「かけ算の順序」とは


 かけ算の順序論争においては、「決まったかけ算の式だけ(例えば3×5)を正解とするか、それとも、かけられる数・かける数を交換した式(例えば3×5と5×3の両方)をともに正解とするか」を言います。
 「掛け算の式の順序」や「掛け算順序固定」(「掛け算順序固定」問題対策本部)など、表記の揺れも見られます。
 小学校のかけ算で「順序」というと、上とは異なる使われ方がなされています。
 一つは、「計算の順序」です。結合法則(例えば、(2×3)×4=2×(3×4))や乗除先行(例えば、3+2×3≠(3+2)×3)と関連して、指導や出題の事例が見られます。実際、調布市立杉森小学校 平成18年10月24日の学習指導案は、乗法の結合法則の学習で、まとめには「かけ算はかける順番がかわっても、答えは変わらない。」とあります。
 もう一つは、九九をどの段から学習するか、という話です。そこでもよく「順序」が使われています。例えば、吉田靖子氏による「私の実践・私の工夫」には、「教える段の順序を工夫」という見出しがあります。
 文献:馬場2002には、研究報告の文書ですが「かけ算の順序」という表記が見られます。そこでは、日本語式・タイ語式・英語式の語順や式の表し方を問題にしていており、「どちらでもよい」という発想は見られません。
最終更新:2012年12月01日 00:46