文献情報

  • 木村重夫(編), TOSS向山型算数研究会: 向山型算数授業法事典 小学2年, 明治図書出版 (2005).

啓林館教科書を用いたかけ算授業

 60-79頁は「かけ算①」として、啓林館教科書を用いた授業案を記しています。
  • 「かけられる数」と「かける数」の区別を重視し、最初はそれらを黒板の式に吹き出しに載せ、子どもたちにも書き写させます。
  • 囲みで〈ポイント〉として、「5×8と8×5との区別をする」(69頁),「あとあと,2×8と8×2との区別をするためである」(73頁)と書き、「何このいくつぶん」を徹底しています。
  • 76-77頁では、「おかしのはこが4つあります。1つのはこには,おかしが5こずつはいっています。みんなでなんこになるでしょう。」という教科書からの問題を取り上げ、「かけられる数とかける数が入れ替わった文章題」を扱います。問題解決型授業だとここで、「4×5=20」と「5×4=20」の式を出させて比較するところ、本文では「4×5=20」が出ることなく、板書の図を書き写させて、「5×4=20」へと導いています。
  • 78-79頁は作問の授業です。教科書の出題は、「下のえを見て、3×4のしきになるもんだいをつくりましょう。」です。子どもたちが問題を作ったら、先生はそれを見て、寸評とともに「4点」「1点」「10点」といった個別評定をします(「10点」でなければ作り直します)。2~5の段のかけ算と広げて、同様に子どもが作り、先生が個別評定をしていくと、そのうち「12点」という点数が出て、子どもたちはびっくりします。それは「前時にやった「かけられる数」と「かける数」が入れ替わった文章題」です。

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最終更新:2012年12月26日 21:05