マテリアル・バースト(質量爆散)は、質量をエネルギーに分解する究極の
分解魔法である。
分解魔法にてアインシュタイン公式の通りに質量を光速度の二乗の倍率でエネルギーに変換する。 対消滅反応ではない為、エネルギーの転換ロスも無い。
USNA軍における呼称は「グレート・ボム」である。
概要
分解対象の物質は、ある程度均一な物質であるならば、分解できる質量に制限もない。当然、分解する質量が大きければ大きいほど威力は激増する。
単純な物理的威力においては他の追随を許さない、比喩ではなく世界を滅ぼすことすらも可能な、世界最強の威力を誇る
戦略級魔法である。
また戦略級魔法は発動までに時間を要するものが多いが、マテリアル・バーストの発動速度は即座であり、全戦略級魔法中でも最速レベルに位置する。
数十km先の長距離微細精密照準の補助デバイスとして
サード・アイを併用する。サード・アイは必須ではないが、任意の物体に精密照準するには実用上欠かせないものになっている。
サード・アイを使用してマテリアル・バーストを発動させる時、
サード・アイの引き金を引く描写がある。
沖縄海戦では、弾丸を分解魔法で分解後に再生魔法で再生することで遠隔地でも認識可能な弾丸を作成し、その弾丸を射程伸張術式組み込み型武装デバイスで20km先に打ち出すことで、遠隔地にある弾丸を標的にマテリアル・バーストを発動させている。なお自作
サード・アイでも、射程距離等が正規
サード・アイより劣るが、マテリアル・バーストが使用可能であるとの記述がある。
発生するエネルギーが大き過ぎる為、近距離、中距離の間合いでは事実上使用できない。
質量を消し去って、そこに「質量相当の高エネルギーが存在する」空間を出現させる。この膨張する空間に触れた物質は激しく振動し、加速され、燃焼、融解、蒸発、崩壊、爆発などの変化をもたらす。
より詳細には、発生した膨大なエネルギーは、消滅した物質に隣接する物質へ伝わり、分子間結合が切れて分子が原子に、さらに電子と原子核に分断され、生じたプラズマに巨大な運動エネルギーを与える。また部分的には、原子核の分解や中性子の崩壊まで引き起こす。マテリアル・バーストの発動によって観測される破壊の力は、そのほとんどが隣接する物質が変化したプラズマの運動エネルギーである。プラズマ同士の衝突によって外側の物質が高熱を帯び、さらに破壊を広げ、巨大な爆発が引き起こされる。
実戦での使用
(使用者は全て
司波達也)
- 2092年8月11日 - 接近する大亜連合の艦隊(高速巡洋艦2隻、駆逐艦4隻)に向けて撃った弾丸(7.62mm弾)を対象にマテリアル・バーストを発動し、撃沈する。これが実戦での初使用となる。7.62mm弾の質量は10gから11g程度であるとされているため、発生した熱量はTNT換算200キロトン程度(0.2メガトン)と推測できる。
- 2095年10月30日 - 横浜ベイヒルズタワー屋上より、相模灘を南下中の大亜連合所属偽装揚陸艦の甲板に付着した水滴(50mg)を対象にマテリアル・バーストを発動し、撃沈する。熱量はTNT換算1キロトン(0.001メガトン)。
- 2095年10月31日 - 対馬要塞より、大亜連合鎮海軍港の奥に停泊する旗艦の戦闘旗(1kg)を対象にマテリアル・バーストを発動し、艦隊と港湾施設を消滅させる。熱量はTNT換算20メガトン。 (灼熱のハロウィン)
- 2096年3月27日 - 国防空軍百里基地 航空宇宙防衛司令部より、小惑星2095GE9を破壊するため、地球に向いている面の約2トンの岩塊を対象にマテリアルバーストを使用。熱量はTNT換算約40ギガトン(40000メガトン)。
- 2100年6月21日午前3時43分20秒 - 巳焼島から、日心黄道座標黄緯60~61°、黄経121~123°のエリア、3億km彼方の彗星向けて発動。地球に衝突する懸念のある彗星(平均直径20km)の表面積の1割、深さ10mまでのタールをエネルギーに変換。その結果彗星は質量の大半が蒸発して崩壊、破片は太陽系外縁方向へ飛散した。このときエネルギー変換されたタールの体積は大まかな計算で1127886953立方メートルであり、タールの比重は1.1g/cm3以上であることから、発生した熱量はTNT換算約26.6エクサトン程度(26.6兆メガトン)と推測できる。
威力
エネルギー E = 質量 m × 光速定数 c の2乗
質量が50mgの場合、4,493,775,893,684 J(4TJ) = TNT換算 1kt(1,073,525,058g)※
質量が1kgの場合、 89,875,517,873,681,764 J(89PJ) = TNT換算 21Mt(21,480,764,310,153g)※
※光速定数=299,792,458m/s、1cal=4.184J、1TNT換算g=1000cal、tはメトリックトン(仏トン)で計算。
計算式について詳しくはWikipediaの
E=mc²をご参照ください
数値のどれくらい凄いのかについてはWikipediaの
エネルギーの比較をご参照ください
規模については以下の参考に
使用者
裏話
http://novelcom.syosetu.com/impression/list/ncode/52564/(リンク切れ 「魔法科高校の劣等生~初年度の部~ - 感想一覧」より
佐島勤 [2010年 02月 02日 (火) 22時 05分 32秒]
質量制限はありません。
むしろ対象物の構造や規模が問題になります。
ですから、単純で均質な組成の物質であれば、トン単位から数十トン単位でエネルギー化が可能です。
本来は映画のディープインパクトやアルマゲドンのような、巨大隕石迎撃用の魔法なんですよ(^^
魔法科高校の劣等生WEBラジオ 満開!ブルーム放送委員会 最終回 教えて!佐島先生! 32:27 ~
Q.作中で達也が使った究極の分解魔法マテリアル・バースト。これは質量を直接エネルギーに変換する魔法なのですが、変換できる質量に上限はあるのでしょうか?
A.変換できる質量の上限はありません。ある程度均質な構造の物質であれば、無制限にエネルギーへ変換できます。
ここでいう均質な構造とは成分が均質であることではなく、歯車とか、電子回路とか、高等生物の分化が進んだ器官とか、そういう機能的な複雑さの有無のことです。ですから、猫やネズミのような小動物でもそのままではエネルギーに変換できません。実際には必要の無いことですが一旦、雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)で元素レベルに分解してからマテリアル・バーストを仕掛けることになります。
他方、小惑星の内部は様々な鉱物が不均質に分布していますが、「鉱物の塊」という意味における構造は均質なので、達也が認識さえ出来ればどんなに大きな小惑星だろうとエネルギーに変えて消し飛ばすことが出来ます。鉱物、鉄の支柱などの金属の塊、布、液体などはマテリアル・バーストを使いやすい対象物です。布は染色や刺繍がされていても、構いません。
一方、複雑な構造を持つ機械や電子回路、生物はマテリアル・バーストの標的としては不向きです。もっともこういう複雑な構造を持つ物はマテリアル・バースト以外の分解魔法の標的としては逆に適しています。
なお、マテリアル・バーストが分解魔法に分類されるのは物質とエネルギーがシームレスな関係にあり、物質は固定化されたエネルギーであるという考え方によります。
登場巻数
3巻、
7巻、
8巻、
9巻、
10巻、
13巻、
14巻、
16巻
コメント
収束 吸収 放出 用語 発散 系統魔法 魔法
最終更新:2023年06月13日 15:46