エクスカイザー

登録日:2020/04/13 (月曜日) 01:18:49
更新日:2024/04/12 Fri 15:50:58
所要時間:約 17 分で読めるのは、君と私だけの秘密ということだ






ガイスターの悪党め!

この地球で悪事を働くことは、私が許さん!


CV:速水奨

エクスカイザーは、サンライズ・名古屋テレビ(現:メ~テレ)制作のロボットアニメ『勇者シリーズ』第一作『勇者エクスカイザー』の主役ロボ。

今作のロボは敵味方問わずエネルギー生命体であり、地球で活動するために地球のメカに融合しロボットの姿を得ているにすぎない。彼もまたその1人である。

【概要】


宇宙の平和を守る宇宙警察『カイザーズ』のリーダーで、年齢は12000歳(地球人年齢に換算して20歳)。
地球に逃げ込んだ宇宙海賊ガイスターを逮捕するため、地球に降り立った際に星川家の車に融合した。ナンバーは「多摩33 ぴ38-52」。

ガイスター出現時には星川コウタに授けた通信機・カイザーブレスからの通信を受け現場に急行する。
しかし、偽装のために融合しているのが星川家の自家用車であり、コウタの父親・ジンイチが東部新聞社に勤める新聞記者のため、取材に向かう際に利用する時は出動ないし変形が遅れることもある。

家族での外出中に出動し、突然駐車場から消え失せてジンイチらを大いに困らせるのはお約束と化している。また、家に母ヨーコがいる際はエクスカイザーの発進を悟られないためにコウタや愛犬のマリオが色々と気を利かせる場面もあった。

第10話ではブルーレイカーからの通信を受けて単独移動、その際にドーム球場付近の駐車場で駐車禁止マークを貼られたこともある。

普段は透明のキャノピーをしたガルウイング式の自動車だが、ガイスター出現時にはキャノピーが青く変化、ボンネットにエクスカイザーのトレードマークであるライオンのプリントが施される。
運転席も変化、計器類が180度回転しエクスカイザーのシンボルである白い獅子のマークが現れる。
機体の左後部からアンテナも展開、カイザーズのメンバーと広範囲に連絡を取る。
自動車形態で会話する際はターンシグナルを明滅、ヘッドランプはカメラアイに該当しており、感情を表現する際に自在に開閉する。

カイザーズのリーダーに相応しく生真面目で責任感が強く、どんな小さな命や『宝』も見捨てないまさに『勇者』を体現した性格。

それ故に人命を第一にしており、ガイスターに「宝」を人質にされたらそれを壊すまいと苦戦する場面が目立っている。第14話では星川家の母・ヨーコと徳田オサムの母を含めたママさんたち、第23話ではテレビ番組「君こそ金のタマゴ」の人気アイドル・クミリンこと森田クミコを含めたテレビ局の人々、第27話では隕石除去装置・スイーパーと宇宙ステーションの乗組員(徳田を含めた)、第41話では星川家の愛犬マリオを含めたの群れ…など。

身の回りで事件が起きてもすぐガイスターの仕業だと決め付けず、証拠を掴んでからガイスターに立ち向かう判断力も併せ持つ。*1

また、地球のことをよく知らないため、ラジオからのニュースを聞いたりコウタから教わったりしてその情報を得ることが多い。

特に、第14話では妊婦さんを見て悪質な宇宙人寄生しているのかと勘違いしたり、第47話ではどの惑星にも見られなかった雪にも感動している。

そんなエクスカイザーにもお茶目な一面がある。第33話ではコウタからカイザーブレスを勝手に奪い取ったクラスメートの歌舞伎小僧・市川コスケに対し、真夜中でオバケになりきってブレス越しから悪いことはしないように語りかける意外な行動を見せた。*2

第36話ではコトミがコウタに好意を抱いているのを察すると、後ろからコウタを押して発言のきっかけを作るという、いい意味で地球外生命体らしからぬ、よくできた気配りを見せた。

コウタもまた、自身より遥かに年上のエクスカイザーから勇気と優しさを学びながら成長していく。

第26話では子パンダを自宅に匿っていたコウタに対し、狭い場所に閉じ込める動物園のやり方は間違っているかもしれないと認めつつ、動物園の人たちが子パンダを大切に思う気持ちはコウタと同じであると、元の場所に返すよう諭した。

この両者のカルチャーギャップを交えた交流を楽しむのも今作の見所といえる。
それ故に、最終話で地球を離れる際、永遠の別れともいえるコウタとエクスカイザーのやり取りは今も語り草となっている。




チェンジ! エクスカイザー!!


エクスカイザー



全長(自動車モード):5.2m
身長(アンテナ含む):10.3m
体重:32.6t
走行速度:82.4km/h
最高速度(自動車モード):398.3km/h
ジャンプ力:142.2m

フルスロットルで駆け抜けた後、ジェットエンジンで上空に飛び上がることでロボットモード変形開始。
キャノピー部は両脚部に変わり機体後部カバーが展開し頭部が露出、さらに後輪部から両腕部が展開される。
胸部から獅子の顔を展開することで変形完了する。
非戦闘時は獅子の顔を仕舞うことができるようになっているが、収納したのは初登場時のみ。

小柄なボディを活かし、自動車モードとロボットモードを巧みに使い分けるスピーディな戦法が得意。一方、巨大なガイスターロボには力負けしやすく苦戦することが多い。

また、意識を集中することで頭部のアンテナから物質復元光線・フォーミングビームを放出する。
コウタの祖父の形見であるクラシックカメラの修理(第1話)からガイスターロボ・ゴンダムに変えられたダムの修復(第19話)まで、その大きさに限りはない。

ただし復元できないものもあるらしく、ガイスターロボに変えられた一部のものは元に戻せなかった。第34話でも破壊されてしまったオリンピックの競技場は修復されていない。

第44話ではガイスターに囚われたサンタクロース姿の人々を救出する際、アンテナから解除光線を放っている。

エクスカイザーはそれ以外にも様々な機能を持っており、
第9話では捕縛用のアンカーをホーンガイスト&サンダーガイストに向けて使用。縛り上げて仲間のアジトを聞き出そうとしているが、失敗している。
第17話では右人差し指を端子状に変形させてコンピューターにアクセス。地下鉄の動作を司るコンピューター機能を探知して暴走を阻止している。
聴覚センサーにはあらゆる生命体の声がインプット可能で、最終話ではガイスターに捕らえられた徳田の声を探知した。


武装


  • スパイクカッター
両腕から発射される赤い手裏剣。
手裏剣の形状は円盤から三つのブレードが飛び出た形となっている。
速射性に長けており、牽制によく使われる。

  • ジェットブーメラン
右腕にパワーを集中した後、正拳突きの構えと共に発射される鳥型の小型ブーメラン
敵に直撃後、後部のブースターで加速をつけながら四方八方から攻撃する。
第1話での初陣において、ホーンガイストを退ける決定打となった。
スパイクカッターのように両腕から発射することも可能。

  • フレーミングノバ
胸部のライオンの口から強力な火炎弾を発射する。
水中では威力が半減するためか、第6話ではサンダーガイストの突進攻撃にかき消されてしまった。

  • インパクトフラッシュ
胸部の獅子の額から放つ逆三角形型光線。
小ぶりでありながらも岩を破壊する程の威力を持つ。

  • ショルダーボム
両肩アーマーの後部からタイヤを投擲する。

  • ブレストビーム
胸部の獅子の額からビームを放つ。




キングローダー!!


フォームアップ!


巨大合体! キングエクスカイザー!!


キングエクスカイザー


身長(アンテナ含む):22.1m
体重:86.8t
走行速度:186.7km/h
ジャンプ力:378.5m

エクスカイザーが巨大なガイスターロボと戦う際に、大型トレーラー・キングローダー収納する形で合体した強化形態。
頭部デザインはエクスカイザーと似ているが、口元はマスクで覆われている。
その名の通り、通常のエクスカイザーがさらに巨大化した姿で、パワーも上昇している。
エクスカイザーが両手から白い光線を虚空に向かって放つと、地上に異空間からの出入り口が現れてキングローダーが出現して合体に至る。

第3話ではウルトラレイカー&ゴッドマックスと共に冷凍光線を発射し、原子力発電所のメルトダウンという番組序盤とは思えぬほどの恐るべき大惨事を阻止した。

第4話では右腕部から制御用ケーブルを展開。瞬時に複雑な計算もこなせるようであり、火星用探査船の発射軸を調整し、その打ち上げを成功させている。

第7話では、精密な攻撃を披露。スターランドの遊具が合体したスターランダーのジェットコースターに乗り込んだコウタがカイザーブレスから放ったビームで複数のエネルギーボックスを確認。カイザーショットとカイザービームを駆使して破壊している。

そして、第23話では超能力を使い中継カメラを操作。ガイスターのアジトで「宝」の情報をかき集めるダイノガイストに宣戦布告。このことがきっかけでダイノガイストが自ら出陣することになる……。


武装


  • カイザーショット
両腕から発射される赤い十字手裏剣で、通常形態のスパイクカッターに該当される。
スパイクカッターと同様、速射性に優れており牽制によく使われる。

  • カイザーブラスター
胸部のライオンから放射される火炎攻撃。
通常時におけるフレーミングノバの強化版。

  • カイザービーム
胸部のライオンの目から光線を発射する。

  • キングバリアー
全身からオーラのバリアーを張り巡らせ、攻撃を防御する。
第13話ではガイスターロボ・ヘヴィーダによって掘り当てられた富士山のマグマ噴出を止めるために使用、ウルトラレイカー&ゴッドマックスの協力によって食い止めた。
その後、富士山一つ分のエネルギーを使ったらしく第13話ラストでは星川一家&コトミに押してもらうのだった。地球の自然を守るのも大変である。

  • カイザーミサイル
膝アーマーに内蔵された二門のマイクロミサイル

  • 反重力ビーム
ライオンの口から音波状の光線を発射。
第23話でタワザーに引きちぎられたテレビ局に向け照射し、地面に落下するのを防いだ。

  • カイザーウイングブレイク
両肩の翼のエムブレムからエネルギーの刃を実体化、ブーメランのように投擲する。

  • カイザーソード
右脚部に内蔵された長剣で、キングエクスカイザーの切り札。
使用する際、空が暗転。右腿部のカバーから飛び出した後、キングエクスカイザーが手にすると共に鍔部が展開される。
弾き返されてもキングエクスカイザーの思念を受けて手元に戻ることも可能。

剣の大きさに対して右腿のカバーが明らかに小さいが、問題なく収納できているため中は四次元ポケットのようになっていると思われる。

  • カイザーフレイム
カイザーソードから放つホールド技。
胸部のライオンの口から炎を放ち、カイザーソードの刀身に伝わせた後、刀身から巨大火球が精製。
野球のバットで打つようにガイスターロボ目掛けて打ち出す。
仲間の援護以外でサンダーフラッシュに移行する際には、ほぼ必ず使用する技と言っていい。

  • 真空桜吹雪
お花見回である第9話でのみ披露したホールド技。
円月殺法でカイザーソードを回転させた後、桜吹雪状のエネルギーが巻き起こり狛犬仁王ロボ・コマオウを捕縛した。

  • サンダーフラッシュ
キングエクスカイザー最大の必殺技
カイザーフレイムによって敵を拘束後、カイザーソードに蓄積したエネルギーを十文字状に解放。それを空を突き抜ける程の長さまで伸ばし、巨大な斬撃によりガイスターロボを一刀両断する。

轟く雷鳴も加わり非常に派手である。
撃破し、右足にカイザーソードを収めると胸のライオンが雄叫びを上げる。

自らの意思で威力を調節することも可能。第7話ではスターランダー本体を破壊することなく最後に残ったエネルギーボックスのみを破壊する芸当を見せた。

  • ギャザウェイビーム
ウルトラレイカー&ゴッドマックスとの合体技
それぞれのエムブレムから破壊光線を一斉発射する。
OPでは毎回のごとく使用している技だが、本編ではダイノガイスト初陣回でのみの使用。




ガイスターの悪党ども! 私の合体を阻止したところで、勝手になると思ったら大きな間違いだ!


ドラゴンジェット!


フォームアップ!


巨大合体! ドラゴンカイザー!!


ドラゴンカイザー


身長(アンテナ含む):22.8m
体重:90.2t
走行速度:200.5km/h
ジャンプ力:400.3m


第26話で初登場した大型ジェット機・ドラゴンジェットと合体した、エクスカイザー第二の強化形態。
第28話でキングローダーが破壊されて以降、この姿で巨大戦に挑むのがデフォとなった。
エクスカイザーが頭部から信号のようなものを虚空に向かって送信すると異空間からドラゴンジェットが現れて合体する。

パワーに優れたキングエクスカイザーとは異なり、カンフーにも似た格闘戦が得意。
技を繰り出す際、ブルース・リーばりの甲高い掛け声を発するのも特徴。
チョォォォォ!ウァッチャァァァ!チャアッ!」などとトンファーを振り回しながら叫ぶのは普段のエクスカイザーとのギャップが大きく、面白い。

ちなみにドラゴンジェットは単体でもロボ形態に変形可能。
この時は『ドラゴン』と呼ばれており、エクスカイザーの命令により自律行動する。
召喚方法は合体時と同じで、キングエクスカイザーが召喚する場合でも召喚方法は同じ。*3


【武装】


  • ドラゴンアンカー
両肩の爪パーツを飛ばして敵を攻撃する。

  • ドラゴンキャノン
両腕の二連装キャノン砲から破壊光線を発射する。
キャノン砲から伸びた翼部は鋭利なブレードとしてガイスターロボの装甲を切り裂くことも可能。
第28話ラストでは花火大会を台無しにされた人々への慰労として、ウルトラレイカー&ゴッドマックスの投げる花火玉に点火するという芸当をやってのけた。

  • ロケットブラスター
ドラゴンキャノンの派生技。
両腕のキャノン砲を射出し、四連装キャノン砲に合体させてガイスターロボに向けて速射攻撃する。

  • ドラゴントンファー
両腕のキャノン砲の砲身を収納後、トンファーに変形させて打撃攻撃を繰り出す。

  • ドラゴンショット
両腕からジェットブーメランに似た鳥型のミサイルを発射する。

  • ドラゴンシューター
両腕からカイザーショットに似た青い十字手裏剣を発射する。

  • ドラゴンビーム
額のクリスタルから破壊光線を発射する。

  • ドラゴンウェーブ
両手にエネルギーを収束させて電撃光線を発射する。

  • ドラゴンコークスクリューキック
きりもみ回転しながら繰り出すドロップキック。

  • ドラゴンアーチェリー
胸部の角飾りが変形した
格闘にも使えたり、ドラゴンブーメランとして投擲することも可能。

第31話にて、ナスカの地上絵から得たパワーによって金色に輝いた際に衝撃波を放った。
なお、第36話では胸部に装着した状態で火炎光線を発射している。

  • サンダーアロー
ドラゴンカイザー最大の必殺技。
ドラゴンアーチェリーから光の弦を生成し、背中から矢を取り出してつがえた後、落雷のエネルギーを収束させて放つ。




そうか、わかったぞ!

彼の地で与えられし新たな力と技を……見るがいい!


キングローダー!


フォームアップ!


超巨大合体! グレートエクスカイザー!!


グレートエクスカイザー


身長(アンテナ含む):32.9m
体重:177t
走行速度:250.4km/h
ジャンプ力:1200.8m

キングローダーとドラゴンジェットの両方と合体した、エクスカイザーの最強形態
ドラゴンジェットが複数のパーツに分離後、キングエクスカイザーの両手足に装着される形で合体。
胸部に炎を形作ったパーツが合体後、キングエクスカイザーの顔がエネルギーに包まれて巨大なマスクが覆われて完成する。

通常はドラゴンカイザーの状態でキングローダーを召喚し、エクスカイザーがそこに乗り移ってからドラゴンが強化パーツに分離して合体する。

第35話・第40話ではキングエクスカイザーがドラゴンジェットを召喚したり、第42話・第44話ではエクスカイザーがキングローダーとドラゴンジェットを同時召喚していきなりグレート合体したりと、合体バンクが3パターン用意されている。

ひとたび合体すれば人質でも取られない限り無敗の強さを誇る。キングエクスカイザーはおろかドラゴンカイザーすら敵わなかった巨大なダイノガイストと互角に渡り合える強さを持っている。

この形態でもフォーミングビームを発射可能。その際、両目から放つ緑色の光線となっている。

月面でのダイノガイストとの最終決戦ではマスクが破壊され、フェイスガードのないキングエクスカイザーとしての素顔を晒す。
サンダーフラッシュ前のバンクは気にしちゃいけない


【武装】


  • グレートフレイム
ライオンの口から放たれる超火炎。
その威力はキングエクスカイザーのカイザーブラスターを上回る。
「グレートブラスター」とも呼称されることも。

  • グレートキャノン
両肩のキャノン砲からビームを発射する。

  • グレートトマホーク
両肩から光のを生成し投擲する。

  • グレートフラッシャー
胸部パーツから強力なビームを発射する。
威力はダイノガイストが胸部パーツから放つ熱光線・ダイノバスタードと互角。

  • グレートボンバー
キングエクスカイザーにおけるカイザーフレイムに該当されるホールド技。
炎のエネルギーを圧縮した光球弾を投げつけ、ガイスターロボを捕縛する。


  • カイザーソード
第31話にて日食とともに光り輝くナスカの地上絵と共に出現したカイザーソードと、ドラゴンカイザーが使っていたドラゴンアーチェリーが合体した必殺剣

キングエクスカイザーのものよりかなり巨大で、ドラゴンカイザーの状態でもダイノガイストのダークサンダーストームを弾き返し、ダイノシールドやダイノサーベルを難なく切り裂くパワーを持っている。

ただし、あまりにも大きいためドラゴンカイザーの状態では扱いづらく、初使用回以外はグレートエクスカイザーの必殺武器として使用される。

ちなみにこのナスカの地上絵は古代の宇宙警察、つまりエクスカイザーたちの祖先が残したものとされており、後にダイノガイスト&プテラガイストがとある地図を見つけ出している。

二人はその情報を楠木村古墳でエネルギー生命体捕獲装置を、エジプトのピラミッドで装置の起動に必要なエメラルドストーンを入手してしまう。これが最終決戦の幕開けとなる。

終盤ではカイザーソードとドラゴンアーチェリーの二刀流を披露。最終話では両の刃を重ね合わせダイノガイストに向け衝撃波を放っている。

  • サンダーフラッシュ
グレートエクスカイザー最大の必殺技。
ライオンの口から炎のエネルギーを伝わせた後、カイザーソードの刀身を構えることで全身が金色に染まり竜のオーラを纏いながらガイスターロボを両断する

こちらも撃破後胸のライオンが雄叫びを上げる仕様。

キングエクスカイザーのものより威力は大幅に増大しており、本編でこの技は一度も破られたことがなく、まさに「無敵」

勇者シリーズ定番の「必殺技を放つ時に金ピカになる演出」はここから始まったといっても過言ではない。



【立体化】

★ロボットが人型のまま別の機体の内部に収納されるのは、1979年の『闘士ゴーディアン』、1986年の『マシンロボ クロノスの大逆襲』のバイカンフーなどでたびたび見られる方式ではある。コアとなるロボがより大きな姿にパワーアップするために合体し、その機体との強いシンクロを表現するのには適した手法である。

だが、内部スペースを非常に圧迫し、プロポーションと可動に多大な影響を与えるため、立体化を難しくさせる要因になる。巨大合体を再現した製品においては各メーカーとも苦心のほどがうかがえる。

このエクスカイザーをはじめとして、後の勇者ロボはプロポーションと合体を両立すべく様々な試行錯誤がなされていく。ジェイデッカーゴルドランでは収納するのではなく、折り畳まれたデッカードやドランが表面に収まることで胸部を形成している。また、ファイヤーダグオンではダグファイヤーをファイヤーストラトスの状態で収納することでスペースの圧迫を減らしている。

他にも、グレート合体の脚部を被せるのではなくゲタ状にするなど、様々な面で創意工夫が感じられる。

また、白いプラスチックは経年劣化により変色しやすいため、保管には注意。日当たりの強い場所では日焼け、かといって真っ暗な場所では暗所黄変によりやはり黄ばみが出やすい。大切な友達と長く付き合いたいならば直射日光の当たらない明るい部屋に飾っておこう。


★放映当時にタカラ(現:タカラトミー)から発売された玩具『巨大合体 DXキングエクスカイザー』は、プロポーションに難はある*4が内部にエクスカイザーを収納できるようになっており合体シークエンスを再現可能。エクスカイザーは差し替えなしでブレストチェンジを行うことができる。

『巨大合体 DXドラゴンカイザー』のドラゴンジェットもまた、合体ギミックのために箱のような見た目になっている*5が、グレート合体自体はしっかりと行うことができる。対象年齢の都合もあってかなり頑丈に作られているため、合体遊びを楽しむ分には安心して行えるのが魅力。

放映当時にはカバヤから食玩も発売されている。


★2004年にはスタジオハーフアイにて最小変形キングエクスカイザーとドラゴンカイザーが発売。文字通り非常に小さいサイズながらも巨大合体を再現している恐るべき製品であった。


★2005年にはタカラからマスターピースのキングエクスカイザーとドラゴンカイザーが発売。放映当時の玩具から大幅に進化しており、エクスカイザーの収納合体とグレート合体を維持しつつ、プロポーションはかなり改善され、関節の可動によるポージングが可能となっている。

ジェットブーメラン、スパイクカッター、エンブレムの形をしたスタンドに加え、コウタとマリオのミニフィギュアまで付属するというオプションパーツの充実ぶりも嬉しい。

合体工程の複雑化、品質管理の問題など難点も見られたが、元々立体化において無理の多いデザインであることを考えると驚異的な代物であった。


★2012年にはカバヤより勇者伝説ブレイブガムの第1弾が発売。キングエクスカイザーもラインナップされた。小さいサイズの食玩ではあるが巨大合体が再現されている。エクスカイザーも極小サイズであるにもかかわらずなんと変形できる。カラーリングについては当時品より成形色を近づけられているが、かなり大雑把。大部分がシールによる表現となっている。

2013年には第2弾でドラゴンカイザーも登場。こちらも巨大合体が再現されており、グレート合体まで可能。値段と大きさを考えるとギミックの凝りようは凄まじく、メーカーの努力はおろか執念までもが感じられる一品である。


★2014年にはコトブキヤのD-スタイルにてキングエクスカイザーが登場。勇者シリーズとしてはガオガイガー、ガオガイガーFINALに続くキット化となった。

およそ3頭身のデフォルメされた姿ではあるが、エクスカイザーは頭部が余剰になるが変形は可能。キングローダーとともに一度分解してパーツを再構成させることでキングエクスカイザーへの巨大合体を再現できる。さらにOPのように牽引した状態にもできるなど、小さいながらもギミック重視の設計となっている。


★2020年には同じくコトブキヤよりリアル頭身のグレートエクスカイザーのプラモデルが発売。設定画をそのままキット化したようなシンプルな設計であり、アニメそのままのグレートエクスカイザーが手に入る。

可動についても優秀であり、巨大なカイザーソードを両手で構える勇者パースを再現可能。ご丁寧にカイザーソードは通常のものと刀身にパースのついたものが両方付属する。オマケとして、別売りのブレイブガールの素体に本キットのパーツを組み合わせることでメカ少女にすることもできる。

反面、変形や合体については完全にオミットされており、キングエクスカイザーやドラゴンカイザーにすることはできない。エクスカイザーはプロポーションと変形合体の両立が非常に難しいので、完全な可動モデルとして立体化したのは潔い割り切り方ともいえる。


★2022年にはBANDAIのSMP ALTERNATIVE DESTINYにてキングエクスカイザー、ドラゴンジェット&超巨大合体セットが登場。

プロダクトデザインを務めた宮内利尚氏が以前手掛けたガレージキットを基に、凄まじいまでのアレンジが加えられているのが特徴。装甲は細かく分割されて情報量が大幅に増している。体格も小顔で頭身の高い現代的なヒーロー体形。細く締まった腰部に対して脚部は太く力強く、メリハリも効いている。T-REXによって設計された可動も優秀で、両手でカイザーソードを構えるポーズも難なく決まる。

その代わりにコトブキヤのグレートエクスカイザーと同じく変形合体はオミットされており、キングエクスカイザーとしてのみの可動モデルとなっている。

ドラゴンジェットはドラゴンカイザーへの変形こそ省略されたものの、バラバラに分解することでグレート合体用のパーツとなる。超巨大合体すると肩と脚を中心にもの凄いボリュームとなり、圧倒的な威容となる。

専用の大型スタンドも付属し、劇中のようにドラゴンジェットに乗って飛行する状態でディスプレイすることもできる。さらに巨大なカイザーソードに加え、超巨大合体中の様子を再現するための透明なエフェクトパーツも付属するという豪華仕様である。

ただし、グレートエクスカイザーにはその巨体ゆえの弊害もあり、腕や腰のパーツの一部がポロポロ取れやすかったり、脚部は関節の渋みが足りずヘタりやすかったりする。

また、よくも悪くもデザイナーの個性が強く現れたアレンジは、ヒーローロボとしての完成度は高いが、エクスカイザーとしてはどうなのかという点で好みが分かれる。変形合体のオミットに加え、人を選ぶキットではある。


【余談】

★エクスカイザーを始めとしたカイザースの面々は憑依した乗り物を模した姿にチェンジするが、実機が変形してるワケではなく、変形の際に実機を亜空間に保管してそれを模した姿に切り替わっている設定となっている。

本来大幅にサイズの違うはずの自動車、新幹線、ジェット機が同じサイズのロボになるのはそのためである。

翌年の『太陽の勇者ファイバード』の宇宙警備隊はこのシステムを持っていない上、合体システムも異なるものであったためジェット機から変形するファイバードは他の仲間より巨体となっていたが、その次の『伝説の勇者ダ・ガーン』では再びこのシステムが採用されて勇者達のサイズはほぼ統一されている。


★田中公平作曲による「超巨大合体!グレートエクスカイザー」は名曲。
変形バンクの際、キングエクスカイザーからドラゴンジェットを召喚するパターンはBGMに尺余りを生じるが、BGMを省略したり、さり気無く別の場面を挿入して尺を埋めるといった対応がなされている。


★グレートエクスカイザーは歴代勇者シリーズのグレート合体の中では最も汎用性が高く、
  • ドラゴンジェットにエクスカイザーおよびキングエクスカイザーが乗って移動
  • キングエクスカイザーとドラゴンの2体で攻撃
  • パワー重視で超巨大合体
  • 分離で撹乱して戦局を立て直し、再合体して戦闘継続
……といった様々な戦術を披露した。

次回作のグレートファイバードは自由に合体できるが上下合体なのでこの戦術が取れず、『ダ・ガーン』以降はグレート合体の発動に外的要因が必須となって自由な合体自体ができなくなった。
そのため、グレート合体で器用なことをした勇者はエクスカイザーが唯一無二の存在である。
一方、ジャンプで俊敏に飛び回る程度なら問題ないが、基本的に飛行能力は乏しいらしく、上記のように空中戦や長距離移動に関しては「キングエクスカイザーがドラゴンジェットに乗る」という形をとっている。そのためか『ブレイブサーガ』ではグレート勇者中唯一の地上ユニットとして扱われていた。


★後年、同じくサンライズ製作のロボットアニメ「GEAR戦士電童」ではパロディが見られた。
超獣王輝刃でファイナルアタックを放つ際に電童の機体が黄金に輝く演出がなされている。

また、エクスカイザーと同じCV:速水奨氏のキャラクター、ゼロが登場。
このゼロはエクスカイザーとは打って変わって慇懃ながら本性は冷徹無比の殺人マシンのような作中屈指の強敵。普段擬態している人間型の姿からロボットのような戦闘形態になり、さらに乗騎として駆るしもべ「ベクター」と合体することでさらなる強化形態「ベクターゼロ」へとパワーアップする。

この時、キングローダーよろしくゼロがベクターの内部に収納される形で合体し、「フォームアップ!」という掛け声を上げるなど、勇者エクスカイザーのパロディ的な要素が盛り込まれている。

同作品が「スーパーロボット大戦MX」に参戦した際もこの掛け声はADV(声付きイベント)として採用されている。

「GEAR戦士電童」の監督は「勇者エクスカイザー」で演出やストーリーボードを務めた福田己津央*6氏であるためだろう。


私は宇宙のどこにいようとも、いつも君を見守っている。

君の心の中に、いつも私がいることを忘れないでほしい。



我が命の炎が燃え尽きるまでは、荒らしの思い通りにはさせん!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アニメ
  • 勇者シリーズ
  • 勇者エクスカイザー
  • 速水奨
  • エクスカイザー
  • キングエクスカイザー
  • ドラゴンカイザー
  • グレートエクスカイザー
  • 原点にして頂点
  • 宇宙警察
  • エネルギー生命体
  • 宇宙人
  • ええかっこしいの警察Byトレーダー
  • ボクんちの車は宇宙人!?
  • 自動車
  • ガルウイング
  • トレーラー
  • ジェット機
  • カイザーズ
  • 火鳥兄ちゃんの憧れ
  • グレート合体
  • 親友は地球人
  • 勇者
  • 初代主人公
  • 主役ロボ
  • 勇者シリーズ最初の主役ロボ
  • マトリョーシカ式合体

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月12日 15:50

*1 ガイスターの事件は地面に大きな穴を開けて出現し、そこにあるものを丸ごと奪っていくという手口が非常に多く、特定しやすい。

*2 このコスケの件では、コウタの「ガイスターよりもタチが悪い」という冗談を真に受けて本気で怒ろうとする、真面目ゆえかやや融通の利かない面も見せている。

*3 エクスカイザーとキングエクスカイザーの頭部は細部こそ違えど全体としては殆ど同じなので、召喚時の信号も同じ部位から発信できる。

*4 エクスカイザーを中に収めるために箱のような体形となり、肩は設定画よりもかなり下の位置になっている

*5 両腕と両足は元々箱型だったキングエクスカイザーにさらに覆い被さるように合体するため、どうしてもそのような形状となってしまう

*6 エクスカイザーの時は福田満夫またはふくだみつお名義