため、乗り換えが敬遠されること(特に東山線との並行区間は、混むとはいえやはり東山線のほうが桜通線より利便性が高い)
が要因と言われている。

野並駅から徳重駅までは2011年に開通しており、名古屋市営地下鉄の路線の中では一番新しい。なお、これまで緑区には地下鉄が通っていなかったが、この開業により、地下鉄が通るようになった*2

ダイヤは平日は朝4分、昼7.5分、夜6分、休日は朝6~8分、昼以降は10分と鶴舞線とたいして変わらない。
通し運転が基本だが、たまに「桜山行き」というトラップがあるので注意。

1990年代に、西端の太閤通駅からは西(中村公園・稲葉地・七宝町方面)へ、東端の徳重駅からは東(豊明・刈谷ハイウェイオアシス・三河豊田方面)へ延伸される構想が浮上したが、バブル崩壊や少子高齢化、リーマンショックなどの影響で停滞してしまい、2021年時点でも進展は見られない。太閤通駅から東山線の中村公園駅までは一直線なんだからそこぐらいケチらなくても良かったのに…

車両

2形式ともワンマン運転対応のため、非常用貫通扉が向かって右側に配置されている。
現在は営業運転では使用されていないが、丸の内駅付近には鶴舞線との連絡線路があり、車両検査のある時はそこを通って日進にある車両基地に向かう。桜通線開業前には試験ついでに桜通線の車両が鶴舞線で営業運転を行っていたこともあった。逆にイベントのため鶴舞線の車両が桜通線に入線したこともあった。
そのため鶴舞線と車両規格を合わせており、検査時には同線を走行する光景を見ることができる。

  • 6000形
開業当初から使用されている車両。第1編成のみ車両番号のフォントが従来車と同じ旧式となっている。量産車からはゴシックへと変更された。

  • 6050形
徳重延伸用に2010年から登場した車両。基本デザインは6000形に準じているが、よりシャープでスマートなものとなっている。
第二編成以降はドア上にLCD式停車駅案内が設置されている。第一編成のみLED式となっている。

駅一覧

全駅が島式ホームになっている。

太閤通-名古屋-国際センター-丸の内-久屋大通-高岳-車道-今池-吹上-御器所-桜山-瑞穂区役所-瑞穂運動場西-新瑞橋-桜本町-鶴里-野並-鳴子北-相生山-神沢-徳重

駅ナンバリングは中村区役所をS01として、終点の徳重がS21となる。有効長は野並までは8両だが、鳴子北からは6両となっている。

また、開業時点からすでにバリアフリー設備がなされている。そのほか、野並までは壁画がある。(鳴子北からはケチったのか、壁画がない。)。

駅をちょっと紹介

太閤通:終点。旧駅名は「中村区役所」でもちろん最寄駅だったが、2023年1月4日に、中村区役所が東山線本陣駅付近に移転することに伴い「太閤通駅」へと改称された。

名古屋:ご存知カオス駅。独立項目があるので詳細はそちらへ。実は他社線に乗り換えられる唯一の駅。

国際センター:名前の通り名古屋国際センター最寄駅。でもお隣の名古屋駅と地下街で直結し合うからかあまり利用者は多くないらしい。仮称では泥江(ひじえ)駅だった。読めない。

丸の内:オフィス街の駅。ホームは地上から約24mの深さにあるので名古屋市営地下鉄では最も深い駅らしい。鶴舞線との乗り換えも遠くやや不便。

久屋大通:名前の通り久屋大通公園(テレビ塔がある)の最寄駅。地下街で東山線&名城線栄駅や栄町駅と繋がっている。周りはビジネス街なので名古屋市営地下鉄全体でも利用者は多い方。

高岳:「たかおか」と読む。乗換駅になる計画があったため、ホームがやたら広い。

車道:「くるまみち」と読む。東海中高生のお膝元。

今池:ちょうど桜通線の境目になる駅。開業当初の終点。

吹上:吹上ホール最寄駅。

御器所:「ごきそ」と読む。駅案内板に昭和区役所と書かれるように区役所最寄駅。

桜山:駅案内板に市立大学病院と書かれるように同病院最寄駅。それ以外にも名古屋市博物館や名古屋市立大学が近くにある。そのおかげか、桜通線の乗り換え路線のない駅の中では利用者トップだそうな。

瑞穂区役所:見ての通り瑞穂区役所最寄駅。同駅~桜山周辺は名古屋市内の文教地区になる。

瑞穂運動場西:名前通り瑞穂運動場へのアクセス駅の1つ(名城線の瑞穂運動場東駅の方が近いらしいが)。元々は瑞穂運動場駅だったが、瑞穂運動場東駅の開業に合わせて改称した。

新瑞橋:「あらたまばし」と読む。近くの山崎川は桜の名所として有名。と同時に瑞穂運動場へのアクセス駅の1つでもある。

桜本町:「桜町」である。「桜町」ではない。名鉄名古屋本線の桜駅が近いが、普通しか停まらないため乗り換える人は少ない。かつてはここから笠寺方面への延伸計画があり、そのためのスペースが確保されているらしい。

鶴里:桜通線の中で最も利用者の少ない駅で、名古屋市営地下鉄の全体でも下から3番目であるらしい。

野並:延伸前の終点。

鳴子北:住宅地しかない。

相生山:開業時から駅管理を運送会社の日本通運に委託している。前後の鳴子北・神沢も同様。

神沢:上の鶴里駅についで利用者の少ない駅。

徳重:延伸後の終点。なお名鉄犬山線に同名の駅があったが、こちらの徳重駅が生まれたために「徳重・名古屋芸大」に改名している。

乗り換えが可能な駅

市営地下鉄の幹線3つとの乗換駅がそれぞれ2駅ずつ設置されている。

名古屋 -地下鉄東山線
    ‐JR東海道線中央本線関西本線
    ‐名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅)
    ‐近鉄名古屋線(近鉄名古屋駅)
    ‐東海道新幹線
    ‐あおなみ線
丸の内 ‐地下鉄鶴舞線
久屋大通‐地下鉄名城線
今  池-地下鉄東山線
御器所 ‐地下鉄鶴舞線
新瑞橋 ‐地下鉄名城線

この他、案内はないが

  • 桜本町駅⇔桜駅(名鉄名古屋本線)
  • 新瑞橋駅⇔呼続駅(名鉄名古屋本線)
  • 車道駅⇔千種駅(地下鉄東山線・JR中央本線)
  • 久屋大通駅⇔栄町駅(名鉄瀬戸線)

でも乗り換えができる。

追記・修正は、路線の莫大な建設費を償却してからお願いします。

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最終更新:2023年03月31日 21:56

*1 名古屋〜御器所間では先に開業した3線と交差するが、それらすべての駅で桜通線が下を通る。

*2 これにより、名古屋市の中で地下鉄が通っていない区は守山区だけになった。