ライオン・キング(映画)

登録日:2019/07/27 Sat 15:45:36
更新日:2024/04/03 Wed 22:34:35
所要時間:約 4 分で読めます





「今のお前は、本当のお前ではない。生きるべき世界で役目を果たせ」


ライオン・キング(原題:The Lion King)とは、ディズニーによる長編アニメーション映画作品。
日本での公開日は1994年7月23日。
ジャンルは「アドベンチャー」「ミュージカルドラマ」。
監督はロジャー・アレーズ、ロブ・ミンコフ。




概要

ディズニーが誇る傑作長編アニメで、『アラジン』と並んでディズニー・ルネサンスの成功作の一つとされる作品。
動物の王国「プライド・ランド」を舞台に、動物達を統べる王の息子として生まれたライオンのシンバが、数々の困難を経て王位を継承するまでを描いた内容となっている。

その人気の高さからミュージカル化されて、日本でも劇団四季によってロングラン上演中。更に2019年8月には実写化映画が公開されたが、厳密には実写風のフルCGアニメーション映画である。但し、1シーンの風景のみ実際にアフリカで撮影されている。
劇中に登場する言葉「ハクナ・マタタ」や、芸人の大西ライオンによるネタなどを耳にした人も多いのではないだろうか。心配ないさ~!
挿入歌「サークル・オブ・ライフ」や主題歌「愛を感じて(Can You Feel the Love Tonight)」といった劇中歌も高い人気と評価を得ている。

なお、作品のプロットや登場キャラクターなどから、故・手塚治虫の代表作である『ジャングル大帝』の盗作疑惑がアメリカ本国のファンやマスコミから指摘される事態が過去に発生している。
これについてディズニー側は『ジャングル大帝』のことを知らず、似ているのは偶然の一致に過ぎないと反論した(しかし、後に主要スタッフ8人の内3人が『ジャングル大帝』の存在を知っていたことが判明)。
最終的に手塚プロダクション側が「もし手塚本人が生きていたら、自分の作品がディズニーに影響を与えたというのなら光栄だと語っただろう*1」という趣旨の声明を出したことにより(手塚プロがディズニーバッシングに加担するわけにはいかなかったのもあるが)、この問題も収束している(ちなみに手塚の長女である手塚るみ子氏が、2002年に交友のある田中圭一が出した『田中圭一最低漫画全集 神罰』の帯文に「ライオンキングは許せても 田中圭一は 許せません!!」と言うジョークが混じったネタを寄稿したのはあまりにも有名。)。


『ジャングル大帝』と『ライオン・キング』の最大の違いとして、『ライオン・キング』には人間が一切登場しない

後に続編である『ライオン・キング2』(シンバの娘、キアラが主役)や『ライオン・キング3』(ティモンとプンバァが主役)が製作されている。
また、ティモンとプンバァを主役にしたスピンオフ作品『ライオン・キングのティモンとプンバァ』や、シンバとナラの息子・キアラの弟カイオンを主役にしたスピンオフ作品『ライオン・ガード』も製作されている。
現在に至るまで様々なメディアで展開されているのもディズニーヒット作の宿命ではあるが、スピンオフと舞台版、実写版の間では所々設定が異なっている。


登場キャラクター

  • シンバ(声:マシュー・ブロデリック/歌:ジョセフ・ウィリアムズ/吹替え:宮本充
  • シンバ(子供時代)(声:ジョナサン・テイラー・トーマス/歌:ジェイソン・ウィーバー/吹替え:中崎達也)
本作の主人公。土屋神葉でも大西ライオンでもない。
プライド・ランドの王ムファサの息子として生まれた雄ライオン。一人称は子供時代は「僕」で、大人時代は場面によって「俺」と使い分けている。
子供時代はやんちゃかつ、様々なことに興味を示す好奇心旺盛な性格。自身の存在を疎ましく思っている叔父のスカーに対しては、両親と同様に慕い懐いていた。

映画中盤辺りでスカーの陰謀によって父ムファサを殺害され、「父が死んだのは自分のせい」と自責の念を感じてしまい、
スカーが仇であることを知らぬままプライド・ランドを追われる。
その後はティモンやプンバァと出会い、彼等と共に過ごす中で立派なライオンに成長する。
一方で父の死に関する過去を忘れられずに苦悩していたが……。

名前はスワヒリ語で「ライオン」を意味する。

  • ムファサ(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ/吹替え:大和田伸也)
シンバの父で、動物の王国プライド・ランドを統治している偉大な王。
息子であるシンバには深い愛情を注いでおり、同時にプライド・ランドの王として必要な教えを説いていた。
一方で弟であるスカーとの仲はあまり良いものとはいえず、最終的にヌーの暴走を引き起こしたスカーの策略によって殺害されてしまう。
だが死してなおシンバの前に幻影として現れ、己の運命に悩む息子を導く。

実写版では人間が登場しない面でキャスティングの制約が無かったものの、多数のキャストがオリジナルのアニメ版から変更となったが、
ムファサに関してはジェームズ・アール・ジョーンズが引き続き担当。
それに合わせて各国の吹き替え版でも日本語版の大和田伸也やフランス語版のジャン・レノといった当時の声優陣が演じる事になった。

  • ナラ(声:モイラ・ケリー/歌:サリー・ドウォルスキー/吹替え:華村りこ)
  • ナラ(子供時代)(声:ニキータ・カラム/歌:ローラ・ ウィリアムズ/吹替え:山本純子)
本作のヒロインで、シンバの幼馴染である雌ライオン。
子供時代はシンバの一番の親友で、二匹で仲良く遊んでいた模様。シンバ同様に好奇心旺盛で、それが災いしてシンバ共々ハイエナの餌食になりかけた。
成長後はスカーやハイエナに乗っ取られたプライド・ランドの危機を救うべく、助けを求めて国を出た。
中盤、シンバと再会を果たし、彼にプライド・ランドに帰るように説得する。

名前はスワヒリ語で「贈り物」を意味する。

  • ティモン(声:ネイサン・レイン/吹替え:三ツ矢雄二
プライド・ランドを追われたシンバを助けたミーアキャット。虫が好物。
相棒のプンバァと一緒に砂漠のオアシスに住んでおり、本作のムードメーカー的存在。
性格は非常に陽気でお調子者だが、シンバが大人になるまで子育てに励むなど、面倒見の良い面もある。
「ハクナ・マタタ(スワヒリ語で「くよくよするな」の意)」をモットーとしている。

  • プンバァ(声:アーニー・サベラ/吹替え:小林アトム)
プライド・ランドを追われたシンバを助けたイボイノシシ。ティモン同様に虫が好物で、勢いよくがっつく。
ティモンと一緒に砂漠のオアシスに住んでおり、同じく本作のムードメーカー的存在。
性格は基本的に呑気だが、「ブタ」と呼ばれると激怒する。
体臭やおならの臭いが酷く、群れから追い出された過去を持つ。

名前はスワヒリ語で「にぶい」を意味する。
とはいえ実際のイボイノシシは言う程愚鈍ではないが…。

  • サラビ(声:マッジ・シンクレア/吹替え:北浜晴子)
シンバの母で、ムファサの妻。
中盤で夫と息子の死に悲しむが、終盤成長して帰って来たシンバと再会する。

名前はスワヒリ語で「蜃気楼」を意味する。

  • ザズー(声:ローワン・アトキンソン/吹替え:梅津秀行
プライド・ランドの王に仕える執事で、アカハシコサイチョウという鳥。
子供時代のシンバやナラの面倒を見ており、シンバの狩りの練習相手になるようムファサに指示されるなど、結構な苦労人。

  • ラフィキ(声:ロバート・ギローム/吹替え:槐柳二)
プライド・ランドの呪術師である老いたヒヒ。
王の最初の子供の誕生の儀式では欠かせない重要な存在で、ムファサとは親友のような様子が見られた。
過去のことを引きずって苦悩するシンバを導き、シンバがプライド・ランドに帰るきっかけを作った。
続編である『3』では、ラフィキがティモンとプンバァに「ハクナ・マタタ」を教えた設定となっている。

名前はスワヒリ語で「友」を意味する。

  • スカー(声:ジェレミー・アイアンズ/吹替え:壤晴彦)
本作の悪役(ディズニーヴィラン)。ムファサの弟で、シンバの叔父。某錬金術師同名キャラクターは関係ない。
黒いたてがみ、焦げ茶色の体色、痩躯、緑色の瞳(嫉妬・憎しみの象徴)、そして名前の由来である左目の傷……と、
他のライオンと比べて異質かつ、一目で悪役と分かる外見が特徴。

本来ムファサの次に王位を継ぐはずだったが、シンバの誕生によって王位継承権がシンバに移ったことを妬み、密かにハイエナと手を組み、現国王であるムファサと次国王であるシンバの抹殺を企む。
中盤、ヌーの暴走に乗じてムファサを殺害し、シンバもプライド・ランドから追放することに成功。
以降はプライド・ランドを支配し、美しかった王国を瞬く間に荒廃させた。

陰険かつ狡猾な性格だが、どこか気品や色気を感じる喋り方や仕草が印象に残る敵であり、ディズニーヴィランの中でも特に人気が高い。
なお気取った言い回しを表現するためか、原語版ではイギリス訛りで話す。

実は「スカー」という名は本人が名乗っている偽名で、本名は「タカ」という。ライオンだけど。
「タカ」はスワヒリ語で「汚れ」「欲望」を意味する。

1994年のアニメ版では、実はムファサと血縁が無い疑惑の台詞がある。

  • シェンジ(声:ウーピー・ゴールドバーグ/吹替え:片岡富枝)
スカーの仲間であるハイエナの一匹であり、リーダー格。性別は雌。
粗野ではあるが、バンザイやエドに比べると幾分か常識がある模様。
実際にハイエナは雌の地位が高い

名前はスワヒリ語で「獰猛」を意味する。
「ハイエナ=ライオンの獲物を掠め取ってばかりの卑怯者」というイメージはある意味本作で出来上がったものと言えるが、実際のハイエナは非常に狩りが上手く、さらに集団行動を得意とするだけに知能も高い。
スカーが彼らのご機嫌取りをしていたのもむべるかな。

  • バンザイ(声:チーチ・マリン/吹替え:樋浦勉)
スカーの仲間であるハイエナの一匹。眉毛が太く、短気な性格をしている。

名前はスワヒリ語で「こそこそする」を意味する。
「万歳」ではないが日本語版では「バンザーイ!」と叫ぶ。

  • エド(声:ジム・カミングス/吹替え:原語版流用)
スカーの仲間であるハイエナの一匹。イッちゃったような眼付が特徴で、上記の2匹と違い喋らない。

  • プライド・ランドの動物達
ヌーやゾウ、シマウマ、アンテロープ、フラミンゴといったプライド・ランドの住人兼王族たるライオンの食事である様々な動物達。



追記・修正はプライド・ランドの王になってからお願いします。


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最終更新:2024年04月03日 22:34

*1 手塚治虫自身が「ディズニー狂」を自称する程に幼少の頃からディズニーファンだった事による。