乙女ゲーム主人公

登録日:2019/07/25 Thu 04:03:21
更新日:2024/02/11 Sun 16:39:23
所要時間:約23分で読めます




乙女ゲーム主人公とは文字通り乙女ゲームの主人公であり、(一応)プレイヤーの分身と言える存在のこと。

女性サブキャラについては、乙女ゲームにおける女性サブキャラ参照。



概要

まず特徴と言えるのは非常にかわいいということである。
ギャルゲー主人公のキャラデザの場合は目が髪で隠れていたり若干デザインが手抜きだったりと没個性である場合が多いのに対し、
乙女ゲーム主人公の場合はしっかりとキャラデザをされていることが多い。今どきではCGを複数持っている主人公も珍しくはない。目元もきちんと映されている。
これについてはプレイヤーが少女漫画のようにカップリングを楽しむタイプが多いからのこと。
実際缶バッジなどのファンアイテムでは主人公もラインナップされることが結構ある。

またギャルゲーの場合は可愛い女の子を描くためにキャラデザがディフォルメ系のためにそのまま男を描くとかっこよくなりにくいが、
乙女ゲーはかっこいい男を描くためにキャラデザがリアル系であるため案外女性キャラデザにも融通が利きやすい。


性格は基本的に明るい普通の女の子であることが多い。これはプレイヤーに感情移入しやすくしてもらうため。
しかし近年は上記のようにプレイヤーがカップリングを楽しむタイプが増えたために、主人公のキャラクターは結構多様化している。
天然、無口、無邪気など多少王道を外れた性格から、果てはクーデレツンデレなどむしろギャルゲーにいそうな主人公も少しずつ増えてきている。
だがどの主人公も一貫してプレイヤーに愛されるようなかわいらしい性格をしている。
年齢や地位も結構分かれており、すごいものだと小学生人妻の乙女ゲーム主人公も存在する。……まあ流石に稀だが。

このようにキャラ付けを重視しているために人気にもなりやすく、公式人気投票などでもそこそこの順位にいることが多い。特に『ワンドオブフォーチュン』シリーズのルルと『Code:Realize』シリーズのカルディアは男たちを押しのけ第3位にランクインし、ちょっと話題になった。
また乙女ゲームの人気投票をおこなう『乙女ゲームアワード』では『主人公部門』が設立されている。


ただ主人公=自分と考えてるプレイヤーももちろんいる。そのため「主人公のみの顔グラを表示させない」
というシステムを搭載したゲームもたまにある。
またキャラが立った主人公だったとしても、公式ホームページでのあらすじ紹介において主人公は名前ではなく「主人公」などとぼやかされた形で表記されることも多々ある。
例えば『恋とプロデューサー~EVOL×LOVE~』はTVアニメ化された際も名前が設定されることなく、スタッフロールのCASTには「わたし」と表記されている。


また例外も多々あるが、戦闘要素が含まれる乙女ゲームの場合は主人公は戦えない、もしくは攻略キャラと比べて著しく弱いというのが定例となっている。千鶴ちゃんがいい例。
これは攻略キャラの強さを見せかっこよさを表現するためであると同時に、どんなつらいときでも寄り添い続けるという主人公の優しさを表現するため。
しつこいようだが例外もある。望美様とか望美様とか望美様とか。


ちなみに余談となるが乙女ゲーム主人公は、何気にアダルティなシーンが多かったりする
というのもそもそも乙女ゲームというのはユーザー的に需要が高いらしく、
意外と濡れ場や事後、言ってしまえば性行為を暗示させるシーンが結構多い(流石にR-18でもない限りは直接描かれることはまずないが)。
CEROがBくらいとある程度低かったとしても肌色の強いCGがあることは決して珍しくないのである。ファンディスクとかだと主人公と攻略キャラが半裸でベッドに寝ているというCGがあったとしてももう当たり前のことになってしまった。てか身もふたもないことを言うと最近のファンディスクはそれが目玉になっている。
……まあ前述のとおり、乙女ゲームは少女漫画の延長線にあるのだが、少女漫画自体割とエロチックな描写が多いので当然かもしれない。


『キャラの立った乙女ゲーム主人公』の登場自体は結構歴史は古い。
98年に発売され、署名活動によって続編が決定した異例の経歴を持つファンタジー『ファンタスティックフォーチュン』シリーズは3人のうちから主人公を1人選ぶというシステムである。この3人がやたらとキャラが濃く、おてんばなお姫様、異世界召喚された女子高生、性別不明なCV.石田彰とやたらと濃ゆい。人気になった理由のひとつがこの主人公の存在であったことを考えると、確実に後年の乙女ゲームの先駆者になったと言えるだろう。


これらのことからファンからは「主人公に力を入れたゲームは当たりが多い」と密かに囁かれている。
まあかわいい女の子になってかっこいい男を攻略するのは楽しいものである。
……しかし裏を返せば主人公がダメだとゲームもダメになりやすいということを忘れてはいけない。
一方で、自己投影するタイプのプレイヤーにとってはキャラ立ちの強い主人公が苦手となる場合も多く、コンシューマー乙女ゲーム衰退の一因に挙げる人もいる*1


代表的な乙女ゲーム主人公



◆アンジェリーク・リモージュ(アンジェリークシリーズ)

CV.白鳥由里
元祖乙女ゲームこと『アンジェリーク』シリーズの初代主人公。
第256代目の神鳥の女王を決める選抜試験に選ばれた候補の一人。
スモルニィ学園に通う至って普通の女子高生であり、甘いものやリボンが大好き。
正史では見事に女王に選ばれ、続編では前作主人公の立ち位置で登場している。


◆雪村千鶴(薄桜鬼)

CV.桑島法子
幕末を舞台にした和風ファンタジーである『薄桜鬼』シリーズの主人公。
ゲーム自体の人気もあり、おそらく「乙女ゲームの主人公と言えば?」という質問で大体名前が挙がる知名度の高い少女。
行方不明の父を探しに上京したところ、新選組が人を斬るという事態を偶然目撃してしまい、口封じのために新選組に監禁されることになる。
ぱっちりとした丸い瞳と黒髪のポニーテールという容姿の少女。プレイヤーの大半は忘れがちだが彼女は一応男装をしているという設定である*2胸は乙女ゲーム史上屈指の断崖絶壁でサラシがいらないレベル。まあメタ的な話をするとあまり男っぽい容姿だと乙女ゲームとして成り立たなくなるし……。それでもかわいい。千鶴ちゃんマジ天使。ちなみに彼女の膝枕はとても柔らかく、最終兵器であるらしい。
性格は素直で頑張り屋。素直すぎるために隊士たちからはからかわれることも少なくない。からかわれてあたふたしている姿はかわいい。同時に芯が強く、場合によっては刀を向けられても意見を曲げない頑固さと根性を持つ。要するに嫁力が高い。
なぜか抱き枕カバーやフィギュアが売られている。あとキャラソンもある。


悲しくはない。これも私だから

◆カルディア(Code:Realize 〜創世の姫君〜)

CV.早見沙織
19世紀後半のロンドンをモチーフにしたスチームパンク『Code:Realize』シリーズの主人公。
体内に埋め込まれた「ホロロギウム」という物質のせいで頭髪以外の全身が、触れたあらゆる物体*3を溶かす猛毒に満ちているという物騒な主人公。しかも融解時に発生する煙も有毒というオマケつき。そのため彼女は恋人とキスをするどころか触れ合うことも出来ない。あと顔にも毒があるのでうつぶせで寝られない。
自分の力に絶望し幽霊屋敷で引きこもるようにして暮らしていたが、ロンドンを脅かす「黄昏」に何か深く関わっていることに目を付けた男たちに誘われ、自分自身について知るために動くことを決意した。
さらに2年以上前の記憶を失っているという背景もあり、表情が乏しく物静かな性格。初期はジョークにも首をかしげていた。
この能力のために命を奪ったことは1度や2度ではなく(まあ事故だが)自身のことを『怪物』だと考えており、やや破滅願望がある。
こんな彼女であるが緊急時には猛毒をためらわず武器に使うなどしたたかな一面がある。
しかし仲間たちと触れ合う中で少しずつ笑顔を見せるようになった。比較的話の明るいファンディスクでは目を輝かせて笑う姿を見せた。
作中では人形に例えられるような幻想的で整った容姿をしている。めちゃくちゃかわいい。表情の少なさが良くも悪くも人形らしさを引き出している。本作の初CGが彼女であるなどスタッフからもかなり優遇されている。ちなみに巨乳。アニメ第1話では自分から胸元をはだけた。



うんうんっ! 頑張ればきっと大丈夫!

ルル(ワンド オブ フォーチュン)

CV.堀江由衣(ドラマCD版及びVita版システムボイス)
魔法学園での成長物語を描く『ワンドオブフォーチュン』の主人公。
世にも珍しい無属性の魔法使いであり、そのまま過ごし続けるのは危険であると宣告されたために自分の属性を手に入れようと学園で勉強を始めることになる。
無邪気で子供っぽい性格。その割には結構グラマーである。
続編では立ち絵がへそ出し服になる、おまけCGがナース服やメイド服、ゲームオーバーにレイプエンドがある、攻略キャラそれぞれのおまけCGが明らかに事後、ファンディスクでは幼女化するとやたらとエロ方面の話題が多い主人公である。……店舗特典が主人公のお風呂ポスターなんて乙女ゲームはこれくらいだろう。
露骨に男受けを狙ったキャラと言われているが、奇跡的にバランスがとれたのか乙女ゲーム主人公として見ても本作の登場人物として見てもやたら人気が高い。
詳しくは該当項目を参照。



私の道は……私が決める

◆フェリチータ(アルカナ・ファミリア)

CV.能登麻美子
アルカナによる異能力とイタリアンマフィアをテーマにした『アルカナ・ファミリア』シリーズの主人公。
キツイツリ目と赤毛のツインテールと妙に肉付きのいい太ももが特徴的。
自身の所属するマフィア「アルカナ・ファミリア」のボスであるモンドの一人娘。そのため周囲からは「お嬢」と呼ばれ大切にされている。
モンドが「次のファミリーの後継者にはフェリチータと結婚しなければならない」と言い出し、結婚を嫌がった彼女は自分が後継者になるべく奔走することになる。
会話毎に登場する膨大な選択肢を捌いてゲームを進めていくという本作の特徴上、彼女はポケモン主人公並にまったく喋らない。選択肢を選んだ場合のみ(プレイヤーにとっては)喋る。とは言っても仲間内からはクールとは思われているが無口扱いされていない。またアニメ版では普通に喋っている。
さらにこの手のゲームにしては珍しく、喧嘩は結構強い。流石に攻略キャラたちには一歩劣るが、それでも街のチンピラを倒せる程度には強い。ナイフと蹴りが必殺技。


◆元宮あかね(遙かなる時空の中で)

CV.川上とも子
日本を模した異世界である『京』を舞台とした和風ファンタジー『遙かなる時空の中で』シリーズの初代主人公。
明るく前向きな普通の女子高生。赤毛のショートボブでかわいい。
鬼の一族の首領であるアクラムによって現代から『京』に召喚されてしまった。さらに絶大な戦力を秘めた龍神と心を交わすことができる『白龍の神子』に選ばれてしまい、鬼の一族から『京』を守るために戦うことになる。
『遙かなる時空の中で』シリーズはノベルゲームというよりもシミュレーションゲームの要素が強く、戦闘パートも用意されているのだが、基本的に戦うのは攻略キャラ達であり彼女は戦わない(応援と戦闘補助の札を使う回復担当)



それが運命だとしても、この手で変えてみせる

春日望美(遙かなる時空の中で3)

CV.川上とも子
『遙かなる時空の中で』シリーズ3代目主人公。そして乙女ゲーム最強の主人公でもある。
腰までかかる桃色のロングヘアーが印象的な少女。目つきが鋭く凛としている。天上ウテナではない。
彼女も普通の女子高生だったのだが、ある日風変わりな少年の手によって平安末期によく似た時代の『京』に飛ばされてしまう。そして『白龍の神子』として『京』を守っていくことになる。……ここまでなら初代と同じ流れである。
しかし彼女の場合は「守られるだけではなく、自分も守りたい」と考えており、なんと自ら剣を持って戦う。要するに彼女も戦闘パートに参加する。
さらに本作には『白龍の逆鱗』といういわゆる「強くてニューゲーム」もとい「運命上書き」システムがあり、ゲームを続けていくうちに望美は自然と男たちよりも強くなっていくことになる
主人公故、離脱することはない為いつでも育成可能であったり、習得できる特技(スキル)も強力なものが多い。また、とある攻略キャラとのルートではそのキャラやラスボスとの一騎打ちになる、なんてことも・・・。
ついでにこのシステムのおかげで本来なら死亡する仲間を救っていくことができるので勇ましさがすさまじい。
とにかく性格のイケメンぶりに定評があり、ファンから「望美様」とか「男たちよりかっこいい」とか「男より彼女を攻略したい」とか言われている。
そんなわけで移植版では攻略キャラをお姫様抱っこした彼女が雄々しく剣を構えるパッケージに変更されたり、
公式のバレンタインチョコをあげたいキャラ投票では男どもを抑えて第一位を獲得した。



私にできることがあるなら、やりたいの

◆蓮水ゆき(遙かなる時空の中で5)

CV.高橋美佳子
シリーズ5作目の主人公である『白龍の神子』。ピンク髪にハーフアップの優し気な表情のキャラ。今作から主人公の声優が川上とも子から高橋美佳子に変更となった。
両親が資産家であり温かく育てられてきたお嬢様。両親や親戚でゆきのことが大好きな都から溺愛されて育ったために、他人に優しく温厚な性格をしている。「優しさ」という点では間違いなく歴代主人公の中でもトップクラス。歳の割にはちょっと無邪気で天然の気がある。
クリスマス留学からの帰省中に都と共に飛行機事故に遭い、気が付くと幕末に似た異世界に飛ばされていた。望美様と同じく戦う白龍の神子であり、彼女はフェンシングの経験を生かしてレイピアを使う。まああんまり使うシーンはないが。
基本的には争いごとが嫌いであり大切な人が傷つくことを何よりも恐れる。そのため苦悩の末に「戦いを止めるために、自分も戦いに参加する」と決意した。
こんな彼女だが作中の描写が極端すぎる故にプレイヤーからの批判が多い。主な理由はプレイヤーと作中キャラの評価の乖離。ゆきは全体的に現実を見ない平和主義や、やや空気の読めない言動などどこか常識が抜けて見える描写が多いと指摘されている。対して作中ではなぜかやたらと褒められることが多い。攻略キャラが実在の人物をモチーフにしているのも原因か。
これについてはKOTYで「リアルでも男女双方から愛される存在にしようとした結果割を食ったのではないか?」と考察された。そのため「ゆき様教」と揶揄されることも。



私に力があるのなら、この世界を壊させたりしない

◆高塚梓(遙かなる時空の中で6)

CV.斎賀みつき
シリーズ6作目の主人公である『白龍の神子』……ではなく、シリーズ初の主人公である『黒龍の神子』である*4。このことを意識してか、彼女を演じるのは前作の『黒龍の神子』である八雲都役であった斎賀みつきである。逆にゆき役だった高橋美佳子は本作で梓と対になる『白龍の神子』である駒野千代を演じている。あの斎賀みつき女史が乙女ゲームの主人公をやるということでファンが少しざわめいた。*5
祖母のお見舞いの帰り道、不思議な声に誘われて、大正時代によく似た異世界に飛ばされてしまった。
家庭環境のこともあり結構冷静でしっかりした子。その反面涙もろいところもある。そんな子であるため異世界に飛ばされた時も、あまりパニックになることなく行動できていた。
世界を救うために戦っていると信じているが、自身が破壊をつかさどる『黒龍の神子』であるということはまだ知らされていない。




は、はい! こちらこそお願いします!

◆七海春歌(うたの☆プリンスさまっ♪)

CV. 沢城みゆき(アニメ版のみ)
アイドルの少年と作曲家の主人公が共に音楽を奏でていく『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの主人公。
桃色の髪の毛と金色の瞳という容姿で、得意なのはピアノ。目が怖いは禁句。
人気アイドル「HAYATO」にあこがれて作曲家への夢を抱き早乙女学園に入学し、音楽活動を共に歩むパートナーを選んでいく。卒業後はシャイニング事務所の専属作曲家になった。
引っ込み思案だが純粋で優しい性格。作品内では常に敬語口調で話している。だが音楽についての想いは深く、案外一度決めたことは曲げない頑固なところがある。
原作とアニメ版で相違点が多く、原作では中学時代にいじめに遭って引きこもっていた時に見た「HAYATO」に希望を貰い、作曲家への夢を抱いたという流れで、卒業後の行方は作品や個別ルートで微妙に違う。
対してアニメ版では病弱で、音楽好きの祖母が住む田舎で療養中に「HAYATO」の歌を聞いたという流れで、卒業後は主に同期生6人+王子によるユニット『ST☆RISH』の座付き作家として活躍。
原作では音楽の知識が深い音楽バカであったのに対し、アニメ版では入学直前まで楽譜も読めなかった。ただその反動か、アニメ版での春歌はとんでもない天才肌になっている。
何気にキャラソン持ち。だが職業が確定しているせいかアイドルの仕事風景を描くドラマCD(劇中劇編)や公式キャラブログ・Twitter・ライブイベントでは出番がなく、
アイドル達の合同ライブを描いた劇場版でも声無し1シーンのみの登場だった。


◆アリス=リデル(ハートの国のアリス)

CV.釘宮理恵
不思議の国のアリスをモチーフにした『ハートの国のアリス』シリーズの主人公。
自宅の庭で昼寝をしていたところ白ウサギのペーター・ホワイトによって、銃撃戦は日常茶飯事の世紀末不思議の世界に連れていかれてしまう。
原点のアリスとは違い、非常にリアリストで卑屈な性格。不思議の世界に来てしばらくは夢オチであると信じて、最終的に開き直って不思議の世界に滞在していた。本人もこんな性格であることは自覚しており、よく「いやな子」「暗い子」と卑下している。
このような性格になってしまうほど家庭環境が複雑であり、母は病気で死別し、さらに父親は家庭を殆ど顧みないネグレクト状態になっている。
姉とは良好な関係で完璧な淑女として尊敬している反面、姉と比べ完璧になり切れない自身に強いコンプレックスを持つ。特に初恋の家庭教師が自分ではなく姉に惹かれた過去から、恋に対して臆病になっている。



わたし、もう逃げません

◆こはる(NORN9 ノルン+ノネット)

CV.藤村歩
大正時代を舞台に『ノルン』と呼ばれる巨大飛行船で旅する少年少女を描いた『NORN9 ノルン+ノネット』シリーズの3人の主人公のうちのひとり。3人の主人公というのは比喩でもなんでもなく「プレイヤーが操作し、攻略キャラと恋をする」というキャラクターが3人いる。ちなみにそんな仕様であるためか、恋愛ゲームの主人公にしては珍しくフルボイスである。そのため若干ロードが長い。
礼儀正しく純粋な少女。『ノルン』に乗るまでは山奥でずっと孤独に過ごしていたためやや世間知らずで天然。また長い間孤独でいたため、誰も自分のことを呼んでくれず偶に自分の名前を忘れてしまう。同時に自分の名前を呼んでくれる大切な人を渇望している
本作のメインキャラクターは全員何らかの超能力を持つが、彼女の場合は炎を操る能力を持っている。能力の強さは登場人物の中でも最強と言われている。しかし強すぎる力を恐れている節がある。



「怪我したくなかったら、私の前に立たないで」

◆久我深琴(NORN9 ノルン+ノネット)

CV.高垣彩陽
『NORN9 ノルン+ノネット』2人目の主人公。黒髪ロングの少女。
公家生まれのお嬢様。由緒正しい出自のためかプライドが高く高飛車な性格だが、反面責任感が強く取りまとめが上手い。
『ノルン』に乗船したこはる達にもなんだかんだ言いながら面倒を見ており、主人公3人のリーダー役になっている。しかし責任感の強さから自分を抑えてしまうこともしばしば。
実は『ノルン』に乗船するまで幼馴染の朔也以外の男性と接したことがなく、男慣れしていない。肝心の朔也相手にはプライドの高さから素直になり切れないツンデレ
能力は結界を張ることであり、その防御性能はなかなかのもの。
この力は神から与えられたものと教え込まれて育ったために、自分を犠牲にして能力を使用することに対して躊躇がないというやや危険な面も。



あなたがこういった行動に出ることは、既に予想の範囲内

◆不知火七海(NORN9 ノルン+ノネット)

CV.瀬戸麻沙美
『NORN9 ノルン+ノネット』3人目の主人公。人形のように寡黙で無表情な少女。
公式人気投票を見る限り、主人公3人の中では彼女が一番人気であるらしい。
感情を表に出すことがあまり得意ではなく、かつ口数も少ないため冷淡であると勘違いされやすい。
だが実際には過去のトラウマから傷つきやすく非常に繊細。あと喋ったら喋ったで結構毒舌。
大昔から続いている由緒正しき忍者の家系の末裔。彼女も身体能力が高くクナイを武器に戦ったり、
隠密行動をしたりするくらいなら出来る。現在本家は田舎の地主になる程度に落ちぶれている。
能力は記憶を消すこと。幼いころは本家を建て直すためにと父親の命令で多くの人間の記憶を消してきた。そのためこの能力のことを本気で嫌っている
このように本人が心に傷を負っているため、他人が傷つくことには敏感。
ちなみに好きなことは料理。しかし周りに「すごいもの」と言われるような独創料理ばかりつくって材料を無駄にしてしまう。



まあ確かに……ずっと居合ばっかりだったけど

◆草薙結衣(神々の悪戯)

CV.早見沙織
神話を舞台にした学園ファンタジー要するにブロッコリーソフトによる頭のおかしい『神々の悪戯』シリーズの主人公。
天空神ゼウスは問題児の神がいることに頭を悩ましており、それを解決させるために「箱庭」と呼ばれる学校を作り更生させようとしていた。何かがおかしいがいつものブロッコリーソフトである。そして彼らに「神と人間のつながり」を学ばせるため人間代表として「箱庭」に彼女を召喚した。しかも更生失敗したら元の世界に帰れないらしい。つまり結衣ちゃんは完全なとばっちりである。
紫色の髪の毛に丸い瞳が特徴的。何気によくわからない髪形をしている。
進路に悩む普通の女子高生だった(過去形)。実家が神社であり、居合道を習っている。そのためか少し古風で真面目な性格で、恋愛ごとについては少し疎い。「箱庭」に呼ばれてからしばらくは戸惑っていたが、結局腹を括って神たちを更生させる手伝いを始めた。
ルートによっては彼女も神になる。



「私は、はやく大人になりたいの」

◆九楼撫子(CLOCK ZERO)

現実と荒廃した夢の世界を行き来するセカイ系作品『CLOCK ZERO』の12歳の主人公。
なんと小学生であるので主人公としては乙女ゲームどころか恋愛ゲームでもぶっちぎりの最年少である。つまりロリ。
九楼財閥の令嬢。一見令嬢らしく物静かでクールなお嬢様。容姿も非常に整っており乙女ゲーム主人公の中でも特に上品。
しかし実際はいわゆる小六病であり、子ども扱いされることを嫌っている。口癖は「早く大人になりたい」で言動は極端に大人びている。趣味が読書と勉強な辺り筋金入りである。そのためクラスでは若干浮いている。
しかしまだ12歳の子どもであるため根は負けず嫌いで意地っ張りなツンデレ。甘いものに目がなかったり、意外と怖がりだったりと案外年相応な子供っぽいところもある。また予想外の出来事には弱く、周りの男子たちがバカをやるとキャラを忘れて盛大なツッコミをするという面も。



これで恋愛フラグが立ったと思ったら大間違いよ!

◆アスパシア(デザートキングダム)

アラビアンファンタジーとメタ発言とギャグの混じった『デザートキングダム』の主人公。乙女ゲームにしては珍しく等身低めのキャラデザ。
魔人の王国の姫として暮らしていたが、15歳になったある日突如魔法が使えなくなり、父親から自分が人間と魔人のハーフであると伝えられる。こうして人間になり下がった彼女は魔人にもどるため、人間界で魔力を集めることになった。
ガサツでなんでも直球で喋る少女。よく言えば正直、悪く言えば一言多い性格。思ったことをためらわず口にできる姿はある意味清々しい。というか公式サイトにも「お嬢様ゆえに意のままでわがままで、おしとやかでもなく、上品でもない」と書かれてしまっている。ひでえ。まあ「でもそこが彼女のチャームポイント」と続くわけだが。
こんな彼女だが、恋人の願いと自分の願いを叶えるのはどちらかしかできないという制約に苦しめられることとなる。



……私は殺さない

◆ノワール(アーメン・ノワール)

貧富が明確に分かれたディストピア『メビウス』を舞台とした『アーメン・ノワール』の主人公。
この世界にはCA(契約武具)と呼ばれる異能力があり、そこでバウンティ・ハンターをしている。記憶喪失。
小さいころから戦いの中で生きていたために感情表現をよく知らずかなりの無口で、同時にどこか無垢で子供っぽい。生きるために仕方がないと割り切っているが、心の底では戦いを嫌っている。実際不殺主義だが、殺さない理由を「殺した人間が自分の過去に繋がるかもしれないから」と偽っている。
そんな生活をしているために心を閉ざしている。実は料理の才能があるのだが、本人も気が付いていない。
纏っているコート自体が彼女の武器であり、彼女の意思に従い変幻自在に形を変える。戦闘能力はそこそこ高い。雑魚相手には無双できるが、攻略キャラたちが化け物揃いなので作中では苦戦しがち。
本作が「オトメイト一の鬱作品」と言われることもありやたらと薄幸。バッドエンドが妙に多く、乗り越えてハッピーエンドを迎えたとしてもその後恋人と共に死ぬことがほぼ確定しているという不幸少女。おそろしいことに『デザートキングダム』と脚本が同じ。
批判が多かったのか、PSP移植版では「スイートエンド」という実質的なハッピーエンドが新規で追加された。ただ今度はご都合主義な面が強くそれもそれで賛否両論。
ちなみに赤い髪に赤い瞳、さらに赤いマニキュアにフード付きの革コートという厨二な外見をしている。ただ、男たちと比べるとまだましな外見。



暗い闇夜もパパっとパッと♪

◆綾月芽衣(明治東亰恋伽)

CV.諸星すみれ
タイムスリップしてしまった主人公が明治時代で暮らす『明治東亰恋伽』シリーズの主人公。
「魂依」という幽霊を視る能力を持っており、それのせいで周囲から浮いてしまい昔から孤立していた。それゆえに人と話すことが得意ではなく、気弱な性格。好物は牛肉。
結構博識であり史実における森鴎外や菱田春草の経歴や作品について深く言うくらいならできる。頭の回転も速いらしく、咄嗟の行動で周りの人間を救ったことも少なくない。
……なのだがアニメ版ではブロッコリーソフトの悪ふざけによってかなりアホの子キャラになっている。

  • 主人公とは思えない顔芸を晒す
  • 街のど真ん中で「私を女にしてください!」と叫ぶ*6
  • 唐突にミュージカルを始める
  • 野良猫たちに名前を付ける際、全ての猫の名前を牛肉の部位にしようとする。

……これでもほんの一部である。気弱? なにそれ、美味しいの? 
顔つきも微妙に異なっており、ゲーム版ではツリ目でどこか陰のある表情をしていたが、アニメ版ではなんかアホっぽい。アホかわいい。
特に第6話で要人たちに電気の必要性を教えることになった際唐突に行ったミュージカルである『エレキテルショー』通称電気の歌は視聴者に色々な意味で大きなインパクトを残した。中の人の歌唱力が高いだけに逆にシュールである。
しかしゲーム版以上に素直で裏のない子であるため、基本的に闇の深い事情の多い野郎どもを的確に癒していった。芽衣ちゃんマジ天使
ちなみに中の人がアイカツ声優だったためか、キャラソンが2曲もある。



どんな謎だって、私が解いてみせるんだから!

◆エミリー・ホワイトリー(英国探偵ミステリア)

CV.明坂聡美(PSP版)→大下菜摘(PSV版)
19世紀末を舞台とし、有名な探偵たちの子孫と恋をするミステリー『英国探偵ミステリア』の主人公。ボイス付きである。結構ロリロリしたキャラデザ。身長155cm。
良家の娘であり、早くに両親を亡くしたために執事のペンデルトンと共に暮らしていた。ペンデルトンとしてはエミリーに立派な淑女になって欲しく教育していたが、実際のエミリーはかなりおてんばで活発な女の子であった。実際劇中でもやたら明るく、あとひとこと多い。
16歳になったある日、ヴィクトリア女王に招待されたパーティーで起きた事件を見事に解決したことで、探偵を育てるための学園であるハリントン学園へ入学することになる。


◆姫乃京子(Glass heart princess)

良家のお嬢様で充実した毎日を送っていたが、突如として『硝子の心臓症候群』を患ってしまう。心拍数が一定値を超えると死んでしまう奇病であるらしい。助かる道は少しずつ心臓を鍛えていくことだけだが、京子はスポーツ万能すぎるため今更ちょっとやそっとじゃ強くならない。そのために提案された生き延びるための唯一の手段が、恋をしてときめくことによって心臓を強くするというものだった……。
……何かがおかしいと感じるかもしれないが、とあるルートだと「地球に隕石が迫ってきたが、破壊するためのエネルギーにときめきが必要なので主人公と攻略キャラに同棲生活をしてもらう」というシナリオを真面目な顔してやるような作品なのであまり突っ込んではいけない。
本人は頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗、家柄良しでさらに超エリート校に通っているという乙女ゲーム主人公屈指のエリートキャラ。
しかも本人は優しくおしとやかで自分の家柄を鼻にかけず、誰が相手でも対等に接するという人間ができすぎた人。校内でも男女問わず人気が高く学園のマドンナと謳われている。というか本作で彼女以外の女性キャラは京子を「お姉さま」と呼ぶ後輩三人組にガチレズメイドとなんか百合度が高い気がする。
こんな彼女の唯一の弱点が恋愛沙汰に全く耐性が無いということ。良家の箱入り娘であるだけに男と接する場面が少なく、ちょっとしたことでときめいてしまう。それゆえに心臓を強くするための方法として恋愛が選ばれた。
『熱血異能部活譚 Trigger Kiss』では彼女に似ている姫野雅子というキャラクターが登場している。そっくりなのは意図的で、裏事情は製作陣のブログで明かされている。
京子のメイドである皐月はブログでよく他作品のキャラクターを呼ぶがその中でも特に雅子と仲がいい。



なんか色々変なことが起こるけど気にしない方向で!

◆小森ユイ(DIABOLIK LOVERS)

CV. 末柄里恵
吸血鬼である兄弟たちと屋敷で同棲するゴシックホラー『DIABOLIK LOVERS』シリーズの主人公。
シスターになることが夢のクリスチャン。父から貰ったロザリオをいつも大切に持っている。あと貧乳。
元気で明るい普通の女の子……のはずだが、周りの男どもが妙にキャラが強く自分勝手なところがあるためどうにも流されがちである。しかし続編以降は流石に慣れてきたのか強気に言い返すような場面も増えてきた。まあ序盤からポルターガイストを見ても「自分がちょっと変わっているだけ」で済ます程度に心臓が強い子ではあった。
ある理由から「極上の血液」を持っており、そのため図らずとも吸血鬼たちから狙われることになる。
こんなユイちゃんであるが、最大の特徴は非常にエロいことというか本作はファンから愛と親しみを込めて「中身のないエロ」と呼ばれている。吸血鬼が題材なためかアダルティなシーンが多い。首を甘噛みされて甘い吐息が漏れたり、思わず喘いでしまったりとそういうシーンには暇がない。少女漫画界には吸血鬼=エロという考えが少なからずある。


◆アル(Princess Arthur)

アーサー王伝説をモチーフにしたファンタジー『Princess Arthur』の主人公。キャラデザがかなり特殊。
ちょっと剣術の知識がある以外はただの町娘だったが、聖剣を抜いてしまったために円卓の王に選ばれてしまう。要するに女の子アーサー
素朴で心優しい普通の女の子。そのためいきなり王に選ばれ、国を守ることを強いられてしまい涙を流していた。というかよく考えるまでもなくかなり理不尽な話である。しかも一応「王」であるが自分を慕ってくれる男は特にいない。それでも「国を守る王」という自覚に少しずつ目覚めていく。
ちなみに王自ら踊り子に変装し、敵国に潜入するというツッコミどころのあるイベントが存在するのだが、その妙に色っぽい衣装が何故かCG付きであることは偶にネタにされる。というか彼女自身、やたらとCGが多いことが特徴のキャラクターである。


◆主人公(AMNESIA)

CV.名塚佳織
突如失われてしまった自分の記憶を探すサスペンス、かつヤンデレと死亡フラグが異様に多いホラー『AMNESIA』シリーズの主人公。
突然記憶喪失になってしまい、自分が女子大生であったということ以外思い出せない。記憶喪失の原因であるらしい妖精・オリオンと共に自身の記憶を取り戻そうとする。
名前が「主人公」というのはデフォルトネームが無いためそう呼ばれている。アニメ版のクレジットでも「主人公」だった。ただ流石に不便なのでファンからはパウリちゃん*7と呼ばれている。間違っても檻ガールとか呼んではいけない。
一番の特徴は名前がないこと……ではなく圧倒的なかわいさである。キャラデザである吉川真帆氏による美麗なデザインにより、非常にかわいらしい容姿をしている。別のゲームから来たんじゃね? と思ってしまうほどに可愛い。本当にかわいい
こんなかわいらしい彼女だが、それ以外は割と無個性。まあメンヘラの気があるが。ちょっとオドオドしている以外は本当に普通。強いて言うならヤンデレなど怖い男たちに囲まれているせいでやたらと死にやすい。ヘタな戦闘要素のある乙女ゲームより死ぬ



私が果たすべき使命はここにある

◆ヴィオレット(レンドフルール)

終末後の世界を描くロスト・ファンタジー『レンドフルール』の主人公。
かつて世界を救った女神の力を受け継ぐ『女神の依り代』である少女。『女神の依り代』は長いこと空席だったが、やっと現れたのが彼女である。世界を存続させるには『女神の依り代』と彼女に仕える4人の騎士が心を通わせることが必要であるが、長い間空席であったため、騎士たちはヴィオレットに心を開かなかった。
『女神の依り代』として育てられたため聡明で落ち着きのある少女。同時に文字通り箱入り娘であるために割と世間知らずで天然な一面もある。かわいい。
薄葉カゲロー氏*8の艶めかしいキャラデザのおかげで非常に美人。というかなんかエロい。


◆小川葵(夏色のモノローグ)

とある夏の日が何度も繰り返されるジュブナイル『夏色のモノローグ』の主人公。
海に近い田舎に住む女子高生。
1年ほど前に原因不明の記憶喪失になってしまい、それ以来人との交流を避けるようになっている。その後とあるきっかけで科学部に入部し、そこに居心地の良さを覚え、依頼そこを心のよりどころにしている。
ジュブナイルがテーマということもあり、非常に素朴でどこにでもいそうな女の子。そんな主人公の恋ゆえに他の乙女ゲームにはない雰囲気を感じられる。



お客さんなんて久しぶり……だと思う。こういう時はお茶を出すんだっけ?

◆イヴ(悠久のティアブレイド)

ポストアポカリプス×ロボバトルという世にも奇妙なジャンルである『悠久のティアブレイド』シリーズの主人公。
地下フィルターで3000年もの間管理AIと共に過ごしてきた古代人の少女。
外見こそ色素が薄く、はかなげな雰囲気であるが実際は野生児然とした性格。活発で体を動かすのが大好きであり、周りの男たちを困らせている。あと結構マイペース。
また人類を守るためのロボット『ティアブレイド』の起動装置である。……と言えば聞こえはいいが実際の役割は電池
彼女がティアブレイドに取り込まれ、かつイヴと心を交わした人間が操縦者になることによって初めてティアブレイドは起動する。
……というかここまで読むと薄々分かるかもしれないが、乙女ゲーム版デモンベインと言えるほど熱い展開の繰り広げられるゲームである。


◆相葉夏見(DEAR My SUN!!?ムスコ★育成★狂騒曲?)

母手ひとつで双子の息子たちを育てていくという狂ったゲームである『DEAR My SUN!!?ムスコ★育成★狂騒曲?』の主人公。人妻である。……いや、マジで。先にも後にも人妻主人公という個性を持てるのは彼女くらいだろう。*9
大学時代、教授に熱烈な告白を受け駆け落ち同然に結婚するも、その後生まれた子供は双子だった。育てるのが大変だと思っていたところ、なんと夫は突然遺跡発掘調査に旅立ってしまう。こうして彼女の子育てが始まったのだった。
彼女自身は気の強いしっかり者であるため、内心不安を覚えながらも着実に子供を育てていった。


◆久世ツグミ(ニル・アドミラリの天秤)

CV. 木村珠莉
大正時代が25年続いたパラレルワールドが舞台である『ニル・アドミラリの天秤』の主人公。
没落し続ける華族・久世家の長女。貴族然としたちょっとツンとした性格。
この世界には人に危害を加える情念の籠った本である『稀モノ』が存在し、ツグミはひょんなきっかけからそれが見えるようになってしまう。その後『稀モノ』を取り扱う組織・フクロウにスカウトされ、久世家のため働くことを決意する。
ややヤンデレ気味*10の弟がいたが、現在は『稀モノ』の邪気を直接浴びてしまったために意識不明。また小さいころからずっと弟を母親代わりに育ててきたため、世話焼きで困っている人を放っておけない優しい女の子である。



初めて来たはずなのに……ずっと前から知っていた気がするの

◆愛日梨(白と黒のアリス)

不思議の世界を舞台としたダークファンタジー『白と黒のアリス』の主人公の一人。『NORN9 ノルン+ノネット』と同じく主人公が複数いる。
現実世界(白の世界)で暮らすただの女子高生だったが、雨降る日怪しげな男に拉致連れられて、不思議の世界(黒の世界)にやって来た。とある事情により、愛日梨はこの世界のアリス(女王)に選ばれてしまったらしい。この世界は血統で地位が決まるが、彼女は最高峰である『アリスの血』を持っているとのこと。
とにかくいい子で、ピュアで天然。自分のことよりも他人を第一に考えられるいい子であり、動揺しながらもアリスとして務めようとした。天然男たらしとも言う。その姿勢のおかげか、ルナがうらやましくなるくらい攻略キャラがめんどくさいやつ揃いにもかかわらず最終的には良い関係を築いている。愛日梨ちゃんマジ天使。
しかし実はアリスの血は場合によっては暴走するものであり、バッドエンドルートでは暴走し、悪堕ちしてドS化する。踏まれたい。



「私の望みは元の世界に帰ること。ただそれだけ」

◆ルナ(白と黒のアリス)

『白と黒のアリス』のもう一人の主人公。
黒の世界で女王をやっていたが突如としてクーデターが起きたため、事態を重く見た側近たちの手により白の世界に亡命することになる。ちなみにその流れで替え玉として用意されたのが愛日梨。
クールで誰かに頼ることを嫌う負けず嫌い。同時に不器用なツンデレ。そのため白の世界ではコンビニへの生き方が分からず涙目になっていた。また責任感も強く努力家で、女王としてのプライドは高い。序盤では黒の世界に戻りたがっていた。
根は気弱な女の子だが女王として他人に素直に甘えられない自分に苦悩している。
あと若干世間知らず。無意識にかわいいことをどや顔で言ってしまう姿はかわいい。そのあと言葉の意味を理解して赤面するのは本当にかわいい。
ちなみに愛日梨とルナは対となる容姿をしており、
愛日梨は青いタレ目にブロンドヘア、青と白のエプロンドレス(いわゆるアリス服)、
ルナは赤いツリ目に黒髪、少し露出度の高い赤と黒のドレス。



全員まとめてお断りします

◆東条ヒバリ(VARIABLE BARRICADE)

CV.藤田咲
良家のお嬢様が明らかにヤバそうな男たちと結婚させられそうになる『VARIABLE BARRICADE』の主人公。フルボイス。
名門・東条家の一人娘。大人びた模範的な優等生を演じているが、実際は毒舌で非常に気の強い少女。祖父がいきなり大量の(ヤバそうな)花婿候補を差し向けてきた時も、何か狙いがあるのだと瞬時に察知し、「絶対落ちてやるものか*11と固く決意していた。ある意味乙女ゲーム主人公に向いていない人。多様化した主人公を象徴する人物かもしれない。
このハリネズミのような周囲に敵意を向ける性格から公式からは「全方位型バリケードレディ」と呼ばれている。割と常識人であるので、非常識しかいない花婿候補たちを最初は嫌っていた。
しかし心を許した相手には結構優しい。要するにツンデレツンデレお嬢様というこれまた乙女ゲーム主人公っぽくない属性である。というか公式PVに「超ツンデレ」とか書かれている。


「私に近づかないで。悪魔の餌食になりたくなかったらね」

◆マリア/メアリー・クロウ(断罪のマリア)

CV.阿澄佳奈
宗教とエクソシストを題材としたダークファンタジーである『断罪のマリア』シリーズの主人公。
花梨エンタテイメントお馴染みのフルボイス主人公にして、乙女ゲームでは何気に珍しい中学生主人公。
エクソシストでありながらウリエルという名の悪魔に憑りつかれているという異端の存在。彼女の執り行う「悪魔を使った悪魔祓い」は強い力を持つが、その反面同業者のエクソシストたちからは警戒心を持たれている。さらには呪いを受けており14歳の万聖節までに呪いを解かなければ死ぬ運命が待つという。
基本的に周囲からは洗礼名である『マリア』と呼ばれる。そのため名前変更システムが実質的に無駄になっている。*12
なお移植版が発売するまでほとんどの攻略キャラが悲恋エンドのみだったという意味では上述のノワールよりも不幸な人。



この首輪をはめたのは、誰?

◆星野市香(Collar×Malice)

CV.本渡楓(劇場版)
舞台版Cast.出口亜梨沙(-岡崎契編-)/花奈澪(-榎本峰雄編-)/小泉萌香(-笹塚尊編-)/岩田陽葵(-白石景之編-)/本西彩希帆(-柳愛時編-)
連続テロ、通称X-Day事件の起こる新宿を舞台にしたサスペンス『Collar×Malice』シリーズの主人公。
新宿署の地域課・特防に所属する21歳の女性警官。ある日、X-Day事件の首謀者を名乗る何者かに毒物の内蔵された首輪を嵌められてしまう。そして出会った事件を追う元警察官の男たちと協力し死と隣り合わせの捜査を始める。
若くして警官になるだけあり、性格は真面目で芯が強い。死が近づくこの状況でも弱音を吐くことなく事件解決に導こうとするタフガール。出来る限り悩んだりせずに自分の出来ることを探し、立ち向かっていこうとする姿はたくましいものがある。
特技は射撃と料理。料理は周囲にプロ級と呼ばれるほど高く、射撃もたとえラスボス相手でも無慈悲に無力化させる程度には技量がある。どちらも優秀なのだが、何でも優秀である弟と比べてそれしかないと劣等感を抱いている。
家では高校生になる実弟の香月と暮らしている。彼が反抗期ということもあり、仲はややぎくしゃくしている。
ファンディスクではバッドエンドルートのその後が描かれ、心を壊し闇堕ちしてテロリスト側に加担するという珍しい展開を見せた*13



はじめましてイチゴです。いらっしゃいませ

◆イチゴ(殺し屋とストロベリー)

現代日本で裏家業を生業する者たちが集まる喫茶店『月影』を舞台にしたハードボイルド『殺し屋とストロベリー』の主人公。
ジュラルミンケースに詰め込まれているというインパクトのある登場をした少女。
15歳までは表社会で生きていたが、とある組織に連れ去られ施設で実験を受けていた。その影響で喋ることができなくなってしまった。現在はスマホで筆談しコミュニケーションを取っている。
とある人間の依頼で施設から拉致され、『月影』に連れてこられ、身寄りもないためそこでウェイトレスのアルバイトとして暮らすことになった。
性格は至って真面目で礼儀正しいが、暗い過去のせいで少しふさぎ込んでいる。しかし辛い過去にけじめをつけて周囲のために頑張ろうとする健気さを見せることもある。
ゆるく二つ結びした金っぽい薄茶の髪と若干死んでいる赤い瞳で、特に目立つようなデザインでもないにもかかわらず、カズキヨネ氏の画力によってかなりかわいらしくなっている。何気に衣装のバリエーションが豊富。


◆古城史桜(D.C. Girl's Symphony)

エロゲーの金字塔『D.C. 〜ダ・カーポ〜』の乙女ゲーム版スピンオフ『D.C. Girl's Symphony』の主人公。 義之のひとつ下の後輩にあたる。
素直でおっとりとした優しい性格。そのため周囲からは天然キャラとして愛されている。少し引っ込み思案なところがあり、それが本作の物語のすべての原因ともいえる。先輩で学園のアイドルである白河ななかに憧れている。
彼女もこのシリーズの登場人物だけあって枯れない桜の木から魔法を授かっている。その内容は「触れた相手に自分の心の声が聞こえる」というもの。要するにななかの逆。小さいころ幼馴染が引越ししたときに引っ込み思案なせいで何も言えず後悔していたところにこの魔法を発現した。
……しかしメリットが薄いうえに、パニックになると触れていなくても聞こえてしまうというデメリットを持つ。枯れない桜の木は空気が読めないというのは今に始まったことではないが、流石にあんまりすぎる…。一応本人は周囲に接触恐怖症であると偽っている。
容姿は実年齢より若く見られる童顔・幼児体系。正直乙女ゲーム主人公として見ても、ダ・カーポヒロインとして見ても地味。
ただしその地味さのおかげで、美少女揃いの本家で「学園のアイドル」が死に設定になっていたななかがちゃんと美少女に見える


◆水崎舞(イケメン戦国)

普通の女の子がタイムスリップして戦国時代っぽいパラレルワールド*14に飛ばされる『イケメン戦国』シリーズの主人公。タイトルに突っ込んではいけない。
乙女ゲームでは珍しい社会人主人公。夢だったデザイナー職についに転職出来たことで京都旅行をしていたのだが、とある実験に巻き込まれ戦国時代にタイムスリップしてしまった。そして移転先がちょうど本能寺の変中だったため成り行きで信長を救う。そして彼に気に入られ、ゲン担ぎとして安土城に監禁されることになる。テンプレ過ぎるとか言わない。一応城内ではデザイナー職のスキルを活かして縫物をしている。
小森ユイほどではないがかなりのエロい目に遭わされる主人公。体を舐められたり、口移しで酒を飲ませることになったり、感じてしまったり……。おそらく創作作品で最も信長にセクハラされたキャラクターかもしれない。


◆香夜(剣が君)

3代将軍家光の治世の江戸時代を舞台とした和風ファンタジー『剣が君』の主人公。
江戸で料理茶屋を営む平凡な商家に生まれた普通の女の子。可愛らしい容姿とよく気のつく性格から、看板娘として人気がある。
容姿が瓜二つであった家光の妹久姫の身代わりとして、駿府行きの花嫁行列の花嫁役を演じさせられることになり、護衛として雇われた攻略対象6人等を伴い生まれて初めて江戸を出る。花嫁行列をきっかけに彼女の運命は大きく変わっていく。
健気で優しく料理上手で、お淑やかながらも芯は強い大和撫子。
商家の娘ながら薙刀を嗜んでおり、侍の剣への想いにも理解がある。攻略対象への愛はやや深すぎるきらいがあり、危険を顧みず身を挺して庇ったりすることも。そして、エンドによっては…。だがそこがいい。
着物の上からも膨らみが確認できる巨乳。ファンディスクではついに入浴シーンを披露。
なお、年齢設定は明らかにされていないがとあるイベントから数え年で15歳程度(満年齢13〜14歳)であると推測される。攻略対象の最年長は数え年で25歳(満年齢23〜24歳)であるからつまり…。


華雄の首、この関羽が討ち取ったわ!

◆関羽(十三支演義 ~偃月三国伝~ シリーズ)

CV.赤崎千夏(OVA)

三国志演義を題材とした乙女ゲームの主人公。歴史に聡い方ならご存じの軍神関羽をモチーフにしたキャラクター。その武名に違わず彼女も作中最強クラスの武勇を誇る。
この作品の劉備関羽張飛の桃園三兄弟は猫族(まおぞく)という人間の耳の代わりに猫の耳を持ち、通常の人間より身体能力の高い亜人族である。よって主人公の彼女もネコミミを持つ。というかこの作品の約1/4のキャラクターは猫耳。
しかし本人は家事が得意で、捨て子である自分を拾ってくれた中年のおじさん(CV.藤原啓治)と同じく親のいない何故か体と心が成長しない幼馴染の劉備(CV.石田彰)と共に3人で住み、2人の世話をするとっても健気で恋愛事には鈍感な少女。なんか属性多くない?
主人公たち猫族は人間に迫害され山奥の隠れ里に住んでいたが、反乱を起こしている黄巾党の後を追っていた曹操に見つかったことにより戦に動員され、戦うこととなる。先述の通り今まで戦とは無縁の生活をしていたため、人を斬ることに非常に強い抵抗感を感じていたが、大切な人を守るために誰かを斬る覚悟を決め、武将として成長していく。
親に捨てられ、かつ彼女しかいない人間との混血の猫族であるが故に一族の中で孤立していた。そしてそこから救い出してくれた劉備を一見過保護といえるほど溺愛し、保護している。傍から見るとやりすぎとも思えるお人好しもこの孤独感から来るものである。
よくヤバい男と女に好かれるかわいそうな子。



私は決めたんだ。この道を突き進むと

◆遮那王/源義経(ビルシャナ戦姫)


こちらは源平合戦を題材とした乙女ゲームの主人公。先述の十三支演義と同様武将が女体化した少女、源義経が主人公となる。
打倒平家の志を託され、鞍馬寺に預けられた源氏の末子。武将として生きることを望まれており、女であることを隠しながら育てられている。武にも知にも長け、民を安んじ仲間に対し身分を問わず接する侍の鑑のようなよくできた人。しかし己の性別を他人に偽っていること、いずれ故郷の鞍馬を離れ平家を倒すことを期待されていることに重圧を感じていると同時に自分がどうするべきかということを日々思い悩みながら山で修行に明け暮れていた。
物語冒頭、平教経に腕試しを理由にちょっかいをかけられたことにより共に暮らしていた幼馴染とその直前に従えた武蔵坊弁慶とともに奥州に逃げる。そしてさらなる修行を積み、兄である頼朝の蜂起に呼応し己も武将としての道を進み始める。
途中途中悩みすぎて見ているこちらが不安になるときもあるが、概ね他人のために努力を惜しまない心優しく勇ましい性格のため、プレイヤー達に愛されている主人公。めちゃめちゃかっこよくて可愛い。
えげつないストーカーに囚われて監禁されるエンドが2つもある。




これらはほんの一例で、乙女ゲームの数だけ主人公はいる。
自分にとって最もかわいい主人公の追記・修正をお願いします。


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最終更新:2024年02月11日 16:39

*1 事実近年はソシャゲなど自己投影型のゲームの方が売り上げを伸ばしている

*2 ただ作中では彼女を男だと思った人間のほうが少ない

*3 一応溶けない特殊繊維も存在し、彼女の服はそれでつくられている

*4 『黒龍の神子』は『白龍の神子』とは対になるマイナスの力を持った存在。シリーズでは主人公のライバルや友人として扱われる

*5 無印版ではやたらと声が勇ましかったが、続編ではある程度声が柔らかいものになっていた

*6 本人は至って真面目である

*7 パウリという物を壊すことが多かった物理学者の説明をされる→直後に皿を割るというコンボが由来

*8 『ワンドオブフォーチュン』や『VARIABLE BARRICADE』のキャラデザイン担当

*9 18禁乙女ゲーム『銀の冠碧の涙』の主人公も新妻である。製品版では事実婚に変更されているが、企画段階では入籍した既婚者だったという。

*10 そもそも序盤の流れがツグミが久世家のために結婚を決意→弟発狂→それに反応し稀モノ発動という流れである

*11 この言葉は本作のキャッチコピーでもある

*12 一応フォローしておくと「メアリー」は「マリア」の英語読み

*13 テロリストの首領の青年を攻略したいという声が出たための措置である

*14 本能寺の変が起こっているにもかかわらず信長が若者、家康より政宗が年上とBASARAもびっくりの改変具合