ビッグワン/番場壮吉

登録日:2011/12/12 Mon 19:41:50
更新日:2023/11/12 Sun 19:09:45
所要時間:約 4 分で読めます




※推奨BGM:「ジャッカー電撃隊」


「ジャッカー電撃隊、処刑!撃てーっ!!」

瞬間、白い影が走る!

正義か?悪か?

そうです!助っ人・ビッグワンの登場です!

ビッグワンとは、誰だ!?


次回!


白い鳥人!

 ビッグワン


に、ご期待ください!











よぉ、ただいまハムスター君!

オキャクサンダヨ、コノヒト!コノヒト!

誰だ?

そこはジョーカーの席だぜ。

なんたる傍若無人!

全く……!

どけぃ!

何者だ!?

ここは俺の席さ……フッフッフ……。

何者だ……?

ジャッカー電撃隊行動隊長、番場(ばんば)……壮吉(そうきち)

よろしく。



番場壮吉とは、『ジャッカー電撃隊』の登場人物。
姓名は『ババ(トランプのジョーカー)』に由来。

演:宮内洋
主なスーツアクター:岡本美登、春田純一、大葉健二

特撮界の伝説的な男達が中の人も外の人も演じた伝説中の伝説である。
なお衣装が白いため、オープニングでのテロップは一人だけ
アイキャッチもAパートがビッグワンのゴーグルに移る初期メンバー4人、Bパートは駆け出す4人の上に浮かぶビッグワンのビジョンに変化している。


●目次

【概要】

初登場は第23話「白い鳥人!ビッグワン」。
ジャッカーコバックを受け付けない犯罪組織クライムのメカ人間・アトミック魔女。
苦戦を強いられ、あわや処刑寸前に陥ったジャッカーだったが、彼らを疾風の如く救った5人目のサイボーグこそが、ビッグワンこと番場壮吉である。
彼こそ、ニューヨーク本部科学技術庁長官になった『ジョーカー』こと鯨井大助の置き土産。
国際科学特捜隊の若き司令官として任命された彼の登場により、作風がかなり明るくなった。
真の使命は落ち目だった視聴率を回復させ、打ち切りを防ぐ事である。


【人物】

堅物だった鯨井に対して、キザでユーモラスな性格。
行動隊長らしからぬ奇抜な格好をしており、純白のタキシードと帽子、虹色のスカーフが特徴。
スペードエースこと桜井五郎達4人の前に姿を現した際には、科学特捜隊ジャッカー本部のジョーカーの席に足をかけて座り込んでいた。
そのため、傍若無人な振る舞いと受け止めた4人からクライムのスパイではないかと疑われていた。
しかし、鯨井が密かに開発していた新兵器・ビッグボンバーの模型を組み立てた後、番場が砲弾をセットする事でビッグワンのビジョンが浮かび上がり、4人から行動隊長として認められた。

鯨井からの評価もお墨付き。
自分から動く事は少なかった鯨井とは異なり、自ら戦いに赴き進んで部下たちをサポートする。
何しろ、あの宮内洋氏が演じている上、変身後の出番が下記の通りなので、むしろ変身前のアクションのほうが多い。

変装の名人でもあり、老若男女問わず子供以外なら、どんな姿にも変装可能。
その腕はクライム首領のアイアンクローですら欺いたほど。第29話ではアイアンクローを相手に命を狙い合いながらの変装合戦を展開した。

同時期に配属された姫玉三郎(演:林家源平)とは仲が良く、彼の作ったカレーラーメンが好き。

彼もまたサイボーグであり、ジャッカー4人の力の源となる原子電気磁力重力の4大エネルギーを単独で併せ持っている。

特技が変装ということもあり、強烈な印象に反して作劇では裏方に回ってクライムの暗躍を潰しにかかる事が多く、シナリオ全体の主役は桜井で一貫している。
時折「真の主役」扱いされるのは最終回の名乗りでセンターを陣取った事*1と、オープニング映像で明らかに他の4人より目立っていた+〆が番場のアップだったことによるイメージが原因。
ただし、後年には演じた宮内氏自身が番場役での出演について「師匠である丹波哲郎の子息、丹波義隆から主役を取ってしまうようで気が引けた」という旨を語っており、
単なる視聴者の印象だけでなく作り手側からも主役交代のように取られていた側面があった事も確かなようである。



【ビン】


画像出典:ジャッカー電撃隊 第23話『白い鳥人!ビッグワン』より、(1977年10月1日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


番場がチェンジした姿で、既存の4人とは大きく異なる外見をしている。
スーパー戦隊シリーズ初の追加戦士。

デザインは白を基調としたスーツに、顔と胸の中央に虹色のラインが入ったカラフルなもの。
額には「1」の文字があり、ベルトの形状はアルファベットの「B」を模している。
マントによる飛行も可能であり、「白い鳥人」と呼ばれている神出鬼没の戦士。

上記のように4大エネルギーを持っている為に戦闘力も非常に高く、劇中では苦戦どころかダメージらしいダメージを受けた事すらない。
また、中の人補正か追加戦士補正か、やたらとオイシイとこ取りも得意。

基本的な出番は、新兵器の大砲・ビッグボンバー使用時にビッグボンバーを組み立てた4人の「ビッグ・ワン!」の掛け声と共にどこからともなく現れ、ビッグボンバーに弾を装填して発射する役割を担う。なので単独で戦闘する場面は少ない。

強化カプセルが無いと変身出来ない4人とは異なり、他の戦隊と同じくいつでもどこでも自分の意思で変身が可能。
マントを翻すかのような仕草をした後、瞬時に変身する。
……なのだが、変身がお披露目になったのは最終回におけるイカルス大王との対峙シーンのみ。
それ以外は変身の様子が画面に映った描写はなく、いつも変身した状態で駆けつけていた。
その後はVシネマ『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』にて、バラの花弁に口づけをした後空に投げつけてジャンプし、「ビィーッグ!ワーン!」の掛け声と共に舞い降りて変身している(映像自体はビッグボンバー使用時の流用)。

モチーフは当初は特にないとされていたが、近年ではジョーカーとされている。
鯨井のコードネームもジョーカーだが、ビッグワンはトランプにおける2枚目のジョーカーであると思われる。あるいはトランプセットに1枚は付いてくる真っ白なカードなのかもしれない
劇中における扱いを考えると確かにジョーカー扱いはしっくりくるのだが。

現代では『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーと並ぶ「スーパー戦隊の元締め」的な立ち位置に置かれており、『機界戦隊ゼンカイジャー』ではセッちゃんから「権力」と称された。


武装

◇ビッグバトン
ビッグワンの個人武器であるバトン。
変身前後問わず常に片手に持っており、変身すると形状が変化する。
ビッグワンの腰ほどまでの長さと決して大きくはないが、この1本にも核に電気に重力に磁力の4つのエネルギーが凝縮されている為、非常に強力。

ちなみに番場は一部の変装時以外は常にバトンや棒(恐らくビッグバトンの変形)を携えている事から、一部のファンからは「ビッグワンの本体はバトンなんじゃね?」と囁かれている。

『ゼンカイジャー』ではツーカイザージャッカーギアを発動した際にビッグワンの幻影からバトンを渡される形で使用。
ステイシーザーが召喚した偽ジャッカーを前述の「権力」で支配下に置いた。


◆必殺技

  • ビッグボンバー
ジョーカーこと鯨井が密かに開発していた必殺兵器。
ジャッカー版ゴレンジャーハリケーンに当たる技で、同時にスーパー戦隊伝統の「合体バズーカ」のハシリ。
4人が大砲のパーツを携えて集結、最後にビッグワンが砲弾を装填して放つ。この砲弾はゴレンジャーハリケーン同様、標的の弱点に変化する性質を持つ。

  • ビッグワンフィニッシュ
ビッグバトンの先端に4つのエネルギーを集中して一閃する。
実は本編未使用の幻の技であり、後述の客演時に23年の時を経て初披露となった。


【客演】

Vシネマ『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』

当初は老僧に変装して登場。
はぐれハイネス・ラクシャーサに大敗を喫した百獣戦隊ガオレンジャーに戦士の魂の在り方を教え、赤の戦士をリーダーとする*25色の戦士達の存在を語った*3
変装を解いた際の決め台詞とBGMは『ジャッカー』本編当時と変わらず、その際の発言から現在もジャッカー電撃隊は存続していた事が明かされた。
戦闘ではドリーム戦隊のリーダーとして活躍。
チートめいた強さは相変わらずで、マントを翻すだけでオルグが手も足も出ないほど。
また、ラクシャーサの攻撃で膝を付くという非常に珍しい場面もある。

ちなみに上述のビッグワンフィニッシュの初出はこの作品だったりする。


映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦

長年の友であるアカレンジャーや、歴代の番外戦士と共に宇宙帝国ザンギャックの大部隊に苦戦する天装戦隊ゴセイジャーの前に颯爽と現れる。
番外戦士のサポートを受けてアカレンジャー、ゴセイジャーと共に174人の仲間と合流し、レジェンド大戦に参戦。
この際、一跳びでゴセイジャーはレジェンド戦隊の最前列、アカレンジャーは中心部に着地しているが、ビッグワンは最後列まで跳ぶという驚くべき跳躍力を見せている。

力を失った後はレンジャーキーを通じて、海賊戦隊ゴーカイジャー大いなる力を授けている。

ちなみに、玩具のビッグワンキーは『ダイスオー』ファンブックの付録、及び食玩の「レンジャーキー(『特命戦隊ゴーバスターズ』放送時の第1弾)」でしか手に入らないレアアイテムだった。


スーパー戦隊最強バトル!!

『変化球チーム』の一員として参戦。
チームメイトにシグナルマン・ポリス・コバーン天空忍者シュリケンジャーニンジャマン、VRVマスターがいる。
しかし、変化球チームは第1回戦で怪力チームに敗れてしまった。
なお、ビッグワンの出番はなし。


【余談】

スーツのメインカラーは「白」だが、『ゴーカイジャー』までは「その他の戦士」の色に分類される事が多かった。

レンジャーキーではレギュラー戦士として扱われているが、実際の扱いは追加戦士や番外戦士に近く、歴代の追加戦士でも非常に優遇されている。
そのため、ファンからはデカマスターウルザードファイヤーゴセイナイトらと並んで歴代最強戦士候補に挙げられる事もある。

自分と同じように額に「1」の文字を持つアカレンジャーとは信頼関係に結ばれているようで、ビッグワンが客演する際には必ずアカレンジャーも一緒に客演している。

また、中の人ネタでアオレンジャーこと新命明や『超力戦隊オーレンジャー』の三浦尚之参謀長とも繋がりがある。

彼のBGMとして有名なあの曲は本来スペードエースのもの。事実、歌詞にて「スペードエース」を何度も連呼している。
隊長、部下の歌盗らないで下さい!


ジャッカー電撃隊行動隊長、番場……壮吉。

追記・修正、よろしく。


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*1 ちなみにスペードエースは向かって左から2番目。元々4人編成なのでそもそもセンターではない。

*2 ただし、『忍者戦隊カクレンジャー』や後年の『ゼンカイジャー』のようにいくつかの戦隊では「赤」がリーダーではない戦隊も存在するが。

*3 ちなみにこの時、『ゴレンジャー』~『未来戦隊タイムレンジャー』の本編映像が流用されているが、「3」色しかいない『太陽戦隊サンバルカン』は「5」色には該当しない。もっとも、ジャッカーも自身が加入するまで4人だった事と、スーパー戦隊として地球を守る為に戦ったという事実から同等の存在として認めていたとも取れる。