ウィリアム・バーキン

登録日:2020/01/19 Sun 07:46:46
更新日:2024/01/06 Sat 21:03:51
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Gは私の傑作なんだぁ!




ウィリアム・バーキンとは、ゲーム「バイオハザードシリーズ」の登場人物。初出は「バイオハザード2」で、同作品のラスボス
アンブレラ社所属のウィルス研究・開発を行う科学者であり、アルバート・ウェスカーの友人。
既婚者であり、妻にアネット・バーキン、娘にシェリー・バーキンがいる。
彼が開発したGウィルス及びそれによって誕生したクリーチャーについてはこちらを参照。




■プロフィール

身長 178cm
体重 66.7kg
血液型 O型
年齢 36歳(享年)
声優 Diego Matamoros(『2』)
TJ・ロトロ(『ダークサイド・クロニクルズ』『オペレーション・ラクーンシティ』、『RE:2』
関俊彦(『0(HDリマスター版)』、『RE:2』日本語吹き替え)
平田広明(『ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』日本語吹き替え)
映画版俳優 ジェイソン・アイザックス(ノンクレジット)



■人物


Gウィルスは、私の命だ。邪魔する者は容赦しない。
たとえそれがアンブレラの人間でもだ。

上記の時点で
  • アンブレラ社所属
  • ウィルスの研究・開発を行った
  • ウェスカーの友人
…と、バイオハザードシリーズに触れた人なら顔をしかめる要素てんこ盛りなためだいたい察せるが、あえて明言する。

サイコパスなマッドサイエンティストである

恩師であるジェームス・マーカスを若干軟化させたような人間性の持ち主で、友人も妻子もいるが、自分の研究のためならどんなことでもやる冷酷で残忍な性格
非道な人体実験など朝飯前であり、自らの恩師であるジェームス・マーカスさえ少しも躊躇せず殺害する。
同時に天才的な頭脳と技術を持っており、マーカスが発見したTウィルスを完成までこぎつけ、更に不死身の被験体リサ・トレヴァーの体内からGウィルスを発見・完成させた。
ぶっちゃけると『0』から『3』までの時系列で起きた惨劇の元凶の一人である。
ついでにウェスカーが自身に投与したウィルスはウィリアムの置き土産で、超人的な能力をウェスカーに与えた張本人でもある。

しかし天才であるが故に屈折した性格も持ち合わせており、自分以上の才能に対してやや狂気的なほど嫉妬する。
当時10歳の少女であったアレクシア・アシュフォードが自分の記録を塗り替えたと知った時には彼女に一方的な対抗意識を燃やし、無意味な実験・研究を繰り返した。
しかし、この出来事がT-ウィルスやG-ウィルスを生み出すバネとなったのも事実である。
そのアレクシアが死亡した*1と知った際には大いに喜ぶ*2など、虚栄心が強く、器はかなり小さい*3

研究熱心を通り越して研究中毒状態であり、ウェスカーによれば「常に何らかの資料・データを持ち歩き、暇があれば常にそれを眺めていた」という。
また、アネットと結婚しシェリーをもうけたのは他の研究員が精神を病むレベルの人体実験を行っていた頃の出来事で、流石のウェスカーもこれには呆れたという*4

初出の『2』からリメイクの『RE:2』までで、ウィリアムが人としての情を見せたととれる描写は、
  • 別の思惑もあったとは言え、アンブレラから抜け出すと宣言したウェスカーを見逃し、更に試薬を渡す。
  • 結婚指輪をしっかり身につける。
  • 親子三人そろっての集合写真を撮ってそれをパソコンのデスクトップに飾る。*5
の3つのみ。
ここまでくると悪魔のウィルスを2つも完成させたことよりも、結婚して娘をもうけ、円満とはいかないまでも家族の体裁を維持していた*6事の方が偉業と言える。

RE:2においては彼の歪み切った人間性を顕著に表した実験内容を確認できる。
実験内容も、
  • G胚を植え付けられた被験者を意識を保った状態で胸を切開し、胚の成長速度を観察。
  • G生物化した被検体を30名の被験体群に引き合わせる。(29名に胚が植えられ〈つまり死亡〉1人は恐怖で自殺)
  • 深い親交のある孤児2人組を用意。片方にG-ウィルスを投与し、もう片方の孤児に対する反応を観察。
などなど常人であれば発狂するような実験を日常的に行っていた。
シリーズの悪役としては珍しく家族への愛情が明確に見えてくるキャラクターではあるが、そうした人間味を持ちながら、里親を心待ちする子供たちを惨たらしい実験の犠牲できる精神性はまさに真正の狂人と言える。




■関連人物

アルバート・ウェスカー

アンブレラ幹部養成所の研修生時代の同期。ウィリアム唯一の友人にしてライバルであり、ウィリアムの死後に重症の厨二病患者となる。
アンブレラからの離反を宣言した際、ウェスカーはできればウィリアムをアンブレラから引き抜きたかったようだが、ウィリアムはGウィルスが完成していないことを理由に断った。
ウェスカーはアンブレラを離反することを事前に打ち明け、バーキンもそれを黙っていたため、両者の間にはそれなり以上の信頼関係はあった模様。

ジェームス・マーカス

研修生時代の恩師。ウィリアムとウェスカーの才能には舌を巻いたという。
しかし、ウィリアムはウェスカーとともに下記のスペンサーの命令に従ってなんの躊躇も無く彼を暗殺。研究を横取りした。
その際に笑い声を漏らしているが、これはマーカスへの嘲笑ではなく純粋にTウイルスの研究ができることが嬉しかったのだと思われる。

オズウェル・E・スペンサー

アンブレラの会長。Gウィルスを開発する際にしっかり彼の承認を得たので、一応目上の人物として見ていた模様。
しかし最終的に折り合いがつかなくなってしまい…。
尚、ウィルスによって作られた理想郷で神になるという野望を持っていたため厨二病の拗らせ度合いで言えばかなりの酷さ。
流石は雇い主と言った所か。

アレクシア・アシュフォード

アレクサンダー・アシュフォードの娘。ウィリアムが16歳で主任研究員になったのに対し、彼女は10歳で主任研究員となった。
これにウィリアムはアレクシアに対して一方的な対抗意識を燃やし、それが結果的にウィルスを完成させることになる。

リサ・トレヴァー

ジョージ・トレヴァーの娘。
Tウィルス、タイラント、ネメシス、Gウィルスと4種類もの災厄を作り出すための実験材料にされた薄幸の美少女。
さすがのウィリアムも、何をしても死なない正真正銘不死身のクリーチャーと化した彼女を初めてその目にした時は、絶句せざるをえなかった。

・アネット・バーキン

ウィリアムの妻。元々は部下の一人であり、『2』に至るまでウィリアムの助手として研究に勤しんでいた。
夫とアイアンズの連絡員としての役割も務めていたが、アイアンズが根っからのサイコパスな事にうんざりしている。
一体全体ウィリアムのどこにいつ惚れたのかは不明*7。ウィリアムも彼女を想い返す描写もなく興味は薄い模様。
あんな研究をしながら結婚をし子供も設けているので、狂っているのには違いはないがまともな神経も持ち合わせている。
少なくとも夫よりは娘の事を気に掛けており、いずれの結末も娘への愛を伝えてから事切れた。
一方で『バイオハザード レジスタンス』では「誕生日を忘れてたことへの仕返しよ!」とG第1形態ウィリアムをこき使う。

シェリー・バーキン

ウィリアムの娘。顔立ち以外はウィリアム率0%……というか本当にあの両親の子供なのかと疑いたくなるレベルの良い子。
研究第一なウィリアムは、あまり彼女に愛情を注ぐことが無かった*8が、シェリーは両親をしっかり慕っていた。

ブライアン・アイアンズ

ラクーン市警察署(R.P.D.)の署長。ウィリアムとは別のベクトルで危険人物。
多額の賄賂を渡すことで、彼をいいように使っていた。

ハンク

アンブレラの特殊部隊『U.S.S.』アルファチームの隊員。
アンブレラの意向に沿わなくなったウィリアムのもとに、同僚たちとともに派遣されるが…。

ジェイク・ミューラー

バイオハザード6」に登場した、ウェスカーの息子にしてシェリーの相棒。
面識はおそらくないだろうが、「ウェスカーがジェイクの母親と深い関係になったのは、ウィリアムが妻子の自慢をしてくるのでちょっと羨ましくなってしまったから」というネタっぽい考察が存在する。

・クリスチーヌ・アンリ

ドラマCD「生きていた女スパイ・エイダ」に登場した、ある意味アレクシアと同類のアンブレラ・フランス支部の女所長。
正史に組み込まれているかどうかは不明であるが、バーキン夫妻からG-ウイルスを奪取するようハンクに命じていた事が語られている。*9



■末路

純然たる完璧さだ…私の愛しいGウィルス…おまえを絶対に渡さない

Gウィルスを完成させる頃になるとアンブレラとウィリアムの対立は決定的となり、独自にアメリカ合衆国政府と取引し保護を求めた。
それを良しとするわけのないアンブレラは、ウィリアムに向けハンク率いるU.S.S.アルファチームが差し向ける。
ウィルスを奪われまいとし銃撃で瀕死の重傷を負ったウィリアムは、延命とGウィルス奪回のため自らに多量のGウイルスを注入してクリーチャー「G」へと変貌を遂げた。
その後、ハンク以外のアルファチーム隊員を全滅させ、この際にTウィルスのカプセルを破壊。ラクーンシティ全域でのバイオハザードを引き起こす。
その後、6日間に渡って警察署やその地下を徘徊し、繁殖の為に宿主となる人間を探し続け、遂に宿主として最適なシェリーを発見し、彼女を追跡するようになる。
理由はどうであれ、「人間だった頃よりも、クリーチャーになってからの方が娘に執心するようになった」というのはなんとも皮肉な話である。

その過程で何度もレオン・S・ケネディクレア・レッドフィールドと戦うこととなる。
退けられるたびに異常進化を繰り返した挙句、最終的に列車(『DC』『RE:2』では研究所)の爆発で完全に死亡。
Gウィルスを含んだ細胞片は後にエイダ・ウォンによって採取され、ウェスカーの手に渡った。

その最期は奇しくも、自身が暗殺した恩師マーカスと同じく、「アンブレラから切り捨てられ、己の研究成果を奪い取られる」というものであった。



■映画版


実写映画6部作

上述の通り、ノンクレジットで出番が少ないためか、実質的に名ありのモブキャラと言える扱い。

●『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』

実写映画6部作のリブートにあたる本作で本格に実写化。
大まかな設定こそ原作準拠であるが、レッドフィールド兄妹が育った孤児院の経営者であったり、ウェスカーとは赤の他人だったりと人物像が色々原作と異なっている。





絶対に真似させないぞ…! 私の生涯をかけた追記・修正だ!


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最終更新:2024年01月06日 21:03

*1 厳密にはコールドスリープで眠りについたのだが、公にはされなかった。

*2 更に十年以上後のGーウィルス完成時のレポートにすら「あの世のアレクシアも悔しがっているだろう」等と書き残しており、相当根に持っていた模様。

*3 アレクシアへの嫉妬については、ゲームキューブやWiiなどにリリースされたリメイク版の「バイオ1」で追加された設定であり、初代プレイステーションやセガサターン版の「バイオ1」では一切触れられていない(そもそも初期の際には続編の制作構想があったかすら疑わしいが)。

*4 但し、ウェスカーはレポートにおいて「あの場所で成功出来るのは狂った奴だけ」と言う認識を持っていたのだが。

*5 ウィリアムがどこか暗い表情を浮かべているのに対し、シェリーが満面の笑みを浮かべているのが切ない…。

*6 妻のアネットは死の直前までウィリアムとシェリーを想い続け、娘のシェリーも親や友達の情に恵まれないながらも生活面で不自由していた描写はなく、両親を恨むような発言も皆無である。また攻略本においては「たまに帰っても研究の話ばかりしていた」とはいえT,Gウィルス研究やスペンサーとソリが悪くなる等多忙かつ危険な身にもかかわらず、シェリー用の食事の買い置きが尽きる頃には夫婦揃って律義に家に戻っていた模様。

*7 ただし『2』ではエイダとの会話で「アンブレラのせいで夫があんな姿に」「奴らがあんな事をしなければ夫の研究は成功していた!」と夫に起きた事に激昂していたので、アネットからは少なくとも良く思われていた。

*8 とは言え上記の注釈の通り最低限の配慮はしていた模様。

*9 64版『2』でクリスチーヌが送った指令書がファイルとして出現している。