ウルトラダイナマイト

登録日:2019/05/12 Sun 20:57:22
更新日:2024/03/15 Fri 09:49:29
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私を見くびるな!


ウルトラダイナマイト!!!


ウルトラダイナマイトとはウルトラマンタロウ必殺技の一つである。


【概要】

タロウが単独で使用する技としては最大の威力を誇り、その内容は、


という非常にインパクトの強い技であり、初使用のカタン星人戦ではタロウの体の一部が画面の前にまで飛び散る程であった。

カタン星人自体は(目潰し光線「アイ・アタッカー」自体は強力な技であるとはいえ)そこまで強い星人でもないのだが、
無関係の少女を巻き込んだ上にあの手この手の卑劣な謀略を駆使し、最終的にタロウの視力を奪い、窮地に陥れた。
だが、防衛チームZATが「ベル作戦」と題して星人に巨大な鈴を取り付けたことで(何故そんなものが都合よくあるのかはいつものことなので突っ込まないでおこう)
音で位置を看破されてしまい、この技を使用、見事に撃破した。

再生できるのはタロウが強力なウルトラ心臓の持ち主だかららしい。
まぁ今までも牙で串刺しにされたり首チョンパされても復活したし。
それでもバードンに倒されたのはケムジラからの連戦とこの心臓近くにの嘴をぶち込まれたからだと思われる。

強力な分、当然デメリットも存在し、一度使用すると多くのエネルギーを消費し、カラータイマーも赤になる。
更に、設定では1回使うと寿命が20年も縮んでしまうらしい。
だが、そもそもウルトラマンは数万年を生きられる種族であり、人間換算では3日ほどの消費らしい*1
そのいまいちピンとこないリスクから「タバコ1カートンくらいじゃないの」などとネタにされることも多い。

何にせよ、寿命が縮むこと自体負担である事には変わりないので、やはり重いデメリットなのだろう。
戦術的にも寿命が縮むほと体力を消耗する時点で乾坤一擲な技である。

『タロウ』本編で使用されたのは上述の1回きりだが、
後年の客演や派生作品、ゲームでも度々使用されており、ゲームでは最強技として実装されることが多い。
見た目の派手さや、後に図鑑で設定されたデメリットのインパクトもあってのことだろう。

なお、上述した演出についてだが、メタ的に言えば撮影技術の事情なども大きいと思われる。
昭和ウルトラシリーズでは怪獣の爆破シーンで爆破用に用意した無人の人形を爆破している*2ことが多いのだが、
ウルトラマンが組み付いた状態から怪獣だけを爆破する方法がなかったのである。

着ぐるみを着たスーアクさんを爆破人形に組み付かせても、ゼロ距離ではさすがに怪我をするし着ぐるみも破損する。
また爆破専用の人形の場合、サイズが小さい場合も少なくないし、かといってタロウを人形にしてもタロウも爆風で吹っ飛ぶことは想像に難くない。

敢えてタロウごと爆破を行い、タロウが自己再生することで生き延びるという演出により、タロウのゼロ距離攻撃で怪獣だけを倒すことができたのである。
アイデアとしては秀逸であり、インパクトも十分にあり、必殺技のマンネリ化を避ける上で非常に素晴らしい技である。
しかし人形を2体作って爆破するのがコスト的に厳しい*3のは疑いの余地もなく、一度だけの使用に終わったのも当然と言えるだろう。

21世紀以降の作品で何度か使用されている理由は見た目のインパクトに加え、撮影技術の向上により、人形2体を爆破する必要がなくなったためであろう。
技を発動する際、爆破時には原型を留めず粉々になり、再生時には光の粒子が集まりタロウの姿に復元されるような演出になっている。


技の使用時に全身が燃え上がるイメージから、特に新世代ヒーローズ作品におけるタロウを司る力は「火属性」扱いをされることが殆ど。
ウルトラダイナマイトという技のインパクトがどれだけタロウを象徴しているか分かる事柄だろう。

しかし実際にはウルトラダイナマイト=火属性という訳ではなく、爆発の衝撃波で相手を粉砕している。
なので再生能力を持つインペライザーは破片が残ってしまい効かず、「燃やす」能力であるウルトラマンメビウス バーニングブレイブによって倒された。
だが膨大なエネルギーを収束されるので応用は効き、ウルトラマンベリアル光の国のプラズマスパーク・エネルギーコアを奪われた際には、
この能力で残り火を守り、初代マンセブン、メビウスのエネルギーを回復させた。

『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』ではグリムドに対して使用するが、逆手に取られ爆発からの復元時にグリムドに取り憑かれてしまい闇に堕ちたタロウに変貌してしまった。闇に堕ちたタロウ状態で使用した際には炎が黒く染まっている。
息子のタイガも父に対抗するために見様見真似で使用。タイガ単独ではタロウに押し負けていたが、ウルトラマンタイタスウルトラマンフーマ工藤ヒロユキも燃えた事で逆転した。
ヒロユキ普通の地球人なのに……。


【派生作品での使用】

内山まもるの漫画版『ウルトラマンタロウ』ではカタン星人が登場しない代わりにムルロアに対して使用している。

漫画『ザ・ウルトラマン』に登場したタロウの幼馴染エルフもバルタン星人の野望を食い止めるためにこの技を使用しているが、
タロウと異なり再生の訓練を受けてないにもかかわらず使用したため、文字通り命と引き換えの自爆となってしまった。
ちなみにそのときのやり取りが
「…コツは、心臓にすべての力を集めるんだ。すると…、エネルギーが一気に集まって、また出ようとする。その力を利用するんだ」
「心臓に…」
「しかし復元は、練習をしないとできない」
である。「あー、いいよ」と気軽に教えたり、「でも最初はちょっと痛いよ」と一番重要な部分よりどうでもいいこと伝えてるタロウは当然コラである

漫画『STORY0』では戦士として覚醒したタロウが、文字通り山ほどもある巨大なザンボラーへのトドメとして初使用。
その後、暗黒宇宙での戦いでは光波熱線を一発でも撃てば誘爆してビッグバンを起こすとされた宇宙戦艦アイアンロックスのコアをウルトラダイナマイトの応用でエネルギーを一点集中させ、爆発させず蒸発させた。
周囲に被害が及ばないように、アイアンロックスの周りにエースがバリアを張っていたため熱による二次災害も無かった。

漫画『ウルトラマンタロウ VOL.1 悲しみの妖精少女』では、
東光太郎の幼馴染にして、宇宙のとある文明が造り出した生体兵器「妖精少女セーナ」を討つ際に使用している。
この漫画では光太郎は最後まで怪獣化したセーナを何としてでも助けようと足掻いていたが、
自身の意思とは無関係に人々の命を奪う存在である彼女を救うにはその命を奪う以外の選択肢しか無く、
見ようによってはタロウ=光太郎による、死にゆく宿命のセーナに対する「最期の抱擁」とも受け取れる描写となっている。

居村眞二の漫画『決戦!ウルトラ兄弟』のエピソード「おさななじみ」では、
タロウの幼馴染でありながらも悪の道に堕ちたシーカウ星人相手に使用している。
前述のエルフにセーナといい、どうも漫画媒体におけるウルトラダイナマイトはタロウの幼馴染の命を奪う機会が多いように思われる。

パラレルワールドが舞台である漫画『ULTRAMAN』では別世界の東光太郎(たまたま名前が同じで顔が篠田三郎似の別キャラ)が使用。
親友の命を奪い去ったドルズ星人に向かって炎を纏い突撃し、『ドラゴンボールZ』のオープニングのような大爆発を起こし撃破した。
だがあまりにエネルギー消費が激しく、一度でも使えば失神昏倒し、発動したことも思い出せないなどまだ完全に使いこなせてはいない。


【関連技】

  • ファイヤーダッシュ(タロウジャンファイヤー)
タロウの全身からエネルギーを変換した炎を吹き出し、相手を焼き付くす技。
ウルトラダイナマイトよりも先に使用され、ウルトラシャワーとのコンボでストリウム光線も効かなかった大羽蟻怪獣アリンドウを撃破した。
ちなみになぜ水(のようなもの)を浴びせたら効いたのかについては、公式が理由を明かしていないのでよくわからない。
視聴者は「表面のなんか光弾く素材を洗い流した」「実は水じゃなくて発火性の液体」とか想像している。
一部書籍ではウルトラダイナマイトがこの技の派生であると言われることもある。
なお、全く同じ名前の技を同じ円谷ヒーローである「ファイヤーマン」も使用している。
こちらは、ファイヤーマンが全身に炎を纏って体当たりする「ファイヤーマン版ウルトラダイナマイト」である。
ファイヤーマンの最大の必殺技であり、バラバラにはならないものの全パワーを使用するため使用後にはふらついて倒れてしまう。

  • ウルトラスーパーダイナマイト
かつてウルトラベルを得るため、そしてグランドキングを倒すために6兄弟が合体したスーパーウルトラマンタロウの状態で放つウルトラダイナマイト。
発動の際にはコスモミラクル光線と同じ黄金色の炎を纏う。
『ぱちんこウルトラマンタロウ』でラスボスのウルトラダークキラーを倒すために使用したほか、
ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』では「スーパーウルトラダイナマイト」名義で登場。
Episode5におけるタロウの回想シーンにおいて、ダークキラーを葬った技とされた(この時には合体ではなく5兄弟のパワーを借りる形で使用)。

ちなみに遊技機版ではスーパーウルトラマンとなったタロウの捨て身の一撃という形のウルトラダイナマイトであり、
自らの体をも破壊する威力を秘めていた(これを受け止めたダークキラーも心境の変化があったほど)。


  • ウルトラレオナマイト
内山まもるによる『小学二年生』掲載版『ウルトラマンレオ』でレオが使用。
卑劣極まりないバットン2匹を抱きかかえ、上空で爆発を起こし消し飛ばした。
爆炎が広がっている描写しかないのでどういう原理なのかはわからない。


ウルトラマンティガが使用する、全身からの熱エネルギーで敵を焼き付くす技。
自爆こそしないが消耗も激しい大技であり、使用回数も2回のみ。
詳しくは当該項目参照。


  • カオスダイナマイト
タロウを元にしたカオスウルトラマンであるカオスロイドTが使用するウルトラダイナマイト。
紫色の炎を纏い、弾丸の如く低空飛行をしながら特攻して自爆する。
無論、カオスヘッダーの能力により再生は容易どころか、それに伴う疲労が皆無に等しいため、自爆に対する躊躇が無いという容赦の無い技へと変貌している。
ゲーム『Fighting Evolution Rebirth』のストーリーモードではタロウがウルトラダイナマイトを使用するとカウンターで使用。
燃えたまま取っ組み合いとなりボタン連打合戦で勝った方が勝者となる。


  • メビュームダイナマイト
タロウの教え子、ウルトラマンメビウスが使用する技。
メビウスはウルトラ心臓の持ち主ではないので、本来であれば爆発後に再生できないが、
爆発後にメビウスブレスの力で肉体を再生させるというやり方で使用を可能としている。
だが消費はタロウ以上に激しく、威力も劣るらしい。


  • バーニングメビュームダイナマイト
メビウスバーニングブレイブで行う上述のメビュームダイナマイトの強化技。
こちらはタロウの物と遜色ない威力を誇るが、消費は更に大きい。
だが後年の客演では割と頻繁に使っており、偽物とはいえあのエンペラ星人に使った際には、
使用後もカラータイマーが青のままという物凄いことをやってのけた。これも彼が成長した証か。


  • ストビュームダイナマイト
ウルトラマンオーブバーンマイトがタロウとメビウスの力をお借りして行う必殺技。
自爆というより炎を纏った体当たりという感じで、威力は控えめだが消費も少ない。
ゼッパンドン戦では爆炎に紛れて逃走するという形で応用された。


  • ダークストビュームダイナマイト
_紅にぃ~燃えてしまえぇ~!

上述のオーブを(上っ面だけ)リスペクトした男が変身するウルトラマンオーブダーク(外見はオリジン似)が使用する技。要するにオマージュのパクリ。
それでも主役のウルトラマン兄弟をまとめて倒すほどの威力を誇る。
……相手はウルトラマンとはいえメンタルや身体能力的には一般人なのに社長容赦なさすぎです。


  • ダークキラーダイナマイト
ダークキラーが使用するキラープラズマエネルギーを用いたダイナマイト。
詳細不明だが、タロウの宿敵であるウルトラマントレギアも似た技を使用できる。


  • ダブルダイナマイト
漫画『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦』で使用したメビウスとの合体技。
タロウのウルトラダイナマイトとメビウスのメビュームダイナマイトを同時に繰り出す。
岩力破壊参謀ジオルゴンを粉砕したが、敵はその破片のまま別々に動いて襲ってきた。


  • ニュージェネレーションダイナマイト
ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』Episode12にて。
新世代ヒーローズとタロウの力をストリウムブレスに集めたギンガストリウムが使用。使用時の情景は上述したスーパーウルトラダイナマイトを意識している。
紅蓮の炎と新世代ヒーローズの最終強化形態のイメージを纏いながらダークキラーを葬り去った。


  • タイガブラストアタック
タロウの息子であるタイガの最強形態・トライストリウムが使用する技。
タイガトライブレードを構えて炎を纏って突撃し、爆発を起こす。
ダイナマイトの名は冠していないものの、炎を纏い、使用後に光の粒子になったタイガの身体が修復される描写があるため、ダイナマイト系列の技だと思われる。
トライストリウムがスーパーウルトラマンのためか、消耗が激しいような描写は特にない。


  • タジャドルダイナマイト
_タロウさん、大丈夫ですか?
_ああ、オーズ、私は大丈夫だ、行くぞ!
<<タジャドル! ダイナマイト!!!>>

3DS・PSP用ダンジョンRPGゲーム『ロストヒーローズ』で登場した、仮面ライダーオーズ タジャドルコンボとの合体技。
ウルトラダイナマイトとマグナブレイズを同時に相手に喰らわせる技。
ウルトラダイナマイトと同時に爆発して無事なオーズ……流石ラスボスを倒したコンボである。
続編の『ロストヒーローズ2』ではタロウが戦闘に参加出来なくなるので使用できないが、タロウ自身がこの技について触れる場面がある。




追記、修正は自爆して復活してからお願いします。

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最終更新:2024年03月15日 09:49

*1 タロウが1万2千歳、ウルトラの父が16万歳。平均寿命を20万年ほどと仮定した場合、20年は寿命の1万分の1程度。

*2 その後、『ウルトラマンメビウス』までこの方法は採用されてきた。以降は予算の都合でなかなか採用出来ず、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』のゴルバーとメガロゾーアまで新規の人形爆破は見られなかった。

*3 人形2体を作る材料と、2体を爆破するための爆薬を要するため、ストリウム光線なんかよりも時間とお金がかかる。