プロローグ書いてみました

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作:イド 全力でハードルを下げにかかりました。 設定が矛盾しているのは突っ込みだしたらキリが無いと思うのでそれは無視しつつ気軽に読んで頂けるといいかと思います。 あと、ハギノちゃん好きです。ハイさんの思い描いたキャラとは大分違ったものになってる気がしますけど…… ---START--- 祖父が死んだ。しかし、それはいつか来ると覚悟していたことだ。問題はそこではない。 問題は今この時間に死んでしまったことだ。 祖父はキャラバンの長をしていた。その理由は何も聞いていない、 本人が作り上げた組織だったのか、その前の代からやっていたのかすら分からない。 とにかく謎の多い人だった。 キャラバンの長が死んだとなれば、その子供が跡を継ぐのが普通だと思うのだが その子供に当たるのは何と俺しか居なかったのだ。 まぁ祖父の兄弟は見たことがないし、父母の話も聞いたことが無いので当然と言えば当然なのだが。 そんなこんなで、俺がキャラバンを受け継ぐことになったのだが やはりと言うか何と言うか、組織内からは反発する者が現れた。 弱冠20歳の若者に付き従えと言うのも難しい話だろう。 キャラバンは互いに助けあうために組織するものだ。 ならば、そんな状態で続けるのは逆に危険だろう。 そう思い。俺は祖父の残したキャラバンをあっさりと解散してしまった。 俺に残ったのは、各地をめぐって得た知識と。 拠点のあった白の国での友人と。 祖父が生前集めていた物をしまっている、という小屋だけだった。 キャラバンを解散した次の日。俺はさっそくその小屋とやらに行ってみた。 小屋の中には各国の名産品と思われる諸々や、何かをかたどった置物。 そして一冊の本があった。 なぜか惹かれるものがあり、その本をめくってみたのだが 少なくとも普段使っている共用語では無い言語が書いてあった。 しかし、その独特の文字には見覚えがあった。 そう、それは紛れもなく魔道書だったのだ。 俺には魔道書の事は分からない。魔法の力なんて使わないし、その必要も無いと思っているからだ。 だから、他の小物と一緒に全て売り払ってしまおうと思っていたのだが それに異議を唱えた奴が居た。 それは幼馴染のハギノだった。 ハギノは生まれも育ちも白の国で魔法の心得があるのだが 魔道書については並々ならぬ興味があるらしい。 なのだから、改めてハギノと二人で小屋へと向かうことになった。 「そんなに気になるものなのか? 魔道書ってのは」 「はい! それはもちろん。魔道書とは数々の偉人たちが一冊一冊丁寧に作り上げた本。 南にある国の簡易魔法なんかとは訳が違うのですっ!」 普段はもっと大人しい女の子だったと思うのだが、少々ハイなテンションになっているようだった。 しかし、南にある国の簡易魔法、か。彼女も白の国の人間だ。それなりの事情があるのだろう。 飛び跳ねるように歩くハギノと共に慣れ親しんだ町を上へ上へと進む。 「ところで一体どんな魔道書なんですか?」 「あぁ、まだ話して無かったな。ええぇと」 どう説明したら良いのだろうか。俺は普通の魔道書すらしっかり見たことがないからな。 何が普通で何が特異なのすら分からないぞ。 「どんな本なんですかっ!」 「おう。分かったから落ち着け」 「えうぅ。分かりました...」 しかしなぁ、話せることは何も無いな。 どう誤魔化そうか考えているとちょうど目的地が見えた。ナイス 「……っと。この話はここまでだ。ほらあそこの小屋だ」 「意外と近いんですね」 「まぁな。でも、わざわざ遠い場所まで持って行って保存することもないだろ」 「それもそう。なのかな?」 二人で小屋の中へと入る。長年放置されていたのか持ち主に掃除する気が無かったのか、 どちらにせよ中は埃っぽくあまり良い場所とは言えなかった。 「うわぁ。これ全部おじい様が集めたんですよねー」 「そうらしいな。まったく、いつの間にこんな場所を……」 「では本題に行きましょうか!」 ハギノは、もう本以外は十分見た。と言わんばかりに早々に魔道書へと意識を変えていた。 どちらにせよ全部売ってしまうんだしまぁどうでもいいか。 「えーっと。おう、あったあった。これだ」 「へー、確かにこれは魔道書の様ですね。でも……」 「どうかしたのか?」 「はい。この本に書かれているのは私達が魔法を使うときの言語と似てるんですよね。 でも似てるだけで決して同じではないです」 「?? どういう事だ?」 「これは、古代魔法なんだと思います」 「古代魔法? でも白の国の魔法は基本的に世代をこえて受け継がれてるんだろ? それとは違うのか?」 「うーん。説明が難しいんですけど。伝言ゲームって知っていますか?」 「ああ。前に商売で行った村の学校でそんなことをしていたのを覚えてる」 「それなら話は早いです。結果はどうでしたか? ちゃんと最後まで伝わっていました?」 「少人数だと正確に伝わっていることが多いが、人数が増えてくると中々上手くいかないようだったな。 伝言の一部が欠けていたり、変な尾ひれがついていたり」 「そうなんですよね。長く続くほど情報は劣化していく」 「つまりはそういう事なんです!」 なるほどな。ハギノの言いたい事はなんとなく分かった。白の国は魔法の知識を次の世代へと伝えていく文化だが それが原本の内容とまったく同じとは言い難い。長い歴史の中で簡略化したり、付け加えられた部分もあるだろう。 つまり、あまりにも長く続いた伝言ゲームでは、元の内容とは似て非なるものになっているのだ。 「ってことは、本の内容はまったく分からないのか?」 「それがそうでも無いみたいなんです。本に現代語で書かれたメッセージが挟まっていました」 「ほう。見せてくれ」 ……それは明らかに魔道書の言語で書いてあった。さっぱりだ 「ハギノ。お前これ」 「あっいえ。これは現代の、魔法言語で書いてあるようです。 あれ、でもおじい様の字とよく似てる……?」 俺は筆跡なんぞ分からないので、真偽は定かでは無いが 本当に祖父が書いたものだとすると、あの人は魔法言語を多少なりとも齧っていたって事か。 「まぁいい。とにかく読んでみてくれ」 「了解ですっ」 「このメッセージは私の孫へと向けた物だ。 それ以外の人間が手にしたのであれば破いて捨ててもらって構わない。 さて、孫よ。この文章を読めると言うことは、 お前が魔法言語を学んだか、良き友と共に居る時だろう。 どちらにせよ、私はこの本の内容を欲する者の為に手を動かしている。 結論から言うとこの本は図書館だ。 古代に綴られた数多の魔道書。その原本が封印という形で本の中に入っている。 この本の全ての魔道書を解き放つ事、それが私の夢の一つでもあった。 お前に私の意志を継ぐ気があるのなら、ここから南へ行った場所にある港の国へ行くといい。 そこにかつて私の夢の手伝いをしてくれた者がいる。 強く生きよ。私の愛する孫よ。前を向いていれば、いつか全てが分かる時が来る」 「……あの!」 「分かってる。連れてけって言うんだろ。俺の旅に」 「はい!」 こうして、祖父の謎を解くため。祖父の夢を叶えるため。 俺たちは長い旅を始めたのだった。 ---END---
外部サイトの方に転載するのでこちらは削除させていただきます。 ページ削除をしようと思ったのですが、まあ何か出来なかったので面倒だと思いますが管理者の方お願いします。

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