グビラ

登録日:2018/01/30 Tue 23:31:31
更新日:2023/03/13 Mon 22:21:41
所要時間:約 7 分で読めます





グビラはウルトラシリーズに登場する怪獣。
初登場は『ウルトラマン』の第24話「海底科学基地」。




【スペック】

別名:深海怪獣
身長:50m
体重:3万5千t


【概要】

魚のフォルムをした四足歩行型の怪獣。例によって後ろ足の膝がつくタイプ
熱帯魚のようにカラフルな外見*1をしている。
その魚類のごとき見た目に違わず海中を住処にしており、泳ぐスピードは何とマッハ5というとんでもない速度。
同じ水棲怪獣のゲスラを超え、ガマクジラと同レベルの狂っているとしか言い様がない水泳能力を持つ。
ちなみに鳴き声は『帰ってきたウルトラマン』のツインテールにも流用されている。

本来は水中が活動拠点であるために陸上での動きが遅いが、それなりの跳躍で低空飛行ができるくらいの能力は発揮できる。

最大の特徴はカジキのごとく鼻先にドリルのような角が生えており、これを武器にして標的に突き刺したりする。
が、それだけではなく何とこの角は本当にドリルのように回転することが可能であり、岩盤を掘って地中を移動することもできる上、
特殊合金製の壁をも難なく貫く、ウルトラマン八つ裂き光輪を輪投げのごとくキャッチしてしまうほどの強度と破壊力を誇る。
ただ、同時にこの角が急所のようで、折られてしまうと急激に弱ってダウンしてしまう。

1992年に放送された『ウルトラマンM730 ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑』では、このドリルに『ダイハードドリル』という非常にカッコいい名前が付けられている。

他にもクジラのように背中から潮を噴き出すことが可能で、敵の目を眩ませることもできる他にも
設定では光波バリアーを張って防御することができるらしいが、本編では使用する機会がない*2
キングザウルス三世のごとくドリルを回転させたりして張るのだろうか?

『ウルトラ怪獣大百科』によれば、グビラやその祖先は石油やウランといった鉱産資源を好物としており、
それらを求めて地中を掘り進む内に吻がドリルのように進化していったとのこと。んなアホな……。


劇中での登場は出番が少なくほとんど水中でのミニチュアばかりだったためかややマイナーな怪獣ではあるが、
別に改造されたわけでもないのにドリルという男のロマン満点な独自の武器を持っているために一度見れば忘れられない独特な印象を持っている。

初登場以降、長らく出番が無かったが、『ウルトラマンサーガ』にて着ぐるみが新造された事で、撮影の大変で近年少ない四足怪獣ながら以降のシリーズでは度々登場する。



【本編での活躍】

海底資源開発を目的とした海底センターが深海200mに建設されたが、どうもその海域はグビラの縄張りだったようで、
住処を荒らされたと思ったのか*3地中からドリルを使って特殊合金でできた海底センターの壁に穴を空けて格納ドックを破壊し、
施設の生命線であるパイプライン(海の底なので管制基地から空気を送るもの)までも破壊してしまう。

結果、海底センターを訪れていたムラマツキャップとホシノ君達は脱出不可能となってしまい、空気も送られなくなったことから
数時間で窒息死してしまう最悪の緊急事態にまで陥ってしまう。浸水までするというおまけつき。

さらに特殊潜航艇S25号を操縦していたフジ隊員は自分の操縦ミスでパイプラインを破壊してしまったと誤解した。とんだ濡れ衣である…。
(ちょうど地中にいたグビラの真上にいたため)

その後、ハヤタ、アラシ、イデ隊員らはセンターに取り残されたキャップ達を救出するべく活動を開始し、
チート発明家のイデ隊員がたった一時間程度でセンターの特殊合金に穴を空けられる強力な溶解機を完成させた。

責任を感じたフジ隊員が溶解機を設置する一番危険な役目を引き受け、ハヤタ達が乗るS25号に護衛されながらセンターに到着するが、
そこに海中を泳いでいたグビラと遭遇してしまう。
S25号のハヤタ達が囮を引き受け、フジ隊員は溶解機を手に海中へと飛び込んで作業を開始する。
(注:深海200mの海中にてウェットスーツと酸素ボンベだけでスキューバなどもってのほかです)

S25号と激しいドッグファイトを繰り広げるグビラはセンターの頂上で作業中のフジ隊員にも襲い掛かるが、
すぐ真上をギリギリ掠めていくだけでグビラの水流に苦しみながらも耐えて辛うじて難を逃れていた。

フジ隊員はセンターの一行を救出に成功したが、S25号はグビラの体当たりを受けて撃沈されてしまい、ハヤタはウルトラマンへと変身。
水中での移動速度はグビラの方が上で逃げられてしまうが、グビラはドリルで岩盤に穴を空けて掘り進んでいく。

地上に出てきたグビラを追ってきたウルトラマンは潮吹き攻撃で目をやられたり、
ドリルで串刺しにしようとしてくるのをいなしつつも八つ裂き光輪を放つが、何とグビラは光輪の中心にドリルを上手く嵌めて受け止めてしまった。
さらにそのままドリルを逆回転させて投げ返すという芸当を見せたりと意外に健闘するグビラだったが、
低空飛行で突進した所をチョップでドリルを叩き折られてしまい、完全にグロッキー。

すかさずウルトラマンはスペシウム光線を放ってグビラを粉砕したのだった。


【その後のグビラ】

『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』

映像作品としては37年ぶりの再登場。平成ウルトラへの初登場が映画作品とは破格の待遇である。
ウルトラマンキング30万回目の誕生日を祝うため、ゾフィーアグルが駆るキング用のソリを引いて宇宙を泳いでいた。
頭にはリボンを巻いていたのでもしかしたらメスかもしれない。

ウルトラマンサーガ

なんと本作にて実に46年ぶり(正確には9年ぶり)の登場。
着ぐるみは新造されたものと思われる。

フューチャーアースに迷い込んだタイガ・ノゾムに襲いかかるが、ウルトラマンコスモスのフルムーンレクトを受けて大人しくなり去っていく。
しかしバット星人によって再び凶暴化してゴメスと共に送り込まれ、コスモス及び本領を発揮できずチビトラマンとなってしまったゼロと戦う。
最終的にはゴメス共々大人しくなるも、その直後にバット星人によって処刑されてしまった。


ウルトラマンX

珍回と名高い第16話「激撮!Xio密着24時」に登場。
ダークサンダーエナジーによって凶暴化した状態で出現し、ウルトラマンエックス及びゆかないとユナイトした大地と戦闘。
といってもすぐさまエクシードエックスに変身したので終始圧倒されていた。
グビラを持ち上げた大地&エックスは生鮮市場の屋根に寝転がし、
エクシードエクスラッシュで三枚おろし…もといダークサンダーエナジーを浄化。
ザナディウム光線スパークドールズに戻された。


ウルトラマンオーブ

第8話「都会の半魚人」に登場。
餌の魚を求めて移動をしている最中、日本沿岸にその姿を現した。
魚屋にかくまわれていたラゴンの親子を見つけて餌と認識してしまい、子供のほうを飲み込んでしまうがウルトラマンオーブの攻撃で子供を吐き出させられる。
その後もドリルを駆使してオーブと闘うがハリケーンスラッシュの武器・オーブスラッガーランスでドリルを防がれた後
スペシウムゼペリオンのシャットダウンプロテクトによって海へと返された。

その後、第24話ではとある恐ろしい者の気配に気づいて逃れるため、先述のラゴン親子を背に乗せて日本近海から離れていこうとする様子が映し出されている。


ウルトラマンジード

第21話「ペガ、家出する」に登場。
電撃能力を持つゾフィーのリトルスターを発症しており*4、苦しみでたびたび地震を起こしていた。
その地震が原因でリクと喧嘩してしまい、星雲壮から家出していたペガの目の前に現れる。
リトルスターの消滅を狙う伏井出ケイにその存在を知られ、彼がフュージョンライズしたペダニウムゼットンに執拗に攻撃を加えられるが
ウルトラマンジードによって難を逃れたばかりか、新たな戦法でジードを苦しめるペダニウムゼットンの隙をついて援護をし、勝利に貢献した。
戦闘後にリトルスターは譲渡され、グビラ自身も海に返されている(劇中ラジオから発せられた情報より)。


ウルトラマンR/B

第13話「秘密はイヤです!」終盤と第14話「お前は誰だ」冒頭に登場。テレビシリーズでは『X』から続く4度目の出演となった。
愛染マコトが召喚した怪獣として現われ、14話はロッソブルとグビラとの戦いから始まる。
ブルアクアの水流を飲み込んで潮を吹いたり、ロッソフレイムの火球に対しては
初代以来に相手の飛び道具をドリルで受け止める技を披露*5、芸達者ぶりを見せつける。
しかし戦闘中に愛染のジャイロが不調をきたし、それと同時に黒煙を吹き出しながら縮小していくと最終的にはウルトラマンから見て手乗りのサイズ*6に…。
その後はしばらくロッソの脛をドリルで小突いたり、ブルの前で踊るような仕草をするなどして遊んだ(?)後ポンっと消滅、クリスタルに戻った。


ウルトラ怪獣かっとび!ランド

なぜか魚ネタで頻繁に犠牲になる。まぁウルトラ怪獣の中では一番魚っぽいと言えなくもないが……。ガマクジラとかはカエル要素の方が強いし。
その他、ドリルを電動ドリル代わりに使われることもあるが、地中潜行ネタはテレスドンの方が頻繁に題材になる。
地中に潜ったシーンは4コマ漫画で一度披露したのみ。


オカグビラ


【スペック】
別名:古代地底獣
身長:50m
体重:3万5千t
出身地:地底

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第4話「笑顔の為に」に登場したグビラの亜種。
外見はちょっと茶色い事以外は今まで登場したグビラにそっくりだが、完全に地上に適応している地底怪獣である。命名者はテッシン。
鼻先のドリルで地面を猛スピードで掘り進み、アントラーテレスドンのように予測不能の攻撃を仕掛けてくる。

作中ではイグニスの持つ謎の神器に反応して出現。イグニスを餌の如く追い回し、町中を破壊しつくした。
その凄まじいパワーで上空まで吹っ飛んだウルトラマントリガーイルカのようにジャンプして襲い掛かるなど、今までのグビラのイメージを覆す暴れぶりを見せたが、
アキトが(イグニスが落とした)神器を持って囮になったためそちらに気を引かれてしまい、スキを突いてパワータイプに変身したトリガーのデラシウムクローインパクトを受けて木端微塵になった。

恐らく裏モチーフは『ウルトラマンティガ』43話「地の鮫」のゲオザーク

その後、第9話ではブラジルの3000年前の地層からグビラを描いたと思しき超古代人の壁画が発見された。


【余談】

  • デザインを担当した成田亨は、書籍『成田亨画集』のコメントで「いろいろと描いてみたが……といったデザインです」と振り返っており、氏個人としては正直微妙な出来という認識だったようである。


追記・修正は深海200mでスキューバダイビングをしてからお願いします。

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最終更新:2023年03月13日 22:21

*1 モンガラカワハギという実在の魚類に極めて似ている

*2 脚本ではスペシウム光線をバリアで防ぐ展開になる予定だったらしい。

*3 『ウルトラ怪獣大百科』によれば、海底センターに貯蔵されていた鉱産資源を餌として狙ったとのこと。

*4 恐らくゾフィーのZ光線に由来する能力

*5 これらの流れで虹を浮かび上がらせたり、上空に放り投げて花火として爆発させたりもした。

*6 劇中では周りに乗用車が何台か残っていたが、それらと同じくらいであった。