仮面ライダー

登録日:2023/03/19 Sun 20:06:59
更新日:2024/02/25 Sun 21:56:31
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仮面ライダー・本郷猛/一文字隼人は改造人間である。


彼を改造したショッカーは世界制覇を企む悪の秘密結社である。


仮面ライダーは人間の自由のため、ショッカーと戦うのだ!


出典:仮面ライダー/石森プロ・東映/1971年4月3日~1973年2月10日放送



仮面ライダー』とは、1971年~1973年まで放送された特撮テレビドラマ。
石ノ森章太郎を原作者とする「仮面ライダーシリーズ」の第1作。


【概要】


主人公、本郷猛と一文字隼人が秘密結社ショッカーによって改造人間となり、悪の怪人と戦いを繰り広げる変身ヒーロー作品。
  • ベルトで変身する(改造)人間が悪の怪人と戦う
  • 仮面ライダーの能力は敵と同質
  • 乗り物はバイク
  • 必殺技ライダーキック
  • 改造人間(異形の存在)の苦しみ
  • 第1話の怪人は蜘蛛
……といった「仮面ライダーシリーズ」のお約束の数多くは本作で確立された。

敵対するショッカーの「怪人」はそれまでの怪盗や覆面犯罪者のような意味合いから一新し、怪奇路線を取り入れた異形と人間を合わせた新たな「怪人」枠として誕生。
人の面影を持ちながら様々な動植物と融合したような改造人間という設定は奇抜で、以後の特撮作品においても怪人は定着した。

当初仮面ライダーが2人体制になる予定はなかったが、バイクの運転や仮面ライダー1号のスーツアクターも行なっていた主演の藤岡弘、氏が撮影中の事故により長期入院を余儀なくされ、
第11話~第13話の間は本郷の登場をバンクなどで埋めながら新キャラクターの滝和也をメインに話を展開。
第14話から佐々木剛氏演じる一文字隼人/仮面ライダー2号を新たに主人公として登場させた。
藤岡氏の復帰後は本郷が主人公に戻り、一文字は度々再登場する形に変更。
時に2人でダブルライダーを組み、夢の新旧ライダーの共演は当時の子供達を更に興奮させた。

結果として大幅な路線変更を余儀なくされたが、一文字から導入された力強い変身ポーズや怪奇路線からの脱却は子供達の心を掴み、変身ベルトのヒットと共に社会現象と呼ばれる人気を獲得。
その後も新たな敵キャラとしてゾル大佐を始めとした大幹部の登場、サポート組織「少年仮面ライダー隊」の投入、敵組織の刷新など、人気に甘えずに新機軸が積極的に導入されていった。
シナリオ面でもマンネリ防止のために多数の脚本家が起用され、実に30人近くが脚本を執筆した

まだ東映にキャラクタービジネスのノウハウが確立されてなかったこともあり、演出面でも細かい変遷は頻繁に観られたが、
裏を返せば全てが手探りだったからこそ試せる手法は片っ端から取り入れ、革新的なヒーロー像を模索していた故のバラエティの豊かさもまた本作の魅力と言えるだろう。
そうして蓄積されてた経験値は東映特撮の礎となり、後にスーパー戦隊シリーズメタルヒーローシリーズ、その他いくつもの特撮ヒーローを誕生させる契機となった。

現在では主演の藤岡弘、氏と佐々木剛氏の代名詞とも言える作品となり、放送から数十年経過した後も仮面ライダーやショッカー戦闘員のビジュアルは未視聴世代でも知っている特撮の金字塔となった。

しかし、社会現象となった負の側面としてライダーや怪人のカードが付属する仮面ライダースナックをカードだけ抜いて投棄する「ライダースナック投棄事件」や、
ライダーキックを真似して事故を起こす子供が多発し、後者については劇中でライダーキックを真似する子供に対して本郷達が注意するシーンが放送された。


【制作背景】


時は1960年台後半まで遡る。
東映のプロデューサー平山亨氏と製作所室長の内田有作氏は、毎日放送の次長から「オートバイに乗るヒーロー番組を作って欲しい」との依頼を受ける。
そこで、当時バラック小屋だった生田スタジオを「ガキ共のための千年王国にしよう」という意気込みの下、全く新しいヒーローの制作を始める。

そこで、平山氏は当時大人気漫画家だった石森章太郎(後の石ノ森章太郎)に新しいヒーローのデザインの依頼をすることとなる。
石森先生は当初『クロスファイヤー』という典型的な王道ヒーローのデザインを描き、平山氏がそれを持ち込んだ結果毎日放送側にも好評を博した。

だが、石森先生は「カッコよすぎて異形さが足りない」という理由でデザインの差し替えを要望し、髑髏の仮面を被った『スカルマン』というヒーローを提出。
平山氏はこのスカルマンをかなり気に入っていたようだが、放送局やスポンサーから「ガイコツはやめてくれ」「縁起が悪い」と不評を受けた結果、平山・石森の両氏は泣く泣くスカルマンをボツにすることとなる。

そんな中、当時の石森先生の担当編集がヒーローの案として持ち込んだ昆虫図鑑からいくつかのヒーローを描き上げた石森先生が、息子の小野寺丈氏に一番好きなものを選んでもらい、その結果バッタをモチーフにしたヒーローがそのまま平山氏に渡されることとなった。
最初こそ、虫をモチーフということに不満の声もあったが、平山氏の熱心なプレゼンと熱意の前にこの案が通り、タイトルも『仮面ライダー』と決まり制作に漕ぎ着けた。

そして、その裏で内田氏は『柔道一直線』の際に繋がりのあった大野剣友会に仮面ライダーの仕事を依頼。
剣友会側には当初こそ「俳優志望の役者の顔を隠す仕事なんて…」という反対の声もあったが、結果的に剣友会の未来のためと依頼を受諾。

ところが、撮影中に主演でありながらスーツアクターもこなしていた藤岡弘、氏がバイク事故を起こし、記念すべき第1話を病院のベッドの上で視聴する事態になってしまう。

藤岡氏の復帰が実現するのかもわからない中、どうにか番組を繋ぐための更なる男として白羽の矢が立ったのは佐々木剛氏。
当初は藤岡氏の役を奪うわけにはいかないと固辞していた佐々木氏であったが、復帰までの間という約束で出演を承諾する。

ありとあらゆる人々の努力と熱意の元、1971年……伝説が始まることとなった。

ちなみに、「石ノ森章太郎原作の漫画版『仮面ライダー』を映像化したものじゃないの?」とお思いの方もいると思われるだろうが、当時の「原作」という肩書きは、今日における漫画や小説のアニメ化・実写化に際しての「原作」とは意味合いが少々異なる。
企画段階で漫画家に原案やキャラクターデザインを担当してもらい、その漫画家を「原作者」と扱っていた*1
そして、番組の製作・放送と並行して漫画版も展開していたため、企画経緯としては漫画版の方が「メディアミックス」のような存在なのだ。
これは同じ石ノ森作品の『秘密戦隊ゴレンジャー』や『人造人間キカイダー』も同様である。


【あらすじ】


オートレーサーを目指す大学生、本郷猛は悪の秘密結社ショッカーに拉致され、改造手術を受ける。
しかし、脳改造を受ける寸前に恩師の緑川博士に助けられ、ショッカーに抵抗する「仮面ライダー」として活動。
オートレースのトレーナーである「おやっさん」こと立花藤兵衛や、緑川博士の娘であるルリ子といった理解者を得ながら事件を起こす怪人を次々と撃破する。

ある時、本郷が海外に旅立ち日本に危機が迫る中、新たなライダーである一文字隼人/仮面ライダー2号が登場。
本郷のライバルであり、実はFBI捜査官だった滝和也も仲間に加わり、ショッカーの猛攻を食い止める。
そして遂に本郷が日本に帰還し、一文字と共にダブルライダーが並び立った。


【用語】


  • 仮面ライダー
ショッカーの改造手術を受けた本郷猛と一文字隼人が変身する改造人間としての姿。
仮面と赤いマフラーがトレードマークで、バッタをモチーフとしたジャンプ力が武器。
専用バイク「サイクロン号」と共に、日夜ショッカーと戦い続けている。
高所から飛び降りる、バイクで走行するといった方法でベルトのタイフーンに風圧を送る事でエネルギーを発生させ、仮面ライダーへ変身。
鎖を引き千切る怪力、10万ボルトの電流や銃撃を受けても無傷の肉体といった改造人間としての本領を発揮する。
途中から上記のプロセスを踏まなくても、事前に蓄積したエネルギーがあれば変身できるように強化された。
主な戦闘スタイルはパンチやキックといった徒手空拳。
ただし、ショッカー戦闘員は何かと武器を持っているので、奪い取って活用する事も多い。
必殺技は高くジャンプしてからの飛び蹴り「ライダーキック」。
後輩ライダーのように専用武器や多種多様なフォームチェンジこそ持たないものの、更に高められた身体能力や脳改造を受けていない人である事の成長性を駆使してショッカーと対峙する。
本来はショッカー怪人「飛蝗(バッタ)男」と言える存在だが、強い正義の心からショッカーへの反抗の象徴として一般市民にも「仮面ライダー」の名は認知されていく。

  • 少年仮面ライダー隊
第74話でおやっさんが設立した、仮面ライダーの戦いを支援するための組織。「少年ライダー隊」「ライダー少年隊」とも。
その名の通り、隊長の滝を除く全員が子供達によって構成されており、専用の自転車で街を巡回しながら、伝書鳩や通信機付きペンダントを活用して情報収集を行う。
所詮は子供なのでショッカーに捕まって足を引っ張ることも多かったが、番組を通して全国規模で隊員を擁する巨大組織に成長。FBIと並び、情報面でライダーの戦いに大きく貢献した。
番組への登場に先立ってテレビマガジンで隊員募集が行われ、ファンの子供達から応募が殺到したという。

本作の敵組織。
世界各国に人員を張り巡らせ、世界征服を企む悪の秘密結社。
シンボルマークは翼を広げた鷲。
ショッカー首領(CV:納谷悟朗)をトップとして、大幹部、幹部、怪人、戦闘員といった絶対の縦社会を構築。
ナチスドイツにルーツを持ち、その科学力で主要な人間を改造して裏から操る事で世界征服を狙う。
能力の高い本郷や一文字、社会的地位の高いものや緑川博士のような学者を拉致し、肉体や脳改造(洗脳)、脅迫を行う事で様々な勢力を裏から牛耳った。
世界各地に支部やアジトと称して拠点が置かれ、寺や教会といったバチ当たりな場所にも構えている。
終盤にはゲルダム団と統合した組織「ゲルショッカー」が登場。

  • ショッカー怪人
ショッカーの科学力により誕生した改造人間。
動植物の特徴を取り入れ、人型という名残はあるものの全員が異形の姿。
ショッカー首領の命令で戦闘員を率いて各地のアジトで世界征服作戦を働き、脳改造により戦闘員同様絶対服従するようプログラムされ、人攫いを中心とした犯罪行為に躊躇がない。
極少数は人間に戻れたものも存在し、詳しくは善玉怪人を参照。
基本的に毎週違う怪人が登場するが、時として同じデザインの再生怪人が蘇ってライダーに再挑戦している。
かつて苦戦した10数体の怪人が名乗りと共に一度に襲いかかってくる敵版お祭り映画のような雰囲気だが、ライダーとの戦力差が開き過ぎたのか、戦闘員並みの流れで倒されていく姿は爽快感と共に哀愁を感じさせる。
ゲルショッカーでは2種類の動植物を組み合わせた合成怪人が登場。

ショッカーの配下として活動する実働部隊。
素顔なら人間と区別がつかず、人間社会に数多く潜伏している。
初期は顔のメイクとベレー帽を被った戦闘員やハイレグの女性も登場していたが、途中から「イーッ!」でお馴染みの骸骨のような全身黒タイツの戦闘員が主に登場するようになった。
戦闘力は仮面ライダーや滝とおやっさんに片付けられる程度で、怪人に及ばないものの一般市民には脅威的だが、素手の女子大生に負ける者すらいる。
あまりにも戦闘員の知名度が高いため、作品内外を問わず「ショッカー」と言うと組織よりこちらを想像する人も多い。


【登場人物】


演:藤岡弘、
代役(声):納谷六朗、市川治
本作の主人公。
子供や小動物を慈しむ優しい性格で、悪を許さない熱い心の持ち主。
IQ600の天才的頭脳と運動神経抜群の文武両道であり、城南大学の学生として研究にも力を入れている。
オートレーサーを目指していたが高い総合力からショッカーに目をつけられ、バッタの能力を付与した改造人間として人体改造されてしまう。
脳改造を行われる寸前に良心の呵責に苛まれた緑川博士により逃がされ、志半ばで倒れた博士の無念を背負って「仮面ライダー」としてショッカーとの長きに渡る戦いに挑んだ。
元来の才能と人体改造により人間を遥かに超えた能力を持ち合わせる一方、子供の体を破壊しかねない握力といった改造の弊害や、正体を明かせない仮面ライダーとしての苦悩を背負い、踠き苦しむ事になる。
演じる藤岡の大怪我によりヨーロッパのショッカーを倒しに行ったという設定で一文字に主役交代するも、途中から復帰して再び主人公に舞い戻った。

演:佐々木剛
本郷猛に続く第二の主人公。
職業はフリーのカメラマン。
陽気で気さくな性格で、柔道や空手の有段者であるため変身前でも滅法強い。
ショッカーに拉致され改造手術を受けるも本郷に助けられ、彼の後を担う「仮面ライダー」として日本の防衛を任される。
明るく振舞っているものの本郷と同じく改造人間となってしまった哀しみを抱え、度々改造手術の悪夢に魘されている。
滝やおやっさんといった仲間たちと共に立ち向かい、不屈の闘志で本郷の居ない日本を守り通した。
本郷の帰還後は海外に渡ったショッカーの一勢力を追って旅立つも、度々帰国しダブルライダーとしてショッカーを追い詰めた。

  • 立花藤兵衛
演:小林昭二
仮面ライダーである本郷や一文字を支援する、通称「おやっさん」。
物語の拠点となるスナックアミーゴを経営し、ルリ子やひろみ、史郎を雇っている。
路線変更によりアミーゴを閉店し、バイク用品を扱う立花オートコーナーを経営、同時に立花レーシングクラブを立ち上げた。
しかし、集まるのはほぼ運動目的の初心者ばかりでトレーナーとしての熱が燻っていたが、本郷の帰還後は再びやる気を燃やして滝を交えトレーニングに付き合っている。
新怪人を打開すべくライダーの特訓にも率先して付き合い、孤独を抱えがちな本郷たち仮面ライダーに寄り添う精神的支柱。
ショッカーの存在が一般に知られるようになると全国の子供たちで結成された少年ライダー隊の会長も任せられるようになった。
本作の後も仮面ライダーを見守る歴史の生き証人として「昭和ライダーシリーズ」にレギュラー登場している。

演:千葉治郎
怪事件を追うFBI捜査官。
生身でありながら改造人間や戦闘員に立ち向かう勇猛な性格。
本郷とはオートバイで争ったライバルでもあり、高い運転技術を持つ。
仮面ライダーではないものの、正義の心は決して彼らに劣らない。
知り合いであった立花たちをショッカーが拠点とする式場に呼び、結婚式の途中で花嫁が拐われたところを仮面ライダーに助けられ、スナックアミーゴに顔を見せるようになった。
登場当初新婚のように振舞っていたが、結婚式は偽装であったという設定。
経歴を活かした潜入や捜索、情報収集といった現場仕事を引き受け、ダブルライダーをサポート。
少年ライダー隊結成後は彼らの良き兄貴分となり、指揮を取りながら見守っている。
怪人や戦闘員あとナレーターに「FBIの犬」と呼ばれ、非常に嫌悪されている。

  • 緑川ルリ子
演:真樹千恵子
序盤のヒロイン。
緑川博士の娘で、スナックアミーゴでアルバイトしている大学生。
緑川博士の殺害現場を目撃した事で本郷を犯人と誤解するも、真実を知ってからは協力者としておやっさんと共に本郷やライダーとゲストキャラを取り持つ橋渡しとなる。
第11話~13話では不在がちな本郷*2の代わりに、滝やおやっさんと協力しながらショッカーの怪事件を追った。
本郷が海外へ行くと後を追って日本を旅立った。

  • 野原ひろみ
演:島田陽子
城南大学の学生。
何かと友達のルリ子に協力してくれ、ルリ子が旅立った後もレーシングクラブに残り、友達のマリ達を誘って会員を増やしている。
第24話ではマリやユリと共に戦闘員と戦い、長身から繰り出される男性顔負けのキックで応戦した。

  • マリ
演:山本リンダ
立花レーシングクラブに集う、通称ライダーガールズの1人。
持ち前の好奇心から事件を見るや、友達のユリを連れて突っ込んで行くトラブル体質。
美容やディスコダンスが好きで、レーシングクラブにもプロポーションのために入ったと公言し、一文字がカメラマンと知るとモデルに興味を示した。
第24話「猛毒怪人キノコモルグの出撃!」ではひろみやユリと共に戦闘員と対峙し、特技のフェンシングを活かし全員で大立ち回りを繰り広げた。
演じるのは「どうにもとまらない」「狙いうち」等の歌手、山本リンダ。

  • ユリ
演:沖わか子
マリと共に登場した、ライダーガールズの1人。
空手初段の持ち主であり、戦闘能力はそれなりだが、やや怖がり。
入れ替わりが激しかったライダーガールズの中では唯一最初から最後まで登場し続け、少年ライダー隊結成後も通信係として戦いをサポートした。

  • 石倉五郎
演:三浦康晴
立花レーシングクラブに出入りする小学生。
いかにも「昭和特撮の子役」といった感じのお調子者なわんぱく坊主だが、意外なことに成績は優秀な模様。
本郷や滝の弟分的存在であり、ショッカーとの戦いに自ら進んで参加することも多かった。
その濃いキャラや演じる三浦氏の好演から評判はよく、彼の人気が少年ライダー隊の投入につながった…のだが、三浦氏が中学校に進学したため、第62話を最後に降板した。

  • ナオキ
演:矢野知紀
  • ミツル
演:山田芳一
五郎の友人であり、番組を去る彼に代わって登場した少年レギュラー2人組。
五郎ほどの強いキャラクター性はなかったものの、やはり本郷や滝には進んで協力した。
少年ライダー隊結成後は現場の子供達のリーダー格として活躍するようになり、番組終了までショッカー/ゲルショッカーと戦い抜いた。


+ ショッカー/ゲルショッカー怪人の一覧


【視聴率について】


しばしば「旧1号編は怪奇色が強すぎて子供から人気が出ず、2号編から人気が出始めた」と語られるが、実際のところ苦戦していたのは関東地区の話。
関西においては初回視聴率20.5%の好スタートで、以降も17%台をキープ、第11話に至っては25.2%と路線変更前からかなりの好調だった。
関西キー局であるMBSの庄野部長も「関東でもいずれ上がる。今から番組を弄るのはやめましょう」と平山亨プロデューサーに掛け合ったという。
そして実際、関東でも視聴率はじわじわ伸び始め、第23話で遂に20%を突破。
その後も多少の上下はありつつも終始高視聴率をマークし、全98話の平均視聴率は関東で21.2%、関西で25.9%の大成功となった。


【仮面ライダーのシリーズ化】


本作の人気により、毎日放送では続編である『仮面ライダーV3』を皮切りに、途中で東京での放送局がTBSに変更されたりしつつ、数年の間を何度か空けながら『仮面ライダーBLACK RX』まで計9作を継続。
年号が昭和から平成に変わると共にテレビシリーズは一旦終了してビデオや映画に移行するも、2000年代からは『アマゾン』まで放送していたテレビ朝日系列で『仮面ライダークウガ』から「平成ライダーシリーズ」が開始し、
以後毎年新たな仮面ライダーがタイトルと題材を変えながら「仮面ライダーシリーズ」として昭和、平成、令和を駆け抜け、計50年以上もの間、子供達大きなお友達を熱狂させている。


【関連作品】


本作と同時期に公開された同スタッフ、キャストによる映画。

メディアミックスとして原作者の石ノ森氏が描く連載漫画。
本作とは異なる独自の展開を続け、一文字との主人公交代劇や本郷のその後といった多くの変更点が存在する。
その他の作者による漫画としては、映像作品以上に改造人間にされた人間の境遇に着眼点を置いて作劇された、すがやみつる版も視聴者間の認知度が高い。

  • 仮面ライダーを作った男たち
漫画『仮面ライダーSPIRITS』の作者を務める村枝賢一氏が上述の制作背景を描いた作品。
全4話で構成、第1話は平山亨プロデューサー、第2話〜第4話は大野剣友会をメインに描かれた。
2022年に電子書籍化した。

いわゆる小説版仮面ライダー。
「もしも本郷猛しか仮面ライダーが存在しなかったら」というIFをコンセプトとしている。

漫画版の要素を多く取り入れた映画。2005年公開。

上記の『THE FIRST』の続編映画だが、初代『仮面ライダー』の次回作『仮面ライダーV3』の要素も盛り込まれている。2007年公開。

第二期平成ライダーシリーズの第17作『仮面ライダーゴースト』とのクロスオーバー映画。2016年公開。
『ゴースト』放送中でありながら本郷猛/仮面ライダー1号を主人公に据え、ショッカーとの戦いに明け暮れた本郷猛を藤岡弘、氏本人が演じた。
新たな形態として当時の藤岡氏や戦いに身を置き続けた本郷を反映したデザインの1号(通称「ネオ1号」)が登場。

シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』に続く、庵野秀明が制作に携わったリブート映画。2023年公開。
制作元の毎日放送では公開に合わせて、庵野氏の選んだセレクション回がコメントと共に放送された。


その他、数多くのお祭り作品にも客演し、2010年代以降仮面ライダー1号が登場する際は声優稲田徹氏が声を務める場合と、本郷猛役の藤岡弘、氏が直接演じる場合がある。
また、2021年の映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』では藤岡氏の息子・藤岡真威人氏が本郷猛/仮面ライダー1号を演じた。


+ 一方で限りなく近い姿をしているが、とある事情で公認として扱われなかった者も存在し……
「仮面ライダーシリーズ」の人気から『仮面ライダーBLACK』や続編の『BLACK RX』と同時期にフジテレビのバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』の番組内パロディとして誕生。
小林昭二、中江真司、納谷悟朗といったオリジナルキャストの起用やコントとしての面白さと妙な完成度の高さを両立して人気を獲得するが、権利元に無許可で放送したため原作者の石ノ森や製作スタッフといった個人には認知されながらも、公的に認められる事は難しかった。
後年、メタフィクションも題材とする『仮面ライダージオウ』の劇場映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』にとんねるずの木梨憲武氏演じる木梨猛が登場。
本家の世界で選ばれなかった者として主人公の常磐ソウゴに言葉を送るという後輩(?)へのエール兼自虐ネタが披露され、「仮面ライダーシリーズ」への出演を果たした。

一文字隼人役の佐々木剛氏が主演の自主制作映画。
非公認であるため劇中では明言こそされていないが、「一文字やショッカーのその後」を示唆するような内容となっている。
詳細はリンク先参照。


【余談】


制作背景にある毎日放送の次長がオートバイに乗るヒーロー番組の制作を依頼した理由であるが、
彼は戦時中に兵士として満州で陸王(軍事用のサイドカーのようなもの)を駆っていた際、敵国であるはずの国の子供達が物珍しそうにバイクをカッコいいと称えて目を輝かせていたのを見て、
「バイクに乗って子供達に夢を与えるヒーローが欲しい」と思い、バイクに乗るヒーローの案を思い付いたらしい。

同時に平山氏も戦時中に学徒兵として多くの人が死んでいく中で自身の無力さを痛感した過去があり、
「絶望の中でどうにも出来ない時に助けてくれるヒーローが欲しい」という想いも込めてその案を受けたという。

そのため、制作の根底にスタッフの戦時中の経験もあるためか、本作の敵であるショッカーにはナチスの残党などの第二次世界大戦などの関係者が多く含まれている。




我らの仮面ライダーを狙うショッカー本部が送った次の使者は、恐怖荒らし男!

恐るべき白紙化を撒き散らして迫る、恐怖荒らし男!

夜空に火花を散らす仮面ライダーの活躍は?

次週『仮面ライダー』、「念願の追記・修正」にご期待下さい。


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最終更新:2024年02月25日 21:56
添付ファイル

*1 ややこしい事に、『超人バロム・1』のように先に漫画があり、後から映像化した……というパターンも当時からあったにはあった。

*2 藤岡氏が入院中で出演できないため。