ピーター・ペティグリュー

登録日:2024/01/22 Mon 13:43:37
更新日:2024/02/01 Thu 15:40:45
所要時間:約 8 分で読めます








ピーター・ペティグリュー(Peter Pettigrew)は、小説『ハリー・ポッターシリーズ』に登場する魔法使い。


演:ティモシー・スポール
日本語吹き替え茶風林


別名は『ワームテール(Wormtail)』。
学生時代のあだ名で作中ではこの名前で呼ばれる事が多い。

事実上の初登場は第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』。*1

1960年生まれ。
学生時代に主人公・ハリー・ポッターの実父ジェームズ・ポッターやアズカバンの殺人鬼であるシリウス・ブラック、ハリーの3年時の事実上の師匠であるリーマス・ルーピンと親友グループの一員(通称「マローダーズ」)であり、ジェームズやシリウスの腰巾着的なポジションだった。

1981年、シリウスがポッター一家を裏切りヴォルデモート卿に差し出したと知った彼は単身で彼を追いかける。
しかしシリウスはピーターめがけて大爆発の呪文を起こし、周囲にいた無関係なマグル12人と共に爆殺してしまった。
現場には水道管まで破壊する巨大なクレーターが残り、ピーターの遺骸は右手の人差し指1本しか残らなかった模様。

その勇気を讃え、英雄としてマーリン勲章を授与されというのが長らく思われていた事実だった。
しかしある日、ハリーはフレッド&ジョージ・ウィーズリーより譲られた「忍びの地図」上にその名前を目撃し……?









以下ネタバレ








●目次









「わたしは怖かった! シリウス、わたしは、きみやリーマスやジェームズのように勇敢ではなかった……」



【真相】

ピーター・ペティグリューは死喰い人の一人であり、ピーターこそがポッター一家を裏切った密告者である。

元々はアルバス・ダンブルドア率いる不死鳥の騎士団の一員であったが、
途中から恐怖や脅迫によりヴォルデモート卿に屈し、死喰い人側のスパイとして騎士団の情報をヴォルデモート側に流していた。
なお原作全7巻ではっきり確認された唯一のグリフィンドール出身の死喰い人である(他の死喰い人に出身が不明な人物は多いので、あくまで「確認された限り」である)。

ポッター夫妻の隠遁に際し、行き先を「忠誠の術/秘密の守人」*2で隠蔽することが決まる。
当初はダンブルドアが秘密の守人に立候補するが、シリウスは自らが秘密の守人になると主張し、ダンブルドアも了承する。これには、当時ダンブルドアの周囲で情報漏洩が起きていたことも関与している。
ここでシリウスは一計を案じた。ポッター夫妻が守人に選ぶ第一候補は無二の親友シリウスだろうと敵陣営も考えるはず、ならば「自分が囮になって真の守人を隠せばより安全だろう」と。そしてシリウスが白羽の矢を立てたのがマローダーズの一員であるワームテールだった。
もちろん、シリウスはピーターの囮でもある。
この作戦をポッター夫妻も了承し、ピーターが秘密の守人となる。

しかしピーターは、この任務を受けるよりすでに一年も前から死喰い人だった。
彼はたちまちヴォルデモートにポッター一家の居場所を密告し、ハロウィンの惨劇とヴォルデモートの破滅という、魔法界にとっての大きな転換点となる事件が起きてしまう。

その後、全ての事情を察したシリウスにより追いつめられたピーターだが、
ピーターはマグルがひしめく上に出ると大声で「シリウスがジェームズとリリーを裏切った!」とわざと大声で叫び、
続いて魔法で大爆発を起こし、爆煙によって自分の姿を隠すとともに、学生時代に習得した未登録「動物もどき」の術を利用してネズミの姿に変身、大爆発の呪文で地中から露出させた水道管に飛び込み姿を消したのである。
さらに丁寧に、指を一本だけちぎって死を偽装する。
この爆発で巻き込まれて死亡した12人のマグルは、なんの関係もなく、ただそこにいただけの人たちであった。
シリウスはピーターが罪を恐れて自害したと思ったようで、また魔法省はシリウスを犯人と誤認したまま逮捕。
「名誉の戦死」を遂げたピーターは英雄として表彰されたのである。

しかし、それで魔法省の捜査は振り切ったものの、今度は別の懸念を解消する必要ができた。
死喰い人の生き残りは「主君はポッター家に赴いて破滅した」ということから「ピーターが主君を罠に填めて破滅させた」と疑っており、命を狙われていた。ほとんどは逮捕または死亡したが、ルシウス・マルフォイを筆頭に捕まらなかった者たちはいる。
また、いつまでも野良のドブネズミとして配水管の中で生きていたくはない。
ネズミの姿や死んだことになっている元の身柄では難しい、情報収集もしたい。
そこで貧しいながらも魔法界の名門ウィーズリー一族に入り込み、兄弟のペットのネズミ『スキャバーズ』として10年以上も潜伏。丸々と肥満できるほどの生活を送っていた。
当初はパーシーのペットだったが、お下がりとして後にロンのペットとなる。

後にハリーとロンが親友同士になり、ハリーとも3年時までホグワーツのグリフィンドール男子寮で生活していたが、ハリーに危害を加えることは一切しなかった。
これについては、
  • ダンブルドアのお膝元であるホグワーツでハリーに手を出すのは危険が大きすぎる
  • ヴォルデモートが復活するかも分からないのに、ハリーに手を出す意味がない
と言う理由もあった。
同時に、もしヴォルデモートが蘇った後なら、すぐにでもハリーを襲える場所をキープしておきたい、と言う計算もあった模様。
そうすれば死喰い人たちは、ピーターの罠でヴォルデモートが破滅したとは思わなくなる。
ヴォルデモートが復活しようがしまいが、どっちに転んでも自分の身は守れる計算である。


【活躍】

1巻『賢者の石』

ピーター本人の姿は登場しないが、ネズミの姿、スキャバーズとしては登場している。
ハリーとロンがホグワーツ特急で意気投合し友人となり、ピーター側からすればハリーの顔を見たのはこの時が始めてだったと思われる。
特に何もすることはなかったが、ドラコ・マルフォイがハリーの両親を侮辱した際には、マルフォイの取り巻きのグレゴリー・ゴイルに噛み付いている。
これは裏切ったとはいえ、ポッター夫妻への未練が全く無い訳ではない事の証拠ともとれる。もちろん、自分がへばり付いて食べていた蛙チョコにゴイルが手を伸ばしてきたので握られるかと慌てた、と言うだけかも知れないが。

一方、ヴォルデモートが賢者の石を狙っているという話は聞いていたはずだが、まったく動かなかった。
実のところ、ヴォルデモートを復活させる積極的な意欲も彼にはなかったと思われる。


2巻『秘密の部屋』

これという活躍はなし。


3巻『アズカバンの囚人』

「ハリー……ジェームズならわたしに情けをかけてくれただろう……」

本編に本格的に絡み始めるのはこの巻から。
ウィーズリー一家のエジプト旅行がきっかけで日刊予言者新聞にピーターの姿が新聞に掲載され、事態は動き始める。
当時アズカバンの視察に来ていた魔法大臣コーネリウス・ファッジから件の新聞をたまたま貰ったシリウス。当然シリウスは写真のネズミこそがピーターだと一発で気づく。
(ただ単に「ネズミ」と言うだけならいくら彼でも見分けられないが、右の人差し指がないと言うことで気づけた)
ピーターがロンのペットとして生きている、すなわちハリーのいるホグワーツにピーターが潜伏している事を悟ったシリウスは彼の意図を読み、ハリーの防衛とピーターの始末のため、脱獄する。

ピーターも「シリウス脱獄」のニュースを聞くと自身を始末するためだと悟り、そのストレスで衰弱してやせ細っていた。
丁度この年にハーマイオニー・グレンジャーが飼い始めたネコのクルックシャンクスにも、ただのネズミではなく人間である事を初見で見破られて頻繁に襲いかかられる。
なおクルックシャンクスが見破ったのは、ニーズルという特殊な生物の血を引いてる為通常の猫とは比べ物にならないくらい知能が高かったため。
そんなこんなでロンの元から脱走を試みる回数が多くなってロンの手を焼かせ、またクルックシャンクスがスキャバーズ衰弱の原因と考えたロンとハーマイオニーの関係も悪化していた。
まあピーターの視点からすれば、クルックシャンクスに食われる恐怖も事実として存在していただろうが。


一方、同時に教師としてホグワーツに赴任していたもう一人の旧友リーマス・ルーピンも彼の生存を知る。
彼はハリーから「忍びの地図」を没収し、その後ハリー同様に地図上にピーターの名前を目撃したことでピーターの生存を確信。
これがきっかけで、叫びの屋敷で再会したシリウスとルーピンは和解に成功している。
なおルーピンが忍びの地図を手に入れる経緯は原作と映画版で違っており、
  • 原作
    • ハリーが学外に出ていたのをマルフォイに目撃され、スネイプに捕まり地図の存在もバレかけたところでルーピンがハリーの処遇を預かった。
  • 映画
    • 地図上でピーターの名前を目にしたハリーが夜中に捜索するも実はネズミだったピーターを見つけられず、ルーピンに見つかってしまう。
    • 叱責されて落ち込むハリーはルーピンに死んだ筈のピーターが地図の名前にあった事で地図に間違いがあるとルーピンに告げるが、地図の正確性を知るルーピンはこの事に動揺を隠せず、もう一度調べ直すことにする。

その後、シリウスとルーピンにより事情を説明され、正体が暴かれる。
ロンに可愛がられていた小さなネズミは、『小汚い禿げた人殺しのおっさん』であることがハリー、ロン、ハーマイオニーの3人にも知られてしまう。
しかもそれが友人の仇であったと知ったロンの衝撃は大きく、以後彼はスキャバーズの存在を忘れたかのような態度を取っている。

ピーターはさまざまな言い訳と命乞いを重ねるが、ピーターの過去や性格を知り尽くすシリウスとルーピンにより言い訳はことごとく論破され、さらに彼のせいで孤児となったハリーにまで命乞いをしたことでシリウスの怒りを爆発させてしまった。
ついにはシリウスとルーピンにより始末されそうになるが、父の親友を殺人者にしたくないとハリーに情けをかけられ、命だけは見逃さられる。
しかし一瞬の隙をついたピーターは逃亡に成功し、ホグワーツから逃げ去っていった。


ダンブルドアはハリーに対して、『ピーターに情けをかけて良かったと思う日がいつか来るだろう』と語っていたが‥‥。


4巻『炎のゴブレット』

「滅相もございません! ――わ、わたくしめがあなた様を置き去りになど、決してそんな――」

ホグワーツを脱出したピーターはもはやまっとうな魔法界への潜伏はできないと判断し、ヴォルデモートを探すことにする。ネズミたちとの会話で「動物たちが決して寄りつかない場所」を聞き出し、ついに闇の帝王を発見した。
実はその道中で、空腹のあまりピーター・ペティグリューの姿で食料を盗んでいたところを魔法省の魔女バーサ・ジョーキンズに見つかっていた。
ところがピーターはとっさに彼女を罠にかけて捕縛、ヴォルデモートに差し出した。
ヴォルデモートは彼女からクラウチ家の事情や三大魔法学校対抗試合の情報などを引き出して計画を立てると、用済みとなった彼女を殺害した。
その後は、ヴォルデモートの世話やナギニの毒液の抽出(具体的な工程は不明)、クラウチ家を訪問してのバーティ・クラウチJr.の勧誘、クラウチJr.と連携してのアラスター・ムーディの捕縛・拉致などの暗躍を果たす。
しかし世にもおぞましいヴォルデモートの介護をすることは早々に後悔しており、しかもそれはヴォルデモートに筒抜けだった。

4巻終盤、クラウチJr.が優勝杯を移動キーにすり替え、最後の三大魔法学校対抗試合をクリアしたハリーとセドリック・ディゴリーはリトル・ハングルトンの墓地に転移されてしまう。
そこでピーターは無関係なセドリックを余計な者としてアバダ・ケダブラでいとも簡単に殺害し、残ったハリーもリドルの墓碑に拘束。
さらに肉体再生のための魔法薬を調合し、ハリーの血と自身の右手を捧げて呪文を唱えることでヴォルデモート復活に成功する。
ヴォルデモートはピーターが自分に尽くしたのは恐怖からであって忠誠心などではない事は見抜いていたものの、それでも復活に貢献した褒美として切り落とした右手に変わる銀色の義手を与えられる。


5巻『不死鳥の騎士団』

本人は登場しないが、ハリーが憂いの篩でセブルス・スネイプの記憶を見たことで、回想のみで登場。
ハリーの父、ジェームズとシリウスがスネイプを虐めていたのを笑いながら見物していた。


6巻『謎のプリンス』

「補佐というなら、その通りだ――でも、飲み物を出したりとか――あなたの家を掃除したりとかじゃない!」

ヴォルデモートからスネイプの補佐を命じられ、スネイプと同居し、彼の身の周りの世話をすることになる。
スネイプからも学生時代の険悪な関係もある為、見下され、召使いのように辛辣に扱われている。
なお、スネイプの想い人はリリーだが、ピーターこそ彼女の死を招いた元凶だと知っていたかどうかは不明。
またどういうつもりかは不明だが、スネイプの屋敷を訪れたベラトリックスとナルシッサの姉妹の密談をなんとか盗み聞きしようとしている。その都度気配を察知したスネイプに追い払われたが。


7巻『死の秘宝』

「扉から離れろ。いま入っていく」

マルフォイの館にてハリー、ロン、ハーマイオニーの3人と再び再会する。
当初ピーターはハリーの首を絞め殺そうとしたが、ハリーからかつて自身の命を救ったことを指摘され、一瞬躊躇ってしまい、慈悲の念から手を緩めた。
しかしヴォルデモートが与えた銀の義手がそれを許さなかった。
義手にはピーターが裏切る可能性に備えて呪いが掛かっており、結果ハリーを殺そうとしなかった行為を義手は裏切りと見做し、ピーターの首を絞め殺した。38歳没。

3巻終盤でダンブルドアが言っていた伏線は一応回収はされた。

なお映画版では見せ場が大幅に短縮され、ドビーに気絶させられてあっさり退場しただけ。死亡シーンも描かれなかった。

……詳細な説明はヴォルデモート本人の項目に譲るが、4巻でハリーの血をヴォルデモート復活の贄として使用した事が、結果としてヴォルデモートの完全な破滅へと繋がっている。
しかも、別にその原理を知っていたわけではないが、ワームテールは「仇の血」を出す生贄としてハリーではない他の無警戒な人物を狙うよう進言していた。つまりワームテールの進言を聞いていれば、本編のような死に方は避けられたかも知れない。別の方法でまた破滅した可能性も高いが
恐怖ゆえにヴォルデモートに屈し、その後の人生までもを狂わされたピーターにとってその事実は救いになったのか否か……。



【魔法使いとしての技量】

シリウス・ブラックやミネルバ・マクゴナガル、そしてヴォルデモートからも無能で劣等生、魔法使いとしてお粗末などと酷評される事が多い彼だが、よく見ると彼は無能ではなくむしろ、作中でもどちらかといえば平均より優秀ではないのか?と思われる描写が多々ある。

具体的には
  • 作中でも上位クラスの魔法使いであるシリウスを、マグル12人と自身の指を犠牲にして、出し抜いて逃亡することに成功し、英雄の名前まで得る。
  • 超高等魔術である動物もどきを、シリウスやジェームズの助けを借りたとはいえ、在学中に会得に成功し、その後は自由にネズミに変身可能。
  • 魔法界でも優秀な一族と言っていいウィーズリー家の面々に正体を気づかれずに12年間も潜伏する。
  • ダンブルドアもピーターの正体に長年気づかなかった*3
  • バーサ・ジョーキンズを騙し、彼女から情報を引き出し利用する。
  • クラウチ・ジュニアとの連携で超一流の闇祓いであるアラスター・ムーディを生け補りにする。
  • 強大な魔力がないと使用不可の作中最悪の呪文アバダ・ケダブラを使用してセドリック・ディゴリーを殺害する。
  • ヴォルデモートからの指示があったとはいえ、彼の肉体を蘇生する高度な魔法薬を無難に調合し、彼の復活に対し大きな貢献をする。

このように卑屈な態度に似合わず、死喰い人の中で挙げた功績は割とトップクラスだった。
少なくとも作中で同じく無能扱いされることが多いこの2人に比べれば遥かに有能だと言っていいだろう。
ただ、それだけの実力や功績を示していながら軽んじられるのが、彼のどうしようもない性根の卑しさなのであろう。


【余談・過去について】

血統としては母が魔女である事は確定しているが、父は明らかにされていない。よって半純血か純血かのどちらかである事は確定している。


彼は学生時代、組み分けの際、グリフィンドールかスリザリンかで組分け帽子が5分以上悩むという大変珍しい現象『ハットストール』を経験している。*4

当初はハリーの父、ジェームズやシリウスとも親しくなく、どちらかといえばルーピンの友人だった模様。
つまりジェームズやシリウスとは『友達の友達』の関係だったのだ。
やがて4人で行動する事が多くなっていったが、ピーターにとっては、憧れてはいたものの、ジェームズとシリウスは友達の友達であるという意識は全く消え去っていた訳ではない事が、後の裏切りに繋がってしまったとも考えられる。
シリウスにとって、ジェームズやルーピンは一族から異端視され孤独だった自分を受け入れてくれた無二の親友で、
ルーピンにとっても、ジェームズやシリウスは人狼であり迫害されていた自分を受け入れ習得困難な動物もどきにまでなって付き合ってくれた無二の親友だった。

それに対してピーターは特にそういう思い入れがあるわけではない。
シリウスからは『友達を裏切るぐらいなら死ぬべきだった! 我々もお前のためにそうしただろう!』とピーターを糾弾しているが、
ピーターがそこまでの友情を他の3人に対し抱いてたかどうかは疑問を感じる読者もいる。
自分がもし、ピーターと同じような立場だったら、『友達のために命まで懸けられるか?』と言われるとそこまで出来る人間の方が圧倒的に少ないだろう。

ただ一方でマクゴナガルたちは「ピーターはジェームズやシリウスをいつも追いかけていて、英雄のように崇めていた」ともコメントしており、特にリーマスと親しかったとは言っていなかったりもする。
裏切られてからのシリウスは過去を振り返って「もっと早く気付くべきだったが、ピーターは友情を感じていたのではなく、面倒を見てくれる強い親分が好きなだけだった」とも言っている。
リーマスは教師になるように面倒見の良さはあるが「親分肌」ではなかったので、最初はリーマスとつるんでいても、ジェームズ&シリウスと付き合っていくうちに静かに鞍替えしていたのかも知れない。そしてもう一度、今度はヴォルデモートに鞍替えをした……
最後にはハリーの「お前は僕に命の借りがある!」と言う言葉に反応してつい手を緩めるという反応をしたので、まったくの冷酷無情というわけではないのだろう。
しかし、最初はリーマスと親しかったが、いつの間にかジェームズとシリウスを追いかけていたというあたり、シリウスが後年指摘したような立ち回りを常に計算しているところはあった模様。
組み分け帽子がスリザリンに入れるべきかひどく悩んだというのは、彼にこうした(悪い意味で)典型的なスリザリンらしさが強くあったことの表れである*5


無論、罪のないマグル12人やセドリック・ディゴリーを躊躇なく殺害した事からも彼がれっきとした闇の魔法使いであることは疑いようがない。
なるほどヴォルデモート一味では退職などできないが、「秘密の守人」を担った時点でネズミに化けて逃げ出すという手も使えただろうにそうせず*6、ジェームズに加えてリリーや幼いハリーも死地に追い込んだ。
さらに三巻で正体を暴かれた際には、ピーターのせいで両親を奪われ孤児にされたハリーに命乞いをした。しかも父親を引き合いに出して。
そうした所業を考えれば紛れもなくクズそのものである。

しかし、ジェームズ・シリウス・ルーピン・ピーターの中で現実に一番多いタイプの人間はピーターであると思われる。
そういう意味では良くも悪くも現実にいそうなキャラ造形の持ち主であると言っても間違いではないのかもしれない。


【余談2・伏線?】

「賢者の石」にてロンがスキャバーズに魔法をかけようとして失敗するシーンがあり、普通に見ればロンの魔法の技量が足りていない描写に見える。
しかし、正体が分かった後では呪文の中でネズミを指定していることが真の失敗の理由と考えられ*7、伏線だった様にも見える。
まあ、もともと変身術はメチャクチャ難しく、他のものだってうまく変身させられないのは散々描写されているので、単にロンの腕が未熟だったからとも考えられるが。




追記・修正は出来れば友人を裏切らない方にお願いします。

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最終更新:2024年02月01日 15:40

*1 ただし姿自体は第1巻から登場している。詳しくは後述。

*2 契約した秘密の守人1名以外はその情報を知っていても他人に伝達できなくなる魔法。守人の方は任意でならば誰にでも伝えられるが、他の魔法を含めた拷問では聞き出せない。仮に守人が死んだ場合、事前に知っていた者すべてが新たな守人となるが術の効果は薄れてしまう。

*3 映画版では特に三巻終盤で「何じゃと!?」と驚きを露わにしている。

*4 ハリーが出会った数多の魔法使いでこの現象の経験者はピーターの他にミネルバ・マクゴナガルのみ。マクゴナガルはグリフィンドールとレイブンクローのハットストール

*5 グリフィンドールらしくないと言うだけではスリザリンと比較して悩まないだろう。しかしその意味では、スリザリンに組み分けされながらもグリフィンドールらしい勇敢さを備えていたスネイプとは対照的。

*6 その変身した姿をもっとも知る一人リーマスでさえ、無数にいるネズミからピーターを見分けるのはまず不可能とのこと。スキャバーズ時代に闇の印に気付かれていないので、毛が生えれば腕の紋章も隠れるのだろう。

*7 ワームテールは動物もどきなのでネズミではない。