姦姦蛇螺

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登録日:2017/11/19 Sun 03:15:53
更新日:2024/02/09 Fri 13:24:13
所要時間:約 6 分で読めます




姦姦(かんかん)蛇螺(だら)とは、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の『洒落にならない怖い話を集めようぜ(洒落怖)』発祥の怪談。
及び、それに登場してくる妖怪、祟り神の名前。

【お話】

中学時代にヤンチャしていたという投稿者の体験談。

投稿者には、当時つるんでいたAとBという二人の友人がいた。
ある夜、Bが自分の母親に対して、精神を一時的に崩壊させるような酷い態度なり言葉を投げ掛けた。
そこに帰って来て事情を察した父親は怒りと諦めからか、恐いものなどないと嘯くBに山の中の柵で閉鎖された区画の話をして、そこに行ってみろと挑発する。
尚、Bの父親はこの件に関して、ここから一切、姿を見せることはなかったという。

父親に「死んでもいい」とすら言われたBはその挑発に乗って、投稿者とAを誘い、懐中電灯と思い付くだけの道具を持って深夜の山に分け入った。
なお、閉鎖された区画のことは投稿者達も知っていたが、特定の日に人払いされた中で巫女さんが集まっているのが目撃されたことや、
カルト教団の洗脳施設があるのではという噂が有力視されていることくらいしか知らなかったという。


やがてその閉鎖された区画に到着した投稿者達。
その区画を囲う柵は2m程の高さがあり、太い綱と有刺鉄線が巻き付き、紙垂(しで)のような白い紙と大小様々な鈴が無数に付いている。
柵自体の並びも歪で、それが余計に異様さを際立てていた。

投稿者達の異変は、その区画に侵入する前から始まった。
最初にBが気付き、次いで投稿者達も確認したが、真っ暗い森の中で遠くから投稿者達の動きにピタリと張り付いてくる者が居るらしい。

違和感と恐怖を振り払い足を進めた投稿者達は柵の前に到着。
改めてその異様さに戦くが、強気を崩さないBが柵を壊そうと試みるも失敗。仕方なく乗り越えて中に侵入することに。
投稿者達が柵を乗り越えて侵入すると同時に、追跡者(?)の足音が止むが、替わりに柵の中の空間の強烈な圧迫感に苛まされる。

状況から、Aは追跡者が一定距離を保っていた理由を“相手がこの中に居たから近づけなかったのでは?”ということに気付くが、現実的に有り得ないとBは否定。
が、ここに入るまでの間にうっすらとここにある『やばいもの』の正体が“霊”とか“人知を越えた何か”の類であることに気付いていた投稿者とAは嫌な予感を強くした。

そして、それから2、30分も進んだ投稿者達は、遂に柵の最奥部にまで到着し、そこで、

特定の六本の木に注連縄が張られ、その六本の木を六本の縄で括り、六角形の空間がつくられていた。柵にかかってるのとは別の、正式なものっぽい紙垂もかけられてた。そして、その中央に賽銭箱みたいなのがポツンと置いてあった。(原文ママ)

…という、奇妙な装置を発見する。
この時点で投稿者とAは悪い予感が的中したことに恐怖し、引き返すことを提案するが、
Bは聞き入れないどころかあれこれといじくり回し始めたので、仕方なく投稿者とAも監視の意味を込めて見守ることに。

箱にはチョークでそれぞれの面に家紋の様な物が描かれている。
箱自体は固定されていて持ち上がらず、中身も見えなかったが、Bが後ろが開くことを発見して中を覗いてみると、
四隅に何かの液体の入ったペットボトルの様な壺が据えられ、中央には接する面だけを赤く塗られた爪楊枝の様な小さな棒で、

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と、形作られていた。

投稿者達とAは壺を触ってみる程度だったが、Bは壺を手に取り中身まで確認。
更には爪楊枝の様な物にまで手を延ばしたのだが、少しだけ触るつもりだったのだろうが、棒がBの手にくっつき、その形を崩してしまった。

その瞬間、投稿者達の居る位置より更に奥の柵の鈴がけたたましく鳴り響き、恐怖と混乱の中でBはそれを振り払う様に叫びながら音の鳴った方向に向かうが、
投稿者とAが追い付いた時には、懐中電灯で前方の一点を照らしたまま身動き出来ないでいた。

硬直しているBの照らす先を見て、投稿者とAも恐慌に陥った。
一本の木の根元の辺りから半分だけ人の顔が覗いている。
目が据わり、歯を剥き出すように口を開いた無表情な女の顔が懐中電灯を眩しがりもせずに、此方をじいっと見つめていたのだ。
誰かが挙げた声で金縛りから解けた三人は慌てて逃げ出し、入り口へと走る。
投稿者とBは柵を乗り越えられたが、慌てているAは柵を乗り越えるのに苦戦。 その間に、けたたましい鈴の音が投稿者達に近付いてくる。

それは、さっきの“女”だった。
頭だけかと思いきや上半身もあった“それ”は、左右三対の六本の腕で柵の綱と有刺鉄線を器用に渡り、蜘蛛の様に動きながら三人を追いかけて来ていた。
それを目撃して、更なる恐怖に駈られる投稿者達。
ようやく柵を乗り越えたAと共に、三人は入り口まで逃げ出すと、そこには何処から聞き付けたのか、それぞれの家族や大人達が駆け付けていた。

三人は深夜ながら行事の時に使われる集会所へと連れて行かれ、各々に殴られたり、生還を安堵されたりしたものの本当の異変は翌日に起こった。
投稿者とAがBの母親からの悲痛な電話を受けて向かうと、Bが手足が動かせない状態となって激痛に泣き叫んでいた。

混乱の中でBの母親に問われ、思い出したくもない恐怖の記憶を辿った投稿者とAが森の中でBがしたことを告げると、
Bの母親は何処かへと電話をして、明後日にまた来るようにと彼らに言付けた。


そして、二日後。
投稿者とAはBの母親に連れられて、新幹線や車を使っても数時間という距離をかけて他県の小さな村の更に奥のお屋敷に入った。
そこには、既にBが運び込まれており、何かしらの対処を施されているという。

投稿者とAは出迎えた“あおいかんじょ”と名乗ったように聞こえた巫女装束の少女と、その伯父という人物に詰問される。
そこで、Bが箱の中の小さな棒を動かしてしまったことを告げると、ため息交じりにもうBは助からないだろうと告げられてしまう。

そして、遂に投稿者達が森で見た“存在”についての説明がされる。

古くは姦姦蛇螺」「姦姦唾螺」
俗称は「生離蛇螺」「生離唾螺」

「かんかんだら」「かんかんじゃら」「なりだら」「なりじゃら」など、知っている人の年代や家柄によって呼び方はいろいろあるらしい。

現在では、一番多い呼び方は単に「だら」、おじさん達みたいな特殊な家柄では「かんかんだら」の呼び方が使われているようだ。(原文ママ)


それは、最早『神話』や『伝説』と呼ぶべき類の話であった。

人を食らう大蛇に悩まされていたある村の村人達は、神の子として様々な力を代々受け継いでいたある巫女の家に退治を依頼した。依頼を受けたその家は、特に力の強かった一人の巫女を大蛇討伐に向かわせる。

村人達が陰から見守る中、巫女は大蛇を退治すべく懸命に立ち向かった。しかし、わずかな隙をつかれ、大蛇に下半身を食われてしまった。それでも巫女は村人達を守ろうと様々な術を使い、必死で立ち向かった。

ところが、下半身を失っては勝ち目がないと決め込んだ村人達はあろう事か、巫女を生け贄にする代わりに村の安全を保障してほしいと大蛇に持ちかけた。

強い力を持つ巫女を疎ましく思っていた大蛇はそれを承諾、食べやすいようにと村人達に腕を切り落とさせ、達磨状態の巫女を食らった。


そうして、村人達は一時の平穏を得た。(原文ママ)

実は、この計画は件の巫女の家の者が計画したことであった。
しかし、大蛇が消えた筈の村で、巫女の家の残った六人の家族を始め、皆、右腕か左腕を無くした状態となって十八人が殺され、四人の村人だけが残った。
そしてこの数は、あの森の中の封印の装置の仕掛けと関連があるらしい。

投稿者達が聞かされた話によると、こうして誕生した『かんかんだら』の供養は、相談役でもある、このお屋敷に住んでいるような管理者の下で場所や家を移しながら続けられてきたのだという。

その後も少女たちからの聞き取りは続き、そこで投稿者達は小さな棒を動かしたBを含む全員が、『かんかんだら』の本性である下半身を目撃していないことを話すと、
少女たちは今現在Bが襲われている苦しみは本来の呪いではなく、長い時間を掛ければ祓えると告げた。

どういうことかというと、投稿者達が目撃したのは厳密に言うと『かんかんだら』ではなくそれと一体化している『巫女』であり、
何かしらの理由で三人を襲う意思がなかった『かんかんだら』は『巫女』として三人の前に現れ、下半身を含む全身像は見せずに本来の呪いをかけなかったという。
Bが襲われている苦しみも呪いではなく『巫女』の“戯れ”のようなもので、だからこそ祓える…つまりBは助かるということだった。

そして、投稿者は二度とBに会うことはなかったが、Bが更正して遠くで無事に暮らしているらしいということと、封印が何処か余所に移されたことを報告してこの話は締め括られる。


姦姦蛇螺

お話の中に登場するのは上半身のみの巫女(六本腕の裸の女)だが、本来はこれに大蛇の下半身が付いており、そちらが“姦姦蛇螺”の本性であるらしい。
ただし、お話の中の情報から単に蛇の下半身を持つ、ではなく、犠牲者から奪った腕が下半身になっているという、よりおぞましい姿で描かれたバリエーションもある。
大蛇は人を襲ったが、同時に土地に根付いた神の類であったらしく、それに、村人を守る為に立ち向かいながら、最後には見棄てられる形で犠牲となった巫女の怨念が乗っかり、祟り神となってしまったようだ。
その、イラストにされた際の秀逸な見た目から『洒落怖』発の妖怪としては人気のあるキャラクター。
分かりやすくする為か、巫女さんは裸ではなく巫女服を着させられることが多い。
お話の経緯から八尺様と同様にショタコン疑惑がかけられている。
そして、八尺様がタイトルの例の本にも出てる。

インドの蛇神ナーガラージャが渡来した姿が正体とも考察されている。

【余談】

  • 『洒落怖』や他の2ちゃんねる発の怖い話を映像化した『2ちゃんねるの呪い』シリーズ内で実写化しているが、低予算だから仕方ない……にしても、程がある改悪ぶりで不評中の不評。無理するなら作るでない。

  • ともつか治臣のマンガ『令和のダラさん』にはメインキャラクターとして登場し「ダラさん」という愛称で呼ばれている…と言いたいところだが、同作品が商業化された際に大人の事情で「屋跨斑(やまたぎまだら)」という名前の架空の怪異に変更されてしまった。見た目はそのままだが。



追記修正は見ちゃいけないモノは見ずにお願い致します。

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最終更新:1970年01月01日 09:00