ババルウ星人

登録日:2018/11/02 Fri 21:36:00
更新日:2024/04/17 Wed 15:07:42
所要時間:約 13 分で読めます






ハッハッハッハッハッハッハッハ…間もなくウルトラの星がこの世から消えてなくなる!



ババルウ星人とは、円谷プロダクション制作の特撮作品『ウルトラシリーズ』に登場する宇宙人である。

プロフィール

肩書:暗黒星人
身長:2m~56m
体重:140kg~28000t
出身:ババルウ星
デザイナー:大澤哲三



概要

ウルトラマンレオ』第38話「決闘!レオ兄弟対ウルトラ兄弟」、第39話「レオ兄弟ウルトラ兄弟勝利の時」で初登場。
CV:清川元夢(ウルトラマンキングと兼役)

以前からウルトラの星を狙っていた宇宙でも1、2位を争うほどの凶悪な宇宙人で、ウルトラ兄弟をして「暗黒宇宙の支配者」と呼んだ程。
過去にウルトラ兄弟とも戦ったことがあり、巨悪として恐れられていた。

武器は右腕に仕込んだ刃と、左腕に仕込んだ鎖分銅(『レオ』登場時)。
鎖分銅はウルトラキーが格納された第2ウルトラタワーを引き倒すほどのパワーを持つ。
その他、奥の手として口から「デスブリザード」という冷気を放つことが可能で、これでアストラ、後年にはウルトラマンヒカリを氷漬けにした。

だが、彼の特筆すべき特徴は……




本物と変わりないほどの姿に変身する能力である。




今まで登場した偽のウルトラマン目が吊り上がっていたり、プロテクターが付いていたりと、
どう見ても偽物とわかるような分かりやすい姿だったのだが、こちらは言われなければ分からない程の高度な変身能力なのである。


劇中での活躍

『ウルトラマンレオ』

第38話では単体で宇宙空間から鎖分銅を伸ばして光の国を襲撃、ウルトラタワーに鎖を巻きつけ、
駆け付けたウルトラ兄弟をも倒してしまう。
その後アストラに変身し、光の国の制御装置でもあるウルトラキーを盗み出すと脱出。
軌道を外れ暴走したウルトラの星を尻目に、まんまと地球へ向かった。

この時キーを盗んだのはアストラだというウルトラサインを受け取ったモロボシ・ダンは、
アストラを追って地球へ来たウルトラ兄弟達と交戦している最中にウルトラ念力で動きを封じ、その隙におおとりゲンがウルトラマンレオに変身して取り返すという作戦を考えた。
しかし唯一の家族であったアストラが苦しむ姿を見たゲンはダンに殴り掛かり
一度は振り切られたものの日頃の修練もあってかとうとうダンを気絶させてしまい、そのままレオに変身した。

戦闘でもやはり日頃の修練もあってかウルトラ兄弟達を圧倒したが
最終的には「俺達は!アストラを!殺す!!と憤慨したウルトラマンウルトラマンジャックウルトラマンエース必殺光線を受けてしまい、レオはダウンしてしまう。

続く第39話では、上記で述べたような不気味な笑い声を上げながら、遂にウルトラキーの引き金に指を掛けて撃とうとする*1
が、突如降り注いだ光線によってウルトラキーを折られる。
直後に現れたのはあのウルトラマンキングであった。
キングは「ウルトラ兄弟になるかもしれないレオを殺すところだった」「お前達はあれがアストラに見えるのか」と説教した上で、アストラへ洗礼光線を浴びせた。
すると、瞬く間に変身が解けてしまい、ニセアストラ=ババルウ星人という正体が露見したのである。

先述した高度な変身能力に加えて演技力や本物のアストラが行方不明になっていたことも重なり、ウルトラ兄弟はおろかアストラの実兄であるレオさらには視聴者も含め、
全てお見通しだったキングに洗礼光線を浴びせられるまでババルウ星人の擬態に誰も全く気付かなかったのである。

正体を暴かれたババルウ星人は地球へ逃走。
ウルトラ兄弟はそれを追おうとするも、「ババルウ星人はいつでも倒せる。それよりも一刻を争う大切な時だ」と止められ、暴走するウルトラの星へ戻るように言われ、母星に帰還。
後でレオに謝る事も忘れるんじゃないよ!

その頃、ゲンはMACが受信していた奇妙な電波によって、本物のアストラが生きていることをダンから告げられた。
つまりババルウ星人はアストラを捕らえて氷漬けにした上でアストラに成り代わっていたというわけだったのだ。
ゲンは再びレオに変身、氷漬けにされて宇宙を漂っていたアストラを発見すると氷を溶かして救出、再び地球へ向かった。

当のババルウ星人は折れたウルトラキーの近くで再び勝ち誇ったように笑っていたが、レオ兄弟のウルトラダブルスパークによってウルトラキーが再生させられるとそのまま巨大化、レオ兄弟と交戦。
アストラがウルトラキーを持っていて戦えない事をいいことに、彼が飛び上がったところに鎖分銅を引っ掛けて再び引き摺り下ろすも、
レオが時間稼ぎをするうちにアストラが再びウルトラキーを手にし、ウルトラの星へ向かう事態を許してしまう。

兄弟の絆を踏み躙られた上に騙されたレオの怒りは凄まじく、戦いの最中に鎖分銅を間違えて切り落として動揺したところにパンチの連打を受け、
グロッキー状態になったところでちょうど「ウルトラキーが戻った」というアストラからのウルトラサインが届く。

全ての憂いが消えたレオは渾身のレオキックを胸のパイルオーガン(カラータイマーのような部分)へ叩きつけ、ババルウ星人はそのまま火花を吹きながら爆死した。

内山まもる版

放送当時に連載されていた内山まもるの漫画版『レオ』では、『小学二年生』『小学三年生』双方に登場。
どちらのバージョンでも、TVシリーズで完全に倒された事を受けてか登場しなくなったマグマ星人の後釜的立ち位置となっている。

『小三』版では尺が一話分に纏められているものの、TVシリーズと概ね同様の扱いで登場。
レオ兄弟によるウルトラキー復元を邪魔しようとするも、セブンガーに妨害された挙句、レオの怒りの鉄拳を受けて倒された。

対して『小二』版はTVシリーズ(あるいは『小三』版)の後日談的な内容となっており、大勢のババルウ星人の同胞を率いる、TVシリーズで倒された個体の弟が登場。
エースに変身してレオとアストラを誘き出し、生きていた2人の両親を人質にウルトラの国を攻撃させる。
最終的にはダンが出撃させたセブンガーに戦陣を崩され、更にウルトラ兄弟と合流したレオ達によって蹴散らされるも、ババルウ星人の弟はレオ兄弟の両親を連れて離脱。
セブンガーもさすがに物量戦では敵わなかったのかババルウ星人との戦いで破壊されてしまった。
その後はブラック司令官と共に地球攻撃を敢行、連載最終話では円盤生物の大群と共にウルトラ兄弟を迎え撃つも
地球侵攻に時間をかけすぎてしまったせいで、人質にしていたレオ達の両親に太陽エネルギーによって傷を癒されてしまうという事態が発生。
最期は脱出された挙句、その余波で破壊された宇宙船の破片が全身に刺さって呆気なく死亡した。
それを見ていたブラックは「まぬけめ!」と憤慨していたのは言うまでもない。


以降の活躍

ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ

後述の『メビウス』第35話の前日談に登場。また、同作としては最後に登場する敵役でもある。
CVは『レオ』と同じく清川元夢氏が演じているが、キングとの差別化のためか甲高い声に加工されている。
初代と比べると髪質がストレートで角の生えている位置が下、目も細い等違いがあり、心なしか顔つきも少し細い印象。また、左腕の武装はチェーンからビーム砲に変更された。

パトロール中のヒカリにウルトラマンメビウスのウルトラサインを偽装して惑星アーブに誘き寄せると、早速メビウスに化けて襲い掛かる。
自分の知るメビウスとは明らかに違う様子に即座に本物のメビウスではないことを見抜かれるが、
今度はかつてのヒカリの姿であるハンターナイトツルギに変わり、「再び復讐の憎悪を思い出し自分の下僕になれ」と挑発、哄笑しながら正体を現す。
高い格闘能力で真っ向勝負でもヒカリを圧倒し、デスブリザードで氷漬けにする。

……が、再び息を吹き返したアーブの民から力を得てヒカリが正しい心で鎧を装着したことで形勢が逆転。
勇者の鎧の防御力に圧倒されてトドメを刺されかけるも、寸前で煙幕を張りその場から逃亡。地球に向けて本来の作戦へと移る。

なお、このエピソードでウルトラの父の口から『レオ』回のウルトラキー強奪についても触れられた。


ウルトラマンメビウス

上記の『ヒカリサーガ』と同一個体が第35話「群青の光と影」に登場。
同作でもその変身能力を生かしてツルギの姿で暴れ、民衆のヘイトを集めた上でセリザワ カズヤ=ウルトラマンヒカリを拘束させて窮地に追い込んだ。

しかし、これはヒカリの提案を基にCREW GUYSが企てた作戦だった。
さらに、この時ババルウ星人はヒカリが既にメビウスに渡したはずのナイトブレスまでコピーするというポカをやらかしてしまっていた。
なので当然、現在のブレスの持ち主であるヒビノ ミライ=メビウスにはあっさり偽者だとバレてしまっていた。
『レオ』に登場した同族に比べると遥かに間抜け……

その後解放されたセリザワはヒカリに変身、青いウルトラマン2体の戦いが始まる。
なお、この時「なぜお前が自由の身に!?」と狼狽しているが、そもそも相手組織に疑わせて監禁状態にしたのにわざわざ偽者が出てしまったらそりゃ裏取りされるだろう(しかもこの少し前に監禁状態のセリザワを確認してわざわざテレパシーで嘲笑しに来ているのに)。

ニセツルギの攻撃から民衆を庇ったことで市民達からもようやく誤解が解け、奮い立ったヒカリによる攻撃を受けて正体が露見してしまう。
市民「あっちが偽物だったんだ!」
その後は勇者の鎧に対抗する為に用意したと思われる刺又「ババルウ・スティック」を取り出すもあっさり折られてしまい、再びツルギの姿になったヒカリの「ナイトシュート」を受けて爆死した。

ちなみにこの個体はナルシストなのか、髪の毛をかき上げる癖があり、ニセツルギになった後もやっていた。
その他、同エピソードはメビウスが参戦しなかった唯一の回でもある(ヒカリの助太刀をするつもりが彼に制止されたため)。これにより、メビウスは主役ウルトラマンなのに皆勤を逃している。


『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』

CV:菅谷勇

第4話「困惑の再会」に登場。正式名称はババルウ星人(R(レイオニクス)B(バトラー))。

アントラーを操るレイオニクス。
ヒュウガをレイオニクスと勘違いして戦いを挑もうとするも、勘違いと知ってアントラーにヒュウガを踏みつぶさせようとするが、その後現れたレイモンに真のレイオニクスバトルを挑む。
アントラーの大あごがゴモラにへし折られたことで悶絶し、アントラーを回収して逃走した。

『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャーNEO』

アイとカネゴンにレイオ二クスバトルを挑むも、レッドキングに敗北した。


『ギャラクシーレスキューフォース ボイスドラマ』

生活のためにとある惑星でノーバに食料の強奪をさせていたが、駆け付けたウルトラマンリブットとアンドロメロスに敗北、観念したところをギャラクシーレスキューフォースにスカウトされた。

河本ひろしによる漫画版

バキシムを操るメトロン星人とレイオニクスバトルを展開。
バキシムの一角ミサイルを磁力線で反らすなどそこそこ健闘したが、割って入ったキングジョーブラックの砲撃で全員まとめて昇天した。


大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

ウルトラマンベリアルが復活させた怪獣軍団の一員として登場。
『メビウス』第35話の個体同様に髪をかき上げるような仕草を見せており、ダダナックル星人、マグマ星人とともにレイモンを襲撃したが、回し蹴りを受けて爆散した。


『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャー』

バジリスを操るレイオニクス……ではなく、単に怪獣を従えているだけのレイオニクス気取り。
アラドスの子供に無理やりいう事を聞かせて、時空を超えて過去の惑星ボリスに赴き、レイを殺して歴史を簒奪しようとしたが、主人公イオの操るゴモラに倒された。
最後は惑星ボリスの消滅に巻き込まれてしまったものと思われる。

ゲーム版では過去での戦いではキングオブモンスも従えている。
連打力やガード率が高く、キングオブモンスの能力の高さもあり、かなりの強敵。
スキューラはなぜか登場しない。


大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア

CGムービーでは「DINO-TANK Hunting」に登場。
ザラブ星人メトロン星人とチームを組んでプラズマ怪獣化した恐竜戦車マークⅡに挑むが、敗北した。

ゲームでは4弾から参戦し、フガク、ドマノ、ハマーという名前の個体も登場。
フガクは妖刀サカマシを操る「伝説の七星剣」の一人であり、激しい気性だが裏表のない性格故、多くのハンターから慕われている。


ウルトラマンX

CV:直塚和紀

第9話「われら星雲!」に登場。
各地の星を渡り歩く犯罪組織「暗黒星団」のリーダーであり、「宇宙ラグビーリーグ連続優勝」「伝説の8番」などといった実績や実力を兼ね備えた凄腕のラガー。
必殺の「弾丸ババルウキック」は受け止めようとした選手を吹っ飛ばしてしまうほどの威力を持つ。


サメクジラのジョリーを生物兵器として手に入れるべくゼットン星人・ダダケムール人と共に地球に来襲したが、
ジョリーの飼い主であるバルキー星人ハルキの言葉を受け、ジョリーを賭けてチーム星雲とラグビーで試合をすることとなる。


試合では得意の変身能力を駆使してハルキに成りすましチーム星雲を翻弄した。また手から電撃状の光線ババルウビームを放って攻撃してきた。
しかし正々堂々とした試合を完全に投げ出し、大事な仲間に攻撃を食らわせ続ける暗黒星団に、イサムは怒りを爆発させた!


「俺の仲間に、汚い真似はゆるさああああん!!!


目から炎が吹き上がるほどの熱すぎる演出と共に、イサムは猛スピードでタックル。
その勢いはダダ、ケムール人、ゼットン星人を丸ごと吹き飛ばし、ついに『チーム星雲』に得点が入った。
彼の活躍に奮起したハルキ、イカリ、ナクリも怒涛の反撃。
暗黒星団をものともせずに次々と得点を決め、ついに同点にまで持ち込んだ。
そして最後はイサムの渾身のゴールキックでチーム星雲が逆転勝利。
試合後イサムはババルウ星人に「試合が終わればノーサイドだ」と握手を申し出るが……。


「宇宙に右サイドも左サイドも上も下もない!
舐めやがって~!! 暗黒星団の恐ろしさ、思い知るがいいぃぃぃ!!」


なんと他の暗黒星団チームと4人揃って一気に巨大化し、大暴れを始めてしまった!


混乱する状況の中、大空大地はウルトラマンエックスとユナイト。
皆の応援を背に受け、今度はエックスVS暗黒星団の戦いが始まった!


……のだが、1対4と言うエックス不利の状況にもかかわらず、頭に血が上りきった暗黒星団は動きもバラバラ、勝負はエックスの圧倒的優勢。
スクラムを組んで襲い掛かってきた暗黒星団も「サイバーゴモラアーマー」を装着したエックスには敵わず、
ゴモラ振動波をもろに受け、宇宙の遥か彼方まで吹っ飛ばされてしまったのであった。


ウルトラマンオーブ

演:中村龍介

俺、このままウルトラマンオーブになるって人生もあるんじゃねえのかな……。

第9話「ニセモノのブルース」にて登場。今作は「ババリュー」という個体名がついている。
今回もその変身能力を生かして惑星侵略連合の工作員として暗躍するが……。
町の破壊を企んだりと悪人らしいところもあるが、予測不能の事態に混乱したりつい調子に乗ったりコミカルな所も目立つ。

オーブに化けて町を破壊しようとしたのだが、そのタイミングで地底から突如テレスドンが出現。
仕方なく立ち向かうも強さは本物のオーブと比べて劣っており、悪戦苦闘しながら追い払う羽目になってしまう。

そして何とか難を逃れ、いかにもチャラそうな金髪の人間態になった時、その姿を偶然ジェッタに目撃され、
慌てて「馬場竜次(ばば りゅうじ)」と言う本名を模した偽名を名乗り、誤魔化しの発言を行っていくうち自分がオーブの人間態であると信じ込ませてしまう。

何とかその場を切り抜けるも作戦失敗でノストラに叱咤され、改めて翌日リベンジを実行。
人間態になってビートル隊の本部を破壊しようと動き出すも渋川に不審者として尋問されてしまうが、ジェッタやガイによって助けられる。
だが、彼に連れられていった公園で待っていたのは、オーブに憧れるたくさんの子供達。
すっかり子供たちに懐かれて困惑してしまうも、ジェッタの援護もあって真の正体がばれる事は無かった。

そして、ジェッタを経由して子供達からたくさんのプレゼントを貰い、彼がヒーローに憧れる理由を聞くうち、
次第に「人に憎まれるより、喜ばれる方が何倍も気持ち良いのではないか」という思いを抱くようになっていく……。

その後、いつまで経っても作戦が進行しない事に堪忍袋の緒が切れた惑星侵略連合がついに動き出す。
どうすれば良いか戸惑うババリューだったが、子供たちやジェッタの切実な願いを聞き、「ウルトラマンオーブ」に変身。
そして自らの意志で、ノストラたちの命令に反抗したのである。

しかし、非情にも惑星侵略連合は彼を抹殺するためにケルビムを送り込んできた。
「オーブ」として挑むババルウ星人だが、姿を真似ただけに過ぎなかった彼はその強大な力の前に圧倒されてしまう。
そして、とうとう彼は子供たちやジェッタの目の前で、自らの真の姿=ババルウ星人の姿を露わにしてしまった。


そうだ、俺はウルトラマンじゃねぇ…。暗黒星人のババリューさ…。お前達を騙してたんだ…。
すまねぇ……所詮俺は偽者なんだ……。

だが、絶望に沈む彼の耳に飛び込んできたのは、彼を本物のヒーローとして懸命に応援し続ける子供たち、
そして馬場先輩の名を必死に叫ぶジェッタたちの声だった。


がんばれー!ババリューさーん!
がんばれー!
そうだ、諦めるな馬場先輩!
貴方が誰であろうと関係ない!
子供たちに言ったじゃないですか!夢を追いかければ、いつかヒーローになれるって!
貴方が……貴方が僕たちに、夢を見せてくれたんじゃないですか!

そうだ…、おまえの言うとおりだ……!ここで…諦めてたまるかぁぁぁ───ッ!!

その声を聞き、ついに彼は奮起。ババルウ星人の姿のまま、ケルビムに戦いを挑んだ。
パンチやキックを懸命に浴びせ続けるも、やはり力の差はどうにもならず、とうとう猛烈な火炎を浴びて倒れてしまう。
これで一巻の終わり……、と思われたその時彼を救ったのは、クレナイ ガイが変身した本物のウルトラマンオーブだった!

そして、「ハリケーンスラッシュ」に変わったオーブの必殺技「トライデントスラッシュ」の滅多打ちの前に、
ケルビムは敗れ去るのだった。

やっぱ……本物はすげえや……

何とか生き残ったババルウ星人ババリュー──いや、馬場竜次先輩。
だが、あの時助けたマサトとシンジ、そしてジェッタの前で、彼はそのまま姿を消していった。
「風のように現れて風のように去っていく」、ジェッタが憧れるヒーローのように……。


その後、平和な公園を眺めながら寂しがるジェッタを、ガイは励ました。
彼だけはこっそり気づいていたのだ。親子連れに優しく接する、あの黒髪のゴミ拾いのお兄さんが誰なのかを……。


ヒーローってのは、案外その辺にいるんじゃないか?


なお、彼が変身したニセオーブの姿は「スペシウムゼペリオン」である。
また、その変身の際のエフェクトは『ミラーマン』、効果音は同族と因縁深いウルトラマンレオのものが使われている。


ウルトラマンタイガ

第7話「魔の山へ!!」にて登場。武器は右腕のカッターと左腕の光線砲、それに剣を使用する。

フック星人と共に、赤目山に封印された怪獣・ナイトファングを復活させようと企む。
太古の昔にナイトファングを封印した女シャーマンの子孫であるネットアイドル・天王寺藍のマネージャー・肥後(演:川守田政人)に化け、藍を騙して九頭流村に連れて行き、ナイトファングの復活に利用する。
藍に無理矢理封印を解かせると自ら巨大化してウルトラマンタイガと交戦。
素早い動きでタイガを翻弄するも、ウルトラマンフーマに交代されてから形勢逆転、「鋭星光波手裏剣」で倒された。


ウルトラマンSTORY 0

史☆上☆最☆凶
本作では暗黒宇宙に関する設定が掘り下げられており、ブラックホール越しにウルトラマン達の住む光宇宙と対をなす並行宇宙である事が明かされた。
双宇宙の制圧を目論む「星間連合」を樹立した張本人であり、その圧倒的な戦闘力で他の幹部達相手にも文句なしのリーダーであることを認められている。
……が、実際はザラブやナックル、ヒッポリトなどの面従腹背野郎だらけであり、誰一人彼を本気で崇拝している者はいなかった。

一方、その実力はまさにチートもいいところで、
  • たった一人でウルトラ戦士を倒すなど、武道派のテンペラーさえ舌を巻く個の強さ
  • 西遊記』の孫悟空宜しく、髪から無数の分身を生み出すというガッツ涙目の分身能力
  • ザラブがゴミに見える程の、姿や能力まで完全再現という反則級の変身能力
  • 「異次元空間を行き来する事すら息するのと同じ」と言い切る空間移動能力
  • 作中屈指のチート能力持ちのウルトラ戦士、フレアの光波ネットさえ力づくで引きちぎるパワー
……と、これまでのコミカルなババルウしか知らない世代からすれば別物クラスの実力者。

手始めにウルトラの星に怪獣軍団を送り込んで破壊の限りを尽くし、ウルトラの父を誘拐して暗黒宇宙に監禁。
ブラックホールを破って暗黒宇宙に侵攻してきたウルトラ戦士達をバラバラに飛ばし、幹部達の実力を測るべく各個撃破の提案を飲む。

ウルトラ戦士達の活躍で幹部達が次々に全滅していくと本性を現し、自ら母艦で光宇宙に進撃。
そして見聞きした者に自らを変身させる力、更には抜いた毛による分身一つ一つがその力を有している事もあり
光の戦士達は総崩れとなり、彼らを殺害して奪い取った光のエネルギーで「ウルトラキー」を完成させる。
フレアの死に伴い完全覚醒したゴライアンに角を折られて変身能力を失うが、それと引き換えにゴライアンを倒してウルトラキーを強化。
その力で小惑星を光より速く突撃させてウルトラの星に帰参、小惑星は加速度に耐えられず破砕し流星群が飛来してウルトラの星を破壊しつくす。

ババルウがここまでの凶行を行ったのは彼の出自にあった。
彼らババルウ星人は元々地球人によく似た姿をしていた。
「彼」の父はババルウ星元老院議長の息子であり、タカ派過ぎる言動を危惧された元老院により辺境開拓(速い話が流刑)を命じられていた。
そこでバルタン星人も関与していたプラズマスパーク実験の失敗により、開拓船のババルウ星人達は巨人の力を手にする。
錯乱して暴れまわる艦長(自分の実父)を躊躇なく手にかけたババルウは、巨人化した部下達と共に元老院を皆殺しにすると、そのままババルウ星を征服し、用済みとなった部下すら殺害した。
いわば彼らはウルトラマンと全く対をなす「闇の巨人」だったのである。

その部分を意識してか、本作では原作以上に口元のデザインがウルトラ戦士と同一のもので、全体的によりウルトラマンに酷似した顔つきとなり
化けていたウルトラマンタロウの変身を解く際には2ページの見開きで「ぐんぐんカット」をしながら登場するなど、
意図的にウルトラマンとの類似性を強調するようなデザインや演出となっていた。

光の国に舞い戻ったババルウは散っていった戦士達を散々に愚弄した上でゾフィーを殺し
更にプラズマスパークをウルトラキーで消し飛ばし、ウルトラ族全てを人間に戻してしまった。
もはや人間になったウルトラ族など恐れるに足らず、ウルトラマン・ジャック・エース・タロウの4人を縛り上げて嬲り者にすると、ババルウは星間連合全てのメンバーを解き放ち、光の国を消滅させようとする!

しかし、今まで全ての時間軸、全ての世界線でウルトラヒーロー達に助けられてきた人々と惑星は奇跡を生んだ。
闇と光、過去と現在。あらゆる星々から「星の光」が降り注ぐ。
息絶えたはずのゾフィーは光の力をまとって復活、一瞬にして怪獣軍団を殲滅。
そしてババルウ相手に渾身のM87光線を放ち、再びプラズマスパークには希望の光が燈ったのである……

復興が進む中、ゾフィーは最後までババルウを救えなかった事を気にかけていた。

望んで得た力ではない…だがこの力を必要としている者がいるのなら、私が背負っていこう!!

そして物語は、ウルトラマンがとある怪獣を護送する話で幕を下ろしていく。

なお、本作はレベル3バースの設定であり、厳密にはTVの事件の前日譚ではない(上記の通りTV版でウルトラ兄弟はババルウの変身能力を知らず、ババルウ襲撃を警戒していながらアストラに変身している可能性を全く考慮していない)。

「星間連合の操縦系は光の国の宇宙船と共通」というセリフがあり、以後説明はないが、
平和だったババルウ星は他の星々と同盟関係にあったという設定があるため、「光の国とも交流があったのではないか」という説もある。


ウルトラマン超闘士激伝

キングが初登場時に、自分の聴力を語る場面で、星人ブニョに「キングがレオばっかひいきしてよ~」と陰口を叩くコマがイメージとして描かれた。
……本編の出番はこれのみであるが、後のエンペラ星人編でかつてTV本編と同様の事件を起こした事が、闘士ウルトラマンから語られた。


余談

  • スーツはマグマ星人改造
    胸にある勲章の形状が似ている他、当時の裏設定ではマグマ星人の上司に相当していたようで、数々の通り魔事件はババルウ星人に命じられたマグマ星人が、さらに配下の宇宙人に命令して起こさせていたものだったらしい

  • 『レオ』では渋い男性の声で喋っていたが、放送当時の雑誌設定では、この個体は実は女性であるという設定が掲載されていた。
    ……とはいえ、「この手の雑誌特集にありがちな編集部による独自設定である可能性は否めず、あまり公式の見解とは言い難い」という意見も。
    ちなみに、当時別誌で連載されていた内山まもる版『レオ』では一人称が「おれ」だったりと、明確に男性として描かれている。

  • 『レオ』第38話の撮影時に幼い兄弟がこの様子を見学しており、レオを応援する側とウルトラ兄弟を応援する側に分かれ、終いには決闘化(喧嘩)に発展する大事になったという。
    ウルトラマンファンの決闘まで引き起こすとはおのれババルウ星人……




追記・修正は偽物と見破れた方にお願いします。

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最終更新:2024年04月17日 15:07

*1 この時アストラの声優である丸山純二氏の声から清川元夢氏の声になっている。