アナザーカブト(仮面ライダージオウ)

登録日:2019/06/03 Sun 23:31:49
更新日:2023/07/29 Sat 21:59:55
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2006←じゃない 2019 KABUTO もう一人のカブト もう一人のカブト←ダークカブトじゃない やさぐるま やさぐれ アナザーウォッチ アナザーカブト アナザーカブトウォッチ アナザーライダー ウール エタニティラルバ エタニティラルバ←コンセプトは同じ カブト カブトもどき カブトムシ キモイ キャストオフ クロックアップ グロい ザビー→キックホッパー→カブト タイムジャッカー タッグ パチモン ビートルワーム マトリョーシカ ライダーもどき ライダーフォーム ライダー怪人 ワーム 今 誰か俺を笑ったか? 仮面ライダー 仮面ライダーカブト 仮面ライダーキックホッパー 仮面ライダージオウ 兄貴 切り替え 哀しき悪役 地獄 地獄兄弟 幼虫→蛹→成虫 徳山秀典 怪人 怪人ライダー 濃すぎるキャラクター性 甲虫 矢車想 脱皮 野良イダーズ 高速戦闘



「今……誰か俺を笑ったか?」


KABUTO

2019


「どうせ俺なんか、ワームしか相手にしてくれない……!」


アナザーカブトとは、『仮面ライダージオウ』に登場する怪人「アナザーライダー」の1体。

身長:195.0cm
体重:95.0kg
特色/力:高速戦闘
変身者:2019年の矢車想
契約したタイムジャッカー:ウール
モチーフ:仮面ライダーカブト
デザイン:篠原保
登場話:第37話、第38話
※身長・体重は、仮面ライダーカブト ライダーフォームと全く同じ。


概要

第37話、第38話に登場したアナザーライダー。
変身者は何と、地獄兄弟の呼び名でお馴染みの矢車想/仮面ライダーキックホッパー
アナザーオーズアナザーリュウガアナザーブレイドに続く4人目のレジェンドキャストが変身するアナザーライダーである。

原典『カブト』において、矢車はネイティブ化しかけていた「弟」の影山瞬/仮面ライダーパンチホッパーを本人の懇願からその命を奪っており*1、原典から13年が経過した現在の矢車は影山を失ったことから更にやさぐれてしまった模様。
ちなみに、『仮面ライダー図鑑』におけるジオウ版矢車の家族欄には影山の名前がある。血の繋がりはなくとも、お互いにとっては立派な家族だったことが窺える。

だが、再びワームが隕石に乗って次々と地球に襲来する事件が発生。
事件が起きている最中、タイムジャッカーウールと出会い、彼から「アナザーカブトウォッチ」を与えられることでアナザーカブトに変身する能力を得た。
その後、ワームが擬態した影山と何らかの経緯を経て接触、彼と再び「地獄兄弟」として行動を共にすることになる。

本心では「目の前の影山がワームの擬態した姿である」と理解しつつも、「自身の大事な弟である影山を守ること」に固執しており、周囲の説得にも応じようともせず、
第38話では、ワームの乗った巨大隕石が迫る地球の危機にすら「地球なんて俺たちにとっては地獄だ」と無関心な様子を見せている。

容姿

仮面ライダーカブト ライダーフォームをモチーフにしている。因みに加賀美からは「カブトもどき」と呼ばれている。
その姿はカブトの姿に擬態したワームといった風貌で、原典作品の怪人の要素が強まったデザインとなっている。…というより、完全にカブトっぽいアレンジを加えられたワームであり、例えるなら「トリュポクシルスワーム」と言ったところか。脱皮しきれてないけど。
そのためワームの意匠をふんだんに取り入れたその造形の完成度を評価する声も多い。

頬の辺りにはワームのサナギ体に似た「目の中に手の指が入り込んだ腕」のような不気味な意匠があり、カブトの青い複眼を模した部位の下部分にある窪みに指が入り込んでいる。
窪みの中にはアナザーライダー特有の眼があり、顔面には他にも歯を食いしばった口や、赤い鼻がある。
頭部にはオリジナルのカブトよりも大型化したツノが生え、後頭部の形状はカブトムシなだけに戦国武将の兜を思わせるものに変化している。

胴体部は各部に昆虫の脚や鋭利なツノのようなものが生えており、更にカッシスワームやウカワームを想起させる赤い甲殻で覆われたような見た目となっている。
胸部には眼のような模様があり、上記の複眼部分も合わせて昆虫の眼状紋を思わせる。
また、この眼のような模様がカブトムシの翅に似ているという意見もあり、ハイパーフォームの翅の要素に見えなくもない。
左肩の甲殻部分はサナギからの羽化に失敗したカブトムシの胴体にも見え、右肩のツノのような部位はコーカサスヘラクスケタロスを思わせる。

アナザーライダー特有の名前と年号は、右脚部装甲に「KABUTO(カブト)」、左脚部装甲に「2019」と刻まれている。
手足のデザインはアナザー鎧武アナザーリュウガ等と同じ。

腰にはカブトの「ライダーベルト」を模したベルトを巻いているが、バックルの「カブトゼクター」に当たる部分はカブトとの対比のためなのか、
その外見は丸まったカブトムシの幼虫を思わせる装飾に変貌しており、見る者によっては生理的嫌悪感を抱くデザインとなっている。
このベルトは、見ようによっては仮面ライダー1号のベルトにも見え、『カブト』が仮面ライダー35周年記念作品であることも意識しているのかもしれない。

また、ベルトの幼虫要素・顔面のサナギ体要素・甲殻やツノの成虫要素を合わせることで、カブトムシの成長段階を取り入れているとも言われている。

篠原氏によるとデザインコンセプトは「オリジナルのカブトとネイティブワームのハイブリット」

ところで、あのずんぐりした体格でカブトと全く同じ身長・体重ということはこいつ実は結構軽いんじゃなかろうか。似たようなことはアナザーブレイドにも言える。


能力

固有能力はオリジナルのカブト同様に「クロックアップを用いた高速戦闘」。
発動時はオリジナルと同じようにスイッチを押すような動きを見せてから発動しているが、「クロックアップ」の音声はアナザーウォッチのような低く不気味なものに加工されているのが特徴。
劇中ではガタック以外に、ゲイツリバイブ疾風フューチャーリングシノビのスピードならばクロックアップの動きに付いていけるようだが、アナザーカブト自身はパンチホッパーとのタッグによるコンビネーションで襲ってくるため中々手強い。

攻撃方法はオリジナルのカブト同様にキック等の足技が得意な模様で、カブトの回し蹴りのようなカウンターキックも使用している。
だが、カブトの「カブトクナイガン」のような武器は所持していない。

また、『カブト』の歴史が改変されていないことから矢車は引き続きキックホッパーへの変身が可能で、劇中ではキックホッパーとアナザーカブトの両方の姿に瞬時に変身する芸当を披露した。
クロックアップもありアナザーリュウガ以上に戦闘スキルが高い強敵と化している。

歴史改変の影響

他の2019年製アナザーライダー同様、カブトの活躍していた2006年には歴史改変は起きていないとされ、加賀美新のセリフからZECTは現存しており、
加賀美や地獄兄弟は仮面ライダーへの変身が可能。*2恐らく、本来のカブトである天道総司もカブトへの変身が可能のままだと思われる(第36話ラストでは、彼らしき人物の手がカブトゼクターを手にしている)。

しかし、第37話で加賀美が「渋谷は1999年に隕石が落ちて壊滅した」「渋谷はいつここまで復興したのか」と奇妙な発言をしており、『ジオウ』の世界観における背景設定との「食い違い」が起きていることが判明。*3
それと同時に、ソウゴ達は大きな時空の歪みが発生していることをようやく自覚し始めるようになるのであった。

タイムジャッカーが矢車をアナザーカブトにした目的については時空の歪みが関係しているらしく、ワームの目的には一切関わっていない。
流石に彼等もワームの巨大隕石落下による地球滅亡だけは問題視しており、「キバ編」での仮面ライダーギンガとの戦闘から引き続き、(間接的にだが)ソウゴ達に協力することになる。


劇中での活躍

第37話「2006:ネクスト・レベル・カブト」

隕石やワームが襲来する中、いつの間にか矢車はウールによってアナザーカブトに変貌していた(何らかの契約を交わしたのか、無理矢理アナザーウォッチを埋め込まれたのかは不明)。
その後は概要にもある通り、影山(に擬態したワーム)と共に行動、ワームに利用される形で地球に隕石を呼び寄せる片棒を担ぐことになる。

ジオウⅡとガタックがパンチホッパーと戦う中で出現し、追い詰められていたパンチホッパーを助ける。
「弟に手ぇ出すな」「加賀美、お前はいいよな…」と恨めしそうなセリフを呟くと、その場はクロックアップで影山共々撤退した。

その後は加賀美を狙い彼を誘き寄せるため、「自分はワームだが、兄貴があんな怪物になったのが辛い」と影山に嘘の懇願をさせることでまずソウゴを呼び出し、
更にソウゴの後をつけさせるような形で加賀美を誘き出すことに成功。
しかし、ソウゴも影山の懇願が嘘と知ってか同じく作戦を立てており、現れた巨大隕石を破壊すべくフォーゼアーマーに変身して隕石の破壊に向かい、
一方の矢車はパンチホッパーと共にウォズやガタックと対決する。

クロックアップを使用した高速戦闘でウォズを翻弄するも、ウォズギンガワクセイフォームの「水金地火木土天海エクスプロージョン」による怒涛の攻撃を受けて敗れた……かに思われたが、爆炎の中で瞬時にキックホッパーに変身し、「どうせ俺には宇宙の力なんて無い……地獄の力だけだ!」と叫ぶとライダーキックをウォズに叩き込み、その隙に乗じて姿を消した。
その後、隕石破壊に向かったジオウを見届けたゲイツの前に、変身を解除した状態で川の中をふらつきながら歩く矢車が現れるのだった。

第38話「2019:カブトにえらばれしもの」

川から上がったところをゲイツに呼び止められ、ゲイツから影山に擬態したワームに協力することを止めるように説得されるが、
「ワームだったらなんだって言うんだ」「俺のかわいい弟だ」とまるで聞く耳を持たず、
更に「笑えよ。どうしても倒さなきゃならなくなったら、俺がやる。もう一度、この手でな……」と言い切る。
直後にゲイツがソウゴからの連絡を受けると、自身もアナザーカブトに変身してクロックアップを発動、すぐさま影山のいる場所に向かう。

その後、加賀美を人質にしていた影山の元に到着。
ソウゴ達がコダマスイカアームズやタカウォッチロイドを使用して加賀美を救出するが、
クロックアップによってソウゴとウォズからフォーゼライドウォッチとギンガミライドウォッチを奪い取ることに成功。
そのままパンチホッパーとの連携でガタックを撃破して、その場を去っていった。

ウォッチを盗んだ後はどこかの倉庫に潜伏し、『カブト』本編でも登場した「兄弟ラーメン*4」を食べていたが、
「流石に地球を滅ぼされては困る」として、矢車にアナザーウォッチを与えた張本人である筈のウールが時間を停止させつつ現れ、フォーゼとギンガのウォッチを回収された。

その後はビルの屋上でパンチホッパーと共にゲイツやウォズと対決し、一度は必殺技を喰らって変身を解除されるが、すぐさまキックホッパーに変身してガタックと対決する。
今度はガタックとのライダーキックの撃ち合いに競り負けるも、キックホッパーのボディーをキャストオフの如く破る形でアナザーカブトに再変身し、ガタックを変身解除に追い込む。
だが、加賀美の「諦めない意思」に呼ばれるかのように突如そこへカブトゼクターが飛来。カブトゼクターを手にした加賀美は仮面ライダーカブトに変身し、「カブト同士の戦い」が繰り広げられる。

一方、パンチホッパーもゲイツリバイブ疾風に追い詰められ、ゲイツから「今こそ影山(に擬態したワーム)を倒すチャンスである」ことを諭されるも、
矢車は結局「俺達は永遠に二人で地獄を彷徨うんだ…!」とこれを拒否してしまい、なおも影山を守ろうと突っ込んで行ったところでカブトのライダーキックをカウンターで叩き込まれて撃破され、アナザーカブトウォッチも破壊された。

パンチホッパーもゲイツリバイブに撃破され、影山が呼び寄せようとした巨大隕石もツクヨミの能力によって落下スピードを遅らせられた隙に、
ウォズギンガタイヨウフォームの「バーニングサンエクスプロージョン」で隕石内のワーム諸共焼き尽くされ、脆くなったところでジオウトリニティの必殺技によって完全に粉砕された。

こうして矢車を利用していたワームの目的は阻止され、影山に擬態したワームの消滅が迫る中、

「影山……もう1度兄貴って呼んでくれよ…」

矢車は影山に呼び掛けるも、

「俺は影山じゃない…。お前は俺の…兄貴なんかじゃない……」

否定の言葉を呻きながら、擬態影山は元のサナギ体の姿に戻り燃え尽きた。
全てを否定され、再び「地獄」へ堕ちた矢車は、沈みゆく夕日を見ながら、一人寂しくどこへともなく去って行った。

「笑えよ……誰か、俺を……笑ってくれよ……」

第43話「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」

アナザージオウⅡ率いるアナザーライダー軍団の1体として登場。
アナザーファイズやアナザー鎧武と共にディケイドと戦うも、ディケイドスラッシュでまとめて倒された。


余談

  • 矢車の変身する仮面ライダーキックホッパーにはマスクドフォームは存在しないが、アナザーカブトからキックホッパーへと瞬時に変わる様は、ワームの脱皮やカブトに登場するライダーシステムのキャストオフの演出を思わせる。

  • 矢車の行動について視聴者間では、「例え偽物であっても、それが大切な存在であれば守り抜く」という『カブト』という作品の根幹をトレースしたとも評されている。



  • 本作が映像作品において初のキックホッパー・パンチホッパーがクロックアップを初披露した作品である。



追記・修正は、タイムジャッカーと契約してアナザーカブトになってからお願いします。

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最終更新:2023年07月29日 21:59

*1 正確には、『カブト』における影山の生死の明確な描写は描かれていないが、『ジオウ』本編の加賀美のセリフから死亡していることが語られている。また2012年に刊行された『小説 仮面ライダーカブト』においても影山の死が明言されている。

*2 しかし、上述したように2019年における影山はワームの擬態なので、何等かの方法でホッパーゼクターを入手した模様。原典でもホッパーゼクターが何台も登場するシーンがあったので矢車が再び影山に与えた可能性が高い

*3 『ジオウ』の世界観における1999年には渋谷に隕石は落下していないと思われるが、そうなるとワームと戦った『カブト』の歴史が成り立たなくなってしまう。

*4 ご丁寧にも令和印にデザインが変わっている