ベロクロン

登録日:2010/11/26 Fri 12:31:55
更新日:2024/03/27 Wed 00:54:22
所要時間:約 4 分で読めます






行けぇ!ベロクロン!!
恐れを知らぬ地球の者共に、

我ら異次元人の悪魔の力を見せてやるのだ!!



ベロクロンとは、『ウルトラマンA』を始めとするウルトラシリーズに登場する超獣である。

我々地球人の前にその姿を現した記念すべき最初の超獣であり、
巨大な生物である「怪獣」ではなく、かといって機械の塊である「ロボット」でもない、生物と兵器が融合した異形である「超獣」という全く新しい概念を強く印象付け、少年の心を強く掴んだ名怪獣……否、名超獣である。

デザイナー:井口昭彦



データ

別名:ミサイル超獣
身長:55m
体重:4万4440t


概要

異次元人 ヤプールが宇宙怪獣と珊瑚を合体させた超獣第1号。
体中の赤い突起物はミサイル発射管であり、全身をほぼくまなく武装した戦闘生物。
体色は黒と赤の鮮烈なツートンカラーで子供が怪獣を描く際に行いがちな「やたらゴテゴテした突起」というデザインを敢えて採用。
その容姿、能力共に「超獣の中の超獣」というべき存在であり、「超獣」のなんたるかを定義した超獣である。

『A』は、その後も超獣という概念の新しさを証明する超獣を次々と生み出した。
第3話では空をガラスのように叩き割る一角超獣バキシムが超獣の異次元性を強く印象づけ、
第8話では怪獣ムルチを絹の様に引き裂く蛾超獣ドラゴリーが超獣が怪獣を上回る存在である事を証明した。
だが、超獣というインパクトを1年間持続する事は難しく、徐々に超獣はそのカリスマ性を失ってゆく。
結局「超獣」の概念は『A』一作品で消えてしまい、「超獣」=『A』という、良くも悪くも『A』の独自性を浮き彫りにする結果となった。

平成期に入り主人であるヤプールが後続のシリーズ作品に再登場すると同時に、超獣も改めて日の目を見るようになる。
中でもベロクロンは再登場の機会に恵まれており、『ウルトラマンメビウス』で新たに着ぐるみが新造されると『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』までバキシムやドラゴリーと共に超獣代表として登場し、その地位を確立していく。


戦闘能力

主な攻撃手段として、
  • 口から1億度(「100万度」という説もあり)の高熱火炎
  • 上半身から大量に生えた突起物から放つミサイル
  • 口内の2連装ミサイルランチャー
  • 手から放つ金縛り光線「テリブルハンドリング」
  • 手から放つ三日月状の破壊光線「テリブルスラッシュ」
  • 強酸性の唾液
……を備えた全身これ兵器という、正に生ける要塞と言うべき超獣。
ウルトラマンタロウ第40話では「攻撃力は原爆の何倍にも及び、放っておけば日本中が灰になっていた」とまで言わしめた。

ヤプール的にも豊富な攻撃手段と純粋に高い火力を持つベロクロンは白眉の出来だったのか、
後のシリーズでベロクロンがよく再登場するのは『ウルトラマン列伝』でのゾフィーの台詞によると、「ヤプールが絶対の信頼を置いている」のが理由らしい。その割にはいつも倒されるけどね。

口の中を攻撃されて体内の高圧電気胃袋に攻撃が届くと、内部で自爆が起こり、しばらく動きが止まるのが弱点


主な活躍

ウルトラマンA

◇ベロクロン(初代)

第1話「輝け!ウルトラ5兄弟」に登場。

オープニング直後、いきなり真っ赤に充血した目玉をお茶の間に見せつけて広島県福山市に出現。
高熱火炎で主に工業地帯を蹂躙しつつ、まだパン屋で働いていた北斗星司の運転するトラックを破壊する(北斗は無事)。

迎撃に現れた地球防衛軍の戦闘機部隊を体中の全身から発射するミサイルと高熱火炎、そして口内の強力ミサイルで全滅させ、その後も福山市内を蹂躙し続け聖エリザベス・ホームに侵攻。
逃げ惑う人々を嘲笑うように施設を破壊する姿は正に悪鬼である。

その一方で北斗のタンクローリーによる特攻で気が動転したのか、慌てて異次元空間に逃げ込む一面もある。

地球防衛軍全滅を受けて結成されたTACの調査によって初めて「怪獣を超える生物」として『超獣』の名称が与えられる。

一方、TACの通信網の要が東京タワーだと突き止めたヤプールは東京にベロクロンを送り込む。
東京においても東京タワーを腕の怪力を使った揺すりで倒壊させ、迎撃に出たTACの戦闘機を撃墜して返り討ちにする活躍を見せる。
その後現れたウルトラマンエースと戦闘になり、金縛り光線で拘束→カラータイマー直下を両手からのレーザー攻撃や格闘等で追いつめるが、
最期はパンチレーザーで口を攻撃され、怯んだ所に立て続けに放たれたメタリウム光線が頭に直撃し、果てた。
その際小学校を巻き込みながら倒れたのだが、気にしてはいけない……はず。

企画当初は広島市に出現して原爆ドームを破壊する予定だったのは有名(一部のスチール写真などで確認できる事から、撮影自体はされていた模様)。
しかし、最終的に被爆者の方々への配慮として没になり、福山市に変更になったとの事。


ベロクロン二世

第48話「ベロクロンの復讐」に登場。

歯科医に化けた女ヤプールが地獄から連れてきた新たなベロクロン。
だが、初代と全然似てない。北斗からも「ベロクロンそっくりの超獣」と別物扱い。
後述する『タロウ』に登場した個体がベロクロン三世(三代目)ではないので、この二世とは「二代目」ではなく、改良型とかMK-2的な意味なのかもしれない。
着ぐるみはマッハレスの改造。初代と似ていないのはそのためで、黒目がある他長い尻尾を持つ。

女ヤプールが北斗に虫歯の治療に見せかけて幻覚装置を埋め込み、一度ベロクロンの幻を見せて彼の信頼を失わせたところで本物を出現させ、北斗がよく分からぬうちに殺そうとした。
初代の弱点は改良されており、口の中を攻撃されても平気になった。
エースと相撲を取ったりとコミカルな面もあるが、油断したエースに何でも溶解する毒液「ベロクロ液」を泡状にして噴射し、苦しめた。
最期は頭の角を折られ、その角を胸に突き刺されて倒された。

内山まもる氏による漫画版ではラスボスとして登場し、「最後の敵が最初の超獣とはな」と北斗に感慨深い台詞を言わせた(デザインは初代ベロクロンそのまま)。
ベロクロンと2度目の対決に往く直前、北斗は梅津ダンに2つのウルトラリングを授けており、ベロクロンを倒した後光の国へ帰還している。

ちなみに、北斗の虫歯治療はマンガ作品の『疾風ウルトラ忍法帖』や『ウルトラマン超闘士激伝』で、「エースの虫歯」という形でネタにされている。
前者は本当に虫歯なのだが、後者はQという名の女ヤプールに相当するキャラが、自分達の正体に気付きそうになったエースに「虫歯の治療」をする事によって追求を避けている。


ウルトラマンタロウ

改造ベロクロン二世

第30話「逆襲!怪獣軍団」に登場。
エースに敗れたべロクロン二世がヤプールにより改造された姿で、改造ベムスターや改造サボテンダーと同じく改造巨大ヤプールが召喚した。

設定上は二世時より火炎、ミサイル、ベロクロ液、鼻の角からの光線発射能力がパワーアップしているが、
登場と同時にやる気満々のZATにいいように集中攻撃され、見せ場どころかロクな攻撃すら出来ないままあっさり敗退した。
タロウに至っては、サボテンダーと交戦中だった為に見向きもされていない

後に『ウルトラマンレオ』第12話「冒険野郎が来た!」にて、改造サボテンダーと共に遊園地内で展示されている姿が確認できる。
扱いは悪かったが、昭和ウルトラシリーズの超獣はベロクロンに始まり、ベロクロンに終わったのである。

ゲームロストヒーローズ』では再現シナリオとして中ボスで登場。設定のみに終わった武器も初披露された。

ちなみに着ぐるみはマッハレスを改造したべロクロン二世を一部改修したものだが、本エピソードまでにアトラクション用として使い回された結果、劣化が目立つ羽目に……
また、改造サボテンダー共々テロップが完成した後に登場が決まった為、OPには記載されていない。


ウルトラマンメビウス

第26話「明日への飛翔」に登場。
ヤプールの怨念と共に空を割って現れたベロクロンの別個体。
本作以降、特筆がない限り基本的に初代と同じ姿形のベロクロンが登場する。

ヤプールの異次元ゲート防衛のために出現。
出撃したガンウインガー・ガンローダーに画面一杯のミサイルを放ち、板野サーカスを演出して見せた。

フェニックスネストを撃墜しようとするもウルトラマンメビウスに迎撃され、
最期はウインガー・ローダー・ブースターの3機合体機・ガンフェニックストライカーの「インビンシブルフェニックス」とメビウスの「メビュームシュート」を喰らい大爆発を起こした。

初代とは細部が微妙に異なっており、もはや間違い探しレベル。


『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』

第11話「ウルトラマン」に登場。

「怪獣が寄り付かない安全地帯」であるはずのヴィンセント島に初上陸してしまった最初の怪物。
レイゴモラと激闘を繰り広げる最中、ドラゴリーが援軍として駆け付ける。
その後レイはエレキングも召喚し、怪獣vs超獣のドリームタッグマッチとなるが、最終的に怪獣コンビに軍配が上がる。

だがこの戦いの後、レイ達ZAP SPACYのクルーはアトウから島に怪獣が上陸した原因だと疑われる羽目になった。


『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS NEO』

惑星ハマーに大量に生息していたのだが、ヴィットリオに虐殺された結果、1体だけに。
その後はヴィットリオの手持ちとして登場する。


ウルトラマンサーガ

ディレクターズカット版にてバット星人が率いる怪獣兵器の一体として登場(正確には超獣兵器と言ったところか)。
バードンアントラーキングパンドンブラックキングタイラントと共にタロウを除く初代ウルトラマンウルトラマンレオまでのウルトラ兄弟達と交戦。
もちろんと言うべきかベロクロンはエースと戦い、最期はメタリウム光線であっさり倒された。


大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア

1stシーズンのラスボスとしてのプラズマソウルを持つプラズマ怪獣化した個体が登場。
ラッシュハンターズを苦しめたが、「バーサク」を発動させたマグママスター・マグナに口の中にミサイルを投げ返されて倒され、星を丸ごと破壊する規模で爆散。
プラズマキラーザウルス封印が解かれた。

ゲーム版では4弾からステージの裏ボスとして登場。
登場演出ではなんとあのガタノゾーアを一撃で蹴散らしてしまう。


ウルトラマンギンガS

第10話「未来への聖剣」にて、ダークルギエルに封印されたスパークドールズの姿で登場。
地球侵略を企むチブル星人エクセラー配下のガッツ星人ボルストがモンスライブする形で実体化した。
同じくボルスト(分身)がモンスライブするドラゴリーとのタッグでウルトラマンビクトリーウルトラマンギンガストリウムを追い詰める。
しかし、トドメとして発射したミサイルバーストはシェパードン自らの命と引き換えに防ぎ、最期はシェパードンセイバーで切断されて倒されてしまった。


『ウルトラファイトビクトリー』

上記のスパークドールズがルギエルのに際し、解放された姿で登場。
バキシム、ドラゴリーと共に惑星グアでレオ&アストラを迎え撃った。
しかし、合流したエースには全て弾幕を躱されてしまい、最期はバーチカルギロチンで両断されて大爆発した。


ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA

クグツベロクロン

第5~7話に登場。

宇宙悪魔ベゼルブのクグツ毒によって操られたベロクロンで、胸元にクグツ特有の痣があるのが特徴。
王立惑星カノンの軌道上でクグツバキシムと共にウルトラマンコスモスを迎撃しようとするも失敗。
地上に降りて暴れ回り、駆け付けたウルトラマンオーブウルトラマンダイナ、コスモスと交戦。
結局は倒されずにサイキに回収され、その後は登場しなかった。
サイキがヤプールの生物兵器である超獣をどうやって捕獲したのかは不明。


ウルトラ怪獣擬人化計画

KADOKAWA版の2017年11月度ラインナップとして発表された。イラスト担当は活断層氏。


余談

特徴的なベロクロンの鳴き声は、実はラドン鳴き声を加工したもの
ラドンの鳴き声を少し早回しにし、後半部分を抜き出すとベロクロンの鳴き声となる。



全身からミサイルを発射できる方は追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年03月27日 00:54