能条タイプ(金田一少年の事件簿)

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登録日:2015/01/05 (月) 12:22:01
更新日:2024/02/16 Fri 11:52:41
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「能条タイプ」とは、『金田一少年の事件簿』『金田一37歳の事件簿』に出てくる犯人の類型。

名前の由来は「オペラ座館・新たなる殺人」で登場する能条光三郎。
各人に関しては当該記事でより詳しく解説がなされているものが多いので、そちらを参照されたし。
またそれとは真逆のタイプである「逆能条タイプ」についても掲載しているが、初期の頃はこちらの方が多かった。

この手のタイプは哀しき悪役と言われ、他作品にも登場する事もあるが、ここではタイトルの通り『金田一少年』『金田一37歳』に登場した人物のみを扱っている。地味に同じ作者の『探偵学園Q』では登場しておらず、某小学生探偵の方でも激レアである*1


◇能条タイプ

普段から悪態や人を貶す言葉を言う姿をして周りの反感を買い「こいつ殺されてもいいんじゃないか?」
と読者からも思われるが、実はそれは周囲を欺くための演技で、本当は善良な心根の持ち主であり、
それゆえに復讐に走ってしまったことが判明するという経緯を持つ犯人を指す。

いずれも大切な人達を自分が殺した被害者に奪われたという共通点があり、
ある意味では被害者たちの犯した愚行の犠牲になった『被害者ともいえる。


【能条タイプの人物の傾向】
  • 犯行の動機が大切な人を殺された、もしくは自殺に追い込まれたことに対する復讐である
  • 手にかけた被害者はそれこそ逆能条タイプにいがちな吐き気を催すほどのクソ野郎で過去に起こした事(いじめや性暴力等)に関しての反省をしていない
    • それどころか「再犯上等」な奴もいて救いようがない
  • 復讐を果たすまで小悪党を演じ、一に嫌悪感を抱かれ、第三者と読者からも恨みや反感を買う
  • 無関係の人物は絶対手にかけない
  • 共犯である人物を守るため自分が犯人だと最後まで貫き通す
  • 復讐を果たした後は責任を取るため自殺をしようとする
  • 劇団のスターや座長、会社社長、映画監督など組織の主戦力やトップである


【能条タイプの犯人一覧】

◇─ 能条光三郎  
怪人名 - ファントム
関与事件 - オペラ座館・新たなる殺人
  • 演技時:「おれはどっちかっていやあ、センセイ、あんたのコネが目当てだったんだよ。大演出家って言われてるあんたの娘と一緒になりゃ、いつかでっかいチャンスが巡ってくるんじゃねえかってな
  • 真実:「黒沢先生。どうでしたか、おれの演技。少しは、巧くなりましたか?

このタイプの元祖ともいえるキャラクター。
劇団「幻想」の団員で、団長である黒沢和馬の娘・美歌と婚約していたが、同じ団員の真上寺聖子に鞍替えし、美歌を絶望させ自殺に追い込んだ。
女癖の悪さは札付きで、師である黒沢にさえ罵詈雑言を浴びせるその愚劣さは、まさに「吐き気を催す邪悪」そのものだった。

しかしその真相は、能条を自分のものにしようと企んだ聖子とその一味により強姦され、自殺に追い込まれた美歌の復讐を遂げるための演技だった。
また、その強姦を録画されたビデオ回収の為、すぐに復讐を行わずに長い月日を耐え抜いた事から、決して自身の報復感情だけで突っ走った訳ではない事がわかるだろう。
劇団員ならではの自分も黒沢に敵対する人間であると標的たちに信じ込ませ、聖子、緑川、滝沢の3人を殺害し復讐を遂げる。

全てを暴かれた後は自らの手によってビデオテープを投棄。全てのけじめを付けて連行されていった。

なお劇場版においては発狂した滝沢が美歌の親友である加奈井理央を犯人(ファントム)と誤解して彼女を殺そうとするもファントムに変装した能条が彼女を助ける。だが滝沢の反撃にあい逆に殺されそうになった能条を理央は滝沢を殺すという形で助ける。罪悪感に押しつぶされそうになる彼女の為に、能条は全てを背負い自分にまかせるようにいうと劇場に火をつける(彼女が犯人だという証拠を消すため)その後自首したと思われる。
(といっても凶器は滝沢のもので殺そうとしたのも滝沢で能条の「彼女が滝沢に殺されそうになったから」という証言があれば正当防衛になり釈放される可能性は高い)
本心では能条を憎んでいた彼女も能条の抱えていたものを知り彼への憎しみを消した。


◇─ 檜山達之
怪人名 - 亡霊兵士
関与事件 - 墓場島殺人事件
  • 演技時:「村の生き残り? 復讐? なんだよそれ 俺はただアーミィ―気取りのお坊っちゃん連中に心底ムカついてただけさ 俺にとっちゃ最高の三日間だったぜ。チャチな遊びじゃなく、生の殺しを体験できたんだからなっ
  • 真実:「復讐なんてろくなもんじゃねぇ…もし…そんなこと考えてる奴がいたら言ってやりてぇよ…復讐なんざ…もう…やめちまえって…もっと…てめーの人生…大…切に…生き…て…

大学2年生で、サバゲーオタな長身の青年。
根暗で嫌味ったらしい性格で、事件が起こると狂ったように軍事マニアぶりを発揮。
一たちにも銃を突きつけて脅しをかけるなど、小憎らしい小悪党然とした人物。

その正体は一たちの友人・森下麗美の幼馴染で、火災により滅びた小さな村・黒坂村の生き残りである家族思いの青年。
30人以上の村人を焼き殺した惨劇の原因が、サバゲーに興じる者たちによる失火が原因と知り、村を滅ぼした彼らに復讐を誓った。
そして彼らのサバゲーサークルに潜伏し、自らドが付くほどのミリタリーマニアを演じながら復讐の計画を練り上げていった。

事件の中で彼と麗美は互いに初対面を装い対立していたように見せかけていたが、裏では共犯の関係にあった。
(岩野の身代わりとなった金田一につかまりそうになるも、麗美もしくは檜山(どっちだったかは不明)が金田一の首を絞めて助ける。
真相解明時に残るターゲットである岩野を殺そうとして金田一に止められた際には
岩野が一を身代わりにして犯人の魔の手をかわそうとした一件を指して、卑劣な手段で助かろうとした岩野に対する純粋な怒りと共に
「こんな最低野郎をお前は助けるのかよ」と犠牲になりかけた一を案じたとも取れる言葉を漏らしている。

自身が犯人であると暴かれてもなお、共犯である麗美を庇うために最期まで小悪党を演じながらハラキリ(アニメ版では服毒自殺)。
その後、本当の動機は共犯の彼の子供を妊娠していた麗美の口から語られた。ちなみに麗美は可愛い。
2022年現在、能条タイプで唯一死亡している人物。

名前が似ているからか、アニメ版の声優勇者王だったりする。


◇─ 椎名真木男
怪人名 - 午前零時の悪霊
関与事件 - 鬼火島殺人事件
  • 演技時:「ふざけてんじゃねーぞ、バイトのくせに
  • 真実:「あいつらを殺してから自分のことも”殺そう”って、そう思ったんだ!

不動ヒポクラテスセミナーに参加する高校3年生。
ボンボンで虐めっこの森村圭一と、その腰巾着である加藤賢太郎に付き従う気の小さそうな青年。
しかし船から転げ落ちた彼を助けようとした一に悪態をつくなど、本人も相当に性格が悪い。
挙句には苛めっ子の一人として2人目の犠牲者となった。

本性は森村たちに虐められ自殺未遂を起こした少年・海老沢邦明の親友。
自分も森村に虐められることを恐れ、嫌々ながら彼に従い海老沢虐めに加担してしまうが、それが最悪の結果を招くことに。
自分を最後まで信じていた海老沢の思いに報いるため、自分を含め森村たちを殺す決意を固める。
さらに自分が犯人であることが世間に知られぬよう、死体に化けて一たちの目を欺いた。
この工作は、自身の家族に「殺人犯の近親」という汚名を着せないためのものであった。
ちなみに自身が殺害された被害者に見せかけた犯人は彼を含めて3人だけであり、彼の他には後述する"逆能条タイプ"の二人が当てはまる。

真相解明後は、生きて海老沢に謝るように一に諭される。
ドラマ版では船から転げ落ちた際一に悪態をつくことがなく、人当たりのいい人物に変更されている。能条タイプの犯人の中でドラマ版でキャラ変がなされた唯一の人物である。


◇─ 毒島陸 
怪人名 - 死刑執行人
関与事件 - 剣持警部の殺人
  • 演技時:「3年前の反省の弁も何もかもありゃー全部でまかせだ こーしてシャバに出られたら全部こっちのもんだぜバ〜カ!
  • 真実:「剣持警部…すまねぇ

3年前に起きた十神まりな監禁暴行死体遺棄事件の「主犯」とされた人物。
未成年であることを主な理由に3年で出所するが、当時の反省の言葉は全て出任せと言い放ち、剣持を挑発した。
当時の自分の仲間だった多間木や魚崎が殺されていくに続き、自らも首を吊られて殺されかけるが一命をとりとめた。

実は彼は当時の事件には関与しておらず、それどころか殺された十神まりなの友人だった。
真犯人だった多間木らのスケープゴートとなり、友人も家族もすべて失い、高遠の教唆によって剣持に全ての罪をかぶせる形で復讐殺人を敢行。

真相が判明するまでは、彼の本当の姿を知っていたのはまりなのみだったが、その後は彼女の実妹であるえりなも「毒島君」と呼び認識と態度を改めている。


◇─ 月見里光
怪人名 - 雪鬼
関与事件 - 雪鬼伝説殺人事件
  • 演技時:「はっ!?またそーゆー話?もういい加減うんざりだよ!
  • 真実:「さやか…ありがとう、さやか

IT会社「うぇぶすれっど」を経営する若きCEO。
急成長の裏には色々と黒い噂が立っており、女癖も悪いらしい。
事件が起こっても自分に責任はないと開き直り続け、秘書の黒木守からも呆れられる程だった。

このキャラクターは、かつて付き合っていた同級生、雪原さやかとの関係を世間に知られないようにするため作られたもの。
かつての虐めっ子である椿原紅湖らの手により、雪原が追い詰められたと思い込んだ彼は、復讐殺人を敢行する。

真相解明後は雪崩に飲み込まれるが、奇跡的に生還。


◇─ 志月豹馬  
怪人名 - 黒い悪霊
関与事件 - 黒霊ホテル殺人事件
  • 演技時:「全部プロデューサーのお前の責任だろ、あぁ?
  • 真実:「すまない…少し泣かせてくれ……。

映画「黒霊ホテル」を手がける映画監督。
非常に横暴で我が強く、死人が出ても撮影を続けようとしたり、弱気なことを言う役者やスタッフを脅したりしていた。
その結果犯人に命を狙われ、彼の部屋のドアノブに毒針が仕掛けられていたが、ビール入りの袋を両手で持っていた為、
ドアノブを握って動かすのではなく(取っ手を上下に動かすタイプだった為)ビール入りの袋でドアノブを動かし、足で蹴ってドアを開けた結果彼は死なず、その後部屋にやってきた宇津木が死んでしまう。

この映画の元になったドラマのADで、1年前に自殺した一堂百太は彼の隠し子。
彼が自殺したのは自分が彼に合わない仕事をやらせたからではないかと疑心暗鬼になるが、その真相は美松と宇津木がくだらない理由で彼に陰湿ないじめを行い、自殺に追いやったことを知り、彼らに対して復讐殺人を敢行する。

真相解明後、息子が自分のことを尊敬していたということを知り、涙を流した。


◇─ 岡倉純
怪人名 - 碧血鬼
関与事件 - 函館異人館ホテル 新たなる殺人
  • 演技時:「トップアイドル10年張ってる俺とあんたらを一緒にすんなよ?元々”格”が違うんだよ”格”が!
  • 真実:「ごめん…碧―――最期の時も一緒にいてやれなくて せめて墓ぐらいは―――と思ったけど死んだ後もお前と一緒にいられそうにないよ お前は天国に行けても俺は――地獄行きだからな――

舞台劇「函館ウォーズ」の座長を務めている、元スカイウォーカー所属のトップアイドル。
自尊心が高く座長である自分の力でもっているためデスパレードのメンバーに横柄な態度を取っていた。
事件の犯人である事が暴かれた後も水島達が影で「中古品」「ジジイ」と散々言っていたため、しめてやろうと思ったなどと身勝手な動機を言い、被害者を「どうしようもねぇクズ共」と罵倒した。
彼のヒールっぷりにまりんも「天下のトップアイドルがあんな異常な殺人鬼だったなんて」と驚愕していた。

しかし、真の動機は自分との将来を約束されていた恋人、矢吹碧の復讐であった。
碧は同じ事務所の先輩のルカに連れられ水島、赤座、小野寺の3人の手によって薬漬けにされてレイプされた挙げ句、非常階段から転落しお腹の中にいた子供は流産、彼女は意識不明の重体に陥ってしまう。
岡倉は彼女とその子供の未来を奪った彼らに復讐すると決心し、自身が座長を務める舞台劇を利用して水島達を自らの手で葬ったのである。

岡倉は一と面会する前日に矢吹碧が息を引き取ったことを知り絶望の表情を浮かべたが、明智に自身が死刑になったら彼女と同じ墓に入れるようにお願いした。

この事件の舞台は異人館ホテルだったが、恋人が仲間にレイプされたという点と殺害するターゲットに女性がいる点、演劇を舞台にした復讐劇等といった点は能条と共通し、恋人をかばう為に最後まで小悪党を演じる点は墓場島の檜山と共通している。(向こうと違いこちらは共犯ではないが)


◇─ 白鳥麗桜
怪人名 - ポルターガイスト
関与事件 - 騒霊館殺人事件
  • 演技時:「そう思うんだったら、あんたが色気でもなんでも使って場を盛り上げて楽しませたら?
  • 真実:「…ち……はや…?

電報堂営業二課。見た目通りのドSな人物で、一達音羽ブラックPRを「碌に仕事も取れない下請けの中小企業」と見下しており、宿泊イベントでは雑用の殆どを一とまりんに任せてアゴでこき使っていた。
今回の企画には既にクライアントから大金が投じられていたため、当初は館で起きる怪奇現象を無理やり理由をつけてなかった事にしようとする。その際には「脱落者が出たら、音羽ブラックPRとの契約は白紙になる」と言って一に話を合わせるように強要。
また、参加者を黙らせるためには色仕掛けも厭わず、自分に意見してくるまりんの胸倉を掴み色仕掛けをやれと迫って、まりんを泣かせた。
死者が出ると、アイコンタクトで一とまりんも土下座をさせ、自分と黒原も一緒に謝罪をするが、一達とは違い頭を下げるだけで済ませていた。
更には「お客様優先」と言いつつ自分と黒原はちゃっかりシャワーを使い、一とまりんには使わせようとしなかった。
一は彼女のドSぶりに辟易しており、まりんもストレスをため込んでいた。

しかし、実は妹思いの姉で、彼女が壮麗館にやってきた真の理由は月森ちはやの復讐である。
ちはやは7年前に庭本たち4人がキメセクをしていたのを目撃し、彼らに生き埋めにされたまま命を落とした。ひょんなことからそれを知った白鳥は庭本たちに復讐するため彼らをおびき寄せた。

最終的には唯一生き残った萌音を殺そうとするが、ちはやの幽霊に止められ、すべてを後悔し泣き崩れた。
ちなみに彼女はシリーズ初の能条タイプの女性犯人である。


◇逆能条タイプ

上記の能条タイプとは違い普段から優しい態度を見せているが、真犯人であることが発覚すると突然開き直って狂気を含めた笑顔を見せたり、動機も自分勝手・滅茶苦茶な物のため能条タイプの犯人とは逆に全く同情されない。某小学生探偵のアニオリの事件の方や某帰国子女の安楽椅子探偵にいがちなタイプである。アニオタwikiに存在する記事の中ではフジテレビ系で某倍返しのあの人主演で放送された現代版神隠し系必殺仕事人にでてくるこんなクソみたいな奴らと考えてもらえれば良いだろう。さすがに某人外推理物の皮を被った単純娯楽"探偵モノ"の漫画犯人ほどではないが

【逆能条タイプの人物の傾向】
  • 動機は私利私欲、過去の事件のことに関しての口封じ等、全く同情できない自分勝手な動機である
  • 加えて被害者(一部を除き)に落ち度はない
  • 殺害方法は残忍(顔を潰す、切断、心臓を取るなど)
  • 利用できるものは何でも利用する(テロリスト・恋人・共犯者など)
  • 正体が判明するまで一に好感や哀れみを抱かれ、一たちと友好的に接したり、情報提供・検死等で一に協力したり(嘘の情報を提供する場合もあり)、危険から守ったりする
  • 不動高校の教師、一や美雪の友人、友人の恋人など一たちの身近な関係者や協力者である
  • 一や美雪など無関係な人物に対しても、トリックや過去の秘密に気付いたり計画の邪魔になると判断すれば容赦なく殺す(もしくは殺そうとする)
  • 真相解明後に自殺するか他人に殺害される
  • ある意味現実性が高い



【逆能条タイプの犯人一覧】

◇─ 小田切進 
怪人名 - 七人目のミイラ
関与事件 - 異人館村殺人事件
  • 演技時:「ぼ…僕には結婚してしまう彼女を引き止める力はない…、で…でもやっぱり一目会いたくて…
  • 真実:「オレを甘く見てんじゃねぇか?名探偵のボーヤ!!

不動高校の新任教師。
気弱な性格で、生徒の一人である時田若葉と密会しているところをパパラッチされた。
後に若葉の結婚式に招待され、自分にけじめをつけるために六角村を訪れるが…。

その正体は六角村の住人に殺されかけた、六星詩織の息子・六星竜一。
大麻栽培の発覚を恐れて自分たちを殺そうとした(母親の家族も皆殺しにした)村人に復讐するため、生粋の暗殺者として育てられた。

標的でなくとも自分の邪魔をするもの、利用できるものを容赦なく殺害するが、最期は実の父である風祭により射殺される。

ただし、若葉に対する愛情だけは、本物だったらしい。


◇─ 的場勇一郎 
怪人名 - 放課後の魔術師
関与事件 - 学園七不思議殺人事件
  • 演技時:「「七不思議」にかかわって行方不明になった生徒もいるんだ。もし君たちに何かあったら…
  • 真実:「おまえらが悪いんだぞ!!おまえらが勝手に首を突っ込んだりするから…!!私は悪くないっ!!

不動高校の物理学教師にして、ミス研顧問。
典型的な小心者の事なかれ主義者で、「問題が起こる」という理由で生徒たちの七不思議の調査を諌める。
事件が起きると「放課後の魔術師」について一らに語ったが、捜査の協力には消極的だった。

彼の正体は、かつて新薬実験のミスにより6人の死者を出した「高畑製薬」により送り込まれた番人。
旧校舎に埋められた6人分の死体から生徒たちを遠ざけるべく「七不思議の噂」を流し、
真壁のポスターを剥がそうとした不用意に近づいた生徒を己の保身のために次々と殺害、美雪にまで重傷を負わせた。

最後は逆ギレ状態で開き直り己の不幸を訴えるが、直後に自分が殺した青山ちひろの父・良造に殺される。
歴代犯人の中でも、その身勝手かつド外道ぶりは公式ガイドブックでもワーストワン。
とはいえ、彼の視点で事件を見直すと理不尽過ぎる出来事が起きまくっているのも事実ではある。
ドラマ版では人物像が変更されている。
堂本版では生徒思いの人格者として描かれ犯人である生徒を庇い全ての罪をかぶり自殺する。
道枝版では原作通り犯人ではあるが、鷹畠建設の元社員で事故現場の責任者と変更され、有毒ガスを噴射させた老労働者を会社側が隠蔽する前にかばい責任を被るつもりだった、一の推理披露後見苦しい言い訳はせず自ら青山ちひろに謝罪するなどそれなりの良心がある描写がされている。原作同様良造に刺されるがこちらでは一命をとりとめたことが剣持から語られる。


◇─ 遠野英治 
怪人名 - ジェイソン
関与事件 - 悲恋湖伝説殺人事件
  • 演技時:「君は七瀬君の傍にいてやってくれ。必ず助けを呼んでくる
  • 真実:「自分が助かるためなら他人を犠牲にしても構わないんだろう!?そいつが螢子にしたようにな!

不動高校の元生徒会長で、一と美雪の先輩。
実は悲恋湖を巡るツアーを企画する旅行会社の息子で、顧客のイメージ調査のために参加していた。
美雪を負傷させた責任をとり、単身助けを呼びに行くが、殺されて戻ってきた。

実はこの時殺されたのは一に会員権抽選の代理を頼んだ美雪の従兄である。
彼がここまでして凶行に及んだ理由は、自分の恋人でオリエンタル号事故で命を落とした小泉螢子を、見捨てた人物に復讐するため。
しかしわかっている情報が「S・K」というイニシャルだけだったため、それに該当する人物を全員殺そうとしたとんでもないやつ。

真の標的だった甲田を殺そうとするが、強行を止める様訴えた美雪の姿に螢子の面影を重ねて発狂、ボートに乗って自爆した。

後の事件にそっくりさんが出てきたが…。


◇─ 巽紫乃
怪人名 - 首狩り武者
関与事件 - 飛騨からくり屋敷殺人事件
  • 演技時:「死んでしまえばいいんだわ…征丸を殺そうとするなんて!龍之介なんていっそのこと…
  • 真実:「征丸なんてあたしの息子じゃない!!龍之介の幸せを奪おうとする汚らわしいあの女の子供なんだ!!

剣持の幼馴染で、巽家の後妻。
夫の遺言で正式な跡取りと指名された征丸の母で、自分たちを排除しようとする龍之介を憎んでいる。
征丸が殺されて号泣し、さらに龍之介から巽家を追い出されそうになってしまう。

実は彼女の本当の息子は龍之介で、征丸は彼女を幼少期からいびり続けてきた巽綾子の息子。
龍之介に遺産が行かないこと、そして龍之介を罵倒する征丸にかつての綾子の面影を見た彼女は、
18年間手塩にかけて育ててきた征丸を躊躇なく殺害する。

何の落ち度もない、わが子同然の人物を殺害した彼女に待っていたのは、実の息子によって殺された挙句
その行動により実の息子の過去の悪事も芋蔓的に暴かれるという皮肉な末路だった。

逆能条タイプの犯人の中で、唯一第三者を庇った人物。


◇─ 高遠遙一 
怪人名 - 地獄の傀儡師
関与事件 - 魔術列車殺人事件
  • 演技時:「あ〜〜っ、もう!ほら見てくださいよ。タイムスケジュールこんなにビッチリ入ってるんですよ」←ワタワタしながら
  • 真実:「……だって、つまらないでしょ?ただ殺すだけじゃ!

ご存じ一の宿敵。
当初は魔術団マネージャーのヘタレ青年を装っていたが、本当は母親の復讐のために暗躍していた。
本性を表したのちに脱獄し、他者へ犯罪を教唆するようになる。
詳細は当該記事を参照。


◇─ 桐江想子 
怪人名 - 指揮者(コンダクター)
関与事件 - 露西亜人形殺人事件
  • 演技時:「あの…私、山之内先生が出された暗号の答えが、解けてしまったかもしれないんです
  • 真実:「何よその顔?まさかあたしが本当に純情な田舎娘だとでも思ってたの!?

露西亜館に住み込みで働く18歳のメイド。
ミステリー作家山之内恒聖のファンで、自分もちゃっかり謎解きに参加する。
あどけなさを残す振る舞いで一たちともすぐに打ち解けた。

実際は山之内の財産を目当てに潜り込み、その遺産を独り占めするために相続候補者全員を殺害しようとしていた。
裕福な暮らしから極貧生活へ転落した際に性格が歪んでしまい、もう一度当時の生活を取り戻したいと企んでいた。

あまりに稚拙過ぎる言い訳を繰り返し、しぶとく罪を認めようとはしなかったが
ついには逆ギレ状態で罪を認め、挙句に自殺を図ったが高遠に止められた。

高遠以外の逆能条タイプで、唯一生存している。*2

今回の事件の黒幕「真のコンダクター」は死んだ山之内であり、彼女は結局自分の正体を知っていた山之内の操り人形に過ぎなかったのであった。

◇─ 小金井守 
怪人名 - なし
関与事件 - 高度1万メートルの殺人
  • 演技時:「
  • 真実:「

事件後に搭乗した航空機の副操縦士。なかなかのイケメン。

…だが裏では薬物密輸をやっており、犯行動機もそれが機長の志田智明に知られてしまい、警察沙汰になる前に彼の殺害を計画したという同情のしようが全くないもの。婚約者の加賀谷唯に志田を殺させ、テロリストの仕業に見せかけた他、犯行を暴かれても殺人教唆の証拠がないのをいいことにシラを切り、加賀谷に全ての責任を押し付けたため、激昂した彼女にペンで心臓を刺され死亡。はっきり言って自業自得な最期である。彼の死により、旅客機の操縦をできる人間がいなくなり、一時機内はパニックに陥るが、志田から事前にシミュレーターで操縦を教わっていた明智により事無きを得た。ちなみにアニメ版では突き飛ばされて首を絞められるも残念ながら生存。頭を強く打ったショックで気を失ったが、明智の操縦で着陸した後に意識を取り戻した。

短編集では同情のしようがない犯人も多いが、明らかな逆能条タイプはおそらくコイツぐらいである。

◇─ 三井文也*3 
怪人名 - キング・シーサー
関与事件 - 殺戮のディープブルー
  • 演技時:「ははは、相変わらず口が悪いな、茜さんは
  • 真実:「そう。すべては、ディープブルーを発掘するためだった

美雪の友人・藍沢茜の婚約者の一人で彼女の本命。
気さくな性格で、初対面の一らにも馴れ馴れしい爽やかイケメン。
事件の中盤では、テロリストの凶弾から茜を守る盾となったこともあった。

父を死に追いやった藍沢秀一郎と同様、自分自身もまた海底遺跡「ディープブルー」に魅せられた人物の一人だった。
そして藍沢グループとディープブルーを手に入れるため、グループの関係者、さらに「本物の」三井文也を殺害し、終盤には大規模な毒ガステロを企んだ。

全ては失敗に終わり、最後の最後までしぶとく罪を認めようとはせず、トリックが暴かれた後は逃走、爆弾で津波を起こし死亡した。

ちなみに小説版では本名が語られることはなかったがアニメ版では「那国直人」、劇場版では「倉田卓也」となっている。*4


◇─ 霧島純平 
怪人名 - 死神マジシャン
関与事件 - 高遠少年の事件簿
  • 演技時:「おっ、笑ったな高遠!初めて見たぜお前の笑顔
  • 真実:「どんな再教育されたって俺の殺人衝動は抑えられない!

秀央高校1年生。マジック部部員。
常にテンションが高く、クラスでも物静かで浮いていた高遠に声をかけ、マジック部に誘った。
事件の第2の犠牲者で、斬られた首を机に置かれた状態で発見される。

実はこの死体は、鏡を使ったマジック「スフィンクス」を利用した偽装工作だった。
彼の本性は「生まれながらの犯罪者」であり、常に殺人衝動に駆られている生粋のサイコキラー

高遠に同じ匂いを感じて彼を犯罪の世界に誘い、断られると同時に殺そうとするが、
逆にマジックにハメられて返り討ちにされた。

現在までの『金田一少年』シリーズ中で、「殺人」という行為そのものが目的であった(と考えられる)唯一の人物。*5


◇─ 麻生早苗 
怪人名 - 第4のファントム
関与事件 - 歌島リゾート殺人事件
  • 演技時:「人のお世話をするのが好きで趣味は料理なんですよ
  • 真実:「さーてどうやって殺してやろうかな?コンクリの上に一本背負い?締め技で窒息?それともこの包丁でひと思いに…?

看護師。歌島リゾートで行われる婚活ツアーの参加者。
人の世話をするのが好きで趣味は料理とのことだが、作ってあげる相手はいないという理由で婚活ツアーに参加。
同じツアー参加者の桜沢楓が殺され、彼女に好意を寄せていた小野塚哲也が悲しみに暮れたとき、隣で慰めの言葉をかけていた。

正体は連続保険金殺人の重要参考人であり、過去に恋人関係だった男に保険金をかけ次々と殺害していた。
今回のツアーに参加したのも「獲物」を物色するためであり、参加者の一人に目を付けた後は、邪魔になる人間を次々と殺害していった。

一に正体を暴かれると凶悪な本性を露わにし、一とまりんを口封じに殺そうとするが、明智率いる警察隊が介入した事で未遂に終わり、逮捕された。

後に高遠の息のかかった人間である事が判明。
高遠から「アルテミス」の名を貰い、整形によって美しい容姿を手に入れていた。
だが高遠の事を洗いざらい白状したために高遠に見限られ、高遠から指令を受けた何者かが送った毒入り使い捨てコンタクトレンズを母からの差し入れと勘違いし、それを付けた後で眼から涙を流しながらのたうち回り死亡した。




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最終更新:1970年01月01日 09:00