リンク召喚(遊戯王OCG)

登録日:2017/05/09 (火) 00:16:33
更新日:2024/01/03 Wed 10:46:05
所要時間:約 10 分で読めます





現れろ、未来を導くサーキット!


リンク召喚とは、遊戯王オフィシャルカードゲームにて、新マスタールール導入と同時に追加された、新たな召喚法。
ペンデュラム召喚以来の新たな召喚法・カード種別となる。

●目次

リンク召喚について


リンクモンスターは、デュエル開始時にはエクストラデッキに入れられる。
リンク召喚では、エクストラデッキにあるリンクモンスターを特殊召喚する。
その点では、基本的に融合召喚シンクロ召喚エクシーズ召喚と同じ。

なお、リンクモンスターの色は紺色
儀式モンスター青色と被っている?知らん、そんな事は俺の管轄外だ



召喚条件


リンクモンスターの召喚条件は、召喚するリンクモンスターのリンク数と、モンスターに記述された召喚条件、
その2つを満たしたモンスターをフィールドから墓地に送る。
リンク数は、その数を満たすモンスターの数が必要。



例えば、《電影の騎士ガイアセイバー》は、
リンク3、かつ「モンスター2体以上」が条件。

リンク数分の数のモンスター3体、
例えば《おジャマ・グリーン》《おジャマ・イエロー》《おジャマ・ブラック》の3体がフィールドに並べば、条件を満たす。

こうすると、「モンスター2体以上」という召喚条件の方が一見無意味にも思えるが、
これはリンクモンスターをリンク素材にする場合に影響する。


リンク数


リンクモンスターを他のリンクモンスターの素材にする場合、
そのリンク数分の素材数として扱うことができる。

リンク2の《プロキシー・ドラゴン》をリンク素材とする場合、
プロキシー・ドラゴン1体でリンク2分の素材扱いにできる。
扱いとしては、アドバンス召喚のダブルコストモンスターなどが近いか。

リンク3の《電影の騎士ガイアセイバー》を召喚する際には、
リンク2の《プロキシー・ドラゴン》と、《おジャマ・ブラック》で合計リンク数3という、2体の組み合わせでも召喚可能。

この時、あくまでリンク数の代わりとなるだけであって、
リンクモンスターを使う場合、素材とするモンスターとしては1体分でしかない。

よって、《電影の騎士ガイアセイバー》1体を素材に2体目のガイアセイバーを召喚しようとしても、
リンク数は満たしているが「モンスター2体以上」という条件に抵触してしまうため、召喚することはできない
逆に、ただのモンスター1体として扱うことは可能なので、
《電影の騎士ガイアセイバー》とモンスターもう1体で、リンク2の《プロキシー・ドラゴン》を召喚することもできる。


リンク素材


素材とするモンスターは、シンクロ召喚・エクシーズ召喚ではレベル条件があったが、
リンク召喚では、召喚条件に記述がなければレベルは問わない。

リンク素材モンスターが墓地に送られる際の処理は、基本的にシンクロ召喚などと同じく、フィールドから墓地へ送られた扱い。
ペンデュラムモンスターでエクストラデッキに行く場合や、マクロコスモスなどで墓地に送らず除外する場合などでも素材にできる。

またエクシーズ召喚と違い、トークンも素材に使用可能。
ただ、トークンは通常モンスター扱いなので、
《デコード・トーカー》のような「効果モンスター2体以上」といった召喚条件のリンクモンスターには使えない。
エクストラの枠さえあれば、通常モンスターから出せる効果持ちリンクモンスターを経由して展開することが可能。

ちなみに、トークンを含め、フィールドのモンスターを手軽に素材にできるようになったことから、
おジャマトリオや飛翔するGなどで相手フィールドを圧迫しても、処理されやすくなった。



召喚条件まとめ

  • リンク数の数だけフィールドにモンスターを並べる
  • リンクモンスターを使う場合、リンク数分の数の素材扱いにできる
  • 参照するのはモンスターの数だけで、レベルは関係ない
  • トークンやペンデュラムモンスターも使える

これだけでも難しい? いつもの遊戯王だ、そのうち慣れる。
とりあえず、素材の扱いはシンクロ召喚の場合と似ている。


リンクモンスターについて


リンクマーカー

◀   ▶


リンクモンスターには、カードの周囲8方向、上下左右斜めのどれかに
リンクマーカーという三角形のマークがある。

リンクマーカーの数はリンク数の分だけあり、
リンク3の《デコード・トーカー》は上向き、斜め左下向き、斜め右下向きの3つ。

リンクマーカーの指す方向にあるカードゾーンをリンク先といい、
リンク先にモンスター・魔法・罠カードがある場合、リンク状態として扱われる。
エクストラモンスターゾーンにあるリンクモンスターが、上下にリンクマーカーを指していれば、
その方向のメインモンスターゾーンがリンク先となる。
これは上向きなら相手フィールドも含む。
リンクモンスターには、このリンク先のカードを対象として発動する効果も多い。

さらに重要なのは、新マスタールールでは、
通常はエクストラデッキのモンスターはエクストラモンスターゾーンにしか召喚できないが、
このリンクマーカーの向いているメインモンスターゾーンには、追加でエクストラデッキからの召喚が可能となる。
詳しくは新マスタールール(遊戯王OCG)の項目で。
※2020年以降のマスタールールで融合・シンクロ・エクシーズについてはフリーとなったが、リンクモンスターについては変更がなく、同じ出し方となる。

また、隣接した2体のリンクモンスターのリンクマーカーで、
お互いにリンク状態となっている場合、相互リンクとして扱われ、
一部のカードの効果や、エクストラリンクといった条件に関係する。

リンクモンスターを素材にリンク召喚する場合、その素材のモンスターは一度場を離れる。
エクストラゾーンに空きがなかったり、場を離れるとリンクマーカーが向いたメインゾーンが無くなる場合はリンク召喚自体ができない。


その他の特徴



  • レベルを持たず、リンク(LINK)という数値を持つ。

2017年11月までに登場した全てのリンクモンスターはリンクマーカー数とリンク数が同期している(リンク3なら3つのリンクマーカーを持つ)。

エクシーズモンスターのランクと同じく、 レベル指定・レベルに関わる効果のカードの影響は一切受けない
儀式召喚のリリース・シンクロ召喚・エクシーズ召喚の素材利用できず、レベル自体を持たない物として扱う(レベル0として扱えない)
また、効果モンスターであっても「インフェルノイド」の召喚条件に関与しない。



  • 守備力がなく、守備表示にならない

守備力を持たない為、表側・裏側問わず守備表示にすることができず、必ず攻撃表示で特殊召喚しなければならない
横向きにするとリンクマーカーの向きが変わってしまうためと思われる。
なお、 守備力は0ではなく、元々持っていない物として扱う
ちなみに従来の守備力の記述位置にはリンク数が書いてある

攻撃力の低いリンクモンスターでも守備表示にできず、ダメージを受ける恐れがある一方で、
《皆既日食の書》や《地砕き》のような、表示形式や守備力に関する効果を持ったカードの効果を受けないというメリットにもなる。
また、《ゴヨウ・ガーディアン》や戦線復帰といった、守備表示で特殊召喚する効果で特殊召喚する事も出来ない。

《破天荒な風》等のように攻撃力と守備力を変動させる効果の対象にする事は可能であり、攻撃力のみを変動させる処理を行う事ができる。
また、おジャマカントリーのように攻守を入れ替える効果は攻撃力0に…ということはなく、効果を受けても何も起こらない。

「何?守備力を持たないなら守備力は0ではないのか!?」


影響と考察

今まで追加されたシンクロ召喚、エクシーズ召喚、ペンデュラム召喚と違い、2017-2020の新マスタールールでは多くのデッキが否応無しにリンク召喚を取り込む必要が出てきた。
新マスタールールの項も参照の事)

リンク召喚は条件を満たすモンスターを並べるという、シンクロ召喚やエクシーズ召喚に通ずるところがある。
が、よくよく考えると基本システムはかなり緩い。

シンクロ召喚と比較すると、シンクロ召喚のようにチューナーをデッキに入れる必要が無いため、デッキを選ばない。
エクシーズ召喚と比較すると、トークンも利用でき、レベルが合いにくいデッキでも採用が可能である事が相違点となる。
こう考えると、両者のいいとこ取りしたような召喚方法ともいえる。

シンクロ召喚及びエクシーズ召喚を主軸にしたデッキの場合、元からモンスターを複数展開するギミックがある事が多い為、
特殊なデッキ以外ならリンク召喚を組み込むことは可能。
というよりも、新マスタールールでは、広く利用できる召喚方法じゃないと困るのだが……。

レベルを一切参照しないためか、素材にできるカードが指定されている物が殆どである。
カテゴリ指定もあれば、効果モンスターや通常モンスターといったカードの種類の指定、さらには地属性やサイバース族等の属性や種族の指定が多い。
一方で、素材に縛りが無い《プロキシー・ドラゴン》や《セキュリティ・ドラゴン》等も登場しており、
リンクモンスターの種類が増えるにつれて、素材指定の緩いカードも増える事が予想される。
リンクモンスター個別の召喚条件(必要な枚数)も必ず満たす必要がある。

ちなみにリンクモンスターもリンク素材にできる都合上、間に別のリンクモンスターを挟めば縛りを解決できることも多い。
例えば《BF-朧影のゴウフウ》は、自己特殊召喚効果と、2体のトークンを生成する効果がある。
このトークン2体を使って、通常モンスター1体で召喚できる《リンクスパイダー》を2体出す。
すると、あら不思議。通常モンスターを素材に出来ない《デコード・トーカー》をリンク召喚できるようになりました。

トークン生成カードの価値は跳ね上がり、《スケープ・ゴート》《トーチ・ゴーレム》を投入するデッキが結果を残している。
また、リンク召喚に使われる事を警戒されてか、リンク召喚導入と前後して《BF-朧影のゴウフウ》は制限カード(後に禁止)に指定された。

基本的にマーカーの数だけモンスターをそろえなければならないので、高リンクを狙うと消費が荒くなるという欠点がある。

あるのだが、『水晶機巧-ハリファイバー』や『サモン・ソーサレス』等のリクルート効果を持ったリンクモンスターが登場してしまう。
これらを経由すれば、極論2枚のモンスターから数を増しつつ「自分+効果で特殊召喚したモンスター」でスムーズにFWDなど大型リンクモンスターが召喚できる。

特にFWDはループ向きの効果、中継ぎのリンクでリクルートできるモンスターの多彩さからさまざまなループコンボの温床になっている。

これらもリンク召喚の基本的な緩さが招いた結果といえるかもしれない。
シンクロモンスターがチューナーのリクルート効果を内蔵するようなものと思えば危険性は予想できたと思うのだが……


アニメにおいて

遊戯王VRAINSで登場。
主人公・Playmakerこと藤木遊作がハノイの騎士とのデュエルで初使用した。
続くGo鬼塚を筆頭に、その後も続々と使用者が増えている。
ハノイの騎士は遊作がリンク召喚した時には驚いていたがリンクモンスター自体は知っていたので、前作のペンデュラム召喚のように未知の召喚法という訳ではないようだ。

リンク召喚の演出は以下の通り。
例:Playmakerの《デコード・トーカー》召喚
  • リンク召喚の開始を宣言。「現れろ!未来を導くサーキット!*1
  • 空中にリンクモンスターの枠に似たゲートが出現。「アローヘッド確認!」
  • 召喚条件を確認。「召喚条件は『効果モンスター2体以上』!」
  • 素材となるモンスターがリンクマーカーの位置に飛び込んでいく。「俺は《リンク・スパイダー》と、リンク2の《ハニーボット》をリンクマーカーにセット!」「サーキットコンバイン!!」
  • リンクモンスターが特殊召喚される。「リンク召喚!リンク3、《デコード・トーカー》!」
リボルバーなどは「サーキット」に当たる部分を「未来回路」と表現しているため、口上にある「サーキット(circuit)」は電子回路の意味だろう。

また、当初は進行方向に現れたゲートに決闘者も一緒に飛び込む演出があった。
  • 進行方向に現れたゲートに、決闘者とモンスター達が飛び込む。
  • 飛び込んだ先の空間で背後に向き直り、アローヘッド確認→召喚条件確認→素材モンスターをセット。
  • リンクモンスターと共にゲートから帰還し、デュエルを続行する。
一度の決闘で何度もリンク召喚をする時は、その度に飛び上がってゲートに飛び込んでいた。
少々テンポが悪くなってしまっていたためか、監督が交代してからはこの演出はなくなった。
現在は、シンクロ召喚などに近い上記の演出になっている。

一年目最後のデュエルとなる「Playmaker vs リボルバー」(4戦目)ではリボルバーがエクストラリンクを披露。
あちらの世界ではかなり珍しいことらしく「エクストラリンク初めて見たよ」「これは友達をなくすデッキ」などと実況動画にて書き込まれていた。

さらに続く46話ではリボルバーのエクストラリンクを利用する形で、なんとPlaymaker側もエクストラリンクを披露。
敵味方関係なく互いのプレイヤーでつなぐ手段としてのエクストラリンクを見せ、勝利につなげた。その陰で一体のドラゴンが泣いた

この両者の布陣に「1年目でこんなすごい盤面出しちゃって大丈夫?」等の心配の声も。



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最終更新:2024年01月03日 10:46

*1 ここの口上は決闘者によって違う