一橋大学

登録日:2020/06/20 Sat 23:59:28
更新日:2022/05/02 Mon 13:04:26
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一橋大学(ひとつばしだいがく)は、日本の国立大学である。

概要

東京都内に3つのキャンパスを有する国立大学。
メインキャンパスは国立市にある。この他、小平市と千代田区にもキャンパスが置かれている。

商法講習所および旧制東京商科大学の流れを汲む日本最古の社会科学系の総合大学であり、東京大学の文系学部や東京外国語大学とは姉妹校にある。

商学部経済学部法学部社会学部の4学部を有する。前身が商科大学であることから、商学部を看板学部としている。
経済学部は高校時代理系クラスだった人も少なくない。(そもそも経済学自体、数学と密接な関係がある学問であるため、欧米では理系扱い。)

かつて単科大学だったこともあって、学部間の壁が薄く、他学部の科目を自由に履修できたりする。また、他学部への転部も比較的しやすい。

ただし、社会科学系のみの大学ではあるが、学部によってだいぶ中身は異なる。
商学部と経済学部は第二外国語が必修でない代わりに、数学(微分法・積分法、線形代数学、確率論、統計学)をみっちり勉強させられる。数学に関しては下手な理系の学科よりも勉強しないと卒業できないのである。そのため、他学部への流出が少なくない。
法学部と社会学部は数学をそれほど履修しなくても卒業が可能だが、第二外国語の履修が必須となる。また、社会学部では体育が必修となっている。

社会科学系のみで構成されている比較的小規模な大学でありながら、文系においては東大、京大と並ぶ最高クラスの大学であり、理系の東工大と対をなす存在である。

東工大、東京外大、東京医科歯科大学とともに東京四大学連合を構成している。

2019年(令和元年)には旧帝国大学5校(東大、京大、東北大、名古屋大学、大阪大学)や東工大とともに指定国立大学法人に昇格している。文系のみの大学では唯一、一橋大学が指定国立大学法人に指定されている。
※ちなみに旧帝大のうち、北海道大学は指定国立大学法人になっていない(九州大学は2021年に昇格)。旧帝大以外だと現在は筑波大学や東京医科歯科も指定国立大学法人に昇格している。

なお校名の一橋とは前身の旧制東京商大の所在地だった神田区(現在の千代田区)一ツ橋に因むものであるが、校舎が関東大震災で甚大な被害を受けたため、現在の国立と小平に移転している。

キャンパス

国立キャンパス

一橋大学の中心となるキャンパス。大学本部所在地でもある。

4学部全てが使用する他、大学院のほとんどの専攻もここを使用する。

附属図書館もここにある。社会科学に関する本が充実している。

敷地内には歴史的建造物も多く、特に兼松講堂はクラシック音楽のコンサートにも使用される。また、映画やドラマの撮影ロケ地にも何度かなっている。

千代田キャンパス

創業の地にあるキャンパス。商学部が時々使用する他、大学院の一部専攻もここを使う。

小平国際キャンパス

国際交流に重点を置いたキャンパス。留学生のための寮もある。
放送大学の学習センターも敷地内にある。

主な出身者

  • 石原慎太郎 - 故人。作家、政治家(元東京都知事、運輸大臣)
  • 大平正芳 - 故人。政治家(元内閣総理大臣、外務大臣)
  • 君島達己 - 第5代任天堂代表取締役社長
  • 水野良樹 - いきものがかり
  • 吉住渉 - 漫画家 代表作は「ママレードボーイ」
  • 磯野長蔵 - キリンビール創業者
  • 茂木啓三郎 - キッコーマン2代目社長
  • 三木谷浩史 - 楽天会長

入学試験

入試難易度(偏差値)は非常に高く、地方旧帝大(東北大学など)の文系学部よりも高い。大手予備校でも東大、京大と並ぶ最難関級の国立大学としている。

経済学部以外は前期のみの募集である。経済学部のみ後期がある。

センター試験

国立大学の例に漏れず、センター試験が必須である。
国語(古文漢文を含む)、数学2科目、外国語(英語など)の他、地歴公民2科目と理科が必須である。
数学は1Aは必須で、2科目目はほとんどの場合は2Bを選択することとなるが、商業高校出身者向けに簿記会計または情報関係基礎も一応選択可能となっている。
地歴公民は重量科目(地理B、世界史B、日本史B、倫理政治経済)の中から2科目選択して解答する。旧帝大と同様に、軽量科目(世界史A、現代社会など)は使えない。
理科は発展科目(物理、化学、生物、地学)から1科目選択するか、基礎科目(物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎)を2科目選択する。
文系の大学であるが理科の配点が意外と大きいので注意が必要(二次試験で課されないためか?)。特に社会学部では理科がセンターの点数の半分以上を占めるほど著しい傾斜配点が設けられているので注意が必要。
英語は当然リスニングを含む。

センターと個別試験の配点比率は3:7から2:8くらい。旧帝大同様、個別試験を重視しているため、センター対策はほどほどにして早めに個別試験の対策に切り替えたい。



個別試験

二次(個別)試験では国語(古文漢文を含む)、数学、英語(リスニングあり)、地歴公民1科目が課される。

地歴公民は地理B、世界史B、地理B、日本史B、倫政の中から1科目選択する。東大文系と違って地歴は1科目で良い他、公民で代用することが可能。また、商業高校生向けにビジネス基礎という科目も用意されているが、実際には政治経済と内容的にはあまり変わらない。
国公立大学の二次試験の地歴公民全般に言えることだが、(ビジネス基礎を含め)論述問題が中心となるため、単なる暗記だけでは全く太刀打ちできない。数学などと同様に思考力を養うこと。

一橋大学の個別試験の数学の問題は国公立文系としては最難関と言われ、「東大の個別試験より難しい」とか「難関大学の理系受験生でも苦戦必至」と言われることもしばしば。
ただし文系なので3Cは無く、1A2Bで完結している。(一応念のため言っておくと、入試の段階では数学3Cが不要というだけあって、大学入学後は普通に数学3Cの知識を使う。特に商学部や経済学部では微分・積分や線形代数ができないと卒業できない。)
数学の配点は商学部および経済学部では英語と同等と非常に高くなっており、数学で勝負が決まるとっても過言ではない。
法学部はそこそこ、社会学部では低めの配点となっており、他科目で確実に高得点を取れるなら数学はある程度は手を抜くことも不可能ではない。

英語は学部を問わず配点が大きい。
国語は社会学部では比較的高めだが、それ以外の3学部では低い。

後期日程

経済学部のみ後期枠がある。
やはりセンター試験と個別試験が課されるが、前期と異なり、センターの地歴公民は1科目のみとなっている。
センターと個別試験の配点比率は2:8。

個別試験は数学と英語の2教科。
数学は1A2Bが必須で、理系向けに3Cが選択問題として用意されている。
センターで地歴公民が1科目だけというのもあって比較的理系に有利と言われる。

前期東大不合格者も流れてくるため、かなりの激戦となる。

推薦(AO)入試

英検1級などの語学系の難関資格の合格者や数学オリンピックの予選通過者には推薦入試を受験する資格が与えられる。

また、商学部では応用情報技術者試験日商簿記検定1級といったビジネス系の難関検定試験の合格者にも推薦入試の出願資格が与えられる。(応用情報技術者は社会学部でも対象資格である。)
そのため、普通科進学校の生徒だけでなく、商業高校の生徒でもAOという途で一橋大学の合格を狙うことが可能となっている。

しかしながらセンター試験はやはり必須であるため、商業高校のカリキュラムではかなり厳しくなってしまうのが現状である。

二次(個別)試験では一般入試のような学力検査は課されず、代わりに小論文と面接が課される。

フィクションにおける一橋大学

  • アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』の主人公、花(はな)が通っている大学のモデルと言われている。劇中では社会学部在籍という設定で、現実の一橋大学にも社会学部がある。
  • アニメ『NEW GAME!』において、おそらく国立キャンパスをモデルにしたであろうと思われる大学が登場する。
  • アニメ『Charlotte』では、兼松講堂らしき建物が登場する。


追記、修正お願いします。



最終更新:2022年05月02日 13:04