デスアーミー

登録日:2020/09/08 (火) 17:21:59
更新日:2024/02/13 Tue 09:53:45
所要時間:約 11 分で読めます






DEATH ARMY


デスアーミーとは『機動武闘伝Gガンダム』に登場する機体である。


目次




スペック


型式番号:JDG-009X(JDG-00X)
所属:デビルガンダム軍団
装甲材質:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材、レアメタルハイブリッド多層材、DG細胞
武装:金棒型ビームライフル
パイロット:ゾンビ兵


機体解説


地球に降下したデビルガンダムが自身の手足とすべく生み出した機体。
DG細胞の三大理論の一つ「自己増殖」によって生まれたデビルガンダムの分身体であり、そのボディのほとんどをDG細胞によって構成される。
そのためMSに分類出来るかも怪しい存在である。
丸みを帯びたシンプルながらも力強いシルエットのボディが特徴。装甲は黄土色に染められている。
頭部正面には大きなモノアイ、頭頂部には短い角状アンテナが生えており、その姿は一つ目のようでもある。


機体性能は通常の量産MSと大差なく、MF(ガンダム)たちと比べれば大きく劣っている。
しかし本機の強さはなんといってもその「数」にある。
デビルガンダムがある程度のエネルギーを持ってさえいればDG細胞からデスアーミーを作り出せるため、
固定した生産工場などを必要とせず、その機体数を増やすことが出来る。
しかも地球降下後のデビルガンダム自身は回復を優先して派手には動かず、表立った活動はデスアーミーに行わせる方針に徹して増殖に力を入れた。
結果、初登場した新宿編の時点で数百~数千機単位にまで増殖しており、周辺地域一帯を文字通り埋め尽くすほどになっていた。

そのため数に任せただけの戦術でも並のMS部隊では手も足も出ずに圧殺されてしまい、各国の強豪ファイターたちでさえも消耗させられ苦戦は必至となった。

また、デスアーミーの機体各部にはマウントラッチが設けられており、必要に応じてオプションを追加出来る。
更に脚部を背中に折り畳んだコアユニット状態へ移行すると、陸海空に対応した大型オプションを接続し局地戦形態をとることまで可能。
この機能を活かし市街地や密林などの地形でも集団戦法を行え、機体を偽装しての欺瞞作戦などの特殊任務にも対応した。
そのため状況を選ばず戦うことが出来、単体性能の低さをカバーする以上の汎用性を発揮したのである。
……というか本編中はそれらの派生形態で戦闘に参加しており、最初から素のデスアーミー状態のまま戦闘に参加していることはほとんどない。


そして機体胸部にはコクピットが存在するのだが、そこで操縦しているのはゾンビ兵」と呼ばれるDG細胞に全身を侵食された人間の成れの果て
その姿は薄紫色のチップが肉体を蝕み、ほとんど骸骨のようになった肉体にケーブルやチューブが直接接続され機体と一体になっているという極めておぞましいモノ。
髑髏のようになった頭部の眼孔には眼球の代わりにケーブルコネクタが生えており、頭蓋からも何本もチューブが伸びている。
基本的に頭部しか露出しておらず、体は首元まで覆った旧式の宇宙服のようなかなりゴツイパイロットスーツを着込んでいる。
彼らは中枢神経を含む肉体の全てをDG細胞に侵されており、ゾンビ兵と化した人間を治療することは不可能。
当然ながら人間としての自我も完全に失われており、デスアーミーの角を介してデビルガンダムの意思を受け取り行動するだけの生ける屍でしかない。
そのため死を恐れる心も持たず、たとえ敵の攻撃でどれだけ自分たちが消し飛ばされようとも進軍を止めることはない。
そうして襲った街の住人を捕らえて自身同様のゾンビ兵に変えていくのである。
操縦技術が必要なMSや超人的な身体能力が不可欠なMFと違い、あくまでも制御回路として人間の中枢神経を利用しているだけなので、人間であれば素体はなんでもいい。
劇中では廃墟となった新宿で生き残っていた住民達が全員ゾンビ兵にされていた。
素体となる人間さえ確保出来ればデスアーミーのパイロットはいくらでも増やせるのである。
なお、ゾンビ兵自身はいわゆるゾンビのように人間を襲ったりしないどころか、基本的にデスアーミーに繋がれたままで、付属品のように扱われる。

これらの特性によってデスアーミー軍団はデビルガンダムの忠実な手駒として地球各地でその力を振るうことになったのだった。


なお、その外見は第7回ガンダムファイト世界大会で暗躍した組織「カオス」の量産MSに酷似しているが、両者の関係性は不明である。



武装


  • 金棒型ビームライフル
通常のデスアーミーが有する唯一の武装。
サイズは普通のビームライフルだが、バレル部分を覆うようにスパイクが生えており、接近戦ではこれを振り回して相手を叩き潰す。その姿は蛮族そのもの。
見た目通り鬼が持っている金棒をイメージしてデザインされた。



バリエーション


デスビースト

脚部を折り畳んだ状態から腰部に長い四脚ユニットを装着した陸戦強化形態。
鉄球型の弾丸を発射出来るデスライフルを装備しており、不整地など四脚によって安定性と高さを確保しながら戦闘を行える。
また四脚の先端を合わせた姿勢のままホバー移動することも可能である。

新宿編で多数登場するが、同じく初登場の東方不敗生身で攻撃され破壊される。
以降も新宿やギアナ高地での戦闘に参加するがあまりこれといった活躍は無く、
生身の師匠にぶっ壊された*1ということがある意味最大のアイデンティティーになっているかもしれない。


デスバーディ

背部のマウントラッチを介して巨大な翼ユニットを装着した空戦形態。本体は緑色に塗装されている。
本体は手ぶらだが、肩にはビーム砲が内蔵された巨大なアームユニットも装着されており、空中からの砲撃を行える。

ギアナ高地戦に多数登場し空から新生シャッフル同盟を襲撃。
迎撃にきたガンダムローズに対し空中で分離した本体が体当たりを仕掛けるなどの特攻も行った。


デスネイビー

脚部を折り畳んだ状態から腰部に魚のような流線形の水中機動ユニットを装着した海戦形態。本体は水色に塗装されている。
手には三つ又のを保持しており、水中・水上を高速移動出来る。その姿は人魚のよう。マーメイドガンダム「!?」
水中機動ユニットは分離すればそのまま大型魚雷としても使用可能。

ギアナ高地戦で多数登場し川を移動し新生シャッフル同盟を襲撃した。


デスバット

コロニーデビルガンダムから出現した宇宙戦タイプ。
背中に蝙蝠のような羽根が生えるとともに、下半身が丸ごと無くなってそこにデビルガンダムから伸びた巨大な触手が繋がっている。
むしろ見た目は触手の先端がデスアーミーになっている感じ。

ほとんど体当たりのような攻撃だが、その巨大さから攻撃力も高い。
ガンダム連合との戦闘で彼らを苦しめた。


デスボール

コロニーデビルガンダム内で出現した物。
見た目は最早人型でもなんでもなく銀色の大きな玉である。
しかし攻撃を受けると強力な電撃を放って応戦してくるうえ、他の個体も多数寄り集まって来て一緒に電撃を浴びせてくるのでかなり面倒な代物。
コロニーデビルガンダム体内に侵入した新生シャッフル同盟を苦しめた。


デスマスター

デスアーミーに角とバインダーを装着しマスターガンダムに偽装した物。
ポン付けされただけのようだがちゃんとバインダーは変形するうえ、マスタークロスと同じエネルギーの布を形成することが可能。
東方不敗がドモンを始末すべく敷いた「東方不敗が八卦の陣」のため4機が登場。
ドモンを追い詰めるがシュバルツのガンダムシュピーゲルが助太刀したことで撃破された。


デスドラゴン

デスアーミーにドラゴンガンダムの腕や頭部パーツなどをコピーして装着した形態。
デスマスター同様ポン付けに見えるが、ドラゴンクローや弁髪刀などの機能まできちんと再現されており、動きもかなり俊敏。
ギアナ高地にてネオチャイナとネオロシアのチームを仲違いさせるべく活動し、バレると今度は多数のデスドラゴンが彼らに襲いかかるが、
シュバルツとドモンによって全機撃破された。
『超級』では更にシャイニングやマックスター、ボルトなどの新生シャッフル同盟の機体に偽装した物も登場した。


ゾンビシャイニング

機動武闘伝外伝』に登場するデスアーミーがシャイニングガンダム擬態したもの。
……しかしシャイニングのプラモの改造なので当然だが擬態精度は極めて高く、外見はシャイニングそのもので
最初は腹に思いっきりマスターの腕が突き刺さっており本物のシャイニングガンダムっぽかった。
DG細胞によって進化しようとしており、最後には頭部からデビルガンダムの上半身が生えた「デビルシャイニング」へと変貌した。



その他の作品


ガンダムビルドダイバーズ

第三話の初心者向け連戦ミッションの序盤ステージで敵機として登場。
デスアーミー以外にもデスビースト、デスバーディ、デスネイビーなどがリク謎の仮面ダイバーのチームと戦った。


ガンダムビルドダイバーズRe:RISE

エルドラでの戦いにおいて謎のMS軍団「ヒトツメ」の戦力としてデスアーミーの改造機「エルドラアーミー」などが登場する。


  • エルドラアーミー
序盤から登場した「ヒトツメ」の主力機。
デスアーミーを模した改造機で、その姿はデスアーミーに酷似している。ただしボディカラーは薄緑。
頭部は角が無くなり丸いヘルムを被ったようなデザインで、各部の装甲もデスアーミーよりややごつい。
直接描写は無いが他のヒトツメ機同様に頭部に内蔵された「ガードアイ」が制御を行っていると思われる。

手持ち武器はビームガンと剣が一体になったアーミーウェポンや四ツ又の槍・テトラデントなど。
更に肩のマウントラッチにはビームキャノンやミサイルポッド、シールドなどを追加装備することも出来、装備バリエーションが豊富。
その他にも本機をベースにした多数のバリエーション機が製造されている。

なお、デスアーミーの特徴的なモノアイが「ヒトツメ」だと視聴者にはミスリードされていたが、実はMS登場前から現れていた「ガードアイ」のことを指していた事が後に明かされる。


  • エルドラブルブルート
戦車型。脚部ユニットが大型のキャタピラユニットに換装されている。
両腕は巨大な槍状になっており、ビームガンが内蔵されている他、先端部が開いて三本のヒートネイル、その中央にはビームサーベル発生器まで搭載している。
エルドラを訪れたビルドダイバーズが最初に交戦した機体。


  • エルドラホバーブルート
ホバー型。脚部が三基のホバーユニットに換装されている。
両腕はビームガトリングガンになっており、肩の逆側には電撃を発するサンダーロッドが生えている。
ブルブルートと共にビルドダイバーズの初戦の相手を務めた。


  • エルドラブルート
四脚を備えた陸戦型。デスビーストに酷似しており、構造もほとんど同じである。
テトラデントの他、背面にビームキャノンを装備しており攻撃力に富む。
通常サイズの他、そのまま2回りほど巨大化したタイプも存在しており、後者はビルドダイバーズ全員でも手古摺る強さを誇る。


  • エルドラエアブルート
空戦型。腕部と脚部が無く、背面に巨大な翼が付いているだけというデスバーディとも異なるデザイン。どっちかというとガガっぽい。
左右に伸びた肩パーツには爆薬を搭載しており、空爆を行うことが出来る。
また肩の両端にはカミソリのようなヒートブレードが付いており、格闘戦も可能。


  • エルドラシーブルート
海戦型。腕の無い上半身からエイを模した巨大な下半身が生えている。
巨体ながら水中での機動性が非常に高いうえ、装甲が非常に頑強なため並の攻撃ではダメージを受けない。
ソニックキャノン、プラズマ魚雷、ヒート爪など強力な武装も多数搭載しており、水中戦用のメルクワンガンダムでも一対一では歯が立たないほどの強さを誇る。
一機が軌道エレベーター周辺海域を警備しており、ビルドダイバーズと交戦。
持ち前の機動性とパワーで圧倒するが、チームが拙いながらも連携プレーを始めたことによって海上に引き上げられ解体された。



SDガンダムGジェネレーションシリーズ

デスアーミーのほか、多くの作品では換装形態としてデスビーストやデスバーディが登場する。稀にデスネイビーにも換装できる。
デスバーディは飛行能力持ちかつ移動力が高く、武装の射程も長いことから比較的扱いやすい。
ここからデスバットに開発できる。武装は平凡だがスペックは敵量産機と考えれば高め。
デスボールも敵専用機で登場した事があるが、シャッフル同盟だけで相手にする必要がある上に射程に入ると即自爆してくるため非常に面倒くさい相手になっている。

またオリジナル機体として「デビルガンダムJr.」が登場する。

  • デビルガンダムJr.
型式番号:JDG-0010X

デビルガンダム消滅後、残っていたデスアーミーたちが寄り集まって進化した末に誕生した機体。
ボディはどことなく白ヒゲそのお兄さんを思わせるが、下半身から四枚の花弁のようなパーツが伸びており、常時逆さまの状態で行動する。
花弁のようなパーツから一部が分離し、それぞれがデビルガンダム四天王の能力を部分的にコピーした「四天王ビット」として攻撃を行う。



立体化


ガンプラ

2019年にHGFCシリーズからデスアーミーが発売。
組み立てのしやすさなどを重視した「FineBulid」の一つになっており、シンプルで組み立てやすい構造だが各部のディテールや色分けも精巧に再現されている。
2020年にはプレミアムバンダイでデスビーストも発売。余剰パーツを使えば上半身を外してデスアーミーへの差し替えも可能である。

エルドラアーミー系はエルドラブルートがHGBDシリーズで発売。
こちらはデスビーストとの流用も考慮されており、構造もほとんど同じ。



追記・修正はゾンビ兵になってからお願いします。

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最終更新:2024年02月13日 09:53

*1 しかもこの時東方不敗はデビルガンダム事件に加担していたので、このデスアーミーたちはただ敵(ドモン達)を欺くための捨て石扱いされたに過ぎなかった。