秋山醤(鉄鍋のジャン)

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秋山醤(鉄鍋のジャン) - (2024/04/11 (木) 12:00:01) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/03/16(金) 18:53:11
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 56 分で読めます

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#center(){
&bold(){&font(#ff0000){&sizex(6){料理は“勝負”だ!}}}

&bold(){&font(#ff0000){&sizex(5){誰にも負けないうまい物を作る――}}}
&bold(){&font(#ff0000){&sizex(5){それこそが料理人の心掛けであるはずだ}}}
}



『[[鉄鍋のジャン!]]』及びその続編『鉄鍋のジャン!R』の主人公。
&font(#ff0000){「料理は勝負」}を信念とする。

#openclose(show=目次){
#contents()
}

*【概要】
外見は小柄で痩躯、鷹のような鋭い目付きをした、全身から殺気立った凶悪な雰囲気を醸し出した坊主頭の少年。((ちなみに坊主頭は祖父・階一郎の死後に丸めたものであり、それまでは普通の髪型をしていた。))
かつて「中華の覇王」と呼ばれた秋山階一郎の孫であり、幼少の頃から中華の真髄を徹底的に叩き込まれていた。
背中にはその時の鍛練の証として夥しい量の傷痕がある。誇りでもあり、&font(#ff0000){裸を覗かれた時でも股間より先に背中を隠す。}
美味い料理を作るためならばいかなる努力も惜しまず、料理の基礎である鍋振りや腕力トレーニング、皿洗いにいたるまで怠ることは決して無い。
だがそれ以外は基本的に痩せぎすの体型であり、第二回大会の特別審査員である栄養学の権威・ケペルからは&bold(){「痩せすぎだ。もっと栄養を摂ったほうがいい」}というツッコミと共に大量の栄養剤を渡された。
また、中華以外にも&ruby(フランス){仏蘭西}料理などの調理技法にも精通しており、普通では入手がまず出来ないような食材(後述の血燕やイワタケなど)も入手でき、なおかつ使いこなせる技量の持ち主。((まだ当時16歳のジャンにそこまでのコネクションがあるとは思えない為、これらの食材は階一郎が遺産として遺してくれていたものと思われる。))
『R』にて「十三龍」の料理人アリーに「珍しい素材に頼ったハリボテ料理人」とイヤミを言われたが、&bold(){珍しい食材を持ってても使いこなせるかは全くの別なのである。}

祖父であり師でもある階一郎の死後、銀座にある日本の中華料理店の頂点「五番町飯店」で働くことになる。

なお、&bold(){女装すると結構美人である。}&s(){すぐ化けの皮が剥がれるけど。}


*【性格】
このように料理の腕を磨くために努力を欠かさず奇抜な調理法を得意とするといわれると正統派な料理漫画の主人公だと思ってしまうだろう。
しかしこの秋山醤、他の料理漫画だったら間違いなく悪役になっているほどに&font(#ff0000){極悪非道な性格}なのだ。

例を挙げると
・初登場時は閉店時間になった五番町に入り込みチャーハンを注文、出てきたチャーハンに粗を見つけるや厨房に乗り込み料理人を罵倒&挑発しながらチャーハンをゴミ箱へ
・マジックマッシュルーム入りのスープで審査員をトリップさせ、採点を操作する
・相手の料理の欠点を突いて不味く感じるようにする
・朝鮮人参とナツメグの組み合わせで血糖値を下げて体を動けなくする
・食べると熱々のゼラチンで口が焼け爛れる春巻
・笑いながら跳ねる豚の首を送られた腹いせに相手そっくりの生首爆弾(脳みそに見立てた中身の具も含めて食べられる)を直接配達
・スプリンクラーを作動させて他人の料理を水浸しにする
と&bold(){行動は完全に悪役の所業。}

外観も外観で
・[[四白眼>三白眼]]に鋭い目つき
・犬歯は牙の様に尖っている
・デフォルトでカカカ笑い
・思ったことははっきり言うし、敬語は全く使わない。いつだって喧嘩上等
とまるで&s(){チンピラ}悪魔のような雰囲気で描かれている。

そのため他の料理人どころか料理大会の審査員や観客にまで嫌われている。曰く、&font(#ff0000){「秋山にも程がある」}。
ジャン本人もそれを煽るように攻撃的な言動を繰り返すため始末に負えない。
全観客を敵に回して帰れコールされている中、逆にイキイキと鍋をふるうシーンすらあった。これはジャンの&bold(){「勝負できればよく観客のことは気にしない」}という哲学からの行動である。

……と作中で説明されているが、五番街vs蜃気楼編にてCMで悪魔の化身扱いされるネガキャンをされたことに対し、それを見たジャンは嬉々として&bold(){「大魔王様のお出ましだぜ」}と笑い飛ばし((普段ジャンが笑うときは口は笑いつつも目つきは鋭いが、この時のジャンは珍しく目も笑っている。))、大会出場時には&font(#ff0000){(小此木の作った)ド派手な悪魔のコスチュームを身に着け、観客席の上に立ち高笑いをしつつ「地獄に落とされたいか」とさも自分が本物の悪魔のようにパフォーマンスをする}辺り、実際はジャンの趣味なだけであることも考えられる。
性格が災いして審議拒否されたり、ゴミを客から投げられたり、&font(#ff0000){指の骨を折られたり、その後の料理対決でもう片方の腕を折られたり}される事((尤も、折った相手は傲岸不遜で他料理人に暴力を振るうのに躊躇がない蟇目なので、挑発に対する報復として明らかにはやり過ぎである。))さえしばしばあった。

ちなみに、5回ほど料理大会や勝負の番組に出ているが、勝つために手段を択ばない割に、&bold(){成績は存在自体が有耶無耶になった}ビッグ大谷杯優勝くらいしか結果が残せていない。
初めての大会も
-審査員の大谷がジャンに煽られたせいでブチ切れて暴行したペナルティで退場→腹いせに0点評価(このせいで準優勝)→キレたジャンにぶん殴られる→他の審査員「まあ、しょうがない」「おあいこ」
……などという有様。
残りは
-大会オーナーがジャンの対戦相手の凶行にブチ切れて終了
-大量のハエやトンボやゲンゴロウが会場を飛び回り、ブチキレたダチョウ達が大暴れする事態になって終了
-霧子が(瀕死寸前の)ジャンをぶん殴って終了
……といった感じである。
一応、優勝扱いのビッグ大谷杯は、ダブルKOをやらかした筍&沢田、出落ちの見本市みたいな[[十三龍>十三龍(鉄鍋のジャン)]]、ジャンに褒められるも一回戦落ちの藤田、と微妙な敵が多く、決勝戦の強敵相手でも割と余裕の勝利となっている。

とまぁ上記の通り勝つためなら手段を選ばない凶悪な性格の持ち主だが、そんな彼にも人間らしい面はある。
同僚である小此木タカオに対しては一緒にキャンプに行ったり丁寧に料理を教えたりする((この時はべた褒めされた嬉しさから、言われるよりも早くお代わりを出している))など親友といってもよい間柄。
バイクの免許を持っている為、休日ではよく小此木とツーリングしたりする事も。((どちらも年齢は16歳なので初心者ライダーのはず。))
同じく同僚である五番町霧子が野菜の飾り切りで悩んでいた時(仲が険悪になる前だが)は&bold(){本当の親切心から}飾り切りを教えてやろうかと言っていた((後に霧子が自分の力で飾り切りをマスターした時は、「流石だぜ」と言わんばかりの嬉しそうなドヤ顔を見せている。))他、霧子が風邪をひいたときには風邪に効くデザートを作ってあげるなど、全くの冷血漢というわけではない。(作った理由は「明日の試合で負けた時の言い訳にしてもらいたくないから(要約)」と言ったがために霧子を怒らせたけど)
孤独な幼少期を送ってきた故に、優しさを素直に表現できないタイプなのだろう。

また料理自体には常に真摯であり、時間と手間のかかる地味な料理でも全く手を抜かず全力で調理する。
失敗した時はいつもの強気な態度からは信じられないほどに動揺して自傷するレベルで物に当たりまくり、涙を流しさえした。

ついでに言うと、あくまでも勝つために手段を選ばないだけなので、勝負抜きなら凶悪な面は滅多に出さない。
大会の司会とカメラマンが勝手に寸胴に近づいて火傷を負いそうになった時((すでに作り終わっており、火も止めてあったため撮影のために近づいたのだが、良いラー油を完成させた場合に発生する『ゲップ』により内容物が噴出したため。))は、身を挺してかばった上に水道水を全身に浴びながらも「気にするな」と言い放っている。&bold(){この漫画の他の外道料理人だったら確実にキレている。}
挙句にこのカメラマン、その寸胴で調理中だったラー油を勝手に味見((カメラにかかってしまったラー油をぬぐった際についでに舐めた。))とかやらかしているのだが、「味のことはまだ秘密だZE☆」みたいな内緒顔でやっぱり咎めなかった。&del(){ぶっちゃけ殴られても仕方ないのに。}
もっとも、前の大会で審査員が気になる食材をつまみ食いをしようとした際は、その指目掛けて&bold(){包丁}を振り下ろしているので、あくまで勝負そのものに無関係な人限定な模様。

ただし&bold(){日本有数の名店五番町飯店の正規料理人}にもかかわらずヘボい料理を作る望月には先輩であってもボロクソに罵倒するが、よく聞いてみると&bold(){「何がダメなのか」を明確に指摘して罵倒しているので&font(#ff0000){相手に聞く気と改善する気があれば}改善して成長できる「指導」になっている。}
後に対戦した湯水スグルに対しても、根本が素人である故か、ジャンにしては(罵倒混じりではあるものの)結構言葉を選んだ「指導」になっていた。
それに対してダチョウステーキ店のオーナーに至っては、「所詮は脱サラの素人ステーキ」と馬鹿にする言葉は使うが、まだ料理人として未熟なためか罵倒は控えめにしており(打算があったとはいえ)詳しく解説しつつステーキの調理法を丁寧に教えている。
その上で「(焼き時間は肉の厚みや質でも変わってくるから)それは自分で考えろ」「反復練習も大事だ」と説いていた。
小此木に対してもそうだが、「見て覚えろ」「盗め」が常識の料理業界において、基礎からここまできっちり教えてあげるのは相当珍しいタイプである。
教え方も上手く、小此木・オーナー共にすぐに上達している。((特にオーナーは、閑古鳥が鳴いてた店がたった2、3日で客足がかなり戻ってきている。素質もあったのだろう。この分ならジャンの言った通り近い将来「ダチョウ通り」でメインを張れそうである。))
このように、意外と指導者・教師に向いている側面があり、一時期は五番町飯店の料理長の座を狙った事もあったが、ジャンがトップになった五番町飯店の未来は案外明るかったかもしれない。
……現役従業員なんて「日本一の中華料理店」の座にあぐらをかいて料理の研鑽を全然しなかったり、見習いの小此木にただ殴るだけで一切の指導をしなかった有様だったし。((主に望月のことだが。ベテランの柏原さんはまだマシな方であったが、当時は霧子ですら「技は盗むもの」と全く教えようとしなかった。後でこっそりヒントを出すつもりでいたようだが……))
祖父の遺言で、自分と同等かそれ以上の料理人がゴロゴロいると信じて訪れた五番町飯店の当時のレベルの低さに、ジャンの失望は計り知れなかっただろう。
そんなジャンは大半の従業員からも疫病神扱いされていたが、&bold(){ジャンが来てから客足は減るどころかむしろ増えている。}
ジャンの怖いもの見たさもあるだろうが、ジャンの刺激により五番町飯店の料理レベルが今以上に上がったからに他ならないだろう。

そもそもの悪事にもある程度は分別があり、長期にわたって身体に害が起きえる行為(物理攻撃など)は行わない。むしろ進んで救命活動に関わるくらいには倫理観がある。
やってることも相当な知識や観察眼を必要とするため、決して楽な方法ではない。
ただそれは、&bold(){高度な技術を使って比較的安全な手段でものすごく不愉快にさせてくる}ってことであり、これで嫌うなって方が無理あるわけだが。
本人的には&color(#FF0000){「相手のハナを明かしたい」}とのことなので、&bold(){敢えて不利な立場になり、逆転勝利を収められる状況を作る}ために悪事をやっている節もある。
つまり、&bold(){悪事だけで勝てるならそれはそれでよし、それを乗り越えられる腕前の強敵ならば自身の実力で完全勝利したい}ってことである。
どこのボスキャラだよ。

ただし、ジャンがこのような性格になってしまったのは、&bold(){&font(#ff0000){半分以上は祖父・階一郎の責任である。}}
元々のジャンは、時折両親がいない事を侮辱された時や、暴力教師に反発してキレた時はあった((しかもこの教師、家庭科の授業でジャンが授業内容よりも高レベルな料理を作ったと言うだけで暴行するような、今なら懲戒免職&逮捕モノのクソ教師である。))ものの、基本的には穏やかで礼儀正しい少年であり、階一郎から虐待同然のスパルタ料理教育をされていた際も、素直に従っていた。
それでも「秋山の料理」への誇りは小学生時点で完成されてはいた模様。&bold(){祖父や物心付く前に失った両親との「繋がり」が料理しかない}ので、それで負ける事は許されないと思っていたのだろう。

だがある日、長年患っていた癌に舌まで侵されてしまった事で、味覚を失ってしまった階一郎は絶望し、薬を取りに行かせる面目でジャンを町に行かせた後に&bold(){焼身自殺}。
これを止められなかった事で、当時15歳だったジャンの心は大いに歪んでしまう。

&bold(){「癌と戦おうもせず負けた」}祖父への反発から、小学生の時から抱き始めていた&bold(){「どんな手を使ってでも必ず勝つ」}心情に完全にシフトしてしまった。
&bold(){&font(#ff0000){「負け犬がー!!」}}と祖父を罵りながらも、ジャンのその目には大粒の涙が溢れていた……。
//独自解釈が過ぎる。まるで祖父が自殺した事で歪んだかのように書いているが、小学生の時点で既に「何をしてでも勝つ料理人になってやる」と言っている。←それはクソ教師に暴行受けたからでキレ返して言って当たり前。ジャンの心が完全に歪んだのは明確に祖父の焼身自殺からです。


**◆R頂上決戦

#center(){
&bold(){&font(#ff0000){&sizex(5){『良い料理人』は確かに良い料理を作る事ができるさ。}}}

&bold(){&font(#ff0000){&sizex(6){だが、“悪い料理人は何でもできる”んだぜ!}}}

&bold(){&font(#ff0000){&sizex(5){覚えておけ!カカカカカーーーーーッ}}}
}

20歳。
そんなジャンもRでは人間としても成長し、少しだけ丸くなった。祖母の店でしごかれたのだろう。
「料理は勝負」の基本的なスタンスこそは変わってはいないが、&bold(){「旨い料理は心に響くんだよ」}と、霧子の「心の料理」の信念も若干ながら受け継いでいる節もある。

また、(前科がアレなのですごい警戒されたが)反則的な行為は一切やらなくなっており、常にテーマと使える食材を最大限に生かす料理を作って真っ当に勝利している。
あまりの毒気のなさに、敵キャラに嫌味まで言われた。

憎まれ口と嫌がらせ行為は相変わらずだが、比較的まとも。まあ、十三龍へは下記の恨みもあったせいか死体蹴りは容赦なかったが。

何者かに奪われた祖父から続く大事な研究ノート「秋山ノオト」の行方を追い、五番町飯店を離れて半年間単身渡米していたが、エリザの勧誘を断ったせいで&bold(){トラックで轢かれて殺されかけ}、そのリベンジの為にビッグ大谷杯に参加した。((なお、当初は大谷とエリザが共謀して自分を殺そうとしたと誤解していたが、大谷がエリザの要求を突っぱねたのを見て、その誤解は改めている。))

本編とRの空白期においては霧子とは色々あったようだが、この時点でははっきりと明らかにはされなかった。
ただ、「性格は最悪だけど腕は信用してる」と言われており、相棒と言っても良い間柄にはなっているようだ。
と言うか、この時点でほとんど熟年夫婦。
せっかく佐藤田から取り返した「秋山ノオト」を霧子にパクられた際は&bold(){そのでかい胸に隠された}のだが、「取れねぇだろ」と速攻で強奪を諦めている。
ちなみに、戻った後も前でも&bold(){月給12万円}でこき使われていたらしい。
祖父の保険金はあったであろうとは言え……ひっでぇ。
……尤も、自分の給料を語る際はいつもの笑顔だったので、あまり気にしてない可能性も。&s(){そもそも金銭や名声に拘るタイプじゃないし、[[どこぞの漫画家>岸辺露伴]]に通ずるものがある。}
案外将来は霧子に尻に敷かれるタイプかもしれない……。

ちなみに、当初は髪を昔みたいに伸ばして、&s(){少年マンガの主人公らしくなった}イケメン度もアップしていたのだが、気絶してる間に&s(){ジャン限界オタクの}小此木に勝手に刈られてしまい、坊主頭に逆戻りにされてしまった。
※本人の許可無しの散髪は&bold(){れっきとした犯罪です。}良い子のみんなはマネしないでね!


**◆2nd
更におそらく15年程度先を描いた「2nd」では、&bold(){彼と霧子との間にできた息子が登場している。}

息子もまた名前が「醤(ジャン)」(以下、ジャンJr.)であるが、霧子がヤンデレ化しているっぽいのでおそらく彼女が名付けたと思われる。
彼自身は五番町飯店を離れて海外で料理長として腕を奮っているが、何があったのか霧子から恨みを抱かれているらしく、そのことで息子のジャンJr.には打倒を目指されている。
&font(l){やっぱり相当霧子の尻に敷かれてたんじゃ……。}

#openclose(show=ネタバレ){
実際の所は霧子との仲は全く悪くはなく、&bold(){ジャンJr.には自分を超えてほしいが、自分では祖父のようなスパルタ料理教育は出来ないから}(その為ワザと憎まれるフリをしてスパルタ教育の役を霧子が担っていた)、というのが真相のようである。
また、小此木が言うには、ジャンは(一緒に過ごした時間こそ少ないものの)&bold(){ジャンJr.に対して殴ったりした事はただの一度もなかったとの事である。}
この事から、(階一郎への反動もあるようで)[[案外息子には甘いパパ>ベジータ]]だった模様。

なお、この流れからするとジャンが勤めてるのは五番町飯店のニューヨーク支店であると思われる。
&bold(){あとちゃっかり霧子と二人目を作ってた。}
ジャン爆発しろ。
}

なお、子供に親と同じ名前を付けるのは戸籍法では問題ないが、実際にやると拒否されることが多い。「紛らわしい」というまっとうな拒否理由なので仕方ないが。



*■作った料理
料理に関する技術・知識・執念は半端ではなく、彼の繰り出す常識外れの料理は&bold(){&font(#ff0000){「秋山の魔法」}}と称される。
例え材料と完成品が解っていても容易に再現できないものも多く、なかには&font(#ff0000){自分の命が危険になる}ものさえある。
幾つか例を挙げると
・カワハギの肝と調味料を一定の量で混ぜたものに白レバーを漬け込む(ちょっとでも分量を間違えると思わず吐き出す程不味くなる)
・空中に浮かび上がらせた餃子の皮と餡を高速で"にぎる"(『[[空想科学漫画読本4>空想科学読本]]』によれば&font(#ff0000){0.007秒で1個}握っている)
・&font(#ff0000){冷凍庫の中}で無数のもやし一本一本に注射器でフカヒレと鮫のすり身を注入
・低温設定ながら&font(#ff0000){加熱中のオーブンレンジに手を突っ込んで}微妙な温度を体感して調理
などがある。
「毒料理」「キワモノ料理」というイメージが先行しがちなジャンであるが、意外にも作る料理は中華料理の基本を忠実に突き詰めたものが多い。
例えば、ウロコを取らずにアマダイを調理してウロコごと食べさせるという奇抜な料理を作った事があるが、日本料理にはウロコを食べさせる「鱗焼き」等の技法が実在しており、作中の描写はジャンが高い調理技術・知識を持っている事の証明となっている。
キワモノみたいな料理を作ることも多いのは確かだが、それと同じくらいに真っ当な料理だって作っている。

なお、2023年11月から開催されたジビエ料理店「米とサーカス」のコラボ企画で、コスト面から多少のアレンジはされたものの数点が再現されている。

**◆無印

***●五番町飯店編
・&bold(){豆腐と干し貝柱の炒飯}
作中で醤が最初に披露した料理で、米と干し貝柱の出汁を染み込ませた豆腐を使った炒飯。
二つのフライパンでジャッグルして豆腐の多すぎる水分を飛ばすことで「豆腐と炒飯」という有り得ない組み合わせを実現し、パリッとした揚げ豆腐の食感と干し貝柱の旨味が楽しめる海鮮風炒飯に仕上がっている。ダシに使った干し貝柱はスープとなり無駄も無い。
確かな腕前あって初めて作れる炒飯であり、ジャン曰く「ここまでやるのが「料理」」。


・&bold(){&ruby(チンツァイバオカン){芹菜爆肝}(豚レバーとセロリの強火炒め)}
五番町飯店で働き出した時の夜のまかないで作った料理。
豚レバーを牛乳に漬け込んで臭み抜きをし、ウォッカを使って大火力でセロリと一緒に炒めた料理。
臭み抜きに牛乳を使ったことで、成熟した豚の内臓の濃厚な風味はそのままに、まろやかな深みを出した一品。

昼のまかないを作った霧子の間違い((霧子は臭みがないという理由で子牛の胃を使ったが、成熟してない牛や豚の内臓は、臭みがない分味もない。かつ、霧子はかなり面倒な方法で臭み抜きをしていた。))と、臭み抜きの方法を教えてやる為に作った料理だったのだが、霧子は教えてくれた事への礼の一言も言わず、&bold(){&font(#DB7093){「あたしのを食べた後だから美味いと感じるだけの料理」}}とよりにもよって&bold(){&font(#ff0000){逆ギレ}}。
この時点では(言い方こそは上から目線だったが)本当に親切心から教えてやったつもりだったジャンは霧子の態度に頭に来てしまいキレ返して口ゲンカに発展。
ジャンと霧子の&s(){痴話喧嘩}因縁が幕を開ける事になった。

なお、後にサメ肉料理の課題で霧子は牛乳でサメ肉の臭み抜きをしており、この件から何も学ばなかったという訳では無い事がうかがえる。


・&bold(){羊の脳みそ入り茶碗蒸し}
大谷日堂との初遭遇で作った料理。
卵とガラスープ、エバミルクに加え、軽く茹でて裏ごしした羊の[[脳みそ>脳料理]]を混ぜて蒸す。
仕上げに清湯スープを1cm張り、香草のタイムと&ruby(シャンツァイ){香菜}((コリアンダー。タイ語で言うところのパクチーのこと。))を上に乗せて完成。
茶碗蒸しの出来は言わずもかな完璧。加えて茶碗蒸し内に仕込んだ羊の脳みそが豊かなコクを与えている。

脳みそを茶碗蒸しの隠し味として扱う常識外れの発想から、&bold(){&font(#ff0000){大谷も料理のタネを見抜けず、あまりの旨さに我を忘れてあっという間に完食する}}という赤っ恥を晒し、以後大谷とジャンの因縁が幕を開ける。

・&bold(){&ruby(チンジャオニューロースー){[[青椒牛肉絲>青椒肉絲]]}}
弥一から鍋を任されたジャンが作った宴会用の料理。そして同時に&bold(){大失敗作}。
&bold(){50人前}という大量の料理を作るにあたって「5人前が10倍になっただけ」と考え、鶏ガラスープを10倍入れてしまったのが失敗の原因。
味見をした結果、自分の思い通りになっていなかったことに気が付き何とか調整しようとするが最早どうにもならず、しびれを切らした弥一が味見して「バカヤロウ! こんな寝ぼけた味のモノを客に出す気か お前の舌は飾り物か ええ!?」とジャンを叱責した。
ここまで高慢ちきだったジャンはその鼻っ柱をへし折られることとなり、一人密かに涙。他従業員もここぞとばかりに「いい気味だ」と溜飲を下げていた。
しかしその後、慰めに来た小此木の言葉で「大量の野菜を炒める時には大量の水が出るから鶏ガラスープは少なくすべきだった」ということに気が付き、失敗を克服したのだった。&s(){高慢ちきなのは変わらないけどね。}


・&bold(){&ruby(ムズジュイアンチュン){母子焗鵪鶉}(ウズラと老鶏の富貴鶏((別名こじき鶏。ニワトリを泥で覆い固めて土の中で蒸し焼いた料理。調理道具をろくに買えない物乞い(こじき)が作っていたが、時の皇帝に気に入られて莫大な財を授けられた事からこの名が付いたと言われている。)))}
小此木との連休のキャンプで作ったアウトドア料理。

食材探しの際に捕まえたウズラ数羽と山菜、冷凍食品のお赤飯を小此木が捕まえた巨大な老鶏((養鶏場から逃げて野生化してデカくなった))の腹の中に詰めて、富貴鶏の要領で土の中で蒸し焼いた料理。

ウズラとお赤飯いっぱいに老鶏のダシがたっぷり染み込み、山菜が爽やかに後味を引き立ててる。
まさに狙ってはできないアウトドアだからこその料理。
&s(){霧子ともこういう経験してれば、多少は関係が良くなってたんじゃないかなぁ……。}


・&bold(){&ruby(ツーイエニューリュー){竹葉牛柳}(牛ヒレ肉の竹の葉包み焼き)}
[[尾藤リュウジ>尾藤リュウジ(鉄鍋のジャン)]]との「XO醤対決」で作った料理。
端的に言えば中華風シャリアピンステーキ。
肉の旨味を増幅させる赤小玉ねぎを炒めたものをブレンドした肉用オリジナルXO醬をソースとして用いている。((ちなみにジャンは肉用の他にも、魚介用と野菜用のXO醤も作っている。ちょっと気になる所である。))

竹の葉で包んでオーブン焼きしており、竹の葉と玉ねぎの香りで食欲を高め、下処理の段階で牛ヒレ肉を玉ねぎのすりおろしに漬けることで極上の柔らかさを実現した料理。意外と作り方自体はシンプル。

極上のXO醤を使った「だけ」の尾藤に対し、素材に合ったXO醤を使いこなした差でジャンの圧勝となった。

ちなみにシャリアピンステーキとは、玉ねぎのみじん切りに漬け込んだ牛ヒレ肉のステーキの事。
1936年に日本に来日したシャリアピンというオペラ歌手が、滞在先の帝国ホテルで「入れ歯の具合が悪いので柔らかいステーキを食べさせてほしい」とリクエストして誕生したと言われている。
意外かもしれないが日本オリジナル料理である。



***●第1回全日本若手中華料理人選手権編
・&bold(){2種のキノコのスープ}
予選の「スープ料理」の課題で製作した料理。ジャンの公式戦での初料理と言える。
モエギタケの一種とフウセンタケの一種を独自のバランスで煮込んだスープ。
普通に美味しいスープだったのだが……

実はこの2つのキノコを独自の配合で組み合わせることで&bold(){&color(#ff1493){マジックマッシュルームのように幻覚興奮成分が発生する}}。
そのため、一度飲むと中毒症状で病みつきになり、スープを飲みたくて堪らなくなる上にトリップした結果まともな思考すらできなくなる。
これにより審査員を狂わせて圧勝とも言える成績を叩き出したが、結果として&bold(){会場の観客や審査員、参加者から壮絶なヘイトを買い、「毒料理人」のレッテルを貼られてしまった((霧子も「こんなの「料理」じゃない! 「毒」だ!!」と激怒して殴った程。そのまま失格扱いになっててもおかしくない展開だったが沢田のパフォーマンスで幸か不幸か本選進出となった。))。}&s(){残当。まだ16の少年にそこまでボロクソに言う観客のモラルも最低だが……。}

ちなみに、連載当時はマジックマッシュルームは合法であったが、今ではもちろんアウトである。


・&bold(){&ruby(タイヂイクオパー){太極鍋巴}([[おこげ>鍋巴/クオパー(中華料理)]]の二色あんかけ太極盛り)}
本選1回戦・対沢田における「牛肉」の課題で作った料理。
ゼラチンたっぷりの牛すね肉を醤油・酒・豆板醤で煮込んだ餡と、アスパラ・ニンジン・セロリ・椎茸が入った塩味の餡。 
2種類の餡かけを太極の形になるようにおこげにかけたシンプルな一品。 

おこげのパリッとした食感と牛すね肉のこってりとしたゼラチンが良く合っており、さらにそれを塩味の野菜餡かけが爽やかに引き立てる。 
肉と野菜の餡かけの旨みがおこげを揚げた香ばしい油と組み合わさって絶妙な風味を生み出した料理。

&bold(){「ありふれた材料でも知恵と工夫で料理は美味くなる」}という中華の真髄を体現した料理であり、審査員からの評価は高かった。
終わってみればフィレ・サーロイン等の極上部位を使用し、さらに上記のキノコスープの件を事前のマイクパフォーマンスで非難して会場全体を味方につけた沢田の圧倒的有利を覆し、&bold(){168対32}というとんでもない差((ジャンが大谷をうまいこと解説役として利用したのもあり、沢田の料理は「高級食材を使った、旨くて当然のごちそう」でしかないと判断された。))を付けて圧勝。
予選とは打って変わった正攻法で沢田をねじ伏せたのは、キノコスープの件で霧子にブン殴られたのが響いたのかもしれない。&bold(){&font(#ff0000){「勝てないもの(食材)を使って勝つ」}}というのはいかにもジャンのスタイルらしいけど。
この逆張り意識溢れる反骨心剥き出しのスタンスは以後も度々続き、ジャンの料理の代名詞になっていった。


・&bold(){&ruby(フォンタイフェンスー){鳳胎粉締}(若鶏の春雨あん詰め煮)}
「鶏料理」というお題で作った料理。
袋抜きして下味を付けた若鶏丸ごと1匹に春雨のあんを詰めて蒸し、醤油を塗って乾かした後若鶏をキツネ色になるまで揚げ、湯で余分な油を洗い落としたら更に1時間煮込んで仕上げた、手間暇かかった料理。
蒸して、揚げて、煮て……とジャンの地味ながらも丁寧かつ的確な調理技術の積み重ねが光る一品。

対戦相手の河原の料理と出来はほぼ互角だったが、河原が&bold(){&font(#ff0000){ジャンの口車に乗せられたせいで味を台無しにする大きなヘマを犯した((仕上げのあんに味見もせずに余計なひと手間を加えてしまった))}}結果勝利を収めた。
ただし、このヘマをしてなくとも河原の料理は&bold(){高級食材が自己主張し合ってる微妙な状態}になっていた(それがヘマのせいでバランスが完全に崩れてしまった)との事であり、総合的な出来でどの道ジャンの勝利であったと思われる。


・&bold(){&ruby(マッチュウインゴッタンリンガウ){密棗园肉燉蓮藕}(蓮根、ナツメ、龍眼の蒸しスープ)}
「蓮根料理」という課題で作った料理。
上記の3食材をザラメと蜂蜜を敷いた&ruby(ヒンコウ){品鍋}((ふた付きのスープを盛る器。))を蒸し器で2時間近く蒸した甘いスープ。広東料理の「&ruby(タンスイ){糖水}」にあたる料理。
清々しいさっぱりとした甘さに、爽やかな喉ごしの良さ、蓮根のホクホクとした歯ざわりやナツメ、龍眼のほのかな甘みが楽しめる一品。

しかしその実態は&bold(){多くの試食をした審査員に極上の満腹感を与え、更に相手の大前の料理が&font(#ff0000){「冷めると脂っこくなり極端に不味くなる」}という欠点を突いて、&font(#ff0000){時間をかけてこの料理を食べた後に相手の料理を食べると、胃腸の弱い者なら嘔吐するほど激しく胃もたれさせる}}という悪意の塊みたいなスープ。

ただし、&bold(){先行して出した}事に関しては&bold(){どちらが先に出すかを事前に決められてた訳でもなく、大前がやたら盛り付け等に手間取ってたのでこれ幸いと先に出した}だけ。
後攻であったとしても&bold(){これまでの試食で純粋に満腹が近い+直前が重い料理}と言う状況になった審査員を&bold(){甘いデザートのようなスープで癒す}形になっていたので、圧勝は無理にせよジャンの勝利は揺るぎなかったと思われる。

だがこの料理に加え、&font(#ff0000,b){負けても仲間に暖かく迎え入れられた大前を負け犬扱いして追い討ちの罵声を浴びせる}という終了後の外道な振舞い((一応、言葉こそアレだが「周囲に甘やかされてないで独立して修行しろ」と言ってるようにも見える。が、そんなに大前が嫌いだったのだろうか……。))によって、それまでは比較的健全(かなぁ?)なライバル関係だったジャンと霧子の関係はマイナスにまで冷え込んでしまい、約二年もの間険悪な関係が続いてしまった。
色んな意味でターニングポイントとなった料理である。
&s(){霧子とはよく中国で仲直り出来たもんである。}

ちなみに[[別の料理漫画>中華一番!]]にて[[酷似した戦法を使用した人物>裏料理界]]がいるが、言うまでもなく悪役であり、手口もジャン以上に悪質である。((「上海ガニ料理」の課題で、先攻して審査員に超高濃度のカニスープを飲ませて、後攻のカニ料理の味を分からなくさせた。しかも直前に色仕掛けで審査員を惑わして先攻を決めさせたので、たまたま先攻を取れたに近いジャン以上に悪質である。))


・&bold(){&ruby(ツヮンベツォンリ){川貝蒸梨}(蒸し梨のデザート)}
上記の蓮根勝負後での揉め事でキリコにも風邪を引かせたことへの詫びで作った料理。
解熱効果のある梨の中心をくり抜いて、咳止めの効能がある&ruby(センバイモ){川貝母}と気管を癒す効能がある氷砂糖を入れて蒸したシンプルなデザート。暖かいドクダミ茶もセット。
&bold(){&font(#ff0000){「おまえが決勝戦で負けてもカゼを口実にしてほしくないだけ」}}とは本人の談。


・&bold(){&ruby(ダオシャオミェン){刀削麺}}
決勝戦前半戦の「麺料理」の課題で作った料理。&bold(){ジャンのオリジナルではなく実在する料理である。}
連載当時は日本では出す店はほとんどなかったが、現在ではだいぶ店も多くなった。アキバでも食べられるぞ!
うどんときしめんの中間に近い、中国を代表する麺料理のひとつで、小麦粉と水だけで作った生地をステンレスの棒に巻きつけ専用の刃で削り出していくことで完成する。
麺の断面は厚いところと薄いところがある独特な形になり、厚い部分はコシが強く薄い部分ではタレやスープが程よく絡まり、塩もかんすい((ラーメンの麺によく入れられる、アルカリ塩の事。))も使わないため小麦粉の甘さと旨味を最大限に楽しめる。
シンプル故に難易度はかなり高く、階一郎もこれを作るコツをジャンに教えた際は折檻抜きだった上、「体で覚えるしかないんだ」「ワシが殴っても教えることはできん技」とぶっちゃけたほど。
麺の削り出しにおいても、&bold(){「周囲を囲むように鍋を配置してグルグル回転しながら高速で麺を削って綺麗に鍋目掛けて麺を飛ばす」}という曲芸じみたインパクト抜群の手法を用いた。

曲芸同然の麺の削り出しながら生地の練り具合、削られた麺の太さと長さの均一性、コシの強さは当然の如く完璧。
タレは鶏とカニとエビの塩味の海鮮あん、醤油味の豚のあん、甜麺醤の味噌あんの三種類を用意したが、特にジャンのオススメの食べ方は山西省の黒酢だけを掛けた刀削麺で、黒酢はジャン曰く&font(#ff0000){「秋山秘伝の&ruby(ビンテージ){百年}もの」}。
黒酢によって純粋に小麦粉の旨味だけを存分に楽しむことができ、その深いコクとまろやかな酸味と芳醇な香りは一人の在日中国人の老審査員は故郷の光景を思い出して感動の涙を流したほど。

味そのものは絶賛され、一般審査員からは好評だったが&font(#ff0000){「麺料理=小麦粉料理で、勝負は小麦の粉の味を最大限活かすもの」}と解釈を間違えてしまい、&bold(){「[[オリジナルの麺料理>特級厨師試験(中華一番!)]]」}を求めていた特別審査員達からは、&bold(){「独創性がない」「今まで誰かが作っていた料理を一番うまく作っただけ」}とボロカスに言われ、誰にも点を入れてもらえなかった。
なお&bold(){この低評価、大谷は一切関係無いジャンのミスに過ぎない。}点が出るまで大谷は焦っていたし、ジャンが解釈違いで低評価になることは部外者の弥一も看破していたところである。
中華料理には存在しない「デザート」とセットで出題された時点で、本人の創造性が問われていると理解していなければならなかったのである。
%%でもせめて感動してたおじいさんぐらいは点入れてやれよ……%%
ちなみに、1年後でもジャンはこの結果に納得行ってない模様。

なお、別の料理漫画でもある登場人物が麺料理の課題で似たように解釈を間違えた結果、敗退している。((「否麺(麺であって、麺にあらぬ)料理を作れ」という課題で、主人公含めた他の挑戦者が小麦粉以外の食材を使って麺料理を作ったのに、その人物だけ従来通り小麦粉を使い、形を変えただけの麺料理を作ってしまった。))


・&bold(){&ruby(ゴオズリエンスウピイパウヘイタン){鴿子型酥皮包戯蛋}(鳩型パイケース入りビックリ卵)}
決勝戦後半戦の「デザート」の課題で作った料理。
前述の刀削麺で「技術のみで独創性が無い」の評価にブチ切れて&s(){シャワールームも自分の身体も血まみれボロボロになるまで暴れた末の閃きで}作った、&bold(){&font(#ff0000){鳩の生き血}}を使った超前衛的デザート。

大量の&ruby(ルウゴウ){乳鴿}(若鳩)から搾った新鮮な生き血に生クリーム、砂糖、コーンスターチ、薔薇の香りのする&ruby(メイクイルーチュウ){玫瑰露酒}を加えて鳩の卵の殻に入れて蒸し上げて固め、コーンスターチを衣にして揚げる。
最後に揚がったモノに&color(#ffffff,#994c00){ココナッツパウダー}・&color(#008000,#b8d200){抹茶}・&color(#f5f5f5,#808080){真珠粉}((アコヤガイの真珠質を粉にしたもの。れっきとした漢方薬である。))・&ruby(シェイェン){&color(#ff0000,#ffb74c){血燕}}((燕の巣の中でも最高級の赤い燕の巣。燕の巣を作るアナツバメの唾液に血が混じったもの…と言われていたが現在はその説は否定されており、たまたまミネラルや鉄分が他のものより豊富な燕の巣が、時間と共に赤く変色したもの、という説が現在有力。恐らくは上記の通り、階一郎が遺してくれていた品なのだろう。))をまぶして完成。
完成した物は鳩の形をした蓋付きのパイケースに入れられ、視覚的な期待値と楽しみを倍増させる。

材料の血が新鮮な為生臭さも一切なく、グミキャンディーのようなクニュクニュとした食感、ルビーのように半透明で紅く美しい断面、薔薇と血の複雑な香り、舌をとろかすまろやかな甘さと&bold(){鮮烈な血の味}を味わうことができる。
&bold(){&font(#ff0000){「素材を見ても作り方を見ても味が予測できない料理こそが最高」}}というジャンのコンセプト通り、審査員達をして&bold(){「口では言い表せない未知の旨さ」「麺料理の失敗を補っても余りある」}と言わしめた逸品。
血のデザートという弥一でも初耳の料理は、いくら過程が進んで完成した段階になっても味の予想がつかず、会場の注目と意識は全てジャンに向けられ、他二人はいたたまれない雰囲気の中で料理をすることとなった。
しかも、&s(){ただでさえモラルの悪いクソ}観客が&bold(){一時期暴徒化しかけた}上、大会終了後はどんな味なのか知りたくて仕方がない観客たちが野良の鳩を捕まえようと躍起になる事態に。

ちなみに、血の味はきちんとするとの事だが、実際の所&bold(){基本的な甘みの正体は&font(#ff0000){生クリームと砂糖だけ}に過ぎない。}
他にも特段珍しいものは真珠の粉と血燕ぐらいである。
それがハトの血と組み合わさるだけで大谷にモノローグで&bold(){&font(#800080){「深紅の薔薇の何とも言えない血の香り」「舌をとろかす高貴な甘さ」「これをなんと言えばええんや!?」「これこそ一生涯出会うことのなかった味」}}と言葉を失わせ(同時にそれを作ったのがよりにもよってジャンだったことから&bold(){&font(#800080){「ヤツは悪魔や!」}}と驚愕させ)、公の場で審査員としてまともに評論できなくさせたのだから、ジャンの調味料配合が神業であったとしか言えないだろう。


***●VS蟇目編、五番町飯店品評会編
・&bold(){&ruby(チャウチィチャンヒョンヨッ){柚子橙香肉}(ユズとオレンジ風味のシメジ入り酢豚)}
蟇目との初対決で「酢豚」の課題で&bold(){右手の指を折られながらも}作った料理。
&ruby(タンツウ){糖醋}(甘酢ソース)に果汁100%のオレンジジュースとユズのジャムを使い、ピーマンとシメジを具にして仕上げた酢豚。
ちなみにユズのジャムは、楊がユズのシャーベットを作ろうとしたものを&s(){失敬して}貰って砂糖を加えたもの。
&s(){楊「ひどい〜(´;ω;`)ブワッ」ジャン「また作れよ」}
シメジと隠し味にユズを使った事で、日本人の口によく合う酢豚となった。

対戦相手の蟇目との勝負は引き分けだったが、&bold(){ジャンが余計に挑発した為に、左腕まで折られてしまった。}色んな意味で相手が悪い。

そして実はこの酢豚は、蟇目が中国に修行に出る前に新メニュー候補で作ったものと&bold(){偶然まるっきり同じものだった。}((年長者の柏原が思い出したことにより発覚。当の蟇目はまるで記憶になかったらしく、特に気にしていなかった。))
ただしその頃の蟇目は「ユズには牛肉の方がよく合う」として豚肉でなく牛肉を使っていたらしい。
当時は&bold(){中華料理にユズは早すぎる}事と、&bold(){酢豚ではなく酢牛になってしまう}との事で不採用となった。


・&bold(){秋山式&ruby(サンゲタン){蔘鶏湯}}
蟇目との対決で、自分の腕を&bold(){二度も}折った蟇目に報復する為披露した一品。
見た目は普通の参鶏湯だが、実は朝鮮人参とナツメグを独自の配合で組み合わせてスープに大量に仕込んだ料理で、飲むと&bold(){意識はハイのまま血糖値が急激に低下しぶっ倒れる}という毒膳料理。
蟇目をして「どんな割合で混ぜればそうなるのかわからん」とまで言わしめたキワモノ。

なお蟇目側も、&bold(){阿片(麻薬)の原料である&font(#ff0000){ケシの実}の中でも特に強力なモノ((一般に食材として出回っているケシの実は成熟すれば麻薬成分は含まれないが、コレは蟇目曰く成熟しても麻薬成分が消えない、中国奥地で違法栽培されていたという激ヤバな代物))を隠し味に使った四川麻婆豆腐}という&bold(){&font(#ff0000){劇中でも(後の五行の五行膳並に)トップクラスに倫理的にアウトオブアウトな毒膳料理}}を振舞った((蟇目はこの料理でジャンを麻薬漬けにして従えるつもりだった。まさに外道。))ことで両者共に昏倒し、勝負はドローとなった。

ちなみに、ぶっ倒れた蟇目に対して「一晩そこで寝てろ!カゼ引くなよ」と捨て台詞を残している。優しいんだか優しくないんだか……&s(){実際マジで動けなくてぶっ倒れてたわけだが。}


・&bold(){アヒルの足の[[春巻]]}
事実上の「春巻対決」となった五番町飯店の新メニューの候補選びで発表。
ゼラチン質たっぷりのアヒルの水かきと鶏のトサカをレモングラス、ネギ、生姜と一緒に滷水で煮込んで冷やし固めたものを条切りにし、ミントを中心とした多くの香草と一緒に巻いて揚げた春巻。
熱せられて溶けたゼラチンが漏れないように普通の皮の内側に京都産の生湯葉で二重に巻いてある。
独創的で複雑な中身に反して、外見は一般的な春巻と大差ない。

最大の特徴は二重の皮に包まれた&bold(){熱々のゼラチンスープ}。
平凡な見た目に騙されて皮を噛みしめた者は&font(b,#ff0000){口が焼け爛れるほどに煮えたぎったゼラチンスープでヤケドしてのたうち回るハメになる。}
このゼラチンスープは噛んだと同時に飲み込んで、喉で味わうのが正解。イメージ的には&bold(){小籠包の春巻バージョン}と考えれば分かりやすいだろう。
ベトナム料理から発想を得た料理で、体全体でのどと胃を下っていくゼラチンの熱を、口の中に残った&ruby(ルウスイ){滷水}((水に砂糖、醬油、八角などの各種香辛料を入れて作った調味液。))の味が染み込んだ水かきとトサカの食感と味わいを楽しめる料理。
加えて一緒に巻かれた香草の風味が鳥臭さを消し、フレッシュで爽やかな後味を与えてくれる。
独創性の極みと言えるこの春巻には睦十も興奮。意地になって3個いっぺんに放り込んだこともあり、あまりの灼熱感で&font(b,#ff0000){「おはだけ」まで披露してしまった。}
&font(l){この料理漫画は『[[食戟のソーマ]]』ではありません。}

ただし、皮を二重に巻くことから&bold(){包む手間も二倍、おまけに少しでも皮を巻くのに失敗すると中のスープを閉じ込められず即台無しとなる、かなり難しい春巻。}
睦十曰く&bold(){&font(#ff0000){「(霧子同様)春巻を超えた春巻」}}。
店のメニューとして試採用された際には続々来る注文にこたえるために(ササミを叩いて皮にする手間が大変な)霧子共々必死になって作り続けることになってしまった。
だが、キワモノに近いとは言え、客からのウケはなかなか良かったようである。
&s(){なお、霧子からは&font(#DB7093){「ヤケドするだけだ」}と食べもしないで酷評された。楊と小此木はちゃんと食べたのに……}


***●VS五行道士編
・&bold(){生首爆弾}
五番町飯店に踊る豚の頭((豚の頭のローストに振動ボールと笑い袋を仕込んだもの。ちなみに豚の頭のロースト自体は美味しくいただきました。))で喧嘩を売ってきた[[五行>伍行壊(鉄鍋のジャン!)]]と大谷に報復する為にプレゼントした&bold(){二人そっくりな生首。}
中には爆弾が仕掛けられており、紐を引っ張ると爆発して脳ミソが飛び出すという凄惨なもの。
そのスプラッタな光景でパーティー会場を阿鼻叫喚の地獄絵図にした……

……のだが、&bold(){その実態は生首を象ったお饅頭。}
今で言うところのスライムまんなどのキャラまんじゅうのようなもの。&s(){まんじゅうこわい。}
&ruby(ドンミンビィ){澄麺皮}((片栗粉とラードと浮き粉を熱湯で混ぜたもの。それに色粉を混ぜて色を付けた。))という半透明な皮で生首を作り、中には蓮の実のあんこである&ruby(リィヨン){蓮茸}を脳ミソっぽく仕上げた一品。
その中にパーティー用のクラッカーを仕込んで脳ミソあんこを飛び出すようにした。
コンセプト的には和菓子に近く、和と中華のコラボ饅頭とも言えなくもない。

味も絶品で五行は(おそらく見てくれも含めて)「うまいもんだ」と絶賛していたが、ブチギレた大谷は一口も食べずに踏み潰していた。
※気持ちは分からなくもないが食べ物を粗末にしてはいけません。(そもそも喧嘩を売ったのは大谷が先)

ジャンはあくまで個人で喧嘩を買ったのだが、パーティーを台無しにされた大谷とテレビ局側が腹いせ同然に勝手に五番町飯店と結びつけ、五番町飯店と蜃気楼の対立を決定的にした。


・&bold(){&ruby(イスアヅウドウ){苡砂猪肚}(豚の胃袋の薏苡仁煮)/&ruby(ターサンドウチャオ){大蒜肚条}(豚の胃袋のニンニク炒め)}
「胃に効く料理」という課題で作った料理。
1品目は豚の胃袋にもち米や薬効のある薏苡仁((ヨクイニン。ハトムギが原料の漢方薬。))、砂仁を詰めてスープで煮込んだもの。2品目は豚の胃袋をニンニクで炒めたシンプルな料理。
2種類の料理を作り効能を変え胃に効く幅を広めるのが狙いだったが、五行の「過剰に香りを演出した仏跳牆」の前に敗れた。


・&bold(){&ruby(ファハンチーヅォ){発汗鼓粥}}
「涼を呼ぶ料理」という課題で作った料理。
発汗作用や発汗促進作用のある淡豆鼓・葱・生姜、解熱剤の葛根・生石膏といった&bold(){発汗作用や解熱作用のある食材・生薬を大量にぶち込んで作った}薬膳粥。
食べることで汗が流れるように溢れ出し、やがて脱水症状で体温が奪われ急激に凍えるようになってしまう毒膳ギリギリの料理。

試合上はもちろんジャンの負けとなったが、五行の行動に不審を抱いたジャンが、五行の料理を見抜いた上でワザと出した。
これによってジャンも五行の「本性」に気付き始める事になった。


・&bold(){秋山式&ruby(ブースイタン){補髄湯}(スッポンと豚の脊髄のスープ)}
第3戦「スタミナ料理」の課題で作った料理。
[[スッポン>スッポン(カメ)]]1匹丸ごとと豚の脊椎を煮込んだスープ。
柔らかくプリプリとした食感を持つスッポン肉の高い滋養強壮効果、トロリとした豚の脊椎の蕩けるような舌触りと極上のコラーゲンが食べた者に活力を与えてくれる。
2種の濃厚な食材を用いながらも、上等なコンソメを彷彿とさせる上品な味わいとなっている。

……が、此処までは普通の補髄湯。
秋山が作った場合、五行の裏をかくため&bold(){調理時間終了後にこっそり塩を入れている}のが最大の特色。そのため丁度良い塩加減がプラスされた。
本来、中華料理の補髄湯には塩を入れずに作るため五行は動揺。
更に五行の料理が非常に甘い料理だったため密かに入れた塩の作用で「五行の料理が逆に甘すぎて食べられなくなる」という結果を生み勝利を収めた。
ただし、五行が中華のセオリーに縛られ過ぎた事も勝因の一つであり、塩を入れたところで健康には何も問題はない。
実際、和食のスッポン鍋では&bold(){普通に塩を入れる。}皆さんはスッポン料理の店で塩の有無で下手なケチは入れないように。


・&bold(){&ruby(チョンソホイシュン){長寿回春}(大ヤモリとサソリと龍の涙の珍品づくし)}
第4戦「不老長寿」というお題で作った料理。
大ヤモリの肉と[[サソリ>さそり]]をメインに、粉末にした[[黒サイ>サイ(動物)]]の角、岩茸((断崖絶壁にしか育たない茸。茸とあるが、実は地衣類というコケの一種である。))、赤と白のエシャロット、金針花((ワスレグサ、カンゾウとも言う。生薬として使われる。))、ヤモリの酒、[[虎>トラ]]の骨の酒、[[恐竜]]の化石の酒……といった貴重な奇品珍品食材をふんだんに使った料理。
大ヤモリの肉は油通ししたあと豆豉炒めにされ、サソリは塩茹でして乾燥させたものを油でカラッと揚げている。
選んだ食材はどれも豊富な栄養や滋養強壮効果がある((サイの角に関しては当該項目参照。))が、目玉は&bold(){1g1万円以上}にもなる超希少品「龍の涙」((ちなみにこの「龍の涙」はこれも階一郎が遺した品……ではなく、睦十オーナーの会長室からこっそり借りた品。従業員「ドロボーだよそれ!」))を全て使い切る勢いで削る大量投入した点。

&bold(){「食べる者の欲望を昂らせ生きる気力を与える」}がコンセプト。
まずは珍品奇品の数々で注目を引き、次に食材が持つ薬効をフル活用させることで食べた者に身体機能を大幅に活性化させ、&bold(){鼻から血がボタボタと吹き出し、肌や血管が脈打ち、横綱が四股を踏めば会場全体を揺らせる程の暴力的活性効果を持つ。}
味でも地鶏のような弾力ある食感と噛めば噛むほど旨味の出る大ヤモリの肉、岩茸のプリッとした食感やシャキシャキした紅白のエシャロット、塩味で味付けされた軽いスナック菓子のような食感のサソリの素揚げ((サソリの毒は血中に入ると危険だが、食べて胃液を通して吸収されると薬になるとのこと。実際の食用サソリも毒針を抜くなどの加工・熱処理はしてある。))が美味さを引き立たせる。

……ただし「不老長寿の秘宝」を謳った目玉食材「龍の涙」の正体は&bold(){鯨の胆石}、すなわちカルシウムの塊に過ぎない。
超貴重品なのは確かだが胆石ということもありイメージは劣悪。
五行に正体をバラされ(審査員たちも途端に手の平返しで気持ち悪がり)危うく敗退しかけたが、&bold(){&font(#ff0000){五行の方はあまりにも人間の尊厳を冒涜した料理を作った}}ので審査員全員から反感を買い、総合的判断で&bold(){「生きる欲望(希望)を湧き起こす」}料理であるジャンの勝利となった。

ちなみに、「龍の涙」は架空の食材ではなく、&bold(){&ruby(りゅうぜんこう){龍涎香}((英名・アンバーグリス。主に香料として使用される。『[[こちら葛飾区亀有公園前派出所]]』196巻でもネタにされている。なお、中でもマッコウクジラの龍涎香が最高級品。))という名称で&font(#ff0000){実在する薬理作用を持つ食材}である。}
盗まれた睦十がキレるのもごもっともだが、厳重に保管してあったであろうブツをどうやって盗んだのだろう……。&s(){あと効能に関してはプラシーボ効果だと思う。}


・&bold(){&ruby(ナンホイルウソン){南海漁村}(大シャコ貝とドリアンのオーブン焼き)}
「天国に一番近い料理」という課題で作った最終戦の料理。
大シャコ貝の身を、ドリアン・パパイヤ・金糸瓜・各種香辛料・ヤシの実の酒等を混ぜ合わせた特製ペーストで包んで一緒にシャコ貝の殻に入れてオーブンで焼き上げた料理。
火を通すことによってシャコ貝の旨味と歯応えは倍加し、絶妙な火加減で焼いたことでほんのり甘くふくよかな味わいの快感すらある食感に。
ドリアンペーストに混ぜた青いパパイヤと金糸瓜はシャリシャリとした程よく固い食感を有し、ペーストに塩をよく効かせたことで逆にシャコ貝の甘さが引き立っている。
ドリアンの悪臭もペーストを作る過程で丁寧に下処理することで心地よいフルーティーな南国の香りに変化させ、甘味も倍増している。
盛り付けでも上の貝殻を蓋代わりすることで演出面を強化しつつ、よく香りを楽しめるように仕上げた。

一応、[[酒との相性が致命的に悪いドリアン>食べ合わせ]]を使用していながら味付けのためにヤシの実の酒も使っているので、アルコールが確実に飛ぶのに必要な加熱時間と料理として一番美味しくなる加熱時間のバランス取りが難しいのと、アルコールが飛んでもドリアンの成分は臭い以外そのままなので&bold(){酒を飲みながら食べるのもNG}、という弱点がある((実際、ドリアンとアルコールの相性の悪さを土壇場で思い出したジャンは被害を最小限に抑えたものの、後者を対戦相手に突かれてピンチになった))。
五行の料理と出来自体は全くの互角だったが、「ホテル・ミラージュ」の社長の横槍やドリアンとアルコールの相性で審査員の一人を病院送りにされた事で危うく敗退しかけたが、&bold(){&font(#ff0000){五行の鍋の秘密((ハクビシンの肉に加え、「ホテル・ミラージュ」の社長の犬を殺して肉にして入れていた))を白日の下に晒した事で社長はマジギレ+五行は暴走+&s(){案の定のクソ}観客が暴徒化した為番組は大混乱。}}
とりあえず小此木がドサクサに紛れて社長以外の審査員の点数をジャンに入れた為、&bold(){4:1で形式上はジャンの勝利となった。}


***●VSスグル編
・&bold(){&ruby(ツンチェタンシェ){春節淡雪}(ニューバージョン広東風カニ玉秋山オリジナル)}
スグルとの料理勝負で作った料理。
広東省版芙蓉蟹の中でも卵白だけで作るタイプのものに、裏ごししたグリーンピースを混ぜた一品。
白と緑が大理石の模様のように混じり、カニ肉の赤が見え隠れする美しいビジュアル。
卵白の軽い仕上がりの味にグリーンピースの青々とした風味が調和した、非常に食べやすく、そして食べた者に雪解けからの春を感じさせる美しい料理である。
韻を踏んだ料理名といい四季を想起させる味わいといい、ジャンにしては珍しく詩的な美意識に溢れた一品。

ちなみに、料理中にスグルが&bold(){白絞油と魚油をスリ替える}というかなり外道な妨害行為をしている((その後ジャンもリベンジでスグルの卵に砂糖をぶちまけたが、それはアッサリバレた。))が、ジャンはそれに気付いた上で、敢えて気付かないフリしてこの料理を完成させた。


・&bold(){&ruby(カオルウチュウ){烤乳猪}(子豚の炭火丸焼き)}
スグルとの料理勝負2戦目「子豚(の丸焼き)料理」の課題で作った料理。飛び入りで参加した中国人観光客が審査員となった。
実在する伝統的な広東料理の1つで、捌いた後刺股に刺した子豚を細心の注意を払いつつじっくり焼き上げて作る、シンプルながら難度の高い料理。
じっくり丁寧に完璧に焼き上げられたことで、クッキーのように皮が口の中でパリパリサクサクと砕けた後脆く儚かなく溶けてゆく極上の食感……中国人が好む三大食感の一つ&bold(){「&ruby(ツォエイ){脆}」}((イメージは上記のようにクッキーや、メロンパンの表面の生地の食感と考えて頂ければわかりやすい。))を楽しめる。
付け合わせにグラニュー糖、マンゴーを練り合わせた甜麺醤、リンゴ味のソース、オリジナルの梅の醬を用意することで色々な味変を付けて食べることが可能。
スグルの「五穀全猪(子豚の五穀詰め丸揚げ)」に比べるとオリジナリティーこそは低いものの、「秋山の烤乳猪は中国でも滅多に食べれない最高のもの」と称賛された。

一見すると皮の「脆」に加えて同じく中国の三大食感&bold(){「&ruby(ヌオ){糯}」}(モチモチ食感)を詰め物によって表したスグルの料理には不利なように思えるが
スグルの料理には以下の重大な欠点があり、&bold(){実際は最初から勝負にすらなっていなかった。}((2回目の試食を迎えた時の審査員のテンションにも明らかな差がある))
・スグルの子豚の皮は「脆」になっておらず、&bold(){「&ruby(スウ){酥}」}((揚げ物の衣や春巻の皮などのバリバリザクザク食感。イメージ的にはせんべいやポテトチップスのそれである。))の状態だった。「酥」も旨い食感なのだが、ジャンの皮と比べると数段食感が劣る。「脆」は炉でじっくり焼き上げない限り出せない食感であり、揚げただけでは出せない
・そもそも子豚の丸焼きは皮を味わう料理であり、いくら「糯」の食感を出せていようが詰め物は評価の対象にならない

ジャンはスグルが上記の欠点に気づいていない≒技量はあっても根本的には素人でしかないことを突き付けた上で完勝。
日頃ジャンと対立する霧子もスグルの自滅を予期しており、&font(#DB7093,b){「素人なんだからこれにこりて勝負なんかにこだわらず楽しく料理を作ってればいいのよ!」}と追い討ちを浴びせている。ひっでぇ。
%%なお五番町の料理人は三大食感を聞いたことさえない素人未満ばかりである模様。楊「(勉強してやあんたら…)」%%

あとちなみに、中国三大食感の最後のひとつは&bold(){「&ruby(ホウ){滑}」}。
あんかけや麻婆豆腐などのトロトロなめらか食感の事である。


・&bold(){&ruby(ロンコンホウチン){竜肝鳳珍}}
スグルとの料理勝負3戦目「肝料理」の課題で作った料理。
スグルの最高級フォアグラに対し、あえてそれ以下の材料で対抗するために作った。
牛乳で余分な臭みを消した白[[レバー>レバー(食肉)]]((鶏の天然脂肪肝。レア物だが本来はフォアグラより味も品格も劣る。))を、裏ごしし各種調味料を加えた[[カワハギ>カワハギ(魚類)]]の肝のペーストにマリネの要領で漬けこんでカワハギの肝の味わいと風味をプラス。
さらにサンドイッチの如く白レバーを豚の背脂で挟みオーブンで焼き上げることで脂肪分を補っている。

フォアグラより脂肪分が少ない分フォアグラ以上にレバーの力強く濃厚なコクが強調されており、嫌味な匂いもなくフォアグラと互角の香り、フォアグラ以上のコッテリした味わい、レバー特有のムッチリモッタリとした食べ応えのある食感が特徴。
名古屋コーチンの老鶏丸ごと1匹を煮込んだ濃厚スープを赤酢で割って作った特製ソースとの相性も抜群。
ちなみに、白レバーに漬け込むペーストのレシピは非常に繊細で、少しでも間違うと一気に不味くなるかなりのキワモノ料理。
フォアグラ以下の食材をフォアグラ以上の味に昇華させた点だけでなく、&bold(){「レシピを聞いたとしてもジャン以外には作れない」}というオリジナリティを評価されて勝利を果たした。
なお審査員のフランス人からは&bold(){「フォアドボライユ ポワレ エーグル トゥ ジャン(鶏レバーのポワレ、赤ワイン酢ソース、シェフ・ジャン風)」}という料理名で賞賛された。&s(){ジャン「……長い」}


・&bold(){&ruby(ニョイコヤンウォー){如意胡羊鍋}(子羊の煮込み)}
スグルの付き人である刈衣花梨との初戦「子羊」の課題で作った料理。ざっくりまとめれば&bold(){中華風ビーフシチュー。}子羊だからラムシチューと言うべきか。
子羊の肩肉の臭みを取った後はネギ・ショウガ・玉ネギを炒めて腐乳を入れてコクを追加し、肉と戻した乾燥イチジクを赤ワインと鶏スープでじっくり丁寧に煮込んで完成。
濃厚な味ながらしつこさはなく、癖のある食材同士を掛け合わせていながらも、味を重ねてマイルドに仕上げることで日本人好みの味に変えられている。
ただしジャンクフードの理論を応用して脳内麻薬エンドルフィンを大量分泌させ、後を引くやめられない旨さを生み出した刈衣花梨の料理の前に敗北を喫した。
&s(){でも事実上の2対1ってのは流石に手段選ばなさ過ぎなんじゃないかなぁ、スグル……?}


・&bold(){&ruby(チンツエンティアオユイ){清蒸鯛魚}(クロダイの蒸し物)}
スグルの付き人である刈衣花梨へのリベンジで「魚の蒸し料理」の課題で作った料理。
セイロで雌のクロダイを蒸しただけのシンプルな料理だが、骨に近いところはミディアム、外側の火の通ったところはふんわりジューシーという2種類の食感になるよう蒸された&bold(){香港における最高のレベルの蒸し方}となっている。

僅かに生が残る蒸し方によって旬のクロダイの旨味が身の外に流れることはなく、ふっくらした肉の味わいと甘みを感じる旨さを最大限に楽しめる。
そしてクロダイのオスの成熟した白子に老酒と生抽で味を整えたタレを使うことで、雄雌両方のクロダイに旨みを味わえる。
ただし一見すると生焼けに見えてしまうレベルで日本ではこの蒸し方は馴染みが全くなく、香港人の食通向けの料理に近い。


***●第2回全日本若手中華料理人選手権編
・&bold(){&ruby(スウンチェンヤアー){紫雲全鴨}}
実質第2回大会の前哨戦となった大谷の番組で、「鴨料理」の課題で作った料理。
鴨丸ごと一羽の旨味が詰まった&bold(){血のスープ}とコシの強いシンプルな手打ち麺を組み合わせた鴨南蛮そっくりの見た目の料理。
具は鴨肉のローストと塩コショウして和えたニラ。
鴨の骨から絞り出した大量の血に少量の熱いスープを注ぎ、そこにナンプラー、熱々のネギ油、茹でて裏ごしした鴨の脳味噌のペーストを混ぜて、すりゴマのようなコクと濃厚さと奥深い旨味を生み出している。
鴨の脳は個性の強すぎる各食材を一体化させ纏め上げる効果もある。
そして素っ気ないほどにシンプルな太麺が濃厚すぎる程のスープを最後まで美味しく食べさせてくれる一品。


・&bold(){&ruby(ショントンツァオファン){上湯炒飯}(スープがけチャーハン)}
第2回大会予選「指定された米で日本人の口に合う炒飯」という課題で製作。
水分量の少ない古々米をセイロで蒸して水分を補った上で炒飯にし、金華ハムを加えた極上の上湯スープをかけたお茶漬けみたいな炒飯。
なお調理の段階で&bold(){周りの調理台のガス管を潰してガスを自身の元にのみ集中させることで得た超大火力}で思いっきり炒めているのが最大の特徴。
下手すれば米が黒焦げになるどころかジャンすら火傷しかねないほどの爆炎で余分な水分と油を吹き飛ばして米1粒1粒をパリッと仕上げたため、スープにつけてもスープに油が浮かず、米もふやけないままずっとパラパラしているのも特徴で、サラサラと胃もたれせずあっさり食べられる。

ただし調理の過程で発生した大火力によりスプリンクラーが作動し大量の水が降り注ぐよう計算しただけでなく、上湯炒飯自体が非常にさっぱりとしているため下手な腕の選手が普通に作った油まみれの炒飯では胃もたれして不味く感じてしまい食べられなくなってしまう。
スプリンクラーによる水で他選手の炒飯を台無しにし、仮にスプリンクラーを乗り越えても今度は上湯炒飯以降の炒飯が不味く感じてしまうという2重の罠が仕込まれた悪意ある炒飯。
ただし、ジャンのブロックの一部の料理人が、「チャーハンなんて誰が作っても同じ」「たかがチャーハン」と&bold(){かつての望月みたいな不真面目かつ料理を冒涜するような発言をしていた}為、それに対する報復的な意味合いもあった((もちろん、巻き添えになった真っ当な料理人にとってはたまったものじゃないが。))と思われる。
しかし逆に、&bold(){&font(#ff0000){この炒飯の罠をクリア出来た料理人こそが予選通過資格がある}}と言え、多すぎる参加者への「ふるい落とし」としても作用した意味では、結果としてはかえって都合が良かったと言えたかもしれない。((事実、スグル、ザザビー、黄蘭青の強豪三人はジャンの罠を掻い潜って本戦進出している。))


・&bold(){&ruby(パッチャセッテゥホゥ){白汁石鯛鍋}(イシダイの豆乳スープ石焼き鍋)}
一回戦「豆腐料理」の課題で作った料理。
焼いた石を土鍋に入れた石焼き鍋で、花火のような爆音がなるインパクト抜群の鍋。
スープは豆乳と上湯スープで作られており鍋のメイン食材はイシダイ。
脂ののったイシダイに合うさっぱりとした味、石鯛の身もしまって美味しさがあり、豆腐も石鯛の旨味が染み込んでいる。

ここまでだと、審査員に「石鯛の魚料理」と判断され超低得点になってしまったが、この料理の真髄は鍋が熱せられた石によりで煮詰まることでイシダイと豆乳の旨味と香りが濃縮され濃厚になったスープと、鍋の〆として投入された豆腐で作ったソーメン。
豆腐ソーメンには梅が練り込まれることでさっぱり感も加わり、煮詰まった鍋の極上の香りが食欲をそそらせる一品。
〆のソーメンを豆腐ソーメンだと気付かず、&bold(){ひと口食べるどころか箸を付けさえしなかった}大谷に半ば扇動される形で試食拒否され、一時期は低得点を付けられた((そして調子に乗った大谷に頭を踏みにじられた。まさに外道。ぶっちゃけ提出した料理を食わない時点で審査員失格である……。))が、その誤解が解けた後は大谷以外は即前言撤回し、豆腐料理として認められたこともあって打って変わって高得点となった。

ちなみに、現在では豆腐ソーメンは商品化し、コンビニでも販売されている。


・&bold(){&ruby(ベイヂンピンアンスイジャオズ){北京平安水餃子}(大根入り水ギョーザのジャン風かざり)}
第二回戦「制限時間60分以内+審査員合計55人分の餃子」の課題で作った料理。
通常サイズの水餃子の上に小指大の揚げ餃子を盛り付け、香菜とタレを掛けた2つの餃子からなる一品。
陸一族の「にぎり」を進化・発展させた&bold(){「秋山醬式ギョーザ包み改」}の圧倒的なインパクトに加え、盛り付けもテンポよく豪快でパフォーマンス性も高い。

具は2つとも肉に大根おろしとカレイの干物の粉末を混ぜた物を使用。
水餃子のツルツルとした食感と揚げ餃子の香ばしい食感の2種類を味わうことができ、掛けられたタレが食感に新たなアクセントを加えている。
味の面でもカレイの干物の粉末が香りと旨味を高め、大根おろしのジアスターゼが胃もたれを防ぎながらさっぱりした味わいをプラスしつつ肉の甘味を強化し柔らかなものに変えた。
大根おろしのせいで下手をすればサッパリしすぎている水餃子も、揚げ餃子の油の重厚感が加わることで皿の満足度を強化している。


・&bold(){飲めるラー油/ラー油炒飯}
三回戦「21世紀の新しいオリジナル調味料」の課題で作った調味料。
&font(#ff0000){&bold(){唐辛子本来の旨味と香りがたっぷりと詰まった特製ラー油。}}
辛さを補う一味唐辛子の辣粉と韓国産の最高級キムチ用唐辛子の辣粉をブレンドして使う事で、普通のラー油にはない桁違いの旨味と深い香りがある。勿論底に溜まった唐辛子の粉も旨い。
油も白絞油に陳皮・八角・花椒・桂皮で香りを付けたものを使用し、唐辛子の粉は水ではなく桂花陳酒((キンモクセイの香りの酒))で練るなど手が込んでいる。
飲むと素晴らしい香りが鼻を抜けて口一杯に脂の旨味が広がり、そして最後に喉の奥に程よい辛味が残る。
下記の炒飯以外でも炒め物はもちろん和え物、つけダレなども格別に美味しくなると断言された万能調味料である。

『ラー油炒飯』は上記のラー油を米が真っ赤になるまで&bold(){ドバドバ大量に中華鍋にぶち込んで炒めた}シロモノ。
具は溶き卵、レタス、大根の醬油漬けと極めてシンプル。
見た目は米のひと粒ひと粒がルビーのように美しく、一口食べれば辛さを越える旨味と素晴らしい香りが口の中いっぱいに真っ先に広がる辛口炒飯であり、具醤油漬けの大根の漬物が味を引き締めているので油のくどさも一切ない。
特別審査員のミケロッティ本郷にして&bold(){「世界中の人間に受け入れられる」}と言わしめたシンプル・イズ・ベストな逸品。

ただし、調理中は飲めるラー油だと言わなかったため、真っ赤に仕上がっていくおそらく激辛であろう炒飯に審査員は恐々とし、また大谷扇動で試食拒否された。またかお前は。
だがネタばらしして食べた途端、即落ち二コマの如くその美味しさに夢中になり、何度もおかわりをねだって絶賛した。(大谷も意地を張って点は入れなかったが夢中になって食べていた。しかも微妙に隠れながら。)
対戦相手の[[陸顔王>陸一族(鉄鍋のジャン)]]があまりにも高級食材であるネズミハタに頼り過ぎたという弱点を突き、大谷を敵に回してるというハンデがありながらも圧勝してみせた。
なお、[[黄蘭青>黄蘭青(鉄鍋のジャン!)]]の極辛透明ラー油との対決では、「調味料の味そのもの」では黄の勝ちだが、「調味料としての万能さ」はジャンの勝ちと言え、実質的には引き分けである。

この飲めるラー油に限りなく近いものが、現在我々のよく知る&bold(){「食べるラー油」}である。
食品メーカーの桃屋から「食べるラー油」が発売されたとき、この炒飯を再現しようとした人も多いと思われる(基本的には同じなので、量があれば充分再現可能)。
「食べるラー油」が大ヒットし、今では定番化して広く愛される調味料になった事を考えると、ジャン(とおやまけいこ氏)は先見の明があったと言えるだろう。
&s(){その気になれば、これの特許でジャンは莫大な利益を得られたかもしれない。}

ちなみにこの飲めるラー油の元ネタは監修のおやまけいこ氏が六本木にあった四川料理の店でオーナーシェフから教えてもらったもので、文庫版に&font(#ff0000){&bold(){レシピが掲載}}されている。
腕に自信のある方はお試しあれ。&s(){レシピの分量は業務分量なので注意。}


・&bold(){油爆海鮫(サメの丸ごと一匹揚げびっくりもやしのあんかけ)}
準決勝「サメ肉料理」の課題で作った料理。
生きた鮫を丸ごと一匹揚げて、[[たけのこ]]・[[シイタケ]]・[[ニンジン>ニンジン(野菜)]]・大量のもやしなどの野菜を混ぜた黒酢風味のあんをかけた特大料理。簡単に言うと[[鯉の丸揚げ甘酢餡かけ]]の鮫バージョン。
生きたまま揚げたため鮫特有のアンモニア臭は全く無く、水分も程よく蒸発して食感も良くなっている。
そして&bold(){あんかけに使われているもやしには&font(#ff0000){一本一本}味を含ませたフカヒレ、そして注射器で鮫肉のすり身が入れられており味と食感がそれぞれ二重で増幅されている。}
調理法こそ豪快かつ尋常で無いほど過酷だが、&bold(){実際の所特段珍しい食材は一切使っていない。}

パリッと香ばしく揚がった鮫肉、野菜たっぷりでのど越しの良い醤油と黒酢のあん、野菜と一緒に混ぜられたプルプルとした魚唇(サメの唇)、何よりフカヒレ入りもやし、すり身入りもやしの2種類による「味と食感にダブル二重食感」が合わさった驚愕の一品。&s(){サメ一匹乗るほどの巨大皿もすごい。}
この二重構造もやしは、油で揚げたもやしのシャキシャキ感を軸とし、フカヒレ入りの方で奥深い味わいと食感を増幅し、すり身入りの方でやさしい味わいと食感を倍増させる効果がある。
そして黒酢の風味は全体の料理の味を引き締める効果がある。

その出来は、あの黄をして&bold(){&font(#0000ff){「この料理をおかわりしない人間はこの世にいない」}}とまで言わしめ、((本人が「食感」も重視した料理を作る事もあって完成度の高さを把握しやすかったのだと思われる))
・&bold(){豪快かつダイナミックでスケールの大きい料理(ケペル)}
・&bold(){「美」と「醜」は表裏一体。グロテスクな美しさがある(ミケロッティ)}
・&bold(){本来ならば100点満点を付けてもいいぐらいの完璧な料理(崔会長)}
……と、特別審査員からも絶賛されたが、その為に会場の色んなものを壊しまくってしまった((陳列棚を壊したり、ドームの金網を切ったり、油が飛ぶ可能性を承知でサメを生きたまま揚げたり。))為、特別審査員からは1点ずつ、計5点だけ減点された。((ちなみに一般審査員50人からは全員支持され50点満点。逆に一部の一般審査員から支持されず5点減点された黄の料理とは対照的である。))
とは言え、&bold(){&font(#ff0000){あの大谷でさえも試食拒否せず、(ケペルから「神の舌は裏切るなよ」と耳打ちされたこともあり)自分の舌を裏切れずに正当に点数を入れた}}という事で、この料理の凄まじさが分かるだろう。

ちなみに、ジャンはこの料理を作るにあたり
・水槽の中で元気に泳いでいた鮫を、&bold(){自ら水槽にダイブして中から水槽外へと蹴り飛ばす}&s(){ってどんな筋力をしているんだ}
・会場の中を縦横無尽に駆け回り、料理の為の道具を&bold(){DIYで}作り出す
・気の遠くなるほどに細かいもやしの仕込み作業を極寒の冷凍庫の中で&bold(){防寒着もなしで行う}(その為ジャンは危うく&bold(){&font(#ff0000){凍死しかけた}})((あと睦十はどういう料理か想像出来ない腹いせに「[[覚せい剤]]でもやっておったんじゃないかあの山ザルめ」と危ない発言をした。))
・自分に油がかかるのもお構い無しで鮫を油のプールで生きたまま揚げる
・丸々一匹の鮫の丸揚げにあんをかけてもっと重くなっている料理にもかかわらず料理を審査員の机まで&bold(){一人で運ぶ}(見ていた審査員が&bold(){「ちょっと大丈夫!?」「誰かに手伝って貰った方が……」}と本気で心配していた)
……などなどのリアクション芸人の如く体を張ったムチャクチャな調理をした結果、&bold(){&font(#ff0000){審査後に体力が尽きてブッ倒れた。}}残当。
だが、そのムチャクチャながらも真剣に料理に取り組む姿勢は、今までジャンを一方的に敵視し続けた&s(){クソ}観客も彼の事を見直し始め、あの大谷もこの料理以降、&bold(){&font(#800080){『審査員の立場で正々堂々戦う&s(){あと決勝の秋山の料理もちょっと食べてみたい}』}}という姿勢になり、心境の変化が訪れ始めた。

なお余談だが、「もやしにすり身を仕込む」という技法は、ジャンオリジナルでなく、なんと&bold(){&font(#ff0000){宮廷料理に実在する技法}}である。((豚肉のすり身を使った「豆芽塞肉」という料理。西太后の大好物のひとつだったとの事。))
スゴいね中華料理。


・&bold(){義大莉而鳥苗鳥肉(21世紀の生き残りをかけたダチョウ肉のカルパッチョ)}
無印におけるジャン最後の料理で、決勝戦「21世紀の中華料理」+「ダチョウ肉料理」の課題で作った料理。
&bold(){&font(#ff0000){「21世紀は&ruby(サバイバル){食糧難}の時代になる」}}というコンセプトで作った21世紀のためのダチョウ料理。
簡単に言えば[[昆虫食>虫食]]+ダチョウ肉の中華風カルパッチョ。
「食糧危機の時代に手に入る食材」として食用[[ミミズ]]・ゲンゴロウ・[[トンボ>トンボ/蜻蛉]]が、野菜では[[モロヘイヤ]]・アルファルファ・クロレラがトッピングとして使われている。
そしてダチョウ肉は&bold(){「魔法の箱」}と呼ぶ道具に吊るし放置することで自動的に&bold(){&font(#ff0000){サシ}}が追加され、本来ダチョウ肉ではあり得ない霜降り肉のような見た目になった。

しかし単なる嫌がらせのゲテモノ料理などでは決してなく、ミミズや昆虫達は泥取りや羽根取りなど丁寧な下処理をしっかりして油で揚げることで視覚的なマイナスイメージを消しつつ、シャリシャリと小気味いいクリスピーな食感に。
中でもミミズは豊富なコラーゲンにより鶏肉の煎餅と例えられる旨みを持つ。
メインのダチョウ肉は餅のようにムッチリと吸い付き尚且つ弾力あるマットな肉質を生かすために生で調理。
サシの入ったダチョウ肉は肉本来の繊細な味わいを損なうことなく&bold(){「ミルクのよう」「マグロの大トロ」「チーズ以上にクリーミー」と評されるほど上品かつミルキーな甘さを持つ濃厚な深い味の霜降り肉}に変貌し、噛めば噛むほど味が出るほどにダチョウ肉そのものの旨味をアップさせている。
生で調理したので火を通すよりもずっとしっとりと柔らかいという利点も有していた。
新鮮な野菜の小気味よいパリパリ食感は嫌らしくなりかねないほど濃厚すぎる生肉の生臭さを上手く消してサッパリ感を出すのに一役買っており、中華料理を意識した豆板醤と黒酢のドレッシングで味がよりピリッと引き締められている。
栄養面においても、高タンパク低カロリーのダチョウ肉、栄養満点なモロヘイヤ・アルファルファ・クロレラ、アミノ酸の塊の食用ミミズ、食物繊維やビタミン等の栄養素豊富なトンボ・ゲンゴロウという、「食糧難」の時代にはとても有難い料理であると言える。
ジャン自ら&font(b,#ff0000){「たとえ21世紀が暗黒の時代でも オレはウマイものを探し出して料理してやるぜッッッ」}とまで豪語したほど。

霧子も黄も、料理の出来こそは素晴らしいものの、どちらもテーマ食材である「ダチョウ肉」を活かしきれたか微妙なラインだったのに対し、&bold(){「唯一、肉に味わいを加えるのではなく肉の旨味そのものをアップさせた」}という点も含めて審査員からも大絶賛された逸品。
その衝撃的な反響は、特別審査員に食われるより前に少しでも多く食おうと一般審査員がなだれ込んで肉を奪い合い貪り食うほどであった。
#openclose(show=しかし……※衝撃のネタバレの為格納){
実はダチョウ肉に使われているサシの正体は……

なんと&bold(){&font(#ff0000){&sizex(6){蛆虫。}}}

なんと&bold(){&font(#ff0000){&sizex(7){蛆虫。}}}

※[[大事な事なので二度言いました]]

ただし、普通我々が想像するような不潔な蛆虫とは違い、海外産の食用バエが産んだ無菌・安全な蛆虫である。
サシを仕込んだ絡繰りは、&bold(){箱の中に肉とセットして大量の生きた産卵直前の食用ハエをぶち込むことで肉に直接蛆虫を産み付けさせてサシを入れていた。}
そしてサシの入った肉を取り出す際は箱の中に大量の炭酸ガスを突っ込むことでハエを気絶させ、表面に残っていた蛆虫を肉の中に潜り込ませてから回収する、という手筈である。

ただ、安全とは言えど「蠅」「蛆虫」の衛生的イメージから、&bold(){&font(#ff0000,#000000){種が割れると審査員に拒絶される可能性が極めて高い}}という致命的欠点がある。
実際ネタバレした途端それまで絶賛していた大谷以外の特別審査員もマジギレし、ケペルに至ってはリバースしていた。
そして最大の欠点は&bold(){&font(#ff0000){長時間放置していると、切り損なって生き延びた蛆虫が炭酸ガスの効果が切れて復活する可能性がある事。}}
このため他の2名が先に皿を出すことになった際には「時間がかかると魔法が解ける」と内心焦っており((皮肉にも、かつて大前に自分が行った「先行で時間をかけることで時間が経つとマズくなる料理に勝つ」という手が、図らずも自身に返ってきたことになる。))、劇中でバレたのも、最後までワガママで試食拒否していた大谷((しかも今度の理由は「ゲテモノだから」というワガママにも程がある理由である。お前正々堂々勝負したかったんじゃないのか。これには流石の崔会長も「いい加減にせんか!」とキレた。))の皿に、復活した蛆虫が数匹くっついていたから。

ただし、材料に蛆虫(やミミズやゲンゴロウなど)を選んだのは審査員への嫌がらせなどでは決してなく、「ダチョウ肉料理」と「21世紀(サバイバル)の料理」の課題に真剣に取り組んだ結果である。
サシは牛脂や豚脂などでも試したが、どれもサシを入れる手間が多い上に牛又は豚臭くなってしまう、という理由でボツになり、結果的に行き着いたのが&bold(){すぐにサシが入る上に、ダチョウ肉に足りない栄養分も補ってくれる虫の幼虫だったというだけの事}らしい。
その中でも敢えて蛆虫を選んだのは、ダチョウ肉と相性がいい上に、肉にサシを入れる手間が一番簡単だったからに過ぎない。幼虫の脂肪とタンパク質が加わることで通常のダチョウ肉よりも栄養価も高まった。
全て合理的判断からである。
&s(){そんなに早く卵から蛆虫に孵らないだろっていうのは禁句。}

また上記の通り、蛆虫とはいっても食用に作られているものであり、劇中でジャン自身が説明したように蛆虫入りのチーズが実在するし、睦十も「日本人は虫に対する忌避感が強すぎる」「海外では食べ物に寄生して育った虫は汚いどころか旨いという考えが一般的」と解説してフォローしている。

つまるところ最大の問題は、ジャンの性格と振る舞いがこれらを「嫌がらせや驚きを目的にしたパフォーマンス」と捉えられるようにしてしまい、&bold(){&font(#ff0000){本来一番の肝心である「蛆虫を食べる」ことへの説得力を与えられなかった}}、というところであろう。&s(){[[「貴重なタンパク源です」>ベア・グリルス]]とでも説明しておけばよかったかも。}
他のゲンゴロウやトンボやミミズなどはパフォーマンスの上で忌避感を和らげたのだから、蛆虫にそれが出来なかったのは片手落ちと言わざるをえまい。
睦十からも&bold(){「あの料理は霧子や黄のものと違い、種が割れたら誰にも食べてもらえないので騒動で有耶無耶にならずとも優勝は難しい」「性格が災いして優勝をフイにした」}と評されたが、その計算高さから&bold(){「まさしく21世紀の料理」「大谷が審査員じゃなければもっとすんなり優勝してたかもしれない」}と絶賛された。

}


**◆R頂上決戦

***●ビッグ大谷杯→ビッグ秋山杯編
・&bold(){軟膀蟹包子(丸ごとソフトシェルクラブ入り中華まんじゅう)}
Rの序章で、中国の特級調理師相手に&s(){無理矢理口にねじ込んで}振舞った料理。
中に上海ガニのソフトシェルクラブ((脱皮したてで殻が柔らかいカニ))の唐揚げが丸ごと入ってる豪華な中華まん。
中華まん生地のフワフワ感とソフトシェルクラブの唐揚げのカリカリ感のダブル食感に加え、五香粉でカニの生臭さも綺麗に消しており、隠し味として混ぜたカレー粉が食欲を刺激する逸品。


・&bold(){超力招来担々麺}
Rの予選「担々麵料理」で披露した&font(l){チン}珍料理。出された時の見た目は、でかいトウガラシが乗った汁なし担々麺。
『R』の頃には劇物料理人の評判が広まっていたため、実食フェイズの前に&bold(){検査フェイズが発生した。}%%残当。%%
唐辛子はカード・チリ((ヨーグルトに漬けて発酵・乾燥させた唐辛子。))という珍しい代物で、これを手で粉々にしてまぶして食するというもの。
坦々麺本体は普通の小麦粉の麺と、ゼラチンとお酢、醤油と黒ゴマを混ぜて麺状にしたものの2種類で構成されており、口の中で坦々麺が完成する。
また、油はゴマ油を中心に数種類の油をブレンドし、滋養強壮効果のある複数の食材が漬け込まれたオリジナル。インドのマッサージであるアーユル・ヴェーダのセサミオイルを料理に取り入れたらしい。

味は程よいピリ辛でもちろん絶品だが、何よりその栄養効果は抜群で、体がハッスルしすぎてたちまち&bold(){&font(#ff0000){鼻血が噴出}}した。そのせいで、「また毒物か」とか言われてしまった&s(){が、まあ仕方ない}。
さらにはプラスチックの丈夫なボードを握力で粉砕し、一部の審査員の股間は&bold(){直径が2ケタ近い}と言うレベルに超進化を遂げた。
あんなギャグマンガでもお目にかかれないほど壮絶な[[勃起]]は、多分早々忘れられない。


・&bold(){荷葉糟蛋鶏塊(龍崗鶏とハトの卵のハスの葉包み・幻の糟蛋風味)}
鶏卵から魚卵、爬虫類にいたるまで古今東西のありとあらゆる種類が準備された卵を使って料理を作る一回戦「卵料理」で作った料理。
広東省の地鶏・&ruby(ロンコンカイ){龍崗鶏}の肉とハトの卵をハスの葉で包んで蒸し、仕上げに葉を開いて熱した油をかけた一品。
それだけならオーソドックスな中華料理だが、味付けに&ruby(ザオダン){糟蛋}という卵食品を多く使ったことで濃厚な香りと味を付けた極上の料理となった。
その美味は、海千山千の審査員達(あの大谷でさえ)も、&bold(){&font(#ff0000){一時期審査を忘れて陶酔してしまった程。}}

この糟蛋は簡単に言えば&bold(){アヒルの卵の粕漬け}みたいなもので、四川省に伝わる実在する伝統技法。
アヒルの卵を加工して作るものだが、&bold(){あまりに作り方が難しすぎて(後述)後継者がほとんどいなくなってしまい}、幻の一品となってしまっている。
そのためジャンですら準備されている卵の中にあるのを見つけたときは驚愕し、審査員の一人だった大谷日堂も食べたのが50年ぶりで中々思い出せなかった。((佐藤田も「誰にも知らせず『気付けばラッキー大当たり』程度のお遊びのつもりで入れた」との事。もちろん糟蛋を知ってて見つけられても使いこなせるかは全くの別だが。一回戦の面子ではジャン以外では強いて言うならブルーぐらいしか使えなかったかもしれない。))

#openclose(show=みんなも出来る?糟蛋の作り方){
①まず、アヒルの卵を細い棒で軽く叩き、&bold(){薄皮を傷つけず割らないように注意しながら全体に細かくヒビを入れます。}
&bold(){……この時点で頭おかしいと思われるだろうが、[[誰だってそー思う。筆者もそー思う。>虹村形兆(ジョジョの奇妙な冒険)]]}
②酒粕・白酒・赤砂糖・塩を混ぜたタレに2ヶ月間漬けます。
③漬けた卵を取りだし、薄皮を残して殻を剥きます。
④2日ほど酒に浸し、各種調味料・香辛料(※)を合わせた中に漬けて1年間密封して完成です。
※この調味料・香辛料がわかる方は追記願います。

&bold(){&font(#ff0000){……うん。これでは美味しくても廃れて当たり前だわ。}}
}

(怪我で失神しそうなので)割り込んだのを違反扱いされて試食前から大谷に失格にされそうになったが、佐藤田の横槍で審査を受けられる事になり、終わってみれば&bold(){残った選手間どころか一回戦中最高得点}で残った料理人を蹴散らして勝ち残れた。((ただし、大谷以外の審査員は全員ジャンの料理に興味津々だった為、仮に佐藤田の横槍がなくとも、彼らの猛反対で大谷の目論見は失敗していた可能性が高い。))


・&bold(){頂瓜原味球節鰕}
実質的にエビチリ対決となった二回戦「エビ料理」で作ったクルマエビのエビチリ。
一見すると殻付きなのに味付けに肝心の頭がなく食べづらいだけの中途半端な料理に見えるが、実はエビのすり身をつくって殻に詰めなおして揚げた一品。
エビのプリプリした食感は失われているものの、クワイや豚の背油で味を補強したすり身とエビ油を使ったソース、揚げた殻の香ばしさによってエビの旨味を存分に楽しめる。
さらに&bold(){300尾のクルマエビから抽出したエビ油とエビミソ}を使うことで、普通ならあり得ない程に味が凝縮された一品となった。

観戦していた弥一には「秀逸なエビチリ」と褒められながらも、同時に「いったいいくらかかるんだ、&bold(){店では出せんぞあんなの}」とも評されている。


・&bold(){原澳地香灼金草牛(超熟グラスフェッドの熱々スープがけ ワイルドオーストラリアの香り仕立て)}
決勝戦「オージービーフを使った牛肉料理」で披露した料理。
牧草で育ったグラスフェッドの半身肉に果物のペーストを塗った上で加熱した炉の余熱で温め、超熟成状態にしたものを使用。
肉の3分の2を炉でミディアムレアに調理してそのうち中心の一番良い部分のみを切り分け、残り3分の1で出汁を取った熱々のスープを肉にかけて食べる。
日本人好みではないグラスフェッドが非常に食べやすくなっていて、一口食べるごとに肉本来の旨味に魅入られていく。
実は隠し味としてグレートビクトリア砂漠の岩塩やオーストラリア開拓時代のパン風に焼いた餅を使用しており、ペーストに使った果物もオーストラリア産。
料理全体でオーストラリアを感じさせる一品に仕上がっている。

最終的には牛肉料理としては他の決勝戦メンバーと同じ満点レベルであったが、&bold(){「オージービーフ」という課題においては抜きんでている}という責任者裁定が下って優勝となった。


・&bold(){玉龍雪山喧賭肉(秋山流岩石酢豚ガツの詰めもの丸ごと揚げ)}
「酢豚」の課題で作った料理。

名前の通り、豚の&ruby(ガツ){胃袋}に肉と野菜を詰めて揚げた酢豚で見た目は岩石の塊のようであり、それを切り分けてあんをかけて食べる。
ガツは丁寧にした処理したうえで揚げる前に煮込んでおり、臭みもなくガツの食感も味わえる。
味の決め手としてあんに使用した酢はジャンの祖父階一郎秘伝の黒酢であり、そこに隠し味としてチョコレートを加えることでガツに合うビターさをプラスしている。

ガツ詰め酢豚というアイデアは元はジャンの父親が残したものであり、それをジャンが形にしたうえで独自の工夫も加え祖父の黒酢も使用したという、秋山家三代の歴史の一品。


・&bold(){水盥雷神龍(ウツボと龍瓜の辛味煮タライ盛り)}
「水料理」の課題で作った料理の一品目。
ウツボの水煮をトウガラシや山椒で激辛に味付けした四川料理。
超軟水で煮込んだことで弾力やクセがあるウツボが非常に柔らかく食べやすくなっている。
また、スープではなくあえて水のみ、それも抽出力の高い超軟水で煮込んだことからウツボのダシが煮汁によく出ており、激辛かつウツボ本来のうまみが引き出されながらもスッキリとした味わいに仕上がっている。


・&bold(){いろいろ野菜と姿クラゲの和えもの}
「水料理」の課題で作った料理の二品目。
野菜とクラゲを和えたものだけでなくクラゲのカサを器と見立てて野菜を盛り込んだ物も用意されており、さまざまな食感が楽しめる激辛の一品目の後もあって非常に食べやすい料理。

この料理の水料理としての特徴は和えダレを適度に水で割って口当たりよくしているところなのだが、使用した水はなんと&bold(){ただの水道水}。
日本の水道水は世界一安全でおいしいとはいえ、対戦相手が徹底的に水に気を配っていた中で蛇口をひねっただけの水を使用したというのは審査員や観客の度肝を抜いた。
『R』に入ってから態度はともかく、料理自体は割と真っ当に作っていたジャンが久々に見せた人を食った料理ではあるが、小難しい理屈なしに水で薄めるだけという原始的で単純ではあるが効果的な水の使い方は審査員にも高く評価された。
また、上記の通り相手である佐藤田十三が徹底的に水を管理して作った料理のカウンターであり、それがただの水で割っただけという事実は勝負慣れしてない佐藤田のメンタルに多大なダメージを与えた。


***●五番町飯店復帰編
・&bold(){本場の皮付きモモ肉の回鍋肉(仮)}
五番町飯店に復帰したジャンが最初に作った料理。
店で出している日本人向けのオーソドックスな回鍋肉とは異なる、本場四川で愛されている回鍋肉。
茹でた皮付きの豚モモ肉を反り返るほど炒めてから甜麺醤を入れ、さらに肉から出た脂で葉ニンニクを炒め合わせただけのシンプルな一皿。
しっかりと炒められた豚肉はうま味が凝縮しており噛めば噛むほど豚肉の味が引き出される状態で、葉ニンニクには豚肉から出た甘い脂が絡まって格別な味となっている。

試食した李は「日本人にはまだ早すぎる」と前置きしつつ「本場の回鍋肉を知った上でうちのを作るという意識が大切」と述べ、五番町弥一もまた「料理は変化するものだが、ルーツを知らずに変化させ続けてしまうと全く別な料理になってしまう」と、元となった料理を知る重要性を述べている。


・&bold(){九龍飄香回鍋肉(無限大の風味をまとった駱駝(ラクダ)の瘤の回鍋肉)}
ジャン曰く&bold(){&font(#ff0000){「地球的拡大解釈」}}。
回鍋肉というのが「ゆでた肉をもう一度鍋に戻して調理したもの」という意味であることから、&bold(){「肉でさえあれば何でもいい」}という解釈から生まれた。
脂身の塊である駱駝の瘤と年代物の四川のからし菜の漬物という癖の強い食材同士を合わせている。
更に味付けとして駱駝の瘤専用のオリジナル醤を作成して混ぜ、隠し味にマジックスパイスウォーター(香辛料の煮出し汁)をオリジナル醤に入れて味を引き締めている。
伝統的な歴史ある数多の調味料を合わせた一品。
複雑怪奇な奥深さと、料理を飲み込むたびに優しい香りを感じられる絶妙な旨さを持つ料理。


・&bold(){沙沙稜稜蟹皇烤魚翅(サクサクの春巻の皮の器に仕込んだフカヒレのカニの餡かけ仕立て~中華の覇王風~)}
「1皿1000円のフカヒレ料理」というお題で作った料理。
「1皿1000円」への回答として1皿1レンゲ盛りに仕上げてある。
春巻の皮の中に金華ハム、椎茸、フカヒレを挟んで盛りカゴを作り、カゴの中には金華ハムベースのスープをくどくならないギリギリのラインまで煮詰めた餡とカニの卵を盛り、レンゲの底にはシャキシャキとしたもやしが仕込んである。

一口頬張れば餡のかかった場所とかかっていないパリパリした皮の2つの触感を味わえ、そして次に春巻の皮の中の具材が顔を出し、次にカゴの中にある餡が顔を出し、最後にもやしのシャキシャキ感で締めくくる。
即ちフルコース料理を1レンゲにまとめた驚きの料理。
絶妙な温度調整が必須となるため制作には低温火傷を負ってまで素手でレンゲを持ってオーブンに手を突っ込み盛りカゴを調理していた。
他の面々が普通の料理を1レンゲ分に調整したもので結局1000円分では満足に至らないものだったのに対して、こちらは1000円で満足できる品となっており、料理勝負はジャンの勝利となった。



#center(){&bold(){&color(#008000){ハハハーッ よっしゃこれでOK!}}
&bold(){&color(#008000){やっぱ ちゃんと&ruby(ケリ){追記・修正}はつけておかないとねー}}
}

#center(){&bold(){&color(#C10000){なにやってんだよ小此木………}}}

#center(){&bold(){&color(#008000){ハハハ――ッ もう行こうよ ジャン}}
&bold(){&color(#008000){これで終わりだ キミの項目の勝ちィ――!!}}
}

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- 実は他人の料理も割と素直に褒めるんだよね。たいていは「まあ、俺の料理の方が凄いけどな!」と続く訳だがw  -- 名無しさん  (2013-11-16 14:37:19)
- 光の料理人キリコと闇の料理人ジャンのダブル主人公制が面白いんだよな。どっちも闘争心と対抗意識が異常に高いっていうのは共通してるんだけどw  -- 名無しさん  (2013-11-16 16:56:09)
- Rじゃちゃんとキリコの「心の料理」も習得してるんだよね。ぶっちゃけケンカップル(笑)  -- 名無しさん  (2013-11-16 17:17:10)
- Rだと本当に丸くなった。  -- 名無しさん  (2013-11-16 17:18:56)
- 美味しんぼの海原雄山とは、絶対に気が合わなそうだな。壮絶な罵り合いになりそう。海原「料理人としての態度もなっていないし、勝つために手段を選ばない。貴様、本当に料理人か!?」秋山「カカカ、料理にケチが付けられないから、別な所にケチを付けるんだな。お前こそ本当に美食家か!?」  -- 名無しさん  (2014-02-06 16:25:26)
- 無印のチャンピオンコミックスのおまけページはジャンやキリコたちの終業後のトークと一緒に料理についての解説とかあって、本当に秀逸だった。  -- 名無しさん  (2014-02-06 16:49:02)
- ↑2 両者ともに譲らない闘争心とエゴのカタマリだからなw2chの煽りあいの如く不毛で果てしなく、それでいて傍観者には笑える舌戦になるだろうw  -- 名無しさん  (2014-02-06 17:36:38)
- ↑それはそれで見てみてえwww  -- 名無しさん  (2014-02-11 03:39:06)
- ジャンとキリコのおじいさんが復活した話があったがぜひ対決を見てみたかった。  -- 名無しさん  (2014-03-27 12:50:05)
- 天道総司とも相性悪そうだ  -- 名無しさん  (2014-04-05 16:06:03)
- ↑と言うか、ほとんどの人間と相性悪いぞ。   仮面ライダーのキャラで言えば、ウィザードの瞬平みたいな奴じゃないとついてけないw  -- 名無しさん  (2014-04-05 18:26:46)
- 小此木とかスグルとか見てると、親友は無理でも悪友になれそうなのはいっぱいいる気がする  -- 名無しさん  (2014-04-05 20:39:38)
- 雄山の他に陽一とも対立しそう。  -- 名無しさん  (2014-09-13 17:13:43)
- 我が強くて自信家な人間とは真っ向対立するだろうな。合う人間は……どんなタイプだろ?  -- 名無しさん  (2014-09-13 17:31:09)
- 小此木みたいに何をされてものれんに腕押しでけろっとしてるイノセンスなタイプかな。適度にダメ人間でw蘭青みたいな腹黒くて『自分まだ全然本気出してませんよ~』って感じの『飄々とした能ある鷹』気取ってるような奴じゃきっと見抜かれる。  -- 名無しさん  (2014-09-13 17:38:55)
- 食戟のソーマに美作昴という似たようなキャラがいるがジャンと勝負したら凄い事になりそう  -- 名無しさん  (2014-09-13 17:55:49)
- ↑ジャンの闘い方をする俵屋って感じのキャラだよなw  -- 名無しさん  (2014-09-13 17:59:33)
- ↑3 成程。面倒見も割と良いし、そのタイプなら結構良いコンビになるなw  -- 名無しさん  (2014-09-13 19:26:49)
- ↑2 美作は俵屋と言うより黄蘭青っぽい気がする。相手の行動を読んでそれを利用する辺りとか  -- 名無しさん  (2014-09-13 19:32:47)
- 戦ったら「相手の真似をして勝とうなんてみみっちいやつだ。ククッだがな、秋山の魔法は誰にも真似できないぜ!」くらい言いそう  -- 名無しさん  (2014-09-13 19:41:17)
- ↑言うね。絶対wでもって勝ったらさらにクソミソにけなして虚仮にするw  -- 名無しさん  (2014-09-13 19:59:33)
- ジャンって全然性欲ないね もしくはホモだな キリコのおっぱい当てられてもまったく反応してなかったし  -- 名無しさん  (2014-12-24 23:18:03)
- ↑Rではそれなりに反応してる。ぶっちゃけキリコとは間違いなく3年の間にヤッちゃってる…!!  -- 名無しさん  (2014-12-24 23:43:23)
- 全戦全勝ってわけじゃないんだよな、割りと凡ミスで負ける  -- 名無しさん  (2014-12-30 11:21:55)
- Rではすごくまともに料理人してるんだよな。最終戦水対決でも隠し味が水道水だっただけで。ただもうちょっとだけ続いたおまけ編ではコーラ爆弾に珍味回鍋肉そして火傷といつものジャンに。  -- 名無しさん  (2015-01-06 03:27:04)
- 真空調理器に頼り切ったヤツに正攻法でぶつかるところは凄いと思った。どっちもアンチばかりがついていたが。  -- 名無しさん  (2015-01-06 09:10:01)
- 川村(名前うろ覚え)だっけ? アイツは性格悪いからな……客の方が遥かに悪いけど  -- 名無しさん  (2015-01-06 09:13:08)
- 大谷とはお互いに見下し合いながら腕と舌だけは認めてるんだよな…こう書くと割と正統派のライバル関係っぽくなる不思議  -- 名無しさん  (2015-02-15 23:23:39)
- ↑3 文明の利器に技術で対抗して勝つのは王道の燃え展開だな。あとぶっつけ本番で創った料理が美味くなるわけねーだろバーカwww!ってトドメの台詞がアンチ料理対決漫画っぽくていかにもコイツらしい。自分も土壇場でキテレツな真似しまくってるけどアレも基本の応用なんだな(ぶっとび過ぎてて誰もやらないだけでw)。  -- 名無しさん  (2015-07-28 15:01:27)
- 料理漫画の定石「後出しが有利の法則」を逆手にとり、あえて自分が先に出して、相手の料理を台無しにさせたのは凄いと思った  -- 名無しさん  (2015-09-08 11:13:58)
- 道具に頼る相手と言えばスグルの秘書もそうだったな。あっちはあっちで身体壊しそうな方法で身に着けた技術だけど  -- 名無しさん  (2015-09-08 13:10:22)
- ↑10 キリコが秋山ノヲトを胸の中にしまってたのを「取り戻せない」って大騒ぎするくらいだけどな、ホモどころか実は超ウブだろこいつ  -- 名無しさん  (2015-10-21 19:17:24)
- 麻雀の方の設定、「中華料理の腕前はプロ中のプロ。ついでに麻雀もめちゃくちゃ強い」にすべきじゃないか(錯乱)  -- 名無しさん  (2015-10-21 20:13:03)
- なんだかんだ言って基本の徹底と応用の引き出しを増やす事を最重要視するあたりは主人公かつ料理人だよな。なお  -- 名無しさん  (2017-02-25 18:33:17)
- 相手の欠点を指摘してこき下ろすけど「どうするべきだったか」も指摘してくる  -- 名無しさん  (2017-05-12 13:04:54)
- 続編でキリコと醤の息子が登場。ケンカップルという感じでくっ付いた感じがする。  -- 名無しさん  (2017-06-23 05:31:46)
- 褒めるところはちゃんと褒めるし貶すところはちゃんと貶す 勝負が絡まなければ気の良い兄ちゃんって人物  -- 名無しさん  (2017-06-23 05:56:31)
- 尚、ジャンの息子の名前もジャンな模様。  -- 名無しさん  (2017-06-23 06:57:39)
- 「料理は勝負」という信条のためかクローズアップされている嫌な性格の割には料理外で何か起こしたことはない……よな?料理対決前に相手をボコボコにするような卑劣な行為はしない  -- 名無しさん  (2017-06-23 08:24:57)
- ↑しいて挙げれば五行との対戦前に包丁に塩酸ぶっかけたくらいか?あれもまあお互い様だったけど  -- 名無しさん  (2017-09-08 22:07:25)
- 息子がいたとは・・・しかしキリコとは水と油の関係だと思っていたので驚きだ。  -- 名無しさん  (2017-09-14 10:30:08)
- 序盤の太極餡かけがまともに見えるけど、見た目も味の内に入れてる相手の料理に対して「目隠しして食え」って言ってるから微妙に卑怯  -- 名無しさん  (2017-10-05 07:24:47)
- 2nd醤は壊れキリコのせいで「勝負でないとエンジンがかからない」性格に。両親は二人共普段からハイテンションだったからなあ  -- 名無しさん  (2017-10-16 23:59:13)
- ふと思い出したけど、確か血のデザートを出した大会の後、大谷の嫌がらせで負けはしたけど会場中の観客を虜にしたことで勝利したと認識してなかったっけ。とすると、この時点である意味「心の料理」の片鱗はあったということかな。キリコのそれとは方向性が違うが。  -- 名無しさん  (2017-10-17 04:56:16)
- 息子のほうが言葉の端々に親しみやすさがある。親父だったら千年に対しても「テメーは便所掃除でも一生していろ」といいかねない。  -- 名無しさん  (2017-11-14 10:03:29)
- 息子に恨まれてる理由ってキリコが妊娠したのを知ってバックレタからってことはないよなさすがに  -- 名無しさん  (2017-11-18 22:00:41)
- ↑そもそも本当にジャンとキリコの息子なのか?二人がHしている姿なんてイメージできんわwwwww  -- 名無しさん  (2017-11-18 22:24:02)
- ↑いや、そこはさすがに二人の子供だろう。  -- 名無しさん  (2017-12-31 02:51:58)
- 至福の暴対とか、次回作 次々回作を買ってた  -- 名無しさん  (2018-02-25 18:05:10)
- 過去回想での祖父との修行の頃の醤は普通の少年みたいだったから環境で変わるタイプなのかな?まあ、祖父があんな死に片したら変わってもおかしくないけど……  -- 名無しさん  (2018-03-07 08:50:57)
- ↑4無印の時に醬が実質的にプロポーズしてキリコが条件付でOKしていたじゃない  -- 名無しさん  (2018-04-10 17:11:05)
- 坊主頭よりR前半の髪伸ばしたジャンのほうがカッコよかったな  -- 名無しさん  (2019-02-08 03:19:44)
- 無印の豆腐素麺とRの卵料理はまだっぽいのかな  -- 名無しさん  (2019-06-10 12:05:45)
- 無印とRの間の中国修行編を読んでみたい  -- 名無しさん  (2019-07-31 15:22:31)
- ↑28 実はアレ、中華一番に登場した「舌覚疲労封」って技とほぼ同じものだったりする、もちろん悪役が使う技だ  -- 名無しさん  (2019-11-30 10:14:48)
- 見るたび思うけど、第一回決勝戦のデザートでキリコが「オリジナリティとかそんなので勝負したつもりは~」とかいうの、とんでもない詭弁だよな。麺ではそれでジャンを散々コキ下したくせに。逆に麺でキリコが刀削麵やってたら絶賛だったんだろうな、って気がする。  -- 名無しさん  (2019-12-20 08:46:05)
- ↑中華でデザートがそれだけ難しい課題だったんだと思った。中華以外のあらゆる料理の知識に長けたジャンと、あくまでも中華のエキスパートのキリコとの差が出た勝負だと思った。  -- 名無しさん  (2019-12-20 09:05:29)
- 2ndで遂に再登場。どうやら霧子とはよりを戻したらしく、霧子は二人目の子供を妊娠中  -- 名無しさん  (2020-01-12 15:19:54)
- あそこらへん吹き出しちゃった。やっぱ仲良いしじゃん笑  -- 名無しさん  (2020-01-18 11:38:02)
- 秋山杯(佐藤田戦)だけ料理が抜けてるのが残念だな…「実は水道水!」のくだりが大谷含め一番この作品らしいのに残念だ  -- 名無しさん  (2020-02-10 02:35:17)
- 1ページだけ貼られてこのあとどうやって主人公が逆転するんだ?っていうお決まりの流れ好き  -- 名無しさん  (2021-05-26 11:12:32)
- ※主人公はもう勝ってます も含めてあの流れ好き  -- 名無しさん  (2021-06-23 09:26:52)
- 2ndはホンマ作者食わすためだけのしょーもない駄作だっただけに勿体なかったな、もうちょっとやる気有ればまたジャンがやらかしたのか、って笑えたのに  -- 名無しさん  (2021-09-09 14:52:23)
- 鉄鍋のジャンRのジャンは卑怯な騙し討ちで奪われた一族の秘宝を取り戻すためという少年誌の主人公みたいな動機で戦ってて笑う。  -- 名無しさん  (2022-05-29 12:48:24)
- この作者、あとジャンプで連載すれば週刊少年誌の4誌で連載を達成するんだよな。(知ってる限りで達成したのは鈴木央だけか)  -- 名無しさん  (2022-06-07 21:23:40)
- ラーメンハゲや自然嗜好食い逃げ美食家との掛け合いを見てみたい。多分全員水と油で小学生レベルの争いを繰り広げ山岡あたりは冷ややかな目で見つめてそう  -- 名無しさん  (2022-06-07 22:52:09)
- しかし最初の大会で課題と違う料理を作って酷評されたのが余程トラウマらしい、Rでは課題のど真ん中の料理をしっかり作ってる。  -- 名無しさん  (2022-06-24 21:19:52)
- ↑言っちゃ悪いけど秋山のスタイルだと審査員に嫌われて当然だし課題のテーマからズレてるなんて目立つ穴を残す方が悪いよね  -- 名無しさん  (2022-06-24 21:34:21)
- ↑4サンデーの将棋は覚えてるけど、マガジンは何だっけ?  -- 名無しさん  (2022-06-24 22:12:23)
- ↑フタツキっていう性格良くしたジャンが主人公みたいなラーメンマンガを2巻だけやってた  -- 名無しさん  (2022-06-24 23:05:11)
- 親からキッツい虐待同然の鍛錬を重ねられたから、プライド・コンプレックスが複雑に重なりジャンの人生そのものでもあるのが料理の腕前なので、勝負ごとには異常に拘る。勝負が絡まなければ、かなり上から目線だけど割と優しい方  -- 名無しさん  (2022-06-24 23:31:44)
- 素人同然だった小此木やダチョウステーキのオーナーを一端の料理人に成長させた辺り、案外と指導者に向いてるのかもしれないな。  -- 名無しさん  (2022-11-30 00:41:02)
- 決定的に捻じ曲がったのはたぶん祖父の焼身自殺っぽいんだよな。薬局に薬を取りに行くときの態度とか、駆け付けた時の周囲の人との当たり方とか、礼儀正しい普通の少年だった。  -- 名無しさん  (2023-01-06 17:00:58)
- しかしキリコとジャンは結ばれるべきじゃ無かったカップルだと思う、ジャンは心の料理を学んで心の底から相手を屈服させる料理を作るようになったし、キリコはジャンの苛烈で完璧主義で無慈悲なところを息子に押し付けるようになってしまった  -- 名無しさん  (2023-03-12 16:19:36)
- ぶっちゃけ料理に対してはものすごい真摯なんだよな。  -- 名無しさん  (2023-09-07 10:00:16)
- 長寿回春のとき、相撲取りが四股で地面揺らしてたけど、よく考えたらあそこ海上に浮かせた会場(激ウマギャグ)だから当たり前ではあるんだよな  -- 名無しさん  (2024-01-04 15:21:15)
- 問題ある言動は作中でもヒールとして批判されてるのが良かった。他作悪パターンのなんでも主人公ヨイショを強引にでもやってたら読者からも反発されてたはず  -- 名無しさん  (2024-01-21 02:43:47)
- 他の作品だったらキノコスープの件とか無かったことにするだろうけどな。まあジャンが-100からでも100点満点を取れる才能と自負があるからできることだろうが。  -- 名無しさん  (2024-01-27 20:18:07)
- なんだかんだ、今でもちょくちょく読み返したくなる名作だと思う。  -- 名無しさん  (2024-02-11 03:04:29)
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