口裂け女

登録日:2014/07/10 Thu 20:00:00
更新日:2024/02/03 Sat 23:50:37
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口裂け女とは都市伝説上の人物、又は妖怪である。

概要


外見は口元が完全に隠れるほど大きなマスクをした若い女性であり、遭遇した子供に「私、綺麗?」と問いかける。
子供が「綺麗」と答えると、マスクを外して耳まで裂けた口を見せて「これでも?」と再度訊ねかけ、もう一度「綺麗」と答えると女と同じように口を裂かれてしまう。*1
かといって、女の問いかけに「綺麗じゃない」と答えたり、逃げ出すと殺されてしまうとされ、基本的に遭遇してしまった時点でほぼ死を避けられない。
上記が『口裂け女』の基本的な特徴だが、噂によって赤いコートに白いパンタロン、三のつく地名に出没、赤いスポーツカーに乗っている、などの特徴が加えられていたりする。

■歴史


『口裂け女』のルーツに関しては様々なものがあり、平安時代の武士に浮気がバレて口を裂かれた妻の怨霊だとか、
江戸時代の『吉原の怪女(絵本小夜時雨)』や『狐鬼女に化し話(怪談老の杖)』にある若い女の後ろ姿に声を掛けたら振り返ったのは口裂け女だったとか、
(前者は化け猫、後者は化け狐が正体ではないかと語られている)
明治時代、恋人の所に通う際に暗い山道で襲われないよう、丑の刻参りの格好に人参を咥えて走っていた女性を口裂け女と見間違えたとか、
実に多彩なバリエーションがあるが、都市伝説の発祥は1970年代末の岐阜県とされる。

口伝えのため正確な発祥はわからないが、最初に記録が残っている新聞によれば1978年10月、「子供が怖がって塾に行きたがらないが、口裂け女が出るというのは本当か」という問い合わせが警察に殺到したという。
この時の噂の詳細は定かでないが、1978年12月初めの噂は「物陰に人がいるのに気づいてよく見ると口が裂けていた」というもので、初期は江戸時代と同じ「口裂け女に声をかける」話であったと思われる。
次に記録が残っている1979年1月には現在主流の「口裂け女から声をかけられる」話でマスクで口を隠すようにもなっているが、
同時に「中年の美人で目元は女優の山本陽子にそっくり」という特徴が付け加えられており、
この時期に彼女がマスクで顔を隠してマスコミに出ていたことの影響を指摘する声もある。

しかしこの時点ではまだ「私、綺麗?」とは聞かず肩を叩いて振り向くといきなり口を見せてくる話であり、
聞いてくるようになった理由は不明だが、1970年代初め、アメリカの都市伝説ブラッディ・マリーの変化*2の影響という説の他、
1972年に『週刊少年ジャンプ』で開始してから1985年まで移籍連載を繰り返し「学校図書館で読める唯一の漫画」として小学生に抜群の知名度を誇った『はだしのゲン』に登場する大原夏江の初登場シーンの影響との説もある。
案外、実際にマスクで外出して通りがかりの子供に自分の顔がおかしくないか尋ねる女性がいたのかもしれない。
2012年4月28日放送の「所さんの目がテン!」岐阜県特集では実験が行われ、1979年当時流行っていた赤い口紅をした女性がマスクをせずに挨拶した場合、その子供に後で描いてもらった似顔絵は普通だったが、
同じ口紅の女性がマスクをしてゆっくりと外しながら挨拶をした場合、子供が描いた似顔絵は普通のものと比べて口幅が強調されていた。
これはタウ効果なるもので、開陳に長い時間をかけるほど、隠されていたものが長く見えるためだという。
時は乱塾時代、違う学校同士の子供の間で噂する機会が増え、また塾に通う子供は、子供だけで夕方~夜中に行動することになり、頼りになる大人はいない上、
上述の通り、口裂け女は「遭遇したら最期」なのに「遭遇を回避する方法」はなく、逆に「実在を確かめる方法」もない。
そうした不安もあったために、拡散が非常に速くなったと思われる。

口裂け女の正体に関しては、噂が出始めた1979年頃は精神病院や座敷牢から脱走した精神異常者の女性とされ、
まるで口が裂けているかのように口元に大きく口紅を塗りたくって徘徊し、夜に会った人間を驚かせた話が元ネタだったというが、
1990年代には整形手術や医療ミスといった話が広まったことで、「美容整形に失敗し、理性を失った女性」が正体とされるようになった。

1979年6月の兵庫県では、酔った勢いで知人を脅かそうと口裂け女そのものの格好でうろついていた女性が、
包丁を持って歩いていたことで銃刀法違反容疑で逮捕されるなんて事件まで起きていた。
この通報で警察が出動したり、学校や家で警戒するよう通達されたりと、この時期は妖怪ではなく「実在するかもしれない不審者」として扱われていたらしい。
1979年夏休みになると流行は収まったという。

地獄先生ぬ~べ~』での解説ページでは、この時リアルな危険である校内暴力に話題が移ったためだという。
昭和サブカルチャー研究家の初見健一によれば、マスコミが取り上げたのは子供の間での流行より少し遅れていたという。
さらにこの時代、花粉症が急速に流行しており、この前の時代までは人前でマスクをするのは失礼と言う空気があり目立たなかったマスク姿が街中で見られ始めるようになったのが発祥ではないかといい、
口裂け女により未確認飛行物体(UFO)超能力など「遠い世界の見世物」だった70年代オカルトが終わり「日常への侵入者」である80年代オカルトの幕開けだった、と考察している。
また、ババサレ系現代妖怪の「カシマレイコ」が口裂け女の本名として混同されていたことも証言している。
カシマさんは北海道新潟県では「化神魔サマ」の名前で遅くとも1972年には流布していることが確認されている古株で、口裂け女自体のルーツである可能性にも触れているが、初見自身は口裂け女より後に聞いたと証言している。
1984年7月、『水木しげるの続・妖怪事典』に妖怪の一種として掲載され、この頃には「実在の不審者」ではなく「妖怪」と見なされるようになっていたと思われる。

■能力


地方によって細かい設定には差があり、「綺麗ではない」と答えたり逃げた子供を殺す方法については、鎌や包丁はさみが多いが、大きな口で喰らう、果ては鍋釜編み棒なんてことも。
足が非常に速く、子供では到底逃げきれないとされ、100mを3秒で走り、逃げきれたのは陸上部のみと言われることも。陸上部ってすごい、改めてそう思った
整形手術に失敗して発狂した女性という噂にしては人間離れした身体能力であり、
セガガガ』『サンダーフォースⅥ』で有名なゾルゲ市蔵、ゾルゲール哲こと岡野哲は、
「『毎日小学生新聞』の記事で、本文には口裂け女自身の脚の速さについての記述はなく僅か二か月で日本全国に広まる噂の怖さについて『100mを6~12秒で口裂け女が駆け巡った』とされていたが
口裂け女の挿絵に『100mを6~12秒で走る』と書かれており、噂の伝わる速さと本人の速さと混同したもの」
という説を唱えていたが、その後の調査によれば、遅くともその数か月前の週刊誌に「100mを12秒で走る」と既に記載されていたらしい。

■対処法


  • 「まあまあです」とか「私と同じくらいです」とか想定外の答えを言うと混乱して追ってこなくなる
  • 「ポマード」と三回言う
  • べっこう飴をあげるとおとなしくなる
  • 金平糖を怖がって逃げる
  • 豆腐を見せると逃げる
  • 掌に「犬」と書いて見せると逃げる
  • 肩を叩かれた側と逆に振り向くといなくなる

■創作における口裂け女


漫画

口裂け少女 さっちゃん

主役の作品。独自の設定が為されている。項目参照。

地獄先生ぬ~べ~

「整形手術の失敗で口が裂け、その時の外科医のつけていたポマードが苦手になった」と噂されていたが、動物霊に憑依され、悲観して自殺したために半妖怪と化してしまっていたのが真相*3
鵺野鳴介によって動物霊を除霊され本来の美しい顔に戻るが、成仏はできず、また化け物扱いされるなどすれば動物霊を引き寄せてしまう状態のまま彷徨っている。
なお立野広たちは本気で怒った時の動きで初めて人間ではないと気づいており、妖怪ではなく不審者の類として噂されていた様子。
真相を聞かされた後に謝ったとはいえ、まだ何もしていない女性のマスクをはぎ取ってポマードを投げつける広達も見ようによっては結構アレである。むしろ完全に通り魔であり、駆けつけたぬ~べ~から厳しい叱責を受けた。

後に三姉妹の三女 ほのみ だったことと、犬神憑きの一族であり、代々生贄にされていた犬の怨念によるものだったことが判明。
長女 ひろみ の話では気が弱くよくいじめられているらしく、
前回ラストではべっこう飴を貰うなど優しく扱われていたが、また憑依されたらしく口裂け女に戻っており、
マスク姿で彷徨っていただけでTV番組に呼ばれた僧侶によってマスクをはがされていた。
次女 あけみ は典型的な口裂け女ムーブをして鎌も持っており、ほのみを撮っていたカメラを壊している。
ひろみは生まれつき霊力が強かったために口を隠すことも可能で意識もはっきりしているが、
妹二人は意識の殆どない浮遊霊で、安息の場でもある自宅も取り壊されようとしていた。
自宅が「三〇市」にあるため「三」のつく地名に出没していた。
犬神の無数の怨念を払いきることはぬ~べ~にもできず、三姉妹の全財産で自宅をぬ~べ~名義で買い取ることで取り壊しの危機を免れた。
また、後に第224話~第235話「結成!!童森妖怪妖撃団編」において妖怪博士・百鬼久作が童森遺跡を解析した装置で巨大口裂け女を創っている。

学校怪談

一話完結作品だったころに登場。第一声でいきなり口を見せ、返答に関わらず口を裂く口裂女。
イソップ物語の『蛙と牛』的に山岸涼一の策にかかって口を大きく開きすぎ、 上顎から上を落としてしまい 引退を決意する。

絶叫学級

口裂け女(絶叫学級)参照。絶叫学級のエピソードが大体そうなのだが、この回は特に人間の身勝手な悪意をこれでもかと見せつけてくる

ふしぎ通信トイレの花子さん

マスクをしたお姉さん。マスクを取ると大きな口が開き、相手を威嚇する。
気が強い上、人間嫌いで時々キツいことを言ったりするが、実は子供達や人間の心を最も理解している。第二の口があり、何でも飲み込む能力を持つ。通称"アネゴ"。
典型的ツンデレ

レッツゴー怪奇組

直接登場はしないが怪奇組先代組長の奥方が兼任していた様々なお化けの一つ。娘である現組長も知らなかったが、口は例の問答に「キレイ」と答えられたときだけ裂けて普段は裂けていなかったという。
なお、娘も同じかもしれないが、普段の目つきが怖すぎてまず「キレイ」と言われないため 単に容姿のことを言われると暴力を振るう人 になってしまっている。
一応キレイと言われた場面ではいずれも口を隠しているので、裂けている可能性はあるが。

映像作品

バトルフィーバーJ

第29話に口裂け女をモチーフとした怪人「口裂け怪人」が登場する。
包丁のような武器を持ち、特殊な金属でできた歯で何でも噛み砕いてしまう。
豆腐が好物。

学校の怪談(ドラマ)

第6回「妖怪テケテケ」で本人は登場しないが、テケテケの正体考察中に同類ではないかと言われている。
それを受けてテケテケ対策に「ポマード」とか「べっこう飴」と三回言うとかいう案が採用されかけた。

学校の怪談(映画)

第1作に登場。最初の「私、綺麗?」の時点で言いながらマスクを外している。

学校の怪談(アニメ)

第3話『私キレイ?口裂け女』に登場。
口と鼻の穴の間の形成不全で裂けたようになった人は実在するため、配慮に欠けたとして問題になった。
封印作品#id_b3d727b6を参照。

妖怪すくらんぶる

天才てれびくん』内で1997年に放送されたドラマ。
最初に登場した敵妖怪はマスクをして「私、綺麗?」と聞いてくる女で、
主人公たちは口裂け女だと確信したが、「ポマードと三回言う」などの対処法は通用せず、
マスクを外した口は牙が生えており、木槌からの光線などで一度撃退されるが、
大蛇へと姿を変えて再登場し五芒星からの導きで再度倒されると理科室のヘビの標本の化身だったことが判明した。

その他

コピペ「物理ダメージ有効

山本:口裂け女の対処法が「ポマードって三回唱える」っていうのは漫画かなにかで知った。
それまで父親に教わった「体の真ん中、胸の下あたりを全力で殴れ」を信じてた
発祥不明なコピペ。実際に初期は「不審者」として噂されていたようなので、こういう家もあったのかも?
この脳筋対処法を信じそうなキャラや教えそうなキャラ、更に「ポマードって三回唱える」方法を教えそうなキャラに
様々な作品で置き換えて改変される。

コピペ「口裂け女の最後」

口裂け女の最後とは、口裂け女の都市伝説の後日談、そして最終回である。
某巨大掲示板発のコピペではあるもののその完成度は高く、またそのハッピーエンドぶりにニヨニヨした者も多い。
末永く爆発しろ。


【口裂け女の最後】

杖をついた男が赤いコートを着て白い大きなマスクを口につけた女性に出会った。
女は男に近づくと一言、こう尋ねた。
「私キレイ?」
少し考えた後、男は答えた。
「ええ、綺麗ですよ」
するとその女性は突然マスクに手をかけ、それを剥ぎ取りながらこう言った。

「これでも・・・キレイかー!!」

何と、その女性の口は耳まで裂けていたのだ。

しかし、男は少しだけ困った顔をしながらこういった。
私は目が見えないんですよ、なので"これでも"というのが何のことかはわかりません」
少し思案した後、女は男の手を取ると頬の裂けている部分をなぞらせた。
頬に触れた男の手が一瞬揺れ、自分の話している相手が口の裂けている女だと気づいた。
そして女は、もう一度先ほどの質問を繰り返した。
「これでも・・・口が裂けていてもキレイか!」
男の答えは変わらなかった。むしろ、よりはっきりと言い放った。

「あなたは、綺麗な人です」

そして、男は光を感じない目を女に向けるとこう続けた。
「私が光を失ってからずいぶん経ちます、そして多くの人に会ってきました。
今のように道で声をかけられたこともあります。
多くの人は私が盲目だと知ると声をかけたことを謝り、同情し、申し訳なさそうに去っていくのです。
しかし、あなたは私の意見を聞こうとしてくれる。口のことも触れさせることで教えてくれた。
私を特別視していないようですごく嬉しいことです。
私は外見のことはわからないので、そういった基準でしか判断できませんが、
あなたは少なくとも、私にとっては綺麗な人です。
失礼でなければ、あなたともっと話をしてみたいです」
と、とても嬉しそうに話す男。

女はポカーンとした後、急にボンッ!と音が出そうな勢いで赤面し、
「あ、ありがとう、きょきょきょ今日は時間がないから、これ、こここれで失礼します」
とだけ言うと走っていってしまった。
走りながら女は自分に言い聞かせる。
(心臓がすごくドキドキしているのは今走ってるから!)
頭に浮かぶ先ほどの男の嬉しそうな顔を振り払いながら赤面した女は走り続けた。

それから、杖を持った男と大きなマスクをした女性が、仲よさそうに話しながら歩いているのがたびたび目撃されたという。

――HAPPY END――


【備考】
この話の亜種として、盲目の少年に出会った口裂け女が自らの行為を恥じそのまま消えるという話もある。

超常的な存在が人間と結ばれるということで、いわゆるツンデ霊の先駆けといえるかもしれない。

登場当時はポマード連呼や鼈甲飴といった対抗神話が考案された口裂け女だが、それから時が経ち
寺生まれのTさんなどとは対極的なこのような形の対抗神話が生まれたことには時代の流れを感じさせる。
……というか日本人はなんでも萌えの対象にしすぎである。


余談


  • 韓国にも広まっているが、マスクの習慣が日本ほど盛んではないため「普通の人間だと思ったら」というパターンになりにくく、また創作作品を介して広まったためかアグレッシブで、
    返り血または避けた口から流れた血染めの赤マスクと呼ばれ、最近では高層階の部屋に窓の外から呼びかけてくる大女になったとか。
    • それ別の日本産妖怪と混ざってねえか、とは当の韓国でも言われているとか……
    • 他にも口が縦に裂けた男青マスクとライバルで互いの口を自分と同じ方向に裂いてやろうと付け狙っているとか、
      赤マスクに殺された元執刀医で誰彼構わず口を縫い合わせてくる白マスクとか、
      赤マスクとは特に関係なくどんなものでも黄ばむ口臭を浴びせてくる黄マスクとか変な関連キャラが増えているらしい。

  • 岐阜県で口裂け女が噂される半年ほど前にも、北海道と九州では1980年の『仮面ライダー(新)』でも題材にされた「耳食いお化け」なる不審者的な妖怪が噂されており、
    「鎌で子供を襲う」「足がとても速い」など部分的に共通点が見られたという。
    また同時期の広島県でも顔のただれた半分を前髪で隠し「私、綺麗?」と問いかけてくる「整形お化け」なるよく似た噂が流れたという(さらに前から存在していた「原爆少女」という噂の派生とも言われ、さらに前述の大原夏江まで遡れるとも)。
    この時期は全国の子供の間に同じような不安が広がっていたためであろうか。


追記・修正は口裂け女はフェラが上手そうとかいう下心抜きでお願いします。

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最終更新:2024年02月03日 23:50

*1 スコットランドのグラスゴーのギャングは口の端に切り傷を入れる「グラスゴースマイル」という拷問を行うことで知られているが、ダークナイト(映画)ジョーカー(バットマン)などの架空のキャラでもなければ耳まで裂く前に出血して死に至る可能性が高いと言われている

*2 古来、「真っ暗な家で蝋燭と鏡を手に持って歩くと鏡の中に将来の結婚相手の顔が映るが、結婚できないならば自分の死に顔が映る」という伝承だったが、1970年代初めに「暗い部屋の鏡の前で彼女の名前を繰り返し唱えると、事故により美しい顔を失い鏡に閉じこもった女性が現れ同じように顔を傷つけたり顔を見せないように目を狙ってくる」と変化した

*3 ぬ~べ~曰く「手術を失敗したからって口は裂けない」…確かに、口を切って広げる手術はなさそうである